JP4221983B2 - 内燃機関の排気処理方法及び排気処理装置 - Google Patents

内燃機関の排気処理方法及び排気処理装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の排気通路から捕集容器に捕集した排気ガスを吸気通路に還流させるようにした排気処理方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
内燃機関の冷間始動時に排出されるNOxをゼオライト触媒にて捕捉し、そのゼオライト触媒がNOxを放出する際には、ゼオライト触媒を通過した排気ガスの全量を捕集容器に捕集し、その捕集した排気ガスはEGRガスとして吸気通路に還流させる排気処理装置が知られている(特許文献1又は2参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−70539号公報
【特許文献2】
特開2002−147227号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、捕集容器には大量の排気ガスが蓄えられるが、それらの排気ガスは次回の捕集に備えてなるべく早期に吸気通路に還流させることが望ましい。その一方、吸気通路に大量の排気ガスを還流させると、酸素不足によって空燃比がリッチ側に大きくずれ、内燃機関の燃焼状態に悪影響を及ぼすおそれがある。
【0005】
そこで、本発明は、内燃機関の燃焼状態の悪化を抑えつつ排気ガスを捕集容器から吸気通路に効率よく還流させることが可能な排気処理方法及びその方法を実現するための排気処理装置を提供することを目的とする。
【0006】
本発明の排気処理方法は、内燃機関の始動後、排気通路に設けられた触媒が所定の活性化温度に暖機されるまでの期間内に前記排気通路から排出された全ての排気ガスを捕集容器に捕集する工程と、その捕集された排気ガスを、前記触媒が活性化していることを条件として前記内燃機関の吸気通路に還流させる工程とを備え、前記還流させる工程では、前記内燃機関の燃焼状態に応じて前記吸気通路へ還流される排気ガスの流量を変化させるとともに、前記捕集容器内の圧力と前記吸気通路の圧力との差に基づいて前記捕集容器から前記吸気通路へ所定の流量の排気ガスを還流させることにより、上述した課題を解決する(請求項1)。
【0007】
この発明の排気処理方法によれば、吸気通路に還流される排気ガスの流量(以下、還流量と呼ぶことがある。)を燃焼状態に応じて制御することにより、捕集容器からの排気ガスの影響による燃焼状態の悪化を抑えつつ、捕集容器内の排気ガスをなるべく大きな流量で吸気通路に還流させて捕集容器から排気ガスを早期に排出させることができる。例えば、捕集容器から還流される排気ガスの影響で失火が発生し、あるいは燃焼室の空燃比が許容範囲からずれる等の望ましくない燃焼状態が現に発生し、又はその発生が予想される場合に還流量を減少させて燃焼状態の悪化を抑えることができる。そのような望ましくない燃焼状態が生じない場合には還流量を増加させて排気ガスを効率よく還流させることができる。また、捕集制御弁の開度を一定とした場合、捕集容器からの排気ガスの還流量は、捕集容器内の圧力と吸気通路の圧力との差に応じて変化する。従って、還流制御弁の制御に関して圧力差を反映させることにより、圧力差に拘わりなく適切な流量で排気ガスを還流させることができる。
【0008】
本発明の排気処理方法において、内燃機関の燃焼状態に応じた流量の変化は、燃焼状態を制御するために操作される各種のパラメータに応じて流量を変化させる場合と、燃焼状態に応じて発生する各種の現象に応じて流量を変化させる場合との両者が含まれる。前者の場合において考慮されるべきパラメータとしては、吸入空気量、吸入空気の圧力、燃焼の噴射量、燃料噴射時期、又はこれらに相関するスロットル開度、機関負荷、機関回転数(回転速度)等が挙げられる。他方、後者の場合において考慮されるべき現象としては、失火等の燃焼不良やそれに伴うトルク変動、騒音の増加等が挙げられる。
【0009】
本発明の排気処理方法は以下に述べる本発明の排気処理装置によって実施することができる。
【0017】
本発明の排気処理装置は、内燃機関の始動後、排気通路に設けられた触媒が所定の活性化温度に暖機されるまでの期間内に前記排気通路から排出された全ての排気ガスを捕集容器に捕集し、その捕集された排気ガスを、前記触媒が活性化していることを条件として前記内燃機関の吸気通路に還流させる内燃機関の排気処理装置において、前記捕集容器から前記吸気通路へ還流される排気ガスの流量を制御する還流制御弁と、前記捕集容器から前記吸気通路へ所定の流量の排気ガスが還流されるように、前記捕集容器内の圧力と前記吸気通路の圧力との差に基づいて前記還流制御弁を制御する還流制御装置と、を備えたことにより、上述した課題を解決する(請求項)。
【0018】
の排気処理装置によれば、捕集容器内の圧力と吸気通路の圧力との差を還流制御弁の制御に反映させることにより、圧力差に拘わりなく適切な流量で排気ガスを還流させ、それにより、燃焼状態の悪化を防止しつつ適切な量の排気ガスを効率よく還流させることができる。
【0019】
なお、捕集容器内の圧力と吸気通路の圧力との差に基づく還流制御弁の制御は、前記捕集容器内の圧力が前記吸気通路の圧力よりも高いほど前記還流制御弁の開度が閉じる方向に変化するように前記還流制御弁の開度を制御することによって実現してもよい(請求項)。
【0020】
この場合には、圧力差が大きくて還流量が過剰となる場合には還流制御弁の開度が閉じる方向に制御され、圧力差が小さくて還流量が過小となる場合には還流制御弁の開度が開く方向に制御されることにより、燃焼状態を悪化させない範囲で還流量をなるべく増加させて還流の効率を向上させることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の排気処理装置及びこれが適用される内燃機関の概要を示している。内燃機関1は自動車の走行用動力源として使用される4サイクル火花点火式のガソリンエンジンとして構成されている。周知のように、内燃機関1には、燃焼室2に空気を取り込むための吸気通路3と、吸入空気量を制御するためのスロットルバルブ4と、燃焼室2からの排気を所定の排気位置まで導くための排気通路5と、これらの通路3,5を開閉するための吸気バルブ6及び排気バルブ7と、燃料タンク8に蓄えられたガソリン燃料を燃焼室2に直接噴射する燃料噴射弁9と、燃料混合気に着火する点火プラグ10とが設けられている。
【0023】
内燃機関1が搭載された車両には、エンジンコントロールユニット(ECU)11が設けられる。ECU11は、マイクロプロセッサ及びその動作に必要なRAM、ROM等の周辺装置を含んだ周知のコンピュータである。ECU11は、そのROMに記録された各種のプログラム及びデータに基づいて内燃機関1の各種の制御を実行する。例えば、ECU11は、冷却水温を検出する水温センサ、スロットルバルブ4の開度を検出するスロットルセンサ(いずれも図示を省略した。)、吸気通路3のスロットルバルブ4よりも下流側の圧力に対応した信号を出力する吸気圧センサ12、クランク角に対応した信号を出力するクランク角センサ13、空燃比に対応した信号を出力する空燃比センサ(Oセンサでもよい)14等の出力に基づいて内燃機関1の運転状態や車両の走行状態を検出し、それらの検出結果に基づいて燃料噴射弁9の燃料噴射量を目標空燃比が得られるように制御する。このような空燃比制御を実行することにより、ECU11は空燃比制御装置として機能する。なお、ここでは、空燃比センサ14が検出する空燃比を考慮したフィードバック制御により燃料噴射量が制御されるものとしたが、吸入空気量やスロットル開度等から空燃比の変化を予測して燃料噴射量を決定するフィードフォワード制御によって燃料噴射量が制御されてもよい。目標空燃比は排気ガスの状態等に応じて適宜に制御されるが、燃料噴射弁9から燃焼室2に直接燃料を噴射する場合には理論空燃比よりも酸素量が大きいリーン域に目標空燃比が設定され、特定の場合に理論空燃比又はリッチ域に目標空燃比が設定される。このようなECU11による空燃比制御は周知の内燃機関の空燃比制御装置と同様でよく、ここでは詳細を省略する。
【0024】
排気通路5の排気ガスを浄化するため、排気通路5にはスタート触媒15とNOx吸蔵還元触媒16とが設けられている。スタート触媒15は、内燃機関1の冷間始動時にNOx吸蔵還元触媒16が活性化されるまでの有害物質の排出量を低減することを主たる目的として設けられたものである。スタート触媒15は早期活性化のために内燃機関1の排気ポートになるべく近付けて配置され、かつその熱容量はNOx吸蔵還元触媒16のそれよりも十分に小さく設定される。スタート触媒15には三元触媒が使用される。NOx吸蔵還元触媒16は、空燃比がリーン域に制御されているときは所定の吸蔵材にNOxを吸蔵し、空燃比がリッチ域に制御された場合には吸蔵材からNOxを放出させ、その放出されたNOxを排気中のHC、COにて還元するとともに、HC、COを酸化させるものである。
【0025】
また、内燃機関1には、排気通路5から吸気通路3に排気ガスを還流させる手段としてEGR装置17が設けられている。EGR装置17は、排気通路5と吸気通路3とを接続するEGR通路18と、そのEGR通路18を開閉するEGR弁19とを備えている。EGR弁19の動作はECU11にて制御される。その制御手順は周知のEGR装置と同様でよい。EGR通路18の排気通路5との接続位置は排気バルブ7による開閉位置の直後に設定され、EGR通路18と吸気通路3との接続位置はスロットルバルブ4よりも下流側の例えばサージタンク4aの直後に設定される。
【0026】
触媒15,16が所定の浄化性能を発揮できない場合の大気中への排気ガスの放出を抑えるため、内燃機関1には捕集式の排気処理装置20が設けられている。排気処理装置20は、排気ガスを保持可能な捕集容器21と、その捕集容器21と排気通路5とを接続する排気ガス取り出し通路22と、排気ガス取り出し通路22と排気通路5との接続位置に設けられた捕集制御弁23と、捕集容器21と吸気通路3とを接続する排気ガス還流通路24と、その排気ガス還流通路24を開閉する還流制御弁25とを備えている。
【0027】
排気ガス取り出し通路22はNOx吸蔵還元触媒16よりも下流側において排気通路5から分岐する。捕集制御弁23は、NOx吸蔵還元触媒16を通過した排気ガスを矢印Aで示すように捕集制御弁23よりも排気通路5のさらに下流側に通過させる排気放出位置と、排気ガスを矢印Bで示したように排気ガス取り出し通路22に導く排気捕集位置との間で切り替え可能である。排気捕集位置において、捕集制御弁23は排気ガスの全量を排気ガス取り出し通路22に導いてもよいし、排気通路5の下流側への一部の排気ガスの通過を許容し、残りの排気ガスを排気ガス取り出し通路22に導いてもよい。スタート触媒15とNOx吸蔵還元触媒16との間に捕集制御弁23が設けられ、NOx吸蔵還元触媒16を通過する前の排気ガスを捕集容器21へ捕集するようにしてもよい。
【0028】
捕集容器21は単一の容器状に構成されている。捕集容器21は、内燃機関1の冷間始動時において、触媒16が所定の活性化温度に暖機されるまで捕集制御弁23を排気捕集位置に保持した場合に排気ガス取り出し通路22に導かれる排気ガスの総量を十分に保持できる容量を備えている。捕集容器21は金属製の箱のように容量不変の剛体容器として構成されてもよいし、容量可変のバッグ状に構成されてもよい。捕集容器21の入口には排気ガス取り出し通路22から捕集容器21への排気ガスの流入を許容し、捕集容器21から排気ガス取り出し通路22への排気ガスの逆流を阻止するリード弁26が設けられている。捕集容器21は、互いに仕切られた複数の収容部の集合体として設けられてもよい。また、捕集容器21にはその内部の圧力に対応した信号を出力する圧力センサ27が設けられている。圧力センサ27の出力信号はECU11に入力される。
【0029】
排気ガス還流通路24はスロットルバルブ4よりも下流側の吸気通路3に接続されている。その接続位置は例えばサージタンク4a上に設定することができる。EGR通路18と同様にサージタンク4aの直後に排気ガス還流通路24を接続してもよい。なお、排気ガス取り出し通路22及び排気ガス還流通路24は金属等の剛体にて構成された配管でもよいし、フレキシブルなチューブでもよい。排気ガス還流通路24は、吸気通路3又は排気通路5に対して選択的に排気ガスを還流できるように設けられてもよい。
【0030】
還流制御弁25は、捕集容器21から排気ガス還流通路24を経由して吸気通路3に至る排気ガスの還流を制御するために設けられている。還流制御弁25が開かれることにより、矢印Cで示すように捕集容器21に蓄えられた排気ガスが吸気通路3に還流される。捕集容器21から吸気通路3への排気ガスの還流量は還流制御弁25の開度制御によって所定のステップずつ増減可能である。還流制御弁25の制御には、所定の制御周期における駆動時間と停止時間との比(デューティー比)を変化させる周知のデューティー制御が使用される。デューティー制御の場合、還流制御弁25の開度は、駆動デューティの比率(割合)に置き換えて制御される。
【0031】
捕集制御弁23及び還流制御弁25の動作はECU11によって制御される。制御弁23,25の制御により、排気通路5から排気ガスを捕集する工程と、捕集した排気ガスを吸気通路3に還流させる工程とが実現される。排気ガスを捕集する工程は、例えば内燃機関1の始動時でかつ触媒16の温度が活性化温度域よりも低くて所定の浄化性能が発揮されない場合に実行される。その捕集工程では、還流制御弁25が閉じられ、捕集制御弁23が排気捕集位置に切り替えられる。これにより、触媒16を通過した排気ガスが排気ガス取り出し通路22を介して捕集容器21内に捕集される。
【0032】
NOx吸蔵還元触媒16の温度が活性化温度域に達すると、捕集制御弁23が排気放出位置に切り替えられて排気ガスの捕集が停止される。その後、触媒16の温度が所定の活性化温度域に維持されている限り、捕集制御弁23が排気放出位置に維持されて触媒16を通過した排気ガスは大気中に放出される。
【0033】
以上の他にも、例えばNOx吸蔵還元触媒16が飽和して所定量以上のNOxが触媒16の下流側に放出されるとき等、触媒16が所定の浄化性能を発揮できない場合には適宜捕集容器21に排気ガスを捕集してよい。なお、スタート触媒15が所定の活性化温度に維持されている限りにおいて、排気ガス中の有害物質の排出量を所定の許容範囲内に抑えられる場合には、NOx吸蔵還元触媒16の活性状態に拘わりなく、スタート触媒15が活性化されているか否かに基づいて捕集制御弁23を制御してもよい。
【0034】
一方、捕集容器21に保持された排気ガスを還流させる工程は、所定の還流条件が成立したときに実行される。その還流工程では、還流制御弁25が開かれることにより、捕集容器21から排気ガス還流通路24を介して吸気通路3に排気ガスが戻される。還流条件としては、例えば触媒15,16が活性化していること、排気ガスを吸気通路3に戻しても運転状態が乱れない程に燃焼室2の温度が上昇していること等がその要件として挙げられる。
【0035】
捕集容器21からの排気ガスを還流させる工程において、ECU11は内燃機関1の燃焼室2における燃焼状態に応じて還流制御弁25の開度を制御して、捕集容器21から吸気通路3への排気ガスの還流量(排気ガス還流通路24を経て吸気通路3に戻される排気ガスの量をいう。)を変化させる。以下においてはまず本発明に関連する還流量制御の参考例を図2〜図4を参照して説明し、次に還流量制御の好ましい形態を図5及び図6を参照して説明する。
【0036】
(還流量制御の第1の参考例
図2の還流量制御ルーチンは、排気ガスの還流に起因する失火を抑制するためのものであり、内燃機関1が運転されている間に所定の周期で繰り返し実行される。図2の還流量制御ルーチンにおいて、ECU11はまずステップS11で吸気通路3へ排気ガスが還流されているか否かを判断する。この判断は例えば還流条件が成立しているか否かの判断と同様に行えばよい。還流中でなければ今回のルーチンを終了し、その一方で還流中であればステップS12へ進む。ステップS12では燃焼室2において失火が発生したか否かを判断する。失火が発生したか否かは、例えばクランク角センサ13が検出するクランク角の変化を監視することによって判断することができる。そして、失火が発生していないときはステップS13に進んで還流量が増加するように還流制御弁25の開度を設定し、その後にルーチンを終える。但し、ステップS13において還流制御弁25の開度が所定の上限に達しているときには現在の開度を維持する。一方、失火が発生しているときはステップS14に進み、還流量が減少するように還流制御弁25の開度を設定してルーチンを終える。
【0037】
図2の制御を実行した場合には、捕集容器21から吸気通路3への排気ガスの還流によって失火が生じたときに還流量が減少し、失火が生じない限りは還流量が所定の上限値に向かって増加する方向に制御される。従って、失火が続けて生じない限度で捕集容器21から吸気通路3へ効率よく排気ガスを還流させることができる。
【0038】
(還流量制御の第2の参考例
図3の還流量制御ルーチンは、捕集容器21からの排気ガスの還流に起因する空燃比のずれを是正するためのものであり、内燃機関1が運転されている間に所定の周期で繰り返し実行される。図3の還流量制御ルーチンにおいて、ECU11はまずステップS21で吸気通路3へ排気ガスが還流されているか否かを判断する。この判断は図2のステップS11と同様でよい。還流中でなければ今回のルーチンを終了し、その一方で還流中であればステップS22へ進む。ステップS22では空燃比センサ14の出力信号を参照して燃焼室2の空燃比が所定の許容範囲内か否かを判断する。許容範囲は、空燃比が目標空燃比からずれたことに起因する排気ガス中の有害物質量の増加やドライバビリティの悪化等を許容できる範囲として設定され、例えばリッチ側に+1程度の範囲で設定される。ここでいう目標空燃比は、上述したように、ECU11が実行する燃料噴射弁9からの燃料噴射量の制御において設定される空燃比の目標値である。つまり、ステップS22では、吸入空気量や空燃比センサ14の出力等を参照して燃料噴射量が制御されている場合において、目標空燃比に対する許容範囲から空燃比が外れるほど制御状態がずれているか否かを判断していることになる。そして、空燃比が許容範囲内にあるときはステップS23に進み、還流量が増加するように還流制御弁25の開度を設定し、その後にルーチンを終える。但し、ステップS23において還流制御弁25の開度が所定の上限に達しているときには現在の開度を維持する。一方、空燃比が許容範囲外のときはステップS24に進み、還流量が減少するように還流制御弁25の開度を設定してルーチンを終える。
【0039】
図3の制御を実行した場合には、捕集容器21から吸気通路3への排気ガスの還流の影響で空燃比を目標空燃比に対する許容範囲内に維持できないときに還流量が減少し、空燃比が許容範囲にある限りは還流量が所定の上限値へ向かって増加する方向に制御される。従って、空燃比を許容範囲に維持しつつ捕集容器21から吸気通路3へ効率よく排気ガスを還流させることができる。
【0040】
図4は図3の制御を実行したときの空燃比(A/Fと表記)と還流量との相互の関係の一例を示している。この例では、還流開始時t0の直後に空燃比が許容空燃比を超えてリッチ側にずれる。このような空燃比の変化に対応して排気ガスの還流量も減少し、その影響で空燃比が許容範囲(目標空燃比と許容空燃比との間)に戻されている。以降、空燃比が許容範囲にほぼ維持されるように、空燃比の変化に追従して還流量が調整される。このような還流量の制御は、燃料噴射量の制御のみでは空燃比を許容範囲に維持できないときに有効である。
【0041】
(還流量制御の実施形態)
図5の還流量制御ルーチンは、吸気通路3と捕集容器21との圧力差に応じて還流量を制御するためのものであり、内燃機関1が運転されている間に所定の周期で繰り返し実行される。
【0042】
図5の還流量制御ルーチンにおいて、ECU11はまずステップS31で吸気通路3へ排気ガスが還流されているか否かを判断する。この判断は図2のステップS11と同様に行えばよい。還流中でなければ今回のルーチンを終了し、その一方で還流中であればステップS32へ進む。ステップS32では、圧力センサ27(図1参照)が検出する捕集容器21内の圧力から、吸気圧センサ12が検出する吸気通路3の圧力を差し引くことにより、圧力差を算出する。次に、圧力差に対応する還流制御弁25の弁開度をECU11のROMに記録されたマップによって取得する。ここで参照されるマップは、例えば図6に実線Dで示したように、圧力差が大きいほど還流制御弁25の開度が減少するように設定される。そして、弁開度を取得した後は、その開度が実現されるように還流制御弁25を駆動し、その後に今回のルーチンを終える。
【0043】
以上の制御を実行した場合には、捕集容器21と吸気通路3との圧力差の変化に起因する還流量のばらつきを防止して、目標通りの量の排気ガスを吸気通路3に還流させることができる。すなわち、捕集容器21に排気ガスが蓄えられている限り捕集容器21の内部の圧力は大気圧以上であり、吸気通路3の圧力は燃焼室2の吸気作用により大気圧よりも低い。その圧力差によって捕集容器21から吸気通路3に排気ガスが吸引される。従って、図6にベース設定として二点鎖線で示したように、圧力差に拘わりなく還流制御弁25の開度を一定に保持すれば、還流量は圧力差が増加するほど増加する。圧力差が所定値dPのときに適正量の排気ガスが還流されるとすれば、その所定値dPよりも圧力差が大きい範囲では適正量よりも大量の排気ガスが還流され、所定値dPよりも圧力差が小さい範囲では排気ガスの還流量が適正量よりも小さくなる。
【0044】
これに対して、圧力差がdPのときのベース設定の開度を基準として、圧力差がdPよりも小さい範囲では開度を大きく、圧力差がdPよりも大きい範囲では開度を小さくなるように変化させた本発明の設定(実線D)によれば、圧力差が小さい領域で還流量がベース設定よりも増加し、大きい領域では還流量がベース設定よりも減少する。このため、開度の傾きを適切に調整することにより、同図に実線Eで示すように、圧力差の大小に拘わりなく還流量を常に適正量と一致させることができる。なお、図6では、理解のために適正量と実線Eとをずらして示している。
【0045】
図6の適正量は、例えば、燃焼室2における燃焼状態からみて許容される還流量の上限値に設定してよい。図2又は図3の制御によって与えられる還流量を図6の適正量として設定し、図2又は図3の制御と並行して図6の制御を実行してもよい。この場合には、図2又は図3による還流量の制御を、捕集容器21と吸気通路3との間の圧力差の影響が排除されたより好ましいものへと改善することができる。但し、図6の制御は、図2又は図3の制御と組み合わせることなく単独で実行してもよい。
【0046】
以上の実施形態においては、ECU11が還流制御装置として機能する。但し、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、本発明の技術思想の範囲内において種々の形態で実施してよい。燃焼状態に応じた排気ガスの還流量の制御は、失火又は空燃比に限らず、燃焼状態に関連して変化する各種のパラメータ又は現象に応じて実行してよい。還流量の制御は連続的な調整に限定されず、還流の許可又は停止を切り替える二段階の制御であってもよい。本発明は筒内噴射式の内燃機関に限らず、吸気ポートに燃料を噴射するポート噴射式の内燃機関に適用されてもよい。
【0047】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明の排気処理方法によれば、吸気通路に還流される排気ガスの流量を内燃機関の燃焼状態に応じて制御することにより、捕集容器からの排気ガスの影響による燃焼状態の悪化を抑えつつ、捕集容器から吸気通路に還流される排気ガスの流量をなるべく大きく設定して排気ガスを効率よく還流させることができる。また、本発明の排気処理装置によれば、本発明の排気処理方法の実現に適した排気処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の排気処理装置の一実施形態を示す図。
【図2】図1のECUが実行する還流量制御ルーチンの一形態を示すフローチャート。
【図3】図1のECUが実行する還流量制御ルーチンの他の形態を示すフローチャート。
【図4】図3の還流量制御ルーチンを実行した場合の空燃比と還流量との関係の一例を示す図。
【図5】図1のECUが実行する還流量制御ルーチンのさらに他の形態を示すフローチャート。
【図6】図5の還流量制御ルーチンを実行した場合の圧力差と還流量及び還流制御弁の開度との関係を示す図。
【符号の説明】
1 内燃機関
2 燃焼室
3 吸気通路
5 排気通路
9 燃料噴射弁
11 エンジンコントロールユニット(還流制御装
12 吸気圧センサ
13 クランク角センサ
14 空燃比センサ
15 スタート触媒
16 NOx吸蔵還元触媒
17 EGR装置
20 排気処理装置
21 捕集容器
22 排気ガス取り出し通路
23 捕集制御弁
24 排気ガス還流通路
25 還流制御弁
27 圧力センサ

Claims (3)

  1. 内燃機関の始動後、排気通路に設けられた触媒が所定の活性化温度に暖機されるまでの期間内に前記排気通路から排出された全ての排気ガスを捕集容器に捕集する工程と、その捕集された排気ガスを、前記触媒が活性化していることを条件として前記内燃機関の吸気通路に還流させる工程とを備え、前記還流させる工程では、前記内燃機関の燃焼状態に応じて前記吸気通路へ還流される排気ガスの流量を変化させるとともに、前記捕集容器内の圧力と前記吸気通路の圧力との差に基づいて前記捕集容器から前記吸気通路へ所定の流量の排気ガスを還流させることを特徴とする内燃機関の排気処理方法。
  2. 内燃機関の始動後、排気通路に設けられた触媒が所定の活性化温度に暖機されるまでの期間内に前記排気通路から排出された全ての排気ガスを捕集容器に捕集し、その捕集された排気ガスを、前記触媒が活性化していることを条件として前記内燃機関の吸気通路に還流させる内燃機関の排気処理装置において、
    前記捕集容器から前記吸気通路へ還流される排気ガスの流量を制御する還流制御弁と、
    前記捕集容器から前記吸気通路へ所定の流量の排気ガスが還流されるように、前記捕集容器内の圧力と前記吸気通路の圧力との差に基づいて前記還流制御弁を制御する還流制御装置と、
    を備えたことを特徴とする内燃機関の排気処理装置。
  3. 前記還流制御装置は、前記捕集容器内の圧力が前記吸気通路の圧力よりも高いほど前記還流制御弁の開度が閉じる方向に変化するように前記還流制御弁の開度を制御することを特徴とする請求項2に記載の排気処理装置。
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