JP4224542B2 - 水処理方法及び装置 - Google Patents

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Description

発明の背景
発明の分野
本発明は、塩素化有機化合物を含有する水の処理方法及び装置に関する。特に、トリクロロエチレン、ジクロロエチレン、塩化ビニル等の脂肪族塩素化有機化合物、クロロベンゼン等の芳香族塩素化有機化合物を含有する、地下水、排水等を浄化するための処理方法及び装置に関する。
従来技術の説明
トリクロロエチレン等の脂肪族塩素化有機化合物は、洗浄剤として半導体工場、金属加工工場などで多用されており、近年これらの貯留施設あるいは排水等の漏出により土壌や地下水が汚染されていることが明らかになり、深刻な社会問題となっている。従来の汚染地下水の処理としては、汚染した地下水を揚水し、曝気塔で揮散させて大気に放散するか、揮散させた汚染物質を活性炭で吸着処理する方法が主であった。単に放散する場合には、曝気コストのみで極めて低コストで処理できる。しかし、汚染物質を水系から大気系に移すだけで逆に大気汚染を引き起こすことになり、処理方法としては不十分であった。一方、揮散させた汚染物質を活性炭に吸着させる場合には、吸着した活性炭を再生しなければならず、再生費や回収した塩素化有機化合物を処分する必要があった。また、塩素化有機化合物を含有する排水についても、上記と同様に処理されたり、他の排水と一緒に活性汚泥法などの好気的な生物を用いる処理装置で処理されてきた。しかし、この場合もこれらの物質は揮発し易いため曝気によって空気中に直ぐに放散されることになり問題があった。
他方、これらの塩素化有機化合物を生物的に分解する技術として、メタン資化細菌、フェノール分解菌、トルエン分解菌等を用いる生物処理を行う方法が種々検討されてきたが、まだ実用レベルで処理できる技術は確立されていない。例えば、メタン資化細菌を包括固定し、バイオリアクターで処理する技術(特公平6-67314号公報)が提案されている。しかし、トリクロロエチレン(TCE)等の塩素化有機化合物を分解すると、分解菌のトリクロロエチレン分解活性が急速に低下する問題があり、実用レベルで連続的に安定な処理を行うにはまだ多くの検討課題が残されていた。
また、メタン資化細菌により、トリクロロエチレンを生分解するバイオリアクターシステムが報告されている(米国合衆国政府資金援助番号;MIPR Nos. N91-84, N92-63:Herbes, S.E., Palumbo, A.V., Strong-Gunderson, J.L., Donaldson, T.L, Sayler, G.S., Bienkowski, P.R., Bowman, J.L., and Tschantz, M.F.,「メタン資化細菌によるトリクロロエチレンの生分解についての革新的なバイオリアクターの開発」(Innovative Bioreactor Development for Methanotrophic Biodegradation of Trichloroethylene)、報告番号(report number)AL/EQ−TR−1994−0007、1994年1月)。
図5に示すように、このバイオリアクターシステム20は、連続的に攪拌できる反応槽22(continuous stirred tank reactor)と、プラグフローとなる4つの反応カラム24(plug-flow reactor columns)と、脱水カラム26(dewatering column)とを有する。メタン及び酸素が、流量制御機(図示されていない)により反応槽22に供給され、反応槽22でメタン資化細菌が培養される。
次いで、反応槽22から、メタン資化細菌を含有する液体が反応カラム24に導入される。また、この反応カラム24には、トリクロロエチレンが供給される。そして、この反応カラム24において、メタン資化細菌がトリクロロエチレンを生分解する。2段目と3段目の反応カラムの間で、蟻酸塩が供給される。
反応カラム24を通過した液体は、反応槽22に再導入される。
反応槽22の液体が、脱水カラム26に導かれる。脱水カラム26は、多孔質の金属フィルター(porous metal filter)及びこの金属フィルターを被覆し、かつ、孔径0.22μmのテフロン層を有する。金属フィルターを透過した排水は排出され、一方、濾過されたメタン資化細菌等は反応槽22に再導入される。
しかし、このバイオリアクターシステム20では、反応槽22に供給されたメタン等のガスの一部が液体に溶解し、そのまま脱水カラム26を介して、排水とともに排出されることになる。即ち、反応槽22に供給されたガスの一部が無駄になるという欠点を有していた。また、反応槽22と脱水カラム26が別個に必要となることから、システムを小型化するのが困難であった。
発明の概要
本発明の第1の側面は、微生物を用いて塩素化有機化合物を含有する水を処理する方法に関し、微生物は、分解槽から分離槽に導かれ、分離槽で分離された微生物にエネルギー源を補給することにより、メタン、プロパン等のエネルギー源が分離槽から排出されることによるロスを軽減することができる。
本発明の第2の側面は、塩素化有機化合物等の有機化合物を含有する水を処理する装置に関し、分解槽、分離槽、再生槽という順序で処理を受ける水を導くことができる構成を有する。これにより、メタン、プロパン等のエネルギー源が分離槽から排出されることによるロスを軽減することができる。
本発明の第3の側面は、塩素化有機化合物等の有機化合物を含有する水を処理する装置に関し、分離槽において微生物を培養することができるので、再生槽が不要となり、装置全体を小型化することができる。なお、本発明の装置は、塩素化有機化合物の分解に限られず、それ以外の有機化合物を分解するのにも使用することができる。
即ち、本発明の第1の側面は、分解槽において、塩素化有機化合物を分解する能力を有する微生物により、塩素化有機化合物を含有する水を処理する工程と、前記処理水を分離槽に導く工程と、前記分離槽において、前記処理水を、前記微生物を含有する組成物と前記微生物が実質的に除去された除去水とに分離する工程と、次いで、前記微生物のエネルギー源を補給する工程を有することを特徴とする、塩素化有機化合物を含有する水を処理する方法を提供する。
前記分離槽において、前記微生物のエネルギー源を補給する工程が行われることが好ましい。また、前記分離槽の前記微生物を前記分解槽に導く工程を有することが好ましい。更に、前記分離槽の上部に貯まる上部ガスを引き抜き、前記分離槽の下部に導入する循環工程を有し、この循環工程において、前記エネルギー源を補給することが好ましい。
一方、前記方法が、前記組成物を再生槽に導く工程を有し、前記再生槽において、前記補給工程が行われることが好ましい。また、前記再生槽の前記微生物を前記分解槽に導く工程を有することが好ましい。
前記微生物が、メタン資化細菌、プロパン資化細菌、トルエン資化細菌、フェノール資化細菌、若しくは、アンモニア酸化細菌、又は、塩素化アリールを分解する能力を有する微生物であることが好ましい。
前記微生物が、メタン資化細菌であることが更に好ましい。前記補給工程において、メタンと酸素とを含有する混合ガスが水溶液中の前記メタン資化細菌に補給され、前記水溶液の溶存酸素濃度が20〜400μg/lであることが好ましい。即ち、再生槽でメタン資化細菌が培養される場合には、再生槽における溶存酸素濃度が20〜400μg/lであることが好ましく、分離槽でメタン資化細菌が培養される場合には、分離槽における溶存酸素濃度が20〜400μg/lであることが好ましい。
また、前記水処理工程において、集積培養体に含まれている微生物が用いられていることが好ましい。前記分解槽が入口及び出口を有し、前記分解槽の前記入口より処理される前記水が導入され、前記分解槽の前記入口から前記出口に渡って有機系塩素化合物の濃度が次第に低くなっていることが好ましい。
本発明の第2の側面は、有機化合物を分解する能力を有する微生物により有機化合物を含有する水を処理するのに適した、分解槽と、前記処理水を、微生物を含有する組成物と微生物が実質的に除去された除去水とに分離するのに適した、分離槽と、微生物の活性化又は増殖に適した、再生槽と、前記再生槽の内部の微生物にエネルギー源を補給するのに適し、前記再生槽に接続する補給ライン手段と、前記分解槽の内部の微生物が前記分離槽に導かれる第1ライン手段と、前記分離槽で分離された微生物が前記再生槽に導かれる第2ライン手段とを有する、有機化合物を含有する水を処理する装置を提供する。
前記再生槽の微生物を前記分解槽に導くリサイクルライン手段を有することが好ましい。前記分離槽が、その内部に中空糸膜又はフィルターを有することが好ましい。前記分離槽の上部に貯まる上部ガスを引き抜き、前記分離槽の下部に導入する循環ライン手段を有することが好ましい。前記循環ライン手段にガスを導入するのに適した、ガスラインを有することが好ましい。
本発明の第3の側面は、有機化合物を分解する能力を有する微生物により有機化合物を含有する水を処理するのに適した、分解槽と、前記処理水を、微生物を含有する組成物と微生物が実質的に除去された除去水とに分離するのに適した、分離槽と、前記分解槽と前記分離槽とを接続する第1ライン手段と、前記分離槽の内部の微生物にエネルギー源を補給するのに適し、前記分離槽に接続する補給ライン手段を有することを特徴とする、有機化合物を含有する水を処理する装置を提供する。
前記分離槽の上部に貯まる上部ガスを引き抜き、前記分離槽の下部に導入して循環させるのに適した、循環ラインを有し、前記補給ライン手段は、前記循環ラインに接続し、かつ、ガス状のエネルギー源を導入するのに適した、ガスライン手段を有することが好ましい。また、前記分離槽の微生物を前記分解槽に導くリサイクルライン手段を有することが好ましい。
前記分離槽が、その内部に中空糸膜又はフィルターを有することが好ましい。また、前記分解槽が、一個の容器を有することが好ましい。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明の一実施態様の装置の図である。
図2は、図1の装置における処理実績を示すグラフである。
図3は、本発明の他の実施態様の装置の図である。
図4は、図3の処理実績を示すグラフである。
図5は、従来のバイオリアクターシステムである。
発明の詳細な説明
次に、本発明を詳しく説明する。
「塩素化有機化合物」は、脂肪族であっても、芳香族であってもよい。脂肪族塩素化炭化水素の場合には、メタン資化細菌、プロパン資化細菌、トルエン資化細菌、アンモニア酸化細菌等により分解することができる。芳香族塩素化有機化合物の場合には、塩素化アリールを分解する能力を有する微生物等を好適に用いることができる。
脂肪族塩素化有機化合物は、飽和であっても、不飽和であってもよい。脂肪族の場合には、1〜6個の炭素を有することが好ましく、1〜3個の炭素を有することが更に好ましい。具体的には、トリクロロエチレン、シス−1,2−ジクロロエチレン、トランス−1,2−ジクロロエチレン、1,1−ジクロロエチレン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム等が挙げられる。
芳香族塩素化有機化合物としては、更に置換基を有していてもよく、例えば、クロロベンゼン、ポリクロロビフェニル等が挙げられる。
「メタン資化細菌」(methanotroph)とは、メタンを炭素源とする微生物をいう。即ち、メタンがエネルギー源となる。なお、メタン細菌は、メタンを生成する細菌をいい、メタン資化細菌とメタン細菌は異なる。
「メタン資化細菌」としては、可溶性メタンモノオキシゲナーゼ(soluble methane monooxygenase)を産生するものが好ましい。メタンモノオキシゲナーゼは、元来、NADHを還元剤としてメタン及び酸素をメタノールに代謝する反応を行う酵素であり、可溶性メタンモノオキシゲナーゼと、膜画分メタンモノオキシゲナーゼ(particulate methane monooxygenase)に大別される。そして、可溶性メタンモノオキシゲナーゼは、トリクロロエチレン等の脂肪族塩素化有機化合物を分解する反応にも関与する。なお、メタン資化細菌が脂肪族塩素化有機化合物を分解する際には、脂肪族塩素化有機化合物を酸化する場合が多い。この酸化工程において、一般的には、メタン資化細菌は、エネルギーを消費し、エネルギーを得るのではない。
可溶性メタンモノオキシゲナーゼを産生するメタン資化細菌としては、例えば、メチロシナス(Methylosinus)属、メチロスポロヴィブリオ(Methylosporovibrio)属に属するものが挙げられる。具体的には、メチロシナス・トリコスポリウム(Methylosinus trichosporium)、メチロスポロヴィブリオ・メタニカ(Methylosporovibrio methanica)等が挙げられる。
例えば、特公平6−67314号公報に記載されるメチロシナス・トリコスポリウム(Methylosinus trichosporium)・TSUKUBA(工業技術院生命工学工業技術研究所 寄託番号FERM P-10004)は、トリクロロエチレン、シス−1,2−ジクロロエチレン、トランス−1,2−ジクロロエチレン、1,1−ジクロロエチレン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム等を分解する。
「プロパン資化細菌」とは、プロパンを炭素源とする微生物をいい、一般的には、プロパンモノオキシゲナーゼ(propane monooxygenase)を産生する(Wackett L.P. et al, Application of Environmental Microbiology, 55,2960-2964(1988))。即ち、プロパン資化細菌では、プロパンがエネルギー源となる。
「トルエン資化細菌」とは、トルエンを炭素源とする微生物をいい、一般的には、トルエンジオキシゲナーゼ(toluene dioxygenase)又はトルエンモノオキシゲナーゼ(toluene monooxygenase)を産生する(Nelson M.J.K. et al, Application of Environmental Microbiology, 54,604-606(1988))。即ち、トルエン資化細菌では、トルエンがエネルギー源となる。
「フェノール資化細菌」とは、フェノールを炭素源とする微生物をいい、一般的には、トルエンモノオキシゲナーゼ(toluene monooxygenase)を産生する。即ち、フェノール資化細菌では、フェノールがエネルギー源となる。
「アンモニア酸化細菌」では、アンモニアの酸化反応をエネルギー源とする微生物をいい、一般的には、アンモニアモノオキシゲナーゼ(ammonia monooxygenaze)を産生する。例えば、ニトロソモナス・ユーロピア(Nitrosomonas europaea)が挙げられる(Ariciero D, et al, Biochem. Biophys. Res. Commun. 159, 640-643(1989))。
「塩素化アリールを分解する能力を有する微生物」としては、ロドトルラ族、クラドスポリウム族、キャンディダ族、サッカロミセス族に属する微生物が挙げられる(特開昭49−98085号、特開昭48−98086号、特開昭49−6186号)。これらの微生物は、ポリクロロビフェニル等の塩素化アリールを分解する。また、メタン資化細菌も、m−クロロトルエンのような塩素化アリールを分解する(特開昭55−127196号)。
これらの微生物が、集積培養体として、分解槽に供給されてもよい。
メタン資化細菌の場合には、以下のようにして、集積培養体を得ることができる。まず、メタン資化細菌を培養するのに好適な培養液に、塩素化有機化合物で汚染された土壌、地下水等を添加する。可溶性メタンモノオキシゲナーゼを優先的に培養するために、培養液には、実質的に銅が含まれていないことが好ましい。この土壌、地下水等は、本発明の方法及び装置で処理されるものが好ましい。添加する量は、例えば、培養液の100分の一の体積である。
そして、この培養液に、メタンガスと空気との混合ガスを供給して、培養する。例えば、メタンガス1に対して、空気5の割合にする。pHは6〜8前後に保持することが好ましく、温度は15〜35℃が好ましく、25〜35℃が更に好ましい。培養液1リットル当たり、乾燥菌体として1gになる程度まで培養することが好ましい。一般的には、1週間以上培養することになり、例えば、2〜3週間、培養することになる。
メタン資化細菌以外の場合には、適宜、その微生物を培養するのに適した条件で、土壌、地下水等のサンプルを培養すればよい。
本発明は、トリクロロエチレン(TCE)、ジクロロエチレン(DCE)、塩化ビニル等の塩素化有機化合物を含む水を処理する方法及び装置に関する。本発明の装置としては、排水を分解槽に送る汚水流入部、分解菌により有機塩素化合物を分解する分解槽、分解槽から排出された混合液を、分解菌を分離して、分解菌を実質的に除去した除去水を得る分離槽、分離槽で分離された分解菌を培養するための再生槽、及び再生槽で培養された分解菌を再度、分解槽に送る菌供給ラインを有することが好ましい。再生槽は、分解菌の増殖又は分解能力の向上を目的とする。
本発明の方法及び装置では、様々な微生物を用いることができるが、以下、メタン資化細菌を代表例に挙げて説明する。
図1は、本発明の第2の側面の装置を示す。
分解槽4において、塩素化有機化合物を分解する能力を有する微生物により、水に含有する塩素化有機化合物を分解する。分解槽においては、分解反応をプラグフロー的に行うことが好ましい。生分解による分解速度は、一般的に、塩素化有機化合物の濃度に比例していることから、プラグフロー処理では、攪拌混合処理では困難である低濃度にまで塩素化有機化合物を分解することができる。例えば、メタン資化細菌の場合には、飲料水の水質基準を満たす低濃度レベルにまで、トリクロロエチレンを分解することができる。
分解槽は円筒形状を有することが好ましく、汚水を含む流入水及び分解菌を円筒形状の反応槽の導入部から流入させ、分解菌と汚水の混合液を押し出し流れ的に他方の出口に流すことで、プラグフローが達成できる。
メタン資化細菌による有機塩素化合物の分解には十分な酸素が必要である。しかし、分解槽内部に酸素ガスを散気すると、プラグフローの流れを壊すことになる。従って、汚水流入ラインは、空気等の酸素を含有するガスを導入するためのラインミキサーを有することが好ましい。これにより、汚水中の酸素濃度を高めることができる。分解槽では、一般に塩素化有機化合物の分解に伴って消費される酸素は少なく、分解菌の呼吸によって消費される酸素が大部分である。分解槽の出口において、酸素濃度が0になると、分解能が低下するため、分解槽の出口での酸素濃度は少なくとも1〜2mg/L程度に保つことが好ましい。
また横型分解槽を用いる場合には、密閉した槽内を多段に仕切り、各段に攪拌機を入れて混合しながら流すことでプラグフローの反応を行わせることができる。
分解槽での滞留時間は流入水の塩素化有機化合物濃度、分解菌の塩素化有機化合物分解活性によって異なる。本発明では、分解菌の有機塩素化合物分解活性が一次反応定数(k1)で示すと10(L/g・hr)以上の高い値を定常的に保つこともできる。かかる条件の下では、10mg/L程度の塩素化有機化合物の濃度を有する水を、約3時間、分解槽に滞留させることで、数ppbレベルの塩素化有機化合物を有する水を得ることができる。
汚水と分解菌との混合は、分解槽の導入部にそれぞれ別の配管を接続し、分解槽の導入部で混合させてもよい。一方、汚水流入配管に直接、分解菌供給ラインを接続し、その後、当該管を分解槽に接続してもよい。後者の方が、分解菌の活性を安定的に維持でき、好ましい。
分解槽から流出した混合液は、分解菌と分解菌が実質的に除去された除去水とを分離するための分離槽に導かれる。分解菌は、分解槽で再利用され、除去水は系外に排出される。
分離槽は、その内部に分離膜モジュール、フィルター等を有することが好ましく、分離膜としては、中空糸膜、平膜、管状の膜等が挙げられる。これらの中で、分離槽は、中空糸膜モジュールを有するのが好ましい。
中空糸膜モジュールでは、中空糸膜の外側から内側に液体を透過することにより、中空糸膜の内側となる、分解菌が実質的に除去された透過水と、中空糸膜の外側となる、分解菌が濃縮された濃縮水とに分離することができる。
中空糸膜の内部の透過水をポンプ又はヘッド差で吸引することで、分解菌を実質的に除去した除去水を得ることができる。ただし、吸引により膜表面に分解菌が付着、圧搾されて透過し難くなる場合がある。これを防ぐため、中空糸膜モジュールをガスで曝気して揺動を与えることが好ましい。
本発明の第2の側面では、分離槽は、分解菌と分解菌が実質的に除去された除去水に分離することを目的とし、必ずしも、分離槽で分解菌を培養するものではない。本発明の第2の側面では、分離槽における溶存酸素濃度は、再生槽の溶存酸素濃度と同じレベルであってもよいし、低くてもよい。分離槽では、分解菌の活性を維持するために、嫌気的条件に保つことが好ましい。分離槽を密閉容器にし、上部に溜まったガスを循環ラインにより、分離槽下部から再度曝気させるとともに、ガス循環ラインに窒素ガス等の不活性ガスを供給することにより、分離槽を嫌気的条件に保つことができる。この場合には、供給したガスの一部を分離槽上部またはガス循環ラインから系外に排出することにより、圧力を調節する。分離槽の液滞留時間は、例えば、約30分である。
また、本発明の第2の側面では、分離槽で分解菌と除去水を分離し、再生槽で微生物を培養する。再生槽には、分離槽で分離した菌体を導入するためのラインが接続している。再生槽下部には、メタンと酸素とを含有するガスを供給するための配管ラインを設けるとともに、分解活性の賦活または菌の増殖に必要な窒素、リン、微量金属等の栄養源を供給するための配管ラインを設ける。
メタン資化細菌の場合には、メタン資化細菌の活性化をするか、増殖をするかは、用途、ランニングコスト等によって、任意に選択できる。すなわち、特願平7ー60042号に記載のごとく、窒素、リン等の栄養源のほかに、賦活を行う場合は銅濃度0.004mg/L未満、鉄濃度0.1mg/L以上を含む栄養源を分離槽に供給すればよい。一方、増殖を行う場合は特開平6−245760号公報に記載のごとく、銅濃度0.0016mg/L以上、鉄濃度0.1mg/L以上を含む栄養源を供給すればよい。
なお、窒素源としては、例えば、塩化アンモニウム、硝酸ナトリウムなどを使用できる。リン源としては、リン酸水素カリウム、リン酸二水素カリウム等を用いることができる。微量金属としては、鉄、カルシウム塩、マグネシウム塩など通常メタン資化性菌の培養で用いられている培地に含まれている微量金属を用いることができる。
ランニングコストを節約するために、再生槽は密閉式とし、上部に貯まるガスを循環させて再生槽下部から吹き込むとともに、消費されたメタン及び酸素に応じた混合ガスをガス循環ラインに供給することが好ましい。この場合、再生槽の溶存酸素濃度を20〜400μg/Lに維持することが好ましく、80〜300μg/Lに維持することが更に好ましい。溶存酸素の制御は、再生槽に溶存酸素濃度計を設置し、その値を外部に設けた制御装置に取り込んで酸素およびメタンの供給量を自動的に制御するコントロール装置を設けることで達成できる。また、再生槽の水温は25℃以上に保つことで安定した分解活性が得られる。
本発明の第2の側面では、分解槽、分離槽、再生槽という順序で処理を受ける水を導くことができるので、メタン、プロパン等のエネルギー源が分離槽から排出され難くなる。
一方、本発明の第3の側面では、分離槽は、分解菌と分解菌が実質的に除去された除去水に分離するとともに、分解菌を培養することも目的とする。かかる場合には、ガス循環ラインに、メタンと酸素とを含有するガスを供給することが好ましい。例えば、メタンと空気とを混合したガスを供給してもよい。この場合には、分解菌の活性を高く、安定的に保つため、分離槽における溶存酸素濃度を20〜400μg/L、好ましくは、80〜300μg/lに維持してもよい。
分離槽で分解活性の賦活あるいは菌体の増殖を安定的に行う場合は、この槽での滞留時間は0.5〜1.5日程度滞留させることが好ましい。また、水温は25℃以上に保つことで安定した分解活性が得られる。そして、分離槽で分離された菌体を再び、分解槽に送り、塩素化有機化合物の分解に供する。
なお、本発明の第3の側面における、銅濃度、鉄濃度、窒素源及びリン源は、本発明の第2の側面と同様である。
本発明の第3の側面では、分離槽において微生物を培養することができるので、再生槽が不要となり、装置全体を小型化することができる。
実施例
以下に、本発明による実施例を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1
図1に本発明の第2の側面の装置を示す。図1において、1は汚水流入部、2はラインミキサー、3は酸素ガス又は空気供給ライン、4は分解槽、5は分離槽、6は分離膜モジュール、7は除去水引き抜きライン、8はガス循環ライン、9は窒素ガス供給ライン、10は分離槽余剰ガス排出ライン、11は分離槽から再生槽への分解菌引き抜きライン、12は再生槽、13はメタンと酸素との混合ガス供給ライン、14は栄養塩類供給ライン、15は栄養塩類貯留タンク、16は排ガスライン、17は溶存酸素モニター、18は再生槽から分解槽への分解菌供給ラインを示す。
予め大量に培養したメタン資化細菌、メチロシナス・トリコスポリウム(Methylosinus trichosporium)・TSUKUBA(工業技術院生命工学工業技術研究所 寄託番号FERM P-10004)約35g(乾燥重量)を分離槽5及び再生槽12に投入した。そして、トリクロロエチレンを含有する排水を汚水流入部1から供給し、ラインミキサー2を介して酸素ガスまたは空気を排水に溶け込ました。そして、この排水に分解槽4の手前で再生槽12からの分解菌と混合し、混合した排水を分解槽4に4ml/min.の速度で供給した。分解槽4では分解菌と排水を固液分離しない速度でプラグフロー的に上向流に緩やかに流し、トリクロロエチレンの分解を行わせた後、その混合液を次の分離槽5に流入させた。
分離槽5には膜面積0.4m2の中空糸膜モジュール6が内蔵されている。この中空糸膜を透過した水、即ち、菌体が実質的に除去された水は、除去水引き抜きライン7を通してポンプで定量引き抜いた。また分離槽5にはガス循環ライン8が設けられており、窒素ガス供給ライン9を通して窒素ガスを20mL/min.の速度でガス循環ライン8に流して、分離槽5の内部を嫌気的条件で系内を曝気した。分離槽5で、分解菌が濃縮された濃縮水は、再生槽12に送られた。分離槽5では、濃縮水が嫌気的条件となるようにすることが好ましい。
再生槽12には、メタンと酸素とを含有する混合ガス供給ライン13を介して、メタンと酸素とを含有するガスを供給した。また、微量金属と、窒素、リン等を含む栄養塩類が貯留されているタンク15から、栄養塩供給ライン14を介して、適量の栄養塩類が、再生槽12に供給された。再生槽12の内部の溶存酸素濃度を測定するモニターを設置し、適当量の溶存酸素濃度になるようにメタンと酸素とを含有する混合ガスの流量を制御した。具体的には、メタンと空気との混合比が20:80の混合ガスを用いた。再生槽での滞留時間は約1日である。
再生槽12から約1mL/min.の速度で分解菌を引き抜き、分解菌供給ライン18を介して分解槽4に連続的に供給した。
メタン資化細菌のトリクロロエチレン分解活性及び溶存酸素濃度の依存性を調べた。再生槽の溶存酸素濃度は、20〜80μg/L、300μg/L、500μg/L、そして、400μg/Lと順次変化させた。また、分解槽に供給される流入水のトリクロロエチレン濃度を測定し、トリクロロエチレン濃度は段階的に上昇させた。また分解槽4の入口の流入水と分解槽4の出口の混合液をサンプリングし、分解菌のトリクロロエチン分解活性をバイヤルビンで適宜測定した。
実験結果を図2に示す。分解槽4の出口におけるTCE分解一次反応定数をy軸に示した。このTCE分解一次反応定数は、トリクロロエチレン分解活性を示すパラメーターとなり、一次反応定数が高い場合には、分解活性が高く、一次反応定数が低い場合には、分解活性が低くなる。
図2より、分解槽4の入口の流入水のトリクロロエチレン濃度が4mg/Lの条件では、トリクロロエチレン濃度が0.03mg/L以下の排水が安定して得られた。一方、流入水のTCE濃度を10mg/Lに上げたときは分解槽4出口におけるトリクロロエチレン分解一次反応定数が次第に低下し、処理水トリクロロエチレン濃度も0.05mg/Lを上回った。
しかし、この時点で再生槽12の溶存酸素濃度をそれまでの20〜80μg/Lから300μg/Lに上げたところ、分解槽4出口のトリクロロエチレン分解一次反応定数が急速に回復し、処理水トリクロロエチレン濃度も安定して0.03mg/L以下が得られるようになった。次にこの槽の溶存酸素濃度を500μg/Lまで上げたところ、再び分解槽4出口のTCE分解一次反応定数は下がり、処理水トリクロロエチレン濃度が増加する傾向が認められた。そこで、溶存酸素濃度を400μg/Lに下げたところ、分解槽出口のトリクロロエチレン分解一次反応定数が回復した。以上の結果より、再生槽12の溶存酸素濃度は、分解菌のトリクロロエチレン分解活性に大きく影響することが明らかである。また、トリクロロエチレン濃度が10mg/Lの流入水でも安定して処理できることが明らかとなった。
実施例2
図3に、本発明の第3の側面の装置を示す。図3の装置は、図1の装置と異なって、再生槽12が設けられておらず、分離槽5が再生槽としても作用しているものである。これに伴って、分離槽5には、メタンと酸素とを含有する混合ガス供給ライン13がガス循環ライン8を介して接続されるとともに、栄養塩類貯留タンク15が、栄養塩供給ライン14を介して分離槽5に接続している。
図3の装置を用いて、シスジクロロエチレン(cDCE)を含む排水を対象に実験を行った。メタンと空気との混合比が20:80の混合ガスを使用した。
図3において、1は汚水流入部、2はラインミキサー、3は酸素ガス/空気供給ライン、4は分解槽、5は分離槽、6は分離膜モジュール、7は処理水引き抜きライン、8はガス循榎ライン、10は分離槽余剰ガス排出ライン、13はメタン・酸素混合ガス供給ライン、14は栄養塩類供給ライン、15は栄養塩類貯留タンク、17は溶存酸素モニター、19は分離槽から分離槽への分解菌供給ラインを示す。この実施例では、メタン資化細菌として予めトリクロロエチレン汚染土壌から採取した集積培養体を用い、溶存酸素濃度が300μg/Lの条件下で実施した。運転開始時には、乾燥重量当たり1500mg/Lの菌体濃度となるように、集積培養体を分解槽に添加した。その他の運転条件は基本的に実施例1と同様であった。
実験結果を図4に示す。図4より流入水cDCE濃度が5mg/Lの条件では処理水中のcDCE濃度は0.04mg/L以下の値が安定して得られた。
一方、流入水cDCE濃度を10mg/Lに上げたとときには、分解槽出口におけるcDCE分解一次反応定数が次第に低下し、処理水cDCE濃度も0.lmg/L以上になった。しかし、この時点で分離槽5の銅濃度をそれまでの0μg/Lから5μg/Lに上げたところ、分解槽4出口のcDCE分解一次反応定数が若干増加するとともに、処理水cDCE濃度が徐々に改善し、その後安定して0.04mg/L以下となった。
分解槽4の菌体濃度は、銅濃度0mg/Lの時にはほぼ初期値と同じであり、サンプリングで引き抜かれる量と増殖量がバランスしていたが、銅を添加した後は徐々に増加し、添加後10日目には分解槽4の菌体濃度が2000mg/Lとなっていた。この間、菌体当たりのcDCEの分解速度は変わらなかったことから、銅の添加によりメタン資化細菌の増殖が増えたことにより分解槽の菌体濃度を高く維持でき、処理水のcDCE濃度が改善したものと考えられる。従来の知見では、銅濃度の添加量が多くなるとメタン資化細菌の塩素化有機化合物分解に関与する酵素の活性が低下することが知られているが、この実験の濃度レベルでは新たに増殖した分解菌の分解活性と丁度バランスしたことで分解が良好に行われたものと考えられる。
また図には示していないが、同様の実験系において鉄の影響も検討した。その結果、鉄が0.lmg/L未満の不足状態では、菌体濃度の減少と分解槽出口におけるcDCE分解一次反応定数の低下が共に起こり、処理水質の急激な悪化が確認された。
このように、cDCE10mg/L濃度の流入水でも分解菌の増殖と塩素化有機化合物の分解に伴う分解活性の低下を丁度良くバランスさせることて安定して処理できることが明らかとなった。
実施例3
分解槽の入口における、分解菌の濃度と有機塩素化合物の濃度との比を変化させた実験を行った。かかる濃度比は、分解槽において、分解菌の分解活性を安定的に維持するためには、重要だからである。
すなわち、図1に示す装置において、分解槽の入口と出口から混合液を採り、混合液から分解菌を分離し、その分解菌のTCE分解活性能力をバイヤルビンで調べた。Run No.1〜8では、再生槽から供給した分解菌の濃度及び流入汚水のトリクロロエチレンの濃度を変えた。分解菌の濃度は、分解槽への流入水の流量を一定にし、再生槽からの菌の供給量を変えることで行った。何れのRunであっても、再生槽の溶存酸素濃度は約200μg/Lに維持し、また、これ以外の条件は一定に保った。各々のRunにおいて、4日間連続して運転し、4日目の混合液において、トリクロロエチレン分解一次反応定数を調べた。
この結果を表1に示す。表1で、k1は、単位菌体当たりのトリクロロエチレン分解一次反応定数(L/g・hr)を示す。
Figure 0004224542
菌体濃度と分解槽入口のトリクロロエチレン濃度の比が0.01以下では、分解槽の入口のk1と出口のk1の差は5(L/g・hr)以下である。しかし、当該比が、0.012以上では、k1の差が13(L/g・hr)以上であり、菌体当たりのトリクロロエチレン分解活性が著しく低下することが分かる。従って、流入汚水に含まれる塩素化有機化合物の濃度と分解菌の濃度の接触時におけるF/M比を0.01以下に保つことが、分解活性を安定的に維持するために好ましい。
以上説明したように、本発明により、塩素化有機化合物を生物学的に分解する方法及び装置の性能が格段に向上した。10mg/L濃度レベルの有機塩素化合物を含む排水を対象とした場合でも、分解活性を恒常的に維持することにより、塩素化有機化合物を安定的に低濃度に処理することができるようになった。
また、本発明の第1の側面及び第2の側面では、分解槽、分離槽、再生槽という順序で処理を受ける水を導くことができるので、メタン、プロパン等のエネルギー源が分離槽から排出され難くなる。本発明の第3の側面では、分離槽において微生物を培養することができるので、再生槽が不要となり、装置全体を小型化することができる。

Claims (21)

  1. 塩素化有機化合物を含有する水に酸素又は空気を導入する工程と、
    前記酸素又は空気が導入された塩素化有機化合物を含有する水を分解槽に導く工程と、
    分解槽において、塩素化有機化合物を分解する能力を有する微生物により、塩素化有機化合物を含有する水を処理する工程と、
    前記分解槽において処理された水を分離槽に導く工程と、
    前記分離槽において、前記処理された水を、前記微生物を含有する組成物と前記微生物が実質的に除去された除去水とに分離する工程と、
    前記分離槽において前記微生物に微生物のエネルギー源を補給する工程と、
    前記微生物を前記分離槽から前記分解槽に導く工程と、
    を有することを特徴とする、塩素化有機化合物を含有する水を処理する方法。
  2. 前記分離槽の上部に貯まる上部ガスを引き抜き、前記分離槽の下部に導入する循環工程を有し、この循環工程において、前記エネルギー源を補給する請求の範囲第1項に記載の方法。
  3. 前記微生物が、メタン資化細菌、プロパン資化細菌、トルエン資化細菌、フェノール資化細菌、若しくは、アンモニア酸化細菌、又は、塩素化アリールを分解する能力を有する微生物である請求の範囲第1項又は第2項に記載の方法。
  4. 前記微生物が、メタン資化細菌である請求の範囲第1項又は第2項に記載の方法。
  5. 前記補給工程において、メタンと酸素とを含有する混合ガスが水溶液中の前記メタン資化細菌に補給され、前記水溶液の溶存酸素濃度が20〜400μg/lである請求の範囲第4項に記載の方法。
  6. 前記水処理工程において、集積培養体に含まれている微生物が用いられている請求の範囲第1項〜第5項のいずれかに記載の方法。
  7. 前記分解槽が入口及び出口を有し、前記分解槽の前記入口より前記塩素化有機化合物を含有する水が導入され、前記分解槽の前記入口から前記出口に渡って有機系塩素合物の濃度が次第に低くなっている、請求の範囲第1項〜第6項のいずれかに記載の方法。
  8. 塩素化有機化合物を含有する水に酸素又は空気を導入する工程と、
    前記酸素又は空気が導入された塩素化有機化合物を含有する水を分解槽に導く工程と、
    分解槽において、塩素化有機化合物を分解する能力を有する微生物により、塩素化有機化合物を含有する水を処理する工程と、
    前記分解槽において処理された水を分離槽に導く工程と、
    前記分離槽において、前記処理された水を、前記微生物を含有する組成物と前記微生物が実質的に除去された除去水とに分離する工程と、
    前記分離槽から再生槽に前記微生物を含有する組成物を導いた後、前記再生槽において前記微生物に微生物のエネルギー源を補給する工程と、
    前記微生物を前記再生槽から前記分解槽に導く工程と、
    を有することを特徴とする、塩素化有機化合物を含有する水を処理する方法。
  9. 前記微生物が、メタン資化細菌、プロパン資化細菌、トルエン資化細菌、フェノール資化細菌、若しくは、アンモニア酸化細菌、又は、塩素化アリールを分解する能力を有する微生物である請求の範囲第項に記載の方法。
  10. 前記微生物が、メタン資化細菌である請求の範囲第項に記載の方法。
  11. 前記補給工程において、メタンと酸素とを含有する混合ガスが水溶液中の前記メタン資化細菌に補給され、前記水溶液の溶存酸素濃度が20〜400μg/lである請求の範囲第10項に記載の方法。
  12. 前記水処理工程において、集積培養体に含まれている微生物が用いられている請求の範囲第8項〜第11項のいずれかに記載の方法。
  13. 前記分解槽が入口及び出口を有し、前記分解槽の前記入口より前記塩素化有機化合物を含有する水が導入され、前記分解槽の前記入口から前記出口に渡って有機系塩素合物の濃度が次第に低くなっている、請求の範囲第8項〜第12項のいずれかに記載の方法。
  14. 塩素化有機化合物を含有する水に酸素又は空気を導入するラインミキサーと、
    前記ラインミキサーにより酸素又は空気が混合された塩素化有機化合物を含有する水を受け入れる入口と処理後の水を排出する出口とを具備し、有機化合物を分解する能力を有する微生物により有機化合物を含有する水を処理するのに適した、分解槽と、
    前記分解槽において処理された水を、微生物を含有する組成物と微生物が実質的に除去された除去水とに分離するのに適した、分離槽と、
    前記分離槽において分離された微生物を含有する組成物を受け入れ、微生物の活性化又は増殖に適した、再生槽と、
    前記分解槽から前記分離槽に前記微生物を導く第1ライン手段と、
    前記分離槽において分離された微生物を含有する組成物を前記分離槽から前記再生槽へと導く第2ライン手段と、
    前記再生槽の内部の微生物にエネルギー源を補給するのに適した、補給ライン手段と、
    前記再生槽から前記分解槽に微生物を導くリサイクルライン手段と、
    を有する、塩素化有機化合物を含有する水を処理する装置。
  15. 前記分離槽が、その内部に中空糸膜又はフィルターを有する請求の範囲第14項に記載の装置。
  16. 前記分離槽の上部に貯まる上部ガスを引き抜き、前記分離槽の下部に導入する循環ライン手段を有する請求の範囲第15項に記載の装置。
  17. 前記分離槽に不活性ガスを導入するのに適した不活性ガス供給ラインが前記循環ライン手段に接続されており、
    前記再生槽にガス状のエネルギー源を導入するのに適したガスライン手段が接続されている、請求の範囲第16項に記載の装置。
  18. 塩素化有機化合物を含有する水に酸素又は空気を導入するラインミキサーと、
    前記ラインミキサーにより酸素又は空気が混合された塩素化有機化合物を含有する水を受け入れる入口と処理後の水を排出する出口とを具備し、有機化合物を分解する能力を有する微生物により有機化合物を含有する水を処理するのに適した、分解槽と、
    前記分解槽において処理された水を、微生物を含有する組成物と微生物が実質的に除去された除去水とに分離するのに適した、分離槽と、
    前記分解槽から前記分離槽に前記微生物を導く第1ライン手段と、
    前記分離槽の内部の微生物にエネルギー源を補給するのに適した、補給ライン手段と、
    前記分離槽から前記分解槽に微生物を導くリサイクルライン手段と、
    を有する、塩素化有機化合物を含有する水を処理する装置。
  19. 前記分離槽が、その内部に中空糸膜又はフィルターを有する請求の範囲第18項に記載の装置。
  20. 前記分離槽の上部に貯まる上部ガスを引き抜き、前記分離槽の下部に導入する循環ライン手段を有する請求の範囲第19項に記載の装置。
  21. 前記循環ラインに接続し、かつ、ガス状のエネルギー源を前記分離槽に導入するのに適した、ガスライン手段を有する請求の範囲第20項に記載の装置。
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