JP4224224B2 - 変換器のケース構造 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、液体、気体の圧力、加速度、温度等の一の状態量を電気信号等の他の状態量に変換する変換器のケース構造に関する。
【0002】
【背景技術】
従来、一の状態量を他の状態量に変換する変換器(センサチップ)としては、例えば、圧力を電気信号に変換する圧力センサチップが知られている。
図6には、従来例に係る圧力センサチップを適用した圧力センサ110の全体断面図が示されている。
圧力センサ110は、圧力導入孔140を有するケース本体120と、このケース本体120内部に設けられた変換器50および信号処理回路57と、これら変換器50および信号処理回路57を覆い、かつケース本体120に嵌合されるケース蓋130とを含んで構成されている。
【0003】
ケース本体120は、その内部に圧力導入孔140に連通される座堀部124を備え、この座堀部124は、パッキン125を介して基板127で塞がれている。基板127は、圧力導入孔140と連通される連通孔126を備えている。
また、ケース本体120は、内外に連通された通気口131を備え、この通気口131を通じて、圧力センサ110の内部が大気に開放されている。
【0004】
変換器50は、圧力の変化を静電容量の変化として検出する静電容量型の圧力センサチップであり、変換器50に接続された信号処理回路57とともに基板127上に設けられている。
変換器50は、弾性変形可能なダイアフラム53と、このダイアフラム53の周囲の厚肉部53Aに陽極接合されてダイアフラム53を挟持する上ガラス51および下ガラス52と、上ガラス51のダイアフラム53と対向する面に設けられた固定電極54とから構成されている。
ダイアフラム53と上、下ガラス51,52との間には所定の空隙が形成されており、ダイアフラム53は、この空隙において弾性変形することにより、上ガラス51の固定電極54に対して変位できるようになっている。
【0005】
上ガラス51は、スルーホール55を備え、このスルーホール55および通気口131を通じて、ダイアフラム53の上ガラス51側の空隙が大気に開放されている。
下ガラス52は、連通孔126と連通される圧力導入孔56を備え、この圧力導入孔56と連通孔126とを通じて、ダイアフラム53の下ガラス52側の空隙が圧力導入孔140に連通されている。
【0006】
信号処理回路57は、基板127上に設けられ、ワイヤボンディングによって変換器50の固定電極54およびダイアフラム53に接続されて、変換器50から出力された電気信号を処理している。
【0007】
以上のような圧力センサ110によれば、圧力導入孔140に圧力を導入すると、この圧力導入孔140に連通されたダイアフラム53の下ガラス52側の空隙と、大気に開放されたダイアフラム53の上ガラス51側の空隙とに差圧が発生して、この差圧によってダイアフラム53が撓み、ダイアフラム53とこれに対向する固定電極54との間の静電容量が変化する。この静電容量の変化を信号処理回路57で処理してコネクタ(図示省略)を介して外部に出力するようになっている。
なお、この圧力センサ110は、変換器50が通気口131を通じて大気に開放されているため、いわゆるゲージ圧(大気圧をゼロとしたときの、大気圧に対する差圧)センサとなっている。
【0008】
ところで、大気にパーティクルが含まれている状況下で圧力センサ110を使用する場合、圧力センサ110の変換器50が正常に機能しないおそれがあった。
すなわち、パーティクルが通気口131およびスルーホール55を通じて変換器50内に入り込み、ダイアフラム53に接触して動作を妨げたり、ダイアフラム53と固定電極54とを短絡させて故障させる可能性があった。
【0009】
以上のような問題点を解決するため、圧力センサのケースを密閉構造とし、ケースの一部にフィルタを介した通気口を設ける構造がある。この構造によれば、通気口からのみフィルタを介して大気が圧力センサ内に流入するから、パーティクルの侵入を確実に防ぐことができるようになる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、圧力センサのケースを密閉構造としても、変換器の周囲の容積、つまり圧力センサ内部の容積が大きいため、温度変化による圧力センサ内部の空気の膨張収縮による腐食性ガスや湿気を含む空気の流入、流出が多くなってしまい、圧力センサの機能が低下する可能性があった。
すなわち、いわゆる大気汚染物質(SO、NO等)等の腐食性ガスが大気中に含まれている場合は、腐食性ガスによってダイアフラム53や固定電極54が侵される可能性があった。また、大気の湿度が高い場合は、ダイアフラム53と固定電極54間の絶縁抵抗が下がってしまい、特に結露に至るとダイアフラム53と固定電極54との短絡が発生する可能性があり、腐食性ガスの溶解による腐食も発生しやすくなっていた。
さらに、圧力センサの密閉性を確保する方法としては、例えば、ケース蓋やコネクタにパッキンを介装する方法や、シール打ち等の方法が考えられるが、これらの方法では、工数が増加するばかりでなく、組立て精度の確保のためケース自体の小型化が困難であった。
【0011】
本発明の目的は、大気にパーティクル、腐食性ガス、湿気が含まれている状況下でも使用でき、かつ小型化可能な変換器のケース構造を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の変換器のケース構造は、次の構成を採用する。
請求項1に記載の変換器のケース構造は、基板を有するとともに流体導入孔が形成されたケース本体およびこのケース本体に取付けられるケース蓋を備えた収納ケースと、この収納ケース内部に取り付けられ前記流体導入孔に導入された流体の状態量を他の状態量に変換する変換器とを備えた変換器のケース構造において、前記ケース蓋に設けられ内外を連通する通気口と、前記収納ケース内部に設けられ前記収納ケースの内部空間に連通されるとともに前記変換器を覆うキャップとを備え、このキャップは、弾性および気密性を有する材料で形成されるとともに、底面部とこの底面部の外周部に設けられた当接部とを備え、前記キャップは、前記底面部に形成された通気孔とフィルタを介して前記収納ケースの内部空間に連通され、かつ、前記ケース蓋を前記ケース本体に取付けたときに前記変換器を覆うような位置で、前記ケース蓋に支持され、前記当接部は、その開口側端面が前記基板に押圧されて密着することを特徴とする。
【0013】
この発明によれば、変換器を弾性および気密性を有する材料で形成したキャップで覆ったので、変換器が設けられた回路基板等に過大な力を加えることなくキャップが密着するから、回路基板の動作に影響を与えることなく変換器を覆うことができる。そして、通気口を介してキャップ内と外部とを連通したので、変換器は、従来のように収納ケース全体で覆われる場合に比べ、キャップ内の小さな空間で覆われることとなり、温度変化によって空気が膨張収縮しても、変換器周囲への空気の流入量、流出量を抑制できるから、外部からの腐食性ガス、湿気の侵入を抑制できる。さらに、収納ケースの内部空間とキャップ内との連通部分の形状、大きさを調整することにより、大気中のパーティクルの侵入を抑制できるから、大気にパーティクル、腐食性ガス、湿気が含まれている状況下でも、機能を低下させることなく変換器を使用できる。
また、ケース本体とケース蓋との僅かな隙間を密閉する必要がないから、パッキンやシールが不要となるため、工数を削減できるうえに小型化でき、また、ケース本体とケース蓋との接合部分の設計自由度を向上できる。
しかも、前記キャップは、フィルタと通気孔を介して前記収納ケースの内部空間に連通されているから、収納ケース内部の空気等がキャップ内に流入する際に、フィルタによってパーティクルを確実に除去できるから、大量のパーティクルがあるような状況下においても変換器を使用できる。
その上、前記通気口は、前記ケース蓋に設けられ、前記キャップは、前記ケース蓋を前記ケース本体に取付けたときに前記変換器を覆うような位置で、前記ケース蓋に支持されているから、ケース蓋をケース本体に取付けるだけで、ケース蓋に支持されたキャップが自動的にケース本体内部の変換器を覆うことになるから、予めキャップで変換器を覆った後にケース蓋をケース本体に取付ける場合に比べ、高精度かつ迅速にキャップで変換器を覆うことができ、コストを削減できる。
【0014】
請求項2に記載の変換器のケース構造は、請求項1に記載の変換器のケース構造において、
前記収納ケース内部には、変換器から出力された信号を処理する信号処理回路が設けられ、
前記キャップは、前記信号処理回路を覆うことを特徴とする。
この発明によれば、キャップで変換器と共に信号処理回路を覆ったので、信号処理回路についても、請求項1と同様に、外部からのパーティクル、腐食性ガス、湿気の侵入を抑制できるから、信号処理回路の機能を低下させるようなパーティクル、腐食性ガス、湿気が含まれている状況下でも、機能を低下させることなく変換器を使用できる。
【0017】
請求項3に記載の変換器のケース構造は、請求項1または2に記載の変換器のケース構造において、前記キャップは、前記ケース蓋に立設されたガイド部に沿って支持されていることを特徴とする。
この発明によれば、キャップをガイド部に沿って支持したので、ケース蓋をケース本体に取付ける際の振動等によるキャップのずれを抑えることができ、変換器をキャップで確実に覆うことができるから、不良品の発生率を低減できる。
【0018】
請求項4に記載の変換器のケース構造は、請求項1から3のいずれかに記載の変換器のケース構造において、前記フィルタは、前記ケース蓋と前記キャップとの間に介装されていることを特徴とする。
この発明によれば、フィルタをケース蓋とキャップとの間に介装したので、接着剤等を用いることなく容易にフィルタをケース蓋に取付けることができるから、製造効率を向上できる。
【0019】
請求項5に記載の変換器のケース構造は、請求項1から4のいずれかに記載の変換器のケース構造において、前記フィルタは、フッ素樹脂から形成された多孔質構造を有していることを特徴とする。
この発明によれば、フィルタを耐熱性、耐薬品性、耐候性に優れたフッ素樹脂から形成した多孔質構造としたので、フィルタを交換することなく長期に亘って変換器を使用することができる。
【0020】
請求項6に記載の変換器のケース構造は、基板を有するとともに流体導入孔が形成されたケース本体およびこのケース本体に取付けられるケース蓋を備えた収納ケースと、この収納ケース内部に取り付けられ前記流体導入孔に導入された流体の状態量を他の状態量に変換する変換器とを備えた変換器のケース構造において、前記ケース蓋に設けられ内外を連通する通気口と、前記収納ケース内部に設けられ前記通気口に連通されるとともに前記変換器を覆うキャップとを備え、このキャップは、弾性および気密性を有する材料で形成されるとともに、底面部とこの底面部の外周部に設けられた当接部とを備え、前記キャップは、前記底面部に形成された通気孔とフィルタを介して前記収納ケースの内部空間に連通され、かつ、前記ケース蓋を前記ケース本体に取付けたときに前記変換器を覆うような位置で、前記ケース蓋に支持され、前記当接部は、その開口側端面が前記基板に押圧されて密着し、前記通気口には、前記収納ケース外部に連通するホースが装着可能とされていることを特徴とする。
【0021】
この発明によれば、変換器を弾性および気密性を有する材料で形成したキャップで覆ったので、変換器が設けられた回路基板等に過大な力を加えることなくキャップが密着するから、回路基板の動作に影響を与えることなく変換器を覆うことができる。そして、通気口およびホースを介してキャップ内と収納ケース外部とを連通したので、変換器は、従来のように収納ケース全体で覆われる場合に比べ、キャップ内の小さな空間で覆われることとなり、温度変化によって空気が膨張収縮しても、変換器周囲への空気の流入量、流出量を抑制できるうえに、ホースが所定長さを有することによってパーティクルの侵入を確実に抑制できるから、大気にパーティクル、腐食性ガス、湿気が含まれている状況下でも、機能を低下させることなく変換器を使用できる。
また、ケース本体とケース蓋との僅かな隙間を密閉する必要がないから、パッキンやシールが不要となるため、工数を削減できるうえに小型化でき、また、ケース本体とケース蓋との接合部分の設計自由度を向上できる。
しかも、前記キャップは、フィルタと通気孔を介して前記収納ケースの内部空間に連通されているから、収納ケース内部の空気等がキャップ内に流入する際に、フィルタによってパーティクルを確実に除去できるから、大量のパーティクルがあるような状況下においても変換器を使用できる。
その上、前記通気口は、前記ケース蓋に設けられ、前記キャップは、前記ケース蓋を前記ケース本体に取付けたときに前記変換器を覆うような位置で、前記ケース蓋に支持されているから、ケース蓋をケース本体に取付けるだけで、ケース蓋に支持されたキャップが自動的にケース本体内部の変換器を覆うことになるから、予めキャップで変換器を覆った後にケース蓋をケース本体に取付ける場合に比べ、高精度かつ迅速にキャップで変換器を覆うことができ、コストを削減できる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1には、本発明に係る変換器50が適用された圧力センサ10の断面図が示され、図2には、圧力センサ10の分解断面図が示されている。
圧力センサ10は、流体導入孔としての圧力導入孔40を有するケース本体20およびケース本体20に嵌合されるケース蓋30とを有する収納ケース60と、この収納ケース60内部に設けられた変換器50および信号処理回路57とを含んで構成されている。
【0023】
図3には、ケース本体20の平面図が示されている。
ケース本体20は、平面略四角形状の底面部21と、この底面部21の略中央に設けられた圧力導入部22(図1、図2参照)と、この圧力導入部22を囲むように設けられた4つの爪部28と、この爪部28近傍に設けられ収納ケース60内部と外部とを連通する通気口43(図1、図2中破線で示す)と、爪部28をほぼ囲むように立設された立上り部23と、その1側面から突出して設けられ圧力導入部22に連通される継手部41とを備えている。
また、立上り部23の外周側には、後述するケース蓋30の爪部38が係止される被係止部29が設けられている。
【0024】
図1および図2に戻って、圧力導入部22は、底面部21の略中央に設けられた座堀部24と、この座堀部24を囲むように配置されたシリコーンゴム等の柔軟性素材からなるパッキン25と、このパッキン25を介して座堀部24を塞ぐ基板27とで構成されている。
基板27は、爪部28によって座堀部24を塞ぐように固定され、座堀部24と変換器50とを連通する連通孔26を備えている
継手部41は、ホース等が接続可能とされ、その先端にケース本体20の座堀部24と連通される圧力導入孔40を備えている。
【0025】
変換器50および信号処理回路57は、従来例に係る圧力センサ110に用いられるものと同様なセンサであって、基板27の上に設けられている。
また、ケース本体20の側面には、信号処理回路57に接続されたコネクタ58(図3参照)が設けられ、このコネクタ58を介して、信号処理回路57で処理された電気信号が外部に出力されるようになっている。
【0026】
図4には、ケース蓋30の平面見上げ図が示されている。
ケース蓋30は、略四角形板状のケース蓋本体31と、このケース蓋本体31の外周のほぼ全周から立ち上がった立上り部32と、ケース蓋本体31の4辺のうち相対向する2辺側でかつ立上り部32の内側に立設された押圧部34と、ケース蓋本体31の4辺のうち押圧部34を除く1辺寄りに設けられて変換器50を覆う保護部33とを備えている。
立上り部32の一部には、ケース本体20の被係止部29に係止する爪部38が設けられている。
また、押圧部34は、図1に示すように、ケース蓋30をケース本体20に嵌合した際に、爪部28と立上り部23との間に差し込まれ、爪部28を基板27側に向けて押圧することによって、基板27が座堀部24から脱落しないようになっている。
【0027】
図5には、保護部33の分解斜視図が示されている。
保護部33は、ケース蓋30をケース本体20に嵌合したときに変換器50を覆うような位置にケース蓋本体31に設けられている。
保護部33は、ケース蓋本体31の内側に設けられた溝35と、この溝35を跨ぎかつ溝35の一端側を囲むようにケース蓋本体31に立設されたガイド部37と、このガイド部37に沿って支持され溝35に連通されるキャップ70と、溝35とキャップ70との間に介装されたフィルタ36とを備えている。
【0028】
キャップ70は、弾性および気密性を有する合成ゴム等の柔軟性材料で形成され、長方形板状の底面部71と、この底面部71の外周全周から立ち上がりガイド部37に嵌合されて支持される被支持部72と、この被支持部72の先端外周側全周に設けられ被支持部72より一回り大きく形成された当接部73とを含んで構成されている。なお、キャップ70は、天然ゴム等その他の材料で形成されてもよい。
底面部71の長手方向一端側には、溝35に連通される通気孔74が設けられている。
キャップ70は、その被支持部72をケース蓋本体31のガイド部37に嵌め込むことによって、被支持部72の外周面がガイド部37の内周面に沿って支持されるとともに、当接部73の下端面がガイド部37の先端面に当接されるようになっている。
フィルタ36は、フッ素樹脂から形成された多孔質構造を有し、フィルタ36を通過する空気等に含まれるパーティクルを除去するようになっている。
【0029】
したがって、保護部33において、キャップ70の内側は、溝35、フィルタ36、および通気孔74を通じて収納ケース60の内部空間と連通されている。
【0030】
よって、ケース蓋30でケース本体20を覆い、ケース蓋30の爪部38をケース本体20の被係止部29に係止させることによって嵌合すると、キャップ70が変換器50を覆うとともに、キャップ70の当接部73の開口側端面がケース本体20の基板27に接触し、基板27に押圧されて変形しつつ密着する。この時、当接部73は、ガイド部37に支持されることとなり、基板27によって押圧されても大きく変形しないようになっている。
なお、キャップ70の当接部73の基板27への密着度は、当接部73のケース蓋本体31からの高さ、硬さ、および当接部73を支持するガイド部37のケース蓋本体31からの高さによって決定されるが、これらは適宜決められてよい。
【0031】
以上のような圧力センサ10によれば、変換器50のダイアフラム53の上ガラス51側の空隙は、上ガラス51のスルーホール55、通気孔74および溝35、通気口43を通じて、大気に開放される。また、ダイアフラム53の下ガラス52側の空隙は、圧力導入孔56と連通孔26とを通じて、圧力導入孔40に連通される。したがって、圧力導入孔40に圧力を導入すると、この圧力導入孔40に連通されたダイアフラム53の下ガラス52側の空隙と、大気に開放されたダイアフラム53の上ガラス51側の空隙との差圧が発生して、変換器50の静電容量が変化し、この静電容量の変化が信号処理用の回路で処理されてコネクタ58を介して外部に出力されるようになっている。
【0032】
したがって、本実施形態によれば以下の効果がある。
(1)変換器50を弾性および気密性を有する柔軟性材料、例えば合成ゴムで形成されたキャップ70で覆うことにより、変換器50が設けられた基板27および変換器50に接続された信号処理回路57に過大な力が加わることなく、キャップ70の当接部73の開口側端面が基板27および信号処理回路57に密着するから、信号処理回路57の動作に影響を与えることなく変換器50を覆うことができる。そして、通気孔74、フィルタ36、溝35、通気口43を介してキャップ70内部を外部に連通することにより、変換器50は従来のように収納ケース60全体で覆われる場合に比べ、キャップ70内部の小さな空間に覆われるので、温度変化によって空気が膨張収縮しても、変換器50周囲の空気の流入量、流出量を抑制できるから、収納ケース60外部からの腐食性ガス、湿気の侵入を抑制できる。さらに、溝35の形状、大きさを調整することにより、大気中のパーティクルの侵入を抑制できるから、大気にパーティクル、腐食性ガス、湿気が含まれている状況下でも、機能を低下させることなく圧力センサ10を使用できる。
また、ケース本体20とケース蓋30との僅かな隙間を密閉する必要がないから、パッキンやシールが不要となるため、工数を削減できるうえに小型化でき、また、ケース本体20とケース蓋30との接合部分の設計自由度を向上できる。
【0033】
(2)収納ケース60内部の空気等がキャップ70内に流入する際に、フィルタ36によってパーティクルを確実に除去できるから、大量のパーティクルがあるような状況下においても圧力センサ10を使用できる。
【0034】
(3)ケース蓋30をケース本体20に嵌合させることにより、ケース蓋30に支持されたキャップ70が自動的にケース本体20内部の変換器50を覆うこととなるから、予め変換器50を覆うようにキャップ70を固定した後にケース蓋30をケース本体20に嵌合させた場合に比べ、高精度かつ迅速にキャップ70で変換器50を覆うことができ、コストを削減できる。
【0035】
(4)キャップ70をガイド部37に沿って支持したので、ケース蓋30をケース本体20に嵌合させる際の振動等によるキャップ70の当接部73のずれを最小限に抑えることができる。したがって、ケース本体20の変換器50を完全に覆うことなくケース蓋30をケース本体20に嵌合してしまうようなミスを防止できるから、変換器50をキャップ70で確実に覆うことができ、製造時の不良品発生率を低減できる。
【0036】
(5)フィルタ36をケース蓋本体31とキャップ70の底面部71との間に介装したので、接着剤等を用いることなく容易にケース蓋30に取付けることができるから、製造効率を向上できる。
【0037】
(6)フィルタ36を耐熱性、耐薬品性、耐候性に優れたフッ素樹脂から形成した多孔質構造としたので、フィルタ36を交換することなく長期に亘って圧力センサ10を使用することができる。
【0038】
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、図1中二点鎖線で示すように、収納ケース60の内外を連通する継手39をケース蓋本体31に設け、この継手39に先端が外部に開放されたホースを装着するとともに、継手39とキャップ70内とを直接連通させてもよい。
このようにすれば、変換器50を弾性および気密性を有する材料で形成したキャップ70で覆ったので、信号処理回路57の動作に影響を与えることなく変換器50を覆うことができる。そして、継手39およびホースを介してキャップ70内と収納ケース60外部とを連通したので、変換器50は従来のように収納ケース60全体で覆われる場合に比べ、キャップ70内部の小さな空間に覆われるから、温度変化によって空気が膨張収縮しても、変換器50周囲への空気の流入量、流出量を抑制できるうえに、ホースが所定長さを有することによってパーティクルの侵入を確実に抑制できるから、大気にパーティクル、腐食性ガス、湿気が含まれている状況下でも、機能を低下させることなく圧力センサ10を使用できる。
また、ケース本体20とケース蓋30との僅かな隙間を密閉する必要がないから、パッキンやシールが不要となるため、工数を削減できるうえに小型化でき、また、ケース本体20とケース蓋30との接合部分の設計自由度を向上できる。
【0039】
また、本実施形態では、キャップ70で変換器50のみを覆ったが、これに限らず、キャップ70で変換器50と共に信号処理回路57も覆うようにしてもよい。このようにすれば、信号処理回路57についても、外部からのパーティクル、腐食性ガス、湿気の侵入を抑制できるから、信号処理回路57の機能を低下させるようなパーティクル、腐食性ガス、湿気が含まれている状況下でも、機能を低下させることなく変換器を使用できる。
【0040】
また、本実施形態では、ダイアフラム53と固定電極54の静電容量の変化を信号処理用回路で処理することによって圧力センサとして用いたが、これに限らず、信号処理用回路の設計を変更することによって、温度、加速度等の一の状態量を電気信号等の他の状態量に変換する温度センサ、加速度センサ等として用いてもよい。
また、本実施形態では、圧力センサ10を静電容量型としたが、これに限らず、ブリッジ型回路を用いた歪みゲージ型等でもよい。
【0041】
【発明の効果】
本発明の変換器のケース構造によれば、次のような効果が得られる。
変換器を弾性および気密性を有する材料で形成したキャップで覆ったので、変換器が設けられた回路基板等に過大な力を加えることなくキャップが密着するから、回路基板の動作に影響を与えることなく変換器を覆うことができる。そして、通気口を介してキャップ内と外部とを連通したので、変換器は、従来のように収納ケース全体で覆われる場合に比べ、キャップ内の小さな空間で覆われることとなり、温度変化によって空気が膨張収縮しても、変換器周囲への空気の流入量、流出量を抑制できるから、外部からの腐食性ガス、湿気の侵入を抑制できる。さらに、収納ケースの内部空間とキャップ内との連通部分の形状、大きさを調整することにより、大気中のパーティクルの侵入を抑制できるから、大気にパーティクル、腐食性ガス、湿気が含まれている状況下でも、機能を低下させることなく変換器を使用できる。
また、ケース本体とケース蓋との僅かな隙間を密閉する必要がないから、パッキンやシールが不要となるため、工数を削減できるうえに小型化でき、また、ケース本体とケース蓋との接合部分の設計自由度を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る変換器が適用された圧力センサを示す断面図である。
【図2】前記実施形態に係る圧力センサの分解した状態の断面図である。
【図3】前記実施形態に係るケース本体の平面図である。
【図4】前記実施形態に係るケース蓋の平面見上げ図である。
【図5】前記実施形態に係る変換器を覆う部分の分解斜視図である。
【図6】従来例に係る圧力センサを示す断面図である。
【符号の説明】
10 圧力センサ
20 ケース本体
30 ケース蓋
31 ケース蓋本体
36 フィルタ
37 ガイド部
40 圧力導入孔
43 通気口
50 変換器
57 信号処理回路
70 キャップ

Claims (6)

  1. 基板を有するとともに流体導入孔が形成されたケース本体およびこのケース本体に取付けられるケース蓋を備えた収納ケースと、この収納ケース内部に取り付けられ前記流体導入孔に導入された流体の状態量を他の状態量に変換する変換器とを備えた変換器のケース構造において、
    前記ケース蓋に設けられ内外を連通する通気口と、前記収納ケース内部に設けられ前記収納ケースの内部空間に連通されるとともに前記変換器を覆うキャップとを備え、
    このキャップは、弾性および気密性を有する材料で形成されるとともに、底面部とこの底面部の外周部に設けられた当接部とを備え、
    前記キャップは、前記底面部に形成された通気孔とフィルタを介して前記収納ケースの内部空間に連通され、かつ、前記ケース蓋を前記ケース本体に取付けたときに前記変換器を覆うような位置で、前記ケース蓋に支持され、
    前記当接部は、その開口側端面が前記基板に押圧されて密着する
    ことを特徴とする変換器のケース構造。
  2. 請求項1に記載の変換器のケース構造において、
    前記収納ケース内部には、変換器から出力された信号を処理する信号処理回路が設けられ、
    前記キャップは、前記信号処理回路を覆うことを特徴とする変換器のケース構造。
  3. 請求項1または2に記載の変換器のケース構造において、
    前記キャップは、前記ケース蓋に立設されたガイド部に沿って支持されていることを特徴とする変換器のケース構造。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の変換器のケース構造において、
    前記フィルタは、前記ケース蓋と前記キャップとの間に介装されていることを特徴とする変換器のケース構造。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の変換器のケース構造において、
    前記フィルタは、フッ素樹脂から形成された多孔質構造を有していることを特徴とする変換器のケース構造。
  6. 基板を有するとともに流体導入孔が形成されたケース本体およびこのケース本体に取付けられるケース蓋を備えた収納ケースと、この収納ケース内部に取り付けられ前記流体導入孔に導入された流体の状態量を他の状態量に変換する変換器とを備えた変換器のケース構造において、
    前記ケース蓋に設けられ内外を連通する通気口と、前記収納ケース内部に設けられ前記通気口に連通されるとともに前記変換器を覆うキャップとを備え、
    このキャップは、弾性および気密性を有する材料で形成されるとともに、底面部とこの底面部の外周部に設けられた当接部とを備え、
    前記キャップは、前記底面部に形成された通気孔とフィルタを介して前記収納ケースの内部空間に連通され、かつ、前記ケース蓋を前記ケース本体に取付けたときに前記変換器を覆うような位置で、前記ケース蓋に支持され、
    前記当接部は、その開口側端面が前記基板に押圧されて密着し、
    前記通気口には、前記収納ケース外部に連通するホースが装着可能とされていることを特徴とする変換器のケース構造。
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