JP2003303820A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents
半導体装置の製造方法Info
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Abstract
現する。 【解決手段】 基板11の上にHfO2 よりなるhigh-k
膜14をCVD法を用いて堆積した後、high-k膜14の
上にゲート電極15を形成し、その後、ソース・ドレイ
ン領域又はゲート電極15に注入された不純物に対する
活性化アニール処理を行なう。high-k膜14の堆積温度
をx[℃]とし、活性化アニール処理の温度をy[℃]
としたときに、x及びyは、y ≦ 0.5・x +
825の関係を満たす。
Description
ゲート絶縁膜を有する半導体装置の製造方法に関するも
のである。
高速化に対する技術進展に伴い、MOSFETの微細化
が進められている。微細化に伴いゲート絶縁膜の薄膜化
を進めると、トンネル電流によるゲートリーク電流の増
大等の問題が顕在化してくる。この問題を抑制するため
に、HfO2 、ZrO2 、La2O3、TiO2 又はTa
2O5等の高誘電率材料を用いたゲート絶縁膜(以下、hi
gh-kゲート絶縁膜と称する)により、薄いSiO2 換算
膜厚(以下、EOT(Equivalent Oxide Thickness)と
称する)を実現しながら物理的膜厚を厚くするという手
法が研究されている。
演算処理を行なう内部回路、入出力を受け持つ周辺回
路、及びDRAM等の複数の機能を持つ回路を1つのチ
ップに集積することが一般的になっている。このような
システムLSIを構成するMOSFETに対しては、駆
動力を高く維持しつつリーク電流を小さくできることが
求められており、そのため、例えば将来の70nmデザイン
ルールのCMOSFETにおいては、high-kゲート絶縁
膜の導入が期待されている。
て、例えば特開昭63ー236335号公報に記載された方法は
次の通りである。まず、固体原料であるHF(OC
3H7)4を100〜200℃程度に加熱して液体状態にすると
共に、該液状の原料中にAr又はN2 等の不活性ガス
(キャリアガス)を吹き込んでバブリングを行なう。こ
れにより、原料を気体状態にして該原料ガスをキャリア
ガスと共に反応炉内に導入し、13.3〜1330Pa程度( 0.1
〜10torr程度)の減圧下において、反応炉内に載置され
た基板上にHfO2 膜(ハフニウム酸化膜)を400〜600
℃程度の成長温度で気相成長(CVD(Chemical Vapor
Deposition ))させる。このとき、ハフニウム酸化膜
の成長速度又は膜質の向上のためにO2 ガスを反応炉内
に導入すると共に、反応炉内の圧力維持のためArガス
等のベースガスを反応炉内に導入する。また、反応炉内
に導入される各ガスの流量(標準状態)は、原料輸送の
ためのキャリアガスの流量が例えば100〜200ml/minであ
り、O2 ガスの流量が1000ml/minであり、ベースガスが
例えば1000ml/minである。
high-kゲート絶縁膜の形成方法を用いて、5nm程度よ
りも薄い極薄のhigh-kゲート絶縁膜を形成すると、CV
D堆積膜としての熱的安定性が劣化したり、ゲートリー
ク電流が増大したり、又は、比誘電率が所望値よりも低
下したりするという問題が生じる。これらの問題は、い
ずれも、HfO2等の高誘電率材料を極薄ゲート絶縁膜
として使用するという新たな技術の方向性によって新た
に生じたものであり、5nm程度以上の厚膜で応用され
ていた従来のhigh-kゲート絶縁膜においては見られなか
ったものである。
たhigh-kゲート絶縁膜を実現することを第1の目的と
し、ゲートリーク電流が小さく且つ比誘電率が高いhigh
-kゲート絶縁膜を実現することを第2の目的とする。
するために、本願発明者は、極薄のhigh-kゲート絶縁膜
の熱的安定性が劣化する原因を検討してみた。その結
果、以下のような知見を得た。すなわち、high-kゲート
絶縁膜の形成後には、ゲート電極の形成、ソース・ドレ
イン領域を形成するための不純物の注入(又はゲート電
極に対する不純物の注入)、及び、不純物を活性化する
ためのアニール処理(以下、活性化アニール処理と称す
る)が順次行なわれる。そして、この活性化アニール処
理の高温度によって、high-kゲート絶縁膜を構成する材
料とゲート電極を構成する材料との間で反応が生じる結
果、high-kゲート絶縁膜に欠陥が発生し、該欠陥に起因
してhigh-kゲート絶縁膜の熱的安定性の劣化が生じてい
ることが判明した。
膜の形成において、熱的安定性という新たな観点を導入
する必要性に鑑み、さらなる検討を積み重ねた結果、熱
的安定性を十分保証できる、high-kゲート絶縁膜の堆積
温度と活性化アニール温度との関係を見出すに至った。
に、本願発明者は、極薄のhigh-kゲート絶縁膜におい
て、ゲートリーク電流が増大したり、又は、比誘電率が
所望値よりも低下したりする原因を検討してみた。その
結果、以下のような知見を得た。すなわち、反応炉内に
原料ガスを導入することによってウェハ上にhigh-kゲー
ト絶縁膜を気相成長させる場合、high-kゲート絶縁膜の
成長速度又は膜質の向上のために反応炉内には酸素含有
ガス(例えばO2 ガス)が導入される。このとき、酸素
含有ガスの流量比(=(反応炉内に導入される酸素含有
ガスの流量)/(反応炉内に導入される全てのガスの流
量))がある下限値よりも小さくなると、原料ガスに含
まれるカーボン等が残留不純物としてhigh-kゲート絶縁
膜中に残留し、その結果、この残留不純物を介してゲー
トリーク電流が発生していることが判明した。また、酸
素含有ガスの流量比がある上限値よりも大きくなると、
過剰な酸素がhigh-kゲート絶縁膜を通過したり又は該膜
中に残留すること等によって、ウェハつまりシリコン基
板が必要以上に酸化される。その結果、基板とhigh-kゲ
ート絶縁膜との間に形成される低誘電率の界面層(例え
ばSiO2 層)の厚さが増加するため、該界面層を含め
たゲート絶縁膜のEOTが大きくなってしまうこと、つ
まり、ゲート絶縁膜の比誘電率が所望値よりも低下して
しまうことが判明した。これは、極薄のhigh-kゲート絶
縁膜の形成においては、従来の厚膜のhigh-kゲート絶縁
膜の形成では大きな問題にならなかったシリコン基板表
面の酸化、つまり界面層の形成を極力抑制する必要性が
あることを意味する。
膜の気相成長における酸素含有ガスの流量比の好ましい
範囲(半導体装置の性能を飛躍的に改善できる範囲)
を、EOT及びリーク電流という新たな観点に基づいて
限定することを新規に着想するに至った。言い換える
と、低誘電率の界面層の厚さを薄く抑制してEOTを低
く維持すると共にゲートリーク電流を理想的に抑制する
ため、酸素含有ガスの流量比を所定の範囲に限定するこ
とを着想した。
のであって、具体的には、前記の第1の目的を達成する
ため、本発明に係る半導体装置の製造方法は、基板上
に、一の金属と酸素とを含む高誘電率絶縁膜を堆積する
工程と、高誘電率絶縁膜の上に電極を形成する工程と、
電極を形成する工程よりも後に、基板に対して熱処理を
行なう工程とを備え、高誘電率絶縁膜の堆積温度をx
[℃]とし且つ熱処理の温度をy[℃]としたときに、
x及びyは、y ≦ 0.5・x + 825の関係を
満たす。
y ≦ 0.5・x + 825(xは高誘電率絶縁膜
(以下、high-k膜と称する)の堆積温度[℃]であり、
yはhigh-k膜上に電極を形成した後に行なわれる熱処理
(以下、電極形成後熱処理と称する)の温度[℃]であ
る)の制約条件下で、high-k膜の堆積及び電極形成後熱
処理のそれぞれを行なう。このため、high-k膜の堆積温
度xに応じて、電極形成後熱処理の温度y、例えばソー
ス・ドレイン領域又は電極に注入された不純物を活性化
するための活性化アニール処理の温度(一般的にはこの
温度が電極形成工程以降におけるプロセス最高温度とな
る)を抑制できる。従って、電極形成後熱処理時に、hi
gh-k膜を構成する材料と電極を構成する材料との間で反
応が生じる事態を回避でき、それによりhigh-k膜に欠陥
が発生することを防止できるので、high-k膜の熱的安定
性を向上させることができる。
の半導体装置の製造方法において、高誘電率絶縁膜を堆
積する工程は、基板が載置された反応炉内に、一の金属
と炭素とを含む原料ガス、酸素含有ガス、及び不活性ガ
スを供給する工程を含み、原料ガスの組成をM1-aSia
CpHqNrOs(但しMは一の金属を表し、1>a≧0、
p>0、q≧0、r≧0、s≧0である)とし、且つ反
応炉内に供給される全てのガスの流量に対する酸素含有
ガスの流量の比をzとしたときに、z、p、q、r及び
sは、 0.0104・(1+p+q+r/4ーs/2) ≦
z ≦0.0292・(1+p+q+r/4ーs/2) の関係を満たすことが好ましい。
料ガスM1-aSiaCpHqNrOsを導入して基板上にhigh
-k膜を堆積するときに酸素含有ガスの流量比を所定の上
限値(=0.0292(1+p+q+r/4-s/2))以下にするため、過剰
な酸素がhigh-k膜中を拡散する事態を回避できる。この
ため、基板が必要以上に酸化されることを防止できるの
で、基板とhigh-k膜との間に形成される低誘電率の界面
層(例えばSiO2 層)の厚さを薄くできる。従って、
界面層を合わせたhigh-k膜のEOTを低く維持できるの
で、界面層を合わせたhigh-k膜の比誘電率が所望値より
小さくなることを防止できる。また、反応炉内に炭素含
有原料ガスを導入して基板上にhigh-k膜を堆積するとき
に酸素含有ガスの流量比を所定の下限値(=0.0104(1+p+
q+r/4-s/2))以上にするため、原料ガスに含まれる炭素
と、酸素含有ガスに含まれる酸素とが気相中で結合して
COガス又はCO2 ガスが生成される反応が十分に生じ
る。このため、未反応の炭素が不純物としてhigh-k膜中
に残留することを抑制できるので、該不純物が伝導パス
となって生じるゲートリーク電流を低減できる。
して基板上にhigh-k膜を堆積する場合、z、p、q、r
及びsは、 z ≦ 0.0229・(1+p+q+r/4ーs/
2) の関係を満たすことが好ましい。
中を拡散することをより確実に回避できるため、基板酸
化に起因して基板とhigh-k膜との間に形成される界面層
の厚さを確実に薄くできる。このため、所望のEOTを
実現できるhigh-k膜の物理的膜厚(界面層の物理的膜厚
を含む)を十分に大きくできるので、界面層を合わせた
high-k膜の比誘電率を高く維持しながら、ゲートリーク
電流を理想的に低減できる。
して基板上にhigh-k膜を堆積する場合、原料ガス及び高
誘電率絶縁膜はそれぞれシリコンを含んでいてもよい。
或いは、高誘電率絶縁膜を堆積する工程は、反応炉内に
シリコン含有ガスを供給する工程を含み、高誘電率絶縁
膜はシリコンを含んでいてもよい。また、炭素含有原料
ガスは、HfC16H36O4 (Hf t-butoxide )、ZrC
16H36O4 (Zr t-butoxide )、C16H40N4Hf (TD
EA-Hf )、C16H40N4Zr(TDEA-Zr)、C8H24N4H
f (TDMA-Hf )、C8H24N4Zr(TDMA-Zr )、Hf
[OC(CH3)2CH2OCH3]4(Hf(MMP)4)、又は
Zr[OC(CH3)2CH2OCH3]4(Zr(MMP)4)で
あってもよい。
一の金属はハフニウム又はジルコニウムであってもよ
い。
くはハフニウムシリケート膜又はジルコニウム酸化膜若
しくはジルコニウムシリケート膜を確実に形成できる。
の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法について
図面を参照しながら説明する。
係る半導体装置の製造方法の各工程を示す断面図であ
る。
i(100)基板等の基板11上に、素子分離用の絶縁膜12
を形成し、それにより、素子形成領域Rを区画する。次
に、基板11に対して標準RCA洗浄及び希釈HF洗浄
を行なった後、例えば700℃の温度下で基板11をN
H3 ガスに10〜30秒間程度さらすことによって、図
1(b)に示すように、基板11の素子形成領域Rの上
に、厚さ1nm程度弱のSi3N4膜(シリコン窒化膜)
13を形成する。
の素子形成領域Rの上に、Si3N4膜13を介して、例
えばHfO2 よりなる厚さ数nm程度のhigh-k膜14を
例えばCVD法により形成する。Si3N4膜13及びhi
gh-k膜14は、厚さ3〜5nm程度の極薄のゲート絶縁
膜を構成する。
ついて図2を参照しながら説明する。図2は、第1の実
施形態に係る半導体装置の製造方法におけるhigh-k膜形
成に用いられるCVD装置の反応炉の断面構成を示す模
式図である。図2に示すように、反応炉50の内部に
は、複数の基板11(Si3N4膜13の図示は省略)を
載置するための基板保持機構51が設けられている。ま
た、反応炉50には、プロセスガスを導入するための第
1〜第3の導入口52〜54が設けられていると共に、
使用後のプロセスガスを排気するための排気口55が設
けられている。high-k膜14の形成にあたっては、ま
ず、バブラー(バブリング用容器:図示省略)に貯留さ
れた液体状のHf含有原料、例えばHf t-butoxide (H
fC16H36O 4 )の中に、N2 ガス等の不活性ガスより
なるキャリアガスを吹き込んでバブリングを行なう。こ
れにより生成された気体状態のHf t-butoxide 、つまり
原料ガスをキャリアガスと共に例えば第1の導入口52
から反応炉50内に導入する。このとき、high-k膜14
の成長速度又は膜質を向上させるために、例えば乾燥O
2 ガス等の酸素含有ガスを第2の導入口53から反応炉
50内に導入する。また、反応炉50内の圧力を制御す
るために、例えばArガス又はN2 ガス等の不活性ガス
よりなるベースガスを第3の導入口54から反応炉50
内に導入してもよい。そして、前述の原料ガス及び酸素
含有ガス等の各プロセスガスを反応炉50内で混合する
と共にCVD(Chemical Vapor Deposition )処理を使
用して、反応炉50内に載置された基板11上にhigh-k
膜14を例えば 200〜 550℃程度の温度下で堆積する。
その後、使用済みのプロセスガスを反応炉50内から排
気口55を介して排気する。以上のように形成されたhi
gh-k膜14に対して組成分析を行なったところ、high-k
膜14は、Hf及びOを主要な元素とするHfO2 とい
う組成を持つと共にその内部に3.0質量%以下の微量
なC及びHを含有することが判明した。すなわち、high
-k膜14はHfO2 膜である。これは、Hf t-butoxide
よりなる原料ガスがHf、O、C及びHを含有するこ
と、及び前述のCVD処理においてキャリアガス等とし
て用いられるN2 ガスは500℃程度の温度下では非常
に不活性であることによる。
4に対して例えば600〜800℃程度の温度下で蒸着後アニ
ール(以下、PDA(Post Deposition Anneal)と称す
る)処理を行なう。その後、例えばSiH4 を用いて基
板11上に、ゲート電極となるPoly−Si膜を例えば 540
℃程度の蒸着温度で形成した後、 n-MOS構造を形成する
ためにPoly−Si膜に対して例えば5×1015cmー2のド
ーズ量でPイオンを注入する。その後、イオン注入され
たPoly−Si膜をパターン化して、図1(d)に示すよう
に、ゲート電極15をhigh-k膜14の上に形成する。こ
れにより、MOSキャパシタ構造が完成する。
ドレイン領域を形成するための不純物注入を行なった
後、該ソース・ドレイン領域又はゲート電極15に注入
された不純物に対する活性化アニール処理を行なうため
に、例えば乾燥N2 雰囲気中において、基板11に対し
て 900℃程度以上の温度下で30秒間程度RTP(Rapi
d Thermal process )を行なう。
まりHfO2 膜の堆積温度(以下、CVD堆積温度と称
することもある)をx[℃]とし、前述の活性化アニー
ル処理の温度(以下、活性化アニール温度と称する)を
y[℃]としたときに、x及びyは、y ≦ 0.5・
x + 825 の関係を満たすことである。尚、一般
的に、活性化アニール温度は、トランジスタ製造時のゲ
ート電極形成工程以降におけるプロセス最高温度であ
る。
より形成されたMOSキャパシタにおけるゲート絶縁膜
(つまりSi3N4膜13及びhigh-k膜(HfO2 膜)1
4の積層膜)の熱的安定性と、CVD堆積温度及び活性
化アニール温度の組み合わせ条件との相関について、図
3を参照しながら説明する。尚、図3において、CVD
堆積温度を横軸に、活性化アニール温度を縦軸に示すと
共に、熱的安定性が良い、CVD堆積温度及び活性化ア
ニール温度の組み合わせ条件を○(OK)で、熱的安定
性が悪い、CVD堆積温度及び活性化アニール温度の組
み合わせ条件を黒丸(NG)で示す。
ている。すなわち、CVD堆積温度及び活性化アニール
温度の組み合わせ条件を色々変えながら形成されたMO
Sキャパシタに対して、LCR(inductance - capacit
ance - resistance )メータを用いてCV(capacitanc
e - voltage )測定が行なわれる。そして、測定結果に
基づいて、ゲート電極の空乏化又は基板の量子化効果等
に起因する容量を考慮して、シミュレーションプログラ
ムによるCVカーブのフィッティングを行なうことによ
り、ゲート絶縁膜のEOTが算出される。ここで、ゲー
ト絶縁膜の熱的安定性が良い場合、測定されたCVカー
ブは理想的な形状を示す。すなわち、ゲート電圧Vgを
大きくしてキャパシタを蓄積(Accumulation)状態にす
るに従って、容量はゲート絶縁膜のEOTと対応する理
想的な値を示すようになり、ゲート電圧Vgの変化に対
して次第に飽和していく。一方、ゲート絶縁膜の熱的安
定性が悪い場合、ある温度以上の活性化アニール処理に
おいて、ゲート絶縁膜を構成する材料とゲート電極を構
成する材料とが急激に反応して電流のリークパスが形成
される結果、熱的安定性の良いゲート絶縁膜と比べて2
桁から3桁も大きいゲートリーク電流が生じるので、測
定されたCVカーブは異常な形状を示す。具体的には、
ゲート電圧Vgを大きくすると容量が発散する。
(y)[℃]が(0.5×CVD堆積温度(x)[℃]
+825[℃])以下となる範囲内で、ゲート絶縁膜の
熱的安定性が良い。また、ゲート電極の形成後に同一の
温度で活性化アニール処理を行なった場合にも、ゲート
絶縁膜となるHfO2 膜のCVD堆積温度の違いによっ
て、ゲート絶縁膜の熱的安定性が変化する。逆に、Hf
O2 膜が同一のCVD堆積温度で形成されている場合に
も、活性化アニール温度の違いによってゲート絶縁膜の
熱的安定性が変化する。このことを、図4(a)及び
(b)を参照しながら説明する。
2 膜を200℃の温度下で5分間かけてCVD法により
堆積した後、HfO2 膜に対してPDA処理を行ない、
その後、HfO2 膜上にPoly-Si 電極を形成した後、Po
ly-Si 電極に対してPイオンを注入し、その後、900
℃の温度下で30秒間かけて活性化アニール処理を行な
った後における、MOSキャパシタのCVカーブの測定
結果を示している。一方、図4(b)は、ゲート絶縁膜
となるHfO2 膜を200℃の温度下で5分間かけてC
VD法により堆積した後、HfO2 膜に対してPDA処
理を行ない、その後、HfO2 膜上にPoly-Si電極を形
成した後、Poly-Si電極に対してPイオンを注入し、そ
の後、950℃の温度下で30秒間かけて活性化アニー
ル処理を行なった後における、MOSキャパシタのCV
カーブの測定結果を示している。尚、図4(a)及び
(b)においては、基板側がゲート電極側に対して高電
位となるときのゲート電圧Vgを負符号で示している。
また、図4(a)及び(b)に示すCVカーブの測定結
果は、MOSキャパシタにおける複数の測定ポイントに
ついて得られたものである。
D堆積温度が同じ200℃であっても、活性化アニール
温度が900℃であるときのCVカーブは、容量が次第
に飽和する理想的な形状を示す一方、活性化アニール温
度が950℃であるときのCVカーブは、容量が発散す
る異常な形状を示す。言い換えると、図4(a)に示す
CVカーブを有するゲート絶縁膜は熱的安定性が良く、
図4(b)に示すCVカーブを有するゲート絶縁膜は熱
的安定性が悪い。すなわち、ゲート絶縁膜となるHfO
2 膜のCVD堆積温度によって決まる上限値を活性化ア
ニール温度が越えると、HfO2 膜中に急激に欠陥が形
成されてリークパスが形成される結果、HfO2 膜は容
量を蓄積できなくなってゲート絶縁膜としての機能を突
然失う。
25(xはHfO2 膜のCVD堆積温度であり、yは活
性化アニール温度である)の関係を満たすことによっ
て、ゲート絶縁膜の熱的安定性が向上する理由は、次の
ように考えられる。すなわち、一般的に、CVD堆積温
度(x)が高い程、膜質の良い緻密なHfO2 膜が形成
される。逆に、CVD堆積温度(x)が低い程、比較的
空孔の多い疎なHfO2膜が形成される。この場合、P
DA処理によって、HfO2 膜をある程度緻密化するこ
とができるが、HfO2 膜中の空孔を完全に除去するこ
とはできない。このようなHfO2 膜上に電極材料膜を
堆積した後、高温の活性化アニール処理を行なうと、H
fO2 膜中又はHfO2 膜と電極材料膜との間に残留す
る空孔を介して電極材料の拡散が非常に顕著に生じる結
果、HfO2 膜中に欠陥が発生する。すなわち、低いC
VD堆積温度で形成された、比較的空孔の多いHfO2
膜は、ゲート絶縁膜としての熱的安定性が劣化してしま
う。逆に、高いCVD堆積温度で形成された、膜質の良
い緻密なHfO2 膜においては、前述の電極材料の拡散
反応が格段に抑制されるため、活性化アニール処理時に
もHfO2 膜中に欠陥が発生しくくなるので、熱的安定
性が向上する。従って、図3に示す測定データからも明
らかなように、CVD法により形成されたHfO2 膜を
有する極薄のゲート絶縁膜における熱的安定性の良し悪
しが変化する境界は、y=0.5・x+825という右
肩上がりの直線で表される。
0.5・x+825の制約条件下でHfO2 膜つまりhi
gh-k膜14の堆積、及び活性化アニール処理を行なう。
このため、high-k膜14の堆積温度xに応じて、活性化
アニール温度、つまりゲート電極15の形成工程以降に
おけるプロセス最高温度を抑制できる。従って、活性化
アニール処理時に、high-k膜14を構成する材料とゲー
ト電極15を構成する材料との間で反応が生じる事態を
回避でき、それによりhigh-k膜14に欠陥が発生するこ
とを防止できるので、high-k膜14の熱的安定性つまり
ゲート絶縁膜の熱的安定性を向上させることができる。
の製造方法を用いて形成された、つまり本発明の「y≦
0.5・x+825」の条件下で図1(a)〜(d)に
示す方法を用いて形成された、MOSキャパシタ試料の
高分解能断面TEM(transmission electron microsco
pe)像を模式的に示している。図5に示すように、基板
(基板11)上に絶縁膜(Si3N4膜13及びhigh-k膜
(HfO2 膜)14)及び電極(ゲート電極15)が順
次形成されたMOS構造において、high-k膜14とゲー
ト電極15との界面は滑らかであり、欠陥は生じていな
い。
件下で図1(a)〜(d)に示す方法を用いて形成され
たMOSキャパシタ試料(比較例)の高分解能断面TE
M像を模式的に示している。図6に示すように、基板上
に絶縁膜(下層となるSi3N4 膜及び上層となるhigh-
k膜(HfO2 膜))及び電極(ゲート電極)が順次形
成されたMOS構造において、絶縁膜(正確にはHfO
2 膜)に、厚さが局所的に薄くなった欠陥部分が生じて
いる。このため、比較例においては、該欠陥に起因する
トンネル電流を主とするゲートリーク電流が極端に増大
する結果、MOSキャパシタとして機能することが不可
能になる。
件下で図1(a)〜(d)に示す方法を用いて形成され
たMOSキャパシタ試料(比較例)における前述の欠陥
(図6参照)による不良発生率(不良率)と、絶縁膜
(下層となるSi3N4膜及び上層となるHfO2 膜)の
物理的膜厚との相関を示している。尚、不良率は、絶縁
膜の面積1000μm2 当たりについて算出されたもの
である。図7に示すように、絶縁膜の物理的膜厚が5n
m程度よりも小さくなると、欠陥による不良発生率が顕
著になる。尚、絶縁膜の物理的膜厚が5nm程度以上で
ある場合、絶縁膜における欠陥部分(HfO2 膜の薄膜
化部分)の厚さも比較的大きくなると考えられ、その結
果、該欠陥が不良発生率に及ぼす影響は小さくなると考
えられる。
立つ条件下で行なわれる、第1の実施形態に係る半導体
装置の製造方法によると、物理的膜厚が5nm程度より
も小さいhigh-kゲート絶縁膜を形成する場合に特に顕著
な熱的安定性向上効果が得られる。
4としてHfO2 膜を形成したが、これに代えて、特性
が類似したZrO2 膜等を形成してもよい。また、Hf
O2膜中に、Si、Al、Ta、Ti又はLa等の、酸
化物が絶縁性を有する元素を混入させてもよい。また、
HfO2 膜中に、拡散防止機能を有するN含有層を設け
てもよい。HfO2 膜中にSiを混入させる場合、言い
換えると、Hfシリケート膜を形成する場合、Hf含有
原料よりなる原料ガスにSiを添加して反応炉内に導入
してもよいし、Hf含有原料よりなる原料ガスとは別に
Si含有ガスを反応炉内に導入してもよい。
縁膜は、Si3N4膜13及びhigh-k膜14の積層膜であ
ったが、これに限られず、ゲート絶縁膜は、high-k膜1
4の単層膜であってもよいし、又は、high-k膜14と他
の絶縁膜との積層膜であってもよい。後者の場合、high
-k膜14が上層であってもよいし、又は、下層であって
もよい。
極15としてPoly-Si 電極を用いたが、これに代えて、
他の材料よりなる電極、例えばメタルゲート電極を用い
てもよい。
14となるHfO2 膜を、Hf t-butoxide よりなる原料
ガスを用いたCVD法により堆積したが、high-k膜14
の堆積方法は特に限定されるものではない。high-k膜1
4としてHfO2 膜をCVD法により堆積する場合のH
f含有原料としては、Hf t-butoxide に限られず、例え
ばTDEA-Hf (C16H40N4Hf )、TDMA-Hf (C8H24
N4Hf)又はHf(MMP)4(Hf[OC(CH3)2CH2O
CH3]4 )等を用いてもよい。また、high-k膜14と
してZrO2 膜をCVD法により堆積する場合のZr含
有原料としては、Zr t-butoxide (ZrC16H
36O4 )、TDEA-Zr(C16H40N4Zr)、TDMA-Zr(C8
H24N4Zr)又はZr(MMP)4(Zr[OC(CH3)2C
H2OCH3]4 )等を用いてもよい。また、high-k膜1
4の堆積方法として、CVD法に代えて、例えばプラズ
マCVD法又はJVD(Jet Vapor Deposition)法等を
用いてもよい。また、high-k膜14としてHfO2 膜を
形成する場合、例えばHf t-butoxide又はTDEA-Hf 等の
Hf含有原料よりなる原料ガスと、O2 、H2 O、N
O、N2O又はNH3 等の置換ガスとに基板を交互にさ
らすCVD法を用いてもよい。
ガスとしてO2 を用いたが、これに代えて、NO、N2
O、H2 O又はO3 等を用いてもよい。
14の堆積温度(x[℃])と、活性化アニール処理の
温度(y[℃])との間に制約条件「y≦0.5・x+
825」を設けたが、該制約条件は、基本的に、high-k
膜14の堆積温度と、ゲート電極形成工程以降における
プロセス最高温度(第1の実施形態では活性化アニール
温度)との間に設けられるものである。言い換えると、
該制約条件は、基本的に、high-k膜14の堆積温度と、
ゲート電極形成工程以降における全ての熱処理の温度と
の間に設けられていることになる。従って、ゲート電極
形成工程以降におけるプロセス最高温度が活性化アニー
ル温度以外の他の熱処理温度である場合には、high-k膜
14の堆積温度と、該他の熱処理温度との間に同様の制
約条件を設ける必要がある。
14をゲート絶縁膜として形成したが、これに代えて、
他の用途、例えば容量絶縁膜として形成してもよい。
実施形態に係る半導体装置の製造方法について、第1の
実施形態と同様に図1(a)〜(d)を参照しながら説
明する。
i(100)基板等の基板11上に、素子分離用の絶縁膜12
を形成し、それにより、素子形成領域Rを区画する。次
に、基板11に対して標準RCA洗浄及び希釈HF洗浄
を行なった後、例えば700℃の温度下で基板11をN
H3 ガスに10〜30秒間程度さらすことによって、図
1(b)に示すように、基板11の素子形成領域Rの上
に、厚さ1nm程度弱のSi3N4膜(シリコン窒化膜)
13を形成する。
の素子形成領域Rの上に、Si3N4膜13を介して、例
えばHfO2 よりなる厚さ数nm程度のhigh-k膜14を
例えばCVD法により形成する。Si3N4膜13及びhi
gh-k膜14は、厚さ3〜5nm程度の極薄のゲート絶縁
膜を構成する。ここで、high-k膜14の詳細な形成方法
について、第1の実施形態と同様に図2を参照しながら
説明する。まず、バブラー(図示省略)に貯留された液
体状のHf含有原料、例えばHf t-butoxide の中に、N
2 ガス等の不活性ガスよりなるキャリアガスを吹き込ん
でバブリングを行なう。これにより生成された気体状態
のHf t-butoxide 、つまり原料ガスをキャリアガスと共
に例えば第1の導入口52から反応炉50内に導入す
る。このとき、high-k膜14の成長速度又は膜質を向上
させるために、例えば乾燥O2 ガス等の酸素含有ガスを
第2の導入口53から反応炉50内に導入する。また、
反応炉50内の圧力を制御するために、例えばArガス
又はN2 ガス等の不活性ガスよりなるベースガスを第3
の導入口54から反応炉50内に導入してもよい。そし
て、前述の原料ガス及び酸素含有ガス等の各プロセスガ
スを反応炉50内で混合すると共にCVD処理を使用し
て、反応炉50内に載置された基板11上にhigh-k膜1
4を例えば 200〜 550℃程度の温度下で堆積する。その
後、使用済みのプロセスガスを反応炉50内から排気口
55を介して排気する。以上のように形成されたhigh-k
膜14は、微量なC及びHを含有するHfO2 膜であ
る。
4に対して例えば600〜800℃程度の温度下でPDA処理
を行なう。その後、例えばArガスを用いたスパッタリ
ング等のPVD(Physical Vapor Deposition )法を用
いて基板11上にTiN(下層)/Al(上層)積層膜
を形成した後、該積層膜をパターン化して、図1(d)
に示すように、ゲート電極15をhigh-k膜14の上に形
成する。これにより、MOSキャパシタ構造が完成す
る。その後、図示は省略しているが、ソース・ドレイン
領域を形成するための不純物注入を行なった後、該不純
物に対する活性化アニール処理を行なうために、例えば
乾燥N2 雰囲気中において、基板11に対して 900℃程
度以上の温度下で30秒間程度RTPを行なう。
よりなる原料ガス及び酸素含有ガス等を反応炉50内に
導入して基板11上にhigh-k膜14を堆積する工程にお
いて、反応炉50内に供給される全てのガスの流量に対
する酸素含有ガスの流量の比(以下、酸素分圧比と称す
ることもある)をzとしたときに、0.25 ≦ z
≦ 0.70 が成り立つことである。
より形成されたMOSキャパシタにおけるゲート絶縁膜
(つまりSi3N4膜13及びhigh-k膜(HfO2 膜)1
4の積層膜)の比誘電率K及びゲートリーク電流Jg
(正確にはゲートリーク電流密度(単位:A/c
m2 ))のそれぞれと、high-k膜14の堆積時における
酸素分圧比との相関について、図8を参照しながら説明
する。尚、図8において、酸素分圧比と比誘電率Kとの
相関を◆印を用いて示すと共に、酸素分圧比とゲートリ
ーク電流Jgとの相関を▲印を用いて示す。また、酸素
分圧比は、high-k膜14の堆積時に反応炉50内に導入
された酸素含有ガスの総流量を、high-k膜14の堆積時
に反応炉50内に導入された全てのプロセスガスの総流
量によって除することにより求めている。但し、第2の
実施形態においては、high-k膜14の堆積にCVD法を
用いることを前提としているが、これに代えて、スパッ
タ法又はALD(Atomic Layer Deposition )法等を用
いて、原料ガス(Hf含有ガス)と酸素含有ガスとを時
間的に交互に反応炉内に供給する場合にも、各ガスの供
給時間及び単位時間当たりの流量を考慮して、成膜時に
おける酸素含有ガスの総流量を、成膜時における全ての
プロセスガスの総流量によって除することにより酸素分
圧比を定義することができる。
法は次の通りである。すなわち、まず、MOSキャパシ
タに対してCV測定を行なうと共に、測定結果に基づい
て、ゲート電極の空乏化(デプレション効果)又は基板
の量子化効果等に起因する容量を考慮して、シミュレー
ションプログラムによるCVカーブのフィッティングを
行なうことにより、ゲート絶縁膜のEOTを算出する。
また、ゲート絶縁膜の物理的膜厚(Tph)をエリプソ
メトリー法(偏光法)を用いて測定する。ここで、EO
T=(SiO2 膜の比誘電率3.9)/(ゲート絶縁膜
の比誘電率K)×Tphの関係式に、EOT、Tph及
びSiO2 膜の比誘電率のそれぞれと対応する数値を代
入することによって、ゲート絶縁膜の比誘電率Kを求め
ることができる。また、ゲートリーク電流Jgの値とし
ては、MOSキャパシタにおいてゲート絶縁膜のEOT
が1nmである場合にゲート電極(TiN/Al積層構
造)に対してー1Vのゲート電圧を印加したときのリー
ク電流値を用いている。
酸素分圧比との相関から次のような知見が得られる。す
なわち、酸素分圧比が0.7以下の場合、比誘電率Kは
約13程度のほぼ一定の値になる。これは、一般的なH
fシリケートの比誘電率12程度と近い値である。一
方、酸素分圧比が0.7を越えると、比誘電率Kの値は
急激に減少する。その理由は以下の通りである。すなわ
ち、反応炉内に導入された酸素含有ガス中の酸素が、原
料ガス中のHfに対して過剰に存在するようになると、
酸素はHfO2 を形成するために寄与する以外に、Hf
O2 膜の堆積時に膜内を拡散してSi基板まで到達し、Si
基板が酸化されてSi基板とHfO2 膜との間に低誘電率
の界面層(例えばSiO2 層)が付加的に形成されてし
まう。そして、酸素分圧比の増加に伴って、この低誘電
率界面層の膜厚が増加するため、該界面層を含めたゲー
ト絶縁膜全体の比誘電率Kが低下することになる。
絶縁膜(以下、high-Kゲート絶縁膜と称することもあ
る)に関しては、この低誘電率界面層の膜厚をできるだ
け薄くすることが望まれる。また、膜全体としての比誘
電率Kを高くすることがhigh-Kゲート絶縁膜においては
必須である。すなわち、これらの条件を満たすために
は、酸素分圧比を0.7以下にする必要がある。尚、こ
の0.7という数値は、基本的に、原料ガス中のHfと
酸素含有ガス中の酸素との反応によって決まるため、原
料ガスの種類(第1の実施形態ではHf t-butoxide )が
同じである限り、HfO2 膜の堆積温度を変えても、こ
の0.7という数値は変わらない。HfO2膜の堆積温
度を低くした場合には、酸素分圧比が0.7を越える場
合における比誘電率Kの減少の度合いが若干緩やかにな
るが、比誘電率Kの減少が開始する変化点となる酸素分
圧比が0.7であることには変わりはない。すなわち、
通常のCVD法で用いられているような温度範囲におい
ては、ゲート絶縁膜の比誘電率Kを高く維持するために
酸素分圧比を0.7以下にすることが望まれる。
と酸素分圧比との相関から次のような知見が得られる。
すなわち、酸素分圧比が0.25よりも小さくなると、
ゲートリーク電流Jgの値は、理想的なリーク電流値で
ある10ー3A/cm2 のオーダーから急激に増大し始め
て、理想的なリーク電流値と比べて約3桁(1000
倍)も高い1A/cm2 のオーダーに達してしまう。そ
の理由は、本願発明者による残留カーボンの分析結果か
ら以下のように考えられる。すなわち、酸素分圧比が
0.25よりも小さい場合、原料ガスに含まれる炭素
と、酸素含有ガスに含まれる酸素とが気相中で結合して
COガス又はCO2 ガスが生成される反応が十分に起こ
らない。言い換えると、未反応の炭素がCOガス又はC
O2 ガスとしてHfO2 膜から完全には脱離しない。こ
のため、未反応の炭素が不純物としてHfO2 膜中に大
量に残留する結果、該不純物が伝導パスとなって生じる
ゲートリーク電流Jgが増大してしまう。尚、HfO2
膜中に大量に残留した炭素は、high-Kゲート絶縁膜の信
頼性寿命にも悪影響を及ぼす。
gh-Kゲート絶縁膜の実現のためには、酸素分圧比を0.
25以上にする必要がある。尚、この0.25という数
値は、基本的に、原料ガス中の炭素と酸素含有ガス中の
酸素との反応によって決まるため、原料ガスの種類(第
1の実施形態ではHf t-butoxide )が同じである限り、
HfO2 膜の堆積温度を変えても、この0.25という
数値は変わらない。すなわち、通常のCVD法で用いら
れているような温度範囲においては、ゲート絶縁膜のゲ
ートリーク電流Jgを抑制するために酸素分圧比を0.
25以上にすることが望まれる。
と酸素分圧比との相関から得られた知見、及び、ゲート
リーク電流Jgと酸素分圧比との相関から得られた知見
を総合すると、次のように結論できる。すなわち、Hf t
-butoxide という炭素含有Hf原料を使用する場合、ゲ
ートリーク電流が小さく且つ比誘電率が高いhigh-kゲー
ト絶縁膜を実現する酸素分圧比(HfO2 膜の堆積時に
おける、反応炉内に供給される全てのガスの流量に対す
る酸素含有ガスの流量の比)の好ましい範囲は、0.2
5以上で且つ0.7以下の範囲である。
gy Roadmap for Semiconductors)1999 Editionの 107
ページの Table31に記載されているように、システムL
SIにおいては、ゲートリーク電流の値が1×10ー3A
/cm2 以下のスペックを満たさなければならない。図
8に示す、ゲートリーク電流Jgと酸素分圧比との相関
において前述のスペックを満たそうとすると、酸素分圧
比を0.25以上で且つ0.55以下の範囲に設定する
必要がある。このようにすると、ゲートリーク電流Jg
は、10ー3〜10ー4A/cm2 という理想的なリーク電
流値のオーダーを示す。その理由は次の通りである。す
なわち、酸素分圧比が0.25以上で且つ0.55以下
の範囲であると、炭素含有Hf原料を使用した場合に
も、炭素がCOガス又はCO2 ガスとしてHfO2 膜か
ら脱離するため、未反応の炭素が不純物としてHfO2
膜中に残留しにくくなるので、該不純物が伝導パスとな
って生じるゲートリーク電流Jgの値が理想的に抑制さ
れる。
55よりも大きくなると、ゲートリーク電流Jgは10
ー3A/cm2 のオーダーから徐々に増大し始め、酸素分
圧比が0.7を越えると、ゲートリーク電流Jgは10
ー2A/cm2 以上のオーダーを示し、理想的なリーク電
流値の範囲から大きく外れてしまう。その理由は次の通
りである。すなわち、酸素分圧比が0.7を越えるよう
な比較的高い値である場合、Hf原料に含まれる炭素が
COガス等としてHfO2 膜から脱離するため、HfO
2 膜中に残留する炭素不純物に起因したゲートリーク電
流Jgの増大は起こらない。しかしながら、この場合、
前述のように、過剰な酸素が堆積時のHfO2 膜中を拡
散するため、Si基板の酸化に起因してSi基板とHfO2
膜との間に付加的に形成される低誘電率界面層(例えば
SiO2 層)の膜厚が増大してしまう。その結果、該界
面層を含めたゲート絶縁膜全体の比誘電率Kが低下して
しまうと共に、ゲート絶縁膜全体の特性がよりSiO2
の特性に近づいてしまう。また、所望のEOTを実現で
きるhigh-kゲート絶縁膜の物理的膜厚(界面層の物理的
膜厚を含む)が小さくなってしまうので、ゲートリーク
電流Jgが増大してしまう。
f原料を使用する場合、比誘電率が高いhigh-kゲート絶
縁膜を実現しながらゲートリーク電流を理想的に低減で
きる酸素分圧比の最良の範囲は、0.25以上で且つ
0.55以下の範囲である。
おける下限値及び上限値(第1の上限値)、並びに、前
述の酸素分圧比の最良の範囲における上限値(第2の上
限値)を一般化した場合について説明する。原料ガス
(炭素含有)の組成をM1-a SiaCpHqNr Os(但し
MはHf等の金属を表し、1>a≧0、p>0、q≧
0、r≧0、s≧0である)とすると、反応炉内におけ
る原料ガスの反応(基本的に燃焼反応)は次の様に表せ
る。
+r/4ーs/2)・O2 →M1-aSiaO2 +(q/
2)・H2 O +p・CO2 +(r/2)・N2 O 原料ガスがHf t-butoxide よりなる場合、前述の反応式
は次のようになる。
+18・H2 O+16・CO2 ここで、24・O2 が下限値0.25と対応しているの
で、酸素分圧比の下限値の一般式は、 0.25×(1+p+q+r/4ーs/2)÷24=
0.0104・(1+p+q+r/4ーs/2)と表せ
る。
キスジエチルアミドハフニウム(Tetrakis diethylamid
o hafnium):C16H40N4Hf)よりなる場合、酸素分
圧比の下限値は0.29になる。また、原料ガスがTDMA
-Hf (テトラキスジメチルアミノハフニウム(Tetrakis
dimethylamino hafnium):C8H24N4Hf)よりなる
場合、酸素分圧比の下限値は0.17になる。また、原
料ガスが、Hf(MMP)4(テトラキス1メトキシ2メチル2
プロポキシハフニウム(Tetrakis 1-Methoxy-2-methyl-
2-propoxy hafnium ):Hf[OC(CH3)2CH2O
CH3]4 )よりなる場合、酸素分圧比の下限値は0.
29になる。
と対応しているので、酸素分圧比の第1の上限値の一般
式は、 0.7×(1+p+q+r/4ーs/2)÷24=0.
0292・(1+p+q+r/4ーs/2)と表せる。
場合、酸素分圧比の第1の上限値は0.82になる。ま
た、原料ガスがTDMA-Hf よりなる場合、酸素分圧比の第
1の上限値は0.47になる。また、原料ガスがHf(MM
P)4よりなる場合、酸素分圧比の第1の上限値は0.8
2になる。
5と対応しているので、酸素分圧比の第2の上限値の一
般式は、 0.55×(1+p+q+r/4ーs/2)÷24=
0.0229・(1+p+q+r/4ーs/2)と表せ
る。
場合、酸素分圧比の第2の上限値は0.64になる。ま
た、原料ガスがTDMA-Hf よりなる場合、酸素分圧比の第
2の上限値は0.37になる。また、原料ガスがHf(MM
P)4よりなる場合、酸素分圧比の第2の上限値は0.6
4になる。
よると、反応炉50内に炭素含有原料ガスM1-aSiaC
pHqNrOsを導入して基板11上にhigh-k膜14を堆積
するときに酸素分圧比(反応炉内に供給される全てのガ
スの流量に対する酸素含有ガスの流量の比)を第1の上
限値(=0.0292(1+p+q+r/4-s/2))以下にするため、過剰
な酸素がhigh-k膜14中を拡散する事態を回避できる。
このため、基板11が必要以上に酸化されることを防止
できるので、基板11とhigh-k膜14との間に形成され
る低誘電率の界面層(例えばSiO2 層)の厚さを薄く
できる。従って、界面層を合わせたゲート絶縁膜(Si
3N4膜13及びhigh-k膜14)のEOTを低く維持でき
るので、界面層を合わせたゲート絶縁膜の比誘電率が所
望値より小さくなることを防止できる。また、酸素分圧
比を下限値(=0.0104(1+p+q+r/4-s/2))以上にするた
め、原料ガスに含まれる炭素と、酸素含有ガスに含まれ
る酸素とが気相中で結合してCOガス又はCO2 ガスが
生成される反応が十分に生じる。このため、未反応の炭
素が不純物としてhigh-k膜14中に残留することを抑制
できるので、該不純物が伝導パスとなって生じるゲート
リーク電流を低減できる。
比を下限値(=0.0104(1+p+q+r/4-s/2 )以上で且つ第2
の上限値(=0.0229(1+p+q+r/4-s/2))以下の範囲にさら
に制限することによって、比誘電率が高いhigh-kゲート
絶縁膜を実現しながらゲートリーク電流を理想的に低減
することができる。
4としてHfO2 膜を形成したが、これに代えて、特性
が類似したZrO2 膜等を形成してもよい。また、Hf
O2膜中に、Si、Al、Ta、Ti又はLa等の、酸
化物が絶縁性を有する元素を混入させてもよい。また、
HfO2 膜中に、拡散防止機能を有するN含有層を設け
てもよい。HfO2 膜中にSiを混入させる場合、言い
換えると、Hfシリケート膜を形成する場合、Hf含有
原料よりなる原料ガスにSiを添加させて反応炉内に導
入してもよいし、Hf含有原料よりなる原料ガスとは別
にSi含有ガスを反応炉内に導入してもよい。
縁膜は、Si3N4膜13及びhigh-k膜14の積層膜であ
ったが、これに限られず、ゲート絶縁膜は、high-k膜1
4の単層膜であってもよいし、又は、high-k膜14と他
の絶縁膜との積層膜であってもよい。後者の場合、high
-k膜14が上層であってもよいし、又は、下層であって
もよい。
極15として、TiN/Al積層構造のメタルゲート電
極を用いたが、これに代えて、Ti、SiGe、Ta、
TaN、TaSixNy(但しx≧0、y≧0)、Ru、
RuO2 、RuO、WN、Mo、MoO又はMoN等よ
りなるメタルゲート電極を用いてもよい。また、メタル
ゲート電極に代えてPoly-Si 電極を用いてもよい。
14となるHfO2 膜を、Hf t-butoxide よりなる原料
ガスを用いたCVD法により堆積したが、high-k膜14
の堆積方法は特に限定されるものではない。high-k膜1
4としてHfO2 膜をCVD法により堆積する場合のH
f含有原料としては、Hf t-butoxide に限られず、例え
ばTDEA-Hf 、TDMA-Hf 又はHf(MMP)4等を用いてもよい。
また、high-k膜14としてZrO2 膜をCVD法により
堆積する場合のZr含有原料としては、Zr t-butoxide
、TDEA-Zr 、TDMA-Zr 、又はZr(MMP)4等を用いてもよ
い。また、high-k膜14の堆積方法として、CVD法に
代えて、例えばプラズマCVD法又はJVD法等を用い
てもよい。また、high-k膜14としてHfO2 膜を形成
する場合、例えばHf t-butoxide又はTDEA-Hf 等のHf
含有原料よりなる原料ガスと、O2、H2 O、NO、N
2 O又はNH3 等の置換ガスとに基板を交互にさらすC
VD法を用いてもよい。
ガスとしてO2 を用いたが、これに代えて、NO、N2
O、H2 O又はO3 等を用いてもよい。
施形態と同様に、high-k膜14の堆積温度(x[℃])
と、ゲート電極形成工程以降におけるプロセス最高温度
(y[℃]:例えば活性化アニール温度)との間に制約
条件「y≦0.5・x+825」を設けてもよい。この
ようにすると、熱的安定性に優れ、ゲートリーク電流が
小さく且つ比誘電率が高いhigh-kゲート絶縁膜を実現す
ることができる。
14をゲート絶縁膜として形成したが、これに代えて、
他の用途、例えば容量絶縁膜として形成してもよい。
応じて電極形成後熱処理の温度を抑制できるため、電極
形成後熱処理時に、high-k膜を構成する材料と電極を構
成する材料との間で反応が生じる事態を回避できるの
で、high-k膜に欠陥が発生することを防止でき、それに
よってhigh-k膜の熱的安定性を向上させることができ
る。
形態に係る半導体装置の製造方法の各工程を示す断面図
である。
装置の製造方法におけるhigh-k膜形成に用いられるCV
D装置の反応炉の断面構成を示す模式図である。
たMOSキャパシタにおけるゲート絶縁膜の熱的安定性
と、CVD堆積温度及び活性化アニール温度の組み合わ
せ条件との相関を示す図である。
00℃の温度下で5分間かけてCVD法により堆積した
後、HfO2 膜に対してPDA処理を行ない、その後、
HfO2 膜上にPoly-Si 電極を形成した後、Poly-Si 電
極に対してPイオンを注入し、その後、900℃の温度
下で30秒間かけて活性化アニール処理を行なった後に
おける、MOSキャパシタのCVカーブの測定結果を示
す図であり、(b)は、ゲート絶縁膜となるHfO2 膜
を200℃の温度下で5分間かけてCVD法により堆積
した後、HfO2 膜に対してPDA処理を行ない、その
後、HfO 2 膜上にPoly-Si 電極を形成した後、Poly-S
i 電極に対してPイオンを注入し、その後、950℃の
温度下で30秒間かけて活性化アニール処理を行なった
後における、MOSキャパシタのCVカーブの測定結果
を示す図である。
造方法を用いて形成されたMOSキャパシタ試料の高分
解能断面TEM像を模式的に示す図である。
件下で図1(a)〜(d)に示す方法を用いて形成され
たMOSキャパシタ試料の高分解能断面TEM像を模式
的に示す図である。
件下で図1(a)〜(d)に示す方法を用いて形成され
たMOSキャパシタ試料における欠陥による不良発生率
と、絶縁膜の物理的膜厚との相関を示す図である。
たMOSキャパシタにおけるゲート絶縁膜の比誘電率及
びゲートリーク電流のそれぞれと、high-k膜の堆積時に
おける酸素分圧比との相関を示す図である。
Claims (7)
- 【請求項1】 基板上に、一の金属と酸素とを含む高誘
電率絶縁膜を堆積する工程と、 前記高誘電率絶縁膜の上に電極を形成する工程と、 前記電極を形成する工程よりも後に、前記基板に対して
熱処理を行なう工程とを備え、 前記高誘電率絶縁膜の堆積温度をx[℃]とし且つ前記
熱処理の温度をy[℃]としたときに、x及びyは、 y ≦ 0.5・x + 825の関係を満たすことを
特徴とする半導体装置の製造方法。 - 【請求項2】 前記高誘電率絶縁膜を堆積する工程は、
前記基板が載置された反応炉内に、前記一の金属と炭素
とを含む原料ガス、酸素含有ガス、及び不活性ガスを供
給する工程を含み、 前記原料ガスの組成をM1-aSiaCpHqNrOs(但しM
は前記一の金属を表し、1>a≧0、p>0、q≧0、
r≧0、s≧0である)とし、且つ前記反応炉内に供給
される全てのガスの流量に対する前記酸素含有ガスの流
量の比をzとしたときに、z、p、q、r及びsは、 0.0104・(1+p+q+r/4ーs/2) ≦
z ≦0.0292・(1+p+q+r/4ーs/2) の関係を満たすことを特徴とする請求項1に記載の半導
体装置の製造方法。 - 【請求項3】 z、p、q、r及びsは、 z ≦ 0.0229・(1+p+q+r/4ーs/
2) の関係を満たすことを特徴とする請求項2に記載の半導
体装置の製造方法。 - 【請求項4】 前記原料ガス及び高誘電率絶縁膜はそれ
ぞれシリコンを含むことを特徴とする請求項2に記載の
半導体装置の製造方法。 - 【請求項5】 前記高誘電率絶縁膜を堆積する工程は、
前記反応炉内にシリコン含有ガスを供給する工程を含
み、 前記高誘電率絶縁膜はシリコンを含むことを特徴とする
請求項2に記載の半導体装置の製造方法。 - 【請求項6】 前記原料ガスは、HfC16H36O4 (Hf
t-butoxide )、ZrC16H36O4 (Zr t-butoxide
)、C16H40N4Hf (TDEA-Hf )、C16H40N 4Zr
(TDEA-Zr)、C8H24N4Hf(TDMA-Hf )、C8H24N
4Zr(TDMA-Zr )、Hf[OC(CH3)2CH2OCH
3]4 (Hf(MMP)4)、又はZr[OC(CH 3)2CH2O
CH3]4 (Zr(MMP)4)であることを特徴とする請求項
2に記載の半導体装置の製造方法。 - 【請求項7】 前記一の金属はハフニウム又はジルコニ
ウムであることを特徴とする請求項1に記載の半導体装
置の製造方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2006005124A (ja) * | 2004-06-17 | 2006-01-05 | Rohm Co Ltd | 半導体装置の製造方法 |
JP2007281453A (ja) * | 2006-03-17 | 2007-10-25 | Sumitomo Chemical Co Ltd | 半導体電界効果トランジスタ及びその製造方法 |
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US7943475B2 (en) | 2003-03-26 | 2011-05-17 | Renesas Electronics Corporation | Process for manufacturing a semiconductor device comprising a metal-compound film |
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