JP4227065B2 - 中性子ディスクチョッパ - Google Patents

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Description

本発明は、中性子を試料に照射し、散乱された中性子から試料内部の構造等を分析する中性子ディスクチョッパに関するものである。
試料の物性(内部構造)を分析するために、様々なエネルギーを有するパルス状の中性子ビームから所望のエネルギーを有する中性子を選別し、かかる中性子を試料に照射して、試料で散乱された中性子を観測して試料の物性を分析する装置がある。これまでに、スリットがあけられた薄い円板を中性子ビームの通路上に配置し、円板を回転させ、回転する円板に照射された中性子ビームを、スリット部で通過させ、スリット部以外で吸収(遮断)させる繰り返しにより所望のエネルギーを有する中性子を選別する様々な中性子チョッパが提案されている(例えば、非特許文献1)。
星埜 禎男著 「実験物理学講座22 中性子解析」 共立出版株式会社 P90−91
しかしながら、高精度に所望のエネルギーを有する中性子を選別するためには、円板を高速に回転する必要があり、高速回転にともない大きな遠心力が発生するため、高速回転による遠心力に耐え得る強度を有するアルミニウムのような金属材料を用いている非特許文献1の中性子チョッパでは、円板の回転数や周速が制限されてしまい、高精度に所望のエネルギーを有する中性子を選別できない場合がある。
そこで、本発明の目的は、所望のエネルギーを有する中性子を高精度に選別できる中性子チョッパを提供することである。
課題を解決するための手段及び効果
本発明は、中性子ビームを通過する通過部と、中性子ビームを遮断する中性子吸収材を含む遮断部とを有するディスクを回転させる中性子ディスクチョッパにおいて、ディスクの厚さが、回転中心側から外周側に向かって徐々に薄くなるように形成されている。この構成によると、遠心力に対する耐久性を向上させることができる。遠心力はディスクの比重に比例して大きくなり、ディスクの回転中心部は外周部を支持しているため、ディスクの外周部よりも回転中心部の方が遠心力による応力(引張力)が大きくなる。このため、ディスクの外周部を薄くすることで、回転中心部における遠心力による応力を小さくでき、ディスク全体の強度をほぼ一様にすることができる。これにより、ディスクを高速に回転させることができる。
別の観点において、本発明は、中性子ビームを通過する通過部と、中性子ビームを遮断する中性子吸収材を含む遮断部とを有するディスクを回転させる中性子ディスクチョッパにおいて、ディスクは、中性子吸収材が含浸され、半径方向よりも円周方向に繊維強化材が多く配向された繊維強化複合材料から形成されている。この構成によると、遠心力による応力において、半径方向の最大応力よりも円周方向の最大応力の方が高いため、円周方向の引張強度が半径方向の引張強度よりも高くすることで、遠心力による応力がディスクにおいて一様となるように形成することができ、高速回転を可能にすることができる。また、繊維強化複合材料は、比重が小さいため遠心力を低減することができ、ディスクを高速に回転することができる。
また、本発明の繊維強化複合材料が、繊維強化樹脂であることが好ましい。これによると、比重が小さく、高強度であるため、ディスク2をより高速に回転させることができる。
本発明のディスクの厚さが、回転中心側から外周側に向かって徐々に薄くなるように形成されていることが好ましい。これによると、外周部に向かってディスクの厚さを薄くすることで、ディスク全体の遠心力に対する強度を一様にすることができ、ディスクをより高速に回転させることができる。
本は発明の中性子吸収材が、同位体10Bと同位体11Bとを有するホウ素であり、前記ホウ素中における前記同位体10Bの濃縮度が同位体11Bの濃縮度よりも高いことが好ましい。これによると、中性子ビームの吸収能力が向上し、高いエネルギーの中性子ビームが照射されても、十分に吸収することができる。また、ホウ素は、同位体10Bと同位体11Bとを有しており、中性子の吸収能力が優れた同位体10Bの濃縮度を同位体11Bの濃縮度よりも高くする、例えば、同位体10Bの濃縮度を95%程度まで高めることにより、天然のホウ素に比べ5倍程度、中性子ビームの吸収能力を高めることができる。
以下、本発明の好適な実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
(第1の実施形態)
本実施の形態に係る中性子ディスクチョッパ1a・1bは、例えば、図3に示すような、試料5の原子配列構造、原始、分子の運動状態と物性や機能の関係等に関する情報を得るための中性子実験装置10に好適に用いられる。中性子実験装置10は、第1中性子ディスクチョッパ1aと、第2中性子ディスクチョッパ1bと、パルス中性子源6と、中性子導管7と、真空散乱槽8とから構成されている。
パルス中性子源6は、パルス状の白色中性子(中性子ビーム)を発生させるものである。ここで、白色中性子とは、様々なエネルギー(速度)を有する中性子の集まりである。中性子導管7は、パルス中性子源6と第1中性子ディスクチョッパ1aとの間や、第1ディスクチョッパ1aと第2ディスクチョッパ1bとの間等に配設され、白色中性子中の中性子を損失しないように各装置に導くものである。
第1ディスクチョッパ1aは、パルス中性子源6の近傍に配置され、白色中性子のパルスの整形を行うものであり、第2ディスクチョッパ1bは、試料5の直前に配置され、白色中性子から、あるエネルギー(速度)だけを有する単色中性子を選別するものである。上述したように、第1ディスクチョッパ1aと第2ディスクチョッパ1bとの間には中性子導管7が配置されている。ここで、中性子ディスクチョッパ1a・1bについて詳述する。
中性子ディスクチョッパ1a・1bは、図1及び図2に示すように、ディスク2と、ディスク2を保護するハウジング2aと、ディスク2をハウジング2a内で回転させる回転モータ2bと、回転モータ2bを支持するスタンド2cとを有している。ハウジング2aは、アルミニウムから形成され、ディスク2を挟み込むように固設されている。また、ハウジング2aは、ディスク2が回転可能なようにディスク2の周囲に密閉構造の空隙を形成しており、空隙内を、回転する際の抵抗を少なくし、中性子が空気に散乱し、損失しないよう133[Pa]以下の真空度に設定している。さらに、ハウジング2aには、中性子ビームが通過可能なアルミニウム製薄板のビーム窓2dが設けられており、中性子ディスクチョッパ1は、このビーム窓2dが中性子ビームの通路上に位置するように配置されている。
ディスク2は、小さい比重で、高強度の材料、例えば、アルミニウム合金やチタン合金等から形成された、中心に円形状の空所を有する薄い円板であり、図1(a)に示すように、中性子ビームを通過させる、幅dを有するスリット3(通過部)が設けられている。ディスク2の比重が小さく、高強度の材料とすることで、遠心力に対する耐久性が向上し、ディスク2を高速に回転させることができるようになっている。また、ディスク2は、板部材2eでディスク2の中心の空所を覆うように挟み込まれて図示しないボルトなどで固定され、さらに、板部材2eが回転モータ2bの出力軸に回転可能設けられている。これにより、ディスク2は、高速に回転するようになっている。ディスク2にスリット3を設けて、ディスク2を回転させることにより、ハウジング2aのビーム窓2dとスリット3との位置関係により、白色中性子の通過と遮断とを繰り返すことができるようになっている。以下の説明において、ディスク2におけるスリット3以外の領域を遮断部と称する。また、後に詳述するが、ディスク2の遮断部は、中性子ビームを吸収する吸収材を有している。
具体的には、上述したように、ビーム窓2dは白色中性子の通路上に位置しているが、白色中性子は内部のディスク2の遮断部により遮られている。しかし、ディスク2が回転し、スリット3とビーム窓2dとが重合すると、白色中性子は通過するようになる。さらにディスク2が回転し、スリット3とビーム窓2dとが重合しなくなると、中性子ビームは遮断部によって再び遮られるようになる。この白色中性子の通過と遮断との繰り返しにより、第1ディスクチョッパ1aで白色中性子のパルスの整形ができ、また、パルス中性子源6で発生した白色中性子のうち、必要なエネルギー(速度)を有する単色中性子が第2中性子ディスクチョッパ1bに到達するタイミングに合わせて、ディスク2を高速回転させて行うことにより、単色中性子の選別ができるようになっている。
ここで、ディスク2の回転角速度をω、第1中性子ディスクチョッパ1aのスリット3と第2中性子ディスクチョッパ1bのスリット3との角度をφ、第1中性子ディスクチョッパ1aと第2中性子ディスクチョッパ1bとの距離をLとすると、選別される単色中性子の速度vは、v=Lω/φと表すことができる。また、中性子ディスクチョッパ1a及び中性子ディスクチョッパ1bのディスク2の幅をd1、d2、ディスク2の中心から中性子ビームまでの距離をRとすると、波長分解能(白色中性子の波長を細かく分ける能力)Δλ/λは、Δλ/λ=(d1+d2)v/LRωと表すことができる。ここで、波長分解能とは、白色中性子の波長λと、波長λ中の識別できる最小の波長(単色中性子の波長)Δλとの比を言う。上述の式から読取れるように、角速度ωを大きくする、即ち、ディスク2を高速回転することにより、白色中性子を高い分解能で識別する、つまり、精度のよく単色中性子を選別することができる。
また、ディスク2は、図1(b)に示すように、回転中心部近傍において一様の厚さを有し、ディスク2の円周部分に向かって徐々に厚さが薄くなるように形成されている。ディスク2にかかる遠心力は、上述したように、比重に比例して大きくなり、ディスク2の回転中心部はその外周部を支持しているため、外周部にかかる遠心力をも支持している。従って、ディスク2の回転中心部における遠心力の応力が、外周部における遠心力の応力よりも大きくなっている。このため、ディスク2の回転中心部近傍を一様の厚さにし、円周部分に向かって薄くすることで、遠心力による応力がディスク2において一様となるようにすることができるため、よりディスク2を高速に回転することができる。尚、ディスク2の中心部における厚さをh1、外周部における厚さをh2とすると、h2=h1×exp{(−γ×ω)/(2gH)}を満足することが好ましい。ここで、γはディスク2の比重、ωはディスク2の角速度、rはディスク2の中心からの距離、gは重力加速度、Hはディスク2の遠心力による応力の許容値である。尚、回転中心部近傍の厚さを一様としているが、回転中心から円周部分に向かって厚さが薄くなるよう、つまり、ディスク2の表面全体が傾斜するようにしてもよい。
また、ディスク2の遮断部は、中性子ビームを吸収する吸収材(中性子吸収材)としてホウ素を有している。具体的には、金属材料のディスク2の表面に濃縮されたホウ素が塗布されている。かかるホウ素は、同位体10Bと同位体11Bとを有しており、同位体10Bの濃縮度が同位体11Bの濃縮度よりも高くなっている。具体的には、同位体10Bの濃縮度が95%以上、つまり、10B/(10B+11B)>95%を満たしている。ディスク2がホウ素を有し、かつ、中性子の吸収能力が優れている同位体10Bの濃縮度を95%程度まで高めることで、天然ホウ素に比べ5倍程度、中性子ビームの吸収能力を高めることができるようになっている。さらに、ホウ素は、他の吸収材のガドリニウムなどに比べると、中性子ビームの吸収能力が向上し、例えば、100meV以上の高いエネルギーの中性子ビームが照射されても、十分に中性子ビームを吸収(遮断)することができる。これにより、試料5に中性子を照射して散乱させた際のノイズを低減することができる。
真空散乱槽8は、試料5に当たって散乱した単色中性子を検出して、試料5の物性を解析するものであり、試料5は、第2中性子ディスクチョッパ1bにより選別された単色中性子の通路上に位置するように配置されている。真空散乱槽8は、図示しない演算器等を有しており、試料5で散乱した単色中性子の飛行速度などを測定し、その測定結果と予め入力されている試料5の成分とを照らし合わせて、試料5を解析することができるようになっている。
次に、中性子実験装置10の動作について説明する。
様々なエネルギーをもつ中性子ビームは、パルス中性子源6で生成され、中性子導管7を通り、第1中性子ディスクチョッパ1aに入射される。第1中性子ディスクチョッパ1aに入射した中性子ビームのパルスが整形され、第2中性子ディスクチョッパ1bを通過することで、測定に用いる特定のエネルギーを有する中性子、つまり、単色中性子が選別される。選別された単色中性子は、試料5に当たり、散乱する。そして、真空散乱槽8により、散乱した単色中性子の飛行時間などを測定することで、試料5の物性を解析する。
以上、説明したように、本実施の形態は、中性子ビーム(白色中性子)を通過する通過部と、中性子ビームを遮断する中性子吸収材を含む遮断部とを有するディスク2を回転させる中性子ディスクチョッパ1a・1bにおいて、ディスク2の厚さが、回転中心側から外周側に向かって徐々に薄くなるように形成されている。これによると、遠心力に対する耐久性を向上させることができる。遠心力はディスク2の比重に比例して大きくなり、ディスク2の回転中心部は外周部を支持しているため、ディスク2の外周部よりも回転中心部の方が遠心力による応力(引張力)が大きくなる。このため、ディスク2の外周部を薄くすることで、回転中心部における遠心力による応力を小さくでき、ディスク2全体の強度をほぼ一様にすることができる。これにより、ディスク2を高速に回転させることができる。
また、中性子吸収材が、同位体10Bと同位体11Bとを有するホウ素であり、ホウ素中における前記同位体10Bの濃縮度が同位体11Bの濃縮度よりも高くなっている。これによると、中性子ビームの吸収能力が向上し、高いエネルギーの中性子ビームが照射されても、十分に吸収することができる。また、ホウ素は、同位体10Bと同位体11Bとを有しており、中性子の吸収能力が優れた同位体10Bの濃縮度を同位体11Bの濃縮度よりも高くする、例えば、同位体10Bの濃縮度を95%程度まで高めることにより、天然のホウ素に比べ5倍程度、中性子ビームの吸収能力を高めることができる。
また、本発明を好適な実施の形態に基づいて説明したが、本発明はその趣旨を超えない範囲において変更が可能である。即ち、ディスク2の吸収材が含有するホウ素は、酸化ホウ素、ホウ酸、炭化ホウ素などであってもよい。また、ホウ素の同位体10Bの濃縮度が95%以上でなくても良いし、中性子を吸収する吸収材がホウ素でなくてもよい。例えば、カドミニウム等であってもよい。また、本実施の形態では、ディスク2が、中性子ビームを吸収する吸収材が塗布されたアルミ合金などの金属材料としているが、これに限定されず、吸収材を含浸した繊維強化樹脂などであってもよい。
さらに、ディスク2の中性子ビームを通過させるためのスリット3を、図5(a)に示すように、ハウジング2aのビーム窓2dと同形状であってもよい。また、ディスク2の厚さなどは上述の実施の形態の数値、式には限定されない。さらに、上述の実施の形態では、パルス中性子源6はパルス状の白色中性子を発生させているが、連続した白色中性子を発生させるものであってもよい。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。本実施の形態は、ディスク2の材料を繊維強化複合材料とする点で、第1の実施形態と相違している。具体的には、ディスク2は、炭素繊維強化エポキシ樹脂から形成されている。ここで、炭素繊維強化エポキシ樹脂は、炭素繊維とエポキシ樹脂とを含む複合材料をいう。ディスク2を炭素繊維とすることで、例えば、ディスク2をアルミニウムの金属材料から形成する場合との対比において、アルミニウムの比重が2.7[g/mm]に対して、炭素繊維強化エポキシ樹脂は1.5[g/mm]であるため、ディスク2の比重が軽くなる。また、アルミニウムの引張強度が20〜60[kgf/mm]に対して、炭素繊維強化エポキシ樹脂の0°引張強度は200〜300[kgf/mm]であるため、ディスク2の強度が強くなる。ここで、引張強度は、ディスク2の単位面積あたりに耐えられる最大引張荷重である。ディスク2を回転させると、遠心力が付与されるが、かかる遠心力はディスク2の比重に比例するため、ディスク2を炭素繊維強化エポキシ樹脂で形成することで、比重が軽く、かつ、強度が強くなるため、遠心力に対して耐久性が向上し、ディスク2を高速に回転させることができるようになる。
Figure 0004227065
表1は、炭素繊維強化エポキシ樹脂およびアルミニウムから形成される厚さが一様なディスク2(図5参照)を、周速722m/s、半径0.3m、回転数23000rpmのパラメータで回転させた場合の、ディスク2の遠心力による応力を表している。尚、ここで応力とは、ディスク2を回転させた際の遠心力よって生じる、円周方向と半径方向との引張力をいう。表1に示すように、半径方向及び円周方向の最大応力は、アルミニウムが、41.7[kgf/mm]、120.7[kgf/mm]に対して、炭素繊維強化エポキシ樹脂が23.5[kgf/mm]、68.0[kgf/mm]となり、炭素繊維強化エポキシ樹脂の方がアルミニウムよりも各応力が小さくなっている。
また、ディスク2は、円周方向の引張強度が半径方向の引張強度よりも高くなるように、具体的には、円周方向の引張強度が半径方向よりも2〜4倍高くなるように、半径方向よりも円周方向に炭素繊維が多く配向され形成されている。表1に示すように、円周方向の最大応力が、半径方向の最大応力よりも2倍ほど大きくなる。炭素繊維強化エポキシ樹脂でディスク2を形成する場合、ディスク2の引張強度は炭素繊維に依存するため、半径方向よりも円周方向に炭素繊維が多く配向することで、円周方向の引張強度を半径方向の引張強度よりも高くし、ディスク2の強度に異方性を持たせることで、遠心力による応力に対する強度がディスク2において一様となるように形成することができ、高速回転を可能とすることができる。
尚、ディスク2の高速回転の遠心力に対する耐久性をさらに向上されるため、ディスク2の厚さを回転中心から外周に向かって徐々に薄くするように、ディスク2を形成することが好ましい。さらに、炭素繊維強化エポキシ樹脂に、中性子ビームを吸収する吸収材として、同位体10Bと同位体11Bとを有するホウ素とし、中性子の吸収能力が優れた同位体10Bの濃縮度を同位体11Bの濃縮度よりも高くするようにすることが好ましい。この場合、吸収材を吸収能力が高いホウ素とすることで、炭素繊維強化エポキシ樹脂の炭素繊維とエポキシ樹脂との混合比率を低下させることがなくなり、ディスク2は、強度を保持しつつ、中性子吸収材を有することができる。
以上、説明したように、本実施の形態は、中性子ビームを通過する通過部と、中性子ビームを遮断する中性子吸収材を含む遮断部とを有するディスク2を回転させる中性子ディスクチョッパにおいて、ディスクは、中性子材(ホウ素)が含浸され、半径方向よりも円周方向に繊維強化材(炭素繊維)が多く配向された繊維強化複合材料(炭素繊維強化エポキシ樹脂)から形成されている。この構成によると、遠心力による応力において、半径方向の最大応力よりも円周方向の最大応力の方が高いため、円周方向の引張強度が半径方向の引張強度よりも高くすることで、遠心力による応力がディスクにおいて一様となるように形成することができ、高速回転を可能にすることができる。また、炭素繊維強化エポキシ樹脂は、比重が小さいため遠心力を低減することができ、ディスク2を高速に回転することができる。
尚、上述の実施の形態では、ディスク2を炭素繊維強化エポキシ樹脂から形成しているが、これに限定されることはなく、他の繊維強化複合材料であってもよい。また、ディスク2の厚さを一様にしてもよいし、中性子ビームを吸収する吸収材をホウ素としなくてもよい。また、円周方向の引張強度が半径方向よりも2〜4倍高くなるように、半径方向よりも円周方向に炭素繊維を多く配向しているが、この数値に限定されることはない。
本発明は、上記の好ましい実施形態に記載されているが、本発明はそれだけに制限されない。本発明の精神と範囲から逸脱することのない様々な実施形態が他になされることは理解されよう。さらに、本実施形態において、本発明の構成による作用および効果を述べているが、これら作用および効果は、一例であり、本発明を限定するものではない。
(a)本発明の第1の実施の形態に係る中性子チョッパのディスクの正面図。(b)本発明の第1の実施の形態に係る中性子チョッパのディスクの側面図。 (a)本発明の第1の実施の形態に係る中性子チョッパの正面透視図。(b)本発明の第1の実施の形態に係る中性子チョッパの側面断面図。 図2に描かれた中性子チョッパを用いた分光器の概略図。 図3に描かれたモノクロメータの有する2つの中性子チョッパのディスク部分の拡大図。 (a)本発明の第2の実施の形態に係る中性子チョッパのディスクの正面図。(b)本発明の第2の実施の形態に係る中性子チョッパのディスクの側面図。
符号の説明
1a 第1中性子ディスクチョッパ
1b 第2中性子ディスクチョッパ
2 ディスク
2b 回転モータ
2c スタンド
2d ビーム窓
2e 板部材
3 スリット
5 試料
6 中性子源
7 中性子導管
8 検出器
9 モノクロメータ
10 中性子実験装置

Claims (4)

  1. 中性子ビームを通過する通過部と、前記中性子ビームを遮断する中性子吸収材を含む遮断部とを有するディスクを回転させる中性子ディスクチョッパにおいて、
    前記ディスクの厚さが、回転中心側から外周側に向かって徐々に薄くなるように形成されていることを特徴とする中性子ディスクチョッパ。
  2. 記ディスクは、前記中性子吸収材が含浸され、半径方向よりも円周方向に繊維強化材が多く配向された繊維強化複合材料から形成されていることを特徴とする請求項1に記載の中性子ディスクチョッパ。
  3. 前記繊維強化複合材料が、繊維強化樹脂であることを特徴とする請求項2に記載の中性子ディスクチョッパ。
  4. 前記中性子吸収材が、
    同位体10Bと同位体11Bとを有するホウ素であり、前記ホウ素中における前記同位体10Bの濃縮度が同位体11Bの濃縮度よりも高いことを特徴とする請求項1〜の何れか1項に記載の中性子チョッパ。
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