JP4225436B2 - 増幅性光ファイバ、光ファイバ増幅器、および光ファイバ増幅器の利得等化方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、WDM方式の光伝送システムにおいて多波長の信号光を一括増幅する光増幅器および光増幅・利得等化方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光通信の大容量高速化に伴い、波長多重(WDM)伝送方式に関する研究・開発がなされている。このWDM伝送方式において、最も重要な光素子の1つが、多波長の信号光を一括増幅する光増幅器である。この光増幅器は、高利得・低雑音であって、信号光波長帯域において利得スペクトルが平坦であることが要求され、従来より、Er(エルビウム)元素を添加した増幅性光ファイバ(EDF: Er-Doped Fiber)を用いた光ファイバ増幅器(EDFA: Er-Doped Fiber Amplifier)が用いられている。
【0003】
一般に、再生中継器は、最大中継距離1000km程度毎に設けられ、中継器間における通過損失の総量は250dB程度である。一方、受信器側で許容できる信号光入力のレベル差は10dB程度である。したがって、光増幅部に要求される利得スペクトルの平坦度、すなわち、利得平均値に対する利得の偏差は、信号光波長域において4%(=10/250)程度以下であることが望まれている。
【0004】
そして、更なる大容量高速化の要求から、EDFAの利得スペクトルを更に広い信号光波長域で平坦化しようとする研究が行われている。例えば、A.M.Vengsarkar, et al.(IOOC'95, PD-1 )は、EDFの利得スペクトルと逆特性の透過ロススペクトルを有する利得等化部を、2種類のファイバグレーティングを縦続接続して構成し、この利得等化部とEDFとを縦続接続することで全体の利得スペクトルを広い帯域で平坦化することを提案している(以下、「従来技術1」という)。奥野ら(信学技報、OPE96-64、1996)は、EDFの利得スペクトルと逆特性の透過ロススペクトルを有するフィルタを、2種類のファブリペローエタロンを縦続接続して構成し、このフィルタとEDFと縦続接続することで全体の利得スペクトルを広い帯域で平坦化することを提案している(以下、「従来技術2」という)。
【0005】
また、B.Clesca, et al.(Optical fiber technology, vol.1, pp.135-157, 1995 )は、25nm以上の信号光波長域を実現すべく、フッ化物EDFを用いたEDFAを提案している(以下、従来技術3という)。M.Fukuoka, et al.(OAA'96, FA4, 1996)も、25nm以上の信号光波長域を実現すべく、フッ化物EDFに加えて、縦続接続された6段の格子型光回路からなる利得等化部を用いることを提案している(以下、従来技術4という)。
【0006】
さらに、M.Kakui, et al.(OAA'96, SaA3, 1996 )は、Al(アルミニウム)元素が添加されたEDFとP(リン)元素およびAl元素を共添加したEDFとを縦続接続してハイブリッドEDFA構成とし、飽和時におけるAl添加EDFの右上がりの利得スペクトル(長波長ほど高利得)を、P/Al共添加EDFの右下がりの利得スペクトル(長波長ほど低利得)で補償することにより、全体の利得スペクトルを広い帯域で平坦化するとともに、励起効率を向上させている(以下、従来技術5という)。図9は、従来技術5に係る光ファイバ増幅器の信号光出力強度を示すグラフである。この図に示すように、従来技術5による光ファイバ増幅器の信号光出力強度は、波長1543nmから1559nmまでの範囲で略平坦な形状が得られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術それぞれには以下のような問題点がある。すなわち、従来技術1および従来技術2それぞれは、2種類のファイバグレーティングまたは2種類のファブリペローエタロンを必要としている。これは、個々のファイバグレーティングやファブリペローエタロンの透過ロススペクトルは、透過ロスが極大となる所定波長から波長が離れるほど透過ロスが小さくなり、且つ、その所定波長を中心とする対称形であるのに対して、EDFの利得スペクトルは、通常、そのような対称形ではなく複雑な形状をしていることによるものである。すなわち、このEDFの複雑な利得スペクトルを等化すべく、2種類のファイバグレーティングまたは2種類のファブリペローエタロンを組み合わせて全体として非対称な透過ロススペクトルを実現している。特に、従来技術1の場合には、2種類のファイバグレーティングを作製するために2回の露光が必要となる。また、従来技術2では、利得スペクトルは、より平坦になったが、信号光波長帯域は拡大されていない。
【0008】
また、従来技術3および従来技術4では共に、フッ化物EDFの機械的強度が弱く、融着が不可能であるためにバットジョイントによる接続を行わざるを得ないため、取り扱いが困難であり、また、高価である等の問題点がある。特に従来技術4では、6段もの格子型光回路からなる利得等化部を用いているため、構成が複雑となっている。
【0009】
さらに、従来技術5によるハイブリッドEDFAの利得スペクトルは、波長1543nmから1559nmまでの範囲で略平坦な形状となっているものの、波長1535nmで極大を有し、波長1540nmで極小を有している。このような利得スペクトルを更に信号光波長域幅25nm以上にまで利得等化するには、波長1540nm付近の利得極小値に合わせて、波長1535付近の利得を平坦化するだけでなく、波長1543nmから1559nmまでの範囲の略平坦な利得をも略一様に減少させる必要がある。このうち、波長1540nm付近の利得極小値に合わせて波長1535付近の利得を平坦化するのは、ファイバグレーティングを用いれば可能である。しかし、波長1543nmから1559nmまでの範囲の略平坦な利得を略一様に減少させる利得等化部の設計・製作は、ファイバグレーティング、ファブリペローエタロン、格子型光回路その他の光素子を用いても、殆ど不可能であるか、あるいは極めて複雑な構成となる。
【0010】
本発明は、上記問題点を解消する為になされたものであり、設計・製作・取り扱いが容易で、広い信号光波長域において平坦な利得スペクトルを有する光増幅器および光増幅・利得等化方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に係る光ファイバ増幅器は、(1)添加元素として少なくともAl元素を含み、添加元素の組成が異なる複数種類の石英系Er元素添加光ファイバを組合わせ縦続接続し、1535nm以上1560nm以下の波長域内で、2つの利得極小値を有し、利得極小値の偏差が、利得極小値の利得平均値に対し対数表示で4%以下となるように調整された増幅性光ファイバと、(2)増幅性光ファイバと実質的に縦続接続され、上記波長域内で、増幅性ファイバにおける利得の偏差が前記利得極小値の利得平均値に対し対数表示で4%を超える波長域に対し、利得極大波長に近い波長ほど透過ロスが大きい利得等化部とを有し、光ファイバ増幅器全体の利得の偏差が光ファイバ増幅器全体の利得平均値に対して対数表示で4%以下であることを特徴とする。
【0014】
この光ファイバ増幅器によれば、利得等化部における透過ロススペクトルは、上記波長域内であって増幅性光ファイバにおける利得の偏差が前記利得極小値の利得平均値に対し対数表示で4%を超える波長域において、利得スペクトルにおける利得が極大となる波長に近い波長ほど透過ロスが大きいものであり、上述した利得スペクトルを有する増幅性光ファイバにより光増幅される信号光は、このような透過ロススペクトルを有する利得等化部により利得等化され、光ファイバ増幅器全体の利得の偏差は光ファイバ増幅器全体の利得平均値に対して対数表示で4%以下となる。
【0015】
本発明に係る光ファイバ増幅器の利得等化方法は、添加元素として少なくともAl元素を含み、添加元素の組成が異なる複数種類の石英系Er元素添加光ファイバを組合わせ縦続接続し、1535nm以上1560nm以下の波長域内で、2つの利得極小値を有し、利得極小値の偏差が、利得極小値の利得平均値に対し対数表示で4%以下となるように増幅性光ファイバを調整し、増幅性光ファイバと実質的に縦続接続され、上記波長域内で、増幅性ファイバにおける利得の偏差が利得極小値の利得平均値に対し対数表示で4%を超える波長域に対し、利得極大波長に近い波長ほど透過ロスが大きい利得等化部により、光ファイバ増幅器全体の利得の偏差が光ファイバ増幅器全体の利得平均値に対して対数表示で4%以下になるように利得等化することを特徴とする。
【0016】
この光ファイバ増幅器の利得等化方法によれば、信号光を光増幅する際における利得スペクトルは、1535nm以上1560nm以下の波長域内において、利得が極小となる利得極小波長が2つ存在し、利得極小値のバラツキが、利得極小値の利得平均値に対し対数表示で4%以下である。一方、利得等化の際における透過ロススペクトルは、上記波長域内であって利得スペクトルにおける増幅性光ファイバにおける利得の偏差が前記利得極小値の利得平均値に対し対数表示で4%以上である波長域それぞれにおいて、利得スペクトルにおける利得が極大となる波長に近い波長ほど透過ロスが大きいものである。そして、信号光は、このような利得スペクトルにより光増幅され、且つ、このような透過ロススペクトルにより利得等化されて、光ファイバ増幅器全体の利得の偏差は光ファイバ増幅器全体の利得平均値に対して対数表示で4%以下となる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。尚、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、利得スペクトルの形状について述べるときには、その概略形状を言うものとし、細かい利得変化を無視するものとする。例えば、一定の波長範囲において利得偏差が1dB程度以下であれば、その波長範囲では利得スペクトルは「平坦」であると言うものとする。光ファイバ増幅器からの信号光出力強度の波長依存性について述べるときも同様とする。
【0018】
(第1の実施形態)
先ず、第1の実施形態について説明する。図1は、第1の実施形態に係る光ファイバ増幅器の構成図である。この光ファイバ増幅器は、光ファイバ伝送路60を伝送されてきた多波長の信号光を入力し一括増幅して光ファイバ伝送路61に出力するものであり、アイソレータ10、EDF40、WDMカプラ30、アイソレータ11、利得等化部51、WDMカプラ31、EDF42および43、WDMカプラ32ならびにアイソレータ12が縦続接続されていて、また、EDF40,42および43に励起光を供給する励起用レーザ光源20乃至22が設けられている。
【0019】
この光ファイバ増幅器のうちの光増幅部は、実質的に縦続接続されたEDF40,42および43、ならびに、これらに励起光を供給する励起用レーザ光源20乃至22を含んで構成される。これらEDF40,42および43それぞれは、数百wt・ppm程度のEr元素が添加された石英系光ファイバ(EDF)である。特に、EDF42は、P元素およびAl元素が共添加されたEDFであり、また、EDF43は、Al元素が添加されたEDFである。これらのうち、1段目のEDF40は、雑音指数を低減するためのものであって、波長0.98μmの励起光により反転分布が形成される。また、2段目の縦続接続されたEDF42および43は、大きな信号光出力を得るためのものであって、波長1.48μmの励起光により反転分布が形成される。そして、EDF40,42および43それぞれにおいて反転分布が形成されているときに、波長1.55μm帯の信号光が入力すると、EDF40,42および43それぞれは、その信号光を増幅して出力する。この光増幅部の全体の利得スペクトルは、EDF40,42および43それぞれにおける利得スペクトルを総合したものである。
【0020】
励起用レーザ光源20は、EDF40内のEr元素を励起して反転分布を形成するための励起光(波長0.98μm)を出力するものである。この励起用レーザ光源20から出力された励起光は、光ファイバ70を経て、WDMカプラ30に入力する。WDMカプラ30は、入力した励起光をEDF40側へ出力するとともに、EDF40で増幅された信号光を入力してアイソレータ11側へ通過させるものである。
【0021】
また、励起用レーザ光源21および22それぞれは、EDF42および43内のEr元素を励起して反転分布を形成するための励起光(波長1.48μm)を出力するものである。励起用レーザ光源21から出力された励起光は、光ファイバ71を経て、WDMカプラ31に入力する。WDMカプラ31は、入力した励起光をEDF42側へ出力するとともに、利得等化部51から出力された信号光を入力してEDF42側へ出力する。一方、励起用レーザ光源22から出力された励起光は、光ファイバ72を経て、WDMカプラ32に入力する。WDMカプラ32は、入力した励起光をEDF43側へ出力するとともに、EDF42および43で順次増幅された信号光を入力してアイソレータ12側へ出力する。
【0022】
光ファイバ増幅器の入力側に設けられたアイソレータ10は、光ファイバ伝送路60側からEDF40側への方向には光を通過させるが、その逆方向には光を通過させないものである。また、EDF40とEDF42との間に設けられたアイソレータ11は、WDMカプラ30側から利得等化部51側への方向には光を通過させるが、その逆方向には光を通過させないものである。また、光ファイバ増幅器の出力側に設けられたアイソレータ12は、WDMカプラ32側から光ファイバ伝送路61側への方向には光を通過させるが、その逆方向には光を通過させないものである。
【0023】
したがって、励起用レーザ光源20から出力された励起光(0.98μm)は、EDF40に供給され、アイソレータ10を通過して光ファイバ伝送路60に出力されることはない。また、励起用レーザ光源21から出力された励起光(1.48μm)は、EDF42および43に順次供給され、WDMカプラ32により光ファイバ72側へ進むので、光ファイバ伝送路61側へ出力されることはない。また、励起用レーザ光源22から出力された励起光(1.48μm)は、EDF43および42に順次供給され、WDMカプラ31により光ファイバ71側へ進むので、利得等化部51側へ出力されることはない。
【0024】
EDF40とEDF42との間に設けられた利得等化部51は、所定の透過ロススペクトルを有して、EDF40,42および43を含んで構成される光増幅部の利得スペクトルを等化するためのものであり、一定間隔のグレーティングがファイバの光軸方向に形成されたファイバグレーティングの組合せが好適に用いられる。なお、EDF40,42および43を含んで構成される光増幅部の利得スペクトルならびに利得等化部51の透過ロススペクトルの詳細については後述する。
【0025】
この光ファイバ増幅器は以下のように作用する。すなわち、励起用レーザ光源20から出力された励起光(波長0.98μm)がWDMカプラ30を介してEDF40に供給され、また、励起用レーザ光源21および22それぞれから出力された励起光(波長1.48μm)がWDMカプラ31および32それぞれを介してEDF42および43に供給されているときに、光ファイバ伝送路60を伝送されてきた多波長信号光(波長1.55μm帯)がこの光ファイバ増幅器に入力すると、その多波長信号光は、アイソレータ10を通過し、EDF40に入力して一括増幅される。続いて、このEDF40から出力された多波長信号光は、WDMカプラ30およびアイソレータ11それぞれを順次通過し、所定の透過ロススペクトルを有する利得等化部51により波長に依存した減衰を受ける。さらに、この利得等化部51から出力された多波長信号光は、WDMカプラ31を通過し、EDF42および43に順次入力して再び一括増幅される。そして、このEDF43から出力された多波長信号光は、WDMカプラ32およびアイソレータ12それぞれを順次通過して、光ファイバ伝送路61に出力される。
【0026】
このように、多波長信号光が光ファイバ増幅器を通過する際に、EDF40,42および43を含んで構成される光増幅部の利得スペクトルに応じて波長に依存した増幅を受け、且つ、利得等化部51の透過ロススペクトルに応じて波長に依存した減衰を受けるので、この光ファイバ増幅器全体としての利得スペクトル(dB)は、EDF40,42および43を含んで構成される光増幅部の利得スペクトル(dB)と利得等化部51の透過ロススペクトル(dB)とを総合したものとなる。
【0027】
ここで、EDF40,42および43それぞれとして好適に用いられるのは、最も広い信号光波長域が期待できる石英系EDFであってAl元素が共添加されたAl添加EDFである。Al添加EDFは、そのAl濃度に応じて、また、反転分布の状態に応じて、異なる利得スペクトルを有する。図2は、反転分布それぞれにおけるAl添加EDFの利得スペクトルを示すグラフである。図2(a)は、Al濃度が1.0wt%のAl添加EDFの利得スペクトルを示し、図2(b)は、Al濃度が5.9wt%のAl添加EDFの利得スペクトルを示す。
【0028】
この図から判るように、強い励起光が供給されて反転分布が80%程度になると、Al添加EDFの利得スペクトルは、波長1520nmから1540nmまでの範囲では、波長1530nm付近で利得が極大となり、その波長1530nmに近い波長ほど利得が大きいが、波長1540nmから1560nmまでの範囲では略平坦である。また、反転分布が大きく且つAl濃度が高い場合には、波長1540nmから1560nmまでの範囲では略平坦であるものの、この波長範囲中の2波長それぞれにおいて僅かに利得の極大が生じる。
【0029】
また、図3は、Al添加EDFにおいて、利得30dBに対して利得偏差が0.5dB以下となる信号光波長域幅のAl濃度依存性を示すグラフである。ただし、何れのAl濃度の場合においても、反転分布を最適化したときの信号光波長域幅を求めている。この図から判るように、Al濃度が大きいほど、信号光波長域幅は広くなり、利得スペクトルの平坦化には有利であることを示している。特に、Al濃度が2ないし3wt%程度までは信号光波長域幅は急激に拡大していき、Al濃度が3wt%以上になると信号光波長域幅は充分に広くなっている。
【0030】
さらに、図4は、Al添加EDFの反転分布を最適化したときの利得スペクトルを示すグラフである。図4(a)は、Al濃度が2.0wt%のAl添加EDFの利得スペクトルを示し、図4(b)は、Al濃度が3.1wt%のAl添加EDFの利得スペクトルを示す。この図から判るように、何れの場合にも、利得スペクトルは、波長1540nmから1560nmまでの範囲では略平坦であるが、Al濃度が高い場合(図4(b))には、この波長範囲中の2波長それぞれにおいて僅かに利得の極大が認められる。
【0031】
そこで、このような利得スペクトルを有するAl添加EDFを、図1に示す光ファイバ増幅器におけるEDF40,42および43それぞれに用い、且つ、Al添加EDFにおける波長1530nm付近の利得を等化する透過ロススペクトルを有する利得等化部51を用いる。このようにすることで、広い範囲に亘って信号光波長域を平坦化できる。また、このような石英系EDFは、信頼性が高く、融着等において取り扱いが容易で、安価であり、また、所望の利得スペクトルを実現するのにも好適である。
【0032】
ところで、従来技術5(図1に示す構成から利得等化部51を除いたもの)では、Al添加EDFとP/Al共添加EDFとを縦続接続してEDFAを構成することにより、信号光波長域を1543nmから1559nmまでの範囲に設定し、この範囲内での利得スペクトルを平坦化することを目的としていた(図9)。したがって、Al添加EDFのAl濃度は1wt%程度であり、P/Al共添加EDFのP/Alの組成比は6程度であった。この従来技術5に係る光ファイバ増幅器の各条件は以下のとおりである。EDF40および43それぞれは、Al添加EDFであって、Erイオンによる波長1.53μm帯吸収損が5.5dB/mであり、EDF42は、P/Al共添加EDFであって、Erイオンによる波長1.53μm帯吸収損が4.5dB/mである。EDF40の長さは9.0mであり、EDF42の長さは8.0mであり、EDF43の長さは12.0mである。励起用レーザ光源20から出力されEDF40に供給される励起光(波長0.98μm)の強度は70mWであり、励起用レーザ光源21および22それぞれから出力されEDF42および43に供給される励起光(波長1.48μm)それぞれの強度は70mWである。
【0033】
しかし、P/Al共添加EDFの反転分布80%時の利得スペクトルは、P/Alの組成比に依存して異なる。図5は、P/Al組成比それぞれの値におけるP/Al共添加EDFの利得スペクトルを示すグラフである。図5(a)は、P/Al組成比が2.5の場合、図5(b)は、P/Al組成比が6の場合、図5(c)は、P/Al組成比が8の場合、それぞれにおけるP/Al共添加EDFの利得スペクトルを示している。この図から判るように、P/Al組成比が小さいとき(図5(a))には利得特性が直線的であった波長1543nmから1559nmまでの範囲において、P/Al組成比が6になると、波長1543nm付近および1555nm付近それぞれで利得極大が現れ(図5(b))、P/Al組成比が8になると、その利得極大が明確になる(図5(c))。
【0034】
そこで、EDF40および43として、Al濃度が5.9wt%のAl添加EDFを用い、EDF42として、P/Alの組成比が8程度のP/Al共添加EDFを用い、且つ、利得等化部51として、波長1535nm付近および1544nm付近それぞれの利得を等化する透過ロススペクトルを有する2種類のファイバグレーティングが縦続されたものを用いる。このようにすることで、広い範囲に亘って信号光波長域を平坦化できる。
【0035】
次に、本実施形態に係る光ファイバ増幅器の光増幅および利得等化の1例について説明する。図6(a)は、第1の実施形態に係る光ファイバ増幅器から利得等化部51を除いたもの(すなわち、光増幅部)による信号光出力強度を示すグラフである。また、図6(b)は、第1の実施形態に係る光ファイバ増幅器による信号光出力強度を示すグラフである。
【0036】
ここで、各条件は以下のとおりである。EDF40および43はともに、Al濃度が5.9wt%のAl添加EDFであって、Erイオンによる波長1.53μm帯吸収損が5.5dB/mであり、EDF42は、P/Al組成比が8程度のP/Al共添加EDFであって、Erイオンによる波長1.53μm帯吸収損が4.5dB/mである。EDF40の長さは8.5mであり、EDF42の長さは10.0mであり、EDF43の長さは11.0mである。励起用レーザ光源20から出力されEDF40に供給される励起光(波長0.98μm)の強度は70mWであり、励起用レーザ光源21および22それぞれから出力されEDF42および43に供給される励起光(波長1.48μm)それぞれの強度は75mWである。
【0037】
また、信号光は16波で、それぞれの波長は1532nmから1562nmまでの2nm刻みの波長である。入力する16波の信号光それぞれの強度は−17.0dBmであって、その全体の強度は−5.0dBmである。また、出力する16波の信号光の1波長当たりの平均強度は+8.0dBmであり、その全体の強度は+20.0dBmである。上記励起光の強度は、このような強度の信号光が出力されるよう決定した。
【0038】
以上の各構成要素を有する光ファイバ増幅器(利得等化部を含まず)の信号光出力強度(図6(a))は、波長1532nmから1540nmまでの範囲では、波長1535nm付近で極大となり、その波長1535nmに近い波長ほど利得が大きく、また、波長1540nmから1550nmまでの範囲では、波長1544nm付近で極大となり、その波長1544nmに近い波長ほど利得が大きく、また、波長1552nmから1562nmまでの範囲では、波長1557nm付近で極大となり、その波長1557nmに近い波長ほど利得が大きい。そして、利得極大値は、1535nm付近、1544nm付近および1557nm付近の順に大きい。一方、利得が極小となる利得極小波長は、1540nm付近および1552nm付近の2波長であって、それぞれの信号光出力強度は、7.8dBm程度および7.7dBm程度であり、これらの平均値は7.8dBm程度である。したがって、2つの利得極小値それぞれの利得平均値に対する偏差は、4%に比べて充分に小さい。
【0039】
そこで、本実施形態においては、利得等化部51は、互いにグレーティング周期が異なる2種類のファイバグレーティングが縦続接続されて構成されるものとし、第1のファイバグレーティングの透過ロススペクトルT1(λ)を、波長λ(nm)が1533nmから1538nmまでの範囲では、
T1(λ)=3.3-3.3・(λ-1535.5)2/6.25 …(1a)
とし、これ以外の波長範囲では、
T1(λ)=0 …(1b)
とし、このような透過ロススペクトルT1(λ)を有する第1のファイバーグレーティングにより、光増幅部の利得スペクトルのうちの1533nmから1538nmまでの波長範囲を利得等化する。
【0040】
また、第2のファイバグレーティングの透過ロススペクトルT2(λ)を、波長λ(nm)が1540nmから1548nmまでの範囲では、
T2(λ)=1.5-1.5・(λ-1544)2/16 …(2a)
とし、これ以外の波長範囲では、
T2(λ)=0 …(2b)
とし、このような透過ロススペクトルT2(λ)を有する第2のファイバーグレーティングにより、光増幅部の利得スペクトルのうちの1540nmから1548nmまでの波長範囲を利得等化する。
【0041】
そして、利得等化部51全体の透過ロススペクトルT(λ)は、
T(λ)=T1(λ)+T2(λ) …(3)
となる。すなわち、この全体の透過ロススペクトルT(λ)は、光増幅部における利得の偏差が利得平均値に対して4%以上である波長域それぞれにおいて、その利得スペクトルにおける利得が極大となる波長に近い波長ほど透過ロスが大きいものである。
【0042】
したがって、光ファイバ増幅器全体の利得スペクトル(図6(b))は、EDF40,42および43を含んで構成される光増幅部の利得スペクトル(図6(a))に、この利得等化部51全体の透過ロススペクトルT(λ)を総合したものになる。この図6(b)から判るように、1535nm以上1560nm以下の信号光波長域内において、信号光出力強度の最小値が7.8dBm程度であり、最大値が8.5dBm程度であり、平均値が8.2dBm程度であり、入力パワーが−17dBmであり、利得が25dBであるので、光ファイバ増幅器全体の利得の偏差が4%以下となっている。
【0043】
なお、波長1540nm付近の信号光出力強度が、利得等化部51を設けない場合(図6(a))に比べて、利得等化部51を設けた場合(図6(b))の方が大きくなっている。これは、EDF40とEDF42との間に利得等化部51を設けたことにより、信号光がEDF40により飽和領域に達するまで増幅され、また、光ファイバ増幅器全体の全信号光出力強度が20dBmに維持され、そのために、利得極大波長の信号光出力強度が利得極小波長の信号光出力強度に分配された結果である。
【0044】
本実施形態に係る光ファイバ増幅器では、このような透過ロススペクトルT1(λ)およびT2(λ)それぞれを有する2種類のファイバグレーティングを含む利得等化部51を採用することにより、信号光出力強度(図6(b))は、利得等化部のない光ファイバ増幅器の場合(図6(a))と比較して、信号光波長域(1532nm〜1562nm)における利得スペクトルの平坦性が改善されている。
【0045】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。本実施形態に係る光ファイバ増幅器の構成は、第1の実施形態の場合(図1)と略同様である。ただし、本実施形態では、第1の実施形態と比較して、EDF40,42および43を含んで構成される光増幅部の利得スペクトルが3つの利得極大を更に明確に有する点、ならびに、その3つの利得極大に対応して利得等化部51が3種類のファイバグレーティングから構成される点が異なる。
【0046】
本実施形態において、EDF40,42および43を含んで構成される光増幅部の利得スペクトルが明確な3つの利得極大を有するものとする為には、これらEDF40,42および43それぞれの長さを適切に設定することで実現できる。
【0047】
以下に、本実施形態に係る光ファイバ増幅器の光増幅および利得等化の1例について説明する。図7(a)は、第2の実施形態に係る光ファイバ増幅器から利得等化部51を除いたもの(すなわち、光増幅部)による信号光出力強度を示すグラフである。また、図7(b)は、第2の実施形態に係る光ファイバ増幅器による信号光出力強度を示すグラフである。
【0048】
ここで、各条件は以下のとおりである。EDF40,42および43それぞれの組成は、第1の実施形態の場合と同様であるが、EDF40の長さは9.0mであり、EDF42の長さは8.0mであり、EDF43の長さは12.0mである。励起用レーザ光源20から出力されEDF40に供給される励起光(波長0.98μm)の強度は70mWであり、励起用レーザ光源21および22それぞれから出力されEDF42および43に供給される励起光(波長1.48μm)それぞれの強度は70mWである。また、入力信号光および出力信号光に関する条件は、第1の実施形態の場合と同様である。
【0049】
以上の各構成要素を有する光ファイバ増幅器(利得等化部を含まず)の信号光出力強度(図7(a))は、波長1532nmから1538nmまでの範囲では、波長1535nm付近で極大となり、その波長1535nmに近い波長ほど利得が大きく、また、波長1540nmから1550nmまでの範囲では、波長1544nm付近で極大となり、その波長1544nmに近い波長ほど利得が大きく、また、波長1552nmから1562nmまでの範囲では、波長1557nm付近で極大となり、その波長1557nmに近い波長ほど利得が大きい。そして、利得極大値は、1535nm付近、1544nm付近および1557nm付近それぞれにおいて同程度であって、図6(a)の場合よりも更に明確に現れている。一方、利得が極小となる利得極小波長は、1540nm付近および1552nm付近の2波長であって、それぞれの信号光出力強度は、7.4dBm程度および8.0dBm程度であり、これらの平均値は7.7dBm程度である。したがって、2つの利得極小値それぞれの利得平均値に対する偏差は、4%以下である。
【0050】
そこで、本実施形態においては、利得等化部51は、互いにグレーティング周期が異なる3種類のファイバグレーティングが縦続接続されて構成されるものとし、第1のファイバグレーティングの透過ロススペクトルT1(λ)を、波長λ(nm)が1533nmから1537.8nmまでの範囲では、
T1(λ)=1.4-1.4・(λ-1535.4)2/5.76 …(4a)
とし、これ以外の波長範囲では、
T1(λ)=0 …(4b)
とし、このような透過ロススペクトルT1(λ)を有する第1のファイバーグレーティングにより、光増幅部の利得スペクトルのうちの1533nmから1537.8nmまでの波長範囲を利得等化する。
【0051】
また、第2のファイバグレーティングの透過ロススペクトルT2(λ)を、波長λ(nm)が1540.5nmから1548.5nmまでの範囲では、
T2(λ)=1.2-1.2・(λ-1544.5)2/16 …(5a)
とし、これ以外の波長範囲では、
T2(λ)=0 …(5b)
とし、このような透過ロススペクトルT2(λ)を有する第2のファイバーグレーティングにより、光増幅部の利得スペクトルのうちの1540.5nmから1548.5nmまでの波長範囲を利得等化する。
【0052】
また、第3のファイバグレーティングの透過ロススペクトルT3(λ)を、波長λ(nm)が1552.5nmから1561.5nmまでの範囲では、
T3(λ)=1.1-1.1・(λ-1557)2/20.25 …(6a)
とし、これ以外の波長範囲では、
T3(λ)=0 …(6b)
とし、このような透過ロススペクトルT3(λ)を有する第3のファイバーグレーティングにより、光増幅部の利得スペクトルのうちの1552.5nmから1561.5nmまでの波長範囲を利得等化する。
【0053】
そして、利得等化部51全体の透過ロススペクトルT(λ)は、
T(λ)=T1(λ)+T2(λ)+T3(λ) …(7)
となる。すなわち、この全体の透過ロススペクトルT(λ)は、光増幅部における利得の偏差が利得平均値に対して4%以上である波長域それぞれにおいて、その利得スペクトルにおける利得が極大となる波長に近い波長ほど透過ロスが大きいものである。
【0054】
したがって、光ファイバ増幅器全体の利得スペクトル(図7(b))は、EDF40,42および43を含んで構成される光増幅部の利得スペクトル(図7(a))に、この利得等化部51全体の透過ロススペクトルT(λ)を総合したものになる。この図7(b)から判るように、1535nm以上1560nm以下の信号光波長域内において、信号光出力強度の最小値が8.2dBm程度であり、最大値が8.6dBm程度であり、平均値が8.4dBm程度であるので、光ファイバ増幅器全体の利得の偏差が2.4%程度となっている。
【0055】
本実施形態に係る光ファイバ増幅器でも、このような透過ロススペクトルT1(λ),T2(λ)およびT3(λ)それぞれを有する3種類のファイバグレーティングを含む利得等化部51を採用することにより、信号光出力強度(図7(b))は、利得等化部のない光ファイバ増幅器の場合(図7(a))と比較して、信号光波長域(1532nm〜1562nm)における利得スペクトルの平坦性が改善されている。
【0056】
次に、以上に述べた第1および第2の実施形態それぞれに係る光ファイバ増幅器の性能を比較する。図8は、第1および第2の実施形態それぞれに係る光ファイバ増幅器の性能比較を示す図表である。なお、この図表には、比較のため、従来技術5による光ファイバ増幅器の性能をも示す。
【0057】
2段目のEDF(EDF42および43)に供給すべき励起光(波長1.48μm)の強度は、従来技術5では、140mWであるのに対して、第1および第2の実施形態それぞれでも、従来技術5の場合と同程度の励起光強度でよい。
【0058】
また、利得最大値から0.5dBダウンした利得までの信号光波長域および1.0dBダウンした利得までの信号光波長域については、第1および第2の実施形態に係る光ファイバ増幅器では、従来技術5と比較して広い。特に、第2の実施形態に係る光ファイバ増幅の場合には、それぞれの透過ロス極大値が小さい3種類のファイバグレーティングが縦続接続されて構成される利得等化部51を用いるので、利得スペクトルの等化を微妙に行うことができ、したがって、信号光波長域28nmの範囲で常に利得偏差が0.5dB以下に抑えられていて、第1の実施形態に係る光ファイバ増幅器と比べても良好な性能が得られている。
【0059】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく種々の変形が可能である。例えば、上記の何れの実施形態においても、光ファイバ増幅器の内部に利得等化部を設けたが、光ファイバ増幅器の内部に利得等化部を設けることなく別に利得等化器を設けて、これらを縦続接続してもよい。
【0060】
また、上記の何れの実施形態においても、1段目のEDF40と2段目のEDF(EDF42および43)との間に利得等化部を設けたが、利得等化部を設ける位置はこれに限られるものではく、例えば、1段目のEDFの前段でもよいし、2段目のEDFの後段でもよい。
【0061】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したとおり本発明によれば、増幅性光ファイバにおける利得スペクトルは、1535nm以上1560nm以下の波長域内において、利得が極小となる利得極小波長が2つ存在し、利得極小値のバラツキが、利得極小値の利得平均値に対して対数表示で4%以下である。したがって、この増幅性光ファイバにより光増幅される信号光は、所定の透過ロススペクトルを有する利得等化部を別途設けて縦続接続することにより、容易に利得等化される。
【0062】
また、増幅性光ファイバは、Er元素および3wt%以上のAl元素が共添加された石英系光ファイバを備えるのが好適である。また、その石英系光ファイバは、更にP元素が共添加され、P元素とAl元素との組成比が6以上であるものが好適である。石英系光ファイバは、信頼性が高く、融着等において取り扱いが容易で、安価であり、また、このような石英系光ファイバを備えた増幅性光ファイバは、所望の利得スペクトルを実現することができる。
【0063】
また、さらに、光ファイバ増幅器が、増幅性光ファイバと利得等化部とが実質的に縦続接続されたものであって、この利得等化部における透過ロススペクトルが、上記波長域内であって増幅性光ファイバにおける利得の偏差が前記利得極小値の利得平均値に対し対数表示で4%以上である波長域において、利得スペクトルにおける利得が極大となる波長に近い波長ほど透過ロスが大きいものである場合には、上述した利得スペクトルを有する増幅性光ファイバにより光増幅される信号光は、このような透過ロススペクトルを有する利得等化部により利得等化され、光ファイバ増幅器全体の利得の偏差は光ファイバ増幅器全体の利得平均値に対して対数表示で4%以下となる。
【0064】
また、本発明に係る光ファイバ増幅器の利得等化方法によれば、信号光を光増幅する際における利得スペクトルは、1535nm以上1560nm以下の波長域内において、利得が極小となる利得極小波長が2つ存在し、利得極小値のバラツキが、利得極小値の利得平均値に対し対数表示で4%以下である。一方、利得等化の際における透過ロススペクトルは、上記波長域内であって利得スペクトルにおける利得のバラツキが利得等化後の所定の利得平均値に対し対数表示で4%以上である波長域それぞれにおいて、利得スペクトルにおける利得が極大となる波長に近い波長ほど透過ロスが大きいものである。そして、信号光は、このような利得スペクトルにより光増幅され、且つ、このような透過ロススペクトルにより利得等化されて、光ファイバ増幅器全体の利得の偏差は光ファイバ増幅器全体の利得平均値に対して対数表示で4%以下となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係る光ファイバ増幅器の構成図である。
【図2】反転分布の各値それぞれにおけるAl添加EDFの利得スペクトルを示すグラフである。
【図3】Al添加EDFにおいて、利得30dBに対して利得偏差が0.5dB以下となる信号光波長域幅のAl濃度依存性を示すグラフである。
【図4】Al添加EDFの反転分布を最適化したときの利得スペクトルを示すグラフである。
【図5】P/Al組成比それぞれの値におけるP/Al共添加EDFの利得スペクトルを示すグラフである。
【図6】(a)は、第1の実施形態に係る光ファイバ増幅器から利得等化部51を除いたものによる信号光出力強度を示すグラフであり、(b)は、第1の実施形態に係る光ファイバ増幅器による信号光出力強度を示すグラフである。
【図7】(a)は、第2の実施形態に係る光ファイバ増幅器から利得等化部51を除いたものによる信号光出力強度を示すグラフであり、(b)は、第2の実施形態に係る光ファイバ増幅器による信号光出力強度を示すグラフである。
【図8】第1および第2の実施形態それぞれに係る光ファイバ増幅器の性能比較を示す図表である。
【図9】従来技術5に係る光ファイバ増幅器の信号光出力強度を示すグラフである。
【符号の説明】
10,11,12…アイソレータ、20,21,22…励起用レーザ光源、30,31,32…WDMカプラ、40,42,43…EDF、51…利得等化部、60,61…光ファイバ伝送路、70,71,72…光ファイバ。
Claims (2)
- 添加元素として少なくともAl元素を含み、前記添加元素の組成が異なる複数種類の石英系Er元素添加光ファイバを組合わせ縦続接続し、1535nm以上1560nm以下の波長域内で、2つの利得極小値を有し、前記利得極小値の偏差が、前記利得極小値の利得平均値に対し対数表示で4%以下となるように調整された増幅性光ファイバと、
前記増幅性光ファイバと実質的に縦続接続され、前記波長域内で、前記増幅性ファイバにおける利得の偏差が前記利得極小値の利得平均値に対し対数表示で4%を超える波長域に対し、利得極大波長に近い波長ほど透過ロスが大きい利得等化部とを有し、
光ファイバ増幅器全体の利得の偏差が光ファイバ増幅器全体の利得平均値に対して対数表示で4%以下である
ことを特徴とする光ファイバ増幅器。 - 添加元素として少なくともAl元素を含み、前記添加元素の組成が異なる複数種類の石英系Er元素添加光ファイバを組合わせ縦続接続し、1535nm以上1560nm以下の波長域内で、2つの利得極小値を有し、前記利得極小値の偏差が、前記利得極小値の利得平均値に対し対数表示で4%以下となるように増幅性光ファイバを調整し、
前記増幅性光ファイバと実質的に縦続接続され、前記波長域内で、前記増幅性ファイバにおける利得の偏差が前記利得極小値の利得平均値に対し対数表示で4%を超える波長域に対し、利得極大波長に近い波長ほど透過ロスが大きい利得等化部により、光ファイバ増幅器全体の利得の偏差が光ファイバ増幅器全体の利得平均値に対して対数表示で4%以下になるように利得等化する
ことを特徴とする光ファイバ増幅器の利得等化方法。
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