JP4225041B2 - 薬剤揮散器具を備えた照明具 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、照明空間を快適な雰囲気にする照明具に関し、更に詳細には、飛翔害虫など害虫の侵入や集合等のトラブルを事前に防止したり、又は、薫りやアロマテラピーにより居心地のよい空間にするなどの効能を有する揮散性薬剤を揮散する薬剤揮散器具を備えた照明具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ホテル、旅館、料亭、庭園などの室内、又は屋外における照明空間には照明具を設置している。一方、この照明空間における飛翔昆虫などの害虫の防除方法として、蚊取線香を収納した容器や電気蚊取器等の蚊取用具が使用されている。しかし、この害虫防除策は、照明具とは別に蚊取用具を設置しているので、使用側にとって、多くの害虫がいることを知らしめると共に、それら蚊取用具が丸見えで見栄えも悪く、イメージダウンを免れなかった。
【0003】
一方、従来から殺虫効能や芳香効能を有する照明具が種々提案されている。
例えば、特許文献1に電気蚊取器を備えた電気スタンドが開示されている。
特許文献2に芳香剤を備えた回り灯籠が開示されている。
【0004】
【特許文献1】
実開平6−60021号公報
【特許文献2】
特開昭63−279849号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前述の電気スタンドは殺虫効能を有する照明具であるが、台座に電気蚊取器を取付け、この台座の上方に枠体を配置し、その枠体の下部に灯光体(電球)を設けた形態であるから、電気蚊取器と灯光体が接近しており、相互に悪影響を及ぼし合うことがある。
例えば、灯光体の発熱により電気蚊取器が加熱されて変質等したり、電気蚊取器から揮散した薬剤が灯光体に付着し易い。
【0006】
前述の回り灯籠は芳香効能を有する照明具であるが、芳香剤収納器に灯光体(光熱源)を取付けてあるので、前述の電気スタンドと同様に灯光体と芳香剤が相互に悪影響を及ぼし合うことがある。
【0007】
本発明は、前述の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、灯光体と薬剤揮散器具が相互に悪影響を及ぼし合うことがない薬剤揮散器具を備えた照明具、特に、旅館、ホテルなどの照明空間において、害虫トラブルを未然に防ぐなど快適な雰囲気としてお客様を歓待できるための照明具として好ましい薬剤揮散器具を備えた照明具を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、照明具本体4と灯光体5と薬剤揮散器具6より成る薬剤揮散器具を備えた照明具において、
前記照明具本体4は、下端部に第1口枠1aを有し、上端部に第2口枠1bを有した縦長の中空胴部1と、この第1口枠1aに、当該第1口枠1aよりも下方に突出して取付けた第1取付体2と、前記第2口枠1bに、当該第2口枠2bよりも上方に突出して取付けた第2取付体3を備え、
前記灯光体5を、前記第1取付体2に、中間胴部1の内部を照明するように取付け、
前記薬剤揮散器具6は、容器30に揮散性の薬剤31とファン32を設け、そのファン32を駆動することで薬剤31に空気が触れて強制揮散し、空気とともに放出される送風型揮散器具とし、
この薬剤揮散器具6を前記第2取付体3に、その薬剤31が中空胴部1内に突出しないように、かつその薬剤31から揮散した薬剤が中空胴部1の外部に放出されるように設けたことを特徴とする薬剤揮散器具を備えた照明具である。
【0009】
第2の発明は、第1の発明において、前記第1取付体2は中空胴部1内を大気に連通する通気部2bを有し、
第2取付体3は中空胴部1内に開口した開口部24を有し、
薬剤揮散器具6は、吸込口34と放出口35を有する容器30内に薬剤31とファン32を設けた送風型揮散器具で、その吸込口34が前記開口部24に連通し、放出口35が大気に開口している薬剤揮散器具を備えた照明具である。
【0010】
第3の発明は、第2の発明において、第2取付体3は、中空胴部1内に空気を流通する通気部3bを有する薬剤揮散器具を備えた照明具である。
【0011】
の発明は、第1の発明において、第1取付体2は中空胴部1内を大気に連通する通気部2bを有し、
薬剤揮散器具6は、吸込口34と放出口35を有する容器30内に薬剤31とファン32を設けた送風型揮散器具で、その吸込口34が第2口枠1bを通して中空胴部1内に連通し、放出口35が大気に開口している薬剤揮散器具を備えた照明具である。
【0012】
の発明は、第又は第2又は第3の発明において、第2取付体3は収納部3aを有し、この収納部3a内に薬剤揮散器具6が収納して取付けてある薬剤揮散器具を備えた照明具である。
【0013】
の発明は、第1〜第5いずれか1つの発明において、第2取付体3に薬剤揮散器具6を着脱自在に取付けた薬剤揮散器具を備えた照明具である。
【0014】
【0015】
【作用】
第1の発明によれば、殺虫効力、芳香効力などを有する照明具である。
また、縦長の中空胴部1の下端部の第1口枠1aに取り付けた第1取付体2に灯光体5が取付けられ、中空胴部1の上端部の第2口枠1bに取付けた第2取付体3に薬剤揮散器具6が取付けてあるので、灯光体5と薬剤揮散器具6は上下方向に離隔して相互に悪影響を及ぼし合うことがない。
よって、特に旅館、ホテルなどの照明空間において、害虫トラブルを未然に防ぐなど快適な雰囲気としてお客様を歓待できる照明具として好ましい薬剤揮散器具を備えた照明具である。
【0016】
第2の発明によれば、灯光体5を点灯した時に生ずる上昇気流を利用して薬剤31を放出口35から大気に揮散することができるので、ファン32を停止した場合でも照明時に殺虫効力、芳香効力等を得ることができる。
また、ファン32を駆動した時には第1取付体2の通気部2b、中空胴部1内、第2取付体3の開口部24を通して大気を吸込口34から吸い込んで、放出口35から薬剤31を大気に揮散できるので、灯光体5を点灯しない昼間等などでも殺虫効力、芳香効力が得られる。
また、灯光体5を点灯すると共に、ファン32を駆動することで、より多大な殺虫効力、芳香効力が得られる。
【0017】
しかも、前述したいずれの場合でも薬剤は放出口35から大気に直接揮散され、中空胴部1内に薬剤が放出されないので、中空胴部1内や灯光体5が薬剤で汚染、劣化することがなく、長期間に亘って使用できる。
また、第2取付体3の開口部24から容器30の吸込口34に中空胴部1内の空気がスムーズに流入するから、薬剤を効率良く揮散できる。
【0018】
第3の発明によれば、薬剤揮散器具6のファン32を駆動することで、第2取付体3の通気部3bから中空胴部1内に空気が流通し、その中空胴部1内の空気が吸込口34から容器30内に吸い込まれ、薬剤31に触れて強制揮散し、放出口35から空気とともに放出される。
【0019】
の発明によれば、灯光体5を点灯した時に生ずる上昇気流を利用して薬剤31を放出口35から大気に揮散することができるので、ファン32を停止した場合でも照明時に殺虫効力、芳香効力等を得ることができる。
また、ファン32を駆動した時には第1取付体2の通気部2b、中空胴部1内、第2口枠1bを通して大気を吸込口34から吸い込んで、放出口35から薬剤31を大気に揮散できるので、灯光体5を点灯しない昼間等などでも殺虫効力、芳香効力が得られる。
また、灯光体5を点灯すると共に、ファン32を駆動することで、より多大な殺虫効力、芳香効力が得られる。
しかも、前述したいずれの場合でも薬剤は放出口35から大気に直接揮散され、中空胴部1内に薬剤が放出されないので、中空胴部1内や灯光体5が薬剤で汚染、劣化することがなく、長期間に亘って使用できる。
【0020】
の発明によれば、薬剤揮散器具6は第2取付体3の収納部3a内に収納して取付けてあるから、その薬剤揮散器具6が目立つことがない。
よって、照明空間において違和感のない見栄えの良い照明具である。
【0021】
の発明によれば、薬剤揮散器具6を第2取付体3から取り外し、新らしいものを再び取付けできるので、薬剤揮散器具6を容易に交換できる。
【0022】
【0023】
【発明の実施の形態】
図1に示すように中空胴部1の一端部の第1口枠1aに第1取付部2を取付け、他端部の第2口枠1bに第2取付部3を取付けて照明具本体4を形成している。
この実施の形態では、中空胴部1は縦長で照明具本体4は提灯形態で、中空胴部1の第1口枠1aは下端部で、その第1口枠1aに第1取付体2が着脱自在に取付けられ、中空胴部1の第2口枠1bは上端部で、その第2口枠1bに第2取付体3が取付けてある。これに限ることはなく、照明具本体4の形態は行灯、灯籠、ボンボリ等でも良い。
【0024】
前記第1取付体2に灯光体5が取付けてあり、第2取付体3に薬剤揮散器具6が設けてある。
前記灯光体5で中空胴部1の内部を照明し、薬剤揮散器具6から揮散した薬剤は中空胴部1の外部に放出される。
よって、灯光体5と薬剤揮散器具6が遠く離れ、相互に悪影響を及ぼし合うことがない。
【0025】
前記第1取付体2は設置部2aと通気部2bを有し、その通気部2bで中空胴部1内に空気を流通する。
例えば、第1取付体2は筒体10内に横板11を一体的に設けて上向凹部12と下向凹部13を有し、その上向凹部12内に灯光体5を取付けると共に、横板11に孔14を形成して通気部2bとしてある。前記筒体10の下部が上部よりも拡がった形状で、その部分が設置部2aである。
【0026】
前記第2取付体3は収納部3aと通気部3bを有し、その収納部3aに薬剤揮散器具6が収納され、通気部3bで中空胴部1内に空気を流通する。
例えば、第2取付体3は図2と図3に示すように、筒体20と底板21で上面が開口した凹陥部22を有する形態で、その凹陥部22が収納部3aである。前記底板21に孔23を形成して通気部3bとしてある。
【0027】
前記薬剤揮散器具6は図2に示すように、容器30の薬剤室30aに揮散性の薬剤31を設け、送風室30bにファン32を設け、ファン32をモータ33で駆動することで吸込口34から空気を吸い込み、放出口35から放出する。この空気が薬剤31に触れて強制揮散し、放出口35から空気とともに放出される送風型揮散器具である。
前記薬剤31は、この実施の形態では薬剤保持体、例えば揮散性薬剤を含有した粒36を通気性容器37に収納したもので、前記容器30の薬剤室30aに交換自在に設けられる。
【0028】
前記第2取付体3の底板21には図2、図3に示すように、開口部24と環状溝25が形成してある。
この開口部24は前記容器30の吸込口34と対向し、環状溝25に容器30の下部外周縁部が嵌合する。
このようであるから、容器30の下部外周縁部を環状溝25に嵌合することで薬剤揮散器具6が第2取付体3の収納部3aに位置決めして取付けられ、容器30の吸込口34が開口部24を通して中空胴部1内に連通するので、中空胴部1内から空気が吸い込みされる。
【0029】
したがって、第2取付体3に薬剤揮散器具6を位置決めして安定した状態で取付けできる。
また、第1取付体2の通気部2bから中空胴部1内に空気が流入し、その中空胴部1内の空気が容器30の吸込口34から吸い込みされ、薬剤31を通って放出口35から流出するので、容器30内に空気がスムーズに流通し、薬剤31を効率良く揮散することができる。
また、薬剤揮散器具6は収納部3aに収納され、第2取付体3から突出しないので、その薬剤揮散器具6が目立つことがなく見栄えの良い照明具である。
【0030】
また、灯光体5が下部で薬剤揮散器具6が上部に設けてあると共に、その吸込口34が中空胴部1に開口し、かつ放出口35が外部に開口しているから、灯光体5を点灯した照明時に中空胴部1内に生ずる上昇気流によって空気が薬剤31を通して外部に流れるので、ファン32を停止した状態、つまり薬剤揮散器具6の使用を中断した場合でも照明時に薬剤を揮散することができる。
【0031】
前述の実施の形態ではファン32をシロッコファンとしたが、そのファン32をプロペラファンとしても良い。
例えば、図4に示すように容器30の上部に薬剤収納室30a、下部に送風室30bを形成し、下部に吸込口34、上部に放出口35を形成する。
そして、ファン32を駆動することにより、中空胴部1内の空気を吸い込み薬剤31を通して揮散性薬剤を伴った気流を大気中に放散する。
【0032】
【0033】
【0034】
に示すように、第2取付体3を筒形状とし、薬剤揮散器具6を蓋39に容器30を取付けた形態とし、その蓋39を第2取付体3の上面に接して容器30を第2取付体3内に設けても良い。
例えば、蓋39に通気部39aと下向きの環状突片39bを形成し、その環状突片39bを第2取付体3の上部に嵌合して取付ける。
前記容器30は蓋39の下面に接着剤39cで接着して取付けても良いし、ねじで固定したり、索条などで吊り下げて取付けても良い。
【0035】
【0036】
【0037】
【0038】
前記第2取付体3を筒体50と容器取付体(中敷き体)51より形成し、その容器取付体51に薬剤揮散器具6の容器30を取付けるようにしても良い。
例えば、図、図に示すように、筒体50の内周面に上端面に開口した縦溝52を複数形成し、容器取付体51は筒体50の内面に接する円板形状で、その外周面に縦溝52に嵌まり合う突片53を複数形成して容器取付体51を筒体50に嵌め込んで取付け固定できるようにする。
前記容器取付体51に容器取付用開口部54と通気部、例えば孔55を形成する。
薬剤揮散器具6の容器30の上下中間部にフランジ56を形成し、その容器30の薬剤室30aを形成する下方部分を容器取付用開口部54に嵌合してフランジ56を容器取付体51の上面に接して容器30を取付ける。
【0039】
前記縦溝52の長さを変更することで容器取付体51の取付け高さを変更できるので、薬剤揮散器具6の取付け高さを変更できる。
【0040】
に示すように、容器取付体51を筒体50の内周面よりも小径とし、その容器取付体51の外周面51aと筒体50の内周面50aとの間に隙間57を形成し、この隙間57を通気部としても良い。
【0041】
また、図と図10に示すように、容器取付体51を小径とすると共に、突片53を長くし、筒体50に上端面に開口したスリット58を形成し、そのスリット58に突片53を嵌め込むようにしても良い。
【0042】
前述の縦溝52、スリット58を長さの異なる複数形成することで、容器取付体51を筒体50に異なる高さに取付けできるので、薬剤揮散器具6を異なる高さに取付けできる。
例えば、図10に示すように短かい第1のスリット58−1と長い第2のスリット58−2を突片53の数だけ形成すれば、その突片53を第1のスリット58−1に嵌め込むことで薬剤揮散器具6を高さ位置に取付けできるし、突片53を第2のスリット58−2に嵌め込むことで薬剤揮散器具6を低い位置に取付けできる。
【0043】
また、図11と図12に示すように、容器取付体51を中央部が凹んだほぼ筒形状で、その中央部に開口部59を有すると共に、外周部にフック部60を有する形状とし、そのフック部60を筒体50の上部に係合して取付け、中央部に容器30を嵌め込むようにして取付けても良い。
【0044】
以上の各実施の形態においては薬剤揮散器具6の容器30における吸込口34と中空胴部1が直接連通しているが、これに限ることはなく吸込口34から大気を吸い込むようにしても良い。
例えば、図13に示すように前述した第1の実施の形態において第2取付体3の底板21を開口部24を有しない形態とし、容器30の下部に吸込口34を形成する。
また、第1の実施の形態において容器30を上下反転して底板21の上に置くことも可能である。
【0045】
【0046】
【0047】
【0048】
【0049】
【0050】
【0051】
【0052】
【0053】
本発明に採用される照明具としては、前述のように提灯、灯籠、行灯、ボンボリなどの形態が挙げられる。その形状は、特に限定されず、例えば、横断面が円形、四角形、六角形、菱形、半円形など適形状の筒形であって、上下方向に折畳み自在のもの、また、寸胴の折畳みができないものと自由に設計できる。また、中空胴部1は、口枠1a,1bにてその体型をなし、該体型は、紙、合成紙、樹脂フィルム、不織布、ガラス、布など材料による成形物、また、該成形物を支持棒材や螺旋状に連結する外郭骨格材にて製作される。支持棒材、外郭骨格材の材料は、木製、竹製、樹脂製、金属製などが例示できる。
【0054】
また、口枠1a,1bや取付部材2,3の形状は、通常、中空胴部1の形状に合った形、例えば、円形、四角形、六角形、菱形、半円形などが例示されるが、特に限定されるものではなく、薬剤揮散器具6の取付け、中空胴部1を支える形など条件を考慮したものであればよい。その使用材料は、前述の支持棒材や外郭骨格材に準ずる木製、竹製、樹脂製、金属製などが例示できる。
【0055】
前記照明具の灯光体5としては、ローソクなど燃焼式、電球など商用電源式、電池式、太陽電池式の灯りが挙げられる。その内、商用電源式、電池式、太陽電池式が好ましく、使用場面に応じて選択される。
【0056】
本発明に用いる薬剤揮散器具6として、大きな揮散表面積を有する造形物からなる自然型揮散器具、又はファンによる発生気流により薬剤を放散する送風型揮散器具が挙げられる。
好ましくは、広範囲の揮散性薬剤の使用が可能であり、また、使用時間が自由にコントロールできる利点がある送風型放散器具である。
【0057】
前記自然型揮散器具としては、例えば、造花、葉の多い観葉植物、ペーパークラフト創作物、すのこ形創作物、などが例示され、また、この使用形態は、収容部内部が満杯になる造形物(大きさ、数量など)が望ましい。これら造形物は、揮散性の高い香料など薬剤を用いることで、灯光体による熱気流により大気中に揮散される。また、照明具の飾りとして美観性を持たせたり、または照明具のイメージを変貌するのに有効である。
【0058】
ファンとしては、複数枚の傾斜羽根を駆動軸に放射状に設けたプロペラファンで送風を行う軸流式送風機、駆動軸に平行な方向に多数の羽根を円筒状に設け、駆動軸と直交する方向へ送風を行う多翼式送風機などが例示でき、音が少ない、電池で駆動が可能であることから一般家庭用として好ましい。ただし、広い場所での使用、効果を強めるなどを要求される業務用の場合は前記送風機に限定されず、商用電源、又は充電式を想定した送風機を採用することができる。
【0059】
前記電池としては、市販等容易に入手できる汎用型電池のアルカリ乾電池、マンガン乾電池等が挙げられる。
【0060】
前記揮散性薬剤としては、従来より用いられている殺虫、忌避、成長制御などの害虫防除剤、或いは消臭効果、芳香効果、アロマテラピー効果、アロマコロジー効果などに用いられる各種薬剤が挙げられる。
【0061】
前記薬剤保持体としては、揮散性薬剤を含有した液状物、ゲル状物、粘性物(塗料、接着剤等)、固化物(昇華剤、ワックス等)など製剤を収容した容器、又は揮散性薬剤を紙、木材、樹脂、天然繊維、合成繊維、セラミック、などに含浸、又は混合した粉粒状物、球状物、マット状物、シート状物、フィルム状物など成形物、或いはこれらを成形物を通気性の容器に収納したもの、などが挙げられ、照明具の用途に応じて選択することが望ましい。
【0062】
【発明の効果】
請求項1に係る発明によれば、殺虫効力、芳香効力などを有する照明具である。
また、縦長の中空胴部1の下端部の第1口枠1aに取り付けた第1取付体2に灯光体5が取付けられ、中空胴部1の上端部1の第2口枠1bに取付けた第2取付体3に薬剤揮散器具6が取付けてあるので、灯光体5と薬剤揮散器具6は上下方向に離隔して相互に悪影響を及ぼし合うことがない。
よって、特に旅館、ホテルなどの照明空間において、害虫トラブルを未然に防ぐなど快適な雰囲気としてお客様を歓待できる照明具として好ましい薬剤揮散器具を備えた照明具である。
【0063】
請求項2に係る発明によれば、灯光体5を点灯した時に生ずる上昇気流を利用して薬剤31を放出口35から大気に揮散することができるので、ファン32を停止した場合でも照明時に殺虫効力、芳香効力等を得ることができる。
また、ファン32を駆動した時には第1取付体2の通気部2b、中空胴部1内、第2取付体3の開口部24を通して大気を吸込口34から吸い込んで、放出口35から薬剤31を大気に揮散できるので、灯光体5を点灯しない昼間等などでも殺虫効力、芳香効力が得られる。
また、灯光体5を点灯すると共に、ファン32を駆動することで、より多大な殺虫効力、芳香効力が得られる。
【0064】
しかも、前述したいずれの場合でも薬剤は放出口35から大気に直接揮散され、中空胴部1内に薬剤が放出されないので、中空胴部1内や灯光体5が薬剤で汚染、劣化することがなく、長期間に亘って使用できる。
また、第2取付体3の開口部24から容器30の吸込口34に中空胴部1内の空気がスムーズに流入するから、薬剤を効率良く揮散できる。
【0065】
請求項3に係る発明によれば、薬剤揮散器具6のファン32を駆動することで、第2取付体3の通気部3bから中空胴部1内に空気が流通し、その中空胴部1内の空気が吸込口34から容器30内に吸い込まれ、薬剤31に触れて強制揮散し、放出口35から空気とともに放出される。
【0066】
請求項に係る発明によれば、灯光体5を点灯した時に生ずる上昇気流を利用して薬剤31を放出口35から大気に揮散することができるので、ファン32を停止した場合でも照明時に殺虫効力、芳香効力等を得ることができる。
また、ファン32を駆動した時には第1取付体2の通気部2b、中空胴部1内、第2口枠1bを通して大気を吸込口34から吸い込んで、放出口35から薬剤31を大気に揮散できるので、灯光体5を点灯しない昼間等などでも殺虫効力、芳香効力が得られる。
また、灯光体5を点灯すると共に、ファン32を駆動することで、より多大な殺虫効力、芳香効力が得られる。
しかも、前述したいずれの場合でも薬剤は放出口35から大気に直接揮散され、中空胴部1内に薬剤が放出されないので、中空胴部1内や灯光体5が薬剤で汚染、劣化することがなく、長期間に亘って使用できる。
【0067】
請求項に係る発明によれば、薬剤揮散器具6は第2取付体3の収納部3a内に収納して取付けてあるから、その薬剤揮散器具6が目立つことがない。
よって、照明空間において違和感のない見栄えの良い照明具である。
【0068】
請求項に係る発明によれば、薬剤揮散器具6を第2取付体3から取り外し、新らしいものを再び取付けできるので、薬剤揮散器具6を容易に交換できる。
【0069】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態を示す照明具の一部破断正面図である。
【図2】 第2取付体部分の拡大断面図である。
【図3】 第2取付体の平面図である。
【図4】 プロペラファンを用いた薬剤揮散器具の断面図である。
【図5】 薬剤揮散器具の第2取付体への取付けの第2の実施の形態を示す断面図である。
【図6】 薬剤揮散器具の第2取付体への取付けの第3の実施の形態を示す断面図である。
【図7】 第2取付体の平面図である。
【図8】 第2取付体の他の例を示す平面図である。
【図9】 薬剤揮散器具の第2取付体への取付けの第6の実施の形態を示す断面図である。
【図10】 第2取付体の平面図である。
【図11】 薬剤揮散器具の第2取付体への取付けの第の実施の形態を示す断面図である。
【図12】 第2取付体の平面図である。
【図13】 薬剤揮散器具の第2取付体への取付けの第の実施の形態を示す断面図である。
【符号の説明】
1…中空胴部、1a…第1口枠、1b…第2口枠、2…第1取付体、2b…通気部、3…第2取付体、3a…収納部、3b…通気部、4…照明具本体、5…灯光体、6…薬剤揮散器具、24…開口部、30…容器、31…薬剤、32…ファン、34…吸込口、35…放出口。

Claims (6)

  1. 照明具本体4と灯光体5と薬剤揮散器具6より成る薬剤揮散器具を備えた照明具において、
    前記照明具本体4は、下端部に第1口枠1aを有し、上端部に第2口枠1bを有した縦長の中空胴部1と、この第1口枠1aに、当該第1口枠1aよりも下方に突出して取付けた第1取付体2と、前記第2口枠1bに、当該第2口枠2bよりも上方に突出して取付けた第2取付体3を備え、
    前記灯光体5を、前記第1取付体2に、中間胴部1の内部を照明するように取付け、
    前記薬剤揮散器具6は、容器30に揮散性の薬剤31とファン32を設け、そのファン32を駆動することで薬剤31に空気が触れて強制揮散し、空気とともに放出される送風型揮散器具とし、
    この薬剤揮散器具6を前記第2取付体3に、その薬剤31が中空胴部1内に突出しないように、かつその薬剤31から揮散した薬剤が中空胴部1の外部に放出されるように設けたことを特徴とする薬剤揮散器具を備えた照明具。
  2. 第1取付体2は中空胴部1内を大気に連通する通気部2bを有し、
    第2取付体3は中空胴部1内に開口した開口部24を有し、
    薬剤揮散器具6は、吸込口34と放出口35を有する容器30内に薬剤31とファン32を設けた送風型揮散器具で、その吸込口34が前記開口部24に連通し、放出口35が大気に開口している請求項1記載の薬剤揮散器具を備えた照明具。
  3. 第2取付体3は、中空胴部1内に空気を流通する通気部3bを有する請求項2記載の薬剤揮散器具を備えた照明具。
  4. 第1取付体2は中空胴部1内を大気に連通する通気部2bを有し、
    薬剤揮散器具6は、吸込口34と放出口35を有する容器30内に薬剤31とファン32を設けた送風型揮散器具で、その吸込口34が第2口枠1bを通して中空胴部1内に連通し、放出口35が大気に開口している請求項1記載の薬剤揮散器具を備えた照明具。
  5. 第2取付体3は収納部3aを有し、この収納部3a内に薬剤揮散器具6が収納して取付けてある請求項又は2又は3記載の薬剤揮散器具を備えた照明具。
  6. 第2取付体3に薬剤揮散器具6を着脱自在に取付けた請求項いずれか一項記載の薬剤揮散器具を備えた照明具。
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