JP4221235B2 - イオン付着質量分析方法、負イオン計測方法、および質量分析装置 - Google Patents

イオン付着質量分析方法、負イオン計測方法、および質量分析装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、イオン付着質量分析方法、負イオン計測方法、および質量分析装置に関し、特に、正電荷の金属イオンを被測定物質に付着させてイオン化を行うイオン化方法を利用して、負イオン等を正イオン化して分析・計測可能にするイオン付着質量分析方法、負イオン計測方法、および質量分析装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体製造プロセスで基板上にデバイスを作製するための成膜法または加工法には様々な方法が取り入れられている。その中でも、プラズマを利用する方法は、良好な膜厚分布や良質な膜質作製、および良好なデバイス機構の作製が可能である方法として様々な分野で利用されている。
【0003】
半導体製造プロセスに係る技術の進歩と共に、プラズマを利用する場合であっても、さらに最適な条件で良質な成膜を行えるようにすることが重要な課題になっている。このため、当該プラズマの成分構造を解明し、より良い成膜および加工の制御を行うことが必要となる。特に、プラズマ中の正イオン、負イオンおよびラジカルの挙動を解明しようとして様々な方法が試みられている。
【0004】
一方、試料の成分を測定する方法として様々な手法に基づく質量分析法が提案されており、特に成分を正イオンに変換することにより正イオンとして検出する方法が主流である。しかしながら、質量分析法によってプラズマ中の成分を測定する場合には、プラズマ中には正イオンの他、負イオンやラジカルが存在しており、それらについても検出する必要がある。負イオンやラジカルの測定に関しては、本出願人により四重極質量分析法(QMS法)によって測定可能なことが確認されており(例えば特許文献1)、またその他レーザ照射による光脱理法によっても測定が行われている。
【0005】
中でも四重極質量分析装置は、簡便かつ安価であり、プラズマによる成膜装置あるいは加工装置に簡単に接続可能であることから、プラズマ解析の手段として利用されてきている。
【0006】
また特許文献2はプラズマ反応中から負イオンのみを取り出して分析する負イオン測定法および装置を開示している。この装置では、プラズマに接して設けられた引込み電極のオリフィスにプラズマ電位よりも高い電圧をかけてその電位を高め、当該高電圧でプラズマと基板電極等との間に形成されるシースを破壊して負の荷電粒子を引き出すように構成されている。その後の質量分析部では、引き出された負の荷電粒子を負の状態のままで質量分析する。
【0007】
【特許文献1】
特開2000−30657号公報
【特許文献2】
特開平10−199474号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
プラズマを利用した成膜装置または加工装置、あるいはそれらの装置の排気ガス用の配管(真空排気装置)に接続され、かつこれらの装置で生じたプラズマ中の成分を検出・計測する従来の四重極質量分析装置によれば、プラズマ反応により発生した負イオンを検出するため、まず、負イオンをイオン収束部に導入する目的でイオン収束部の各電極に正の電圧を印加し、さらには四重極分析部から出てきた負イオンを二次電子増倍管に取り入れる目的で二次電子増倍管の上段の反射電極を負電圧にしなければならない。このため、次のような問題点が生じていた。
【0009】
(1)イオン検出部の二次電子増倍管の終端部を正の数百ボルトから数千ボルトにしなければならないことから、信号処理のために通常のエレクトロメータを直接接続することができない。
【0010】
(2)電界で負イオンを輸送する過程で正イオンが排除されてしまい、負イオンと正イオンの同時測定ができない。
【0011】
(3)負イオンと共に電子が引き込まれるため、ノイズ(バックグラウンド上昇)の原因となる。
【0012】
上記の(1)〜(3)の問題点があるため、コンデンサを介して二次電子増倍管をパルスカウンタに接続し、引き込まれる電子低減のための機構を配置させて測定が行われる。しかし、この方法では、装置が煩雑になること、あるいは広いダイナミックレンジで測定できないという問題がある。さらに、引き込まれる電子を低減させるため、コンバージョンダイノードが近年開発されるようになった。しかし、コンデンサとパルスカウンタあるいはコンバージョンダイノードのいずれの方法を用いても正負イオンの同時測定や広いダイナミックレンジでの測定の問題を解決することができない。また同時測定ができないため、被測定物質の極性により二次電子増倍管上段の反射電極の電圧をそのつど変更することが必要である。
【0013】
また上記特許文献2による負イオン測定装置等によれば、引込み電極の電位状態によってプラズマ中から負イオンのみを引き込んで質量分析するようにした構成を開示しているが、質量分析が行われるときには負イオンの状態であるので、前述した各問題を有している。
【0014】
本発明の目的は、上記の問題に鑑み、例えばプラズマのような様々な電荷物質を含む被測定対象を簡便な方法で同定・定量でき、さらに正負のイオン等の複数の被測定物質を同時に測定することができるイオン付着質量分析方法、および特に負イオンの質量分析に係る計測を容易にした負イオン計測方法、さらに質量分析装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段および作用】
本発明に係るイオン付着質量分析方法、負イオン計測方法、および質量分析装置は、上記目的を達成するために、次の通り構成される。
【0016】
本発明に係る第1のイオン付着質量分析方法(請求項1に対応)は、被測定物質を金属イオン放出機構を有するイオン化部に導入し、金属イオン放出機構から放出された正電荷の金属イオンを被測定物質に付着させてイオン化し、質量分析部により質量分析を行うイオン付着質量分析方法において、イオン化部に被測定物質を導入するための、開口を有する引込み電極の電位を変化させることによりイオン化部に導入する被測定物質を選別し、被測定物質を最終的に正のイオンとして取り出す方法である。
【0017】
上記のイオン付着質量分析方法では、プラズマ中に含まれる被測定物質が、その荷電状態に拘らず、すべて金属イオン放出機構から放出される正イオンを利用して正イオン化することにより、最終的に正イオンとして取り出す。従って被測定物質が正、負、または中性であっても、質量分析部において同じ構成の検出機構を用いてすべての荷電状態の被測定物質を検出・測定することが可能となる。これにより、被測定物質の電荷の種類によらずに、電子以外のすべての成分を検出できる。
【0018】
第2のイオン付着質量分析方法(請求項2に対応)は、上記の第1の分析方法において、好ましくは、上記の被測定物質は、プラズマ反応により発生した正イオン、負イオン、ラジカルを含む中性物質とを含み、正イオン、負イオン、中性物質のいずれをも金属イオンを付着させてイオン化することで特徴づけられる。このイオン付着質量分析方法では、特に、プラズマを利用して成る成膜装置等の当該プラズマ反応室におけるプラズマ内に含まれる各種の荷電状態の被測定物質の同定・定量の測定に適している。
【0019】
第3のイオン付着質量分析方法(請求項3に対応)は、上記の第1の分析方法において、好ましくは、上記の被測定物質は、プラズマ反応により発生した少なくとも正イオンと負イオンを含み、これらの複数の測定成分を同時に測定する方法である。このイオン付着質量分析方法では、金属イオン放出機構から放出される金属イオンを利用して被測定対象物が負イオンである場合にも正イオン化するので、質量分析部で正イオン用に設定された同じ構成の検出機構を利用して検出を行うことができ、電荷状態の正負に依存して検出機構を変える必要がないので、同じ質量分析部を利用して正イオン、負イオン、およびラジカルのような中性物質を同時に測定することが可能である。この方法によりプラズマ中のすべての物質を検出できるので、プラズマを解析することができ、プラズマを制御できる。
【0020】
本発明に係る第1の負イオン計測方法(請求項4に対応)は、負イオンをイオン化部に導入し、金属イオン放出機構から放出される正電荷の金属イオンで負イオンを正イオンに変換し、その後の計測部で負イオンに係る対象物を正イオン状態で計測する方法である。この負イオン計測方法では、質量分析装置等の同定・定量の計測装置において、イオン検出機構が本来的に正イオン用に構成されていたとしても、負イオンである被測定物質に正電荷の金属イオンを付着させ、最終的に正イオンとして取り出すことにより、既存の正イオン用に構成された質量分析装置等で容易に計測を行うことが可能となる。
【0021】
本発明に係る第2の負イオン計測方法(請求項5に対応)は、上記の第1の負イオン計測方法において、好ましくは、負イオンはプラズマ反応により発生するものであり、引込み電極によってイオン化部に導入されることで特徴づけられる。
【0022】
本発明に係る第1の質量分析装置(請求項6に対応)は、被測定物質をイオン化部に導入してイオン化し、質量分析部により質量分析を行う質量分析装置であり、被測定物質をイオン化部に導入するための、開口を有する引込み電極を設けるように構成される。
【0023】
上記の質量分析装置では、例えばプラズマ中に含まれる各種の被測定物質をイオン化部に引き込んで金属イオン放出体から放出される金属イオンを付着させるものであり、正イオンまたは負イオンについては引込み電極で設定される電位条件に基づいてイオン化部に導入される。質量分析装置としては、従来のよく知られた質量分析装置でもよいし、イオン付着質量分析装置であってもよい。
第2の質量分析装置(請求項7に対応)は、上記の第1の構成において、好ましくは、被測定物質は、プラズマ反応により発生した正イオン、負イオン、ラジカルを含む中性物質とを含み、正イオン、負イオン、中性物質のいずれをも金属イオンを付着させてイオン化することで特徴づけられる。
【0024】
第3の質量分析装置(請求項8に対応)は、上記の各構成において、 親分子を壊さないイオン付着原理に基づき被測定物質をイオン化し、親分子のままで質量分析を行うことで特徴づけられる。この構成によれば、当該質量分析装置はイオン付着質量分析装置として構成される。
【0025】
第4の質量分析装置(請求項9に対応)は、上記の各装置構成において、好ましくは、引込み電極の電位をプラズマの電位と実質的に等しくしたことで特徴づけられる。引込み電極とプラズマの電位関係に関して上記の関係を設定することにより、負イオンを含む荷電粒子およびラジカル等のすべてをイオン化室に導入することが可能である。
【0026】
第5の質量分析装置(請求項10に対応)は、上記の各装置構成において、好ましくは、金属イオン放出体の電位をプラズマの電位および引込み電極の電位よりも高くするように構成される。この構成によれば、イオン化室の金属イオン放出体から放出された正電荷の金属イオンを引込み電極を経由してプラズマ中に打ち込むことが可能であり、引込み電極の近傍のプラズマ中に打ち込まれた正電荷の金属イオンで中性または正のイオンを積極的に生成することが可能となる。このように生成された中性または正のイオンは引込み電極によってイオン化室に導入される
【0027】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の好適な実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0028】
実施形態で説明される構成、形状、大きさおよび配置関係については本発明が理解・実施できる程度に概略的に示したものにすぎず、また数値および各構成要素の組成(材質)については例示にすぎない。従って本発明は、以下に説明される実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示される技術的思想の範囲を逸脱しない限り様々な形態に変更することができる。
【0029】
図1は本発明に係るの代表的な実施形態であるイオン付着質量分析装置の全体構成を示す。11はプラズマを発生する構成を有した例えば成膜装置である。成膜装置11としてはスパッタ成膜装置やCVD成膜装置である。本発明が適用される装置例は成膜装置に限らず、プラズマを利用して処理または加工を行う装置またはこれに類似する装置であれば、任意の装置に本発明の構成を適用することができる。このように、本発明に係る方法または装置を、研究用や生産用のプラズマ薄膜形成装置または加工装置にプロセスモニタとして適用することで、プラズマ処理の状況を制御/管理することができる。
【0030】
成膜装置11は例えばプラズマCVD装置であるとする。当該成膜装置11は、基板を処理する処理室12と、基板を処理室12に搬入・搬出する搬送装置13と、プラズマを発生させるためのプロセスガスを導入するプロセスガス導入機構14と、基板の表面に成膜される膜物質に係る材料ガスを導入する材料ガス導入機構15と、処理室12を所要の減圧状態にする真空排気装置16と、プラズマ放電用の電力を供給する電源装置17とから構成されている。なお、ガス配管に設けられるバルブや処理室の真空計および制御系の図示は、本発明の要旨と関係がないので、省略されている。
【0031】
上記の処理室12の内部には、基板が搭載される基板ホルダが設けられ、かつ基板の前面空間でプラズマを生成する機構部が設けられている。プラズマを生成する機構部としては、2極放電形、マグネトロン放電形等の各種の方式を有する機構部が提案されている。
【0032】
上記の成膜装置11の処理室12には、さらにイオン付着質量分析装置21が付設されている。イオン付着質量分析装置21は、処理室12内での放電で生じたプラズマの反応状態を計測するモニタ装置である。
【0033】
この実施形態では、イオン付着質量分析装置21は、処理室12と隣接する箇所に、金属イオン放出機構から成るイオン源またはイオン化室22を備えている。
【0034】
イオン源22は金属イオン放出機構を備える。金属イオン放出機構は、通電・加熱作用に基づき正電荷の金属イオン(Li+等)を放出する金属イオン放出体と、当該金属イオン放出体を電圧印加に基づき通電・加熱する電圧印加部(フィラメントワイヤ等)と、所要電圧を印加し当該電圧印加部に対して通電を行う電源とによって構成されている。正電荷の金属イオンを被測定物質の電荷の偏り部分に穏やかに、すなわち低いエネルギで付着させることのできる上記の金属イオン放出機構は知られているので、図1中において、これらの詳細な構成の図示は省略されている。
【0035】
上記のイオン付着式のイオン源22を備えたイオン付着質量分析装置21は、処理室12内で発生したプラズマ中に生じた各種の成分すなわち被測定物質を、イオン源22を経由して取り込み、質量分析を行って当該被測定物質の同定・定量に係る計測を行う。この際、イオン源22に取り込まれたプラズマ中の各種の被測定物質は、内蔵された金属イオン放出機構のイオン放出体から放出される正電荷の金属イオンが付着されることにより、最終的に正イオンとなった状態で取り出される。その後、被測定物質は、正イオンの状態でイオン付着質量分析装置21の内部を移動することになる。
【0036】
図2に、イオン付着質量分析装置21の全体構造およびイオン源22の内部構造と、処理室12内のプラズマ31の状態と、これらの関係とを示す。イオン源22の内部には金属イオン放出機構が設けられ、説明の便宜上、図2では金属イオン放出体32のみが示されている。金属イオン放出体32には不図示の電源によって所定の電圧が印加されている。金属イオン放出体32からは正電荷の金属イオンが放出される。イオン源22の端部、すなわちイオン源22とプラズマ31が生成される処理室12との間の境界部は開口しており、絶縁物質44を介して開口33aを有する引込み電極33が設けられている。引込み電極33はプラズマ31に接している。この引込み電極33には可変直流電源43が接続され、設定された所定電圧(電位V2)の印加、および排気機構42の複数の各種ポンプによる差動排気に基づいて、開口33aを通して、矢印34に示されるように、プラズマ31中の被測定物質が最終的に正イオンである状態で取り出される。
【0037】
引込み電極33の開口33aを通して、プラズマ31の中に含まれる各種の成分すなわち複数の被測定物質がイオン源22の内部に導入される。イオン源22内に導入された被測定物質は、金属イオン放出体32から放出される正電荷の金属イオンが穏やかに付着し、最終的に正イオン化である状態にて取り出される。
【0038】
通常、プラズマ31は十数〜数十ボルト(V)の正の電位(V1)を持っているので、プラズマ31中のすべての被測定物質をイオン源22内に取り込むためには、引込み電極33に印加される上記所定電圧(電位V2)はプラズマの電位V1と同程度であることが必要である。すなわち、この実施形態では、負イオンを含む荷電粒子およびラジカル等の中性物質を導入するために、V1≒V2の関係式が成り立つように引込み電極33に正の電圧を印加している。
【0039】
イオン付着質量分析装置21には、上流側から領域的に区別され、前述のイオン源(イオン化室)22とイオン収束部35と四重極型質量分析機構部36とイオン検出部37とが設けられている。イオン源22とイオン収束部35との間には開口38aが形成された隔壁38が設けられる。イオン収束部35の内部には収束レンズ45が配置されている。引込み電極33によって引き込まれ、かつ正電荷の金属イオンが付着した正イオン(擬分子イオン)は、収束レンズ45に導かれて四重極型質量分析機構部36の内部に入る。ここで、その正イオンは質量電荷比(m/z)の違いを利用して分離される。四重極型質量分析機構部36から出た正イオンは、まず、イオン検出部37に設けられ、かつ二次電子増倍管40に荷電粒子を取り入れるために設けられた反射電極39に導かれる。反射電極39は、不図示の電源により正の電圧が印加されているので、正イオンは反射され、容易に二次電子増倍管40の中に導入される。二次電子増倍管40で増加した正イオンは、その増加量が計数され、計数信号はエレクトロメータ41に与えられる。エレクトロメータ41は、イオン検出部37で検出された質量電荷比ごとの電流値を計測する。
【0040】
上記のイオン検出部37の二次電子増倍管40の構成において、荷電粒子として負イオンを引き込むための特別の印加電圧の設定を行う必要はなく、正イオンを引き込むための構成を用いて設定するだけで足りる。
【0041】
イオン付着質量分析装置21の内部空間は、複数のターボ分子ポンプ48と分子ポンプ49から成る排気装置42によって所要の減圧状態に真空排気される。
【0042】
上記において、反応性のプラズマ31の中には、各種の成分として、中性の分子51、ラジカル52等の中性活性種、負イオン53、正イオン54、電子55等が含まれている。電子55を除くこれらの複数の成分が、イオン付着質量分析装置21によって測定される被測定物質となる。上記の排気装置42によって排気動作が行われると、差動排気および前述の引込み電極33の作用によって開口33aを通して被測定物質がイオン源22の内部に導入される。
【0043】
次に、上記構成を有するイオン付着質量分析装置21に基づくプラズマ31中の各種の被測定物質の同定・定量の測定について説明する。
【0044】
被測定試料に含まれる各成分を分解せずに親分子の形態で質量分析する方法として、各成分(被測定物質)に正電荷の金属イオンを付着させるイオン付着質量分析方法が行われる。金属イオンの付着はイオン源22で行われる。この方法によるイオン化は、結合エネルギが数eVのガス分子に0.1eV程度に低エネルギの金属イオンを付着させ、ガス分子(親分子)と金属イオンの合計された質量数を分離・検出する。
【0045】
イオン源22では、金属イオン放出機構の金属イオン放出体32から放出された金属イオンをイオン化領域へ放出し、そこで、プラズマ31から流入する各種の被測定物質の分子等に付着させる。その後、四重極型質量分析機構部36に被測定物質に係る擬分子イオンを通過させて、イオン検出部37で検出し、各分子の質量スペクトルを得る。
【0046】
例えば、被測定物質が中性である場合には、特許第3236876号公報あるいは特公平7−48371号公報に開示されている。この場合には、以下のような金属イオンの付加反応によりにより生じた擬分子イオンを質量分析することで検出できる。
【0047】
A + M+ → AM+ …(1)
【0048】
一方、正イオンの場合にはそのまま検出可能である。
【0049】
+ …(2)
【0050】
本願の発明者は、被測定物質が負イオンである場合には、以下に示すように少なくとも2回の金属イオン付加を行うことにより、検出可能となることを見出した。
【0051】
+ + C- → MC …(3)
MC + M+ → MCM+ …(4)
(M+は、好ましくは1価または2価の金属イオン)
【0052】
以上のように被測定物質は、少なくとも1回の金属イオン付加により、正の電荷を帯びた分子として検出することができる。金属イオンの質量数は既知であるので、付加した金属イオン数は推定可能である。これによって元の被測定物質の同定および定量が可能となる。
【0053】
図3に、c-C48ガスに基づくプラズマ31を分析した結果を示す。図3で横軸は質量電荷比(m/z)を示し、縦軸は密度(任意単位)を示す。図3に示された各ピークの解釈(m/z)は次の通りである。図3によれば、プラズマ31中に含まれる各種の被測定物質、すなわち正イオン、負イオン、ラジカル、ガス等の同時測定に基づくマススペクトルが示されている。
【0054】
Li+ :7 (リチウムイオン)
CF+ :31 (正イオン)
LiFLi+ :33 (負イオン;F-
CF2Li+ :57 (ラジカル)
COF2Li+ :73 (母ガスから生成されたガス成分)
c-C48Li+ :207(母ガス)
【0055】
図3に示した質量分析結果に基づけば、“F-”が正確に検出され同定されていることが分かる。このように、本実施形態による質量分析法を用いると、プラズマ31内に含まれる正イオン、負イオンのみならず、ラジカル等の中性活性種も同定・定量に係る分析を行うことが可能となる。
【0056】
図4に本発明の他の実施形態を示す。図4は図2と同様な図であり、図4において図3で説明した要素と同一の要素には同一の符合を付している。この実施形態によるイオン付着質量分析装置21では、イオン源22の金属イオン放出体32から放出されるLi+またはNa+のごとき金属イオンを、矢印61に示すように積極的にプラズマ31の中に打ち込み、負イオンの中性化を行う。このため、プラズマの電位V1および引込み電極33へ印加電圧(電位V2)が金属イオン放出体32に加わる電圧(電位V3)よりも低い必要があり、V1<V3およびV2<V3の関係式が成り立つように調整される。なお、V1とV2の大小関係については、積極的に測定したい対象粒子の形態を考慮すると、さらに良い結果を得ることができる。その他の構成は、前述した実施形態と同じであり、説明を省略する。本実施形態でも、前述した実施形態と同様な作用・効果が生じる。特に積極的にプラズマ中に正イオンを打ち込み、負イオンの中性化を行う点に利点がある。
【0057】
なお、負イオンに2個の金属イオンを付着させて検出する際、検出された成分のピークが本当に負イオンを基にするピークなのか、あるいは他の荷電粒子あるいは金属イオン同士が複数結合した多量体なのか判断困難な問題が残る。この問題は、本願と同一の出願人による特開2002−181782号公報に開示されているように、同位体のピーク比率を用いて判断することができる。被測定物質に付着させる金属イオン、例えばLiには質量数7の原子以外に質量数6である同位体が僅かに含まれ、その存在比率は一定であるので、被測定物質に付着する同位体付着率も一定になる。この知見により、検出されたイオンの同位体比率を検証することにより、検出されたピークの付着金属イオンの数を判別し、これにより元の粒子が正イオン、負イオンあるいは中性物質であるのかを判別する。
【0058】
前述の各実施形態の説明では、質量分析装置についてはイオン付着質量分析装置の例を説明したが、本発明に係る質量分析装置はイオン付着質量分析装置に限定されない。すなわち、正イオンを質量分析するために構成された既存の従来の任意の質量分析装置(QMS等)を用いて、例えば負イオンを質量分析しようとする場合、イオン検出部における電圧設定等の変更等を大きく行うことが必要であった。しかしながら、かかる質量分析装置のイオン導入部に、本願発明の特徴的構成である前述した金属イオン放出機構を内蔵するイオン源(イオン化室)と引込み電極と印加電圧による所定の電位関係とに基づく構成を設ければ、導入する被測定物質についての所要のフィルタリングが可能になり、かつ特に負イオンおよび中性物質を正イオン化して正イオンとして質量分析装置のイオン導入部に取り込むことができるので、正イオン用に設定された構成を大きく変更せず、若干の変更だけで負イオンおよび中性物質の質量分析を行うことが可能となる。
【0059】
さらに詳しく説明すると、プラズマ内の被測定物質について前述のフィルタリングをかける場合、前述した各電位V1(プラズマ電位),V2(引込み電極の電位),V3(金属イオン放出体の電位)に関して、負イオンを検出する場合にはV1<V2とし、正イオンを検出する場合にはV1>V2とする。また自然に質量分析装置に入ってくる場合、あるいは積極的に正イオン化する場合には、前述した通りV1<V3かつV2<V3である。なお、中性物質およびラジカルに関しては、電位の関係ではなく、装置の動排気の構成に基づいてイオン源内に導入することができる。
【0060】
例えば引込み電極の電位(V)をV1との関係においてV2に固定してもよいし、V=V1→V2またはV2→V1のように掃引してもよい。電位関係を固定すればそれぞれのイオンや粒子を個別に測定することができ、掃引すればイオンや粒子の素性によらず、すべてを測定することができる。さらに付言すれば、同位体比に関するデータを利用すれば、粒子の素性を確認することができる。この場合、正イオンはそのまま検出することができ、負イオンおよび中性物質は同位体比データから検証でき、ラジカルは分子組成から判別される。
【0061】
上記の実施形態では、プラズマ反応室内で生成されるプラズマの測定として説明したが、本発明はこれに限定されない。すなわちプラズマ反応により発生する被測定物質であればよい。さらに本発明は、プラズマに起因するものに限定されず、プラズマを使わない類似した反応により発生した物質の測定にも適用することができる。
【0062】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように本発明によれば、次の効果を奏する。
【0063】
本発明に係るイオン付着質量分析方法および負イオン計測方法は、正電荷の金属イオンを被測定物質に付着させて被測定物質の同定・定量を行うイオン付着質量分析装置をプラズマ中の各種の被測定物質を計測するモニタとして利用することに適用され、かつ装置構成を複雑にすることなしに、プラズマ反応のような電荷の種類が異なる物質を簡単な条件設定にて簡便にかつ実質的に同時に測定することが可能となる。特に、負イオンについては、最終的に正イオンにすることにより、正イオン検出用に構成された質量分析装置のイオン検出部で検出を行うことができる。
【0064】
本発明に係る質量分析装置は、様々な形態のイオン化室において、イオン化室と引込み電極と所定の電位関係とから成る構成を用い、中性の物質に加え、プラズマ中の正イオン、負イオン、中性活性種等の被測定物質のすべてを計測できる。特に金属イオン放出体を備えるイオン化室を有する場合には、被測定物質の親分子を壊すことなく計測可能なモニタとして利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るイオン付着質量分析方法等が実施される装置構成の外観を概略的に示す構成図である。
【図2】本発明の基本的な実施形態に係るプラズマ反応室の内部状態と、イオン源および質量分析装置の内部構造とを示す構成図である。
【図3】本発明に係るイオン付着質量分析方法に基づく計測で得られたマススペクトルの例を示す測定グラフである。
【図4】本発明の他の実施形態に係るプラズマ反応室の内部状態と、イオン源および質量分析装置の内部構造とを示す構成図である。
【符号の説明】
11 成膜装置
12 処理室
22 イオン源(イオン化室)
31 プラズマ
32 金属イオン放出体
33 引込み電極
35 イオン収束部
36 四重極型質量分析機構部
37 イオン検出部
39 反射電極
40 二次電子増倍管
41 エレクトロメータ
42 排気機構

Claims (10)

  1. 被測定物質を金属イオン放出機構を有するイオン化部に導入し、前記金属イオン放出機構から放出された正電荷の金属イオンを前記被測定物質に付着させてイオン化し、質量分析部により質量分析を行うイオン付着質量分析方法において、
    前記イオン化部に前記被測定物質を導入するための、開口を有する引込み電極の電位を変化させることにより前記イオン化部に導入する前記被測定物質を選別し、前記被測定物質を最終的に正のイオンとして取り出すことを特徴とするイオン付着質量分析方法。
  2. 前記被測定物質は、プラズマ反応により発生した正イオンと、負イオンと、ラジカルを含む中性物質とを含み、前記正イオン、前記負イオン、前記中性物質のいずれをも前記金属イオンを付着させてイオン化することを特徴とする請求項1記載のイオン付着質量分析方法。
  3. 前記被測定物質は、プラズマ反応により発生した少なくとも正イオンと負イオンを含み、これらの複数の測定成分を同時に測定することを特徴とする請求項1記載のイオン付着質量分析方法。
  4. 負イオンをイオン化部に導入し、金属イオン放出機構から放出される正電荷の金属イオンを利用して前記負イオンを正イオンに変換し、その後の計測部で前記負イオンに係る対象物を正イオン状態で計測することを特徴とする負イオン計測方法。
  5. 前記負イオンは、プラズマ反応により発生し、引込み電極でイオン化部へ導入されることを特徴とする請求項4記載の負イオン計測方法。
  6. 被測定物質をイオン化部に導入してイオン化し、質量分析部により質量分析を行う質量分析装置において、前記被測定物質を前記イオン化部に導入するための、開口を有する引込み電極を設けたことを特徴とする質量分析装置。
  7. 前記被測定物質は、プラズマ反応により発生した正イオンと、負イオンと、ラジカルを含む中性物質とを含み、前記正イオン、前記負イオン、前記中性物質のいずれをも前記金属イオンを付着させてイオン化することを特徴とする請求項6記載の質量分析装置。
  8. 親分子を壊さないイオン付着原理に基づき前記被測定物質をイオン化し、親分子のままで質量分析を行うことを特徴とする請求項6または7記載の質量分析装置。
  9. 前記引込み電極の電位を前記プラズマの電位と実質的に等しくしたことを特徴とする請求項7または8記載の質量分析装置。
  10. 前記金属イオン放出体の電位を前記プラズマの電位および前記引込み電極の電位よりも高くしたことを特徴とする請求項7または8記載の質量分析装置。
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