JP4221586B2 - 線路の防振構造 - Google Patents

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本発明は、列車通過による線路の振動、騒音を低減するための防振構造に関するものである。
鉄道線路の防振構造材料としては、各種防振ゴム、エラストマーなどがあるが、これらは十分な防振効果を発現するためにはある程度の厚みが必要である。そのため、変形を生じたり万一抜け落ちた場合、軌道面が大きく変動し、列車の走行に重大な支障を及ぼす恐れがある。また、枕木を受ける鋼桁の劣化を防ぐために、鋼桁の上部フランジを合成樹脂組成物からなる被覆材で覆う構造が提案されているが(特許文献1参照)、現場で合成樹脂の混合、該組成物の塗布といった煩雑な作業が必要であり、塗膜の乾燥および硬化養生に長い時間が掛かり、工期や労力面での負担が大きい。
また、走行する列車の繰り返し荷重により鋼桁等構造物の疲労が進行するため、特に疲労が進行した場合の対策として構造物の全面的な交換が必要となる。
しかしながら、全面的な構造物の交換は列車運行への影響等により長い工期が必要な上に費用も多額となり、工事に関わる労力も大きいため、荷重軽減による鋼桁等構造物の寿命延伸工法が切望されている。
特開2002−81003号公報
本発明は、上記の点に鑑み、列車の走行に支障を及ぼす恐れがなく、かつ、施工作業が容易である線路の防振構造を提供することを課題とする。
請求項1に係る発明は、鉄道線路の枕木と鋼桁の間、枕木とコンクリート道床の間および/またはレールと枕木の間に、有機高分子材料からなる厚み2mm以下の制振シートが設けられている線路の防振構造において、上記有機高分子材料が架橋構造を有する塩素含有熱可塑性樹脂であることを特徴とする線路の防振構造である。
請求項2に係る発明は、上記制振シートの少なくとも一面に保形シートが貼合され、上記保形シートがガスバリア層を含む多層シートであることを特徴とする請求項1記載の線路の防振構造である。



本明細書および特許請求の範囲を通して、シートとは、厚みによって規定された厳密な意味でのシートだけでなく、比較的薄手の、通常フィルムと呼ばれるものも含むこととする。
有機高分子材料からなる制振シートは、鉄道線路の枕木と鋼桁の間、枕木とコンクリート道床の間および/またはレールと枕木の間に設けられる。
制振シートの厚みは2mm以上、好ましくは0.2〜1.9mmである。この厚みが大き過ぎると、制振シートを枕木と鋼桁の間に差し込む際に枕木を大きく持ち上げる必要があり、短時間施工および省労力化が達成できない。この厚みが小さ過ぎると制振効果が十分発揮されない。
制振シートの材料としての有機高分子材料は、ポリ(メタ)アクリレート、ポリビニルアセタール、ポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、ポリ酢酸ビニル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエーテル、ポリカーボネート、ポリスチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、変成シリコーン樹脂、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、ブチルゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、クロロプレンゴムなどであってよい。これらは単独で用いても2以上の組み合わせで用いてもよい。
有機高分子材料のうち、架橋構造を有する塩素含有熱可塑性樹脂が、耐熱性の点で特に好ましい。上記塩素含有熱可塑性樹脂としては、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩素化ポリ塩化ビニル、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、エチレン−塩化ビニル共重合体、塩素化エチレン−酢酸ビニル共重合体が例示される。架橋構造を有する塩素含有熱可塑性樹脂とは、制振シート全体としてTHF不溶分10重量%以上のものをいう。
制振シートの少なくとも一面に保形シートが貼合されていることが好ましい。制振シートは一般に粘着性を有するが、これに貼合される保形シートは粘着性を有しないものであってよい。保形シートは、鉄道線路の枕木と鋼桁の間、枕木とコンクリート道床の間および/またはレールと枕木の間に介在された制振シートが長年に亘ってその形状を保つように設けられるものであって、合成樹脂製シート、金属製シート、紙等であってよい。合成樹脂製シートの材料樹脂は、ポリエチレン(LDPE,HDPE,LLDPE)、ポリプロピレン(CPP,OPP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリアミド、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVdC)、ポリスチレン(PS)、ポリカーボネート(PC)、ポリサルホン(PSf)、アクリル樹脂(PMMA等)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリフッ化ビニル(PVF)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(BVA)、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、セロハン、ポリアクリロニトリル(PAN)等であってよい。
金属製シートの材料金属は、アルミニウム、酸化アルミニウム、ステンレス鋼、各種鋼材であってよく、シートは単一金属からなるシートでも異種金属シートの積層体でもよい。樹脂に金属膜を蒸着したものや、樹脂シートと金属シートの積層体も使用できる。保形シートを制振シートの側面にも貼合せる場合、樹脂シートと金属シートの積層体が適度な柔軟性と強度を発現しやすいので好ましい。
保形シートの厚みは0.006〜1mm、好ましくは0.01〜0.5mmである。
保形シートはガスバリア層を含む多層シートで構成されていることが好ましい。制振シートから万一塩化水素等の腐食性ガスが発生した場合でも、ガスバリア層によりガスが鋼桁に触れることが妨げられ、鋼桁の劣化が防止される。多層シートの酸素透過率は、JIS K7126に準じて測定された値であり、温度23℃、湿度50%RHで1cc/(m・day・atm)以下で、水蒸気透過率は、JIS K7129に準じて測定された値であり、温度40℃、湿度90%RHで1g/(m・day・atom)以下であることが好ましい。
本発明による線路の防振構造では、2mm以下という非常に薄い制振シートを、鉄道線路の枕木と鋼桁の間、枕木とコンクリート道床の間および/またはレールと枕木の間に挟んで使用することにより、枕木下への振動を低減し、これにより鋼桁等にかかる疲労を低減し、鋼桁等から騒音が発生するのを効果的に抑えることができる。また、この防振構造は、変形を生じたり抜け落ちたりして、軌道面が大きく変動し列車の走行に重大な支障を及ぼす恐れが全くない。加えて、鋼桁等への振動が低減することによって、鋼桁等にかかる負担が減少し、その結果、鋼桁等への疲労の進行を防止することができる。鋼桁等の疲労の進行を防止することにより、鋼桁の寿命が延伸できるので、交換にかかる工期、費用、労力を大幅に低減することができる。
本発明による線路の防振構造は、施工性に優れる。制振シートは上記のように非常に薄いものであるため、枕木を僅かに持ち上げるだけで同シートを枕木と鋼桁の間に楽に差し込むことができ、短時間施工および省労力化が達成できる。また塗布方式のように現場での混合、塗布、乾燥や硬化養生といった煩雑な作業や長い工期を必要とせず、枕木を水平方向にずらす必要もない。
つぎに、本発明を具体的に説明するために、本発明の実施例を示す。
実施例1
a)制振シートの作製
塩素化ポリエチレン(昭和電工社製、商品名「エラスレン402NA」、塩素含有量40重量%)100重量部と、塩素化パラフィン(旭電化社製、品番「E500」、塩素含有量50重量%、平均炭素数14、炭素数12〜16=99重量%以上)200重量部をロール練り機で混練し、得られた樹脂混練物を120℃でプレスして、厚さ1mmのシートを得た。次いで、上記シートに、電子線照射装置(日新ハイボルテージ社製「EPS−750kV」)にて加速電圧750kVで線量100kGyの電子線を照射した。このシートを幅370mm、長さ250mmのサイズにカットし、制振シートを作製した。
図2において、幅400mm、長さ330mmの多層シート(積水フィルム社製、PET12μm/アルミニウム7μm/ナイロン15μm/ポリプロピレン70μmの4層積層、厚み104μm:JIS K7126に準じて測定された酸素透過率(温度23℃、湿度50%RH)で1cc/(m・day・atm)以下で、JIS K7129に準じて測定された水蒸気透過率(温度40℃、湿度90%RH)で1g/(m・day・atom)以下)からなる保形シート(2) を用意し、これの片面中央部に制振シート(1) をその粘着性を利用して貼合せ、保形シート(2) の外周部を制振シート(1) の外周部で反対の面に折り返して同様に貼合せた。制振シート(1) の両端部における折り返し幅はそれぞれ10mm、両側部における折り返し幅はそれぞれ35mmであった。制振シート(1) はTHF不溶分35重量%のものである。こうして制振シート(1) と保形シート(2) からなる積層シート(3) を作製した。
b)防振構造の施工
図1において、一対の鉄道レール(6) の下の枕木(4) を僅かに持ち上げて、枕木(4) とその下の一対の鋼桁(5) の間にそれぞれ制振シート(1) と保形シート(2) からなる積層シート(3) を、制振シート(1) が枕木(4) 側に来るように差し込んだ。その後、枕木(4) と鋼桁(5) を固定具で固定した。前後29本の枕木(4) に亘ってこの操作を行った。施工に要した時間は1時間以内であり、良好な作業性が確認できた。
c)騒音・振動の計測
防振構造の施工前に、すなわち枕木(4) と鋼桁(5) の間に何も介在させない状態で、鋼桁(5) の外側面の高さ中央に振動加速度センサー(7) を取り付け、振動を測定し、最大振動加速度レベル(Lmax)と、等価振動加速度レベル(Leq)を求めて、鋼桁中心振動加速度レベルとし、これと同レベルでこれから30cm外方に離れてマイク(8) を配置し、列車通過時の騒音を測定し、鋼桁中心直近騒音レベルとした。
次いで、上記のように防振構造の施工を行った後に、すなわち枕木(4) と鋼桁(5) の間に積層シート(3) を介在させた状態で(振動加速度センサー(7) は前後29本の枕木(4) のうち中央の枕木(4) の位置にある)、上記と同じ時刻に列車通過時の騒音と振動を測定した。こうして得られた測定値の施工前後の騒音レベルおよび振動加速度レベルの変化量を表1に示す。
Figure 0004221586
表1からわかるように、本発明の防振構造によれば、鋼桁から発生する音が低減される。また鋼桁振動加速度レベルが低減していることから、鋼桁にかかる負担が軽減されるため、鋼桁の疲労進行防止につまりは鋼桁の寿命延伸に非常に有効である。
防振構造の施工状態を示す線路の垂直横断面図である。 制振シートと保形シートからなる積層シートを横断面図である。
符号の説明
(1) 制振シート
(2) 保形シート
(3) 積層シート
(4) 枕木
(5) 鋼桁
(6) 鉄道レール
(7) 振動加速度センサー
(8) マイク

Claims (2)

  1. 鉄道線路の枕木と鋼桁の間、枕木とコンクリート道床の間および/またはレールと枕木の間に、有機高分子材料からなる厚み2mm以下の制振シートが設けられている線路の防振構造において、上記有機高分子材料が架橋構造を有する塩素含有熱可塑性樹脂であることを特徴とする線路の防振構造。
  2. 上記制振シートの少なくとも一面に保形シートが貼合され、上記保形シートがガスバリア層を含む多層シートであることを特徴とする請求項1記載の線路の防振構造。
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