JP4222457B2 - カラーフィルターの保護層用の熱硬化性樹脂組成物及びその硬化物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱硬化性樹脂組成物及びその硬化物に関するものであり、特に液晶表示装置等のカラー化に必要なカラーフィルター、カラーCCD(電荷結合素子)を代表とする固体撮像素子の平坦化層やその上に設けられるカラーフィルター部のオーバーコート層を形成する材料として有用な熱硬化性樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来技術】
パソコン、カーナビゲーションシステム、液晶テレビ等のカラー表示に用いるカラー液晶表示装置にはフルカラー表示のため、カラーフィルターが使用される。この場合、ガラス等の透明基板にカラーフィルターを設け、この上にITO等からなる無機薄膜を形成させ、この上にポリイミド等の配光膜を形成させ液晶を配置する。しかしながら、オーバーコート層のないカラーフィルターではITO蒸着をへて透明電極形成にいたるプロセスに耐え得るだけの耐熱性、耐薬品性が不足するので、カラーフィルター上にオーバーコート層を形成することが多い。
【0003】
また、カラービデオカメラ、デジタルカメラ、カラーコピー機、医療機器の画像処理装置等の入力デバイスとして用途の広がる電荷結合素子を代表とする固体撮像素子には色分解のためにカラーフィルターが設けられている。この場合、固体撮像素子上にカラーフィルターを形成するため、固体撮像素子表面受光部や回路配線部等による凹凸を緩和する目的で下地用の平坦化層を形成させ、その上にカラーフィルターを設け、次いでオーバーコート層を設けマイクロレンズを形成する。
【0004】
この固体撮像素子上にカラーフィルターを形成する主な方法に、染色法と顔料分散法がある。染色法のカラーフィルターの形成方法は、固体撮像素子上に設けた平坦化層に染色可能な感光性樹脂組成物を塗布し、露光、現像、加熱処理をし、パターン形成後、染料で染色し、防染処理をするという操作を繰り返す。一方、顔料分散方法は、固体撮像素子上に設けた平坦化層に顔料を分散させた感光性樹脂組成物を塗布し、露光、現像、加熱処理をして着色パターンを形成し、この操作を繰り返す。耐熱性、耐光性が要求される用途には、染色法と比較して顔料分散法が適している。
【0005】
一方、カラーフィルターのオーバーコート層や平坦化層などの保護層に要求される特性は、耐熱性、耐薬品性、耐水性、基板やカラーフィルターとの密着性、平滑性等が挙げられる。また、固体撮像素子上の平坦化層に上記に記した顔料分散法でカラーフィルターを形成する場合は、平坦化層に顔料が残りやすく、そのためカラーフィルターの色再現性を劣化させる原因となり、歩留まりの低下につながるため、残渣の発生を抑える特性が必要である。
【0006】
従来、この様なオーバーコート層、平坦化層等の保護層用の樹脂としては、感光性樹脂、エポキシ樹脂等が用いられている。しかし、ネガ型感光性樹脂では、低分子モノマーを紫外線照射して架橋させ不溶化させるが、得られた硬化膜はベースになる材料が低分子量であることや架橋密度が充分に得られないことから、又、一方ポジ型感光性樹脂では、架橋の無い直鎖型高分子であるので、それらによって得られた硬化膜の耐熱性、耐薬品性や機械的強度等は通常の熱硬化性樹脂より得られた硬化膜より劣るため、高温蒸着によりITO等の透明電極を形成する際に膜の色変、皺寄りを引き起こし、カラーフィルターの品質を著しく低下させることがあった。
【0007】
又、耐熱性に優れるため広く用いられてきたエポキシ系樹脂は、ポットライフが短く取り扱いに制約があったり、又は塗布直前に主剤と硬化剤の2液を混合する必要があった。更に、スループット向上の必要性に伴うポストベーク時間の短縮化により、この組成物で保護層を形成した場合、硬化が不十分なため、未反応な硬化剤が、次工程で溶出してしまう欠点をも抱えている。
【0008】
また、上記の保護層用の樹脂を用いて固体撮像素子の平坦化層に使用し、顔料分散法でカラーフィルターを形成した場合、残渣が発生することが判明した。更に、固体撮像素子用に開発された平坦化層用の樹脂組成物も、染色法に開発されたものが多く、例えば、グリシジルメタクリレートとメチルメタクリレートとの共重合体(特開昭62−295614)、分子量1000以下と粘度200mPa・s以下のアルキル化メラミンとアクリル系重合体との組成物(特開平5−70735)は、顔料分散法でカラーフィルターを形成すると、同様に残渣が多く発生するということが判明した。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、保存安定性に優れ、作業性の良好なカラーフィルターの保護層用の熱硬化性組成物を提供し、得られた硬化膜は、耐熱性、耐湿性、耐溶剤性、密着性に優れ、更に硬化膜上に顔料分散法でカラーフィルターを形成した際に残渣の発生を防ぐことができる、カラーフィルターのオーバーコート及び平坦化層等の保護層用の熱硬化性樹脂組成物の硬化物を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決する為の手段】
本発明は
(1)アクリル樹脂(A)とメラミン樹脂(B)を含有する組成物であって、該メラミン樹脂(B)の粘度が不揮発分65%の溶液状態、25℃で測定したときに300mPa・s以上であるカラーフィルターの保護層用の熱硬化性樹脂組成物、
(2)メラミン樹脂(B)の粘度測定時に含有される溶剤が、イソプロパノール、n−プロパノール、イソブタノール、n−ブタノール、n−ブチルセロソルブ若しくはキシレン又はこれらの混合物である(1)記載のカラーフィルターの保護層用の熱硬化性樹脂組成物、
(3)メラミン樹脂(B)がアクリル樹脂(A)に対して、含有率が30%以下である(1)又は(2)記載のカラーフィルターの保護層用の熱硬化性樹脂組成物、
(4)アクリル樹脂(A)が水酸基を含有するアクリルモノマーと他のアクリルモノマーとの共重合体であり、共重合体の重量平均分子量が5,000〜500,000である(1)乃至(3)記載のカラーフィルターの保護層用の熱硬化性樹脂組成物、
(5)メラミン樹脂(B)の硬化温度が180℃以下である(1)乃至(4)に記載のカラーフィルターの保護層用の熱硬化性樹脂組成物、
(6)(1)乃至(5)のいずれか一項に記載のカラーフィルターの保護層用の熱硬化性樹脂組成物の硬化物、
(7)(6)に記載の硬化物の層を有する固体撮像素子、
(8)(6)に記載の硬化物の層を有するカラーフィルター、
(9)(8)に記載のカラーフィルターを有するカラー液晶表示装置、
に関する。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、アクリル樹脂(A)とメラミン樹脂(B)を含有する。本発明に使用されるアクリル樹脂(A)とは、水酸基を含有するアクリルモノマーと他のアクリルモノマーとの共重合体が好ましい。水酸基を含有するアクリルモノマーとしては、次の一般式(1)〜(3)で示される化合物等が挙げられる。
【0012】
一般式(1)
CH2=CR1COOR2OH
一般式(2)
CH2=CR1CO(OR3)nOH
一般式(3)
CH2=CR1COOR4O(COR5O)mH
【0013】
一般式(1)〜(3)中、R1は水素又はメチル基、R2〜R5は炭素数が1〜20のアルキレン基、n、mは1〜30までの整数。
【0014】
具体的には、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0015】
(A)成分の共重合体の他のアクリレートモノマーとしては、例えば(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、スチレン等が挙げられる。
これらの共重合体は公知のラジカル重合反応によって製造することが出来る。
【0016】
共重合体の水酸基を含有するアクリレートモノマーと他のアクリレートモノマーの比率は、前者が重量比で5〜30%、後者が重量比で70〜95%であることが好ましい。水酸基を含有するアクリレートモノマーの比がこの比率の範囲外であると、耐薬品性、耐湿性が劣化する。共重合体の重量平均分子量(MW)はポリスチレン換算でが5,000〜500,000、好ましくは30,000〜300,000ある。MWの異なる2種以上の(A)成分を組みによって、組成物の粘度を調節することも出来る。重量平均分子量はゲルパーミエーションクロマ(GPC)法により測定される。MWが5,000未満の場合、硬化膜は耐薬品性、耐湿性に劣り実用水準で使用するのは困難である。MWが5,000,000を越える場合、硬化膜の機械的強度、耐薬品性、耐湿性は増すものの、樹脂組成物が著しく高粘度となるために薄膜化に困難を来す。
アクリル樹脂(A)の使用量は、組成物の固形分を100重量部としたとき50〜99部、好ましくは60〜97重量部である。
【0017】
本発明に用いられるメラミン樹脂(B)は、メラミンにホルムアルデヒドを作用させた化合物、又はそのアルキル変性物で熱硬化型メラミン樹脂である。また、その粘度が不揮発分65%の溶液状態、25℃で測定したときに300mPa・s以上であり、その硬化温度が180℃以下であることが好ましい。また、該メラミン樹脂(B)の粘度測定時に含有される溶剤には、イソプロパノール、n−プロパノール、イソブタノール、n−ブタノール、n−ブチルセロソルブ、キシレン、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0018】
このようなメラミン樹脂としては、具体的には、三和ケミカル(株)のニカラック MS−001、MX−002、MX−708、MX−706、MX−042等が挙げられる。これらのメラミン樹脂は、単独又は2種以上組み合わせで使用することができる。その使用量は、アクリル樹脂組成物の固形分に対して30%以下が好ましい。これ以上の含有率では、残渣が増加し、平滑性も劣化する。
メラミン樹脂(B)の使用量は、組成物の固形分を100重量部としたとき1〜30重量部、好ましくは2〜25重量部であり、またアクリル樹脂(A)の固形分の重量に対して30重量%以下が好ましい。これ以上の含有率では、残さが増加し、平滑性も劣化する。
【0019】
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、溶媒に溶解させた塗布液として調製するのが好ましい。用いる溶媒としては樹脂組成物と化学反応を起こす恐れが無い限り特に制限はなく、例えばエステル系、エーテル系、ケトン系、芳香族炭化水素系等の有機溶剤が挙げられる。
【0020】
具体的には、酢酸アルキルエステル、プロピオン酸アルキルエステル、酪酸アルキルエステル等の飽和脂肪族モノカルボン酸アルキルエステル類、乳酸アルキルエステル類、アルコキシ酢酸アルキルエステル類、2−オキシプロピオン酸アルキルエステル類、2−アルコキシプロピオン酸アルキルエステル類、3−オキシプロピオン酸アルキルエステル類、3−アルコキシプロピオン酸アルキルエステル類、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸アルキルエステル類、2−アルコキシ−2−メチルプロピオン酸アルキルエステル類、ピルビン酸アルキルエステル、アセト酢酸アルキルエステル、2−オキソブタン酸アルキルエステル等のケトン酸エステル類、ジアルキルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類及びそのアセテートのグリコールエーテルアセテート類、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン等のケトン類、キシレン、トルエン等の芳香族炭化水素類等が挙げられる。これら溶媒は、単独で用いても2種以上混合して用いても良い。
【0021】
本発明の熱硬化性樹脂組成物を調製する際、塗膜の物性を向上させるために、表面平滑剤、基板密着改良材、界面活性剤等の調整添加剤を加えても良い。具体的には、パーフルオロアルキル系化合物、シリコン系化合物、ポリオキシエチレン化合物、ポリオキシプロピレン系化合物、長鎖アルキル化合物等が挙げられる。
【0022】
本発明の熱硬化性樹脂組成物を調製するには、例えば上記溶剤中に(A)、(B)成分を、更に所望により硬化促進剤や添加剤を加え、均一に混合溶解すればよい。溶液中の固形分濃度は、通常3〜40重量%、好ましくは、5〜30重量%程度である。
【0023】
本発明の硬化物は通常、所定の基材に塗布し、加熱焼成することによって、膜厚0.05〜5μm程度の硬化膜として形成される。硬化膜を形成すべき基材としては、例えば、硝子類、ポリカーボネート類、フィルム類、撮像素子の形成されたシリコンウェハー、LCD又はCCD用カラーフィルターのパターン化された着色樹脂膜、印刷用紙、印刷用繊維、金属板等が挙げられる。塗工方法としては、樹脂組成物溶液を目的の基材上に、スピンコート法、ロールコート法、バーコート法、印刷法、浸漬法、スプレイ法等の方法で塗布する。続いて、60〜120℃に設定されたホットプレート又はコンベクションオーブンにて1〜10分程度予備乾燥後、180〜250℃にて3〜30分程度加熱焼成し、硬化膜を得る。
【0024】
本発明のカラーフィルターは、上記組成物の硬化膜を有する。このカラーフィルターは、カラー液晶表示装置、カラーCCD等に用いられる。液晶表示装置用カラーフィルターの製造は、公知の方法で行われる。例えば、硝子基板上にフォトリソグラフィー法、印刷法、電着法等によって、赤、青、緑の着色画素及びブラックマトリクスを作成後、その上に上記組成物のオーバ−コート層を形成し、更にITOの透明電極を積層することによって得られる。このカラーフィルターを表示面に配置することにより、本発明のカラー液晶表示装置が得られる。
【0025】
本発明の固体撮像素子は、撮像素子の形成されたシリコンウェハーに、直接もしくは他の層を介して上記の熱硬化性樹脂組成物の硬化物の層を設けたものである。その製法は、光電変換素子や電荷転送素子等で成る固体撮像装置が形成されたシリコン基板上に、シリコンウェハー表面の凹凸の平滑化のために上記の組成物の硬化物の層を形成し、次に染色法又は顔料分散法等によって直接カラーフィルターを形成し、更に上記の組成物のオーバーコート層を形成する。
【0026】
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、上記の方法にて作成することにより、耐溶剤性、耐熱性、耐湿性、密着性に優れており、LCD用カラーフィルター等の着色樹脂膜のオーバーコート層、又はCCDの平坦化層、及びオーバーコート層等の保護層の形成に際し特に有用となる。更に、これによって得られたカラーフィルターを使用した液晶表示装置、固体撮像素子は優れた表示品位を確保することが出来るのである。
【0027】
【実施例】
実施例によって本発明を更に具体的に説明するが、本発明がこれらの実施例のみに限定されるものではない。
【0028】
実施例1
アクリル樹脂として、メチルメタクリレート/2−ヒドロキシエチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(85/10/5 重量比、重量平均分子量50,000)のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート40%溶液 25g、メラミン樹脂としてニカラック MX−042(三和ケミカル製)2.1g、固形分調整用溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート71.5gを混合し熱硬化性樹脂組成物を得た。
尚、メラミン樹脂ニカラックMX−042をイソプロパノールで不揮発分65%に調整し、R型粘度計(東機産業製)で粘度を測定したところ、430mPa・s(25℃)であった。
【0029】
実施例2
アクリル樹脂として、メチルメタクリレート/2−ヒドロキシプロピルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(85/10/5 重量比、重量平均分子量50,000)のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート40%溶液25g、メラミン樹脂としてニカラック MX−042(三和ケミカル製)1.5g、固形分調整用溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート71.5gを混合し熱硬化性樹脂組成物を得た。
【0030】
実施例3
アクリル樹脂として、メチルメタクリレート/2−ヒドロキシブチルメタクリート/メタクリル酸共重合体(85/10/5 重量比、重量平均分子量50,000)のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート40%溶液 25g、メラミン樹脂としてニカラック MX−042(三和ケミカル製)2.1g、固形分調整用溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート71.5gを混合し熱硬化性樹脂組成物を得た。
【0031】
実施例4
アクリル樹脂として、メチルメタクリレート/ブチルメタクリレート/カプロラクトン変性 2−ヒドロキシエチルメタクリート(ダイセル製プラクセル FM−1)/メタクリル酸共重合体(55/30/10/5 重量比、重量平均分子量100,000)のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート40%溶液 25g、メラミン樹脂としてニカラック MX−708(三和ケミカル製)1.5g、固形分調整用溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテー100gを混合し熱硬化性樹脂組成物を得た。
尚、メラミン樹脂ニカラックMX−708をイソプロパノールで不揮発分65%に調整し、R型粘度計(東機産業製)で粘度を測定したところ、920mPa・s(25℃)であった。
【0032】
実施例5
アクリル樹脂として、ブチルメタクリレート/カプロラクトン変性 2−ヒドロキシエチルメタクリート(ダイセル製プラクセル FM−5)/メタクリル酸共重合体(85/10/5 重量比、重量平均分子量50,000)のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート40%溶液 25g、メラミン樹脂としてニカラック MX−708(三和ケミカル製)1.5g、固形分調整用溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート71.5gを混合し熱硬化性樹脂組成物を得た。
【0033】
実施例6
アクリル樹脂として、メチルメタクリレート/ポリエチレングリコールメタクリレート(日本油脂製ブレンマー PE−350)/メタクリル酸共重合体(75/20/5 重量比、重量平均分子量50,000)のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート40%溶液 25g、メラミン樹脂としてニカラック MX−708(三和ケミカル製)3.5g、固形分調整用溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート71.5gを混合し熱硬化性樹脂組成物を得た。
【0034】
性能評価
この各種熱硬化性樹脂組成物により得られた硬化膜の耐溶剤性、耐湿性、耐熱性、残渣汚染の評価を以下に記すように行った。評価結果を表1に示す。
【0035】
熱硬化性樹脂組成物の硬化膜の作成例
ガラス基板上に最終膜厚1μmとなるよう塗布し、表面温度100℃のホットプレート上で100秒間予備乾燥後、200℃のホットプレート上で5分間加熱し、硬化膜を得た。これを各種試験片とする。
【0036】
耐溶剤性:上記試験片を、下記溶剤に各種条件で処理、試験前後の膜厚を測定し残膜率を求めた。
▲1▼60℃IPA(イソプロパノール)×30分浸漬
▲2▼25℃NMP(N−メチルピロリドン)×30分浸漬
▲3▼25℃GBL(γ−ブチロラクトン)×30分浸漬
【0037】
耐湿性:プレッシャークッカー試験(PCT)用容器50ccに純水を10cc加え、上記試験片を入れ120℃にて3時間処理を行い、膜面を光学顕微鏡で観察した。
【0038】
耐熱性:上記試験片を、250℃のホットプレートで60分間加熱処理し加熱前後の着色度(ΔE*ab値;色度差)を分光光度計にて測定した。
【0039】
残渣汚染:上記の硬化膜上に、緑色顔料分散カラーネガレジストカヤミラーDCF−G630(日本化薬製)を約1μm相当膜厚に塗布し、80℃のホットプレート上で100秒間プレベイク後、紫外線未照射のままKAYAMIRROR DVL−K50D(無機アルカリ系現像液;日本化薬製)にて全面現像し、水洗乾燥後硬化膜上への残渣汚染を顕微鏡にて観察した。
【0040】
【0041】
実施例7
上記の熱硬化性樹脂組成物を、撮像素子の配設されたシリコンウェハー上に最終膜厚2μmとなるよう塗布し、表面温度100℃のホットプレート上で100秒間予備乾燥後、200℃のホットプレート上で5分間加熱し、平坦化層を得た。この平坦化層上に緑色顔料分散レジストカヤミラーDCF−G630(日本化薬製)を約1μm相当膜厚に塗布し、80℃のホットプレート上で100秒間プレベ−ク後、所定のパターンフォトマスクを介して150mJ(365nm)の紫外線を照射した。続いてカヤミラーDVL−K50D(無機アルカリ系現像液;日本化薬製)にて現像、水洗乾燥後、200℃のホットプレート上で5分間ポストベイクし緑色微細画素を形成した。次いで、赤色顔料分散カラーネガレジストカヤミラーDCF−R630(日本化薬製)を約1μm相当膜厚に塗布し、80℃のホットプレート上で100秒間プレベ−ク後、所定のパターンフォトマスクを介して150mJ(365nm)の紫外線を照射した。続いてカヤミラーDVL−K50D(無機アルカリ系現像液;日本化薬製)にて現像、水洗乾燥後、200℃のホットプレート上で5分間ポストベ−クし赤色微細画素を形成した。次いで、青色顔料分散カラーネガレジストカヤミラーDCF−B630(日本化薬製)を約1μm相当膜厚に塗布し、80℃のホットプレート上で100秒間プレベイク後、所定のパターンフォトマスクを介して150mJ(365nm)の紫外線を照射した。続いてカヤミラーDVL−K50D(無機アルカリ系現像液;日本化薬製)にて現像、水洗乾燥後、200℃のホットプレート上で5分間ポストベ−クし青色微細画素を形成し、カラーフィルターが直付けされた固体撮像素子が得られた。これを顕微鏡により直上から観察したところ、下地の平坦化層上への、残渣汚染は認められなかった。更にこの上に上記熱硬化性樹脂組成物を約2μm相当膜厚に塗布し、表面温度100℃のホットプレート上で100秒間予備乾燥後、表面温度200℃のホットプレート上で5分間加熱しオーバーコート層形成した。オーバーコート層の密着性をクロスカット剥離試験によって評価したところ、何れも剥離数0/100で強固な密着性を確認した。
【0042】
【発明の効果】
本発明の熱硬化性樹脂組成物を使用することにより、耐熱性、耐薬品性、耐湿性、密着性に優れた硬化膜を簡便に製造することが出来き、カラーフィルターのオーバーコート層や平坦化層等の保護層の形成に際し特に有用である。又、本発明の硬化層上に顔料分散法でカラーフィルターを形成した場合、残渣の発生を防ぐことが出来、優れた表示品位を確保することが出来る。
Claims (6)
- 水酸基を含有するアクリルモノマーと、他のアクリルモノマーである(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレートから選ばれるアクリルモノマーとの共重合体であり、共重合体の重量平均分子量が5,000〜500,000であるアクリル樹脂(A)とメラミン樹脂(B)とを含有する組成物であって、該メラミン樹脂(B)の粘度がイソプロパノール中不揮発分65%の溶液状態、25℃で測定したときに300mPa・s以上であり、該メラミン樹脂(B)がアクリル樹脂(A)に対して、含有率が30重量%以下であるカラーフィルターの平坦化層用又はオーバーコート層用の熱硬化性樹脂組成物。
- メラミン樹脂(B)の硬化温度が180℃以下である請求項1に記載のカラーフィルターの平坦化層用又はオーバーコート層用の熱硬化性樹脂組成物。
- 請求項1又は2に記載のカラーフィルターの平坦化層用又はオーバーコート層用の熱硬化性樹脂組成物の硬化物。
- 請求項3に記載の硬化物の層を有する固体撮像素子。
- 請求項3に記載の硬化物の層を有するカラーフィルター。
- 請求項5に記載のカラーフィルターを有するカラー液晶表示装置。
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