JP4222023B2 - Woven knitting for bedding materials - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐摩耗性に優れ、且つ柔軟性に優れた寝装資材用織編物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近、地球的規模での環境に対する意識向上に伴い、自然環境の中で分解する繊維素材の開発が切望されている。例えば、従来の汎用プラスチックは石油資源を主原料としていることから、自然環境の中では分解せず、そして石油資源が将来枯渇すること、また石油資源の大量消費により生じる地球温暖化が大きな問題として採り上げられている。
【0003】
このため近年では脂肪族ポリエステル等、様々なプラスチックや繊維の研究・開発が活発化している。その中でも微生物により分解されるプラスチック、即ち生分解性プラスチックを用いた繊維に注目が集まっている。
【0004】
また、二酸化炭素を大気中から取り込み成長する植物資源を原料とすることで、二酸化炭素の循環により地球温暖化を抑制できることが期待できるとともに、資源枯渇の問題も解決できる可能性がある。そのため、植物資源を出発点とするプラスチック、すなわちバイオマス利用のプラスチックに注目が集まっている。
【0005】
これまで、バイオマス利用の生分解性プラスチックは、力学特性や耐熱性が低いとともに、製造コストが高いといった課題があり、汎用プラスチックとして使われることはなかった。一方、近年では力学特性や耐熱性が比較的高く、製造コストの低い生分解性のプラスチックとして、でんぷんの発酵で得られる乳酸を原料としたポリ乳酸が脚光を浴びている。
【0006】
ポリ乳酸は、例えば手術用縫合糸として医療分野で古くから用いられてきたが、最近は量産技術の向上により価格面においても他の汎用プラスチックと競争できるまでになった。そのため、繊維としての商品開発も活発化してきている。
【0007】
ポリ乳酸繊維の開発は、生分解性を活かした農業資材や土木資材等が先行しているが、それに続く大型の用途として、ポリ乳酸の弱酸性で穏やかな抗菌性を活かした肌に優しい素材としても注目されており、衣料用途、カーテン、カーペット等のインテリア用途への応用も期待されている。
【0008】
しかしながら、ポリ乳酸繊維は表面摩擦係数が高いとともに、耐摩耗性が低いため、擦過により容易に削れるという欠点がある。そのため、ポリ乳酸繊維を寝装資材に用いた場合には、長時間使用により繊維表面が削れて風合いが低下したり、表面の乱反射により白ぼけと呼ばれる色欠点が顕在化する。酷いときには寝装具から染料がパジャマ等に移行するという問題も生じる。そのため、いまだ寝装資材用途への展開が進んでいない。
【0009】
これらの問題を引き起こす原因は、ポリ乳酸ポリマーの基質によるものであり、ポリ乳酸繊維では必然的に起こる問題であると考えられる。
【0010】
ところで、樹脂製品やフィルム、シート等の分野では、その製造工程において、チップや溶融ポリマーのアンチブロキング性、或いは金型やローラーからの成形体の剥離性を向上させるためにポリマーに滑剤を添加する場合がある。しかしながら、繊維の分野においては、滑剤の耐熱性や昇華による繊維表面へのブリードアウトにより繊維物性低下や染色斑による品質低下が発生するため、これまでこのような添加剤を用いることは避けられる傾向にあった。
【0011】
滑剤を添加したポリ乳酸成形体については、例えば、脂肪族カルボン酸アミド、脂肪族カルボン酸塩、脂肪族アルコール及び脂肪族カルボン酸からなる化合物を結晶核剤として用い、透明性の高い成形体を得る方法が開示されている(特許文献1参照)。しかしながら、該方法はポリ乳酸繊維に関する具体的な記載はないばかりか、耐摩耗性の向上については全く示唆されていない。また、滑剤を添加したポリ乳酸繊維については、一般式RCONH2(ただしRはアルキル基)で表される脂肪酸モノアミドを添加し、撥水性を与えることで加水分解速度を抑制することが開示されている(特許文献2参照)。しかしながら、ポリ乳酸繊維の耐摩耗性の向上については全く示唆されていない。また、念のため脂肪酸モノアミドを添加したポリ乳酸繊維について追試を行ったが、ポリ乳酸繊維の耐摩耗性を向上させることはできなかった(比較例2参照)。これは、脂肪酸モノアミドが、アミド基の反応性が高いために溶融時にポリ乳酸と反応してしまい、滑剤として寄与する脂肪酸モノアミドの割合が少なくなることが原因であると推定される。また、脂肪酸モノアミドがポリ乳酸と反応すると、ポリ乳酸の分子鎖が切断され、分子量が低下するため、繊維物性が低下するという問題もある。
【0012】
寝装資材への展開を進めるためには、このような問題点を解決することが要望されている。
【0013】
【特許文献1】
特開平9−278991号公報(第2〜3頁)
【0014】
【特許文献2】
特開平8−183898号公報(第2〜3頁)
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、耐摩耗性に優れ、柔軟かつ肌に優しいポリ乳酸繊維からなる寝装資材用織編物を提供することを課題とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、「脂肪酸ビスアミドおよび/またはアルキル置換型の脂肪酸モノアミドを繊維全体に対して0.1〜5重量%含有し、単繊維繊度が0.1〜2.4dtexであるポリ乳酸からなるマルチフィラメントを用いており、かつ色調の指標であるb * 値が−1〜5であることを特徴とする寝装資材用織編物」により達成される。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の寝装資材用織編物について詳細に説明する。
【0018】
本発明でいうポリ乳酸とは、−(O-CHCH3-CO)n−を繰り返し単位とするポリマーであり、乳酸やラクチド等の乳酸のオリゴマーを重合したものをいう。乳酸にはD−乳酸とL−乳酸の2種類の光学異性体が存在するため、その重合体もD体のみからなるポリ(D−乳酸)とL体のみからなるポリ(L−乳酸)および両者からなるポリ乳酸がある。ポリ乳酸中のD−乳酸、あるいはL−乳酸の光学純度は、それらが低くなるとともに結晶性が低下し、融点降下が大きくなる。そのため、耐熱性を高めるために光学純度は90%以上であることが好ましい。
【0019】
ただし、上記のように2種類の光学異性体が単純に混合している系とは別に、前記2種類の光学異性体をブレンドして繊維に成形した後、140℃以上の高温熱処理を施してラセミ結晶を形成させたステレオコンプレックスにすると、融点を飛躍的に高めることができるためより好ましい。
【0020】
また、ポリ乳酸中にはラクチド等の残存モノマーが存在するが、これら低分子量残留物は、仮撚加工工程での加熱ヒーター汚れや染色加工工程での染め斑等の染色異常を誘発する原因となる。また、繊維の加水分解性を促進し、耐久性を低下させるため、これらの低分子量残留物は好ましくは1重量%以下、より好ましくは0.5重量%以下、さらに好ましくは0.2重量%以下である。
【0021】
また、ポリ乳酸の性質を損なわない範囲で、乳酸以外の成分を共重合していてもよい。共重合する成分としては、ポリエチレングリコールなどのポリエーテル、ポリブチレンサクシネートやポリグリコール酸などの脂肪族ポリエステル、ポリエチレンイソフタレートなどの芳香族ポリエステル、及びヒドロキシカルボン酸、ラクトン、ジカルボン酸、ジオールなどのエステル結合形成性の単量体が挙げられる。ただし、バイオマス利用、生分解性の観点から、ポリ乳酸繊維中の乳酸モノマー比率は50重量%以上とすることが必要である。乳酸モノマーは好ましくは75重量%以上、より好ましくは96重量%以上である。また、ポリ乳酸以外の熱可塑性重合体をブレンドしたり、両成分を複合(芯鞘型、バイメタル型)してもよい。さらに改質剤として粒子、難燃剤、帯電防止剤、抗酸化剤や紫外線吸収剤等の添加物を含有していてもよい。また、ポリ乳酸重合体の分子量は、重量平均分子量で5万〜35万であると、力学特性と成形性のバランスがよく好ましく、10万〜25万であると、より好ましい。
【0022】
本発明のポリ乳酸の製造方法は、特に限定されない。具体的には、特開平6−65360号に開示されている方法が挙げられる。すなわち、乳酸を有機溶媒及び触媒の存在下、そのまま脱水縮合する直接脱水縮合法である。また、特開平7−173266号に開示されている少なくとも2種類のホモポリマーを重合触媒の存在下、共重合並びにエステル交換反応させる方法である。さらには、米国特許第2,703,316号明細書に開示されている方法がある。すなわち、乳酸を一旦脱水し、環状二量体とした後に、開環重合する間接重合法である。
【0023】
本発明では、滑剤として脂肪酸ビスアミドおよび/またはアルキル置換型の脂肪酸モノアミドを繊維全体に対して0.1〜5重量%含有する。
【0024】
ポリ乳酸からなるマルチフィラメントは、ポリエチレンテレフタレートやポリアミドのような汎用の合成繊維と比較して、耐摩耗性が極めて悪い。これは、ポリ乳酸の分子鎖間相互作用が小さく、容易に分子鎖同士が剥がされるためであると考えられる。また、この傾向は高温になるほど顕著になる。そのため、製糸工程や製編織工程において高速で糸を走行させると、容易に繊維が削れて毛羽や断糸が発生したり、酷い場合には融着が生じる。また、衣類等の製品になってからも繰り返し使用や強い摩擦力が加わると、摩耗により表面が荒れて色調異常を来たしたり、風合いの悪化により酷い場合には肌荒れの原因にもなる。このような問題に対し、滑剤の添加により繊維の表面摩擦係数が下がるため、過度の温度上昇を抑制したり、破壊に至るまでの応力が加わらない様にすることが可能となる。
【0025】
本発明で用いられるポリ乳酸からなるマルチフィラメントに好ましく用いられる滑剤としては、脂肪酸ビスアミドおよび/またはアルキル置換型の脂肪酸モノアミドが挙げられる。
【0026】
本発明で用いられる脂肪酸ビスアミドとしては、飽和脂肪酸ビスアミド、不飽和脂肪酸ビスアミド、芳香族系ビスアミド等の1分子中にアミド結合を2つ有する化合物を指し、例えば、メチレンビスカプリル酸アミド、メチレンビスカプリン酸アミド、メチレンビスラウリン酸アミド、メチレンビスミリスチン酸アミド、メチレンビスパルミチン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、メチレンビスイソステアリン酸アミド、メチレンビスベヘニン酸アミド、メチレンビスオレイン酸アミド、メチレンビスエルカ酸アミド、エチレンビスカプリル酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、エチレンビスミリスチン酸アミド、エチレンビスパルミチン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスイソステアリン酸アミド、エチレンビスベヘニン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミド、エチレンビスエルカ酸アミド、ブチレンビスステアリン酸アミド、ブチレンビスベヘニン酸アミド、ブチレンビスオレイン酸アミド、ブチレンビスエルカ酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミド、ヘキサメチレンビスベヘニン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスエルカ酸アミド、m−キシリレンビスステアリン酸アミド、m−キシリレンビス−12−ヒドロキシステアリン酸アミド、p−キシリレンビスステアリン酸アミド、p−フェニレンビスステアリン酸アミド、p−フェニレンビスステアリン酸アミド、N,N’−ジステアリルアジピン酸アミド、N,N’−ジステアリルセバシン酸アミド、N,N’−ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’−ジオレイルセバシン酸アミド、N,N’−ジステアリルイソフタル酸アミド、N,N’−ジステアリルテレフタル酸アミド、メチレンビスヒドロキシステアリン酸アミド、エチレンビスヒドロキシステアリン酸アミド、ブチレンビスヒドロキシステアリン酸アミドおよびヘキサメチレンビスヒドロキシステアリン酸アミド等が挙げられる。
【0027】
また、本発明で用いられるアルキル置換型の脂肪酸モノアミドとしては、飽和脂肪酸モノアミドや不飽和脂肪酸モノアミド等のアミド水素をアルキル基で置き換えた構造の化合物を指し、例えば、N−ラウリルラウリン酸アミド、N−パルミチルパルミチン酸アミド、N−ステアリルステアリン酸アミド、N−ベヘニルベヘニン酸アミド、N−オレイルオレイン酸アミド、N−ステアリルオレイン酸アミド、N−オレイルステアリン酸アミド、N−ステアリルエルカ酸アミドおよびN−オレイルパルミチン酸アミド等が挙げられる。該アルキル基は、その構造中にヒドロキシル基等の置換基が導入されていても良く、例えば、メチロールステアリン酸アミド、メチロールベヘニン酸アミド、N−ステアリル−12−ヒドロキシステアリン酸アミドおよびN−オレイル12ヒドロキシステアリン酸アミド等も本発明のアルキル置換型の脂肪酸モノアミドに含むものとする。
【0028】
本発明では、脂肪酸ビスアミドやアルキル置換型の脂肪酸モノアミドを用いるが、これらの化合物は、一般の脂肪酸モノアミドに比べてアミドの反応性が低いために、溶融成形時においてポリ乳酸との反応が起こり難く、さらに高分子量のものが多いために耐熱性が高く、溶融成形で昇華しにくいため滑剤としての機能を損なうことなく、優れた滑り性を発揮する。特に、脂肪酸ビスアミドは、アミドの反応性がさらに低いため、より好ましく用いることができ、エチレンビスステアリン酸アミドであることが、さらに好ましい態様である。
【0029】
本発明では、2種以上の脂肪酸ビスアミドとアルキル置換型の脂肪酸モノアミドを用いてもよく、また脂肪酸ビスアミドとアルキル置換型の脂肪酸モノアミドを併用してもよい。
【0030】
例えば、脂肪酸ビスアミドでは日本油脂(株)社製のエチレンビスステアリン酸アミド商品名“アルフロー”Hシリーズや、日本化成(株)社製のm-キシリレンビスステアリン酸アミド商品名“スリパックスPXS”、アルキル置換型の脂肪酸モノアミドとして日本化成(株)社製のN-ステアリルステアリン酸アミド商品名“ニッカアマイドS”等が挙げられる。
【0031】
脂肪酸ビスアミドおよび/またはアルキル置換型の脂肪酸モノアミドの含有量は、上記特性を発揮するために繊維重量に対して0.1〜5重量%とすることが必要である。滑り性を発現させるには、含有量は0.1重量%以上にすることが必要である。また、含有量が多すぎると繊維の機械的物性が低下したり、黄味を帯びて染色したときに色調が悪くなるので含有量は5重量%以下であることが必要であり、該脂肪酸アミドおよび/またはアルキル置換型の脂肪酸モノアミドの含有量は、より好ましくは0.2〜4重量%、さらに好ましくは0.3〜3重量%である。
【0032】
本発明の目的である柔軟性と耐摩耗性を両立させるためには、マルチフィラメントを構成する単繊維の繊度は0.1〜2.4dtexであることが必要である。単繊維繊度を0.1〜2.4dtexにすることによって、目的とする柔軟性と耐摩耗性、さらには良好な発色性を付与することができる。単繊維繊度が0.1dtex未満になると、柔軟性は向上するものの、耐摩耗性が低下する傾向にある。本発明においては、滑剤による摩擦低減効果により耐摩耗性は向上しているものの、単繊維繊度が0.1dtex未満ではその効果は小さいものとなってしまい、また、同時に発色性も低下する。逆に、単繊維繊度が2.4dtexを超えると、耐摩耗性と発色性は向上するものの、柔軟性の低下を招く。単繊維繊度の好ましい範囲は0.2〜1.2dtexであり、より好ましい範囲は0.3〜0.8dtexである。また、マルチフィラメントの総繊度は、実用耐久性を保持しつつ、織編物としての柔軟性を付与するために、30〜120dtexが好ましく、40〜90dtexがより好ましい。
【0033】
また、マルチフィラメントを構成する単繊維の断面形状は、丸断面、三角断面、マルチローバル断面、中空断面、偏平断面、W断面およびX型断面その他の異形断面のいずれであってもよい。
【0034】
本発明のマルチフィラメントは、織編物の風合いをより柔軟にし、織編物のパッカリングを抑えるために嵩高加工が施されていることが好ましい。例えば、仮撚加工や流体処理加工(タスラン)を行うことが好ましく、より好ましくはタスラン加工である。それによって、織物表面に無数のループやコイルを形成させられるため、柔軟性、ドレープ性が向上するとともに、スパンライクな表面感が得られる。
【0035】
また、寝装資材用途として好ましい織り組織と編み組織の態様は、特に限定されるものではないが、平織、綾織、朱子織、あるいはこれらを組み合わせた組織や変化織や、トリコット、タオル地、ベロア、フラノ等の編み地や起毛地がある。ただし、布団側地として用いる場合には、綿抜けを防止することが必要であることから、平織組織が最適である。また、そのときの経糸のカバーファクター(WCF)と、緯糸のカバーファクター(FCF)は、下記式を満足することが好ましい。
【0036】
0.60≦FCF/WCF≦0.80
例えば、本発明の寝装資材用織物を布団側地として用いるには、前記したように綿抜け防止が必須の特性となるため、適度に高密度製織し、さらに織物工程で経糸を収縮させ、緯密度を向上させる方法が好ましく採用される。平織組織は織組織の中でも特に織り糸(緯糸)の曲がりが大きく、織物内に隙間を作りにくい。さらに織り密度の比FCF/WCFを0.60〜0.80の範囲にすることで、効果的に綿抜けを防止することができる。逆に、この範囲を外れると綿抜けや、風合いの粗硬化を招く傾向を示す。
【0037】
例えば、FCF/WCFが0.60より小さいと、織物の高密度化が難しくなり、綿抜けを防止するために経糸のカバーファクターを非常に高くする必要がある。その場合、緯引裂強力が低下して、実用レベルには達しない場合がある。同様に、FCF/WCFが0.80を超えると高密度化が困難になり、無理に高密度化を図ると風合いが粗硬化することがある。
【0038】
また、染色前の織編物の色調は、後工程の染色段階でのカラーバリエーションを多くし、彩度の高い色彩を可能にするために、色調の1指標(黄味)であるb*値が−1〜5であることが必要であり、−1〜3であることが好ましい。なお、従来技術である脂肪酸モノアミドを含有したポリ乳酸繊維を用いると、b*値が高く、黄味が強い傾向になる。これは、脂肪酸モノアミドの熱劣化に加えて、脂肪酸モノアミドが溶融成形時にポリ乳酸ポリマーのカルボニル基と反応し、ジアセトアミド基が形成されるためと考えられる。これに対して、本発明で用いられる脂肪酸ビスアミドや、アルキル置換型の脂肪酸モノアミドは、耐熱性に優れているとともに、アミド基の反応性が低いため、繊維が着色しにくいのである。
【0039】
本発明の寝装資材用織編物は、例えば、織物であれば経糸または緯糸のいずれかがポリ乳酸からなるマルチフィラメントであれば、他の繊維を含んでいてもよい。例えば、ポリ乳酸からなるマルチフィラメントを、天然繊維、再生繊維、半合成繊維あるいは合成繊維と引き揃え、撚糸、混繊したものであってもよい。他の繊維としては、木綿、麻、羊毛、絹などの天然繊維や、レーヨン、キュプラなどの再生繊維、アセテートなどの半合成繊維、ナイロン、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート等)、ポリアクリロニトリルおよびポリ塩化ビニルなどの合成繊維などを適用することができる。
【0040】
また、必要に応じて制電性付与剤や吸湿性付与剤を付与することができる。また、製織する際に、糸の集束性、曲げ剛性、風合い等のために、ポリ乳酸からなるマルチフィラメントに適宜追撚等がなされていてもよいし、集束性のために糊付け等がなされていてもよい。
【0041】
本発明の寝装資材用織編物は、寝装資材に用いる織編物であり、寝装資材としては、掛布団や敷布団、肌掛け布団、こたつ布団、座布団、ベビー布団、毛布等の布団類や枕、クッション等の側地やカバー、マットレスやベッドパッド、病院用、医療用、ホテル用、ベビー用のシーツ等、さらには寝袋、揺りかごおよびベビーカー等のカバー等が挙げられる。これら布団等に充填される内容物として、綿、ウール、絹、ポリエステル、アクリル、発泡ウレタン、ビーズ、パイプおよび蕎麦殻等が好適に用いられる。
【0042】
本発明の寝装資材用織編物は、これらの素材として用いることで十分な実用耐久性と良好な柔軟性、発色性を示し、さらにはポリ乳酸による弱酸性効果と抗菌効果により優れた快適性が得られるのである。
【0043】
【実施例】
以下、本発明の寝装資材用編織物について実施例を用いて詳細に説明する。なお、実施例における物性等の測定と評価方法には、以下の方法を用いた。
【0044】
A.重量平均分子量
ウォーターズ(Waters)社製のゲルパーミエーションクロマトグラフィー2690を用い、ポリスチレンを標準として測定した。
【0045】
B.強度および伸度
試料をオリエンテック(株)社製テンシロン(TENSILON) UCT−100でJISL1013(化学繊維フィラメント糸試験方法)に示される定速伸長条件で測定した。なお、破断伸度はS−S曲線における最大強力を示した点の伸びから求めた。
【0046】
C.糸斑U%
糸長手方向の太さ斑U%(Normal)は、(株)ツェルベガーウースター社製ウースター テスター モニター C(USTER TESTER MONITOR C)で測定した。条件は、糸速度200m/分で1分間供給し、ノーマル(Normal)モードで平均偏差率(U%)を測定した。
【0047】
D.沸騰水収縮率
JIS L 1013(化学繊維フィラメント糸試験方法)に準じて測定した。 未延伸糸パッケージから検尺機でカセを採取し、90×10-3cN/dtexの実長測定荷重を架けてカセ長L1を測定し、引き続いて実長測定荷重をはずし、沸騰水中に15分間投入した後取り出し、風乾し、再び実長測定荷重を架けてカセ長L2を測定し、次式により沸騰水収縮率を算出した。
【0048】
沸騰水収縮率(%)=[(L1−L2)/L1]×100
E.CR
捲縮糸をかせ取りし、荷重フリーの状態で沸騰水中15分間処理した後、24時間風乾した。このサンプルに90×10-3cN/dtex相当の荷重をかけ水中に浸漬し、2分後のかせ長L0を測定した。次に、水中で90×10-3cN/dtex相当の荷重を除き1.8×10-3cN/dtex相当の微荷重に交換し、2分後のかせ長L1を測定した。そして下式によりCR値を計算した。
【0049】
CR(%)=[(L0−L1)/L0]×100(%)
F.色調(b*値)
精練上がりの織編物を、下地の白色板が無視できる程度まで積層し、ミノルタ社製「スペクトロフォトメーターCM−3700d」を用いてb*値を測定した。このとき、光源としてはD65(色温度6504K)を用い、10°視野で測定を行った。
【0050】
G.経糸および緯糸のカバーファクター
既述のとおり、経糸のカバーファクター(WCF)と緯糸のカバーファクター(FCF)は、次式により算出した。
WCF=WN×(WT)1/2
FCF=FN×(FT)1/2
なお、WNは経糸の製品織密度(2.54cmあたりの経糸本数)を示し、WTは経糸の製織前の総繊度(デシテックス(dtex))を示し、FNは緯糸の製品織密度(2.54cmあたりの緯糸本数)を示し、FTは緯糸の製織前の総繊度(デシテックス(dtex))を示す。
【0051】
H.耐摩耗性(乾摩擦堅牢度)
JIS L0849に基づき、染色した織物サンプルを綿布で100回往復摩擦し、綿布への色移り度合いをグレースケールを用いて5段階で判定した。
【0052】
I.風合い特性
試料を基準試料との一対比較による官能試験を実施し、4段階評価した。そしてそれらを総合評価して「極めて優れている」は「◎」、「優れている」は「○」、「普通」は「△」、「劣っている」は「×」とした。
【0053】
[製造例1](ポリ乳酸の製造)
光学純度99.5%のL乳酸から製造したラクチドを、ビス(2−エチルヘキサノエート)スズ触媒(ラクチド対触媒モル比=10000:1)存在下にチッソ雰囲気下180℃で180分間重合を行い光学純度98.5%のポリ乳酸P1を得た。得られたポリ乳酸の重量平均分子量は17.2万であった。また、残留しているラクチド量は0.12重量%であった。
【0054】
[製造例2](EBAを5重量%含有したポリ乳酸の製造)
製造例1で得られたポリ乳酸P1と(株)日本油脂社製エチレンビスステアリン酸アミド(以下、EBAと称する)商品名“アルフロー”H−50Sを乾燥した後、P1:EBA=95:5(重量比)となるように2軸混練押出機に供給し、シリンダー温度210℃で混練してEBAを5重量%含有したポリ乳酸P2を得た。得られたポリ乳酸の残留ラクチド量は0.15重量%であった。
【0055】
[製造例3](EBAを6重量%含有したポリ乳酸の製造)
P1:EBA=94:6(重量比)に変更したこと以外は、製造例2と同様にして、EBAを6重量%含有したポリ乳酸P3を得た。得られたポリ乳酸の残留ラクチド量は0.14重量%であった。
【0056】
[製造例4](SSを5重量%含有したポリ乳酸の製造)
製造例1で得られたポリ乳酸P1と(株)日本化成社製N−ステアリルステアリン酸アミド(アルキル置換型モノアミド。以下、SSと称する)商品名“ニッカアマイドS”を乾燥した後、P1:SS=95:5(重量比)となるように2軸混練押出機に供給し、シリンダー温度210℃で混練してSSを5重量%含有したポリ乳酸P4を得た。得られたポリ乳酸の残留ラクチド量は0.15重量%であった。
【0057】
[製造例5](SAを5重量%含有したポリ乳酸の製造)
製造例1で得られたポリ乳酸P1と(株)日本油脂社製ステアリン酸アミド(モノアミド。以下、SAと称する)商品名“アルフロー”S−10を乾燥した後、P1:SA=95:5(重量比)となるように2軸混練押出機に供給し、シリンダー温度210℃で混練してSAを5重量%含有したポリ乳酸P5を得た。得られたポリ乳酸の残留ラクチド量は0.17重量%であった。
【0058】
(実施例1)
重量比でポリ乳酸P1:ポリ乳酸P2=4:1となるようにチップをブレンド(EBA1重量%)した後、真空乾燥機にて100℃で約10時間乾燥した。取り出したチップの水分率は約60ppmであった。このチップをホッパー1に仕込み、エクストルーダー2で215℃で溶融した後、225℃に加熱されたスピンブロック3に内蔵された紡糸パック4に溶融ポリマーを導き、孔径0.2mm、孔深度0.5mm、孔数72孔の口金5から紡出した(図1参照)。このとき、口金下10cmの位置に吸引装置7を設置し、吸引速度25m/分にて昇華するモノマー、オリゴマーを取り除いた。紡出した糸条はチムニー6により20℃、風速25m/分で冷却固化させた後、口金下1.2mに設置された給油装置8により給油した。紡糸油剤には平滑剤としてポリエーテルを78重量%、エーテルエステルを12重量%、その他添加剤(制電剤、抗酸化剤、防錆剤)を10重量%の比率で調整し、さらにこの油剤を濃度15重量%になるように水エマルジョンとして調整し、繊維に対して6重量%付着した(純油分として0.9重量%付着)。 次に、作動圧空圧0.1MPaにて交絡ノズル9により交絡を付与し、周速度4400m/分の第1ゴデットロール10にて引き取り、続いて第2ゴデットロール11を介して巻取装置12で巻き取り、60dtex、72フィラメントの未延伸糸(チーズ状パッケージ13)を得た。紡糸時の糸切れと毛羽の発生はなく、紡糸性は良好であった。
【0059】
さらにフリクション仮撚加工機を用い、加工速度500m/分、ディスク回転数4500rpm(直径58mmウレタンディスク使用)、熱板温度130℃(熱板長1.8m)、延伸倍率1.25倍で仮撚を行い、50dtex、72フィラメント(単繊維繊度0.7dtex)の仮撚糸を得た。仮撚時の糸切れと毛羽の発生はなく、仮撚性は良好であった。
【0060】
得られた仮撚糸の物性測定を行ったところ、強度2.2cN/dtex、伸度19%、U%(Normal)0.88%、沸騰水収縮率12%、CR20%であり、均一性、力学的特性および捲縮特性ともに優れていた。さらに、この仮撚糸を追油した後、経糸及び緯糸に使用して平織物(織り密度:経130本/2.54cm、緯95本/2.54cm)を作製した。なお、経糸には、300ターン/mのS撚りを施した糸を用いた。さらに、この織物に下記条件にて染色加工を施し、織物製品を得た。
【0061】
<布帛加工条件>
・精練:ソーダ灰(1g/l)、界面活性剤(0.5g/l)、98℃×20分
・中間セット:140℃×3分
・染色:ダイアニックス ネイビー ブルー ERFS 200
(Dianix Navy Blue ERFS 200) (2%owf)
pH調整剤(0.2g/l)、110℃×40分
・ソーピング:界面活性剤(0.2g/l)、60℃×20分
・仕上げセット:140℃×3分
得られた織物の精練上がりのb*値は2.6であり、良好な色調を示した。また、仕上げセット上がりの製品の織り密度は、それぞれ経138本/2.54cm、緯98本/2.54cm、WCF976、FCF693であり、FCF/WCFは0.71であった。この織物の摩擦堅牢度を測定したところ4級であり、良好な耐摩耗性を有していた。また、風合い評価を行ったところ、柔軟性、ふくらみ感、発色性のすべての面で優れた風合いを示した。さらにこの染色織物を布団側地に用いて布団を作成し、3ヶ月間の実用耐久テストを行ったところ、毛羽立ちが無く柔軟な風合いを維持するとともに、白化、テカリもなく、優れた製品耐久性を示した。
【0062】
(実施例2、実施例3)
ポリ乳酸P1とポリ乳酸P2のブレンド比率を次のとおり変更したこと以外は、実施例1と同じ条件で織物製品を得た。P1:P2=19:1とした実施例2で得られた織物は、紡糸性、仮撚性および製織性ともに良好であった。また、摩擦堅牢度は3級で、実施例1よりも劣るものの、実用上は問題のないレベルであった。また、ポリ乳酸P2のみを供給した実施例3で得られた織物は、紡糸性、仮撚性および製織性ともに良好であった。得られた織物製品の摩擦堅牢度は4級と優れていた。
【0063】
比較例1
ポリ乳酸P1を用いたこと以外は、実施例1と同じ条件で織物製品を得た。比較例1で得られた織物は、摩擦堅牢度試験により織物表面が削れて色移りが酷く、1級と極めて悪いものであったが、風合い特性は優れており、摩擦耐久性が要求されない用途であれば使用できるものであった。
【0064】
(比較例
EBAを6重量%含有したポリ乳酸P3をそのまま用いた比較例で得られた織物は、摩擦堅牢度は優れているものの、精練上がりでの色調b*値が5.3と黄味を帯びており、染色上がり後の彩度も低下していた。また、織物製品に染め斑がみられ、実用上問題のあるレベルであった。
【0065】
(実施例
ポリ乳酸P2の代わりにポリ乳酸P4を用い、重量比でP1:P4=4:1となるようにチップをブレンド(SS1重量%)したこと以外は、実施例1と同じ条件で織物製品を得た。実施例は紡糸性も良好で、口金直下での発煙もほとんどなく、問題ないレベルであった。また、仮撚性、製織性ともに良好であった。また、得られた織物製品の摩擦堅牢度は3級であり、実施例1よりは劣るものの、実用上問題のないレベルであった。
【0066】
(比較例
ポリ乳酸P2の代わりに、脂肪酸モノアミドを添加したポリ乳酸P5を用い、重量比でP1:P5=4:1となるようにチップをブレンド(SA1重量%)したこと以外は、実施例1と同じ条件で織物製品を得た。比較例は、紡糸の際に口金直下で発煙が酷く、作業環境が極度に悪化した。また、仮撚においても熱板汚れが酷く、工程安定性が劣るものであった。さらに、比較例で得られた織物は、摩擦堅牢度が2級で実用レベルに達しておらず、染色斑があるため品位が劣るものであった。
【0067】
(実施例、実施例
仮撚加工後の繊度構成が50dtex、24フィラメント(単繊維繊度2.1dtex)となるように、孔径0.30mm、孔数24孔の口金を用いたこと以外は、実施例1と同じ条件で織物製品を得た。実施例は紡糸性、仮撚性および製織性ともに良好であった。また、得られた織物製品は、摩擦堅牢度が4級と耐摩耗性に優れており、発色性は実施例1よりも優れていた。
【0068】
また、仮撚加工後の繊度構成が50dtex、192フィラメント(単繊維繊度0.26dtex)となるように、孔径0.15mm、孔数192孔の口金を用いたこと以外は、実施例1と同じ条件で紡糸を行った。実施例は紡糸、仮撚時に糸切れや毛羽が発生し、製織時の停台回数がやや多かった。また、得られた織物製品は、実施例1で得られた織物よりもさらに柔軟性に優れていた。
【0069】
(比較例、比較例
仮撚加工後の繊度構成が50dtex、18フィラメント(単繊維繊度2.8dtex)となるように、孔径0.30mm、孔数18孔の口金を用いたこと以外は、実施例1と同じ条件で織物製品を得た。比較例で得られた織物製品は、耐摩耗性及び発色性は優れているものの、柔軟性に劣るものであった。また、仮撚加工後の繊度構成が50dtex、600フィラメント(単繊維繊度0.08dtex)となるように、孔径0.12mm、孔数200孔の口金を用いたこと以外は、実施例1と同じ条件で紡糸を行った(未延伸糸を3本合糸・仮撚加工して50dtex、600フィラメントとする)。比較例は紡糸時の糸切れが多発したため、安定して未延伸糸を得ることができなかった。
【0070】
(実施例、実施例
織り密度を次のとおり変更したこと以外は、実施例1と同じ条件で織物製品を得た。染色、仕上げセット後の織り密度を経150本/2.54cm、緯86本/2.54cm(WCF:1061、FCF:608)とした実施例で得られた織物は、摩擦堅牢度は4級で、風合いも実施例1同様に優れたものであった。また、織り密度を経128本/2.54cm、緯108本/2.54cm(WCF:905、FCF:764)とした実施例で得られた織物は、緯密度を高めたために製織時の停台回数が約2倍に増えた。また、得られた織物製品は実施例1で得られた織物と同様、優れた摩擦堅牢度を示した。
【0071】
【表1】

Figure 0004222023
【0072】
【表2】
Figure 0004222023
【0073】
(表中、「U%」とは「U% Normal値」、「WCF」とは「経糸のカバーファクター」、「FCF]とは「緯糸のカバーファクター」、「WCF/FCF」とは「経糸のカバーファクター/緯糸のカバーファクター」である。)
【0074】
【発明の効果】
本発明によれば、耐摩耗性に優れ、柔軟かつ肌に優しいポリ乳酸繊維からなる寝装資材用織編物が得られる。本発明の耐摩耗性に優れた寝装資材用織編物を用いることにより、実用耐久性に優れ、かつ柔軟で肌に優しい寝装資材を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明で好ましく用いられる紡糸装置を示す概略図である。
【符号の説明】
1:ホッパー
2:エクストルーダー
3:紡糸ブロック
4:紡糸パック
5:紡糸口金
6:吸引装置
7:冷却チムニー
8:給油装置
9:交絡ノズル
10:第1ゴデットロール
11:第2ゴデットロール
12:巻取装置
13:チーズ状パッケージ[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a woven or knitted fabric for bedding materials having excellent wear resistance and flexibility.
[0002]
[Prior art]
Recently, with increasing awareness of the environment on a global scale, the development of fiber materials that decompose in the natural environment is eagerly desired. For example, conventional general-purpose plastics use petroleum resources as the main raw material, so they will not decompose in the natural environment, and future depletion of petroleum resources and global warming caused by mass consumption of petroleum resources are major problems. It has been picked up.
[0003]
For this reason, in recent years, research and development of various plastics and fibers such as aliphatic polyesters have been activated. Among them, attention is focused on plastics that are decomposed by microorganisms, that is, fibers using biodegradable plastics.
[0004]
Moreover, by using plant resources that grow by taking in carbon dioxide from the atmosphere, it can be expected that global warming can be suppressed by the circulation of carbon dioxide, and the problem of resource depletion may be solved. Therefore, attention has been focused on plastics starting from plant resources, that is, plastics using biomass.
[0005]
Until now, biodegradable plastics using biomass have not been used as general-purpose plastics due to their low mechanical properties and heat resistance, as well as high manufacturing costs. On the other hand, in recent years, polylactic acid using lactic acid obtained by fermentation of starch as a raw material has attracted attention as a biodegradable plastic having relatively high mechanical properties and heat resistance and low production cost.
[0006]
Polylactic acid has been used in the medical field for a long time as, for example, a surgical suture, but recently it has become competitive with other general-purpose plastics in terms of price due to improvements in mass production technology. For this reason, product development as a fiber has been activated.
[0007]
The development of polylactic acid fiber is preceded by agricultural materials and civil engineering materials that make use of biodegradability, but as a large-scale application that follows, it is a material that is gentle on the skin that makes use of the mildly acidic and mild antibacterial properties of polylactic acid. And is also expected to be applied to interior applications such as clothing, curtains and carpets.
[0008]
However, the polylactic acid fiber has a high surface friction coefficient and low wear resistance, and thus has a disadvantage that it can be easily scraped by rubbing. Therefore, when polylactic acid fiber is used as a bedding material, the fiber surface is shaved due to long-term use and the texture is lowered, or a color defect called white blur becomes obvious due to irregular reflection on the surface. When it is severe, there is a problem that the dye is transferred from the bedding to the pajamas. For this reason, development for bedding materials has not yet progressed.
[0009]
The cause causing these problems is due to the substrate of the polylactic acid polymer, and it is considered that the problem naturally occurs in the polylactic acid fiber.
[0010]
By the way, in the field of resin products, films, sheets, etc., in the manufacturing process, a lubricant is added to the polymer in order to improve the anti-blocking property of chips and molten polymer or the peelability of the molded product from the mold or roller. There is a case. However, in the field of fibers, the heat resistance of lubricants and the bleed-out to the fiber surface due to sublimation cause deterioration of fiber properties and quality deterioration due to dyeing spots, so it is unavoidable to use such additives until now. It was in.
[0011]
For a polylactic acid molded body to which a lubricant is added, for example, a compound comprising an aliphatic carboxylic acid amide, an aliphatic carboxylate, an aliphatic alcohol and an aliphatic carboxylic acid is used as a crystal nucleating agent, and a highly transparent molded body is obtained. A method of obtaining is disclosed (see Patent Document 1). However, this method does not specifically describe polylactic acid fibers, and does not suggest any improvement in wear resistance. For polylactic acid fibers with added lubricant, the general formula RCONH2It is disclosed that a hydrolysis rate is suppressed by adding a fatty acid monoamide represented by (where R is an alkyl group) and imparting water repellency (see Patent Document 2). However, there is no suggestion of improving the abrasion resistance of polylactic acid fibers. In addition, as a precaution, a polylactic acid fiber to which a fatty acid monoamide was added was tested, but the wear resistance of the polylactic acid fiber could not be improved (see Comparative Example 2). This is presumably because the fatty acid monoamide reacts with polylactic acid at the time of melting due to the high reactivity of the amide group, and the proportion of fatty acid monoamide that contributes as a lubricant decreases. In addition, when fatty acid monoamide reacts with polylactic acid, the molecular chain of polylactic acid is cleaved, resulting in a decrease in molecular weight.
[0012]
In order to advance the development of bedding materials, it is desired to solve such problems.
[0013]
[Patent Document 1]
JP-A-9-278991 (pages 2 to 3)
[0014]
[Patent Document 2]
JP-A-8-183898 (pages 2 and 3)
[0015]
[Problems to be solved by the invention]
An object of the present invention is to provide a woven or knitted fabric for bedding material, which is made of polylactic acid fiber which is excellent in wear resistance, flexible and gentle to the skin.
[0016]
[Means for Solving the Problems]
  The above problem is that "fatty acid bisamide and / or alkyl-substituted fatty acid monoamide is applied to the whole fiber.0.1A multifilament made of polylactic acid containing ˜5% by weight and having a single fiber fineness of 0.1 to 2.4 dtex is used.B which is an indicator of color tone * The value is −1 to 5Achieved by “woven / knitted bedding material”.
[0017]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, the woven or knitted fabric for bedding material of the present invention will be described in detail.
[0018]
The polylactic acid referred to in the present invention is-(O-CHCHThreeA polymer having -CO) n- as a repeating unit, which is obtained by polymerizing lactic acid oligomers such as lactic acid and lactide. Since lactic acid has two types of optical isomers, D-lactic acid and L-lactic acid, the polymer is poly (D-lactic acid) consisting only of D isomer and poly (L-lactic acid) consisting only of L isomer, and There is polylactic acid consisting of both. As the optical purity of D-lactic acid or L-lactic acid in polylactic acid decreases, the crystallinity decreases and the melting point drop increases. Therefore, the optical purity is preferably 90% or more in order to improve heat resistance.
[0019]
However, apart from the system in which two types of optical isomers are simply mixed as described above, the two types of optical isomers are blended and formed into a fiber, and then subjected to a high temperature heat treatment at 140 ° C. or higher. A stereo complex in which a racemic crystal is formed is more preferable because the melting point can be dramatically increased.
[0020]
In addition, residual monomers such as lactide are present in polylactic acid, but these low molecular weight residues are the cause of abnormal dyeing such as heating-heater stains in the false twisting process and dyed spots in the dyeing process. Become. Further, in order to promote hydrolyzability of the fiber and reduce durability, these low molecular weight residues are preferably 1% by weight or less, more preferably 0.5% by weight or less, and further preferably 0.2% by weight. It is as follows.
[0021]
In addition, components other than lactic acid may be copolymerized within a range that does not impair the properties of polylactic acid. The components to be copolymerized include polyethers such as polyethylene glycol, aliphatic polyesters such as polybutylene succinate and polyglycolic acid, aromatic polyesters such as polyethylene isophthalate, and hydroxycarboxylic acids, lactones, dicarboxylic acids and diols. Examples thereof include an ester bond-forming monomer. However, from the viewpoint of biomass utilization and biodegradability, the lactic acid monomer ratio in the polylactic acid fiber needs to be 50% by weight or more. The lactic acid monomer is preferably 75% by weight or more, more preferably 96% by weight or more. Further, a thermoplastic polymer other than polylactic acid may be blended, or both components may be combined (core-sheath type, bimetal type). Furthermore, additives such as particles, flame retardants, antistatic agents, antioxidants and ultraviolet absorbers may be contained as modifiers. Further, the molecular weight of the polylactic acid polymer is preferably 50,000 to 350,000 in terms of weight average molecular weight, and a good balance between mechanical properties and moldability is preferred, and more preferably 100,000 to 250,000.
[0022]
The method for producing the polylactic acid of the present invention is not particularly limited. Specifically, the method disclosed in JP-A-6-65360 is exemplified. That is, a direct dehydration condensation method in which lactic acid is dehydrated and condensed as it is in the presence of an organic solvent and a catalyst. Further, it is a method of copolymerizing and transesterifying at least two kinds of homopolymers disclosed in JP-A-7-173266 in the presence of a polymerization catalyst. Furthermore, there is a method disclosed in US Pat. No. 2,703,316. That is, an indirect polymerization method in which lactic acid is once dehydrated to form a cyclic dimer and then subjected to ring-opening polymerization.
[0023]
  In the present invention, fatty acid bisamide and / or alkyl-substituted fatty acid monoamide is used as a lubricant for the entire fiber.0.1Contains ~ 5% by weight.
[0024]
A multifilament made of polylactic acid has extremely poor wear resistance as compared with general-purpose synthetic fibers such as polyethylene terephthalate and polyamide. This is considered to be because the interaction between the molecular chains of polylactic acid is small and the molecular chains are easily peeled off. This tendency becomes more prominent as the temperature becomes higher. For this reason, if the yarn is run at a high speed in the yarn making process or the weaving and weaving process, the fiber is easily scraped to cause fluff and yarn breakage, and in severe cases, fusion occurs. In addition, if the product is repeatedly used or applied with a strong frictional force even after becoming a product such as clothing, the surface becomes rough due to wear, resulting in abnormal color tone, or it may cause rough skin if the texture is severe. In order to solve such a problem, the surface friction coefficient of the fiber is reduced by the addition of a lubricant, so that it is possible to suppress an excessive increase in temperature or to prevent stress from being applied until breakage occurs.
[0025]
Examples of the lubricant preferably used for the multifilament made of polylactic acid used in the present invention include fatty acid bisamide and / or alkyl-substituted fatty acid monoamide.
[0026]
The fatty acid bisamide used in the present invention refers to a compound having two amide bonds in one molecule such as saturated fatty acid bisamide, unsaturated fatty acid bisamide, aromatic bisamide, etc., for example, methylene biscaprylic amide, methylene biscaprin Acid amide, methylene bis lauric acid amide, methylene bis myristic acid amide, methylene bis palmitic acid amide, methylene bis stearic acid amide, methylene bis isostearic acid amide, methylene bis behenic acid amide, methylene bis oleic acid amide, methylene bis eruka Acid amide, ethylene biscaprylic acid amide, ethylene biscapric acid amide, ethylene bislauric acid amide, ethylene bismyristic acid amide, ethylene bispalmitic acid amide, ethylene bisstearic acid amide, ethyl Bisisostearic acid amide, ethylene bis behenic acid amide, ethylene bis oleic acid amide, ethylene bis erucic acid amide, butylene bis stearic acid amide, butylene bis behenic acid amide, butylene bis oleic acid amide, butylene bis erucic acid Amide, hexamethylene bis stearic acid amide, hexamethylene bis behenic acid amide, hexamethylene bis oleic acid amide, hexamethylene bis erucic acid amide, m-xylylene bis stearic acid amide, m-xylylene bis-12-hydroxy stearic acid Amide, p-xylylene bis-stearic acid amide, p-phenylene bis-stearic acid amide, p-phenylene bis-stearic acid amide, N, N′-distearyl adipic acid amide, N, N′-distearyl sebacic acid amide N, N'-dioleyl adipic acid amide, N, N'-dioleyl sebacic acid amide, N, N'-distearyl isophthalic acid amide, N, N'-distearyl terephthalic acid amide, methylenebishydroxystearin And acid amide, ethylene bishydroxystearic acid amide, butylene bishydroxystearic acid amide, and hexamethylene bishydroxystearic acid amide.
[0027]
The alkyl-substituted fatty acid monoamide used in the present invention refers to a compound having a structure in which an amide hydrogen such as a saturated fatty acid monoamide or an unsaturated fatty acid monoamide is replaced with an alkyl group, such as N-lauryl lauric acid amide, N -Palmityl palmitic acid amide, N-stearyl stearic acid amide, N-behenyl behenic acid amide, N-oleyl oleic acid amide, N-stearyl oleic acid amide, N-oleyl stearic acid amide, N-stearyl erucic acid amide and N- Examples include oleyl palmitic acid amide. The alkyl group may have a substituent such as a hydroxyl group introduced into its structure. For example, methylol stearamide, methylol behenic acid amide, N-stearyl-12-hydroxystearic acid amide and N- Oleyl 12 hydroxystearic acid amide and the like are also included in the alkyl-substituted fatty acid monoamide of the present invention.
[0028]
In the present invention, fatty acid bisamides and alkyl-substituted fatty acid monoamides are used, but these compounds are less reactive with amides than general fatty acid monoamides, so that reaction with polylactic acid hardly occurs during melt molding. Furthermore, since many of them have a high molecular weight, they have high heat resistance and are difficult to sublimate by melt molding, so that they exhibit excellent slipperiness without impairing the function as a lubricant. In particular, fatty acid bisamide can be used more preferably because the reactivity of the amide is lower, and ethylene bis stearamide is a more preferred embodiment.
[0029]
In the present invention, two or more fatty acid bisamides and an alkyl-substituted fatty acid monoamide may be used, or a fatty acid bisamide and an alkyl-substituted fatty acid monoamide may be used in combination.
[0030]
For example, in fatty acid bisamide, ethylene oil stearic acid amide trade name “Alflow” H series manufactured by Nippon Oil & Fats Co., Ltd., m-xylylene bis stearic acid amide trade name “Sripacs PXS” manufactured by Nippon Kasei Co., Ltd., Examples of the alkyl-substituted fatty acid monoamide include N-stearyl stearamide trade name “Nikka Amide S” manufactured by Nippon Kasei Co., Ltd.
[0031]
  The content of the fatty acid bisamide and / or the alkyl-substituted fatty acid monoamide is based on the fiber weight in order to exhibit the above characteristics.0.1It is necessary to make it 5 wt%. In order to express slipperiness, the content should be 0.1% by weight or more.is necessary. In addition, if the content is too large, the mechanical properties of the fiber deteriorates or the color tone deteriorates when dyed with yellowishness, so the content must be 5% by weight or less. The content of the alkyl-substituted fatty acid monoamide is more preferably 0.2 to 4% by weight, still more preferably 0.3 to 3% by weight.
[0032]
In order to achieve both flexibility and wear resistance, which are the objects of the present invention, the fineness of the single fibers constituting the multifilament needs to be 0.1 to 2.4 dtex. By setting the single fiber fineness to 0.1 to 2.4 dtex, it is possible to impart the intended flexibility and wear resistance, as well as good color development. When the single fiber fineness is less than 0.1 dtex, the flexibility is improved, but the wear resistance tends to be lowered. In the present invention, although the wear resistance is improved by the friction reducing effect by the lubricant, the effect is small when the single fiber fineness is less than 0.1 dtex, and the color developability is also lowered at the same time. On the contrary, if the single fiber fineness exceeds 2.4 dtex, the wear resistance and color developability are improved, but the flexibility is lowered. A preferable range of the single fiber fineness is 0.2 to 1.2 dtex, and a more preferable range is 0.3 to 0.8 dtex. Further, the total fineness of the multifilament is preferably 30 to 120 dtex, more preferably 40 to 90 dtex in order to impart flexibility as a woven or knitted fabric while maintaining practical durability.
[0033]
Further, the cross-sectional shape of the single fiber constituting the multifilament may be any of a round cross section, a triangular cross section, a multi-lobe cross section, a hollow cross section, a flat cross section, a W cross section, an X-shaped cross section, and other irregular cross sections.
[0034]
The multifilament of the present invention is preferably subjected to bulk processing in order to make the texture of the woven or knitted fabric more flexible and suppress puckering of the woven or knitted fabric. For example, false twisting or fluid treatment (taslan) is preferably performed, and taslan processing is more preferable. As a result, innumerable loops and coils can be formed on the surface of the fabric, so that flexibility and drapeability are improved and a spun-like surface feeling is obtained.
[0035]
Further, the preferred weaving structure and knitting structure for use as a bedding material are not particularly limited, but plain weave, twill weave, satin weave, or a combination or combination of these, tricot, towel fabric, velour, There are knitted fabrics such as Furano and brushed fabrics. However, when used as a futon side fabric, a plain weave structure is optimal because it is necessary to prevent cotton slippage. Further, it is preferable that the warp cover factor (WCF) and the weft cover factor (FCF) satisfy the following expressions.
[0036]
0.60 ≦ FCF / WCF ≦ 0.80
For example, in order to use the fabric for bedding material of the present invention as a futon side, as described above, since it becomes an essential property to prevent cotton slipping, weaving moderately at a high density, further shrinking the warp in the weaving process, A method for improving the latitude density is preferably employed. In the plain weave structure, the bending of the weaving yarn (weft) is particularly large among the weaving structures, and it is difficult to create a gap in the fabric. Further, by setting the weaving density ratio FCF / WCF in the range of 0.60 to 0.80, it is possible to effectively prevent loosening. On the other hand, if it is out of this range, it tends to cause loosening and rough hardening of the texture.
[0037]
For example, if the FCF / WCF is less than 0.60, it is difficult to increase the density of the woven fabric, and it is necessary to make the cover factor of the warp very high in order to prevent the cotton loss. In such a case, the weft tear strength may be reduced and may not reach a practical level. Similarly, when the FCF / WCF exceeds 0.80, it is difficult to increase the density, and when the density is increased excessively, the texture may be hardened.
[0038]
  In addition, the color tone of the woven or knitted fabric before dyeing has a b * value that is one index (yellowishness) of the color tone in order to increase color variations at the dyeing stage in the subsequent process and enable a highly saturated color. -1 to 5Is necessary-1 to 3PreferGood. In addition, when the polylactic acid fiber containing the fatty acid monoamide which is a prior art is used, the b * value tends to be high and yellowing tends to be strong. This is presumably because, in addition to thermal degradation of the fatty acid monoamide, the fatty acid monoamide reacts with the carbonyl group of the polylactic acid polymer during melt molding to form a diacetamide group. On the other hand, fatty acid bisamides and alkyl-substituted fatty acid monoamides used in the present invention are excellent in heat resistance and have low reactivity of amide groups, so that the fibers are not easily colored.
[0039]
The knitted or knitted fabric for bedding material of the present invention may contain other fibers if, for example, if it is a woven fabric, either warp or weft is a multifilament made of polylactic acid. For example, a multifilament made of polylactic acid may be aligned with natural fiber, regenerated fiber, semi-synthetic fiber or synthetic fiber, twisted yarn, or mixed fiber. Other fibers include natural fibers such as cotton, hemp, wool, and silk, regenerated fibers such as rayon and cupra, semi-synthetic fibers such as acetate, nylon, polyester (polyethylene terephthalate, polybutylene terephthalate, etc.), polyacrylonitrile, Synthetic fibers such as polyvinyl chloride can be applied.
[0040]
Moreover, an antistatic agent and a hygroscopic agent can be provided as needed. In addition, when weaving, multi-filaments made of polylactic acid may be appropriately twisted for the purpose of bundling, bending rigidity, texture, etc., and glued for bundling. May be.
[0041]
The woven or knitted fabric for bedding material of the present invention is a woven or knitted fabric used for bedding materials, and as bedding materials, comforters and mattresses, skin comforters, kotatsu comforters, cushions, baby comforters, blankets, etc., pillows, Examples include side covers such as cushions, mattresses and bed pads, hospital sheets, medical sheets, hotel sheets, baby sheets, and covers such as sleeping bags, cradle and baby strollers. As contents filled in these futons, cotton, wool, silk, polyester, acrylic, urethane foam, beads, pipes, buckwheat husks and the like are preferably used.
[0042]
The woven or knitted fabric for bedding material according to the present invention exhibits sufficient practical durability, good flexibility and color developability when used as these materials, and also has excellent comfort due to the weakly acidic and antibacterial effects of polylactic acid. Is obtained.
[0043]
【Example】
Hereinafter, the knitted fabric for bedding material of the present invention will be described in detail with reference to examples. In addition, the following methods were used for the measurement and evaluation methods of physical properties and the like in the examples.
[0044]
A. Weight average molecular weight
Gel permeation chromatography 2690 manufactured by Waters was used, and measurement was performed using polystyrene as a standard.
[0045]
B. Strength and elongation
The sample was measured by Tensilen (TENSILON) UCT-100 manufactured by Orientec Co., Ltd. under the constant speed elongation conditions shown in JISL1013 (chemical fiber filament yarn test method). The elongation at break was determined from the elongation at the point showing the maximum strength in the SS curve.
[0046]
C. Yarn spots U%
Thickness unevenness U% (Normal) in the longitudinal direction of the yarn was measured with a Worcester tester monitor C (USTER TESTER MONITOR C) manufactured by Zerbegger Worcester. The condition was that the yarn speed was supplied at 200 m / min for 1 minute, and the average deviation rate (U%) was measured in the normal mode.
[0047]
D. Boiling water shrinkage
It measured according to JIS L 1013 (chemical fiber filament yarn test method). Use a measuring machine to collect sachets from the undrawn yarn package, 90 x 10-3Measure the casket length L1 with the actual length measurement load of cN / dtex, then remove the actual length measurement load, put it in boiling water for 15 minutes, take it out, air-dry, and again apply the actual length measurement load to the casket length. L2 was measured and the boiling water shrinkage was calculated by the following formula.
[0048]
Boiling water shrinkage ratio (%) = [(L1-L2) / L1] × 100
E. CR
The crimped yarn was scraped off, treated in boiling water for 15 minutes in a load-free state, and then air-dried for 24 hours. 90 × 10 for this sample-3A load equivalent to cN / dtex was applied and immersed in water, and the skein length L0 after 2 minutes was measured. Next, 90x10 in water-31.8 × 10 excluding load equivalent to cN / dtex-3The minute load corresponding to cN / dtex was exchanged, and the skein length L1 after 2 minutes was measured. And CR value was calculated by the following formula.
[0049]
CR (%) = [(L0−L1) / L0] × 100 (%)
F. Color tone (b * value)
After scouring, the woven or knitted fabric was laminated to such an extent that the base white plate could be ignored, and the b * value was measured using “Spectrophotometer CM-3700d” manufactured by Minolta. At this time, D65 (color temperature 6504K) was used as a light source, and measurement was performed in a 10 ° visual field.
[0050]
G. Cover factor for warp and weft
As described above, the warp cover factor (WCF) and the weft cover factor (FCF) were calculated by the following equations.
WCF = WN × (WT)1/2
FCF = FN × (FT)1/2
WN indicates the product weave density of the warp (number of warps per 2.54 cm), WT indicates the total fineness (decitex) before weaving the warp, and FN is the product weave density of the weft (2.54 cm). FT indicates the total fineness (decitex (dtex)) of the weft before weaving.
[0051]
H. Abrasion resistance (fast dry friction)
Based on JIS L0849, the dyed textile sample was rubbed back and forth 100 times with a cotton cloth, and the degree of color transfer to the cotton cloth was determined in five stages using a gray scale.
[0052]
I. Texture characteristics
The sample was subjected to a sensory test by paired comparison with a reference sample, and was evaluated in four stages. Then, by comprehensively evaluating them, “very good” was “◎”, “excellent” was “◯”, “normal” was “△”, and “poor” was “x”.
[0053]
[Production Example 1] (Production of polylactic acid)
Lactide produced from L-lactic acid having an optical purity of 99.5% was polymerized at 180 ° C. for 180 minutes in a nitrogen atmosphere in the presence of a bis (2-ethylhexanoate) tin catalyst (lactide to catalyst molar ratio = 10000: 1). And polylactic acid P1 having an optical purity of 98.5% was obtained. The obtained polylactic acid had a weight average molecular weight of 172,000. The amount of lactide remaining was 0.12% by weight.
[0054]
[Production Example 2] (Production of polylactic acid containing 5% by weight of EBA)
Polylactic acid P1 obtained in Production Example 1 and ethylene bis stearamide (hereinafter referred to as EBA) trade name “Alflow” H-50S manufactured by NOF Corporation are dried, and then P1: EBA = 95: 5 (Polylactic acid P2 containing 5% by weight of EBA was obtained by kneading at a cylinder temperature of 210 ° C. The amount of residual lactide of the obtained polylactic acid was 0.15% by weight.
[0055]
[Production Example 3] (Production of polylactic acid containing 6% by weight of EBA)
Polylactic acid P3 containing 6% by weight of EBA was obtained in the same manner as in Production Example 2 except that P1: EBA was changed to 94: 6 (weight ratio). The amount of residual lactide of the obtained polylactic acid was 0.14% by weight.
[0056]
[Production Example 4] (Production of polylactic acid containing 5% by weight of SS)
After drying the polylactic acid P1 obtained in Production Example 1 and N-stearyl stearamide (alkyl-substituted monoamide, hereinafter referred to as SS) manufactured by Nippon Kasei Co., Ltd., the product name “Nikka Amide S” was dried. The mixture was supplied to a twin-screw kneading extruder so that SS = 95: 5 (weight ratio), and kneaded at a cylinder temperature of 210 ° C. to obtain polylactic acid P4 containing 5% by weight of SS. The amount of residual lactide of the obtained polylactic acid was 0.15% by weight.
[0057]
[Production Example 5] (Production of polylactic acid containing 5% by weight of SA)
After drying the polylactic acid P1 obtained in Production Example 1 and stearic acid amide (monoamide, hereinafter referred to as SA) trade name “Alflow” S-10 manufactured by NOF Corporation, P1: SA = 95: 5 The mixture was supplied to a biaxial kneader / extruder so as to have a (weight ratio) and kneaded at a cylinder temperature of 210 ° C. to obtain polylactic acid P5 containing 5% by weight of SA. The amount of residual lactide of the obtained polylactic acid was 0.17% by weight.
[0058]
Example 1
The chips were blended (EBA 1% by weight) so that polylactic acid P1: polylactic acid P2 = 4: 1 by weight ratio, and then dried at 100 ° C. for about 10 hours in a vacuum dryer. The moisture content of the removed chip was about 60 ppm. This chip was charged into the hopper 1 and melted at 215 ° C. with the extruder 2, and then the molten polymer was introduced into the spin pack 4 incorporated in the spin block 3 heated to 225 ° C., with a pore diameter of 0.2 mm and a hole depth of 0. Spinning was performed from a base 5 having a diameter of 5 mm and 72 holes (see FIG. 1). At this time, the suction device 7 was installed at a position 10 cm below the base, and monomers and oligomers that sublimated at a suction speed of 25 m / min were removed. The spun yarn was cooled and solidified with a chimney 6 at 20 ° C. and a wind speed of 25 m / min, and then supplied with an oil supply device 8 installed 1.2 m below the base. For spinning oil, 78% by weight of polyether, 12% by weight of ether ester, and 10% by weight of other additives (antistatic agent, antioxidant, rust preventive agent) are adjusted as a smoothing agent. Was adjusted to a concentration of 15% by weight as a water emulsion and adhered to the fiber by 6% by weight (0.9% by weight as a pure oil). Next, entanglement is applied by the entanglement nozzle 9 at an operating pressure of air pressure of 0.1 MPa, taken up by the first godet roll 10 with a peripheral speed of 4400 m / min, and then taken up by the take-up device 12 through the second godet roll 11. , 60 dtex, 72 filament undrawn yarn (cheese-like package 13). There was no yarn breakage or fluffing during spinning, and the spinnability was good.
[0059]
Further, using a false false twisting machine, false twisting at a processing speed of 500 m / min, a disk rotation speed of 4500 rpm (using a 58 mm diameter urethane disk), a hot plate temperature of 130 ° C. (hot plate length of 1.8 m), and a draw ratio of 1.25 times. The false twisted yarn of 50 dtex and 72 filaments (single fiber fineness 0.7 dtex) was obtained. There was no yarn breakage or fluffing during false twisting, and false twisting was good.
[0060]
When the physical properties of the obtained false twisted yarn were measured, the strength was 2.2 cN / dtex, the elongation was 19%, the U% (Normal) was 0.88%, the boiling water shrinkage was 12%, and the CR was 20%. Both mechanical properties and crimp properties were excellent. Furthermore, after this false twisted yarn was added, a plain woven fabric (weave density: warp 130 / 2.54 cm, weft 95 / 2.54 cm) was produced using the warp and weft. In addition, the warp used was a yarn subjected to S twist of 300 turns / m. Further, the fabric was dyed under the following conditions to obtain a fabric product.
[0061]
<Fabric processing conditions>
・ Scouring: Soda ash (1 g / l), surfactant (0.5 g / l), 98 ° C. × 20 minutes
・ Intermediate set: 140 ℃ × 3 minutes
・ Dyeing: Dianix Navy Blue ERFS 200
(Dianix Navy Blue ERFS 200) (2% owf)
pH adjuster (0.2 g / l), 110 ° C. × 40 minutes
・ Soaping: Surfactant (0.2 g / l), 60 ° C. × 20 minutes
-Finishing set: 140 ° C x 3 minutes
The b * value of the scoured finished fabric was 2.6, indicating a good color tone. In addition, the weaving density of the finished product was 138 warps / 2.54 cm, 98 wefts / 2.54 cm, WCF976, FCF693, and FCF / WCF was 0.71. The rub fastness of this fabric was measured and it was grade 4, and it had good abrasion resistance. Moreover, when texture evaluation was performed, the texture which was excellent in all the aspects of a softness | flexibility, a swelling feeling, and coloring property was shown. Furthermore, a futon was made using this dyed fabric on the futon side, and a practical durability test was conducted for 3 months. As a result, there was no fluff and a soft texture was maintained. showed that.
[0062]
(Example 2, Example 3)
A textile product was obtained under the same conditions as in Example 1 except that the blend ratio of polylactic acid P1 and polylactic acid P2 was changed as follows. The fabric obtained in Example 2 with P1: P2 = 19: 1 had good spinnability, false twisting and weaving properties. In addition, the fastness to friction was grade 3, which was inferior to that of Example 1, but was practically satisfactory. In addition, the fabric obtained in Example 3 to which only polylactic acid P2 was supplied had good spinnability, false twisting, and weaving properties. The resulting fabric product had excellent friction fastness of 4th grade.
[0063]
(Comparative Example 1)
  A textile product was obtained under the same conditions as in Example 1 except that polylactic acid P1 was used.Comparative Example 1The woven fabric obtained by the above method had a severe color transfer due to the surface of the woven fabric being shaved by a friction fastness test, and it was extremely bad as grade 1, but it was excellent in texture characteristics and was not required for friction durability. It was usable.
[0064]
(Comparative example2)
  Comparative example using polylactic acid P3 containing 6% by weight of EBA as it is2Although the woven fabric obtained in (1) had excellent friction fastness, the color tone b * value after scouring was 5.3 and yellowish, and the saturation after dyeing was also reduced. In addition, dyed spots were seen in the textile product, and there was a practically problematic level.
[0065]
(Example4)
  A textile product is obtained under the same conditions as in Example 1 except that polylactic acid P4 is used instead of polylactic acid P2 and the chips are blended (SS1 wt%) so that the weight ratio is P1: P4 = 4: 1. It was. Example4The spinnability was also good, and there was almost no smoke immediately below the base, which was a satisfactory level. Further, both false twisting and weaving were good. Moreover, the friction fastness of the obtained textile product was the third grade, and although it was inferior to that of Example 1, it was a level with no practical problem.
[0066]
(Comparative example3)
  The same as Example 1 except that polylactic acid P5 added with fatty acid monoamide was used instead of polylactic acid P2 and the chips were blended (SA 1 wt%) so that the weight ratio was P1: P5 = 4: 1. A woven product was obtained under the conditions. Comparative example3When spinning, the working environment was extremely deteriorated due to severe smoke generation just below the base. Further, hot plate contamination was severe even in false twisting, and the process stability was poor. In addition, comparative examples3The woven fabric obtained in (1) was inferior in quality due to the fact that the fastness to friction was second grade and did not reach the practical level and there were stained spots.
[0067]
(Example5,Example6)
  Under the same conditions as in Example 1 except that a die having a hole diameter of 0.30 mm and a hole number of 24 holes was used so that the fineness configuration after false twisting was 50 dtex and 24 filaments (single fiber fineness 2.1 dtex). A woven product was obtained. Example5The spinning property, false twisting property and weaving property were all good. In addition, the obtained textile product was excellent in abrasion fastness with grade 4 fastness to friction, and color development was superior to that in Example 1.
[0068]
  Moreover, it is the same as Example 1 except having used the nozzle | cap | die of hole diameter 0.15mm and the number of holes of 192 holes so that the fineness structure after false twist processing may be 50 dtex and 192 filaments (single fiber fineness 0.26 dtex). Spinning was performed under conditions. Example6, Yarn breakage and fluff occurred during spinning and false twisting, and the number of stops during weaving was slightly high. Moreover, the obtained textile product was further excellent in flexibility than the textile obtained in Example 1.
[0069]
(Comparative example4Comparative example5)
  Under the same conditions as in Example 1 except that a die having a hole diameter of 0.30 mm and a hole number of 18 holes was used so that the fineness configuration after false twisting was 50 dtex and 18 filaments (single fiber fineness 2.8 dtex). A woven product was obtained. Comparative example4The woven product obtained in (1) was inferior in flexibility although it was excellent in abrasion resistance and color development. Moreover, it is the same as Example 1 except having used the nozzle | cap | die of hole diameter 0.12mm and the number of holes 200 holes so that the fineness structure after false twisting may be 50 dtex and 600 filaments (single fiber fineness 0.08 dtex). Spinning was performed under the conditions (three undrawn yarns were combined and false twisted to give 50 dtex, 600 filaments). Comparative example5Since yarn breakage occurred frequently during spinning, an undrawn yarn could not be stably obtained.
[0070]
(Example7,Example8)
  A textile product was obtained under the same conditions as in Example 1 except that the weaving density was changed as follows. Example in which weaving density after dyeing and finishing set was 150 / 2.54 cm, 86 weft / 2.54 cm (WCF: 1061, FCF: 608)7The woven fabric obtained in Example 3 had a friction fastness of 4th grade, and the texture was excellent as in Example 1. Further, an example in which the weaving density is warp 128 / 2.54 cm, weft 108 / 2.54 cm (WCF: 905, FCF: 764)8The woven fabric obtained in (2) increased the weft density, so the number of stops during weaving increased approximately twice. Moreover, the obtained textile product showed the outstanding friction fastness like the textiles obtained in Example 1.
[0071]
[Table 1]
Figure 0004222023
[0072]
[Table 2]
Figure 0004222023
[0073]
(In the table, “U%” means “U% Normal value”, “WCF” means “cover factor of warp”, “FCF” means “cover factor of weft”, “WCF / FCF” means “warp” Cover factor / weft cover factor ")
[0074]
【The invention's effect】
ADVANTAGE OF THE INVENTION According to this invention, the knitted fabric for bedding materials which consists of polylactic acid fiber which is excellent in abrasion resistance, and is soft and kind to skin is obtained. By using the knitted or knitted fabric for bedding material excellent in wear resistance of the present invention, it is possible to produce a bedding material that is excellent in practical durability, flexible and gentle to the skin.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic view showing a spinning apparatus preferably used in the present invention.
[Explanation of symbols]
1: Hopper
2: Extruder
3: Spinning block
4: Spin pack
5: Spinneret
6: Suction device
7: Cooling chimney
8: Refueling device
9: Entanglement nozzle
10: First godet roll
11: Second godet roll
12: Winding device
13: Cheese package

Claims (4)

脂肪酸ビスアミドおよび/またはアルキル置換型の脂肪酸モノアミドを繊維全体に対して0.1〜5重量%含有し、単繊維繊度が0.1〜2.4dtexであるポリ乳酸からなるマルチフィラメントを用いており、かつ色調の指標であるb * 値が−1〜5であることを特徴とする寝装資材用織編物。A multifilament made of polylactic acid containing 0.1 to 5% by weight of fatty acid bisamide and / or alkyl-substituted fatty acid monoamide based on the whole fiber and having a single fiber fineness of 0.1 to 2.4 dtex is used . A woven or knitted fabric for bedding material , wherein b * value which is an index of color tone is -1 to 5 . 経糸および/または緯糸がポリ乳酸からなるマルチフィラメントであり、織り組織が平織組織であることを特徴とする請求項1記載の寝装資材用織物。  2. The bedding material fabric according to claim 1, wherein the warp and / or the weft is a multifilament made of polylactic acid, and the woven structure is a plain weave structure. 経糸のカバーファクター(WCF)と緯糸のカバーファクター(FCF)が、下記式を満足することを特徴とする請求項1または2記載の寝装資材用織物。0.60≦FCF/WCF≦0.80  The textile for bedding material according to claim 1 or 2, wherein the cover factor (WCF) of the warp and the cover factor (FCF) of the weft satisfy the following formula. 0.60 ≦ FCF / WCF ≦ 0.80 請求項1〜のいずれかに記載の寝装資材用織編物を用いてなる寝装資材。A bedding material using the woven or knitted fabric for bedding material according to any one of claims 1 to 3 .
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