JP4225643B2 - 構造物の支持装置及びこれを用いた緩衝構造物並びにこの緩衝構造物を具備した構造体 - Google Patents

構造物の支持装置及びこれを用いた緩衝構造物並びにこの緩衝構造物を具備した構造体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、橋桁等の構造物、特に浮体橋等の浮体式の構造物に連結される構造物を、その端部で橋脚等の基台に移動自在に支持する沓装置を基本的に具備し、それに加えて、構造物の端部を直動及び揺動自在に案内支持する沓装置及び構造物の端部を基台又は当該基台に支持される隣接構造物、特に浮体橋等の浮体式の構造物に回動自在に連結するための沓装置の少なくとも一方を具備した構造物のの支持装置及びこれを用いた緩衝構造物並びにこの緩衝構造物と浮体式の構造物とを具備した構造体に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
陸からそれほど離れていない島又は浮島を含む人工島(以下、人工島等という)と陸との間の海面に、比較的海面からの高さが低い浮体橋(道路橋)を浮かばせ、この浮体橋を介して人工島等と陸とを自動車道等により結び、船舶の通過時には、浮体橋をタグボートなどにより移動させて、船舶の通過を許容するようにする橋構造体が提案されている。
【0003】
この場合、人工島等及び陸と浮体橋とを夫々結ぶために夫々の間に徐々に傾斜した傾斜道路橋が設置されるが、この道路橋の橋桁は、潮の干満による浮体橋の上下動に追従でき、しかも、タグボートなどによる浮体橋の移動をも許容できるように、大きな変位量をもって可動になっていると共に、浮体橋と連結解除自在になっている必要がある。
【0004】
また、従来の高架道路又は道路橋におけるその橋桁は、温度変化、荷重の変動等によるそれ自体の伸縮、撓み及び地震等の振動を吸収するために、単に滑り支承又は転がり支承等を介して橋脚上に載置、設置されているが、このような滑り支承又は転がり支承では、上記のような人工島等及び陸と浮体橋とを夫々連結することが困難であって、これに対する案内支持装置、連結装置としては、いまだ満足し得るものが提案されていない。
【0005】
本発明は、前記諸点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、長大であって且つその重量が大きい構造物に対しても、その撓み振動及び熱膨張による伸縮並びに地震に因る相対移動を十分に許容でき、基台等に過大な水平方向の内部応力を生じさせる虞をなくし得て、構造物の一端部を基台に移動自在に支持でき、しかも、極めて簡単に設置し得、特に浮体式の構造物に好適な沓装置を基本的に具備し、これに加えて、構造物、特に一端部側が浮体式の構造物に連結されて、大きく位置変動する構造物の他端部側を好ましく直動及び揺動自在に案内支持する沓装置及び構造物の一端を、他の構造物又は基台、特に浮体式の構造物又は基台に回動自在に連結するための沓装置のうちの少なくとも一方を具備した構造物の支持装置及びこの構造物の支持装置を具備した緩衝構造物並びにこの緩衝構造物と浮体式の構造物とを具備した構造体を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の第一の態様の構造物の支持装置は、基台上で構造物の端部を移動自在に支持する第一の沓装置と、基台上で構造物の端部を直動及び揺動自在に案内支持する第二の沓装置とを具備しており、ここで、第一の沓装置は、回転自在なローラを有したローラ手段と、このローラ手段が装着された第一の軸手段と、この第一の軸手段が装着された連結部材と、この連結部材に装着された第二の軸手段と、第二の軸手段に装着されており、構造物の端部又は基台に取り付けられる取付台とを具備しており、ローラ手段は、第一の軸手段を介して連結部材に対して回転自在となっており、ローラは、基台の上面又は構造物の端部の下面に回転自在に接触するようになっており、第二の沓装置は、構造物の直動方向に平坦に伸び互いに対面した内側面を有して、基台又は構造物の端部に固着される一方の沓と、構造物の端部又は基台に固着される他方の沓と、一方の沓に対して他方の沓を直動及び揺動自在とする軸受装置とを具備しており、この軸受装置が、凹球面状の内面を有すると共に一方の沓の各内側面に対向した外側面を有して、両沓間に介在された軸受本体と、この軸受本体の凹球面状の内面に摺動自在に接触した凸球面状の外面を有して、他方の沓に固着された球面軸受と、一方の沓の各内側面に摺動自在に接触した平坦面状の外側面を有して、軸受本体の各外側面に固着された平板状軸受とを具備している。
【0007】
第一の態様の構造物の支持装置によれば、取付台が、連結部材に対するローラ手段の回転中心軸に実質的に直交する方向の回転中心軸の周りで、第二の軸手段を介して連結部材に対して回転自在となっているために、基台等におけるローラ手段の載置面である上面等が構造物等に対して相対的に傾いていても、これに対応してローラ手段を上面等に問題なく正常に載置し得、また、軸受装置が球面軸受と平板状軸受とを具備しているために、構造物の大きな揺動及び直動を許容でき、しかも、この大きな揺動及び直動が一方の沓の互いに対面した平坦な内側面間で規制されて行われるようになっているために、常に、構造物を所定位置に案内維持できる。
【0008】
本発明の第二の態様の構造物の支持装置では、第一の態様の構造物の支持装置において、一方の沓は、断面U字状の沓本体と、沓本体の対面する内側面に夫々固着された滑り板とを具備しており、一方の沓の夫々の内側面としての各滑り板の露出面に、平板状軸受の外側面の夫々が摺動自在に接触している。
【0009】
滑り板の好ましい一例としてステンレス板を挙げることができるが、その他の低摩擦の比較的腐食(塩害)に強い金属板であってもよい。
【0010】
本発明の第三の態様の構造物の支持装置では、第一又は第二の態様の構造物の支持装置において、他方の沓は、構造物の端部又は基台に固着される矩形板状又は円盤状の受台部と、この受台部から突出し当該受台部に一体的に形成された円柱部とを具備しており、球面軸受は、中央に貫通嵌合孔を有しており、他方の沓は、その円柱部が球面軸受の貫通嵌合孔に嵌合されて、球面軸受に固着されている。
【0011】
受台部には、通常、アンカーボルトが植設され、このアンカーボルトを介して受台部に構造物の端部又は基台が固着される。
【0012】
本発明の第四の態様の構造物の支持装置では、第一から第三の態様のいずれかの構造物の支持装置において、球面軸受は、中央に貫通嵌合孔を有した環状体からなり、環状体の外周面が凸球面状の外面として形成されている。
【0013】
本発明の第五の態様の構造物の支持装置では、第一から第四の態様のいずれかの構造物の支持装置において、球面軸受の凸球面状の外面には、固体潤滑材が埋設された複数の凹所が形成されており、この固体潤滑材の露出面は、軸受本体の凹球面状の内面に摺動自在に接触している。
【0014】
本発明の第六の態様の構造物の支持装置では、第一から第五の態様のいずれかの構造物の支持装置において、平板状軸受の外側面には、固体潤滑材が埋設された複数の凹所が形成されており、この固体潤滑材の露出面は、一方の沓の各内側面に摺動自在に接触している。
【0015】
第五の態様及び第六の態様の構造物の支持装置によれば、直動及び揺動に際して各摺動面に固体潤滑材を流出させて、各摺動面に固体潤滑材の薄層を形成することができるので、各摺動面を固体潤滑材の薄層により常に低摩擦状態に維持できる結果、構造物の大きな揺動及び直動を長期に亘って滑らかに許容できる。固体潤滑材としては、黒鉛を主体とし、これにポリテトラフルオロエチレン等を混入したものが好ましいが、本発明はこれに必ずしも限定されない。
【0016】
本発明の第七の態様の構造物の支持装置は、基台上で構造物の端部を移動自在に支持する第一の沓装置と、構造物の端部を基台又は当該基台によって支持される隣接構造物に回動自在に連結するための第二の沓装置とを具備しており、ここで、第一の沓装置は、回転自在なローラを有したローラ手段と、このローラ手段が装着された第一の軸手段と、この第一の軸手段が装着された連結部材と、この連結部材に装着された第二の軸手段と、第二の軸手段に装着されており、構造物の端部又は基台に取り付けられる取付台とを具備しており、ローラ手段は、第一の軸手段を介して連結部材に対して回転自在となっており、ローラは、基台の上面又は構造物の端部の下面に回転自在に接触するように配されており、第二の沓装置は、基台若しくは隣接構造物の端部又は構造物の端部に固着されると共に一端開放の凹所を有した一方の沓と、構造物の端部又は基台若しくは隣接構造物の端部に固着されると共に、突出した円柱部を具備した他方の沓と、この他方の沓に対して一方の沓を回動自在とする軸受装置とを具備しており、この軸受装置が、凹球面状の内面を有すると共に一方の沓の凹所に配された軸受本体と、この軸受本体の凹球面状の内面に摺動自在に接触した凸球面状の外面を有すると共に、他方の沓の円柱部の環状表面に摺動自在に接触する環状内面を有した球面軸受とを具備しており、他方の沓の円柱部は、球面軸受の環状内面によって規定される円孔に挿抜自在に配されている。
【0017】
第七の態様の構造物の支持装置によれば、取付台が、連結部材に対するローラ手段の回転中心軸に実質的に直交する方向の回転中心軸の周りで、第二の軸手段を介して連結部材に対して回転自在となっているために、基台等におけるローラ手段の載置面である上面等が構造物等に対して相対的に傾いていても、これに対応してローラ手段を上面等に問題なく正常に載置し得、また、軸受装置が球面軸受を具備し、他方の沓の円柱部が球面軸受の円孔に挿抜自在に配されているために、基台若しくは隣接構造物に対する構造物の相対的な大きな横揺れ、上下動を含む回動を許容でき、しかも、必要により円柱部を円孔から引き抜いて両沓の連結を解除でき、而して、構造物と基台若しくは隣接構造物との連結を解除できる。
【0018】
本発明の第八の態様の構造物の支持装置では、第七の態様の構造物の支持装置において、球面軸受の環状内面は、当該環状内面によって規定される円孔への他方の沓の円柱部の挿入方向から見て、徐々に縮径する第一の略截頭円錐面と、この第一の略截頭円錐面に連接しており、当該第一の略截頭円錐面よりも更に徐々に縮径する第二の略截頭円錐面とを具備しており、他方の沓の円柱部の環状表面は、当該円柱部の先端から見て、徐々に拡径する第三の略截頭円錐面と、この第三の略截頭円錐面に連接していると共に、第二の略截頭円錐面と相補的な形状となるように、第三の略截頭円錐面よりも更に徐々に拡径した第四の略截頭円錐面とを具備している。
【0019】
第八の態様の構造物の支持装置によれば、他方の沓の円柱部が先端先細り状となっており、球面軸受の円孔が先端広口となっているために、他方の沓の円柱部の円孔からの抜き取り後の再挿入に際して、他方の円柱部と球面軸受の円孔との間に若干の位置ずれが生じていたとしても、これを修正できて困難なく所望に他方の沓の円柱部を球面軸受の円孔に挿入でき、しかも、他方の沓の円柱部の環状表面は、球面軸受の環状内面の第二の略截頭円錐面と相補的な形状となる第四の略截頭円錐面を具備しているために、挿入後においては、他方の沓の円柱部の環状表面と球面軸受の環状内面とを面接触させることができ、而して、他方の沓の円柱部を面的に回転自在に連結できる。
【0020】
本発明の第九の態様の構造物の支持装置では、第八の態様の構造物の支持装置において、他方の沓の円柱部は、少なくとも第四の略截頭円錐面の部位で、ステンレス鋼により肉盛りされて形成されている。
【0021】
第九の態様の構造物の支持装置によれば、他方の沓の円柱部において、球面軸受の環状内面と摺動自在に接触する略截頭円錐面がステンレス鋼により肉盛りされて形成されているために、当該略截頭円錐面の腐食を低減でき、長期に亘って好ましい摺動接触を確保できる。
【0022】
本発明の第十の態様の構造物の支持装置では、第七から第九の態様のいずれかの構造物の支持装置において、一方の沓は、凹所の底面に弾性手段を具備しており、この弾性手段を介して軸受本体は、一方の沓に対してその軸心方向に可動となるように凹所で一方の沓に着座している。
【0023】
第十の態様の支持装置によれば、軸受本体が一方の沓に対して軸心方向に可動となるように弾性手段を介して一方の沓に着座しているために、他方の沓の円柱部の略截頭円錐面と球面軸受の略截頭円錐面との間で相互の噛み付きが生じようとしても、軸受本体が軸心方向に逃げるために、他方の沓の円柱部が球面軸受の円孔から抜けなくなるような過度な噛み付きを防止できる。
【0024】
本発明の第十一の態様の支持装置では、第七から第十の態様のいずれかの構造物の支持装置において、軸受装置が、軸受本体の外面と凹所の側面を規定する一方の沓の内面との間に介在された滑り軸受を更に具備している。
【0025】
第十一の態様の支持装置によれば、軸受本体と一方の沓との間に滑り軸受が介在されているために、軸受本体の軸心方向の移動を滑らかに抵抗なしに行うことができ、而して、他方の沓の円柱部の球面軸受の円孔への過度な噛み付きを更に効果的に防止できる。
【0026】
本発明の第十二の態様の構造物の支持装置では、第十一の態様の構造物の支持装置において、軸受本体の軸心方向の更なる滑らか移動を確保するために、軸受本体の外面に対面する滑り軸受の表面には、固体潤滑材が埋設された複数の凹所が形成されており、この固体潤滑材の露出面は、軸受本体の外面に摺動自在に接触している。なお、このような凹所を滑り軸受の表面に代えて、この表面に対面する軸受本体の外面に設けてもよい。
【0027】
本発明の第十三の態様の構造物の支持装置では、第七から第十二の態様のいずれかの構造物の支持装置において、球面軸受の凸球面状の外面には、固体潤滑材が埋設された複数の凹所が形成されており、この固体潤滑材の露出面は、軸受本体の凹球面状の内面に摺動自在に接触している。
【0028】
本発明の第十四の態様の構造物の支持装置では、第七から第十三の態様のいずれかの構造物の支持装置において、球面軸受の環状内面には、固体潤滑材が埋設された複数の凹所が形成されており、この固体潤滑材の露出面は、他方の沓の円柱部の環状表面に摺動自在に接触している。
【0029】
第十三及び第十四の態様の構造物の支持装置によれば、他方の沓の一方の沓に対する相対的回動に際して各摺動面に固体潤滑材を流出させて、各摺動面に固体潤滑材の薄層を形成することができるので、各摺動面を固体潤滑材の薄層により常に低摩擦状態に維持できる結果、構造物の大きな相対的回動を長期に亘って滑らかに許容できる。固体潤滑材としては、上記と同様のものを用いることができる。
【0030】
本発明の第十五の態様の構造物の支持装置では、第七から第十四の態様のいずれかの構造物の支持装置において、基台が浮体式の構造物である。
【0031】
第二の沓装置の両沓には、通常、アンカーボルトが植設され、このアンカーボルトを介して基台若しくは隣接構造物の端部又は構造物の端部に固着される。第二の沓装置においては、好ましくは、他方の沓は、その上面で構造物に固着される上沓であり、この構造物は、人工島等又は陸側の構造物であり、一方の沓は、通常、上記の構造物に隣接する浮体式の構造物に固着されるが、これに限定されず、固定式の構造物に固着されてもよく、要は、両沓は、隣接する構造物同士を連結するように配されればよい。
【0032】
本発明の第十六の態様の構造物の支持装置では、第一から第十五の態様のいずれかの構造物の支持装置において、取付台は、構造物の端部の下面に取り付けられるようになっており、ローラは、基台上面に回転自在に接触するようになっており、一方の沓が、その下面で基台の上面に固着される下沓であり、他方の沓が、上面で構造物の端部の下面に固着される上沓である。
【0033】
本発明の第十七の態様の構造物の支持装置では、第一から第十六の態様のいずれかの構造物の支持装置において、取付台は、連結部材に対するローラ手段の回転中心軸に実質的に直交する方向の回転中心軸の周りで、第二の軸手段を介して連結部材に対して回転自在となっている。
【0034】
本発明の第十八の態様の構造物の支持装置では、第一から第十七の態様のいずれかの構造物の支持装置において、第一の軸手段は、連結部材を貫通して配された軸部材と、この軸部材の各端部の端面に取り付けられた鍔部材と、軸部材の各端部の外周面に配されたラジアル滑り軸受部材とを具備しており、ローラ手段は、軸部材の各端部に回転自在に配されたローラを具備しており、各ローラの内周面と軸部材の各端部の外周面との間に、ラジアル滑り軸受部材が介在されている。
【0035】
本発明の第十九の態様の構造物の支持装置では、第十八の態様の構造物の支持装置において、第一の軸手段は、各ローラの外側端面と鍔部材の内側端面との間に介在された一のスラスト滑り軸受部材と、各ローラの内側端面と連結部材の側面との間に介在された他の一のスラスト滑り軸受部材とを更に具備している。
【0036】
第十八又は第十九の態様の構造物の支持装置のように、必要によりラジアル滑り軸受部材と、場合により、スラスト滑り軸受部材とを具備することにより、各ローラの滑らかな回転を確保することができる。
【0037】
本発明の第二十の態様の構造物の支持装置では、第一から第十九の態様のいずれかの構造物の支持装置において、第二の軸手段は、連結部材を貫通して配された軸部材を具備しており、取付台は、連結部材の各側面に配される脚部を有して、連結部材を跨いで配された本体と、この本体の各脚部に形成された貫通孔を外側から塞ぐように、本体の各脚部の側面に取り付けられた蓋部材とを具備しており、第二の軸手段の軸部材の各端部は、本体の各脚部に形成された貫通孔に夫々挿着されている。
【0038】
本発明の第二十一の態様の構造物の支持装置では、第二十の態様の構造物の支持装置において、取付台の本体は、両端に脚部が一体的に形成された横板部と、横板部の上面に一体的に形成された係合突起部とを更に具備している。
【0039】
本発明の第二十二の態様の構造物の支持装置では、第二十又は第二十一の態様の構造物の支持装置において、連結部材は、第二の軸手段の軸部材に対してローラ手段の回転中心軸に実質的に直交する方向の回転中心軸の周りで回転自在となっている。
【0040】
本発明の第二十三の態様の構造物の支持装置では、第二十一又は第二十二の構造物の支持装置において、取付台は、第二の軸手段の軸部材に対してローラ手段の回転中心軸に実質的に直交する方向の回転中心軸の周りで回転自在となっている。
【0041】
本発明の緩衝構造物は、第一から第六の態様のいずれかの構造物の支持装置と、第七から第十五の態様のいずれかの構造物の支持装置とを具備しており、ここで、緩衝構造物の一方の端部と当該緩衝構造物の一方の端部に配された基台との間に、第一から第六の態様のいずれかの構造物の支持装置が介在されるようになっており、緩衝構造物の他方の端部と当該緩衝構造物の他方の端部に配された基台との間に、第七から第十五の態様のいずれかの構造物の支持装置が介在されるようになっている。
【0042】
本発明の緩衝構造物においても、第一の沓装置の少なくとも一方は、上記第十六から第二十三の態様のものとし得る。
【0043】
本発明はまた、好ましくは、上記の緩衝構造物と、浮体式の構造物とを具備した構造体であって、このような構造体において、その効果を更に効果的に奏し得る。
【0044】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態を、図に示す好ましい例に基づいて更に詳細に説明する。なお、本発明はこれら例に何等限定されないのである。
【0045】
図1から図3において、本例の構造体としての橋1は、浮体式の構造物としての浮体橋2と、浮体橋2の両側に配された緩衝構造物としての緩衝桁3及び4と、緩衝桁3及び4の夫々に連接された複数の固定橋桁5及び6とを具備している。浮体橋2は、橋桁7と、橋桁7を支える基台としての橋脚8及び9と、橋桁7を橋脚8及び9を介して海面10上に支持する一対のポンツーン(浮き)11とを具備しており、橋桁7は、陸12側では、当該陸12側の緩衝桁3の一端部13に、解除自在なヒンジ機構14を介して水平面内で回動自在に連結されており、人工島15側では、当該人工島15側の緩衝桁4の一端部16に、同じく解除自在なヒンジ機構17を介して水平面内で回動自在に連結されている一方、陸12側及び人工島15側の夫々で、海中に固定されて、夫々一対の伸縮自在な支持機構18及び19により移動しないように挟持されて保持されている。
【0046】
船舶の通過に際しては、ヒンジ機構14及び17のいずれかにおけるヒンジ連結が解除され、更に、支持機構18又は19の片側が油圧ジャッキ等により下降されて、浮体橋2は、図2に示すように、タグボート20により水平面内で回動されるようになっている。
【0047】
浮体橋2の回動に際し、陸12側の緩衝桁3又は人工島15側の緩衝桁4は、浮体橋2の回動を許容するように、その一端部13又は16が油圧ジャッキ21又は22等により若干上方、すなわちA方向に持ち上げられるようになっている。
【0048】
陸12側の緩衝桁3の他端部31に隣接する固定橋桁5の一端部32は、基台としての橋脚33に載置されて支持されており、人工島15側の緩衝桁4の他端部34に隣接する固定橋桁6の一端部35は、基台としての橋脚36に載置されて支持されており、緩衝桁3は、一端部13では、支持装置41を介して橋脚8に載置されており、他端部31では、支持装置42を介して橋脚33に載置されており、緩衝桁4は、一端部16では、支持装置43を介して橋脚9に載置されており、他端部34では、支持装置44を介して橋脚36に載置されている。
【0049】
支持装置41と支持装置43とは夫々互いに同様に構成されており、支持装置42と支持装置44とは夫々互いに同様に構成されているので、以下、支持装置41と支持装置42とについて説明する。
【0050】
支持装置41は、橋脚8上で緩衝桁3の一端部13を移動自在に支持する4個の第一の沓装置45、46、47及び48と、緩衝桁3の一端部13を橋脚又は当該橋脚によって支持される隣接構造物としての隣接橋桁、本例では橋脚8に回動自在に連結するための2個の第二の沓装置49及び50とを具備している。沓装置45から48並びに49及び50は、橋軸に直交する方向において一列に並んで配されており、緩衝桁3上に形成される道路、特に自動車道路において、沓装置45及び46並びに49は上り車線用であり、沓装置47及び48並びに50は下り車線用であり、沓装置49は、緩衝桁3及び4の直動方向である橋軸方向に関して沓装置45と46との間に配されており、沓装置50は、橋軸方向に関して沓装置47と48との間に配されている。沓装置45から48は夫々互いに同一に構成されており、沓装置49及び50は、同じく夫々互いに同一に構成されているので、以下、沓装置45と沓装置49とについて説明する。
【0051】
図4及び図5に示すように、沓装置45は、ローラ手段52と、ローラ手段52が装着された軸手段53と、軸手段53が装着された剛性金属製の連結部材54と、連結部材54に装着された軸手段55と、軸手段55に装着されており、緩衝桁3の一端部13に取り付けられた剛性金属製の取付台56とを具備している。
【0052】
ローラ手段52は、円柱状の軸部材61の各端部に回転自在に取り付けられた一対の剛性金属製の円筒状のローラ62及び63を具備しており、ローラ62及び63の内周面と軸部材61の各端部の外周面との間には、円筒状のラジアル滑り軸受部材64(ローラ63側は図示せず)が介在されている。ローラ62及び63の外周面65及び66は、焼き入れ等が施されて更に剛性にされていることが好ましい。ラジアル滑り軸受部材64は、ローラ62の内周面に嵌合固着されている。ローラ63側のラジアル滑り軸受部材も同様である。
【0053】
軸手段53は、剛性金属製の前記の軸部材61と、軸部材61の各端部の端面にボルト71及び72により取り付けられた金属製の円盤状の鍔部材73及び74と、前記のラジアル滑り軸受部材64(ローラ63側は図示せず)と、ローラ62及び63のそれぞれの外側端面と鍔部材73及び74のそれぞれの内側端面との間に介在された環状のスラスト滑り軸受部材75及び76と、ローラ62及び63のそれぞれの内側端面と連結部材54の側面のそれぞれとの間に介在された環状のスラスト滑り軸受部材77及び78とを具備している。
【0054】
ローラ62及び63のそれぞれは、軸手段53のラジアル滑り軸受部材64を介して軸部材61に、回転中心軸79の周りで回転自在となるように支持されている。
【0055】
スラスト滑り軸受部材75及び76のそれぞれは、鍔部材73及び74のそれぞれの内側端面に、スラスト滑り軸受部材77及び78のそれぞれは、連結部材54の側面のそれぞれに、それぞれ接着材又は溶接等により固着されている。
【0056】
ラジアル滑り軸受部材64並びにスラスト滑り軸受部材75、76、77及び78は、滑り特性(低摩擦特性)を有する剛性の金属で形成されるとよい。
【0057】
軸部材61は、連結部材54に形成された貫通孔81を貫通して配されている。本例では、軸部材61を、貫通孔81に嵌合させて連結部材54に固着させているが、これに代えて、軸部材61を、回転中心軸79を中心として連結部材54に対して回転し得るように、貫通孔81に貫通させてもよい。
【0058】
連結部材54には、軸部材61が貫通した前記の貫通孔81と、軸手段55の軸部材85が貫通した貫通孔86とが形成されている。
【0059】
軸手段55は、連結部材54の貫通孔86を貫通して配された前記の軸部材85を具備しており、本例では、軸部材85は、貫通孔86に嵌合されて連結部材54に固着されているが、これに代えて、回転中心軸79に実質的に直交する方向の取付台56の回転中心軸87の周りで連結部材54に対して回転し得るように、貫通孔86に貫通されていてもよい。
【0060】
取付台56は、連結部材54の各側面に配される脚部91及び92を有して、連結部材54を跨いで配された本体93と、本体93の各脚部91及び92に形成された貫通孔を外側から塞ぐように、本体93の各脚部91及び92の側面にボルト94及び95により取り付けられた蓋部材96及び97とを具備している。本体93は、前記の脚部91及び92と、両端に脚部91及び92が一体的に形成された横板部101と、横板部101の上面に一体的に形成された係合突起部102とを具備している。
【0061】
軸手段55の軸部材85の各端部は、本体93の各脚部91及び92に形成された貫通孔105(脚部91側は図示せず)に夫々挿着されている。本例では、軸部材85の各端部は、貫通孔105(脚部91側の貫通孔でも同じ)に回転中心軸87の周りで本体93に対して回転し得るように、挿着されているが、軸部材85が回転中心軸87の周りで連結部材54に対して回転し得るように、貫通孔86に貫通されている場合には、軸部材85の各端部は、貫通孔105(脚部91側の貫通孔でも同じ)に嵌合、挿着されて、脚部91及び92に固着されていてもよい。
【0062】
沓装置45では、ローラ手段52は、連結部材54に対して回転中心軸79の周りで回転自在であり、取付台56は、連結部材54に対して、ローラ手段52の回転中心軸79に実質的に直交する方向において回転中心軸87の周りで回転自在である。ローラ手段52は、軸手段53を介して連結部材54に対して回転自在となっており、また、取付台56は、軸手段55の軸部材85に対して、ローラ手段52の回転中心軸79に実質的に直交する方向において回転中心軸87の周りで回転自在である。
【0063】
沓装置45は、緩衝桁3の一端部13に形成された係合孔111に係合突起部102が嵌装されて、緩衝桁3の一端部13の下面にアンカーボルト、ナット112等により、回転中心軸79が橋軸方向113と直交する一方、橋軸方向113に直交する橋幅方向114に平行になり、回転中心軸87が橋幅方向114と直交する一方、橋軸方向113と平行になるように、取り付けられる。ローラ62及び63は、橋脚8の上面115に回転自在に接触するように配されており、これにより、緩衝桁3の一端部13は、沓装置45を介して橋脚8の上面115に橋軸方向113に移動自在に支持される。
【0064】
沓装置45を、緩衝桁3の一端部13の下面と橋脚8の上面115との間に介在させることにより、取付台56が、連結部材54に対するローラ手段52の回転中心軸79に実質的に直交する方向の回転中心軸87の周りで、軸手段55を介して連結部材54に対して回転自在となっているために、橋脚8の上面115が緩衝桁3の一端部13の下面に対して相対的に傾いていても、これに対応してローラ手段52を橋脚8の上面115に問題なく正常に載置し得、また、橋脚8の上面115上でローラ62及び63を転動させるため、摩擦抵抗を極めて小さくでき、更に、ローラ62及び63を上面115に単に載置するだけで、沓装置45を介して緩衝桁3の一端部13を上面115に設置できるため、施工工数及び施工時間を著しく短縮することができる。
【0065】
また、沓装置45では、取付台56がローラ手段52に対して、回転中心軸87の周りで回転し得るため、上面115が橋軸方向113において傾斜していても、これに追随してローラ手段52を取付台56に対して傾かせることができるため、一対のローラ62及び63の外周面65及び66を上面115に等しく接触させることができ、したがって、例えば点接触のような不都合な状態を生じさせないようにし得る。
【0066】
沓装置45では、一対のローラ62及び63を具備してローラ手段52を構成したが、これに代えて、1個又は3個以上のローラを具備してローラ手段52を構成してもよく、この場合、各ローラを支持するために連結部材を、二又部又は三又部等を具備して構成するとよい。更に、貫通孔81及び86に、ラジアル滑り軸受部材64と同様のラジアル滑り軸受部材を、また、各脚部91及び92のそれぞれの内側側面と連結部材54の側面のそれぞれとの間に、スラスト滑り軸受部材77及び78と同様のスラスト滑り軸受部材をそれぞれ介在させてもよい。
【0067】
沓装置49は、図6から図18において、下面202でシム203及び204を介して基台としての浮体橋2の橋脚8にアンカーボルト(図示せず)又は溶接等により固着されると共に上端205開放の凹所206を有した一方の沓としての下沓207と、上面208で緩衝桁3の一端部13の下面にシム210及び211を介してアンカーボルト212又は溶接等により固着されると共に、下方に突出して垂下した円柱部213を具備した他方の沓としての上沓214と、下沓207に対して上沓214を回動自在とするように、凹所206に配された軸受装置215と、凹所206からの軸受装置215の抜け出しを防止するように、中央に貫通孔216を有して下沓207の上端面にボルト又は溶接等により固着された円環状の押え板217とを具備している。
【0068】
下沓207は、特に図8及び図9に示すように、円筒状の側壁部221と、側壁部221に一体的に形成された矩形状の底壁部222と、側壁部221の截頭円錐面状の外周面223に固着された複数の吊り下げ金具224と、凹所206の底面225に配された弾性手段226とを具備している。
【0069】
側壁部221の円筒状の内周面227及び底壁部222の上面228により凹所206が規定されており、底壁部222には、凹所206に侵入した雨水を排出する貫通孔229が複数個形成されている。
【0070】
弾性手段226は、凹所206の底面225において、底壁部222の上面228に複数個等角度間隔で形成された円形穴230に、一端部が上方に突出して嵌合された円柱状のウレタン製のゴム部材231を具備している。なお、弾性手段226は、このように離散的に配されたゴム部材231から構成する代わりに、底壁部222の上面228に側壁部221の内周面227と同心に少なくとも一個の環状溝を形成して、この環状溝に嵌合された円環状(リング状)のゴム部材から構成してもよい。また、ゴム部材231としては、ウレタン製に限らず、その他の天然ゴム、合成ゴムでもよく、要は、耐腐食、耐荷重性に優れて、耐久性のあるものであればよい。加えて、弾性手段226としては、ゴム部材231に代えて又はゴム部材231と共にコイルばね、板ばね、皿ばね等であってもよい。
【0071】
下沓207は、吊り下げ金具224を利用してクレーン等により吊り下げられて橋脚8上に設置される。
【0072】
上沓214は、特に図10及び図11に示すように、中央の上面208に位置決め用の円柱状の突起235を一体的に有した矩形状の取付基部236と、取付基部236に一体的に垂下して形成された上記の円柱部213と、取付基部236の周面237に固着された複数の吊り下げ金具238とを具備しており、取付基部236の四隅には、アンカーボルト212を挿通させる貫通孔239が形成されている。
【0073】
上沓214の円柱部213の環状表面245は、当該円柱部213の先端246から見て、徐々に拡径する略截頭円錐面247と、略截頭円錐面247に連接していると共に、後述の球面軸受248の略截頭円錐面249と相補的な形状となるように、略截頭円錐面247よりも更に徐々に拡径した略截頭円錐面250とを具備しており、上沓214の円柱部213は、略截頭円錐面250の部位で、ステンレス鋼により肉盛りされて形成されている。上沓214は、円柱部213の環状表面245における略截頭円錐面250の部位で、球面軸受248の略截頭円錐面249に摺動自在に接触するようになっている。
【0074】
上沓214は、下沓207と同様にして、吊り下げ金具238を利用してクレーン等により吊り下げられて軸受装置215上に設置される。
【0075】
軸受装置215は、凹球面状の内面255を有すると共に下沓207の凹所206に配された軸受本体256と、軸受本体256の凹球面状の内面255に摺動自在に接触した凸球面状の外面257を有すると共に、上沓214の円柱部213の環状表面245に摺動自在に接触する環状内面258を有した環状の球面軸受248と、軸受本体256の円筒状の外面259と凹所206の側面を規定する下沓207の内面、すなわち側壁部221の円筒状の内周面227との間に介在された滑り軸受260とを具備している。
【0076】
略円筒状の軸受本体256は、特に図12及び図13に示すように、ボルト261に互いに連結されて一体化された二個の半割体262及び263からなり、弾性手段226を介して下沓207に対して軸心方向Bに可動となるように凹所206で下沓207の上面228に着座されている。
【0077】
軸受本体256の中央円孔264に配されて、軸受本体256に包持された球面軸受248は、特に図14、図15及び図16に示すように、その環状内面258が、当該環状内面258によって規定される円孔265への上沓214の円柱部213の挿入方向から見て、徐々に縮径する略截頭円錐面266と、略截頭円錐面266に連接しており、当該略截頭円錐面266よりも更に徐々に縮径する略截頭円錐面249と、略截頭円錐面249に連接しており、略截頭円錐面266に対して逆に徐々に拡径する略截頭円錐面267とを具備して形成されている。
【0078】
球面軸受248の外面257並びに環状内面258、すなわち略截頭円錐面249、266及び267の夫々には、固体潤滑材268が埋設された複数の凹所269が形成されており、外面257の固体潤滑材268の露出面は、軸受本体256の内面255に摺動自在に接触しており、略截頭円錐面249の固体潤滑材268の露出面は、上沓214の円柱部213の環状表面245における略截頭円錐面250に摺動自在に接触している。固体潤滑材268が埋設された凹所269は、一つの好ましい例では、外面257並びに略截頭円錐面249、266及び267の夫々の全面に均等に且つランダムに分散、分布して形成されている。
【0079】
球面軸受248は、軸受本体256の内面255に対して相対的に回転自在に軸受本体256の中央円孔264に配されており、上沓214の円柱部213は、球面軸受248の円孔265に挿抜自在に配されている。なお、固体潤滑材268が埋設された複数の凹所269を球面軸受248の外面257並びに略截頭円錐面249、266及び267の夫々に形成する代わりに、これと同等の固体潤滑材が埋設された複数の凹所を、軸受本体256の内面255及び円柱部213の環状表面245、特に略截頭円錐面250に夫々形成してもよい。
【0080】
特に図17及び図18に示す円筒部材からなる滑り軸受260は、その円筒状の外周面271で下沓207の側壁部221の内周面227に嵌着されており、その円筒状の内周面272で軸受本体256の外面259に摺動自在に接触している。軸受本体256の外面259に対面する滑り軸受260の表面、本例では、円筒状の内周面272には、固体潤滑材273が埋設された複数の凹所274が形成されており、固体潤滑材273の露出面は、軸受本体256の外面259に摺動自在に接触している。固体潤滑材273が埋設された凹所274は、凹所269と同様に、一つの好ましい例では、内面272の全面に均等に且つランダムに分散、分布して形成されている。
【0081】
軸受本体256は、内周面272に対して軸心方向Bに可動となるように、滑り軸受260に支持されている。なお、滑り軸受260の内周面272に固体潤滑材273が埋設された複数の凹所274を形成する代わりに、軸受本体256の外面259に同等の固体潤滑材が埋設された複数の凹所を形成してもよい。また、滑り軸受260を設けない場合には、軸受本体256の外面259と下沓207の内周面227とを摺動自在に直接当接させてもよく、この場合、外面259と内周面227とのいずれか一方に、固体潤滑材273が埋設された凹所274と同様の凹所を形成してもよい。
【0082】
緩衝桁3の一端部13と浮体橋2の橋脚8との間への設置に際しては、上沓214は、仮固定金(図示せず)を介して、回転、揺動しないように下沓207に仮止めされ、設置後は、仮固定金具は取り除かれるようになっている。
【0083】
押え板217は、下沓207の側壁部221の上面276にボルト等により固着されて、凹所206からの軸受装置215の軸受本体256及び滑り軸受260の抜け出しを防止しており、上沓214の円柱部213は、押え板217の貫通孔216を通って球面軸受248の円孔265に配されている。
【0084】
沓装置49は、緩衝桁3の一端部13に対する橋脚8の水平面内での相対的回動を、主に上沓214の円柱部213での略截頭円錐面250の球面軸受248の略截頭円錐面249に対する相対的回動により許容し、緩衝桁3の一端部13に対する橋脚8の垂直面内での相対的回動を、球面軸受248の外面257の軸受本体256の内面255に対する相対的回動により許容するようになっている。
【0085】
緩衝桁3が油圧ジャッキ33等によりA方向に持ち上げられる際には、上沓214の円柱部213は、図19に示すように、球面軸受248の円孔265から抜き出され、而して、沓装置49は、緩衝桁3の一端部13と橋脚8との連結を解除し、浮体橋2が図2に示すように回動できるようにする。緩衝桁3が元に復帰される際には、円柱部213の略截頭円錐面247と球面軸受248の略截頭円錐面266との摺接に案内されて、上沓214の円柱部213は球面軸受248の円孔265に滑らかに挿入される。
【0086】
沓装置49では、軸受装置215が球面軸受248を具備し、上沓214の円柱部213が球面軸受248の円孔265に挿抜自在に配されているために、緩衝桁3の相対的な大きな相対的回動を許容でき、しかも、必要により円柱部213を円孔265から引き抜いて下沓207と上沓214との連結を解除でき、また、上沓214の円柱部213が先端先細り状となっており、球面軸受248の円孔2265が先端広口となっているために、上沓214の円柱部213の円孔265への再挿入に際して、上沓214の円柱部213と球面軸受248の円孔265との間に若干の位置ずれが生じてたとしても、これを修正できて困難なく所望に上沓214の円柱部213を球面軸受248の円孔265に挿入でき、しかも、上沓214の円柱部213の環状表面245は、球面軸受248の略截頭円錐面249と相補的な形状となる略截頭円錐面250を具備しているために、挿入後においては、上沓214の円柱部213の環状表面245と球面軸受248の環状内面258とを面接触させることができ、而して、上沓214の円柱部213を面的に回転自在に連結できる。
【0087】
また、沓装置49では、上沓214の円柱部213において、球面軸受248の環状内面258と摺動自在に接触する略截頭円錐面250がステンレス鋼により肉盛りされて形成されているために、腐食を低減でき、長期に亘って好ましい摺動接触を確保でき、更に、軸受本体256が下沓207に対して軸心方向Bに可動となるように弾性手段226を介して下沓207に着座しているために、上沓214の円柱部213の略截頭円錐面250と球面軸受248の略截頭円錐面249との間で相互の噛み付きが生じようとしても、軸受本体256が軸心方向Bに逃げるために、上沓214の円柱部213が球面軸受248の円孔265から抜けなくなるような過度な噛み付きを防止できる上に、軸受本体256と下沓207との間に滑り軸受260が介在されているために、軸受本体256の軸心方向Bの移動を滑らかに抵抗なしに行うことができ、而して、円柱部213の円孔265への過度な噛み付きを更に効果的に防止できる。
【0088】
加えて、沓装置49では、上沓214の下沓207に対する回動、揺動に際して各摺動面に固体潤滑材268又は273を流出させて、各摺動面に固体潤滑材の薄層を形成することができるので、各摺動面を固体潤滑材の薄層により常に低摩擦状態に維持できる結果、緩衝桁3の大きな相対的な回動を長期に亘って滑らかに許容できる。
【0089】
支持装置42は、橋脚33上で緩衝桁3の他端部31を移動自在に支持する4個の前記の沓装置45、46、47及び48と、橋脚33上で緩衝桁3の他端部31を直動及び揺動自在に案内支持する第二の沓装置300及び301とを具備している。沓装置45から48並びに300及び301は橋軸に直交する方向において一列に並んで配されており、支持装置41と同様に、沓装置45及び46並びに300は上り車線用であり、沓装置47及び48並びに301は下り車線用であり、沓装置300、橋軸方向に関して沓装置45と46との間に配されており、沓装置301は、橋軸方向に関して沓装置47と48との間に配されている。沓装置45から48は、橋脚33と緩衝桁3の他端部31との間に介在される点を除いて、前記と同様に構成されているので、説明を省略する。沓装置300及び301は、夫々互いに同一に構成されているので、以下、沓装置300について説明する。
【0090】
図20から図24において、本例の沓装置300は、橋軸方向に平坦に伸びて互いに対面した内側面302及び303を有して、下面304で基台としての橋脚33に固着される比較的長尺の一方の沓としての下沓306と、上面307で緩衝桁3の他端部31に固着される他方の沓としての上沓309と、下沓306に対して上沓309を直動及び揺動自在とする軸受装置310とを具備している。
【0091】
橋軸方向に伸びた比較的長尺の下沓306は、底部311並びに底部311に一体的に形成された側壁部312及び313を有して、断面U字状に形成された下沓本体314と、下沓本体314の対面する両側壁部312及び313の内側面315及び316に夫々固着されたステンレス板等からなる比較的薄い滑り板317及び318と、両側壁部312及び313の頂面にボルト等により固着された抜け止め防止板319及び320とを具備している。
【0092】
下沓306は、下沓本体314の鍔部321において多数の係止ブロック322及びボルト323により橋脚33に係止されて当該橋脚33に固着されるようになっている。
【0093】
上沓309は、上面307に緩衝桁3の他端部31がアンカーボルト330等を介して固着される矩形板状又は円盤状の受台部331と、受台部331から垂下して当該受台部331に一体的に形成された円柱部332と、円柱部332の下端面にボルト等により固着された円盤状の抜け止め座金333とを具備している。
【0094】
軸受装置310は、凹球面状の内面341を有すると共に下沓306の内側面315及び316の夫々に対向した外側面342及び343を有して、下沓306と上沓309との間に介在された軸受本体344と、軸受本体344の凹球面状の内面341に摺動自在に接触した凸球面状の外面345を有して、上沓309に固着された球面軸受346と、下沓306の各内側面302及び303に摺動自在に接触した平坦面状の外側面347及び348を有して、軸受本体344の各外側面342及び343に固着された平板状軸受349及び350とを具備している。
【0095】
軸受本体344の外側面342及び343の夫々には、矩形状の浅い凹所351及び352が形成されており、凹所351及び352の夫々には、平板状軸受349及び350の夫々の外側面342及び343からの突出量を調整する薄板353及び354が配されて、軸受本体344に溶接等により固着されており、薄板353及び354の夫々には、平板状軸受349及び350を保持した保持板355及び356が溶接等により固着されている。
【0096】
軸受本体344は、同様に形成されて対称に配された半割体357及び358からなり、半割体357及び358は、その鍔部359及び360において互いに合わされてボルト−ナット361に一体化されている。
【0097】
球面軸受346は、中央に貫通嵌合孔362を有し、かつ環状の外周面が凸球面状の外面345として形成された環状体からなり、凸球面状の外面345に分散して形成された多数の円形凹所363には、固体潤滑材364が埋設されており、固体潤滑材364の露出面は、外面345と共に軸受本体344の凹球面状の内面341に摺動自在に接触している。貫通嵌合孔362には上沓309の円柱部332が嵌合されており、これにより上沓309は球面軸受346に固着されている。
【0098】
保持板355及び356の円形凹所371及び372の夫々に嵌着されて保持された平板状軸受349及び350は、円盤状に形成されており、その円形状の外側面347及び348の夫々に分散して形成された多数の円形凹所373及び374には、固体潤滑材375及び376が埋設されている。固体潤滑材375及び376が夫々埋設された平板状軸受349及び350の外側面347及び348の夫々が、固体潤滑材375及び376の露出面の夫々と共に、下沓306の各内側面302及び303となる滑り板317及び318の夫々の露出面に摺動自在に接触している。
【0099】
なお、緩衝桁3の他端部31と橋脚33との間への設置に際しては、上沓309は、一端では、受台部331に固着されたブラケット378に、他端では、側壁部312及び313に固着されたブラケット379に夫々固着された仮固定金380を介して、下沓306に対して直動及び揺動しないように当該下沓306に仮止めされ、設置後は、仮固定金具380は取り除かれるようになっている。
【0100】
沓装置301は、緩衝桁3の橋軸方向の移動を、平板状軸受349及び350の外側面347及び348の夫々と下沓306の各内側面302及び303の夫々との摺動により案内すると共に、緩衝桁3の揺動を、球面軸受346の凸球面状の外面345と軸受本体344の凹球面状の内面341との摺動により案内支持するようになっている。
【0101】
そして沓装置301では、軸受装置310が球面軸受346と平板状軸受349及び350とを具備しているために、緩衝桁3の大きな揺動及び直動を許容でき、しかも、この大きな揺動及び直動が下沓306の互いに対面した平坦な内側面302及び303間で規制されて行われるようになっているために、常に、緩衝桁3を所定位置に案内維持できる。
【0102】
また沓装置301では、球面軸受346の凸球面状の外面345には、固体潤滑材364が埋設された複数の凹所363が形成されて、固体潤滑材364の露出面が、外面345と共に軸受本体344の凹球面状の内面341に摺動自在に接触し、平板状軸受349及び350の外側面347及び348には、固体潤滑材375及び376が埋設された複数の凹所373及び374が形成されて、固体潤滑材375及び376の露出面が、外側面347及び348と共に下沓306の各内側面302及び303に摺動自在に接触しているために、各摺動面が固体潤滑材364並びに375及び376により常に低摩擦状態に維持されて、緩衝桁3の大きな揺動及び直動を滑らかに許容できる。
【0103】
なお、緩衝桁3は、図示しない適宜なストッパ機構により橋軸方向の一定以上のその移動が阻止されるようになっている。
【0104】
【発明の効果】
本発明によれば、長大であって且つその重量が大きい構造物に対しても、その撓み振動及び熱膨張による伸縮並びに地震に因る相対移動を十分に許容でき、基台に過大な水平方向の内部応力を生じさせる虞をなくし得て、構造物の一端部を基台に移動自在に支持でき、しかも、極めて簡単に設置し得、特に浮体式の構造物に好適な沓装置を基本的に具備し、これに加えて、構造物、特に一端部側が浮体式の構造物に連結されて、大きく位置変動する構造物の他端部側を好ましく直動及び揺動自在に案内支持する沓装置及び構造物の一端を、他の構造物、特に浮体式の構造物に回動自在に連結するための沓装置のうちの少なくとも一方を具備した構造物の支持装置及びこの構造物の支持装置を具備した緩衝構造物並びにこの緩衝構造物と浮体式の構造物とを具備した構造体を提供することができる。
【0105】
また、本発明によれば、構造物、特に一端部側が浮体式の構造物に連結されて、大きく位置変動する構造物の他端部側を好ましく直動及び揺動自在に支持することができる支持装置及びこのような支持装置を用いた緩衝構造物及び構造体を提供することができる。
【0106】
更に、本発明によれば、構造物の一端を、他の構造物、特に浮体式の構造物に回動自在に連結できる支持装置及びこのような支持装置を用いた緩衝構造物及び構造体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】緩衝桁及び浮体橋等を具備した橋の好ましい一例の側面説明図である。
【図2】図1に示す例の平面説明図である。
【図3】図1に示す例の一部拡大平面説明図である。
【図4】図1に示す例に用いられた沓装置の橋軸方向の一部断面説明図である。
【図5】図4に示す沓装置の橋軸方向と直交する方向(橋軸横断方向)一部断面正面図である。
【図6】図1に示す例に用いられた他の沓装置の橋軸方向の一部断面説明図である。
【図7】図6の沓装置の橋軸方向と直交する方向の一部断面説明図である。
【図8】図6に示す沓装置の下沓の図9に示すVIII−VIII線断面図である。
【図9】図6に示す沓装置の下沓の平面図である。
【図10】図6に示す沓装置の上沓の平面図である。
【図11】図6に示す沓装置の上沓の側面図である。
【図12】図6に示す沓装置の軸受本体の一部切欠平面図である。
【図13】図6に示す沓装置の軸受本体の一部切欠側面図である。
【図14】図6に示す沓装置の球面軸受の平面図である。
【図15】図6に示す沓装置の球面軸受の側面図である。
【図16】図6に示す沓装置の球面軸受の図14に示すXVI−XVI線断面図である。
【図17】図6に示す沓装置の滑り軸受の平面図である。
【図18】図6に示す例の滑り軸受の図17に示すXVIII−XVIII線断面図である。
【図19】図6に示す例の動作説明図である。
【図20】図1に示す例に用いられた他の沓装置の図21のXX−XX線断面図である。
【図21】図20に示す沓装置のXXI−XXI線断面図である。
【図22】図20に示す沓装置の側面拡大断面図である。
【図23】図22のXXIII−XXIII線断面図である。
【図24】図20に示す沓装置の下沓の拡大斜視図である。
【符号の説明】
1 橋
2 浮体橋
3、4 緩衝桁
8、9 橋脚
41 支持装置
45、49 沓装置
52 ローラ手段
53 軸手段
54 連結部材
55 軸手段
56 取付台
207 下沓
214 上沓
215 軸受装置

Claims (34)

  1. 基台上で構造物の端部を移動自在に支持する第一の沓装置と、基台上で構造物の端部を直動及び揺動自在に案内支持する第二の沓装置とを具備しており、第一の沓装置は、回転自在なローラを有したローラ手段と、このローラ手段が装着された第一の軸手段と、この第一の軸手段が装着された連結部材と、この連結部材に装着された第二の軸手段と、第二の軸手段に装着されており、構造物の端部又は基台に取り付けられる取付台とを具備しており、ローラ手段は、第一の軸手段を介して連結部材に対して回転自在となっており、ローラは、基台の上面又は構造物の端部の下面に回転自在に接触するようになっており、第二の沓装置は、構造物の直動方向に平坦に伸び互いに対面した内側面を有して、基台又は構造物の端部に固着される一方の沓と、構造物の端部又は基台に固着される他方の沓と、一方の沓に対して他方の沓を直動及び揺動自在とする軸受装置とを具備しており、この軸受装置が、凹球面状の内面を有すると共に一方の沓の各内側面に対向した外側面を有して、両沓間に介在された軸受本体と、この軸受本体の凹球面状の内面に摺動自在に接触した凸球面状の外面を有して、他方の沓に固着された球面軸受と、一方の沓の各内側面に摺動自在に接触した平坦面状の外側面を有して、軸受本体の各外側面に固着された平板状軸受とを具備している、構造物の支持装置。
  2. 一方の沓は、断面U字状の沓本体と、沓本体の対面する内側面に夫々固着された滑り板とを具備しており、一方の沓の夫々の内側面としての各滑り板の露出面に、平板状軸受の外側面の夫々が摺動自在に接触している請求項1に記載の構造物の支持装置。
  3. 他方の沓は、構造物の端部又は基台に固着される矩形板状又は円盤状の受台部と、この受台部から突出し当該受台部に一体的に形成された円柱部とを具備しており、球面軸受は、中央に貫通嵌合孔を有しており、他方の沓は、その円柱部が球面軸受の貫通嵌合孔に嵌合されて、球面軸受に固着されている請求項1又は2に記載の構造物の支持装置。
  4. 球面軸受は、中央に貫通嵌合孔を有した環状体からなり、環状体の外周面が凸球面状の外面として形成されている請求項1から3のいずれか一項に記載の構造物の支持装置。
  5. 球面軸受の凸球面状の外面には、固体潤滑材が埋設された複数の凹所が形成されており、この固体潤滑材の露出面は、軸受本体の凹球面状の内面に摺動自在に接触している請求項1から4のいずれか一項に記載の構造物の支持装置。
  6. 平板状軸受の外側面には、固体潤滑材が埋設された複数の凹所が形成されており、この固体潤滑材の露出面は、一方の沓の各内側面に摺動自在に接触している請求項1から5のいずれか一項に記載の構造物の支持装置。
  7. 基台上で構造物の端部を移動自在に支持する第一の沓装置と、構造物の端部を基台又は当該基台によって支持される隣接構造物に回動自在に連結するための第二の沓装置とを具備しており、第一の沓装置は、回転自在なローラを有したローラ手段と、このローラ手段が装着された第一の軸手段と、この第一の軸手段が装着された連結部材と、この連結部材に装着された第二の軸手段と、第二の軸手段に装着されており、構造物の端部又は基台に取り付けられる取付台とを具備しており、ローラ手段は、第一の軸手段を介して連結部材に対して回転自在となっており、ローラは、基台の上面又は構造物の端部の下面に回転自在に接触するように配されており、第二の沓装置は、基台若しくは隣接構造物の端部又は構造物の端部に固着されると共に一端開放の凹所を有した一方の沓と、構造物の端部又は基台若しくは隣接構造物の端部に固着されると共に、突出した円柱部を具備した他方の沓と、この他方の沓に対して一方の沓を回動自在とする軸受装置とを具備しており、この軸受装置が、凹球面状の内面を有すると共に一方の沓の凹所に配された軸受本体と、この軸受本体の凹球面状の内面に摺動自在に接触した凸球面状の外面を有すると共に、他方の沓の円柱部の環状表面に摺動自在に接触する環状内面を有した球面軸受とを具備しており、他方の沓の円柱部は、球面軸受の環状内面によって規定される円孔に挿抜自在に配されている構造物の支持装置。
  8. 球面軸受の環状内面は、当該環状内面によって規定される円孔への他方の沓の円柱部の挿入方向から見て、徐々に縮径する第一の略截頭円錐面と、この第一の略截頭円錐面に連接しており、当該第一の略截頭円錐面よりも更に徐々に縮径する第二の略截頭円錐面とを具備しており、他方の沓の円柱部の環状表面は、当該円柱部の先端から見て、徐々に拡径する第三の略截頭円錐面と、この第三の略截頭円錐面に連接していると共に、第二の略截頭円錐面と相補的な形状となるように、第三の略截頭円錐面よりも更に徐々に拡径した第四の略截頭円錐面とを具備している請求項7に記載の構造物の支持装置。
  9. 他方の沓の円柱部は、少なくとも第四の略截頭円錐面の部位で、ステンレス鋼により肉盛りされて形成されている請求項8に記載の構造物の支持装置。
  10. 一方の沓は、凹所の底面に弾性手段を具備しており、この弾性手段を介して軸受本体は、一方の沓に対してその軸心方向に可動となるように凹所で一方の沓に着座している請求項7から9のいずれか一項に記載の構造物の支持装置。
  11. 軸受装置が、軸受本体の外面と凹所の側面を規定する一方の沓の内面との間に介在された滑り軸受を更に具備している請求項7から10のいずれか一項に記載の構造物の支持装置。
  12. 軸受本体の外面に対面する滑り軸受の表面には、固体潤滑材が埋設された複数の凹所が形成されており、この固体潤滑材の露出面は、軸受本体の外面に摺動自在に接触している請求項11に記載の構造物の支持装置。
  13. 球面軸受の凸球面状の外面には、固体潤滑材が埋設された複数の凹所が形成されており、この固体潤滑材の露出面は、軸受本体の凹球面状の内面に摺動自在に接触している請求項7から12のいずれか一項に記載の構造物の支持装置。
  14. 球面軸受の環状内面には、固体潤滑材が埋設された複数の凹所が形成されており、この固体潤滑材の露出面は、他方の沓の円柱部の環状表面に摺動自在に接触している請求項7から13のいずれか一項に記載の構造物の支持装置。
  15. 基台が浮体式の構造物である請求項7から14のいずれか一項に記載の構造物の支持装置。
  16. 取付台は、構造物の端部の下面に取り付けられるようになっており、ローラは、基台上面に回転自在に接触するようになっており、一方の沓が、その下面で基台の上面に固着される下沓であり、他方の沓が、上面で構造物の端部の下面に固着される上沓である請求項1から15のいずれか一項に記載の構造物の支持装置。
  17. 取付台は、連結部材に対するローラ手段の回転中心軸に実質的に直交する方向の回転中心軸の周りで、第二の軸手段を介して連結部材に対して回転自在となっている請求項1から16のいずれか一項に記載の構造物の支持装置。
  18. 第一の軸手段は、連結部材を貫通して配された軸部材と、この軸部材の各端部の端面に取り付けられた鍔部材と、軸部材の各端部の外周面に配されたラジアル滑り軸受部材とを具備しており、ローラは、軸部材の各端部に回転自在に配されており、各ローラの内周面と軸部材の各端部の外周面との間に、ラジアル滑り軸受部材が介在されている請求項1から17のいずれか一項に記載の構造物の支持装置。
  19. 第一の軸手段は、各ローラの外側端面と鍔部材の内側端面との間に介在された一のスラスト滑り軸受部材と、各ローラの内側端面と連結部材の側面との間に介在された他の一のスラスト滑り軸受部材とを更に具備している請求項18に記載の構造物の支持装置。
  20. 第二の軸手段は、連結部材を貫通して配された軸部材を具備しており、取付台は、連結部材の各側面に配される脚部を有して、連結部材を跨いで配された本体と、この本体の各脚部に形成された貫通孔を外側から塞ぐように、本体の各脚部の側面に取り付けられた蓋部材とを具備しており、第二の軸手段の軸部材の各端部は、本体の各脚部に形成された貫通孔に夫々挿着されている請求項1から19のいずれか一項に記載の構造物の支持装置。
  21. 取付台の本体は、両端に脚部が一体的に形成された横板部と、横板部の上面に一体的に形成された係合突起部とを更に具備している請求項20に記載の構造物の支持装置。
  22. 連結部材は、第二の軸手段の軸部材に対してローラ手段の回転中心軸に実質的に直交する方向の回転中心軸の周りで回転自在となっている請求項20又は21に記載の構造物の支持装置。
  23. 取付台は、第二の軸手段の軸部材に対してローラ手段の回転中心軸に実質的に直交する方向の回転中心軸の周りで回転自在となっている請求項21又は22に記載の構造物の支持装置。
  24. 請求項1から6のいずれか一項に記載の構造物の支持装置と、請求項7から15のいずれか一項に記載の構造物の支持装置とを具備している緩衝構造物であり、緩衝構造物の一方の端部と当該緩衝構造物の一方の端部に配された基台との間に、請求項1から6のいずれか一項に記載の構造物の支持装置が介在されるようになっており、緩衝構造物の他方の端部と当該緩衝構造物の他方の端部に配された基台との間に、請求項7から15のいずれか一項に記載の構造物の支持装置が介在されるようになっている緩衝構造物。
  25. 少なくとも一方の第一の沓装置において、取付台は、構造物の端部の下面に取り付けられるようになっており、ローラは、基台上面に回転自在に接触するようになっており、一方の沓が、その下面で基台の上面に固着される下沓であり、他方の沓が、上面で構造物の端部の下面に固着される上沓である請求項24に記載の緩衝構造物。
  26. 少なくとも一方の第一の沓装置において、取付台は、連結部材に対するローラ手段の回転中心軸に実質的に直交する方向の回転中心軸の周りで、第二の軸手段を介して連結部材に対して回転自在となっている請求項24又は25に記載の緩衝構造物。
  27. 少なくとも一方の第一の沓装置において、第一の軸手段は、連結部材を貫通して配された軸部材と、この軸部材の各端部の端面に取り付けられた鍔部材と、軸部材の各端部の外周面に配されたラジアル滑り軸受部材とを具備しており、ローラは、軸部材の各端部に回転自在に配されており、各ローラの内周面と軸部材の各端部の外周面との間に、ラジアル滑り軸受部材が介在されている請求項24から26のいずれか一項に記載の緩衝構造物。
  28. 第一の軸手段は、各ローラの外側端面と鍔部材の内側端面との間に介在された一のスラスト滑り軸受部材と、各ローラの内側端面と連結部材の側面との間に介在された他の一のスラスト滑り軸受部材とを更に具備している請求項27に記載の緩衝構造物。
  29. 少なくとも一方の第一の沓装置において、第二の軸手段は、連結部材を貫通して配された軸部材を具備しており、取付台は、連結部材の各側面に配される脚部を有して、連結部材を跨いで配された本体と、この本体の各脚部に形成された貫通孔を外側から塞ぐように、本体の各脚部の側面に取り付けられた蓋部材とを具備しており、第二の軸手段の軸部材の各端部は、本体の各脚部に形成された貫通孔に夫々挿着されている請求項24から28のいずれか一項に記載の緩衝構造物。
  30. 取付台の本体は、両端に脚部が一体的に形成された横板部と、横板部の上面に一体的に形成された係合突起部とを更に具備している請求項29に記載の緩衝構造物。
  31. 連結部材は、第二の軸手段の軸部材に対してローラ手段の回転中心軸に実質的に直交する方向の回転中心軸の周りで回転自在となっている請求項29又は30に記載の緩衝構造物。
  32. 取付台は、第二の軸手段の軸部材に対してローラ手段の回転中心軸に実質的に直交する方向の回転中心軸の周りで回転自在となっている請求項30又は31に記載の緩衝構造物。
  33. 請求項1から32のいずれか一項に記載の構造物の支持装置又は緩衝構造物に用いられる一方若しくは他方の沓、軸受装置、軸受本体、球面軸受、滑り軸受又は平板状軸受。
  34. 請求項24から32のいずれか一項に記載の緩衝構造物と、浮体式の構造物とを具備した構造体。
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