JP4224154B2 - 自己校正型角度検出装置及び検出精度校正方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、自己校正型角度検出装置及びそれを用いた検出精度校正方法に関し、工作機械、半導体製造装置、各種精密機械等において高精度な機械軸回転角度計測及び制御を行なうのに適したものであり、また、鍛圧機械、製鉄機械等各種産業機械等に搭載されたままの状態で角度精度校正処理を実行し、これによって高精度な機械回転角度計測及び制御を行なうことができるものであり、また、各種車両又は乗り物において超小型・高分解能・高精度で回転位置角度若しくは速度を計測し制御する場合等に適用するのに適したものであり、更に、回転角度以外の位置検出器の精度校正にも適用し得るものである。
【0002】
【従来の技術】
各種精密機械、各種産業機械等においては、回転角度検出器(シャフトエンコーダ)によって機械軸の回転角度(すなわち回転位置)を検出し、必要な制御に利用することが広く行なわれている。この種の回転角度検出器としては、光学式ロータリエンコーダや、レゾルバのような磁気誘導型回転位置検出器、あるいはレゾルバと同様の位相検出原理に基づく可変磁気抵抗型回転位置検出器など種々のタイプのものが知られているが、どのようなタイプの回転角度検出器においても、個々の検出器毎の製造誤差つまり個体機差や、機械軸に取り付けた際のミスアラインメントやカプリングの不良など様々な要因によって、検出精度が不十分なことが多い。そのため、高精密が要求される用途に回転位置検出器を使用する場合は、どうしても、検出器の検出角度精度を校正してやる必要がある。従来の角度精度校正装置は、基準の検出器としてそれ自体に高精度が要求される検出器を必要としており、また、専用の角度割り出し機構に校正対象検出器と基準検出器を取り付けて校正処理を行なう校正からなるものがほとんどであり、計測対象である現場の機械軸に検出器を取り付けた状態で校正を行なうことは困難であった。また、校正装置の構造も複雑であった。なお、従来知られた角度精度校正技術として、例えば、「精密工学会誌,Vol.44,No.5」(1978年発行)の539頁〜544頁に掲載の論文「角度の標準器とその校正方法」(豊山晃著)に記載されたものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は上述の点に鑑みてなされたもので、高精密な基準検出器を必要とせず、校正対象検出器それ自身による自己校正方式によって角度校正を行なうことができる自己校正型角度検出装置を提供しようとするものであり、また、専用の角度割り出し機構を使用することなく、任意の機械軸(好ましくは校正対象検出器を装着する現場の計測対象機械軸そのものであってよい)に校正対象検出器を装着して簡便に校正を行なうことができる検出精度校正方法を提供しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る自己校正型角度検出装置は、共通の機械軸に取り付けられ、該機械軸の回転角度に応じた角度検出データを所定の分解能で出力する第1の角度検出器及び第2の角度検出器と、前記機械軸に対する前記第1の角度検出器の取付け位置に対して、前記機械軸に対する前記第2の角度検出器の取付け位置を、所定角度づつ相対的にずらして複数M通り(ただし、Mは1回転360°を等分割する整数)の相対的取付け角位置φ=k(360°/M)(ただし、kは各相対的取付け角位置を区別する序数であって、k=0,1,2,...,M−1)をそれぞれ割り出し、各割り出した相対的取付け角位置毎に前記機械軸の各回転位置に対する前記第1及び第2の角度検出器の角度検出データSA(θ),SB(θ)をそれぞれ求めると共に、前記第1の角度検出器の各角度検出データ毎の両者の差δ k (θ,φ)をそれぞれ求め、更に、前記各相対的取付け角位置毎の前記δ k (θ,φ)の単純算術平均を求めることで、少なくとも第1の角度検出器の各角度検出データSA(θ)に関する誤差値Aε(θ)をそれぞれ算出する誤差計算部と、検出対象機械軸の現回転位置に応じて少なくとも前記第1の角度検出器から出力される現在角度検出データSA(θ)に応じて、該現在角度検出データに関して前記誤差計算部で求められた前記誤差値Aε(θ)を使用し、該誤差値を差し引くことにより該現在角度検出データの値を校正する校正部とを具備する自己校正型角度検出装置であって、前記第1及び第2の角度検出器は、それぞれ、所定の交流信号によって励磁され、誘導出力信号を生じるコイル部であって、複数の極を構成するものと、該コイル部における誘導係数を該コイル部に対する相対的回転位置に応じて変化させる磁気応答部とを具備し、前記機械軸の回転位置の変化に応じて前記コイル部と磁気応答部との相対的回転位置が変化し、該機械軸の回転位置に応じた誘導出力信号を前記コイル部に生じるようにしたものであり、前記第1及び第2の角度検出器における前記コイル部の極構成は、前記等分割数Mが4の場合は、3極構成を基本とするものであり、前記等分割数Mが9又は11又は13の場合は、4極構成を基本とするものであることを特徴とする。
【0005】
この発明によれば、第1の角度検出器及び第2の角度検出器は、いずれも校正対象検出器つまり通常の角度検出器であってよく、格別・専用の高精密な基準検出器であることを要しない。校正のための誤差データ算出処理に際しては、これらの第1及び第2の角度検出器が共通の機械軸に取り付けられる。この機械軸は、格別・専用の角度割り出し機構の角度割り出し軸である必要はなく、任意の機械軸であってよい。最も好ましくは、校正対象たる角度検出器を実際に取り付けて使用する現場の機械軸(つまり検出対象機械軸)であるとよい。その場合は、現場の機械軸(つまり検出対象機械軸)に角度検出器を取り付けた状態で、校正のための誤差データ算出処理を遂行することができ、その後、該角度検出器を取り付けたままの状態で(つまり角度検出器の付け替えを行なうことなく)検出対象機械軸の回転角度の検出及びそれに基づく制御を遂行することができるので、極めて効率的であると共に、実際に該角度検出器を使用する現場の機械軸(つまり検出対象機械軸)に取り付けた状態で校正のための誤差データ算出処理を行なうので角度精度校正の精度と信頼性を向上させることができる。
【0006】
校正のための誤差データ算出処理は、誤差計算部によって行なわれる。その処理内容は、前記機械軸に対する前記第1の角度検出器の取付け位置に対して、前記機械軸に対する前記第2の角度検出器の取付け位置を、所定角度づつ相対的にずらして複数通りの相対的取付け角位置をそれぞれ割り出し、各割り出した相対的取付け角位置毎に前記機械軸の全回転位置に対する前記第1及び第2の角度検出器の角度検出データをそれぞれ求め、前記第1の角度検出器の各角度検出データ毎の両者の差に基づき少なくとも第1の角度検出器の各角度検出データに関する誤差値をそれぞれ算出することからなっている。第1及び第2の角度検出器の角度検出データは、それぞれ真の角度θを示す値と誤差εとを含んでいる。なお、誤差εは、各角度θの値に応じて固有の誤差値を持ち得るため、これをε(θ)なる関数で示すこととし、特に、第1の角度検出器の誤差をAε(θ)で示し、第2の角度検出器の誤差をBε(θ)で示すことにする。よって、第1及び第2の角度検出器の角度検出データの差は、真の角度θを示す値を相殺し、両者の誤差Aε(θ)及びBε(θ)に関連する値を示すこととなる。よって、この第1及び第2の角度検出器の角度検出データの差を、所定のアルゴリズムを用いて処理することにより、少なくとも第1の角度検出器の各角度検出データに関する誤差値つまりAε(θ)を算出することができる。この詳しいアルゴリズム例については追って実施例において説明する。
【0007】
こうして算出した誤差値Aε(θ)はメモリ等に格納しておき、検出対象機械軸の角度検出時に校正データとして使用する。すなわち、校正部においては、検出対象機械軸の現回転位置に応じて少なくとも前記第1の角度検出器から出力される現在角度検出データに応じて、該現在角度検出データに関して前記誤差計算部で求められた前記誤差値Aε(θ)を使用し、該誤差値に応じて該現在角度検出データの値を校正する。
【0008】
このようにして、校正対象検出器それ自身による自己校正方式によって角度校正を行なうことができ、また、専用の角度割り出し機構を使用することなく、任意の機械軸(好ましくは校正対象検出器を装着する現場の計測対象機械軸そのものであってよい)に校正対象検出器を装着して簡便に校正を行なうことができる、等の優れた効果を奏する。更に、前記第1及び第2の角度検出器における前記コイル部の極構成として、前記等分割数Mが4の場合は、3極構成を基本とし、前記等分割数Mが9又は11又は13の場合は、4極構成を基本とするとしたことにより、わずかな誤差成分も非常に少なくできるようにした自己校正型検出装置を提供することができる。
【0009】
この発明は、装置発明として構成し、実施することができるのみならず、方法発明として構成し、実施することもできる。また、この発明は、コンピュータプログラムの形態で実施することができるし、そのようなコンピュータプログラムを記憶した記録媒体の形態で実施することもできる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照してこの発明の実施の形態を詳細に説明しよう。
図1は、この発明に係る自己校正型角度検出装置における角度検出器の構造例を示す図で、(A)は第1及び第2の角度検出器1及び2の軸方向断面略図、(B)は各角度検出器1及び2の正面略図、である。2つの角度検出器1及び2は、同一構造、同一分解能のアブソリュート型角度検出器(シャフトエンコーダ)であって、共通の機械軸3に取り付けられる。その検出器構造原理は非接触式可変磁気抵抗型の磁気誘導検出器からなり、その位置検出原理は例えば特開平9−126809号公報に示されたようなレゾルバ原理に従う位相計測方式を採用してなるものである。
【0011】
第1の角度検出器1についてその一例を説明すると、1次コイルPWと2次コイルSW1,SW2,SW3,SW4を配置してなるステータ1Sと、鉄のような強磁性体を所定の形状(例えば図1(B)に示すような略ハート形)で形成してなるロータ1Rとを含んで構成されている。ロータ1Rの材質は、鉄のような磁性体に限らず、銅又はアルミニウムのような導電体であってもよく、要は磁気に対して応答し、コイルに対する誘導係数を変化させる性質のものであればよく、どのような材質及び/又は形状を用いるかは周知の技術である。2次コイルSW1,SW2,SW3,SW4は、ステータ1Sの基板上において円周方向に略90度の間隔で配置された4極の磁性体コアのそれぞれに巻回されてなり、各2次コイル極の端部が、エアギャップを介してロータ1Rの一面に対して非接触的に対向している。ロータ1Rの略ハート形の形状によって、ステータ1Sに対する該ロータ1Rの相対的回転角度(図1(B)の円周方向の角度)θに応じて、各2次コイル極の端部とロータ1Rとの対向面積が変化する。ステータ1Sにおいて、1次コイルPWは、最外周に沿って巻回されており、そのコイル長は図1(A)に示すように、2次コイルSW1〜SW4及びロータ1Rの箇所を充分にカバーしうるような長さとなっている。これにより、1次コイルPWによって発生する交流磁界が、2次コイルSW1〜SW4及びロータ1Rの箇所に充分な影響を及ぼし、各2次コイル極の端部とロータ1Rとが対向するエアギャップの面積変化を充分に反映した有効な誘導電圧を各2次コイルSW1〜SW4に誘導することができるようになっている。
【0012】
かくして、ステータ1Sに対するロータ1Rの相対的回転角度θに応じて、2次コイルSW1の誘導電圧レベルはsinθの関数特性を示し、それよりも90度ずれた2次コイルSW2の誘導電圧レベルはcosθの関数特性を示し、それよりも90度ずれた2次コイルSW3の誘導電圧レベルは−sinθの関数特性を示し、それよりも90度ずれた2次コイルSW4の誘導電圧レベルは−cosθの関数特性を示すものとすることができる。1次コイルPWと2次コイルSW1〜SW4の結線を図2に示すようにし、交流成分をsinωtで示すと、2次コイルSW1とSW3の差動出力としてsinθ・sinωtを得ることができ、2次コイルSW2とSW4の差動出力としてcosθ・sinωtを得ることができる。
【0013】
こうして、ステータ1Sに対するロータ1Rの回転角度θに対応する第1の関数値sinθを振幅値として持つ第1の出力交流信号=sinθ・sinωtと、同じ回転角度θに対応する第2の関数値cosθを振幅値として持つ第2の出力交流信号=cosθ・sinωtとが出力される。このようなコイル構成によれば、回転型位置検出装置として従来知られたレゾルバにおいて得られるのと同様の、同相交流であって2相の振幅関数を持つ2つの出力交流信号(サイン出力とコサイン出力)を2次コイルから得ることができることが理解できる。
【0014】
この2次コイルから出力される2相の出力交流信号(sinθ・sinωtとcosθ・sinωt)は、従来知られたレゾルバの出力と同様の使い方をすることができる。例えば、2次コイルの2相の出力交流信号(sinθ・sinωtとcosθ・sinωt)を適切なディジタル位相検出回路に入力し、前記サイン関数sinθとコサイン関数cosθの位相値θをディジタル位相検出方式によって検出し、回転角度θのアブソリュート値を所定の分解能で表すディジタルデータを得るようにすることができる。このディジタル位相検出回路で採用するディジタル位相検出方式としては、公知のR−D(レゾルバ−ディジタル)コンバータを適用してもよいし、特開平9−126809号公報に示されたような位相計測方式を採用してもよい。
【0015】
特開平9−126809号公報に示されたような位相計測方式では、おおまかに説明すると、一方の出力交流信号sinθ・sinωtを電気的に90度位相シフトしてsinθ・cosωtを作成し、これと他方の出力交流信号cosθ・sinωtとを加算又は減算合成することで、sin(ωt+θ)またはsin(ωt−θ)のような、回転角度θを電気的位相角の初期位相成分として含んだ出力交流信号を形成し、この出力交流信号における電気的初期位相成分θをディジタルカウントすることにより、回転角度θのアブソリュート値を所定の分解能で表すディジタルデータを得るようにしている。従って、1回転(0度〜360度の範囲)の回転角度θを極めて高分解能かつ高応答で検出することができる。また、ステータ1Sとロータ1Rとからなる角度検出器1の機械的構造も極めて小型化することができるものである。一例として、ステータ1Sとロータ1Rとからなる角度検出器1の外形寸法を直径数センチメートル、軸方向長さ数センチメートルと超小型化することができ、1回転当たりのアブソリュート検出分解能を数万分割乃至数十万分割といった高分解能とすることができるものが製作されている。
【0016】
第2の角度検出器2も、同様にステータ2Sとロータ2Rを含んでおり、上記した第1の角度検出器1と同一構造であってよい。
【0017】
図3は、この発明に係る自己校正型角度検出装置の全体的な構成を示すブロック図である。変換部1Dは、第1の角度検出器1のための電気的変換部であって、2進カウンタ11で高速クロックパルスCPをカウントし、そのカウント出力に基づきサイン波生成部12でサイン波信号sinωtを生成し、これをD/A変換器13でアナログ波形信号に変換して、第1の角度検出器1の1次コイルPWに励磁交流信号として印加する。カウンタ11のカウント値が0から最大値まで1巡する時間が励磁交流信号sinωtの1周期に相当する。第1の角度検出器1の各2次コイルSW1〜SW4から出力される上記の2相出力交流信号sinθ・sinωtとcosθ・sinωtは入力バッファアンプ14を介して入力され、振幅・位相変換部15における電気的演算処理によってその回転角度θの成分を上記のように振幅成分から電気的位相角に変換し、sin(ωt+θ)及び/またはsin(ωt−θ)を得る。この信号をゼロクロスコンパレータ16に入力して初期位相分θに対応するタイミングでゼロクロス検出パルスを生成し、これによって、このときのカウンタ11のカウント値をラッチ回路17にラッチする。すなわち、カウンタ11のカウント値は、sinωtの瞬時位相が0のときに0からのカウントを開始するので、sin(ωt+θ)またはsin(ωt−θ)のゼロクロス検出タイミングでのカウント値は角度θに対応するアブソリュート値を示している。ラッチ回路17の出力は演算部18に入力され、所要の演算処理(例えば特開平9−126809号公報に示されたような演算処理)が必要に応じて施される。そして、第1の角度検出器1による角度検出データ(これをSA(θ)で示す)として、バスコントロール及び出力バッファ19を介して上位コンピュータのデータバス20に与えられる。
【0018】
変換部2Dは、第2の角度検出器2のための電気的変換部であって、上記の変換部1Dと同一構成からなる。よって、詳細説明は省略する。かくして、変換部2Dのバスコントロール及び出力バッファからも、第2の角度検出器2による角度検出データ(これをSB(θ)で示す)が出力され、上位コンピュータのデータバス20に与えられる。
【0019】
第1の角度検出器1による角度検出データSA(θ)及び第2の角度検出器2による角度検出データSB(θ)は、各個体毎の製造時の機差等各種の原因によって誤差を含んでいるものである。この誤差を検出し、校正を行なうための各種処理が、CPU21,RAM22,ROM23,デコーダ24等を含む上位コンピュータによって実行される。誤差の算出及び校正のための処理プログラムはRAM22またはROM23に記憶されており、CPU21によって実行される。また、RAM22は各種データの一時メモリとして、またワーキングメモリとして使用される。ROM23はEEPROMのような書き込み可能なROMを含んでおり、算出した誤差データをここに書き込み、不揮発的に記憶する。デコーダ24はアドレスバス25に与えられたアドレスのデコード及びCPU21から与えられる命令のデコードを行なう。出力ラッチ回路26は、このコンピュータによって校正済みの角度データをラッチし、出力するものである。
【0020】
次に、この発明に従う角度精度校正方法の原理につき説明する。
使用する2つの角度検出器1及び2はどちら共、校正対象検出器たりうるものであり、格別・専用の基準検出器を用いることなく、校正対象検出器たる2個の角度検出器1及び2を用いてそれ自身の角度精度校正を行なう校正であるため、この発明に従う角度精度校正方法にわれば、校正対象検出器それ自身を用いた自己校正型の角度精度校正が行なわれる。
【0021】
第1の角度検出器1による角度検出データSA(θ)に含まれている誤差をAε(θ)で示すことにする。この誤差は一様ではなく、角位置θ(0度〜360度若しくは0〜2πラジアンの範囲の変数)に関してそれぞれ特有の値を示すため、誤差を角位置θの関数として、Aε(θ)で示す。同様に、第2の角度検出器2による角度検出データSB(θ)に含まれている誤差をBε(θ)で示すことにする。これらの誤差Aε(θ)及びBε(θ)は未知の値であり、既知の値である検出器1,2のアブソリュート角度検出データSA(θ),SB(θ)に基づき、これらの誤差Aε(θ)、Bε(θ)を算出し、校正データとして使用するのである。これらの誤差Aε(θ)及びBε(θ)は、角位置θの関数であるため、角位置誤差とも呼ぶ。
【0022】
理解を容易にするために、それぞれの角位置誤差Aε(θ)、Bε(θ)の一例をグラフにて示す。図4の(a)は第1の角度検出器1による角度検出データSA(θ)に含まれている誤差Aε(θ)の一例を示す波形図、(b)は第2の角度検出器2による角度検出データSB(θ)に含まれている誤差Bε(θ)の一例を示す波形図、である。図において、横軸は角位置θであり、このθは機械的角度に対応している。
【0023】
便宜上、角度検出データSA(θ)及びSB(θ)に含まれている真の角位置θに対応するデータをそのままθを用いて表すと、SA(θ)及びSB(θ)は下記式(1)のように表わせる。
SA(θ)=θ+Aε(θ)
SB(θ)=θ+Bε(θ) …式(1)
【0024】
ここで、両者の差を求めると、
δ(θ)=SA(θ)−SB(θ)
=Aε(θ)−Bε(θ) …式(2)
となり、角位置θのデータが相殺されて、誤差成分のみが得られることが判る。このδ(θ)を「相対角位置誤差」と呼ぶことにする。
【0025】
上記式(1)は、第1及び第2の角度検出器1及び2の出力(SA(θ)及びSB(θ))の回転角度θに対する位相が一致している場合であって、この位相がφ度ずれている場合は、
SA(θ)=θ+Aε(θ)
SB(θ+φ)=θ+φ+Bε(θ+φ) …式(3)
と表わせる。
【0026】
上記式(3)の意味は、第1の角度検出器1が角度θに対応する角度検出データSA(θ)を出力しているとき、第2の角度検出器2は角度θからφ度だけ位相がずれた角度θ+φに対応する角度検出データSB(θ+φ)を出力することである。
【0027】
ここで、φを既知の値として、意図的に第1及び第2の角度検出器1及び2の出力(SA(θ)及びSB(θ))の回転角度θに対する位相をφだけずらすように設定することができる。よって、SB(θ+φ)からφを減算して、下記のように変形することは容易にできる。
SB(θ+φ)−φ=θ+Bε(θ+φ) …式(4)
【0028】
しかして、2つの検出器1,2の角度検出データの位相がφずれているときの両者の誤差成分を抽出したものである「相対角位置誤差」を容易に求めることができ、これをδ(θ,φ)で示すと、
δ(θ,φ)=SA(θ)−{SB(θ+φ)−φ}
=θ+Aε(θ)−{θ+Bε(θ+φ)}
=Aε(θ)−Bε(θ+φ) …式(5)
と表わせる。なお、ここで、φ=0のときの解が上記式(2)のδ(θ)に相当するので、上記式(2)を含む一般式として式(5)を用いることにする。
【0029】
このように、複数の異なる値のφに関して、上記式(3)に従う各角度検出データSA(θ)及びSB(θ)(つまりSB(θ+φ))をそれぞれ求め、式(4)及び式(5)に従って、各φに対応する「相対角位置誤差」δ(θ,φ)を幾通りか求めることができる。
このように幾通りかのφの値に対応する「相対角位置誤差」δ(θ,φ)を求めることは、これらを所定の校正アルゴリズムに従って演算処理することによって、角度位置誤差Aε(θ)またはBε(θ)を抽出することができるので、極めて有効である。
【0030】
この場合、1回転360度の範囲を任意の数Mで等分割して、2検出器の位相ずれφの値を決定すると、角度位置誤差Aε(θ)またはBε(θ)の抽出に有効であることが判った。例えば、M=4ならば、φ=k(360°/4)(ただし、k=0,1,2,3の序数)とする。この場合、幾通りかのφの値に対応する「相対角位置誤差」δ(θ,φ)の単純平均を求めることで、比較的簡単に角度位置誤差Aε(θ)またはBε(θ)を抽出することができることが判った。このような新しい自己校正処理のアルゴリズムを、「等分割平均法」と名付けることにする。
【0031】
機械軸3に対する第1の角度検出器1の取付け位置に対して、機械軸3に対する第2の角度検出器2の取付け位置を機械角で所望のφだけずらすことにより、2つの検出器1,2の角度検出データSA(θ)及びSB(θ)に位相ずれφをもたせることができる(つまりSB(θ+φ)なる関係とすることができる。)ので、第1の角度検出器1の取付け位置に対して第2の角度検出器2の取付け位置が成す相対的角度が所要の位相角φを成すように、該第2の角度検出器2の取付け位置を割り出せばよい。
【0032】
この割り出しは、基本的には、次のようにして行なう。
まず、第1の角度検出器1を機械軸3に取り付ける。この取付けに際しては、敢えて角度検出器1の原点(センサ原点)と機械軸3の原点を一致させることなく、適宜に行なってよい。しかし、機械軸3が、この角度検出器1が適用される産業機械等における目的の検出対象機械軸そのものである場合、ここで、角度検出器1の原点(センサ原点)と機械軸3の原点とが略一致するように取付けを行なっておけば、後での原点合わせ処理が楽になるのは勿論である。
【0033】
次に、図1(A)に略示されているように、同じ機械軸3に第2の角度検出器2を取り付ける。この角度検出器2の取付けは、該角度検出器2の原点(センサ原点)が第1の角度検出器1の原点(センサ原点)に対して所望の角度φだけずれるように、該角度検出器2の取付け位置を割り出すことによって行なう。この割り出し(つまり所定の取付け位置に角度検出器2を取付けること)は、手作業で所望の角度φだけずれるように合わせながら、機械軸3に第2の角度検出器2を取り付けることで、簡便に行なうことができる。
このように取付け位置の割り出しを行なうことによって、同じ機械軸3の回転角度に対して、第1の角度検出器1の出力する角度検出データSA(θ)と、第2の角度検出器2の出力する角度検出データSB(θ)との間に、機械角φに対応する位相ずれがもたらされることになる。すなわち、第1の角度検出器1の出力する角度検出データSA(θ)をそのまま「SA(θ)」で表わすとすると、第2の角度検出器2の出力する角度検出データSB(θ)は「SB(θ+φ)」で表わされる。この場合、「SA(θ)」における変数θは第1の角度検出器1の原点(センサ原点)を0としたときの機械角θに対応し、「SB(θ+φ)」における変数θ+φは、該機械角θに初期位相値φを加算した機械角θ+φに対応する。つまり、例えば、機械軸3の或る回転位置に対応して第1の角度検出器1がそのセンサ原点θ=0に対応する角度検出データ「SA(0)」を出力するとき、第2の角度検出器2はそれよりも機械角φだけずれた位置に対応する角度検出データ「SB(φ)」を出力する。
【0034】
上記「等分割平均法」に従う自己校正処理を行なう場合の一例として、等分割数M=4とすると、φ=k(360°/4)(ただし、k=0,1,2,3の序数)から、両検出器1,2の取付け位置ずれがφ=0°,φ=90°,φ=180°,φ=270°の4通りの各割り出し位置について、角度検出器1,2の相対的取付け位置の割り出しをそれぞれ行なう。
【0035】
以下、このM=4の場合を例にして、「等分割平均法」に従う自己校正処理の手順を説明する。なお、この「等分割平均法」に従う自己校正処理は、図2におけるコンピュータの処理によって実行される。図5は、その際にコンピュータが実行する「誤差算出プログラム」の一例を概略的に示すフロー図である。この「誤差算出プログラム」では、等分割数Mの値を適切に選択・設定できるようになっている。M=4の場合は、最初のステップS1で、M=4に設定する。次のステップS2では序数kを初期値0にセットする。
【0036】
次に、ステップS3では、φ=k(360°/M)の相対位相角φで、角度検出器1,2の相対的取付け位置を割り出すことを指示し、割り出し作業が完了するまで待機する。この指示は、コンピュータのディスプレイ(図示せず)等を介してなされる。この指示を受けて、人間の手作業等によって割り出し作業を行なう。なお、角度検出器1,2の相対的取付け位置の割り出しにあたっては、上述のように、第1の角度検出器1の取付け位置は所定位置に固定したままにしておき、第2の角度検出器2の取付け位置のみを所望の割り出し位置に応じて変化させればよい。(勿論、これに限らず、両角度検出器1,2の取付け位置をそれぞれ変化させることにより所望の位相角φに相当する割り出しを行なうようにすることもできるが、それは単なる迂回策でしかない。)
【0037】
この設例の場合、序数k=0に対応する第1の割り出し位置はφ=0°であり、第1の角度検出器1の原点(センサ原点)と第2の角度検出器2の原点(センサ原点)とが一致する位置に第2の角度検出器2を取り付ける(割り出す)。割り出し作業が完了したら、図示しないスイッチの操作等によって、コンピュータの処理を次ステップに進める。
【0038】
次のステップS4では、機械軸3を回転させつつ、該機械軸3の全回転位置(0度〜360度)にわたる第1及び第2の角度検出器1,2による角度検出データSA(θ)及びSB(θ+φ)をデータ収集する。収集したデータSA(θ)及びSB(θ+φ)は、同時に収集した両者の各値を1対1で対応付けて(データ対として)、RAM22内にバッファ記憶する。例えば、ある瞬時におけるデータSA(θ)の値をアドレス指定インデックスとしてそのときに同時に得られるデータSB(θ+φ)の値をバッファ記憶すればよい。例えば、角度検出器1の検出分解能が1回転(0度〜360度)につき「2の16乗」=65536分割であるとすると、0から65535までのトータル65536アドレスのバッファエリアに、データSA(θ)の値をアドレス指定インデックスとして使用して、そのときのデータSB(θ+φ)の値を記憶する。
【0039】
次のステップS5では、前ステップS4で収集した各角度検出データSA(θ)及びSB(θ+φ)の対に基づき、前記式(5)に従う演算によって、相対角位置誤差δk(θ,φ)を求める。求めた相対角位置誤差δk(θ,φ)はRAM22内に一時記憶しておく。ここで、δk(θ,φ)は、k番目の割り出し位置に対応して求めた相対角位置誤差δ(θ,φ)であることを示す。この設例の場合、k=0のとき、φ=0°であるから、
δk(θ,φ)=δ0(θ,0)と表わすことができ、具体的な相対角位置誤差δ(θ,φ)は、
δ0(θ,0)=Aε(θ)−Bε(θ) …式(6)
である。これは、図4の図示例では、(c)に示すように、0度から360度までの各角位置θに対応する誤差値Aε(θ)から0度から360度までの各角位置θに対応する誤差値Bε(θ)を減算したものに相当する。つまり、位相の合った各角位置θで、誤差値Aε(θ)から誤差値Bε(θ)を減算したものである。
【0040】
次のステップS6では、序数kが最終値「M−1」に達しているかを調べ、NOであれば、ステップS7に行き、序数kの値を1増加する。それから、ステップS3に戻り、1増加した序数kの値に応じた「φ=k(360°/M)」の相対位相角φで、角度検出器1,2の相対的取付け位置を割り出すことを指示し、割り出し作業が完了するまで待機する。
【0041】
この設例の場合、次の序数k=1に対応する第2の割り出し位置はφ=90°であり、第1の角度検出器1の原点(センサ原点)に対して第2の角度検出器2の原点(センサ原点)が機械角で90度ずれた位置に該第2の角度検出器2を取り付ける(割り出す)。すなわち、第1の角度検出器1が該検出器1における機械角0°に対応する角度検出データを出力するとき、第2の角度検出器2が該検出器2における機械角90°に対応する角度検出データを出力するような位置関係に設定される。それから、前記ステップS4及びS5と同様の演算処理を行ない、両検出器1,2の取付け角度差φ=90°に対応する相対角位置誤差δk(θ,φ)を求める。ここで、k=1、φ=90°であるから、
δk(θ,φ)=δ1(θ,90°)と表わすことができ、具体的な相対角位置誤差δ(θ,φ)は、
δ1(θ,90°)=Aε(θ)−Bε(θ+90°) …式(7)
である。これは、図4の図示例では、(d)に示すように、0度から360度までの各角位置θに対応する誤差値Aε(θ)から、90度から始まる1回転分の各角位置θ+90°に対応する誤差値Bε(θ+90°)を減算したものに相当する。つまり、位相が90度ずれた各角位置θとθ+90°で、誤差値Aε(θ)から誤差値Bε(θ+90°)を減算したものである。
【0042】
次に、ステップS7で序数kの値をさらに1増加し、ステップS3に戻り、1増加した序数kの値に応じた「φ=k(360°/M)」の相対位相角φで、角度検出器1,2の相対的取付け位置を割り出すことを指示し、割り出し作業が完了するまで待機する。
今度は、序数k=2に対応する第2の割り出し位置はφ=180°であり、第1の角度検出器1の原点(センサ原点)に対して第2の角度検出器2の原点(センサ原点)が機械角で180度ずれた位置に該第2の角度検出器2を取り付ける(割り出す)。それから、前記ステップS4及びS5と同様の演算処理を行ない、両検出器1,2の取付け角度差φ=180°に対応する相対角位置誤差δk(θ,φ)を求める。ここで、k=2、φ=180°であるから、
δk(θ,φ)=δ2(θ,180°)であり、相対角位置誤差δ(θ,φ)は、
δ2(θ,180°)=Aε(θ)−Bε(θ+180°) …式(8)
である。これは、図4の図示例では、(e)に示すように、0度から360度までの各角位置θに対応する誤差値Aε(θ)から、180度から始まる1回転分の各角位置θ+180°に対応する誤差値Bε(θ+180°)を減算したものに相当する。つまり、位相が180度ずれた各角位置θとθ+180°で、誤差値Aε(θ)から誤差値Bε(θ+180°)を減算したものである。
【0043】
次に、ステップS7で序数kの値をさらに1増加し、ステップS3に戻り、1増加した序数kの値に応じた「φ=k(360°/M)」の相対位相角φで、角度検出器1,2の相対的取付け位置を割り出すことを指示し、割り出し作業が完了するまで待機する。
今度は、序数k=3に対応する第2の割り出し位置はφ=270°であり、第1の角度検出器1の原点(センサ原点)に対して第2の角度検出器2の原点(センサ原点)が機械角で270度ずれた位置に該第2の角度検出器2を取り付ける(割り出す)。それから、前記ステップS4及びS5と同様の演算処理を行ない、両検出器1,2の取付け角度差φ=270°に対応する相対角位置誤差δk(θ,φ)を求める。ここで、k=3、φ=270°であるから、
δk(θ,φ)=δ3(θ,270°)であり、相対角位置誤差δ(θ,φ)は、
δ3(θ,270°)=Aε(θ)−Bε(θ+270°) …式(9)
である。これは、図4の図示例では、(f)に示すように、0度から360度までの各角位置θに対応する誤差値Aε(θ)から、270度から始まる1回転分の各角位置θ+270°に対応する誤差値Bε(θ+270°)を減算したものに相当する。つまり、位相が270度ずれた各角位置θとθ+270°で、誤差値Aε(θ)から誤差値Bε(θ+270°)を減算したものである。
【0044】
M=4の場合、序数k=3となると、ステップS6がYESとなり、ステップS8に行く。ステップS8では、各割り出し位置(k=0,1,2,…M−1)に対応して求めた上記相対角位置誤差δk(θ,φ)の各θ毎の単純算術平均を下記のように求める。
【数1】
ここで、上記式(10)の右辺の分子の第2項である
【数2】
が「0」と置けるとすると、上記式(10)の右辺は
M・Aε(θ)/M=Aε(θ)
となる。
【0045】
従って、上記式(10)のように各相対角位置誤差δk(θ,φ)の各θ毎の単純算術平均を求めることにより、第1の角度検出器1の角位置誤差Aε(θ)に相当する誤差関数を求めることができる。こうして、求めた角位置誤差Aε(θ)を適宜のメモリ例えばROM23内のEEPROMに書き込み、不揮発的に記憶する。この誤差Aε(θ)は、第1の角度検出器1の角度検出データSA(θ)の誤差を校正するための校正データとして使用することができる。検出対象機械軸3の角度検出器として第1の角度検出器1を使用すれば、校正データとしては該角度検出器1についての誤差Aε(θ)のみを求めればよい。しかし、もし、もう一方の角度検出器2の角位置誤差Bε(θ)も求めたいのであれば、上記のようにして求めたAε(θ)を上記式(10)又は式(6),(7),(8)等に代入することにより、該角度検出器2についての誤差Bε(θ)も容易に求めることができる。
【0046】
次に、上記式(10)の右辺の分子の第2項つまり上記式(11)が「0」と置ける理由について説明する。これは、結論から言うと、等分割数Mの選び方によって実質的に「0」とみなせるものとなる。
M=4の例で、上記式(11)をξ4(θ) として、これをフーリエ級数で表現すると、角位置誤差Bε(θ)を、
【数3】
と表わせることから、上記式(11)すなわちξ4(θ) は下記式(12)のように表わせる。
【0047】
【数4】
となる。ここで、nは高調波の次数、Nは角度検出器2の検出分解能であり、
n=1,2,3,…,N/2である。
【0048】
上記式(12)において、次数nの各値(1〜N/2)についての該級数の各項の値を解くと、cos(n・90°)またはcos(n・45°)の値が「0」になる場合が、該項の解が0となるので、
n=1,3,5,7,……と奇数次のとき、cos(n・90°)が0であり、また、
n=2,6,10,14,……と4の倍数を除く偶数次のとき、cos(n・45°)が0である。
すなわち、M=4の場合は、次数nが4の倍数以外のときに、式(12)における当該次数nに対応する項の解が「0」となり、これを無視できるものとなる。そうすると、上記式(11)においては、4の倍数の次数の項だけが残されることになる。すなわち、4の倍数波の誤差成分だけが上記式(11)の解に影響を与えることになる。ここで、角度検出器2の機械的構造として、4の倍数波の誤差成分が出ない若しくは無視できるほどに少ないものに作成することは比較的容易であるから、そのような4の倍数波の誤差成分が出ない若しくは無視できるほどに少ない角度検出器2を使用すれば、結局、上記式(11)の解を実質的に「0」と置くことができる。また、理論上では多少の高次の誤差成分が残ったとしても、そのレベルは実用上無視できるほどに小さい場合が多いので、結局、上記式(11)の解を実質的に「0」と置いてさしつかえない場合が多い。
【0049】
例えば、角度検出器の極配置を120度間隔で1円周につき3つ配置し、平均化処理を施す校正とすれば、4の倍数波の誤差成分を非常に少なくすることができることが知られている。従って、M=4の場合は、角度検出器2をそのような3極構成(又は6極構成等でもよい)のものを採用するとよい。一方、図1(b)に示したような90度間隔の4極構成の角度検出器においては、等分割数Mを9又は11又は13等の値とすることにより、上記式(11)の解を実質的に「0」と置くことができることが確かめられている。よって、そのようにすればよい。その他、角度検出器の極配置を適宜工夫して設計し、適切な平均化処理等を施すことによりことにより、3の倍数波や4の倍数波等の誤差成分の非常に少ない検出器を構成することができるので、上記式(11)の解を理論上及び実用上の両面で実質的に「0」に置くことができる。
【0050】
以上のように、「等分割平均法」を従って、上記式(10)のように各相対角位置誤差δk(θ,φ)の各θ毎の単純算術平均を求めることにより、第1の角度検出器1の角位置誤差Aε(θ)に相当する誤差関数を簡単に求めることができる。この角位置誤差Aε(θ)のデータを、第1の角度検出器1の角度精度校正データとしてメモリに保存する場合は、この角位置θに対応する第1の角度検出器1の角度検出データSA(θ)をアドレス指定インデックスとして使用して、該角度検出データSA(θ)に対応して(対で)角度精度校正用の角位置誤差Aε(θ)のデータを記憶するようにする。
【0051】
稼働時においては、検出対象機械軸(例えば機械軸3)の角度検出器として第1の角度検出器1を使用し、図3の変換部1Dから、該検出対象機械軸の現在回転位置に対応する角度検出データSA(θ)を出力する。図6は、コンピュータコンピュータが実行する角度検出動作稼働時の「校正プログラム」の一例を略示するものである。コンピュータにおいては、変換部1Dから与えられる検出対象機械軸の現角度検出データSA(θ)をデータバス20を介して取り込み(ステップS11)、この取り込んだ現角度検出データSA(θ)をアドレス指定インデックスとして使用して、角度精度校正用のデータAε(θ)を記憶したメモリから、該特定の現角度検出データSA(θ)に対応する角度精度校正用のデータAε(θ)を読み出し、これに基づき所定の校正演算、典型例としては、
「SA(θ)−Aε(θ)」
を行なう(ステップS12)。こうして、校正済みの角度検出データが得られ、これをラッチ回路26(図3)を介して出力する(ステップS13)。図6において、ステップS11〜S13のルーチンが常に巡回し、絶えず、校正処理が行なわれる。
【0052】
図7は、第1及び第2の角度検出器1,2の別の実施例を示す図である。この実施例においては、第2の角度検出器2のステータ2Sが第1の角度検出器1のステータ1Sに対して所定の位置関係で固定されており、所要の位相角φに対応する第2の角度検出器2の取付け位置の割り出しは、該第2の角度検出器2のロータ2Rの取付け位置のみを動かすことによって行なう。この場合においても、上記実施例と同様に角度精度校正処理を行なうことができる。
【0053】
上記各実施例において、角度精度校正用のデータAε(θ)は、角度検出器1の検出分解能と同じ分解能で、つまり角度検出データSA(θ)の各値毎に1対1で、必ずしも算出しなければならないわけではない。すなわち、角度検出データSA(θ)のいくつかの値のグループ(角度範囲)毎に1つの角度精度校正用のデータAε(θ)を代表的に求め、これを該グループに共通の角度精度校正用のデータとして使用するようにしてもよい。
【0054】
また、使用する2つの角度検出器1,2の構造や検出分解能は同じものでなくてもよい。例えば、角度検出器1として図1(b)に示すようなロータ構造(1回転0度〜360度につき1サイクルの磁気抵抗変化をもたらすもの)のものを用いる一方で、角度検出器2として多歯構造のロータを使用し(ステータ側のコイルコア単部にも対応する凹凸歯を設ける)、1回転0度〜360度につき複数サイクルの磁気抵抗変化をもたらすようにしてもよい。その場合、一方の角度検出器1のアブソリュート検出可能範囲は1回転0度〜360度であるが、他方の角度検出器2のアブソリュート検出可能範囲は1/n回転(nは歯の数)となる。その場合、第2の角度検出器2の出力データは「SB(nθ)」と表わすことができる。つまり実際の機械角θのn倍の角度値nθにて検出データが得られ、検出データの高分解能化を図ることができる。校正データ収集時は、それぞれの検出器1,2の出力に基づき上記実施例に準じて両検出器1,2の誤差データAε(θ),Bε(nθ)をそれぞれ求める。通常計測時は、両検出器1,2の出力データSA(θ),SB(nθ)をそれぞれ誤差データAε(θ),Bε(nθ)で校正し、両校正済みデータの組合せを使用するようにしてもよい。すなわち、1/n回転の狭い範囲での角度を検出器2の出力に基づき高分解能でアブソリュート検出し、それを越えるアブソリュート値を検出器1の出力に基づき検出する。
【0055】
さらに、上記各実施例において、使用する角度検出器の構造及びその検出原理は、上記実施例に示したものに限らず、どのようなものを使用してもよい。例えば、上記実施例に示した検出器に比べて検出分解能は劣るとしても、光学式エンコーダを用いることも可能である。また、sinωtと cosωtといったような2相(複数相)の交流信号によって複数の1次コイルを励磁し、ロータの回転角度θに応じた電気的位相角θを示す出力交流信号sin(ωt+θ)を得て、その位相角θをディジタルカウントするタイプの公知の誘導型回転位置検出器を使用することもできる。また、1次コイルと2次コイルを持たずに、励磁コイルの自己インダクタンス変化を測定することでロータの回転角度θを検出するタイプの誘導型回転位置検出器を使用することもできる。
【0056】
また、本発明の迂回的実施形態として、第1の検出器1と第2の検出器2を物理的にまったく同じ機械軸に取付けずに、実質的に共通とみなせる機械軸に取付けるようにしてもよい。例えば、検出器1を機械軸3に取付け、検出器2を機械軸3と連動して動く他の機械軸に取り付けてもよい。
さらに、本発明の自己校正方法は、回転角度検出器に限らず、直線位置検出器においても同様に適用することが可能である。その場合は、直線位置検出器の検出可能範囲長Lを1回転(0度〜360度)に置き換えて、上記実施例と同様の校正方法を適用することができる。
【0057】
【発明の効果】
以上の通りこの発明によれば、校正対象検出器それ自身による自己校正方式によって角度校正又は検出データの校正を行なうことができるので極めて簡便であり、また、専用の角度割り出し機構を使用することなく、任意の機械軸に校正対象検出器を装着して簡便に校正を行なうことができ、校正対象検出器を装着する現場の計測対象機械軸そのものに該検出器を装着した状態で精度校正処理を行なうことができる、等の優れた効果を奏する。更に、「等分割平均法」を採用することにより、校正のための演算アルゴリズムも極めて簡単であり、角度あるいは位置検出データの精度校正処理を簡便に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に係る自己校正型角度検出装置の一実施例を示す軸方向断面略図及び正面略図。
【図2】 図1における1つの角度検出器における1次及び2次コイルの結線例を示す図。
【図3】 この発明に係る自己校正型角度検出装置の一実施例の全体的構成を略示するブロック図。
【図4】 図1における2つの角度検出器における角位置誤差を例示するグラフ。
【図5】 図3におけるコンピュータによって実行される誤差算出プログラムの一例を示すフロー図。
【図6】 図3におけるコンピュータによって実行される校正プログラムの一例を示すフロー図。
【図7】 この発明に係る自己校正型角度検出装置における2つの角度検出器の別の配置例を示す軸方向断面略図。
【符号の説明】
1 第1の角度検出器
2 第2の角度検出器
1S,2S ステータ
1R,2R ロータ
PW 1次コイル
SW1〜SW4 2次コイル
1D,2D 変換部
21 CPU
22 RAM
23 ROM
Claims (9)
- 共通の機械軸に取り付けられ、該機械軸の回転角度に応じた角度検出データを所定の分解能で出力する第1の角度検出器及び第2の角度検出器と、
前記機械軸に対する前記第1の角度検出器の取付け位置に対して、前記機械軸に対する前記第2の角度検出器の取付け位置を、所定角度づつ相対的にずらして複数M通り(ただし、Mは1回転360°を等分割する整数)の相対的取付け角位置φ=k(360°/M)(ただし、kは各相対的取付け角位置を区別する序数であって、k=0,1,2,...,M−1)をそれぞれ割り出し、各割り出した相対的取付け角位置毎に前記機械軸の各回転位置に対する前記第1及び第2の角度検出器の角度検出データSA(θ),SB(θ)をそれぞれ求めると共に、前記第1の角度検出器の各角度検出データ毎の両者の差δ k (θ,φ)をそれぞれ求め、更に、前記各相対的取付け角位置毎の前記δ k (θ,φ)の単純算術平均を求めることで、少なくとも第1の角度検出器の各角度検出データSA(θ)に関する誤差値Aε(θ)をそれぞれ算出する誤差計算部と、
検出対象機械軸の現回転位置に応じて少なくとも前記第1の角度検出器から出力される現在角度検出データSA(θ)に応じて、該現在角度検出データに関して前記誤差計算部で求められた前記誤差値Aε(θ)を使用し、該誤差値を差し引くことにより該現在角度検出データの値を校正する校正部と
を具備する自己校正型角度検出装置であって、
前記第1及び第2の角度検出器は、それぞれ、
所定の交流信号によって励磁され、誘導出力信号を生じるコイル部であって、複数の極を構成するものと、
該コイル部における誘導係数を該コイル部に対する相対的回転位置に応じて変化させる磁気応答部と
を具備し、前記機械軸の回転位置の変化に応じて前記コイル部と磁気応答部との相対的回転位置が変化し、該機械軸の回転位置に応じた誘導出力信号を前記コイル部に生じるようにしたものであり、
前記第1及び第2の角度検出器における前記コイル部の極構成は、前記等分割数Mが4の場合は、3極構成を基本とするものであり、前記等分割数Mが9又は11又は13の場合は、4極構成を基本とするものであることを特徴とする自己校正型角度検出装置。 - 前記第1及び第2の角度検出器は、それぞれ、前記コイル部と磁気応答部との相対的回転位置に応じた電気的位相角を示す出力交流信号を前記誘導出力信号に基づき生成し、この出力交流信号における前記相対的回転位置に応じた電気的位相角をディジタル計測することにより、アブソリュート角度検出データを生成するものである請求項1に記載の自己校正型角度検出装置。
- 前記第1の角度検出器に対して、前記コイル部及び磁気応答部の両者を含む前記第2の角度検出器を前記取付け角度位置に割り出すようにした請求項1に記載の自己校正型角度検出装置。
- 前記第1及び第2の角度検出器における前記コイル部の配置を固定し、前記第2の角度検出器の前記磁気応答部を前記取付け角度位置に割り出すことにより該第2の角度検出器の割り出しを行なうようにした請求項1に記載の自己校正型角度検出装置。
- 前記誤差計算部で算出した誤差値を記憶する記憶部を有し、前記校正部では、該記憶部に記憶された誤差値を前記現在角度検出データに応じて読み出して該誤差値を使用する請求項1乃至4のいずれかに記載の自己校正型角度検出装置。
- 所定の分解能の位置検出データを出力する第1の位置検出器及び第2の位置検出器を共通の機械軸に取り付けると共に、該機械軸に対する前記第1の位置検出器の取付け位置に対して、前記機械軸に対する前記第2の位置検出器の取付け位置を、所定位置づつ相対的にずらして複数M通り(ただし、Mは変位の1サイクル360°を等分割する整数)の相対的取付け位置φ=k(360°/M)(ただし、kは各相対的取付け位置を区別する序数であって、k=0,1,2,...,M−1)をそれぞれ割り出し、各割り出した相対的取付け位置毎に前記機械軸の所定の移動範囲にわたる前記第1及び第2の位置検出器の位置検出データSA(θ),SB(θ)をそれぞれ求めるステップと、
各相対的取付け位置に対応して、前記第1の位置検出器の各位置検出データ毎に前記第1及び第2の位置検出器の位置検出データの差をそれぞれ求め、これに基づき相対位置誤差データδ k (θ,φ)を得るステップと、
前記第1の位置検出器の各位置検出データ毎に、前記各相対的取付け位置毎の前記相対位置誤差データδ k (θ,φ)の単純算術平均を求めることで、少なくとも第1の位置検出器の各位置検出データSA(θ)に関する誤差値Aε(θ)をそれぞれ算出するステップと、
検出機械軸の現在位置に応じて少なくとも前記第1の位置検出器から出力される現在位置検出データSA(θ)に応じて、該現在位置検出データに対応する前記誤差値Aε(θ)を使用し、該誤差値を差し引くことにより該現在位置検出データの値を校正するステップと
を具備する検出精度校正方法であって、
前記第1及び第2の位置検出器は、それぞれ、
所定の交流信号によって励磁され、誘導出力信号を生じるコイル部であって、複数の極を構成するものと、
該コイル部における誘導係数を該コイル部に対する相対的回転位置に応じて変化させる磁気応答部と
を具備し、前記機械軸の回転位置の変化に応じて前記コイル部と磁気応答部との相対的回転位置が変化し、該機械軸の回転位置に応じた誘導出力信号を前記コイル部に生じるようにしたものであり、
前記第1及び第2の位置検出器における前記コイル部の極構成は、前記等分割数Mが4の場合は、3極構成を基本とするものであり、前記等分割数Mが9又は11又は13の場合は、4極構成を基本とするものであることを特徴とする検出精度校正方法。 - 機械読み取り可能な記録媒体であって、コンピュータによって実行される検出精度校正方法のためのプログラムの命令群をその内容としており、この検出精度校正方法は、所定の分解能の位置検出データを出力する第1の位置検出器及び第2の位置検出器を共通の機械軸に取り付けると共に、該機械軸に対する前記第1の位置検出器の取付け位置に対して前記機械軸に対する前記第2の位置検出器の取付け位置が所定の相対的位置を成すように割り出しを行ない、この状態で前記プログラムに従って前記位置検出器の精度校正のための処理を行なうものであり、このプログラムが、
前記第1の位置検出器の取付け位置に対して前記第2の位置検出器の取付け位置が成す相対的取付け間隔がそれぞれ異なっている所定の複数M(ただし、Mは変位の1サイクル360°を等分割する整数)の割り出し位置のうちいずれか1つの割り出し位置に、前記第1の位置検出器に対する第2の位置検出器の相対的取付け位置φ=k(360°/M)(ただし、kは各相対的取付け位置を区別する序数であって、k=0,1,2,...,M−1)を割り出し、この状態で前記機械軸の全回転位置に対する前記第1及び第2の位置検出器の位置検出データSA(θ),SB(θ)をそれぞれ求める第1ステップと、
前記所定の複数の割り出し位置のうちの残りの各1つの割り出し位置に、前記第1の位置検出器に対する第2の位置検出器の相対的取付け位置φ=k(360°/M)を順次割り出しし、各割り出し位置毎に、その状態で前記機械軸の所定の移動範囲にわたって前記第1及び第2の位置検出器の位置検出データSA(θ),SB(θ)をそれぞれ求める第2ステップと、
前記各割り出し位置に対応して、前記第1の位置検出器の各位置検出データ毎に前記第1及び第2の位置検出器の位置検出データの差をそれぞれ求め、これに基づき相対位置誤差データδ k (θ,φ)を得る第3ステップと、
前記第1の位置検出器の各位置検出データ毎に、前記各割り出し位置毎の前記相対位置誤差データδ k (θ,φ)の単純算術平均を求めることで、少なくとも第1の位置検出器の各位置検出データSA(θ)に関する誤差値Aε(θ)をそれぞれ算出する第4ステップとを
前記コンピュータに実行させるものであり、
前記第1及び第2の位置検出器は、それぞれ、
所定の交流信号によって励磁され、誘導出力信号を生じるコイル部であって、複数の極を構成するものと、
該コイル部における誘導係数を該コイル部に対する相対的回転位置に応じて変化させる磁気応答部と
を具備し、前記機械軸の回転位置の変化に応じて前記コイル部と磁気応答部との相対的回転位置が変化し、該機械軸の回転位置に応じた誘導出力信号を前記コイル部に生じるようにしたものであり、
前記第1及び第2の位置検出器における前記コイル部の極構成は、前記等分割数Mが4の場合は、3極構成を基本とするものであり、前記等分割数Mが9又は11又は13の場合は、4極構成を基本とするものであることを特徴とする前記記録媒体。 - 前記プログラムが、検出対象機械軸の現在位置に応じて少なくとも前記第1の位置検出器から出力される現在位置検出データSA(θ)に応じて、該現在位置検出データに対応する前記誤差値Aε(θ)を使用し、該誤差値を差し引くことにより該現在位置検出データの値を校正する第5ステップを更に前記コンピュータに実行させるものである
ことを特徴とする請求項7に記載の記録媒体。 - 前記第4ステップでは、算出した前記誤差値をメモリに記憶し、前記第5ステップでは該メモリから前記誤差値を読み出して使用する請求項8に記載の記録媒体。
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