(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法について図面を参照しながら説明する。
図1(a)〜(d)は、第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法の各工程を示す断面図である。
まず、図1(a)に示すように、例えば Si(100)基板等の基板11上に、素子分離用の絶縁膜12を形成し、それにより、素子形成領域Rを区画する。次に、基板11に対して標準RCA洗浄及び希釈HF洗浄を行なった後、例えば700℃の温度下で基板11をNH3 ガスに10〜30秒間程度さらすことによって、図1(b)に示すように、基板11の素子形成領域Rの上に、厚さ1nm程度弱のSi3N4膜(シリコン窒化膜)13を形成する。
次に、図1(c)に示すように、基板11の素子形成領域Rの上に、Si3N4膜13を介して、例えばHfO2 よりなる厚さ数nm程度のhigh-k膜14を例えばCVD法により形成する。Si3N4膜13及びhigh-k膜14は、厚さ3〜5nm程度の極薄のゲート絶縁膜を構成する。
ここで、high-k膜14の詳細な形成方法について図2を参照しながら説明する。図2は、第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法におけるhigh-k膜形成に用いられるCVD装置の反応炉の断面構成を示す模式図である。図2に示すように、反応炉50の内部には、複数の基板11(Si3N4膜13の図示は省略)を載置するための基板保持機構51が設けられている。また、反応炉50には、プロセスガスを導入するための第1〜第3の導入口52〜54が設けられていると共に、使用後のプロセスガスを排気するための排気口55が設けられている。high-k膜14の形成にあたっては、まず、バブラー(バブリング用容器:図示省略)に貯留された液体状のHf含有原料、例えばHf t-butoxide (HfC16H36O4 )の中に、N2 ガス等の不活性ガスよりなるキャリアガスを吹き込んでバブリングを行なう。これにより生成された気体状態のHf t-butoxide 、つまり原料ガスをキャリアガスと共に例えば第1の導入口52から反応炉50内に導入する。このとき、high-k膜14の成長速度又は膜質を向上させるために、例えば乾燥O2 ガス等の酸素含有ガスを第2の導入口53から反応炉50内に導入する。また、反応炉50内の圧力を制御するために、例えばArガス又はN2 ガス等の不活性ガスよりなるベースガスを第3の導入口54から反応炉50内に導入してもよい。そして、前述の原料ガス及び酸素含有ガス等の各プロセスガスを反応炉50内で混合すると共にCVD(Chemical Vapor Deposition )処理を使用して、反応炉50内に載置された基板11上にhigh-k膜14を例えば 200〜 550℃程度の温度下で堆積する。その後、使用済みのプロセスガスを反応炉50内から排気口55を介して排気する。以上のように形成されたhigh-k膜14に対して組成分析を行なったところ、high-k膜14は、Hf及びOを主要な元素とするHfO2 という組成を持つと共にその内部に3.0質量%以下の微量なC及びHを含有することが判明した。すなわち、high-k膜14はHfO2 膜である。これは、Hf t-butoxide よりなる原料ガスがHf、O、C及びHを含有すること、及び前述のCVD処理においてキャリアガス等として用いられるN2 ガスは500℃程度の温度下では非常に不活性であることによる。
次に、N2 雰囲気中において、high-k膜14に対して例えば600〜800℃程度の温度下で蒸着後アニール(以下、PDA(Post Deposition Anneal)と称する)処理を行なう。その後、例えばSiH4 を用いて基板11上に、ゲート電極となるPoly−Si膜を例えば 540℃程度の蒸着温度で形成した後、 n-MOS構造を形成するためにPoly−Si膜に対して例えば5×1015cm-2のドーズ量でPイオンを注入する。その後、イオン注入されたPoly−Si膜をパターン化して、図1(d)に示すように、ゲート電極15をhigh-k膜14の上に形成する。これにより、MOSキャパシタ構造が完成する。
その後、図示は省略しているが、ソース・ドレイン領域を形成するための不純物注入を行なった後、該ソース・ドレイン領域又はゲート電極15に注入された不純物に対する活性化アニール処理を行なうために、例えば乾燥N2 雰囲気中において、基板11に対して 900℃程度以上の温度下で30秒間程度RTP(Rapid Thermal process )を行なう。
第1の実施形態の特徴は、high-k膜14つまりHfO2 膜の堆積温度(以下、CVD堆積温度と称することもある)をx[℃]とし、前述の活性化アニール処理の温度(以下、活性化アニール温度と称する)をy[℃]としたときに、x及びyは、
y ≦ 0.5・x + 825 の関係を満たすことである。尚、一般的に、活性化アニール温度は、トランジスタ製造時のゲート電極形成工程以降におけるプロセス最高温度である。
ここで、図1(a)〜(d)に示す方法により形成されたMOSキャパシタにおけるゲート絶縁膜(つまりSi3N4膜13及びhigh-k膜(HfO2 膜)14の積層膜)の熱的安定性と、CVD堆積温度及び活性化アニール温度の組み合わせ条件との相関について、図3を参照しながら説明する。尚、図3において、CVD堆積温度を横軸に、活性化アニール温度を縦軸に示すと共に、熱的安定性が良い、CVD堆積温度及び活性化アニール温度の組み合わせ条件を○(OK)で、熱的安定性が悪い、CVD堆積温度及び活性化アニール温度の組み合わせ条件を黒丸(NG)で示す。
尚、熱的安定性の評価は次のように行なっている。すなわち、CVD堆積温度及び活性化アニール温度の組み合わせ条件を色々変えながら形成されたMOSキャパシタに対して、LCR(inductance - capacitance - resistance )メータを用いてCV(capacitance - voltage )測定が行なわれる。そして、測定結果に基づいて、ゲート電極の空乏化又は基板の量子化効果等に起因する容量を考慮して、シミュレーションプログラムによるCVカーブのフィッティングを行なうことにより、ゲート絶縁膜のEOTが算出される。ここで、ゲート絶縁膜の熱的安定性が良い場合、測定されたCVカーブは理想的な形状を示す。すなわち、ゲート電圧Vgを大きくしてキャパシタを蓄積(Accumulation)状態にするに従って、容量はゲート絶縁膜のEOTと対応する理想的な値を示すようになり、ゲート電圧Vgの変化に対して次第に飽和していく。一方、ゲート絶縁膜の熱的安定性が悪い場合、ある温度以上の活性化アニール処理において、ゲート絶縁膜を構成する材料とゲート電極を構成する材料とが急激に反応して電流のリークパスが形成される結果、熱的安定性の良いゲート絶縁膜と比べて2桁から3桁も大きいゲートリーク電流が生じるので、測定されたCVカーブは異常な形状を示す。具体的には、ゲート電圧Vgを大きくすると容量が発散する。
図3に示すように、活性化アニール温度(y)[℃]が(0.5×CVD堆積温度(x)[℃]+825[℃])以下となる範囲内で、ゲート絶縁膜の熱的安定性が良い。また、ゲート電極の形成後に同一の温度で活性化アニール処理を行なった場合にも、ゲート絶縁膜となるHfO2 膜のCVD堆積温度の違いによって、ゲート絶縁膜の熱的安定性が変化する。逆に、HfO2 膜が同一のCVD堆積温度で形成されている場合にも、活性化アニール温度の違いによってゲート絶縁膜の熱的安定性が変化する。このことを、図4(a)及び(b)を参照しながら説明する。
図4(a)は、ゲート絶縁膜となるHfO2 膜を200℃の温度下で5分間かけてCVD法により堆積した後、HfO2 膜に対してPDA処理を行ない、その後、HfO2 膜上にPoly-Si 電極を形成した後、Poly-Si 電極に対してPイオンを注入し、その後、900℃の温度下で30秒間かけて活性化アニール処理を行なった後における、MOSキャパシタのCVカーブの測定結果を示している。一方、図4(b)は、ゲート絶縁膜となるHfO2 膜を200℃の温度下で5分間かけてCVD法により堆積した後、HfO2 膜に対してPDA処理を行ない、その後、HfO2 膜上にPoly-Si電極を形成した後、Poly-Si電極に対してPイオンを注入し、その後、950℃の温度下で30秒間かけて活性化アニール処理を行なった後における、MOSキャパシタのCVカーブの測定結果を示している。尚、図4(a)及び(b)においては、基板側がゲート電極側に対して高電位となるときのゲート電圧Vgを負符号で示している。また、図4(a)及び(b)に示すCVカーブの測定結果は、MOSキャパシタにおける複数の測定ポイントについて得られたものである。
図4(a)及び(b)に示すように、CVD堆積温度が同じ200℃であっても、活性化アニール温度が900℃であるときのCVカーブは、容量が次第に飽和する理想的な形状を示す一方、活性化アニール温度が950℃であるときのCVカーブは、容量が発散する異常な形状を示す。言い換えると、図4(a)に示すCVカーブを有するゲート絶縁膜は熱的安定性が良く、図4(b)に示すCVカーブを有するゲート絶縁膜は熱的安定性が悪い。すなわち、ゲート絶縁膜となるHfO2 膜のCVD堆積温度によって決まる上限値を活性化アニール温度が越えると、HfO2 膜中に急激に欠陥が形成されてリークパスが形成される結果、HfO2 膜は容量を蓄積できなくなってゲート絶縁膜としての機能を突然失う。
ここで、x及びyが、y≦0.5・x+825(xはHfO2 膜のCVD堆積温度であり、yは活性化アニール温度である)の関係を満たすことによって、ゲート絶縁膜の熱的安定性が向上する理由は、次のように考えられる。すなわち、一般的に、CVD堆積温度(x)が高い程、膜質の良い緻密なHfO2 膜が形成される。逆に、CVD堆積温度(x)が低い程、比較的空孔の多い疎なHfO2 膜が形成される。この場合、PDA処理によって、HfO2 膜をある程度緻密化することができるが、HfO2 膜中の空孔を完全に除去することはできない。このようなHfO2 膜上に電極材料膜を堆積した後、高温の活性化アニール処理を行なうと、HfO2 膜中又はHfO2 膜と電極材料膜との間に残留する空孔を介して電極材料の拡散が非常に顕著に生じる結果、HfO2 膜中に欠陥が発生する。すなわち、低いCVD堆積温度で形成された、比較的空孔の多いHfO2 膜は、ゲート絶縁膜としての熱的安定性が劣化してしまう。逆に、高いCVD堆積温度で形成された、膜質の良い緻密なHfO2 膜においては、前述の電極材料の拡散反応が格段に抑制されるため、活性化アニール処理時にもHfO2 膜中に欠陥が発生しくくなるので、熱的安定性が向上する。従って、図3に示す測定データからも明らかなように、CVD法により形成されたHfO2 膜を有する極薄のゲート絶縁膜における熱的安定性の良し悪しが変化する境界は、y=0.5・x+825という右肩上がりの直線で表される。
すなわち、第1の実施形態によると、y≦0.5・x+825の制約条件下でHfO2 膜つまりhigh-k膜14の堆積、及び活性化アニール処理を行なう。このため、high-k膜14の堆積温度xに応じて、活性化アニール温度、つまりゲート電極15の形成工程以降におけるプロセス最高温度を抑制できる。従って、活性化アニール処理時に、high-k膜14を構成する材料とゲート電極15を構成する材料との間で反応が生じる事態を回避でき、それによりhigh-k膜14に欠陥が発生することを防止できるので、high-k膜14の熱的安定性つまりゲート絶縁膜の熱的安定性を向上させることができる。
図5は、第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を用いて形成された、つまり本発明の「y≦0.5・x+825」の条件下で図1(a)〜(d)に示す方法を用いて形成された、MOSキャパシタ試料の高分解能断面TEM(transmission electron microscope)像を模式的に示している。図5に示すように、基板(基板11)上に絶縁膜(Si3N4膜13及びhigh-k膜(HfO2 膜)14)及び電極(ゲート電極15)が順次形成されたMOS構造において、high-k膜14とゲート電極15との界面は滑らかであり、欠陥は生じていない。
図6は、「y>0.5・x+825」の条件下で図1(a)〜(d)に示す方法を用いて形成されたMOSキャパシタ試料(比較例)の高分解能断面TEM像を模式的に示している。図6に示すように、基板上に絶縁膜(下層となるSi3 N4 膜及び上層となるhigh-k膜(HfO2 膜))及び電極(ゲート電極)が順次形成されたMOS構造において、絶縁膜(正確にはHfO2 膜)に、厚さが局所的に薄くなった欠陥部分が生じている。このため、比較例においては、該欠陥に起因するトンネル電流を主とするゲートリーク電流が極端に増大する結果、MOSキャパシタとして機能することが不可能になる。
図7は、「y>0.5・x+825」の条件下で図1(a)〜(d)に示す方法を用いて形成されたMOSキャパシタ試料(比較例)における前述の欠陥(図6参照)による不良発生率(不良率)と、絶縁膜(下層となるSi3N4膜及び上層となるHfO2 膜)の物理的膜厚との相関を示している。尚、不良率は、絶縁膜の面積1000μm2 当たりについて算出されたものである。図7に示すように、絶縁膜の物理的膜厚が5nm程度よりも小さくなると、欠陥による不良発生率が顕著になる。尚、絶縁膜の物理的膜厚が5nm程度以上である場合、絶縁膜における欠陥部分(HfO2 膜の薄膜化部分)の厚さも比較的大きくなると考えられ、その結果、該欠陥が不良発生率に及ぼす影響は小さくなると考えられる。
すなわち、y≦0.5・x+825が成り立つ条件下で行なわれる、第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法によると、物理的膜厚が5nm程度よりも小さいhigh-kゲート絶縁膜を形成する場合に特に顕著な熱的安定性向上効果が得られる。
尚、第1の実施形態において、high-k膜14としてHfO2 膜を形成したが、これに代えて、特性が類似したZrO2 膜等を形成してもよい。また、HfO2 膜中に、Si、Al、Ta、Ti又はLa等の、酸化物が絶縁性を有する元素を混入させてもよい。また、HfO2 膜中に、拡散防止機能を有するN含有層を設けてもよい。HfO2 膜中にSiを混入させる場合、言い換えると、Hfシリケート膜を形成する場合、Hf含有原料よりなる原料ガスにSiを添加して反応炉内に導入してもよいし、Hf含有原料よりなる原料ガスとは別にSi含有ガスを反応炉内に導入してもよい。
また、第1の実施形態において、ゲート絶縁膜は、Si3N4膜13及びhigh-k膜14の積層膜であったが、これに限られず、ゲート絶縁膜は、high-k膜14の単層膜であってもよいし、又は、high-k膜14と他の絶縁膜との積層膜であってもよい。後者の場合、high-k膜14が上層であってもよいし、又は、下層であってもよい。
また、第1の実施形態において、ゲート電極15としてPoly-Si 電極を用いたが、これに代えて、他の材料よりなる電極、例えばメタルゲート電極を用いてもよい。
また、第1の実施形態において、high-k膜14となるHfO2 膜を、Hf t-butoxide よりなる原料ガスを用いたCVD法により堆積したが、high-k膜14の堆積方法は特に限定されるものではない。high-k膜14としてHfO2 膜をCVD法により堆積する場合のHf含有原料としては、Hf t-butoxide に限られず、例えばTDEA-Hf (C16H40N4Hf )、TDMA-Hf (C8H24N4Hf)又はHf(MMP)4(Hf[OC(CH3)2CH2OCH3]4 )等を用いてもよい。また、high-k膜14としてZrO2 膜をCVD法により堆積する場合のZr含有原料としては、Zr t-butoxide (ZrC16H36O4 )、TDEA-Zr(C16H40N4Zr)、TDMA-Zr (C8H24N4Zr)又はZr(MMP)4(Zr[OC(CH3)2CH2OCH3]4 )等を用いてもよい。また、high-k膜14の堆積方法として、CVD法に代えて、例えばプラズマCVD法又はJVD(Jet Vapor Deposition)法等を用いてもよい。また、high-k膜14としてHfO2 膜を形成する場合、例えばHf t-butoxide 又はTDEA-Hf 等のHf含有原料よりなる原料ガスと、O2 、H2 O、NO、N2 O又はNH3 等の置換ガスとに基板を交互にさらすCVD法を用いてもよい。
また、第1の実施形態において、酸素含有ガスとしてO2 を用いたが、これに代えて、NO、N2 O、H2 O又はO3 等を用いてもよい。
また、第1の実施形態において、high-k膜14の堆積温度(x[℃])と、活性化アニール処理の温度(y[℃])との間に制約条件「y≦0.5・x+825」を設けたが、該制約条件は、基本的に、high-k膜14の堆積温度と、ゲート電極形成工程以降におけるプロセス最高温度(第1の実施形態では活性化アニール温度)との間に設けられるものである。言い換えると、該制約条件は、基本的に、high-k膜14の堆積温度と、ゲート電極形成工程以降における全ての熱処理の温度との間に設けられていることになる。従って、ゲート電極形成工程以降におけるプロセス最高温度が活性化アニール温度以外の他の熱処理温度である場合には、high-k膜14の堆積温度と、該他の熱処理温度との間に同様の制約条件を設ける必要がある。
また、第1の実施形態において、high-k膜14をゲート絶縁膜として形成したが、これに代えて、他の用途、例えば容量絶縁膜として形成してもよい。
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法について、第1の実施形態と同様に図1(a)〜(d)を参照しながら説明する。
まず、図1(a)に示すように、例えば Si(100)基板等の基板11上に、素子分離用の絶縁膜12を形成し、それにより、素子形成領域Rを区画する。次に、基板11に対して標準RCA洗浄及び希釈HF洗浄を行なった後、例えば700℃の温度下で基板11をNH3 ガスに10〜30秒間程度さらすことによって、図1(b)に示すように、基板11の素子形成領域Rの上に、厚さ1nm程度弱のSi3N4膜(シリコン窒化膜)13を形成する。
次に、図1(c)に示すように、基板11の素子形成領域Rの上に、Si3N4膜13を介して、例えばHfO2 よりなる厚さ数nm程度のhigh-k膜14を例えばCVD法により形成する。Si3N4膜13及びhigh-k膜14は、厚さ3〜5nm程度の極薄のゲート絶縁膜を構成する。ここで、high-k膜14の詳細な形成方法について、第1の実施形態と同様に図2を参照しながら説明する。まず、バブラー(図示省略)に貯留された液体状のHf含有原料、例えばHf t-butoxide の中に、N2 ガス等の不活性ガスよりなるキャリアガスを吹き込んでバブリングを行なう。これにより生成された気体状態のHf t-butoxide 、つまり原料ガスをキャリアガスと共に例えば第1の導入口52から反応炉50内に導入する。このとき、high-k膜14の成長速度又は膜質を向上させるために、例えば乾燥O2 ガス等の酸素含有ガスを第2の導入口53から反応炉50内に導入する。また、反応炉50内の圧力を制御するために、例えばArガス又はN2 ガス等の不活性ガスよりなるベースガスを第3の導入口54から反応炉50内に導入してもよい。そして、前述の原料ガス及び酸素含有ガス等の各プロセスガスを反応炉50内で混合すると共にCVD処理を使用して、反応炉50内に載置された基板11上にhigh-k膜14を例えば 200〜 550℃程度の温度下で堆積する。その後、使用済みのプロセスガスを反応炉50内から排気口55を介して排気する。以上のように形成されたhigh-k膜14は、微量なC及びHを含有するHfO2 膜である。
次に、N2 雰囲気中において、high-k膜14に対して例えば600〜800℃程度の温度下でPDA処理を行なう。その後、例えばArガスを用いたスパッタリング等のPVD(Physical Vapor Deposition )法を用いて基板11上にTiN(下層)/Al(上層)積層膜を形成した後、該積層膜をパターン化して、図1(d)に示すように、ゲート電極15をhigh-k膜14の上に形成する。これにより、MOSキャパシタ構造が完成する。その後、図示は省略しているが、ソース・ドレイン領域を形成するための不純物注入を行なった後、該不純物に対する活性化アニール処理を行なうために、例えば乾燥N2 雰囲気中において、基板11に対して 900℃程度以上の温度下で30秒間程度RTPを行なう。
第2の実施形態の特徴は、Hf t-butoxide よりなる原料ガス及び酸素含有ガス等を反応炉50内に導入して基板11上にhigh-k膜14を堆積する工程において、反応炉50内に供給される全てのガスの流量に対する酸素含有ガスの流量の比(以下、酸素分圧比と称することもある)をzとしたときに、
0.25 ≦ z ≦ 0.70 が成り立つことである。
ここで、図1(a)〜(d)に示す方法により形成されたMOSキャパシタにおけるゲート絶縁膜(つまりSi3N4膜13及びhigh-k膜(HfO2 膜)14の積層膜)の比誘電率K及びゲートリーク電流Jg(正確にはゲートリーク電流密度(単位:A/cm2 ))のそれぞれと、high-k膜14の堆積時における酸素分圧比との相関について、図8を参照しながら説明する。尚、図8において、酸素分圧比と比誘電率Kとの相関を◆印を用いて示すと共に、酸素分圧比とゲートリーク電流Jgとの相関を▲印を用いて示す。また、酸素分圧比は、high-k膜14の堆積時に反応炉50内に導入された酸素含有ガスの総流量を、high-k膜14の堆積時に反応炉50内に導入された全てのプロセスガスの総流量によって除することにより求めている。但し、第2の実施形態においては、high-k膜14の堆積にCVD法を用いることを前提としているが、これに代えて、スパッタ法又はALD(Atomic Layer Deposition )法等を用いて、原料ガス(Hf含有ガス)と酸素含有ガスとを時間的に交互に反応炉内に供給する場合にも、各ガスの供給時間及び単位時間当たりの流量を考慮して、成膜時における酸素含有ガスの総流量を、成膜時における全てのプロセスガスの総流量によって除することにより酸素分圧比を定義することができる。
また、ゲート絶縁膜の比誘電率Kの算出方法は次の通りである。すなわち、まず、MOSキャパシタに対してCV測定を行なうと共に、測定結果に基づいて、ゲート電極の空乏化(デプレション効果)又は基板の量子化効果等に起因する容量を考慮して、シミュレーションプログラムによるCVカーブのフィッティングを行なうことにより、ゲート絶縁膜のEOTを算出する。また、ゲート絶縁膜の物理的膜厚(Tph)をエリプソメトリー法(偏光法)を用いて測定する。ここで、EOT=(SiO2 膜の比誘電率3.9)/(ゲート絶縁膜の比誘電率K)×Tphの関係式に、EOT、Tph及びSiO2 膜の比誘電率のそれぞれと対応する数値を代入することによって、ゲート絶縁膜の比誘電率Kを求めることができる。また、ゲートリーク電流Jgの値としては、MOSキャパシタにおいてゲート絶縁膜のEOTが1nmである場合にゲート電極(TiN/Al積層構造)に対してー1Vのゲート電圧を印加したときのリーク電流値を用いている。
図8に示す、ゲート絶縁膜の比誘電率Kと酸素分圧比との相関から次のような知見が得られる。すなわち、酸素分圧比が0.7以下の場合、比誘電率Kは約13程度のほぼ一定の値になる。これは、一般的なHfシリケートの比誘電率12程度と近い値である。一方、酸素分圧比が0.7を越えると、比誘電率Kの値は急激に減少する。その理由は以下の通りである。すなわち、反応炉内に導入された酸素含有ガス中の酸素が、原料ガス中のHfに対して過剰に存在するようになると、酸素はHfO2 を形成するために寄与する以外に、HfO2 膜の堆積時に膜内を拡散してSi基板まで到達し、Si基板が酸化されてSi基板とHfO2 膜との間に低誘電率の界面層(例えばSiO2 層)が付加的に形成されてしまう。そして、酸素分圧比の増加に伴って、この低誘電率界面層の膜厚が増加するため、該界面層を含めたゲート絶縁膜全体の比誘電率Kが低下することになる。
従って、HfO2 膜を有する極薄のゲート絶縁膜(以下、high-Kゲート絶縁膜と称することもある)に関しては、この低誘電率界面層の膜厚をできるだけ薄くすることが望まれる。また、膜全体としての比誘電率Kを高くすることがhigh-Kゲート絶縁膜においては必須である。すなわち、これらの条件を満たすためには、酸素分圧比を0.7以下にする必要がある。尚、この0.7という数値は、基本的に、原料ガス中のHfと酸素含有ガス中の酸素との反応によって決まるため、原料ガスの種類(第1の実施形態ではHf t-butoxide )が同じである限り、HfO2 膜の堆積温度を変えても、この0.7という数値は変わらない。HfO2 膜の堆積温度を低くした場合には、酸素分圧比が0.7を越える場合における比誘電率Kの減少の度合いが若干緩やかになるが、比誘電率Kの減少が開始する変化点となる酸素分圧比が0.7であることには変わりはない。すなわち、通常のCVD法で用いられているような温度範囲においては、ゲート絶縁膜の比誘電率Kを高く維持するために酸素分圧比を0.7以下にすることが望まれる。
また、図8に示す、ゲートリーク電流Jgと酸素分圧比との相関から次のような知見が得られる。すなわち、酸素分圧比が0.25よりも小さくなると、ゲートリーク電流Jgの値は、理想的なリーク電流値である10-3A/cm2 のオーダーから急激に増大し始めて、理想的なリーク電流値と比べて約3桁(1000倍)も高い1A/cm2 のオーダーに達してしまう。その理由は、本願発明者による残留カーボンの分析結果から以下のように考えられる。すなわち、酸素分圧比が0.25よりも小さい場合、原料ガスに含まれる炭素と、酸素含有ガスに含まれる酸素とが気相中で結合してCOガス又はCO2 ガスが生成される反応が十分に起こらない。言い換えると、未反応の炭素がCOガス又はCO2 ガスとしてHfO2 膜から完全には脱離しない。このため、未反応の炭素が不純物としてHfO2 膜中に大量に残留する結果、該不純物が伝導パスとなって生じるゲートリーク電流Jgが増大してしまう。尚、HfO2 膜中に大量に残留した炭素は、high-Kゲート絶縁膜の信頼性寿命にも悪影響を及ぼす。
従って、ゲートリーク電流Jgが小さいhigh-Kゲート絶縁膜の実現のためには、酸素分圧比を0.25以上にする必要がある。尚、この0.25という数値は、基本的に、原料ガス中の炭素と酸素含有ガス中の酸素との反応によって決まるため、原料ガスの種類(第1の実施形態ではHf t-butoxide )が同じである限り、HfO2 膜の堆積温度を変えても、この0.25という数値は変わらない。すなわち、通常のCVD法で用いられているような温度範囲においては、ゲート絶縁膜のゲートリーク電流Jgを抑制するために酸素分圧比を0.25以上にすることが望まれる。
以上に述べた、ゲート絶縁膜の比誘電率Kと酸素分圧比との相関から得られた知見、及び、ゲートリーク電流Jgと酸素分圧比との相関から得られた知見を総合すると、次のように結論できる。すなわち、Hf t-butoxide という炭素含有Hf原料を使用する場合、ゲートリーク電流が小さく且つ比誘電率が高いhigh-kゲート絶縁膜を実現する酸素分圧比(HfO2 膜の堆積時における、反応炉内に供給される全てのガスの流量に対する酸素含有ガスの流量の比)の好ましい範囲は、0.25以上で且つ0.7以下の範囲である。
ところで、ITRS(International Technology Roadmap for Semiconductors) 1999 Editionの 107ページの Table31に記載されているように、システムLSIにおいては、ゲートリーク電流の値が1×10-3A/cm2 以下のスペックを満たさなければならない。図8に示す、ゲートリーク電流Jgと酸素分圧比との相関において前述のスペックを満たそうとすると、酸素分圧比を0.25以上で且つ0.55以下の範囲に設定する必要がある。このようにすると、ゲートリーク電流Jgは、10-3〜10-4A/cm2 という理想的なリーク電流値のオーダーを示す。その理由は次の通りである。すなわち、酸素分圧比が0.25以上で且つ0.55以下の範囲であると、炭素含有Hf原料を使用した場合にも、炭素がCOガス又はCO2 ガスとしてHfO2 膜から脱離するため、未反応の炭素が不純物としてHfO2 膜中に残留しにくくなるので、該不純物が伝導パスとなって生じるゲートリーク電流Jgの値が理想的に抑制される。
尚、図8に示すように、酸素分圧比が0.55よりも大きくなると、ゲートリーク電流Jgは10-3A/cm2 のオーダーから徐々に増大し始め、酸素分圧比が0.7を越えると、ゲートリーク電流Jgは10-2A/cm2 以上のオーダーを示し、理想的なリーク電流値の範囲から大きく外れてしまう。その理由は次の通りである。すなわち、酸素分圧比が0.7を越えるような比較的高い値である場合、Hf原料に含まれる炭素がCOガス等としてHfO2 膜から脱離するため、HfO2 膜中に残留する炭素不純物に起因したゲートリーク電流Jgの増大は起こらない。しかしながら、この場合、前述のように、過剰な酸素が堆積時のHfO2 膜中を拡散するため、Si基板の酸化に起因してSi基板とHfO2 膜との間に付加的に形成される低誘電率界面層(例えばSiO2 層)の膜厚が増大してしまう。その結果、該界面層を含めたゲート絶縁膜全体の比誘電率Kが低下してしまうと共に、ゲート絶縁膜全体の特性がよりSiO2 の特性に近づいてしまう。また、所望のEOTを実現できるhigh-kゲート絶縁膜の物理的膜厚(界面層の物理的膜厚を含む)が小さくなってしまうので、ゲートリーク電流Jgが増大してしまう。
従って、Hf t-butoxide という炭素含有Hf原料を使用する場合、比誘電率が高いhigh-kゲート絶縁膜を実現しながらゲートリーク電流を理想的に低減できる酸素分圧比の最良の範囲は、0.25以上で且つ0.55以下の範囲である。
以下、前述の酸素分圧比の好ましい範囲における下限値及び上限値(第1の上限値)、並びに、前述の酸素分圧比の最良の範囲における上限値(第2の上限値)を一般化した場合について説明する。原料ガス(炭素含有)の組成をM1-a SiaCpHqNr Os(但しMはHf等の金属を表し、1>a≧0、p>0、q≧0、r≧0、s≧0である)とすると、反応炉内における原料ガスの反応(基本的に燃焼反応)は次の様に表せる。
M1-aSiaCpHqNrOs +{1+p+q+(r/4)−(s/2)}・O2 →
M1-aSiaO2 +(q/2)・H2 O +p・CO2 +(r/2)・N2 O
原料ガスがHf t-butoxide よりなる場合、前述の反応式は次のようになる。
HfC16H36O4 +24・O2 →HfO2 +18・H2 O+16・CO2
ここで、24・O2 が下限値0.25と対応しているので、酸素分圧比の下限値の一般式は、
0.25×{1+p+q+(r/4)−(s/2)}÷24
=0.0104・{1+p+q+(r/4)−(s/2)}と表せる。
具体的には、原料ガスがTDEA-Hf (テトラキスジエチルアミドハフニウム(Tetrakis diethylamido hafnium):C16H40N4Hf)よりなる場合、酸素分圧比の下限値は0.29になる。また、原料ガスがTDMA-Hf (テトラキスジメチルアミノハフニウム(Tetrakis dimethylamino hafnium):C8H24N4Hf)よりなる場合、酸素分圧比の下限値は0.17になる。また、原料ガスが、Hf(MMP)4(テトラキス1メトキシ2メチル2プロポキシハフニウム(Tetrakis 1-Methoxy-2-methyl-2-propoxy hafnium ):Hf[OC(CH3)2CH2OCH3]4 )よりなる場合、酸素分圧比の下限値は0.29になる。
同様に、24・O2 が第1の上限値0.7と対応しているので、酸素分圧比の第1の上限値の一般式は、
0.7×{1+p+q+(r/4)−(s/2)}÷24
=0.0292・{1+p+q+(r/4)−(s/2)}と表せる。
具体的には、原料ガスがTDEA-Hf よりなる場合、酸素分圧比の第1の上限値は0.82になる。また、原料ガスがTDMA-Hf よりなる場合、酸素分圧比の第1の上限値は0.47になる。また、原料ガスがHf(MMP)4よりなる場合、酸素分圧比の第1の上限値は0.82になる。
同様に、24・O2 が第2の上限値0.55と対応しているので、酸素分圧比の第2の上限値の一般式は、
0.55×{1+p+q+(r/4)−(s/2)}÷24
=0.0229・{1+p+q+(r/4)−(s/2)}と表せる。
具体的には、原料ガスがTDEA-Hf よりなる場合、酸素分圧比の第2の上限値は0.64になる。また、原料ガスがTDMA-Hf よりなる場合、酸素分圧比の第2の上限値は0.37になる。また、原料ガスがHf(MMP)4よりなる場合、酸素分圧比の第2の上限値は0.64になる。
以上に説明したように、第2の実施形態によると、反応炉50内に炭素含有原料ガスM1-aSiaCpHqNrOsを導入して基板11上にhigh-k膜14を堆積するときに酸素分圧比(反応炉内に供給される全てのガスの流量に対する酸素含有ガスの流量の比)を第1の上限値(=0.0292(1+p+q+(r/4)-(s/2)))以下にするため、過剰な酸素がhigh-k膜14中を拡散する事態を回避できる。このため、基板11が必要以上に酸化されることを防止できるので、基板11とhigh-k膜14との間に形成される低誘電率の界面層(例えばSiO2 層)の厚さを薄くできる。従って、界面層を合わせたゲート絶縁膜(Si3N4膜13及びhigh-k膜14)のEOTを低く維持できるので、界面層を合わせたゲート絶縁膜の比誘電率が所望値より小さくなることを防止できる。また、酸素分圧比を下限値(=0.0104(1+p+q+(r/4)-(s/2)))以上にするため、原料ガスに含まれる炭素と、酸素含有ガスに含まれる酸素とが気相中で結合してCOガス又はCO2 ガスが生成される反応が十分に生じる。このため、未反応の炭素が不純物としてhigh-k膜14中に残留することを抑制できるので、該不純物が伝導パスとなって生じるゲートリーク電流を低減できる。
また、第2の実施形態によると、酸素分圧比を下限値(=0.0104(1+p+q+(r/4)-(s/2)))以上で且つ第2の上限値(=0.0229(1+p+q+(r/4)-(s/2)))以下の範囲にさらに制限することによって、比誘電率が高いhigh-kゲート絶縁膜を実現しながらゲートリーク電流を理想的に低減することができる。
尚、第2の実施形態において、high-k膜14としてHfO2 膜を形成したが、これに代えて、特性が類似したZrO2 膜等を形成してもよい。また、HfO2 膜中に、Si、Al、Ta、Ti又はLa等の、酸化物が絶縁性を有する元素を混入させてもよい。また、HfO2 膜中に、拡散防止機能を有するN含有層を設けてもよい。HfO2 膜中にSiを混入させる場合、言い換えると、Hfシリケート膜を形成する場合、Hf含有原料よりなる原料ガスにSiを添加させて反応炉内に導入してもよいし、Hf含有原料よりなる原料ガスとは別にSi含有ガスを反応炉内に導入してもよい。
また、第2の実施形態において、ゲート絶縁膜は、Si3N4膜13及びhigh-k膜14の積層膜であったが、これに限られず、ゲート絶縁膜は、high-k膜14の単層膜であってもよいし、又は、high-k膜14と他の絶縁膜との積層膜であってもよい。後者の場合、high-k膜14が上層であってもよいし、又は、下層であってもよい。
また、第2の実施形態において、ゲート電極15として、TiN/Al積層構造のメタルゲート電極を用いたが、これに代えて、Ti、SiGe、Ta、TaN、TaSixNy(但しx≧0、y≧0)、Ru、RuO2 、RuO、WN、Mo、MoO又はMoN等よりなるメタルゲート電極を用いてもよい。また、メタルゲート電極に代えてPoly-Si 電極を用いてもよい。
また、第2の実施形態において、high-k膜14となるHfO2 膜を、Hf t-butoxide よりなる原料ガスを用いたCVD法により堆積したが、high-k膜14の堆積方法は特に限定されるものではない。high-k膜14としてHfO2 膜をCVD法により堆積する場合のHf含有原料としては、Hf t-butoxide に限られず、例えばTDEA-Hf 、TDMA-Hf 又はHf(MMP)4等を用いてもよい。また、high-k膜14としてZrO2 膜をCVD法により堆積する場合のZr含有原料としては、Zr t-butoxide 、TDEA-Zr 、TDMA-Zr 、又はZr(MMP)4等を用いてもよい。また、high-k膜14の堆積方法として、CVD法に代えて、例えばプラズマCVD法又はJVD法等を用いてもよい。また、high-k膜14としてHfO2 膜を形成する場合、例えばHf t-butoxide又はTDEA-Hf 等のHf含有原料よりなる原料ガスと、O2 、H2 O、NO、N2 O又はNH3 等の置換ガスとに基板を交互にさらすCVD法を用いてもよい。
また、第2の実施形態において、酸素含有ガスとしてO2 を用いたが、これに代えて、NO、N2 O、H2 O又はO3 等を用いてもよい。
また、第2の実施形態において、第1の実施形態と同様に、high-k膜14の堆積温度(x[℃])と、ゲート電極形成工程以降におけるプロセス最高温度(y[℃]:例えば活性化アニール温度)との間に制約条件「y≦0.5・x+825」を設けてもよい。このようにすると、熱的安定性に優れ、ゲートリーク電流が小さく且つ比誘電率が高いhigh-kゲート絶縁膜を実現することができる。
また、第2の実施形態において、high-k膜14をゲート絶縁膜として形成したが、これに代えて、他の用途、例えば容量絶縁膜として形成してもよい。