JP4227285B2 - アルミニュウム合金プリフォーム体の製造方法及び製造システム - Google Patents

アルミニュウム合金プリフォーム体の製造方法及び製造システム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アルミニュウム合金のプリフォーム体を製造する方法及びシステムに関し、詳細には、超微細結晶組織構造(本発明では結晶粒径が2μm以下のものを言う)を有するアルミニュウムの粉末と、アルミニュウム以外の遷移金属及び半金属の少なくとも一種類の金属の微細粉末とから成るアルミニュウムを主成分すなわちベース材料とする合金粉末、若しくはそれにセラミックスの微細粉末を混合したアルミニュウムをベース材料とする合金粉末を加圧焼結して成形する加工性に優れかつ機械的性質の優れたアルミニュウム合金プリフォーム体を自動連続的に製造する方法及びシステムに関する。
【0002】
アルミニュウム合金は軽量素材として、例えば、自動車、鉄道車、電気・精密機械部品両等の分野でも広く使用されるようになってきている。しかしながら、従来のかかる合金は耐熱性、耐摩耗性、強度等の機械的性質の点で鉄系の材料には及ばない。このような問題を解決するため、近年、粉末の結晶粒径が2μm以下で粉体粒子径が50μm以上のアルミニュウムの粉末と、Siのような半金属及びFe、Mn、Ni等の遷移金属の一種又は二種以上の金属元素より成るアルミニュウム合金粉末、或いはこれに粒径が5μm以下のセラミックスを1〜10容積パーセント配合してつくったアルミニュウム合金粉末を焼結して、超微細結晶組織構造を有していて高強度、高耐熱性を有しかつ従来の焼結品よりも延性に優れた超塑性を有するアルミニュウム合金のプリフォーム体をつくり、かかる超塑性を有するプリフォーム体を高速鍛造法などにより高品位の機械部品に成形する技術が、例えば特開平11−209839号公報に示されるように、開発されてきた。本来上記のような超微細結晶組織構造を有する半金属及び遷移金属とアルミニュウムとを含む合金を溶解、鋳造法で製造することは困難なことであり、組成上は可能ではあっても組織が粗大化し延性や強度が劣る欠点があった。また、これらの材料の超微細結晶組織構造を有する粉末を焼結するといっても、単に従来の通常の焼結方法を適用しただけでは溶解及び鋳造法と同じように粒成長をおこし、組織が粗大化し上記のような性質の優れたアルミニュウム合金を作ることはできない。また、上記公報に記載の技術だけでは、アルミニュウム合金粉末から超微細結晶組織を有し延性や機械的強度に優れたプリフォーム体を1個当たり20分ないし60分のサイクルで作ることはできても、1ないし5分以内の短時間にプリフォーム焼結体を自動連続的に製造することはできない。
【0003】
超微細結晶構造を有するアルミニュウムをベース材料とする合金粉末を超微細結晶構造のままバルク状(塊状)に固化成形する技術は今までにない新しい技術であるため、所望の大きさ、形状及び性状を有する上記の超微細組織構造を有するアルミニュウム合金のプリフォーム体を均質にかつ後加工の高速鍛造工程の生産サイクルに合うように1ないし5分程度で焼結法により製造する技術はまだ確立されておらず、ましてやそのようなプリフォーム体を再現性良くかつ量産可能にする方法及び装置は未だに提案もまた確立もされていない。
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、本出願人により提案された放電プラズマ焼結法、放電焼結法或いはプラズマ活性化焼結法等を含むパルス通電加圧焼結法を用いて、溶解法、鋳造法或いは従来の焼結法で製造することは困難な超微細結晶組織(結晶粒径が2μm以下のもの)構造を有するアルミニュウムを、その他の金属、半金属材料及びセラミックスの微細粉末と混合したアルミニュウムをベース材料とする合金の、超塑性現象を発現し得るプリフォーム体を製造する方法及びシステムを提供することである。
本発明が解決しようとする他の課題は、超微細結晶構造を有するアルミニュウムの粉末と、遷移金属及び半金属の少なくとも一種類の金属の微細粉末とを含むアルミニュウムをベース材料とする合金粉末、若しくはそれにセラミックスの微細粉末を混合したアルミニュウムをベース材料とする合金粉末から、超微細組織を有するプリフォーム体を短時間で製造する方法及びシステムを提供することである。
本発明が解決しようとする更に別の課題は、上記のようなアルミニュウム合金のプリフォーム体を短時間で経済的に量産可能な方法及びシステムを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本願の一つの発明は、超微細結晶組織構造を有するアルミニュウムの粉末と、遷移金属及び半金属の少なくとも一種類の金属の微細粉末とから成るアルミニュウムの合金粉末を加圧焼結して成形するアルミニュウム合金プリフォーム体の製造方法において、中に該合金粉末が充填される穴を有し、該穴の下部に下パンチ部材が挿入された成形型を、該成形型と共に一体的に搬送される加熱装置により所定の温度に予熱することと、該成形型の穴内に所定の量の該合金粉末を充填することと、該成形型の穴の上部に上パンチ部材を挿入することと、該成形型の上、下パンチ部材にパルス通電加圧焼結機の上、下通電電極を接触させてそれらの通電電極を介して上パンチ部材、充填された合金粉末及び下パンチ部材を所定の圧力で加圧すると共に直流パルス電流を流して該合金粉末をパルス通電加圧焼結させることと、焼結完了後のプリフォーム体及び該上パンチ部材を該成形型内から抜き取ることと、を含み、該パルス通電加圧焼結機でのSPS焼結温度を500℃以下、加圧力を200メガパスカル以下に抑えるように構成されている。
上記アルミニュウム合金プリフォーム体の製造方法において、該合金粉末が、更に、セラミックスの微細粉末を含んでいてもよい。また、該上パンチ部材を該成形型内に挿入する前の所定の温度に予熱しても、更には、該成形型内に充填される前の該合金粉末を、該合金粉末を貯えるホッパ内で予熱しておいてもよい。
更にまた、該合金粉末、成形型及び該上パンチ部材の予熱を200℃ないし450℃の範囲内で行ってもよい。
また、上記アルミニュウム合金プリフォーム体の製造方法において、更に、該プリフォーム体が抜き取られた成形型を洗浄し、該成形型の穴内に離型剤を塗布し、塗布済みの成形型を成形型ストッカーに貯えておき、該抜き取られた上パンチ部材をパンチストッカーに貯えておくことを含んでいてもよく、その場合、該成形型ストッカーに貯えられている成形型を該成形型と共に一体的に搬送される加熱装置により予熱しても更に、パンチストッカーに貯えられている上パンチ部材を予熱しておいてもよい。
【0006】
本願の他の発明は、超微細結晶組織構造を有するアルミニュウムの粉末と、遷移金属及び半金属の少なくとも一種類の金属の微細粉末とを含むアルミニュウムの合金粉末を加圧焼結して成形するアルミニュウム合金プリフォーム体の製造システムにおいて、中に該合金粉末が充填される貫通する穴を有していて該貫通穴の下部に下パンチ部材が移動可能に挿入された成形型と、該成形型と一体的に組み合わされて搬送されかつ該成形型を搬送中でも所定の温度に予熱できる成型型加熱装置と、該合金粉末を貯え、該成形型の穴内に所望量の該合金粉末を充填する充填機構と、該成形型の穴の該充填された合金粉末の上に上パンチ部材を挿入するパンチ部材挿入機構と、上パンチ部材が挿入された成形型の上、下パンチ部材に接触してそれらを押圧する対の通電電極を備え、該通電電極により焼結型内の該合金粉末を加圧すると共に直流パルス電流を流してパルス通電加圧焼結(放電プラズマ焼結)してプリフォーム体にするパルス通電加圧焼結機と、該成形型を該充填機構、該パンチ部材挿入機構、該パルス通電焼結機間で移動させる搬送機構と、該成形型内で焼結されたプリフォーム体及び該上パンチ部材を該成形型から抜き取る抜き取り機構を備えて構成されている。
上記アルミニュウム合金プリフォーム体の製造システムにおいて、該成形型内へ挿入される前の該上パンチ部材を加熱する加熱装置を備えても、更に、該充填機構が合金粉末を貯えるホッパを備え、該ホッパには貯えられている該合金粉末を予熱するヒータが設けられていてもよい。また、該成形型加熱装置が電気式加熱装置であり、該電気式加熱装置には集電器が設けられ、該搬送機構による該成形型の移送経路に沿って該集電器と接触して該電気式加熱装置に電力を供給する給電ケーブルが設けられていても良く、更に、成形型から抜き取られた上パンチ部材を貯えておくパンチストッカーと、該上パンチ部材及び該プリフォーム体が抜き取られた後の成形型を貯えておく成形型ストッカーとを備え、該成形型ストッカーには該成形型ヒーターの集電器と接する給電ケーブルが設けられていてもよい。
更に、該パンチストッカーには該上パンチ部材を収容して加熱する電気式の加熱装置が設けられていてもよく、該充填機構と、該パンチ部材挿入機構及び抜き取り機構とが、該パルス通電焼結機を間に挟んで反対側に配置され、該成形型への上パンチ部材の挿入及び該成形型からの該プリフォーム体の抜き取りを同じ位置で行い、該搬送機構が該成形型を充填機構とパンチ部材挿入機構との間で両方向に移動させるようになっていてもよく、或いは該充填機構と、該パンチ部材挿入機構、該パルス通電焼結機及び該抜き取り機構がほぼ一直線状に配置され、該搬送機構が該成形型を該装填機構から該抜き取り機構に向かって一方向に移動するようになっていても良い。
【0007】
【実施例】
以下、図面を参照して本発明の実施例について説明する。
図1及び図2において、本発明のアルミニュウム合金プリフォーム体の製造システムの一実施例が示されている。この実施例による製造装置1は、成型型2を所定の経路に沿って搬送する搬送機構10と、搬送機構の一方の端側(同図において右端)配置されていて成形型内にアルミニュウム合金の粉末(以下単に合金粉末と呼ぶ)を充填する充填機構20と、搬送機構の他方の端部に近接して配置されていて成形型の穴の上部に上パンチ部材を挿入するパンチ挿入機構30と、搬送機構の中央に配置されていて成形型内に挿入されている合金粉末を加圧焼結してプリフォーム体をつくるパルス通電加圧焼結機40と、パンチ部材挿入機構4に隣接して配置されていてプリフォーム体及び上パンチ部材を成形型2から抜き取る抜き取り機構50と、成形型を貯えて置く成形型ストッカー60と、上パンチ部材を貯えて置くパンチストッカー70と、成形型を加熱する成形型加熱装置80と、搬送機構への及びそこからの成形型の転送を行う転送機構90とを備え、それらは図示のような位置関係になっている。
【0008】
図3において、成形型2は、貫通する穴4を有する中空の円筒状の筒体3に構成されていて、内、外には一端(図3で下端側)に近接して肩部5及び6が形成されている。この成形型2は焼結に適した材料、例えば鉄系の合金、グラファイトで作られているが、セラミックスでつくってもよい。成形型の穴4の下部には下パンチ部材7が予め挿入された状態になっている。この下パンチ部材7は成形型に関して相対的に移動できるようになっていて、肩部5に当たって穴から抜け落ちないようになっている。成形型を加熱する成形型加熱装置80は、成形型2が中にちょうど入る大きさの穴82を画成する中空筒状の本体81を備え、その本体81内には電熱コイル83が設けられている。本体の外周には軸線方向(図3において上下方向)に並べられた複数の集電器84が設けられ、その集電器は後述する搬送機構10の可動台上に載せられたとき可動台の走行方向に略直角の方向に突出するようになっていて、内部の電熱コイル83と電気的に通じている。本体81の下端には穴851(筒体3の下端の外径とほぼ同じ径を有する)が形成されかつ平面の外周形状が略正方形の端板85が固定されている。端板85には本体81内の下端に配置されたストッパ部材86が固定されている。このストッパ部材86に成形型2の外側の肩部6が当たって成形型2が位置決めされる。この成形型加熱装置80は後述する給電ケーブル89(図4)が集電器84と接触して電熱コイル83に電流が流れ、それによって成形型を所望の温度に予熱、保温するようになっている。なお、加熱装置80には図示しない公知の構造のサーモスタット装置が内蔵されていて成形型の温度を一定の温度に予熱、保温できるようになっている。なお上記実施例では成形型を円筒状の形状で説明したが、プレフォーム体の平面形状に合わせて、成形型の穴の横断面形状が多角形、楕円形或いは長円形を有する筒体としてもよい。成形型3と成形型加熱装置80とは一体的に組み立てられ(成形型が成形型加熱装置内に一体的に組み込まれ)、一体的に搬送される。
【0009】
図4ないし図6において、搬送機構10は、ほぼ水平に配置されたフレーム11上に配置された一対のガイドレール12と、ガイドレール12上に移動可能に案内された可動台13と、一つの可動台13をガイドレール12に沿って動かすスプロケット及びチエーン式の駆動装置14と、電気式の駆動モータ15とを備えている。可動台13は中央に穴131が形成された略矩形の板状の本体130で構成され、上面には加熱装置30の端板85がちょうど入ってその加熱装置を位置決めする略矩形の凹部132が形成されている。本体130の両側(図6において)下部にはガイドレール上で転動する溝付きのローラ133がそれぞれ複数個回転自在に取り付けられている。ガイドレール12がローラ133の環状溝内に入ることにより可動台の横方向の位置ずれが防止される。駆動装置14は、フレーム11上(図4において左側)に公知の軸受けにより回転自在に取り付けられた駆動軸141と、フレーム上の反対側に公知の軸受けにより回転自在に取り付けられた遊び軸142と、駆動軸に取り付けられた一対の駆動スプロケット143と、遊び軸に取り付けられた一対の遊びスプロケット144と、駆動スプロケット143及び遊びスプロケット144に掛けられ両端が可動台13の本体に固定された一対のチエーン145とを備えている。駆動軸はスプロケット及びチエーンを介して駆動モータ146によって往復回転されるようになっている。この搬送機構は、駆動装置14により1台の可動台を、転送機構90の位置と抜き取り機構50の位置との間で往復移動させ、それによって成形型を往復移動させるようになっている。なお、フレーム11には成形型加熱装置80の集電器84と接触してその集電器を介して加熱装置に電気を供給する給電ケーブル89が、成形型の移動工程の全長に亘って設けられ、それらは公知の方法でフレームに絶縁して取り付けられている。
【0010】
図7において、充填機構20は図2の充填位置Bに配置されていて、図示しない公知の機構により上下動されるようになったシュート21と、合金粉末を貯えておくホッパー22と、ホッパー22内の合金粉末を計量してシュートに切り出す公知の構造の切り出し装置23とを備えている。シュート21にはそのシュートを所定の温度に加熱して保温する加熱装置(図示せず)が設けられ、またホッパーにも中の合金粉末を加熱して保温する加熱装置(図示せず)が設けられている。これらの加熱装置は公知の構造の電熱ヒータでよいので、構造の詳細な説明は省略する。
【0011】
図2及び図8ないし図10において、パンチ部材挿入機構30は、パンチ挿入位置Cにおいて搬送機構より上方に配置されたフレーム31を備えている。このフレーム31は、後で詳述する抜き取り機構50のフレーム51の上に支柱311を介して略水平に取り付けられた設けられた水平部分312の上に取り付けらた一対のガイドレール32と、ガイドレール上に移動可能に配置された可動テーブル33と、可動テーブルをガイドレールに沿って往復移動させるアクチュエータ34と、可動テーブル33に取り付けられた昇降装置35とを備えている。水平部分312及びガイドレール32は、搬送機構10による成形型2の搬送方向に直角の方向に伸びている。アクチュエータ34は本実施例では流体シリンダで構成されていて、ピストンロッド341の先端(図8で左端)が可動テーブルの側縁に連結されている。アクチュエータとしては、水平部分に回転自在に支持されかつ電動モータにより回転されるねじ軸と、そのねじ軸と螺合しかつ可動テーブルに固定されたナットとの組み合わせ、或いは、水平部分に可動テーブルの進行方向に沿って配置されたラックと、そのラックとかみ合いかつ可動テーブルに回転可能に支持されていて電動モータにより回転されるピニオンとの組み合わせでもよい。昇降装置35は可動テーブル33に鉛直に取り付けられた一対の軸受け351と、各軸受けに上下動可能に案内されたスライドロッド352と、可動テーブルに直立状態で取り付けられピストンロッドの下端がスライドロッド352の下端に取り付けられた支持板353に連結された流体シリンダ354とを備えている。支持板353には上パンチ部材8の環状の溝部分を把持するチャック36が取り付けられている。支持板353は流体シリンダ354のピストンロッドの先端(図で下端)に連結され、その流体シリンダによって上下動される。なお、支持板353を上下動させる方法としては、上記流体シリンダに代えて、ねじ軸と、そのねじ軸と螺合するナットとの組み合わせでもよい。チャック36は、円筒状本体の下部外周に円周方向に隔てて回動可能に取り付けられた、下方に伸びる複数(例えば、3個)の爪362を有し、この爪を開閉させて上パンチ部材8の外周溝の部分を把持するようになっている。なお、チャックは公知のものであるから構造の詳細な説明は省略する。このパンチ挿入機構30は、可動テーブル33が図9のパンチ受け取り位置Gまで移動してチャック36を昇降装置35で降下させ、チャックによりパンチストッカー70から一つの上パンチ部材を取り出し、昇降装置によりチャック及びパンチ部材を上昇させる。その後可動テーブルがアクチュエータ34により挿入位置Cに移動して昇降装置が動作し、上パンチ部材を把持したチャック36を降下させてその位置で待機している成形型2の穴4の上部に上パンチ部材8を挿入する。
【0012】
図2及び図11において、放電プラズマ焼結機、放電焼結機或いはプラズマ活性化焼結機であり得るパルス通電加圧焼結機40は、固定台41に直立状態で互いに隔てて固定された複数(この実施例では搬送機構を間に挟んで両側にそれぞれ2本づつ計本)の支柱と42、支柱42の上端に固定された上支持体43と、固定台41と上支持体43との間で支柱に上下動可能に案内支持された可動支持体44とを備えている。上支持体には円柱状の上通電電極45が公知の方法で上支持体に電気的に絶縁させた状態でかつ下向きに鉛直に取り付けられている。可動支持体44にも円柱状の下通電電極46が公知の方法で可動支持体に電気的に絶縁させた状態で鉛直に取り付けられている。上通電電極45及び下通電電極46は、スイッチ装置(図示せず)を介して直流のパルス電流を供給できる電源装置(図示せず)に選択的に接続されるようになっている。可動支持体44は固定台41に取り付けられたアクチュエータとしての流体シリンダ47によって上下動されるようになっている。上通電電極45の下方には大径部分451と、先端(図11[A]で下端)の小径部分452とが形成されている。小径部分452の外側には、成形型の上端面と接触するストッパ部材453が配置され、大径部分451の下面に固定されている。ストッパ部材453の下端は、図11[C]に示されるように、部分454で二股状に突出していて、それらの部分の間で上パンチ部材が通過(搬送機構により成形型が移動されるとき)できるようになっている。下通電電極46の上方には大径部分461と、先端の小径部分462とが形成され、小径部分462の外径は加熱装置80のストッパ部材86の内径より小さくなっていてストッパ部材との間に環状の隙間を形成している。小径部分462の外側にはその隙間内に入り得るスリーブ状の押し上げ部材463が上下動可能に配置されていてばね464により上方に偏倚されている。押し上げ部材463は同じくスリーブ状の保持部材465により小径部分から外れないように保持されている。保持部材465は大径部分461の上面に固定されている。この押し上げ部材463は下通電電極が上昇して小径部分の先端が下パンチ部材7の方に接して焼結を行うとき、図11[A]に示されるように、成形型2の下端面と接触して成形型をばね464の偏倚力で上方に押圧するようになっている。上記電源装置は、上述のようにパルス通電加圧焼結機の上、下通電電極に焼結用の直流パルス電流(通常、電圧100V以下で電流が5,000A以上)を供給できると共に成形型加熱装置80、ホッパー及びシュート用の加熱装置及び後述するの上パンチ部材予熱用のカートリッジヒータへの交流又は直流予熱電流(通常、電圧100V又は200Vの交流)を供給できるようになっている。スイッチ装置としては、本出願人による特願2000−80307号「パルス通電焼結機用通電装置」に示されるスイッチ機構を用いてもよい。
【0013】
上記パルス通電焼結機において、上パンチ部材が挿入された成形型2が搬送機構により焼結位置Dに送られてその位置で位置決めされると、流体シリンダ47が動作して可動支持体44を上昇させる。するとその可動支持体に取り付けられた下通電電極46も図11[A]に図示の状態から上昇し、下通電電極46が下パンチ部材7の下面に当接しかつ押し上げ部材463も上昇して成形型2の下面に当接し、それらを押し上げる。すると上パンチ部材の上面が上通電電極に当接して両パンチ部材間にある合金粉末を所定の圧力で加圧する。また、成形型2の上面はストッパ部材453の部分454に当たった状態になる。この状態で上、下通電電極45、46間に所定の値の直流パルス電流が流され合金粉末を放電プラズマ焼結し、プリフォーム体mにする。焼結が終わったとき図11[B]の状態になる。
【0014】
図2及び図12ないし図15において、抜き取り機構50は、パンチ部材挿入機構30のパンチ挿入位置Cと同じ抜き取り位置Eに配置されている。この抜き取り機構50は、抜き取り位置Eにおいて搬送機構10の下側に配置された台フレーム51に取り付けられたノックアウト装置52と、ノックアウト装置により成形型から抜き出された上パンチ部材及びプリフォーム体を排出する排出装置54及び56とで構成されている。ノックアウト装置52は、台フレーム51に鉛直状態に固定された複数(本実施例では図12において左右2本づつ4本)のガイドロッド521の上部に固定された押さえ板522と、ガイドロッド521に上下動可能に案内支持されている昇降台525とを備えている。押さえ板522の中央には上パンチ部材8及びプリフォーム体mがちょうど通り得る形状及び大きさの上下に貫通する切り欠き523が形成されている。この切り欠き523は押さえ板の通信から成形型の進行方向上流側に向かって、すなわち焼結機側に向かって側縁まで伸び、その側縁で開口している。これは、成形型2の穴内に挿入されて成形型の穴から上方に突出した上パンチ部材が、パンチ挿入機構から焼結機に向かって移動できるようにかつ焼結完了後に成形型がそこから上に突出している上パンチ部材と共に抜き取り機構の位置に移動できるようにするためである、昇降台525には切り欠き523と軸心を整合させたノックアウトプランジャ526が直立状態に固定されている。このノックアウトプランジャは、成形型内に入り得る形状、大きさになっている。昇降台525は台フレーム51に取り付けられたアクチュエータ257によって上下動されるようになっている。アクチュエータ257はこの実施例では流体シリンダで構成され、そのピストンロッドの先端が昇降台525に連結されている。
【0015】
パンチ排出装置54は、この実施例では図13及び図14に示されるように、押さえ板522の上面に流体作動式の排出シリンダ541と、排出される上パンチ部材を案内するガイド部材543とで構成されている。排出シリンダ541のピストンロッドの先端にはV字状の溝が形成された押し部材542が取り付けられている。排出シリンダの軸心とガイド部材の長手方向中心線とは切り欠き523の中心を通る一直線X−X上にある。プリフォーム体排出装置56は、この実施例では図13及び図15に示されるように、押さえ板522の上面に流体作動式の排出シリンダ561と、排出されるプリフォーム体mを案内するガイド部材563とで構成されている。排出シリンダ561のピストンロッドの先端にはV字状の溝が形成された押し部材562が取り付けられている。排出シリンダの軸心とガイド部材の長手方向中心線とは切り欠き523の中心を通る一直線Y−Y上にある。直線X−Xと直線Y−YとはX状になって(交叉はしていない)いる。
【0016】
上記抜き取り機構において、焼結済みの成形型2が抜き取り位置Eに到着すると、アクチュエータ527が動作して昇降台525及びノックアウトプランジャ526が上昇し、ノックアウトプランジャの上端が下パンチ部材に当接して下パンチ部材をプリフォーム体m及び上パンチ部材と共に上昇させる。するとまず図14に示されるように、上パンチ部材8が切り欠き523を通して押さえ板522の上に出る。すると排出シリンダ541が動作して上パンチ部材をパンチガイド543内に送る。次に、ノックアウトプランジャが上昇すると、図15に示されるようにしてプリフォーム体mが押さえ板の上に出る。すると、排出シリンダ561が動作してプリフォーム体mをガイド563内に送る。
【0017】
成形型ストッカー60は、図1及び図16に示されるように、成形型の進行方向(図16で紙面に直角の方向)に伸びるフレーム61上に2列に公知の方法で回転自在に配置された多数のローラ62と、フレームに取り付けられたガイド部材63とを備えている。この成形型ストッカーは、成形型2を加熱装置80内に入れられた状態でかつ中に下パンチ部材が入った状態でローラ62の上に載せられ、流体シリンダ等の送り装置64により搬送機構への供給位置Aに向かって送られる。ストッカーには成形型加熱装置80の集電器と接して給電する給電ケーブル89が設けられ、ストッカーにより貯えられている間に給電ケーブルから加熱装置に通電して加熱装置内の成形型及び下パンチ部材を予熱する。なお、成形型は一度使用された後は手作業により或いは自動的に洗浄されたのち穴内に離型剤が塗布され、その後下パンチ部材が挿入されて成形型ストッカーに送られる。
【0018】
パンチストッカー70は、図17及び図18に示されるように、フレーム71に取り付けられた一対のリニアガイド72と、リニアガイド72上で移動可能に案内支持されたリニアテーブル73と、リニアテーブル上に取り付けられた二つの加熱台74と、リニアテーブルを往復動させるアクチュエータとしての流体シリンダ75とを備えている。加熱台74は、上面に穴742を有する中空のハウジング741を備え、そのハウジング741は支柱744によりリニアテーブル73に固定されている。ハウジング内には保温パッド745が設けられている。保温パッド745内には複数のカートリッジ式のヒータ746が埋め込まれている。上パンチ部材8は下端が穴742から保温パッド上に載せられた状態で保持される。カートリッジ式のヒータ746はハウジング741に取り付けられた集電器747と接続されている。集電器はリニアガイドに平行に配置された一対の給電ケーブル749と接して給電ケーブルからカートリッジヒータに通電できるようになっている。この加熱台には公知の構造のサーモスタット装置が内蔵され上パンチ部材の予熱温度を一定にできるようになっている。リニアテーブルは図17で左側の位置Hにおいて加熱台上に上パンチ部材が載せられ、リニアテーブルが流体シリンダ75により右側の取り出し位置で前述のパンチ挿入機構30のチャック36によって取り出される。
【0019】
転送機構90は、成形型ストッカー60内の成形型を加熱装置と共に取り出して搬送機構10の可動台13上に転送し、或いは焼結が完了して上パンチ部材及びプリフォーム体が抜き取られた後の成形型を加熱装置と共に取り出すロボットアーム式の公知の構造のものでよいので、詳細な説明は省略する。
【0020】
次に上記製造装置によりプリフォーム体を製造する工程を説明する。
充填機構20のホッパ22内には粉末の結晶粒径が2μm以下で粉体粒子径がそれぞれが50μm以上の、アルミニュウム粉末と、Fe、Cr、Ni、Zn、及びMnの遷移金属の少なくとも一種類の金属の粉末及びSiの半金属の微細粉末を混合した合金粉末を装填しておく。この合金粉末はホッパ内で予め所定の温度に予熱されている。一方、予め所定の温度、例えば450℃に予熱されかつ中に下パンチ部材が挿入された成形型2が加熱装置80と共に、成形型ストッカー60から転送機構90により位置Aで待機している搬送機構10の可動台13上に載せられる。可動台の上に載せられ或いは載せられた後可動台が動き出すと、加熱装置80の集電器と給電ケーブルとが接触して加熱装置に給電されて予熱を再開する。成形型2が搬送機構10により充填位置Bに送られてくると充填機構2が動作して予め所定の温度、例えば450℃に予熱された合金粉末を所定量成形型内に充填する。充填が完了すると成形型は搬送機構10にパンチ挿入位置Cに送られ、パンチ部材挿入機構により予め所定の温度、例えば450℃に予熱された上パンチ部材が成形型の穴の上部分に挿入される。なお、上記予熱温度は一例であり、その好ましい温度範囲は、焼結体の大きさ(成形型内の被焼結材料の厚さ)によっても異なるが、通常、250ないし450℃の範囲が好ましい。この理由は、250℃より低いと焼結を素早く行うことができなくなり、また、450℃より高い温度ではアルミニュウムの融点に近すぎて焼結体を超微細組織構造に保つことができなくなるためである。
【0021】
上パンチ部材が挿入された成形型2は搬送機構10により焼結位置Dに送られ、この位置でパルス通電焼結機40の上、下通電電極45及び46により合金粉末を所定の圧力、例えば150メガパスカル(MPa)で加圧し、それらの通電電極に所定の値の直流パルス電流を流して放電プラズマ焼結により焼結させアルミニュウム合金のプリフォーム体mをつくる。SPS焼結温度は500℃以下となるようにする。この放電プラズマ焼結により、合金粉末は、完全に溶解することなく、粉体の超微細結晶組織構造を保ったまま隣接する粒子間で拡散結合し、アルミニュウム合金のプリフォーム体mになる。これは、オン・オフ直流、パルス大電流を流すことによりアルミニュウム合金の粒子表面のアルミナ酸化被膜を絶縁破壊し、ミクロな火花放電現象により生じる放電プラズマ、放電衝撃圧力などによる表面浄化活性化効果、ジュール熱による熱拡散効果、電場による電解拡散効果等により粒子形状を保ったまま互いに表面部分でのみ溶着するような形態で拡散結合し合うためである。これによりできあがったプリフォーム体は超塑性と言われる大きな延性を示し、被加工性が向上する。焼結が完了した後、成形型は搬送機構10により抜き取り位置Eに送られ、その位置でノックアウト装置52により上パンチ部材及びプリフォーム体mが成形型から取り出される。取り出された上パンチ部材は排出装置により排出され洗浄されてパンチストッカーに送られる。なお、好ましいSPS焼結温度は該アルミニュウム合金の融点の80%ないし90%の温度範囲である。上記において、SPS焼結温度とは、放電プラズマ焼結(Spark Plasma Sintering)、放電焼結及びプラズマ活性化焼結などのパルス通電焼結法の技術分野で一般的に使用されている温度表示で、パルス通電焼結時の焼結型(本発明では成形型)の温度を言う。これは焼結型内の温度を直接測定することが困難なため、焼結型の温度を測定することによって、焼結型内部の被焼結材料の温度を推定するものである。
【0022】
図19において、本発明のアルミニュウム合金プリフォーム体の製造システムの他の実施例が示されている。この実施例の製造装置1aは、この搬送機構10aで前の実施例と同じ成形型2及び成形型加熱装置80を図において矢印のように右から左に一方向に搬送させていきながら、位置Bで成形型への合金粉末の充填、位置Cで成形型への上パンチ部材8の挿入、位置Dで合金粉末の放電プラズマ焼結、位置Eで焼結済みのプリフォーム体及び上パンチ部材の成形型からの抜き取り等を行う。このためそれらの位置BないしEには、前の実施例のものと同じ構造、機能の充填機構20(図19では不図示)、パンチ部材挿入機構30、パルス通電焼結機40、抜き取り機構がそれぞれ配置されている。したがって、それらの機構等の詳細な説明は省略する。成形型ストッカー60も前の実施例のものでよいので、その説明は省略する。
【0023】
この実施例では、成形型及び加熱装置を一方向に移動させるので、搬送機構は前の実施例のものをそのまま使用することはできない。しかし、搬送機構のガイドレール12aを図19に示されるようにループ状にして復路を焼結機の流体シリンダ47の下側に通し(例えば地下の溝内を通す)、またチエーンを公知の機構を利用してそのガイドレールに沿って移動させるようにし、チエーン145aを図20に示されるように可動台13aに連結することによって可動台を図19で矢印で示される方向に巡回移動できるようにするか、或いは、図16の成形型ストッカーと同様に図21に示されるように、成形型の進行方向(図21で紙面に直角の方向)に伸びるフレーム11b上に並列状に2列に多数の送りローラ12bを公知の構造の軸受け装置で回転可能に配置し、その送りローラ12bをスプロケット144b及びそのスプロケットと駆動接続されたチエーン145bから成る駆動装置14bで同じ方向に回転させ若しくは個々の駆動モータで回転させ、その送りローラ上に載せられた成形型加熱装置を成形型と共に移動するようにすればよい。いずれの場合も成形型及びその加熱装置が上記各位置BないしEに到着したことは公知のセンサで検出し、図示しない公知の保持装置でその位置に停止保持させるようにする。この実施例の搬送機構にも成形型加熱装置80の集電器と接して給電する給電ケーブル89が設けられ、ストッカーにより貯えられている間に給電ケーブルから加熱装置に通電して加熱装置内の成形型を加熱保温する。そして復路に焼結型の洗浄装置、離型剤の塗布装置等を配置してもよい。なお、ガイドレールを水平のループ上に配置して往路及び復路をほぼ同一平面上に配置して復路に焼結型の洗浄装置、離型剤の塗布装置等を配置してもよい。
【0024】
また、パンチストッカーも、1台のリニアテーブルに1台の加熱台を取り付け、リニアテーブルを流体シリンダ等によりリニアガイド上で1個づつ一方向に順次送るようにするか或いは図16の成形型ストッカーと同様の構造にして上パンチ部材を載せた加熱台を搬送できるようにすればよい。この実施例では成形型を一方向に送りながら位置Aにおける合金粉末の充填から位置Eにおけるプリフォーム体及び上パンチ部材の抜き取りまで連続的に行えるので、前記実施例の装置よりも短時間サイクルの大量生産に適する。なお、上記いずれの実施例においても各機構が大気圧雰囲気内にあるように記載されているが、特別の雰囲気、例えば不活性ガスの雰囲気内で焼結を行うには焼結機の一部或いは全体をハウジング内に収容してそのハウジング内をそのような雰囲気にすればよい。なお、上記実施例のパルス通電加圧焼結機の焼結動作を放電プラズマ焼結として説明したが、放電焼結、プラズマ活性化焼結及びパルス通電焼結法でもこれらは同様の焼結法であるため同様の効果を得ることはいうまでもない。
【0025】
【効果】
本発明によれば、
(イ)超微細結晶組織構造を有するアルミニュウム合金のバルク状のプリフォーム体を放電プラズマ焼結法等のパルス通電焼結方法で1μm以下の結晶組織構造に製造でき、プリフォーム体に優れた延性(超塑性)及び耐熱性、耐摩耗性、高い強度等の機械的特性を発現できる。
(ロ)全自動型パルス通電加圧焼結システムにより被加工性(延性)のよいアルミニュウム合金の焼結品を、後工程の高速超塑性加工機(高速鍛造機)の生産サイクルにマッチしたスピードで再現性よく連続的に製造供給できる、
(ハ)焼結型を一体的に移動する加熱装置により予熱する粉末原料そのものも予熱することなどにより焼結工程の中間での被焼結材料の温度を所定の温度に独立的に昇温保持できるため、焼結時間を従来のパルス通電焼結方式より大幅に短縮でき、材料装填、昇温、焼結、保持、冷却、取り出しまでの全工程の所要時間が従来に比べて1/15ないし1/30の1ないし5分の高速で連続焼結が可能になった、
(ニ)上記(ハ)と関連して、粉体の微細結晶組織構造を保ったまま合金粉末の粒成長を発生させない必要温度領域のみの昇温焼結技術が可能になった、
(ホ)低温、低圧で焼結するので焼結型の寿命が伸び生産性が向上し、製造コストの低減を図ることができる、
(ヘ)被加工性(延性)と機械的特性の優れた高強度アルミニュウム合金のプリフォーム体を得ることができるため、該アルミニュウム合金の用途を大幅に拡大(例えば自動車産業、家電産業等)することができる、
等の効果を奏することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるアルミニュウム合金プリフォーム体の製造システムの一実施例の概略平面図である。
【図2】図1の製造装置の側立面図である。
【図3】成形型及び成形型加熱装置の断面図である。
【図4】搬送機構の横断面図である。
【図5】搬送機構の平面図である。
【図6】搬送機構の側面図である。
【図7】充填機構の概略立面図である。
【図8】パンチ挿入機構の平面図である。
【図9】パンチ挿入機構の側面図である。
【図10】パンチ挿入機構の断面図である。
【図11】[A]及び[B]はパルス通電焼結機の上、下通電電極の部分の拡大図であり、[C]はストッパ部材の斜視図である。
【図12】抜き取り機構の一部の側面図である。
【図13】抜き取り機構の平面図である。
【図14】上パンチ部材の抜き取り動作を説明する図である。
【図15】プリフォーム体の抜き取り動作を説明する図である。
【図16】成形型ストッカーの断面図である。
【図17】パンチストッカーの側面図である。
【図18】パンチストッカーのリニアテーブル及び加熱台の拡大断面図である。
【図19】本発明によるアルミニュウム合金プリフォーム体の製造システムの他の実施例の測立面図である。
【図20】図19の実施例の搬送機構の一部の断面図である。
【図21】搬送機構の変形例の断面図である。
【符号の説明】
1 アルミニュウム合金プリフォーム体の製造システム
2 成形型 4 穴
10、10a 搬送機構 20 充填機構
30 パンチ部材挿入機構 40 パルス通電焼結機
50 抜き取り機構 60 成形型ストッカー
70 パンチストッカー 80 成形型加熱装置

Claims (16)

  1. 超微細結晶組織構造を有するアルミニュウムの粉末と、遷移金属及び半金属の少なくとも一種類の金属の微細粉末とから成るアルミニュウムの合金粉末若しくはそれにセラミックスの微細粉末を混合したアルミニュウム合金粉末を加圧焼結して成形するアルミニュウム合金プリフォーム体の製造方法において、
    中に該合金粉末が充填される穴を有し、該穴の下部に下パンチ部材が挿入された成形型を、該成形型と共に一体的に搬送される加熱装置により所定の温度に予熱することと、
    該成形型の穴内に所定の量の該合金粉末を充填することと、
    該成形型の穴の上部に上パンチ部材を挿入することと、
    該成形型の上、下パンチ部材にパルス通電加圧焼結機の上、下通電電極を接触させてそれらの通電電極を介して上パンチ部材、充填された合金粉末及び下パンチ部材を200メガパスカル以下の圧力で加圧すると共に直流パルス電流を流して該合金粉末をパルス通電加圧焼結させることと、
    焼結完了後のプリフォーム体及び該上パンチ部材を該成形型内から抜き取ることと、
    を含み、該パルス通電加圧焼結機でのSPS焼結温度を500℃以下に抑えるアルミニュウム合金プリフォーム体の製造方法。
  2. 請求項1に記載のアルミニュウム合金プリフォーム体の製造方法において、該合金粉末が、更に、セラミックスの微細粉末を含むアルミニュウム合金プリフォーム体の製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載のアルミニュウム合金プリフォーム体の製造方法において、該上パンチ部材を該成形型内に挿入する前に所定の温度に予熱することを含むアルミニュウム合金プリフォーム体の製造方法。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載のアルミニュウム合金プリフォーム体の製造方法において、更に、該成形型内に充填される前の該合金粉末を、該合金粉末を貯えるホッパ内で予熱することを含むアルミニュウム合金プリフォーム体の製造方法。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載のアルミニュウム合金プリフォーム体の製造方法において、該合金粉末、成形型及び該上パンチ部材の予熱を200℃ないし450℃の範囲内で行うアルミニュウム合金プリフォーム体の製造方法。
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載のアルミニュウム合金プリフォーム体の製造方法において、更に、該プリフォーム体が抜き取られた成形型を洗浄し、該成形型の穴内に離型剤を塗布し、塗布済みの成形型を成形型ストッカーに貯えておき、該抜き取られた上パンチ部材をパンチストッカーに貯えておくことを含むアルミニュウム合金プリフォーム体の製造方法。
  7. 請求項6に記載のアルミニュウム合金プリフォーム体の製造方法において、更に、該成形型ストッカーに貯えられている成形型を該成形型と共に一体的に搬送される加熱装置により予熱することを含むアルミニュウム合金プリフォーム体の製造方法。
  8. 請求項6又は8に記載のアルミニュウム合金プリフォーム体の製造方法において、更に、パンチストッカーに貯えられている上パンチ部材を予熱しておくことを含むアルミニュウム合金プレフォーム体の製造方法。
  9. 超微細結晶組織構造を有するアルミニュウムの粉末と、遷移金属及び半金属の少なくとも一種類の金属の微細粉末とを含むアルミニュウムの合金粉末若しくはそれにセラミックスの微細粉末を混合したアルミニュウム合金粉末を加圧焼結して成形するアルミニュウム合金プリフォーム体の製造システムにおいて、
    中に該合金粉末が充填される貫通する穴を有していて該貫通穴の下部に下パンチ部材が移動可能に挿入された成形型と、
    該成形型と一体的に組み合わされて搬送されかつ該成形型を搬送中でも所定の温度に予熱できる成型型加熱装置と、
    該合金粉末を貯え、該成形型の穴内に所望量の該合金粉末を充填する充填機構と、
    該成形型の穴の該充填された合金粉末の上に上パンチ部材を挿入するパンチ部材挿入機構と、
    上パンチ部材が挿入された成形型の上、下パンチ部材に接触してそれらを押圧する対の通電電極を備え、該通電電極により焼結型内の該合金粉末を加圧すると共に直流パルス電流を流してパルス通電加圧焼結してプリフォーム体にするパルス通電加圧焼結機と、
    該成形型を該充填機構、該パンチ部材挿入機構、該パルス通電焼結機間で移動させる搬送機構と、
    該成形型内で焼結されたプリフォーム体及び該上パンチ部材を該成形型から抜き取る抜き取り機構と、
    を備えるアルミニュウム合金プリフォーム体の製造システム。
  10. 請求項9に記載のアルミニュウム合金プリフォーム体の製造システムにおいて、該成形型内へ挿入される前の該上パンチ部材を加熱する加熱装置を更に備えるアルミニュウム合金プリフォーム体の製造システム。
  11. 請求項9又は10に記載のアルミニュウム合金プリフォーム体の製造システムにおいて、更に、該充填機構が合金粉末を貯えるホッパを備え、該ホッパには貯えられている該合金粉末を予熱するヒータが設けられているアルミニュウム合金プリフォーム体の製造システム。
  12. 請求項9ないし11のいずれかに記載のアルミニュウム合金プリフォーム体の製造システムにおいて、該成形型加熱装置が電気式加熱装置であり、該電気式加熱装置には集電器が設けられ、該搬送機構による該成形型の移送経路に沿って該集電器と接触して該電気式加熱装置に電力を供給する給電ケーブルが設けられているアルミニュウム合金プリフォーム体の製造システム。
  13. 請求項9ないし12のいずれかに記載のアルミニュウム合金プリフォーム体の製造システムにおいて、更に、成形型から抜き取られた上パンチ部材を貯えておくパンチストッカーと、該上パンチ部材及び該プリフォーム体が抜き取られた後の成形型を貯えておく成形型ストッカーとを備え、該成形型ストッカーには該成形型ヒーターの集電器と接する給電ケーブルが設けられているアルミニュウム合金プリフォーム体の製造システム。
  14. 請求項9ないし13のいずれかに記載のアルミニュウム合金プリフォーム体の製造システムにおいて、更に、該パンチストッカーには該上パンチ部材を収容して加熱する電気式の加熱装置が設けられているアルミニュウム合金プリフォーム体の製造システム。
  15. 請求項9ないし14のいずれかに記載のアルミニュウム合金プリフォーム体の製造システムにおいて、該充填機構と、該パンチ部材挿入機構及び抜き取り機構とが、該パルス通電焼結機を間に挟んで反対側に配置され、該成形型への上パンチ部材の挿入及び該成形型からの該プリフォーム体の抜き取りを同じ位置で行い、該搬送機構が該成形型を充填機構とパンチ部材挿入機構との間で両方向に移動させるアルミニュウム合金プリフォーム体の製造システム。
  16. 請求項9ないし14のいずれかに記載のアルミニュウム合金プリフォーム体の製造システムにおいて、該充填機構と、該パンチ部材挿入機構、該パルス通電焼結機及び該抜き取り機構が一直線状に配置され、該搬送機構が該成形型を該装填機構から該抜き取り機構に向かって一方向に移動するアルミニュウム合金プリフォーム体の製造システム。
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