JP4225967B2 - 圧縮映像情報の品質評価支援装置および品質評価支援プログラム - Google Patents
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Description
それに伴い、オリジナル映像を、例えばMPEG2規格の圧縮映像情報(MPEG2ファイル等)へと変換するソフトウェア、いわゆるエンコーダも種々開発されている。
これにより、オリジナル映像と圧縮後の映像とを、同一のモニタに、択一的にまたは同時に映し出すことができるため、それぞれの映像を別々のモニタに写す場合に比較して、モニタの個体差等の要因を排除して両者の画質の比較を正確に行えるものとしている。
評価者の主観によらない、従来の圧縮映像情報の評価方法としては、例えば特許文献2に記載された技術が挙げられる。特許文献2に記載されたディジタル圧縮・再生画像の画質評価装置は、原動画データと原動画データを一旦圧縮・再生した再生画像データとから、重み付きS/N比等を自動算出する。
まず、特許文献1記載の発明は、前述の通り評価者の主観による評価を行うものであるから、評価者毎に評価結果がばらついたり、同一の評価者であっても評価を継続するうちに評価判断が揺らいだりしてしまう場合があるという課題がある。
また、人の知覚のみに頼った評価であるため、オリジナル映像と圧縮映像情報の再生映像との違いを厳密に検出することが困難であるという課題がある。
なお、この点、特許文献2記載の発明においては、被験者を使って経験的に求められた特性である劣化度特性Zを用いて相対主観評価値を求めるものとしている(特許文献2 図4,段落0023)が、人は極めて複雑な知覚によって画質を感知しているものであって、その知覚の特性は、特許文献2に開示されたような単純化された特性で正確にシミュレートできるものではない。
これによれば、映像比較手段によりオリジナル映像と圧縮映像情報の再生映像とを比較できるとともに、ユーザーは、再生映像を見ながら、映像比較手段による客観的な比較結果をリアルタイムに確認でき、主観的な評価と客観的な評価とを同時に加味して評価を行うことができる。これにより、人間の知覚を使いながらばらつきが少ない正確な評価を行うことができる。
また、ユーザーは、輝度・明度・色彩設定手段によって再生映像およびオリジナル映像のうちの少なくとも一方の輝度、明度および色彩のうちの少なくとも一つを調節しつつ、その調節時における再生映像とオリジナル映像との相違を映像比較手段による比較結果で確認できるため、両映像の輝度、明度および色彩のうちの少なくとも一つを合わせこむ調節を正確に行うことができる。これにより、エンコーダによる圧縮時に輝度・明度・色彩にバイアスが掛かった場合でも、そのバイアスを除外して純粋な圧縮映像情報の品質を評価することができる。
これによれば、映像比較機能によりオリジナル映像と圧縮映像情報の再生映像とを比較できるとともに、ユーザーは、再生映像を見ながら、映像比較機能による客観的な比較結果をリアルタイムに確認でき、主観的な評価と客観的な評価とを同時に加味して評価を行うことができる。これにより、人間の知覚を使いながらばらつきが少ない正確な評価を行うことができる。
また、ユーザーは、輝度・明度・色彩設定機能によって再生映像およびオリジナル映像のうちの少なくとも一方の輝度、明度および色彩のうちの少なくとも一つを調節しつつ、その調節時における再生映像とオリジナル映像との相違を映像比較機能による比較結果で確認できるため、両映像の輝度、明度および色彩のうちの少なくとも一つを合わせこむ調節を正確に行うことができる。これにより、エンコーダによる圧縮時に輝度・明度・色彩にバイアスが掛かった場合でも、そのバイアスを除外して純粋な圧縮映像情報の品質を評価することができる。
図1は、本実施の形態に係る圧縮映像情報の品質評価支援装置の構成を示すブロック図である。本実施の形態に係る圧縮映像情報の品質評価支援装置は、本体1とディスプレイ2と入力装置4とを有するコンピュータCにより構成される。
コンピュータCのディスプレイ2は、液晶ディスプレイやCRT等の、コンピュータ本体1からの信号に応じて情報を表示可能な装置である。
コンピュータCのハードディスクには、本発明に係る圧縮映像情報の品質評価支援プログラムPがコンピュータ読み取り可能に記憶(インストール)されている。図1においては便宜的に、制御部6が実行する圧縮映像情報の品質評価支援プログラムPと、圧縮映像情報の品質評価支援プログラムPが制御部6により実行されることで実現される各手段(機能)P1〜P7とを、制御部6の内部に図示している。
また、本発明に係る圧縮映像情報の品質評価支援装置は、必ずしもエンコーダを備えている必要はなく、他の装置のエンコーダで生成された圧縮映像情報を入力可能に設けてもよい。
なお、オリジナル映像表示手段P2は、記憶手段8に記憶されたオリジナル映像情報Oを再生して表示させることもできる。
なお、圧縮映像再生手段P1とオリジナル映像表示手段P2との同期のタイミングは、後述する同期設定手段P5によってユーザーが調節することもできるよう設けられる。
映像比較手段P3が行う再生映像とオリジナル映像との比較としては、再生映像とオリジナル映像との間のPSNRやSNRを算出したり、再生映像とオリジナル映像との輝度、明度および色彩をピクセル単位で比較したりする。また、それらの比較を、再生映像およびオリジナル映像を構成する原色のR(Red)、G(Green)、B(Blue)毎にも行えるよう構成する。
図2に、画面構成手段P4が構成する出力画面Dを示す。
出力画面Dにおいて、22は、オリジナル映像表示手段P2から入力されたオリジナル映像を表示する部分である。24は、圧縮映像再生手段P1から入力された再生映像を表示する部分である。
領域26において、27は、再生映像とオリジナル映像との明度の差をピクセル単位で比較し、各ピクセルの明度の差を、対応するピクセルの明度の違いにより表現して表示させた差分表示部分である。なお、画面構成手段P4は、ユーザーによる入力装置4への所定操作により、このピクセル単位の明度の差を原色毎に比較した結果の表示と切り替えることもできるよう構成される。
領域26において、28は、再生映像とオリジナル映像との間の映像全体の明度の差を時系列に示したグラフを表示するグラフ表示部分である。グラフ表示部分28において、4本のグラフが表示されているが、下に表示された3本のグラフは、再生映像とオリジナル映像との間の明度の差を、原色R(Red)、G(Green)、B(Blue)毎に算出した結果を、各原色毎にグラフ化したものである。また、一番上に表示されたグラフは、3原色を合わせた、再生映像とオリジナル映像との間の明度の差をグラフ化したものである。
また、「Red Diff.」、「Green Diff.」、「Blue Diff.」と表示された箇所は、それぞれPSNRをRGBの各原色毎にとった結果を表示したものである。
また、再生映像とオリジナル映像とその比較結果とが同時に表示されるから、再生映像とオリジナル映像とを同時に見比べて主観的な違いを評価しながら、その評価と映像比較手段P3による客観的な比較結果とを勘案できるため、主観のみに流されず正確な評価を行うことができる。
さらに、再生映像とオリジナル映像とを、ピクセル単位でかつ原色毎に比較して、相違を正確に検出して評価を行うことができる。
同期設定手段P5は、出力画面D上のボタン32または34がユーザーにより操作されると、オリジナル映像表示手段P2または圧縮映像再生手段P1に信号を送信して、それぞれオリジナル映像または再生映像を独立してフレーム送り(コマ送り)させる。この際、映像比較手段P3は、同期設定手段P5による同期タイミングの設定変更にリアルタイムに追随して、設定がなされた再生映像とオリジナル映像とを比較するとともにその比較の結果を画面構成手段P4を介してディスプレイ2に表示させる。
なお、一時停止した状態でフレーム送りする操作に限らず、ユーザーは、両映像を再生した状態でボタン32および34を操作することでいずれかの映像をフレーム単位で早送りまたは逆戻りさせて、再生しながら同期タイミングを調節してもよい。この場合でも映像比較手段P3による比較の結果は、動画と同期してリアルタイムに出力画面Dに表示される。
画郭設定手段P6は、出力画面D上のボタン36が入力装置4を介してユーザーにより操作されると、圧縮映像再生手段P1に信号を送信して、再生した再生映像が、ユーザーにより設定された画郭となるよう、再生映像をピクセル単位でトリミングさせたり、範囲をずらさせたりする。この際、映像比較手段P3は、画郭設定手段P6による画郭の設定変更にリアルタイムに追随して、設定がなされた再生映像とオリジナル映像とを比較するとともにその比較の結果を画面構成手段P4を介してディスプレイ2に表示させる。
ユーザーは、同期設定手段P5のときと同様に、画郭を調節しながら、その結果を、差分表示部分27、グラフ表示部分28、PSNRの表示部分30aで確認することができるため、画郭を正確に調節することができる。
輝度・明度・色彩設定手段P7は、入力装置4を介したユーザーの所定の操作により、圧縮映像再生手段P1に信号を送信して、再生した再生映像の輝度・明度・色彩を調節させる。この際、映像比較手段P3は、輝度・明度・色彩設定手段P7による輝度、明度および色彩の設定変更にリアルタイムに追随して、設定がなされた再生映像とオリジナル映像とを比較するとともにその比較の結果を画面構成手段P4を介してディスプレイ2に表示させる。
ユーザーは、同期設定手段P5および画郭設定手段P6のときと同様に、輝度、明度および色彩を調節しながら、その結果を、差分表示部分27、グラフ表示部分28、PSNRの表示部分30aで確認することができるため、輝度、明度および色彩を正確に調節することができる。
特に、映像比較手段P3により、特定の原色が強いなどのバイアスが検出されたり、画面の輝度や明度が異なる際に、輝度・明度・色彩設定手段P7により調節を行って比較をすれば、色彩のバイアスや明度や輝度の違いを除去した、純粋な画質の比較結果を得ることができる。
P 圧縮映像情報の品質評価支援プログラム
P1 圧縮映像再生手段
P2 オリジナル映像表示手段
P3 映像比較手段
P4 画面構成手段
P5 同期設定手段
P6 画郭設定手段
P7 輝度・明度・色彩設定手段
A,B 圧縮映像情報
O オリジナル映像情報
D 出力画面
V 映像出力装置
a,b エンコーダ
1 コンピュータ本体
2 ディスプレイ
4 入力装置
6 制御部
8 記憶手段
10 映像入力手段
22 オリジナル映像の表示部分
24 再生映像の表示部分
27 差分表示部分
28 グラフ表示部分
30a,30b,30c PSNRの表示部分
Claims (2)
- オリジナル映像と、該オリジナル映像をエンコーダで圧縮して得られた圧縮映像情報を再生した再生映像とを比較して、圧縮映像情報の品質を評価するのに用いられる圧縮映像情報の品質評価支援装置において、
ディスプレイと、
前記圧縮映像情報を再生して前記ディスプレイの一部に表示させる圧縮映像再生手段と、
該圧縮映像再生手段により再生されている再生映像と前記オリジナル映像とをリアルタイムに比較するとともに、該比較の結果をリアルタイムに前記ディスプレイの一部に表示させる映像比較手段と、
前記オリジナル映像および前記再生映像のうちの少なくとも一方の、輝度、明度および色彩のうちの少なくとも一つを、ユーザーが設定可能な輝度・明度・色彩設定手段と
を備え、
前記映像比較手段は、前記輝度・明度・色彩設定手段による前記輝度、明度および色彩のうちの少なくとも一つの設定変更に、リアルタイムに追随して、該設定がなされた前記再生映像と前記オリジナル映像とを比較するとともに該比較の結果を前記ディスプレイの一部に表示させることを特徴とする圧縮映像情報の品質評価支援装置。 - オリジナル映像と、該オリジナル映像をエンコーダで圧縮して得られた圧縮映像情報を再生した再生映像とを比較して、圧縮映像情報の品質を評価するのに用いられ、
ディスプレイを有するコンピュータに読み取り可能な圧縮映像情報の品質評価支援プログラムにおいて、
前記圧縮映像情報を再生して前記ディスプレイの一部に表示させる圧縮映像再生機能と、
該圧縮映像再生機能により再生されている再生映像と前記オリジナル映像とをリアルタイムに比較するとともに、該比較の結果をリアルタイムに前記ディスプレイの一部に表示させる映像比較機能と、
前記オリジナル映像および前記再生映像のうちの少なくとも一方の輝度、明度および色彩のうちの少なくとも一つを、ユーザーが設定可能な輝度・明度・色彩設定機能とを、コンピュータに実現させ、
前記映像比較機能は、前記輝度・明度・色彩設定機能による前記輝度、明度および色彩のうちの少なくとも一つの設定変更にリアルタイムに追随して、該設定がなされた前記再生映像と前記オリジナル映像とを比較するとともに該比較の結果を前記ディスプレイの一部に表示させることを特徴とする圧縮映像情報の品質評価支援プログラム。
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