JP4223882B2 - 雰囲気ガスのシール方法およびシール装置 - Google Patents

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【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は熱処理炉に使用される雰囲気ガスをシールする方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
鋼帯の熱処理炉、例えば,連続焼鈍炉は、加熱帯・均熱帯・徐冷帯・急冷帯・過時効帯・冷却帯等で構成される炉体内に上記構成の順に鋼帯を通板させて所定のヒートパターンで熱処理が行われている。熱処理中は鋼帯の表面が酸化すると製品の外観の損ねることから、通常熱処理炉内では雰囲気ガスとして水素を数%含有した、水素ガスと窒素ガスの混合したHNガスなどの不活性ガスが一般的に使用される。上記構成中、加熱帯については設備をコンパクトにするため出来るだけ速く加熱する直火加熱方式や誘導加熱方式が採用されている。
また、急冷帯における急速冷却技術として、雰囲気ガスを熱交換機にて冷却して、冷却した雰囲気間を鋼帯に吹き付け、吹き付け後の雰囲気ガスを熱交換機で冷却する循環式のガスジェット冷却法や冷却ロールに鋼帯を押し付けて冷却するロール冷却法、水と気体を混合してミスト上にして鋼帯に吹き付けるミスと冷却法等がある。このうちガスジェット冷却法は鋼帯の形状の安定性や設備コスト面から広く採用されている。
【0003】
しかしながら、ガスジェット冷却法では冷却速度が小さいという欠点があり、この欠点を補うべく、急冷帯では水素濃度を高めて冷却能を高くしたHNガスが使用されている。
この技術に関しては、例えば、特開平09−235626号公報に、急冷帯鋼帯に吹き付ける冷却ガスとして水素濃度が30〜60%、吹き付けガス温度を30℃〜150℃、吹き付け速度を100〜150m/秒とすることで鋼帯の冷却速度を高くする方法が開示されている。
【0004】
これにより水素濃度を上げて、冷却速度を確保することは可能となったが、高水素濃度のガスで熱処理する場合に問題となるのが、高濃度の水素ガスのシール方法である。特開平9−235626号公報にもガスシールについては概略記載されているが、具体的な記載は見当たらない。
【0005】
このように、熱処理を構成する加熱帯、均熱帯、徐冷帯、急冷帯、過時効帯、最終冷却帯では、それぞれの炉体に導入する雰囲気ガスの成分が異なるため、それぞれの炉体の入口および出口にはシール装置が設置されている。
また、ガスシール装置に関しては、例えば、特開平06−346155号公報に、ストリップの上下面にそれぞれ接触するシールロールをストリップの走行方向に間隔をおいて少なくとも2列以上備え、これらのシールロールの間であってストリップの上下面に向けてシール用ガスを供給可能とし、更に前記ストリップの走行方向と同じ向きに気体を高速噴射するノズルをパスラインの上下に備え、これらのノズルと前記シールロールまでをエジェクタ流路用のスロートとしたシール装置が開示されている。
【0006】
また、急冷帯の冷却ガスハースロール室への侵入を防止する装置としては、特開平09−95741号公報に、噴射された冷却ガスがハースロール側へ流出するのを防止するシールロールと、これら全体を囲む炉体とからなる連続焼鈍炉の冷却帯において、上記シールロールを対向するノズル群側でかつ鋼帯の両面に対してそれぞれ片面のみが別個に接触するように上下に千鳥配設した連続焼鈍炉の冷却帯である。また、シールロールが次式の関係を満足する連続焼鈍炉の冷却帯が開示されている。
式:L/(D-d)≧3
【0007】
【特許文献1】
特開平09−235626号公報
【特許文献2】
特開平06−346155号公報
【特許文献3】
特開平09−95741号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
特開平09−235626号公報に開示されている技術では,急冷処理を行う炉体と隣接する炉体との間のガスシールを行って防爆するとあり、鋼帯に非接触型のシール装置が開示されている。両側のチャンバから鋼帯に向けて異種の雰囲気ガスを吹き付けて、中央のチャンバから鋼帯に吹き付け後の雰囲気ガスを吸い込んでシールする場合、両側から吹き付けるシールガスが炉体に進入し、炉圧が上昇することが考えられる。炉圧が上昇すると炉体の別のシール部からのリークが発生し炉体外へ放出され安全上問題がある。また、炉圧を防止するため、両側チャンバから排出されたシールガスを吸引するブロワがそれぞれに必要となり、設備費が大幅にアップし、設備的にも大掛かりなものとなる。
【0009】
また、シールロールを2列以上配置し、シールロール間にガスを供給してガスシール層を形成し、このガスシール層の下流側に高速ガス流を噴射するノズルをパスラインの上下に設け、このガスの噴射によって発生するエジェクタ効果によってシールロール間のガスを外へ引き出すシール装置においては、隣接する炉体の一方側の炉体へのガスの流入は防止することができるが、他方側の炉体へ流出し、他方側の炉体の炉圧が上昇する。このため隣接する炉体の炉圧バランスが壊れ、他方側の炉圧に応じた噴出流速が必要となる。このため、高速噴出ガスの速度を更に高速に吹き出すことが必要となり、これによって更に他方の炉圧が上昇するという繰り返しとなる。また、一方側炉体からの雰囲気ガスも流出することになる。
【0010】
また、ガス噴射冷却帯で噴射したガスがロール室内に流入することを防止するためロール室の上部にシールロールを配置した冷却装置ではプレナムチャンバから噴射されたガスがロール室に流入することを防止するため一定の距離を設けて、その距離間に千鳥にシールロールを配置するもので、プレナムチャンバとロール室との空間が必要となり冷却帯の設備が大きくなる。また、プレナムチャンバとロール室間に空間を設けてもロール接触面からのガスのリークは防止できるが、ロール背面に入出したガスは前記空間に滞留して結果的にこの空間に滞留したガスは鋼帯が通過するスリット状貫通孔からロール室へ侵入し、シールはできなかった。
そこで本発明は、前述の従来技術の問題点を解決し、隣接する異種雰囲気の雰囲気ガスが混合することがなく、ガス精製装置の容量もコンパクトにでき、しかも、シールロール部を通過する鋼帯には圧下力が発生せず、シールロールによりスリップ疵や噛み込み傷が発生しない雰囲気ガスのシール方法およびシール装置を提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前述の課題を解決するために鋭意検討の結果なされたものであり、その要旨とするところは特許請求の範囲に記載した通りの下記内容である。
(1)不活性ガスを封入して鋼帯を熱処理し、急冷帯の雰囲気ガスを、前に連結する徐冷帯より高水素濃度とする、連続焼鈍設備の徐冷帯と急冷帯との間における雰囲気ガスのシール方法であって、
前記鋼帯を挟む1対のシールロールを複数組配置し、
該1対をなすシールロール同士を前記鋼帯の走行方向にずらして該鋼帯の最大板厚以上の隙間を開けて設置し、
徐冷帯側の圧力<シールロール間の圧力<急冷帯側の圧力とし
前記複数組のシールロールの間から雰囲気ガスを排出し、該雰囲気ガスをガス精製装置に導入して急冷帯に戻すことを特徴とする雰囲気ガスのシール方法。
(2)不活性ガスを封入して鋼帯を熱処理し、急冷帯の雰囲気ガスを、後に連結する過時効帯または最終冷却帯より高水素濃度とする、連続焼鈍設備の急冷帯と過時効帯または最終冷却帯との間における雰囲気ガスのシール方法であって、
前記鋼帯を挟む1対のシールロールを複数組配置し、
該1対をなすシールロール同士を前記鋼帯の走行方向にずらして、該鋼帯の最大板厚以上の隙間を開けて設置し、
急冷帯出側の圧力>シールロール間の圧力>過時効帯または最終冷却帯の圧力とし、
前記複数組のシールロールの間から雰囲気ガスを排出し、該雰囲気ガスをガス精製装置に導入して急冷帯に戻すことを特徴とする雰囲気ガスのシール方法。
(3)前記徐冷帯側の徐冷帯とシール装置との間には、シールロールから徐冷帯側にリークする雰囲気ガスを排出する雰囲気ガス排気管を設けてリークする雰囲気ガスを吸引し、窒素ガスと混合し、雰囲気ガスの濃度を調整して徐冷帯に供給することを特徴とする(1)に記載の雰囲気ガスのシール方法
(4)前記急冷帯の出側で過時効帯または最終冷却帯の入側には、シール装置から過時効帯または最終冷却帯側にリークする雰囲気ガスを排出する雰囲気ガスを排出する排気管を設けてリークする雰囲気ガスを吸引し、窒素ガスと混合し、雰囲気ガスの濃度を調整して過時効帯または最終冷却帯に導入することを特徴とする(2)に記載の雰囲気ガスのシール方法。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態について、図1乃至図5を用いて詳細に説明する。
図1および図2は、本発明の雰囲気ガスのシール装置を設置した熱処理炉を例示する図である。
図3は、本発明の雰囲気ガスのシール装置におけるシール部を例示する図である。
図4は、本発明を採用した場合の炉内圧力分布を示す図である。
図5は、シールロールの離間寸法とリーク量の関係を示す図である。
図1において、本発明のシール方法およびシール装置を連続焼鈍炉へ採用した場合の実施例を示す。
連続焼鈍炉は加熱帯1、均熱帯2、徐冷帯3、急冷帯4、過時効帯5、最終冷却帯6で構成されている。鋼帯9は加熱帯1にて所定の温度に加熱され、均熱帯2を経て、徐冷帯3、急冷帯4、処理材料に応じて過時効帯5を通過し、最終冷却帯により所定の温度まで冷却され、炉外に搬送される。加熱帯1と均熱帯2との間に本発明のシール装置を採用している。
【0014】
加熱帯1では、鋼帯9の加熱装置として輻射加熱方式や直火バーナによる加熱装置が採用されている。噴射加熱の場合、炉内の雰囲気ガスは、均熱帯2に使用する雰囲気ガスと変わらないため、加熱帯1と均熱帯2との間にシール装置を設置する必要はないが、直火バーナにより鋼帯9を加熱する場合、加熱帯1の雰囲気ガスは弱酸化雰囲気となるため、加熱帯1に連結される均熱帯2とはシールが必要になる。図1では加熱帯1と均熱帯2を連結するスロート部にシールロール方式のシール装置を配置した。シールロールは鋼帯9を挟んで上下に1対とし、鋼帯9の走行方向に間隔をあけて2組配置している。そしてこの間から雰囲気ガスを排気する雰囲気ガス排気管13を連結している。
【0015】
シールロールは鋼帯の上下に鋼帯を挟んで鋼帯の走行方向にずらして、シールロールの面はシールロールを通過する鋼帯の最大板厚の隙間をあけて配置し、複数組(本実施形態では2組)のシールロールの間から雰囲気ガスを排気するようにする。このシール装置により隣接する炉体の雰囲気ガスがそれぞれの炉体の侵入することはない。また、図3に示すように上下に配置するシールロールのうち鋼帯9の上面に配置するシールロール10-2は鋼帯9の下面に配置するシールロール10-1よりずらして配置している。これにより鋼帯9の上面に位置するシールロール10-2は鋼帯9に接触させるのみで、上下に配置する場合には板厚の変更等により鋼帯9を挟持することになるため、シールロール10-1.10-2のスリップや異物の噛みこみによりより鋼帯9に疵が発生することが懸念され上部に配置するシールロール10-2は板厚の変化分にプラスして若干の余裕をみて隙間を開けて配置することになる。この状態でも本発明のシール方法で問題はないが、さらにシール性を向上させるため上下シールロールのうち上部シールロール10-2を鋼帯9の走行方向にずらして配置している。上部シールロール10-2をずらすことで鋼帯9の板厚が変化しても鋼帯9をシールロールで挟持しないので、鋼帯9へのシールロールにより起因する疵は発生しない。
【0016】
また、図1では急冷帯4に入口および出口に本発明のシール装置10を配置している。急冷帯4の冷却方法としてガスジェット循環方式の冷却装置を採用している。そして、冷却能力を高めるため、雰囲気ガスとして水素濃度50%以上の冷媒を使用して鋼帯の急速冷却を行っている。この場合急冷帯4の前後に連結する徐冷帯3および過時効帯5の雰囲気とは異種雰囲気となるため急冷帯4の入口および出口に本発明のシール装置10を配置している。具体例を図2に示す。
【0017】
図2において徐冷帯3を通過した鋼帯9は徐冷帯3出側のトップロール7を介して急冷帯4の入口のトップロール7により急冷帯4内に搬送される。搬送された鋼帯9は急冷帯4内に配置した冷却装置12により鋼帯に冷媒を吹き付けて所定の温度まで急速冷却し、急冷帯4出口に配置したボトムロール8を介して次のチャンバへ搬送される。図2では過時効帯5を連結しているが、処理形態によっては最終冷却帯の場合もある。
徐冷帯3の出側のトップロール7と急冷帯4入側のトップロール7との間はスロート11により連結され、このスロート11内に鋼帯9を搬送させて急冷帯4に搬送する。このスロート11内に鋼帯9を挟んで上下にシールロール10-1.10-2で1対のシールロールを間隔をあけて2組配置している。シールロール10-1.10-2は鋼帯の上下面に対向してシールロール面が接触するように配置しても良いが、図3に示すように鋼帯9の下部に位置するシールロール10-1に対して鋼帯9の走行方向にずらして配置してもよい。図3では鋼帯9の走行方向に上部のシールロール10-2をずらして配置した1対のシールロールを2対配置しいている。そしてこの対のシールロールの間から雰囲気ガスを排出する雰囲気ガス排出管13を設置している。急冷帯4の雰囲気ガスは水素濃度が50%以上に雰囲気ガスが使用され、徐冷帯3では水素濃度が5〜10%でその残りの窒素ガスを混合した雰囲気ガスが使用されている。雰囲気ガス排出管13により吸引された雰囲気ガスはガス精製装置で水素ガスと窒素ガスに分離され、水素ガスは急冷帯4に戻されて循環使用される。一方、急冷帯4の出側にも同様にシール装置10を配置し、前記と同様に使用される。
【0018】
また、シール部の炉内圧力分布は図4に実線で示すように徐冷帯3と急冷帯4の間にシール装置10を設置した場合、徐冷帯3側の圧力A<シールロール間の圧力B<急冷帯側の圧力C・・・▲1▼となるように調整してシールロール間から雰囲気ガスを排出する。例えば、徐冷帯3側の圧力を1mmAq、シールロール間の圧力を1.5mmAq、急冷帯4側の圧力を2mmAqに調整することで、徐冷帯4側の雰囲気ガスを吸引することなく雰囲気ガスを排出することができる。このように圧力を調整して雰囲気ガスを排出することで、高水素濃度の雰囲気ガスを吸引してガス精製装置16に供給できるので、ガス精製装置16の容量をコンパクトにすることができる。また、徐冷帯3側の徐冷帯3とシール装置10の間にはシールロールからリークする雰囲気ガスを排出する雰囲気ガス排出管18を設置している。この雰囲気ガス排出管18により徐冷帯3側にリークする雰囲気ガスを吸引して、雰囲気ガス排出管18に連結したミキサ19に供給して窒素ガスと混合して濃度を調整し、徐冷帯3に供給して徐冷帯3の雰囲気ガスとして再使用している。
【0019】
また、急冷帯4の出側についても同様に、急冷帯4出側と過時効帯5入側を連結し、このスロート内に急冷帯4側ボトムロールを介して過時効帯5入口のボトムロールにより鋼帯9を搬送する。そして、鋼帯9の上下面にシールロール10-1.10-2を鋼帯9を挟んで配置した1対をなすシールロールを鋼帯の走行方向に間隔をあけて2対配置している。そしてこのシールロールの間から雰囲気ガスを排出する雰囲気ガス排出管13を設け、雰囲気ガスを吸引する。吸引された雰囲気ガスは雰囲気ガス排出管13に連結されたガス精製装置16により分離され、分離された水素ガスは急冷帯4に導入されて冷媒として再使用される。
【0020】
また、急冷帯4の出側で過時効帯5の入側には、シール装置10から過時効帯5側にリーク雰囲気ガスを排出する雰囲気ガス排気管18を設けている。リークする雰囲気ガスを雰囲気ガス排出管18により吸引して、雰囲気ガス排出管18に連結したミキサ19に導入して雰囲気ガスの濃度を調整して過時効帯5に導入する。
急冷帯4と過時効帯5の間に設置したシール装置の圧力バランスは、図4の点線で示すように、急冷帯4出側の圧力A>シールロール間の圧力B>過時効帯5入側の圧力C・・・▲2▼とし、急冷帯4出側の圧力Cを2mmAq、シールロール間の圧力Bを1.5mmAq、過時効帯5入側の圧力Aを1mmAqに調整する。このように調整することで過時効帯5側の雰囲気ガスが急冷帯4に侵入することはない。また、このように圧力を調整することで、シールロール間から吸引する雰囲気ガスは急冷帯4側の高水素濃度の雰囲気ガスを吸引してガス精製装置16に供給できるので、ガス精製装置16の容量をコンパクトにすることができる。
【0021】
図3は本発明のシール装置の具体例を示す。
図3において、鋼帯9が矢印の方向に走行している場合、鋼帯9の下部に鋼帯9の下面にシールロール10-1の表面が接触するように配置する。そして、そのシールロール10-1に対応するシールロール10-2を鋼帯9の上面にシールロール10-2の表面が接触するように配置する。鋼帯9上面に配置したシールロール10-2は鋼帯の走行方向に鋼帯の下部に配置したシールロール10-1より離間して配置している。
この離間寸法はtmax≦L≦50(mm)・・・▲3▼の範囲で設定する。
ここで、tmaxは処理される材料の最大板厚(mm)でLはロール間距離(mm)である。この範囲に設定することで、シールロールによる接触疵や異物の噛み込みにより疵の発生は防止できる。つまり、シールロール10-1および10-2を鋼帯9を挟んで上下に対向させて配置した場合、上下シールロール間の隙間は通過する板厚の最大厚みの隙間に設置する。しかし最大板厚の鋼帯9が上下シールロール間を通過する際、上下シールロールに挟まれることになり、鋼帯へのすり疵や異物噛み込み疵が発生しやすくなる。そこで図3に示すように下部シールロール10-1より鋼帯の走行方向にシールロールを通過する最大板厚を超える隙間だけずらすことで、上下シールロールによる現象が生じることなく通過する鋼帯への疵も防止できる。また、上部シールロール10-2の鋼帯の走行方向への離間距離は50mmを超えると図5に示すようにシール効果が悪化するので50mm以下とすることが必要である。
【0022】
【発明の効果】
以上のように、1対のシールロールを2対配置して、シールロール間から雰囲気ガスを排気し、循環して使用するようにしたので、隣接する異種雰囲気の雰囲気ガスが混合することがない。また、炉圧を調節して排気するので、ガス精製装置の容量もコンパクトにできる。
また、シールロールを鋼帯の走行方向に離間して設置しているので、シールロール部を通過する鋼帯には圧下力が発生せず、シールロールによりスリップ疵や噛み込み傷が発生しないなど、産業上有用な著しい効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の雰囲気ガスのシール装置を設置した熱処理炉を例示する図である。
【図2】本発明の雰囲気ガスのシール装置を設置した熱処理炉を例示する図である。
【図3】本発明の雰囲気ガスのシール装置におけるシール部を例示する図である。
【図4】本発明を採用した場合の炉内圧力分布を示す図である。
【図5】シールロールの離間寸法とリーク量の関係を示す図である。
【符号の簡単な説明】
1・・・加熱帯、2・・・均熱帯、3・・・徐冷帯、4・・・急冷帯、
5・・・過時効帯、6・・・最終冷却帯、7・・・トップロール、
8・・・ボトムロール、9・・・鋼帯、10・・・シール装置、
10−1・・・シールロール、10−2・・・シールロール、
10−3・・・シール板、11・・・スロート、12・・・冷却装置、
13・・・雰囲気ガス排気管、14・・・オリフィス、15・・・流量調整弁、
16・・・ガス精製装置、17・・・屋外排気管、
18・・・雰囲気ガス排気管、19・・・ミキサ、20・・・N2ガス供給管、
21・・・ミックスガス導入管

Claims (4)

  1. 不活性ガスを封入して鋼帯を熱処理し、急冷帯の雰囲気ガスを、前に連結する徐冷帯より高水素濃度とする、連続焼鈍設備の徐冷帯と急冷帯との間における雰囲気ガスのシール方法であって、
    前記鋼帯を挟む1対のシールロールを複数組配置し、
    該1対をなすシールロール同士を前記鋼帯の走行方向にずらして該鋼帯の最大板厚以上の隙間を開けて設置し、
    徐冷帯側の圧力<シールロール間の圧力<急冷帯側の圧力とし、
    前記複数組のシールロールの間から雰囲気ガスを排出し、該雰囲気ガスをガス精製装置に導入して急冷帯に戻すことを特徴とする雰囲気ガスのシール方法。
  2. 不活性ガスを封入して鋼帯を熱処理し、急冷帯の雰囲気ガスを、後に連結する過時効帯または最終冷却帯より高水素濃度とする、連続焼鈍設備の急冷帯と過時効帯または最終冷却帯との間における雰囲気ガスのシール方法であって、
    前記鋼帯を挟む1対のシールロールを複数組配置し、
    該1対をなすシールロール同士を前記鋼帯の走行方向にずらして、該鋼帯の最大板厚以上の隙間を開けて設置し、
    急冷帯出側の圧力>シールロール間の圧力>過時効帯または最終冷却帯の圧力とし、
    前記複数組のシールロールの間から雰囲気ガスを排出し、該雰囲気ガスをガス精製装置に導入して急冷帯に戻すことを特徴とする雰囲気ガスのシール方法
  3. 前記徐冷帯側の徐冷帯とシール装置との間には、シールロールから徐冷帯側にリークする雰囲気ガスを排出する雰囲気ガス排気管を設けてリークする雰囲気ガスを吸引し、窒素ガスと混合し、雰囲気ガスの濃度を調整して徐冷帯に供給することを特徴とする請求項1に記載の雰囲気ガスのシール方法
  4. 前記急冷帯の出側で過時効帯または最終冷却帯の入側には、シール装置から過時効帯または最終冷却帯側にリークする雰囲気ガスを排出する雰囲気ガスを排出する排気管を設けてリークする雰囲気ガスを吸引し、窒素ガスと混合し、雰囲気ガスの濃度を調整して過時効帯または最終冷却帯に導入することを特徴とする請求項2に記載の雰囲気ガスのシール方法。
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