JP4220685B2 - 業務状況評価システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ビジネスプロセスにたずさわる各人の業務状況を、サプライチェーンの全体目標達成の観点から評価する情報処理システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
ビジネスプロセスの改善・改革を支援する情報処理システムとして、ERP(Enterprise resources planning)システム、SCP(Supply Chain Planning)システム、SCM(Supply Chain Management)システム、生産管理システム、プロジェクトマネージメントシステム、ナレッジマネージメントシステム、グループウェアシステム、PDM(Product Data Management)システム、協調設計支援システム等が知られている。例えば、「SAP革命」(ERP研究会著 1997年1月初版 ISBN4-8207-1248-9)第12ページには、そのような情報処理システムの1つであるERPシステムに関して、以下のような記載がある。
【0003】
「ERPでは、企業活動全般にわたる業務の機能が『ベスト・ビジネス・ラクティス』として提供される。ベスト・ビジネス・プラクティスとは、世界の優れた企業が採用しているプロセスから共通化されたプロセスであり、世界に通用するグローバルなビジネス・プロセスの標準である。…ERPを導入する企業は、これらの『ベスト・ビジネス・プラクティス』によって提供される『ビジネス・プロセス・モデル』を利用して自社の業務を行うことができる。このような自社の業務プロセスのベスト・ビジネス・プラクティスへの切り替えは、ビジネスプロセスリエンジニアリング(BPR)を実現する。この意味でERPは、リエンジニアリングをサポートするシステムである。」
なお、本書に言う「ビジネスプロセスリエンジニアリング」は、ビジネスプロセスの改善・改革を意味し、「ベスト・ビジネス・プラクティス」は、ERPによるビジネスプロセス改善・改革の目標とされるビジネスプロセスを意味する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、個々の業務担当者は、上記従来の情報処理システムの利用によって現状のビジネスプロセスの改善・改革に取り組む意義を、十分に把握しきれていないことがある。このような場合には、個々の業務担当者が、全体の目標にかなった業績をあげないことが多い。これでは、上記従来の情報処理システムの機能が十分に活用されない。
【0005】
そこで、本発明は、ビジネスプロセスの改革に携わる各人の意識改革を促すことができる情報処理システムを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明では、情報処理システムに、以下の処理を実行させる。情報処理システムは、業務が実行されるごとに、その実行履歴を表す履歴情報を保存する。そして、履歴情報の保存対象である業務が、前回の判定対象期間の次に設定された判定対象期間内に実行されたか否かを、保存中の履歴情報に基づき判定し、その判定結果に応じた情報を出力する。
【0007】
なお、以上、本発明の具体的な実施の形態について説明するが、そこで挙げた構成は、可能な限りの組合せの自由度を有し、その組合せのいずれもが発明を構成するものとする。すなわち、以下に説明する実施形態から一部の構成を適宜に削除した形態も、本発明の他の実施形態となり得る。また、以下において具体的に示された構成は、いずれも、機能において同一とされる上位概念のなかの一下位概念に過ぎないものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、添付の図面を参照しながら、本発明に係る実施の一形態について説明する。
【0009】
まず、工程進捗管理業務を一例に挙げて、業務プロセスの改革について説明しておく。
【0010】
改革前の工程進捗管理業務では、定期的に開かれるミーティングにおいて、プロジェクトマネージャが、各作業担当者から直接進捗報告を受け、それらの報告に基づき必要と判断された指示(計画変更等)を各作業担当者に直接与えていたとする。
【0011】
このような業務プロセスの効率化を図るため、ネットワークシステムを利用した情報交換を工程進捗管理業務に導入する。これにより、例えば、各作業担当者は、自己の進捗状況を、ネットワーク経由で定期的に担当プロジェクトマネージャーに報告し、各プロジェクトのプロジェクトマネージャは、自己のプロジェクトに参加している各作業担当者からの報告を定期的に確認し、作業遅延が発生していれば、その対策(計画変更等)を、各作業担当者にネットワーク経由で指示することになる。このような新たな業務プロセス(業務プロセス改革における目標業務プロセス)が実現されるためには、各作業担当者および各プロジェクトマネージャーによって、定期的な進捗報告および定期的な進捗確認が、業務上の義務として遵守される必要がある。
【0012】
つぎに、図1により、本実施の形態に係る情報処理システムの全体構成について説明する。ここでは、WWW(World Wide Web)を利用して上述の工程進捗管理業務を改革を図る場合を例に挙げて説明する。
【0013】
本実施の形態に係る情報処理システムは、複数の情報処理装置10A1,...,10An、これらを結ぶ通信回線(例えば、LAN:local area network、WAN:wide area network等)30、等を有している。
【0014】
ここで、各情報処理装置10A1,...,10Anには、それぞれ、ユーザからのデータ入力を受け付ける入力装置(例えば、マウス、キーボード等)11A、各種データを出力する出力装置(例えば、プリンタ、ディスプレイ装置等)11B、等が接続されている。また、各情報処理装置10A1,...,10Anには、それぞれ、各種処理を実行するCPU12、主記憶13、CPU12が実行するプログラムが記憶媒体からインストールされたハードディスク15、ハードディスク15に対するデータ読込み/書込み処理を実行するハードディスク・ドライブ16、入力装置11Aからのデータ転送を制御するコントローラ17、出力装置111Bへのデータ転送を制御するコントローラ18、通信回線30を介したデータ転送を制御するコントローラ19、CD−ROMに対するデータ読込み処理を実行するCD−ROMディスク・ドライブ(不図示)、等が搭載されている。
【0015】
これらの情報処理装置のうち、少なくとも1つの情報処理装置10A1(以下、WWWサーバ10A1と呼ぶ)のハードディスク15には、(1)他の情報処理装置のブラウザからのリクエストを受け付けるとファイルを返信するHTTP(HyperText Transport Protocol Daemon)デーモン、(2)後述の業務プロセス改革支援処理が定義された業務改革支援プログラム、(3)HTTPデーモンにより起動され、業務プロセス改革支援プログラムを起動するCGI(Common Gateway Interface)スクリプト、(4)データベース更新等のデータベース処理を実行するデータベース管理プログラム、(5)プログラムの実行等のために必要な制御プログラム(例えば、オペレーションシステム等)、等が格納されている。さらに、後述の進捗報告画面等を表示させるためのWebドキュメント(例えば、HTML(HyperText Markup Language)ドキュメント、XMLドキュメント等)、後述の業務プロセス改革支援処理において用いられる各種データベースも格納されている。
【0016】
そして、WWWサーバ10A1は、これらのハードウエアおよびソフトウエアによって、図2に示す機能構成部21〜23を実現する。具体的には、他の情報処理装置10A2,...,10Anとの間のデータ送受信を実行するデータ送受信部21、後述の管理データベース20A,20B,20C,20Dが格納されたデータベース格納部20、工程進捗管理業務の遂行を支援する進捗管理部22、工程進捗管理業務の現業務状況を目標プロセス実現の観点から評価する業務遂行評価部23を実現する。ここで、進捗管理処理部22には、作業担当者の進捗報告処理を支援する進捗報告支援処理部22A、プロジェクトマネージャーの進捗確認・計画変更を支援する進捗確認・計画変更支援処理部22Bが含まれている。また、業務遂行評価部23には、各作業担当者の進捗報告業務等の遂行を監視する業務プロセス監視処理部23A、業務プロセス監視処理部23Aの監視結果に応じたアドバイス情報Oを生成する業務プロセス改善アドバイス処理部23B、が含まれている。なお、進捗報告支援処理部22Aは、第一処理手段として機能し、業務プロセス監視処理部23Aは、第二処理手段として機能し、業務プロセス改善アドバイス処理部23Bは、後述の参考情報管理データベース20Cとともに情報出力手段として機能する。
その他の情報処理装置10A2,....,10An(以下、WWWクライアント端末10A1,....,10Anと呼ぶ)のハードディスクには、それぞれ、WWWを利用するためのブラウザ、ブラウザ等を実行するために必要な制御プログラム(例えば、オペレーションシステム等)等の各種プログラムが格納されている。
【0017】
つぎに、WWWサーバ10A 1 のハードディスクに格納されている管理データベース(内部状態管理データベース20B、入出力ログ管理データベース20A、参考情報管理データベース20C、業務プロセス遵守指標ログ管理データベース20D)のデータ構造について説明する。ただし、ここで参照する各図(図3〜図6)は、各管理データベース20A,20B,20Cのデータ構造を概念的に示したものであり、各管理データベース20A,20B,20Cの実際のデータ構造を示したものではない。
【0018】
内部状態管理データベース20Bには、図3に示す3つのテーブル40,41,42が格納されている。そして、プロジェクトデータテーブル40には、プロジェクトごとに、それぞれ、プロジェクト名40A、プロジェクトマネージャー名40Bが予め登録されている。また、担当者データテーブル41には、作業担当者ごとに、それぞれ、作業担当者名41A、所属グループ名41Bが予め登録されている。さらに、工程データテーブル42には、プロジェクトを構成する作業ごとに、それぞれ、作業項目名42B、プロジェクト名42A、作業開始予定日42C、作業終了予定日42D、現在までの進捗状況を示す進捗情報42E、担当者名42F、作業遅延発生の有無を表す遅延発生情報42Gが予め登録されている。
【0019】
入出力ログ管理データベース20Aは、第一履歴情報保存手段として機能する。このデータベース20Aには、図4に示す入出力ログデータテーブル43が格納されている。この入出力ログデータテーブル43には、WWWサーバ10A1へのコマンド入力およびWWWサーバ10A1からのコマンド出力があるごとに、そのログ入出力履歴情報が保存される。そして、各ログ入出力履歴情報には、WWWサーバ10A1へ入力されたコマンドまたはWWWサーバ10A1から出力されたコマンドのコマンド名43A、コマンド入出力の別を示す入出力区分情報43B、コマンド入出力に関わったユーザの名前43C、コマンド入出力のあった日付けを示す日付情報43Dが含まれている。WWWサーバ10A1から出力されたコマンドが、WWWクライアント端末に進捗確認・計画変更画面を表示させるためのコマンドであった場合には、この入出力履歴情報には、そのコマンド出力時における遅延作業発生の有無を表す状態情報43Eがさらに含まれる。
【0020】
参考情報管理データベース20Cには、図5に示す参考情報テーブル44が格納されている。この参考情報テーブル44には、WWWクライアント端末10A2,....,10Anのユーザに提供される各参考情報40Bと、その参考情報の提供の可否の判断基準(後述の業務プロセス遵守指標情報のうちの業務実施率と比較される閾値等)を表す提供条件44Aとが予め登録されている。なお、参考情報には、目標業務プロセスの実現上有用な情報、例えば、目標業務プロセス実現という観点からの現業務状況に関する評価(良好等)、トラブル事例等が含まれている。
【0021】
業務プロセス遵守指標ログ管理データベース20Dは、第二履歴情報保存手段として機能する。このデータベース20Dには、図6に示す業務プロセス遵守指標ログデータテーブル45が格納されている。この業務プロセス遵守指標ログデータテーブル45には、業務上の義務がどの程度遂行されたかを示す業務プロセス遵守指標情報(進捗報告業務プロセス遵守指標情報、進捗確認業務プロセス遵守指標情報、計画変更業務プロセス遵守指標情報、総合業務プロセス遵守指標情報:これらについては後述)をWWWサーバ10A1が算出するごとに、その履歴情報が格納される。各履歴情報には、業務上の義務がどの程度遂行されているかの評価対象名45A(進捗報告業務、進捗確認業務、計画変更業務、総合業務)、業務上の義務がどの程度遂行されたかを示す業務プロセス遵守指標情報(進捗報告業務プロセス遵守指標情報、進捗確認業務プロセス遵守指標情報、計画変更業務プロセス遵守指標情報、総合業務プロセス遵守指標情報)45Cおよびその算出日の日付け情報45Bが含まれている。
【0022】
なお、本実施の形態では、これらの管理データベース20A,20B,20C,20DをWWWサーバ10A1の内蔵ハードディスクに格納しているが、必ずしも、このようにする必要はない。例えば、これらの管理データベース20A,20B,20C,20Dをネットワーク上のデータベースサーバに格納しておき、WWWサーバ10A1が、そのデータベースサーバにデータベース処理をリクエストするようにしてもよい。
【0023】
つぎに、図1の情報処理システムにおいて実行される業務プロセス改革支援処理を、(1)進捗報告支援処理、(2)業務報告確認・計画変更支援処理、(3)業務遂行評価処理に分けて説明する。
(1)進捗報告支援処理
前述したように、工程進捗管理業務の目標業務プロセスを実現するには、各作業担当者が、自己の進捗状況を定期的(本実施の形態では1週間おきとする)にネットワーク経由で報告することが義務付けられる。この、各作業担当者の進捗報告業務の効率化を図るため、図1の情報処理システムでは、図7に示した進捗報告支援処理が実行される。
【0024】
自己の進捗状況を報告しようとする作業担当者が、いずれかのWWWクライアント端末(ここでは、WWWクライアント端末10A2とする)上でブラウザを起動し、所定のURL(Uniform Resource Locators)を入力すると、このURLが示すドキュメント(HTMLドキュメント、XMLドキュメント等)の送信リクエストおよび作業担当者の識別情報(ユーザ名等)が、WWWサーバ10A1へ送信される(S70)。ここでリクエストするドキュメントは、作業担当者が進捗報告に利用する進捗報告画面(後述)をWWWクライアント端末10A2上に表示させるためのものである。なお、ここでは、作業担当者にURLを手入力させることとしているが、所定のURLが示すドキュメントの送信リクエストを指示するためのアイコン等をWWWクライアント端末10A2に設けておいてもよい。
【0025】
WWWサーバ10A1では、このリクエストをデータ送受信部21が受信すると、まず、進捗報告支援部22Aが、そのリクエストの発信元の作業担当者名、現在の日付を示す日付情報、そのリクエストのコマンド名(進捗報告画面表示命令)、WWWサーバ10A1への入力コマンドであったことを示す入出力区分情報を、入出力ログ管理データベース20Aの入出力ログデータテーブル43に保存する(S80)。その後、進捗報告支援部22Aは、内部状態管理データベース20Bの工程データテーブル42からすべての登録データを取り出して、それらのデータを、リクエストで指定されたドキュメントの所定の領域にはめこむ。その後、データ送受信部21が、そのドキュメントをWWWクライアント端末10A2へと返信する。ドキュメント送信終了後、進捗報告支援部22Aは、ドキュメント返信先の作業担当者名、現在の日付を示す日付情報、ドキュメント返信のコマンド名(進捗報告画面出力)、WWWサーバ10A1からの出力コマンドであったことを示す入出力区分情報を、入出力ログ管理データベース20Aの入出力ログデータテーブル43に保存する(S81)。
【0026】
WWWクライアント端末10A2上のブラウザは、このとき返信されたドキュメントをフォーマットし、ディスプレイ上に表示させる。これにより、WWWクライアント端末10A2のディスプレイ上には、図8に示すような進捗報告画面が表示される(S71)。
【0027】
この進捗報告画面上には、内部状態管理データベースの工程データテーブルの現在の登録内容90A(作業項目名、プロジェクト名、作業開始予定日、作業終了予定日、現在までの進捗状況を示す進捗情報、担当者名、作業遅延発生の有無を示す遅延発生情報)が表形式で表示されている。この表を作業担当者にとってより見やすいものするため、表90A内の表示データは、作業担当者名、プロジェクト名等でソートされていることが望ましい。
【0028】
この表90Aを構成しているカラムのうち、進捗情報が表示されているカラム90aだけは、作業担当者によりデータ書替え可能な入力フィールドとなっている。そして、進捗報告画面上には、これら入力フィールド90a内の修正済みデータの送信を指示するための報告ボタン90Bが表示されている。
【0029】
この進捗報告画面上で、作業担当者が、自己の担当作業項目名に対応付けられている入力フィールド90a内の進捗情報を、現在の進捗状況に応じて書き替えてから、報告ボタン90Bを指示すると、WWWクライアント端末10A2上のブラウザは、進捗報告画面上の入力フィールド90a内の進捗情報を含んだ進捗更新リクエストをWWWサーバ10A1に送信する(S72)。
【0030】
WWWサーバ10A1では、WWWクライアント端末10A2からの進捗更新リクエストをデータ送受信部21が受信すると(S82)、進捗報告支援部22Aが、まず、そのリクエストの送信元の作業担当者名、現在の日付を示す日付情報、そのリクエストのコマンド名(進捗報告)、WWWサーバ10A1に対する入力コマンドであったことを示す入出力区分情報を、入出力ログ管理データベース20Aの入出力ログデータテーブル43に保存する。
【0031】
その後、進捗報告支援部22Aは、その進捗更新リクエストに含まれている進捗情報、現在の日付け、内部状態管理データベース20Bの工程データテーブル42に現在登録されている作業開始予定日および作業終了予定日に基づき、作業遅延の発生の有無を判断する。具体的には、作業開始予定日を過ぎても、まだ進捗状況が「0%」であれば、着手遅延有りと判断し、作業終了予定日を過ぎても、まだ進捗情報が「100%」となっていなければ、作業完了遅延有りと判断する。そして、その判断結果と、その進捗更新リクエストに含まれている進捗情報とを用いて、内部状態管理データベース20Bの工程データテーブル42を更新する(S83)。例えば、1999年12月17日に、業績担当者m1が、業務報告画面上で、作業終了予定日が1999年12月15日である作業A2の進捗情報「60%」を、現在の進捗状況に応じた値「70%」に修正した場合には、図9に示すように、内部状態管理データベース20Bの工程データテーブル42において作業担当者名「m1」および作業項目名「作業A2」に対応付けられている進捗情報および遅延発生情報が「70%」および「遅延有り」と更新される。
【0032】
このような業務報告支援処理によれば、各作業担当者は、時間の都合がついたときに、情報処理システムを利用することによって、自己の職場から離れずに進捗報告を済ませることができる。
このため、各作業担当者は、勤務中の時間をより効率的に使うことができる。
【0033】
なお、ここでは、進捗報告画面上には、工程データテーブルのすべての登録データを表形式で表示させているが、必ずしも、このようにする必要はない。例えば、ドキュメントの送信リクエストを送った作業担当者に関連する情報だけが表示されるようにしてもよいし、すでに終了した作業に関連する情報が表示されないようにしてもよい。また、データの表示形式も、必ずしも表形式である必要はない。例えば、ガントチャート形式等、作業担当者が目視でより認識しやすい表示形式を採用してもよい。
(2)進捗確認・計画変更支援処理
前述したように、工程進捗管理業務の目標業務プロセスを実現するには、プロジェクトマネージャーが、自己の管理化にいる各作業担当者の進捗状況をネットワーク経由で定期的(本実施の形態では1週間おきとする)に確認することが義務付けられる。そして、いずれかの作業担当者の作業に遅延が発生していれば、その対策(計画変更等)を、各作業担当者にネットワーク経由で指示することも義務付けられる。この、プロジェクトマネージャーの進捗確認業務および計画変更業務の効率化を図るため、図1の情報処理システムでは、図10に示した進捗確認・計画変更支援処理が実行される。
【0034】
自己の管理下にある作業担当者の進捗状況を確認しようとするプロジェクトマネージャーが、いずれかのWWWクライアント端末(ここでは、WWWクライアント端末10Anとする)上でブラウザを起動し、所定のURLを入力すると、このURLが示すドキュメント(HTMLドキュメント、XMLドキュメント等)の送信リクエストおよびプロジェクトマネージャーの識別情報(ユーザ名等)が、WWWサーバ10A1へ送信される。ここでリクエストするドキュメントは、プロジェクトマネージャーが進捗確認等に利用する進捗確認・計画変更画面(後述)をWWWクライアント端末10An上に表示させるためのものである。なお、ここでは、プロジェクトマネージャーにURLを手入力させることとしているが、所定のURLが示すドキュメントの送信リクエストを指示するためのアイコン等をWWWクライアント端末10Anに設けておいてもよい。
【0035】
WWWサーバ10A1では、このリクエストをデータ送受信部21が受信すると、まず、進捗確認・計画変更支援部22Bが、そのリクエストの発信元のプロジェクトマネージャー名、現在の日付を示す日付情報、そのリクエストのコマンド名(進捗確認・計画変更画面表示命令)、WWWサーバ10A1への入力コマンドであったことを示す入出力区分情報を、入出力ログ管理データベース20Aの入出力ログデータテーブル43に保存する(S100)。
【0036】
その後、進捗確認・計画変更支援部22Bは、内部状態管理データベース20Bの工程データテーブル42からすべての登録データを取り出して、それらのデータを、リクエストで指定されたドキュメントの所定の領域にはめこむ。その後、データ送受信部21が、そのドキュメントをWWWクライアント端末10A2へと返信する。ドキュメント送信終了後、進捗確認・計画変更支援部22Bは、ドキュメント返信先のプロジェクトマネージャー名、現在の日付を示す日付情報、ドキュメント返信のコマンド名(進捗確認・計画変更画面出力)、WWWサーバ10A1からの出力コマンドであったことを示す入出力区分情報、作業遅延の発生を示す遅延発生情報が工程データテーブル42から取り出されたか否かを示す状態情報を、入出力ログ管理データベース20Aの入出力ログデータテーブル43に保存する(S101)。
【0037】
WWWクライアント端末10An上のブラウザは、このとき返信されたドキュメントをフォーマットし、ディスプレイ上に表示させる。これにより、WWWクライアント端末10Anのディスプレイ上には、図11(A)に示すような進捗確認・計画変更画面が表示される。
【0038】
この進捗確認・計画変更画面上には、内部状態管理データベース20Bの工程データテーブル42の現在の登録内容(作業項目名、プロジェクト名、作業開始予定日、作業終了予定日、現在までの進捗状況を示す進捗情報、担当者名、作業遅延発生の有無を示す遅延発生情報)が表形式110で表示されている。ただし、この表110を構成しているカラムのうち、未終了の作業項目(進捗情報が100%となっていない作業項目)の作業終了予定日および作業担当者名が表示されているカラム110A,110B、および、未着手の作業項目(進捗情報が0%のままの作業項目)の作業開始予定日が表示されているカラム110Cは、プロジェクトマネージャによりデータ書替え可能な入力フィールドとなっている。そして、進捗確認・計画変更画面上には、各入力フィールド110A,110B,110C内のデータを変更した場合にその送信を指示するための計画変更ボタン111A、いずれの入力フィールド110A,110B,110C内のデータも変更しなかった場合にその旨の送信を指示するための完了ボタン111Bが表示されている。
【0039】
この進捗確認・計画変更画面上において、プロジェクトマネージャーは、自己の管理下にある作業担当者の進捗進捗を確認し、必要に応じて計画を変更しなければならない。
【0040】
例えば、この進捗確認・計画変更画面上に表示された遅延発生情報が、プロジェクトのいずれの作業項目にも遅延が発生していないことを示しており、計画変更が必要とされない場合には、そのプロジェクトの担当プロジェクトマネージャーは、いずれの入力フィールド110A,110B,110C内のデータも変更せずに完了ボタン111Bを選択する必要がある。このときの完了ボタン111Bの選択により、WWWクライアント端末10An上のブラウザが、計画変更なしを示す処理終了リクエストをWWWサーバ10A1に送信する。
【0041】
一方、この進捗確認・計画変更画面上に表示された遅延発生情報が、プロジェクトのいずれかの作業項目の遅延発生を示していた場合には、そのプロジェクトの担当プロジェクトマネージャーは、他の作業項目の進捗状況、作業担当者の意見等を考慮しつつ、その作業項目A2の遅延を解消するための対策を立てる必要がある。例えば、この進捗確認・計画変更画面上に表示された遅延発生情報が、プロジェクトAの作業項目A2の遅延発生を示していた場合には、プロジェクトAの担当プロジェクトマネージャーM1は、他の作業項目の進捗状況、作業担当者の意見等を考慮しつつ、その作業項目「作業A2」の遅延を解消するための対策を立てる必要がある。ここでは、プロジェクトAのプロジェクトマネージャM1が、現在の日付け、作業項目「作業A2」の進捗情報および作業終了予定日を考慮して、その作業項目「作業A2」の作業終了予定日を現設定日(1999年12月15日)から1999年12月27日まで延長するとともに、その作業項目A2の作業担当者を、各人の意見を聞きながら現担当者(m1)から新たな担当者(m3)に変更する、との決定をしたとする。この場合、プロジェクトマネージャーM1は、進捗確認・計画変更画面上で、作業項目「作業A2」の作業終了予定日「1999/12/15」および作業担当者名「m1」を、上記決定に応じた作業終了予定日「1999/12/27」および作業担当者名「m3」に修正してから、さらに計画変更ボタン111Aを選択する必要がある。このときの計画変更ボタンの選択により、WWWクライアント端末10An上のブラウザが、進捗確認・計画変更画面上の入力フィールド内の修正済みデータ(作業終了予定日「1999/12/27」、作業担当者名「m3」)を含んだ計画変更リクエストをWWWサーバ10A1に送信する。
【0042】
WWWサーバ10A1では、データ送受信部21が処理終了リクエストを受信すれば(S102)、進捗確認・計画変更支援部22Bが、その処理終了リクエストの発信元のプロジェクトマネージャー名、現在の日付を示す日付情報、その処理終了リクエストのコマンド名(計画変更なし)、WWWサーバ10A1への入力コマンドであったことを示す入出力区分情報を、入出力ログ管理データベース20Aの入出力ログデータテーブル43に保存する(S104)。
【0043】
一方、データ送受信部21が計画変更リクエストを受信すれば(S102)、進捗確認・計画変更支援部22Bが、そのリクエストに含まれていた修正済みデータを用いて、内部状態管理データベース20Bの工程データテーブル42を更新する(S103)。上述の例では、進捗確認・計画変更支援部22Bは、図11(B)に示すように、工程データテーブル42の登録データのうち、作業遅延が発生していた作業項目A2の作業終了予定日「1999/12/15」および作業担当者名「m1」を、計画変更リクエストに含まれていた新たな作業終了予定日「1999/12/27」および新たな作業担当者名「m3」に更新する。このとき、工程データテーブル42の登録データのうち、作業項目A2の遅延発生情報も、作業遅延無しを示す情報に更新する。その後、進捗確認・計画変更支援部22Bは、計画変更リクエストの発信元のプロジェクトマネージャー名、現在の日付を示す日付情報、計画変更リクエストのコマンド名(計画変更)、WWWサーバ10A1への入力コマンドであったことを示す入出力区分情報を、入出力ログ管理データベース20Aの入出力ログデータテーブル43に保存する(S104)。
【0044】
このような進捗確認・計画変更支援処理によれば、各プロジェクトマネージャーは、時間の都合がついたときに、情報処理システムを利用することによって、自己の職場から離れずに進捗確認および計画変更を済ませることができる。このため、各プロジェクトマネージャーは、勤務中の時間をより効率的に使うことができる。
【0045】
なお、ここでは、進捗確認・計画変更画面上には、内部状態管理データベース20Bの工程データテーブル42の全登録データを表形式で表示させているが、必ずしも、このようにする必要はない。例えば、すでに終了した作業項目に関連する情報が表示されないようにしてもよい。また、内部状態管理データベース20Bのプロジェクトデータテーブル40の登録データを利用して、ドキュメントの送信リクエストを送ったプロジェクトマネージャーの担当プロジェクトに関連する情報だけが表示されるようにしてもよい。
【0046】
また、ここでは、進捗確認・計画変更画面上のデータ表示形式として表形式を採用しているが、例えば、ガントチャート形式等、プロジェクトマネージャーが目視でより認識しやすい表示形式を採用してもよい
(3)業務遂行評価処理
前述したように、工程進捗管理業務の目標業務プロセスを実現するためには、各作業担当者および各プロジェクトマネージャーによって、定期的な進捗報告および定期的な進捗確認(必要に応じて計画変更)が、業務上の義務として確実に遵守されている必要がある。そこで、これらの業務上の義務が遂行されているか否かを監視し、その監視結果を各作業担当者および各プロジェクトマネージャーにフィードバックするため、図1の情報処理システムでは、図12、図16、図20、図23に示した業務遂行評価処理が定期的(ここでは、1週間おき)に実行される。
【0047】
この業務遂行評価処理では、まず、WWWサーバ10A1が、(i)作業担当者が今週進捗報告を実施したか否か、(ii)プロジェクトマネージャが今週進捗確認を実施したか否か、(iii)プロジェクトマネージャが作業遅延を放置してはいないか否かを定期的にチェックする。具体的には、以下の処理が定期的に実行される。
(i)作業担当者が今週進捗報告を実施したか否かの定期チェック
図12に、作業担当者が今週進捗報告を実施したか否かをチェックするための処理のフローチャートを示す。なお、以下において、今週とは、現在の日付(例えば、ここでは、1999年12月19日とする)を基準として7日前までさかのぼった期間とする。
【0048】
業務プロセス監視部23Aは、今週初日(1999年12月13日)よりも遅い作業終了予定日と、今週末日(1999年12月19日)よりも早い作業開始予定日とに対応付けられている作業項目名とプロジェクト名と作業担当者名とを、内部状態管理データベース20Bの工程データテーブル42から取り出す。さらに、このとき工程データテーブル42から取り出された作業担当者名に対応付けられている所属グループ名を、内部状態管理データベース20Bの担当者データテーブル41から取り出す。以上、内部状態管理データベース20Bから取り出した情報を用いて、図13に示すように、今週進捗報告が実施されたか否かの評価対象となる作業項目に関する情報130A1,..,130AK(図13ではK=5)を要素とするリスト(以下、作業項目リストと呼ぶ)を作成する(S120)。この作業項目リストの各要素情報130A1,..,130AKには、それぞれ、作業項目名131b、プロジェクト名131a、作業担当者名131c、作業担当者の所属グループ名131d、進捗情報の実施の有無を示す進捗報告実施情報131eが含まれている。ただし、この段階では、進捗報告実施情報131eには空値が設定されている。
【0049】
つぎに、業務プロセス監視部23Aは、進捗報告を示すコマンド名と、今週中の日付(1999年12月13日〜1999年12月19日)を示す日時情報とに対応付けられている作業担当者名を、入出力ログ管理データベース20Aの入出力ログデータテーブル43から取り出す。業務プロセス監視部23Aは、このとき名前を取り出された作業担当者が、自己の担当作業について進捗報告を今週実行し、その他の作業担当者が、自己の担当作業について進捗報告を今週実行しなかったと判定する。したがって、業務プロセス監視部23Aは、作業項目リストの要素情報130A1,..,130AKのうち、このとき取り出された作業担当者名を含む各要素情報の進捗報告実施情報131eに、進捗報告実施有りを示す情報を格納し、それ以外の要素情報の進捗報告実施情報131eに、進捗報告実施無しを示す情報を格納する(S121)。例えば、入出力ログ管理データベース20Aの入出力ログデータテーブル43から作業担当者名「m1」「m2」が取り出された場合には、図14に示すように、作業項目リストの要素情報130A1,..,130AKのうち、作業担当者名「m1」「m2」を含む各要素情報の進捗報告実施情報131eには、進捗報告実施有りを示す情報が格納され、それ以外の要素情報の進捗報告実施情報131eには、進捗報告実施無しを示す情報が格納される。
【0050】
つぎに、業務プロセス監視部23Aは、今週進捗報告を義務付けられている全作業項目においてどの程度進捗報告が実施されたかを示す進捗報告業務プロセス遵守指標値(全体の進捗報告業務プロセス遵守指標値)を算出する。ここでは、全体の進捗報告業務プロセス遵守指標値として、(a)今週進捗報告を義務付けられている作業項目総数K、(b)そのうち、進捗報告が実施された作業項目数k、(c)今週進捗報告を義務付けられている全作業項目における進捗報告業務実施率k/Kを算出する(S122)。具体的には、(a)作業項目リストに含まれている要素情報総数K、(b)作業項目リストに含まれている要素情報のうち、進捗報告実施有りを示す進捗報告実施情報131eを含んだ要素情報数k、(c)これら2つの数値K,kの比率k/Kを算出する。図14に示した作業項目リストを例に挙げると、作業項目リストに含まれる要素情報総数は5個、進捗報告実施有りを示す進捗報告実施情報131eを含む要素情報数は2個、これら2つの数値の比率は2/5(=40%)となる。
【0051】
つぎに、業務プロセス監視部23Aは、今週進捗報告を義務付けられている各プロジェクトにおいてどの程度進捗報告が実施されたかを示す進捗報告業務プロセス遵守指標値(プロジェクト別の進捗報告業務プロセス遵守指標値)を算出する。ここでは、プロジェクト別の進捗報告業務プロセス遵守指標値として、(a)今週進捗報告を義務付けられている各プロジェクトの作業項目総数K1、(b)そのうち、進捗報告が実施されたプロジェクト別作業項目数k1、(c)今週進捗報告を義務付けられている各プロジェクトにおける進捗報告業務実施率k1/K1を算出する。具体的には、プロジェクトごとに、それぞれ、(a)作業項目リストに含まれている要素情報総数K1、(b)作業項目リストに含まれている要素情報のうち、進捗報告実施有りを示す進捗報告実施情報131eを含む要素情報数k1、(c)これら2つの数値K1,k1の比率k1/K1を算出する(S123)。図14に示した作業項目リストを例に挙げると、プロジェクトAに関連する要素情報総数K1は3個、そのうち、進捗報告実施有りを示す進捗報告実施情報131eを含む要素情報数k1は0個、これら2つの数値K1,k1の比率k1/K1は0/3(=0%)となる。また、プロジェクトBに関連する要素情報総数K1は2個、そのうち、進捗報告実施有りを示す進捗報告実施情報131eを含む要素情報数k1は2個、これら2つの数値K1,k1の比率k1/K1は2/2(=100%)となる。
【0052】
つぎに、業務プロセス監視部23Aは、今週業務報告が義務付けられている各グループ(ここでは、プロジェクトマネージャーグループ以外のすべてのグループ)においてどの程度進捗報告が実施されたかを示す進捗報告業務プロセス遵守指標値(グループ別の進捗報告業務プロセス遵守指標値)を算出する。ここでは、グループ別の進捗報告業務プロセス遵守指標値として、(a)今週業務報告が義務付けられている各グループの作業項目総数K2、(b)そのうち、進捗報告が実施されたグループ別作業項目数k2、(c)今週業務報告が義務付けられている各グループにおける進捗報告業務実施率k2/K2を算出する。具体的には、各グループごとに、それぞれ、(a)作業項目リストに含まれている要素情報総数K2、(b)作業項目リストに含まれている要素情報のうち、進捗報告実施有りを示す進捗報告実施情報131eを含む要素情報数k2、(c)これら2つの数値K2,k2の比率k2/K2を算出する(S124)。図14に示した作業項目リストを例に挙げると、作業担当者が機械設計グループである要素情報総数K2は3個、そのうち、進捗報告実施有りを示す進捗報告実施情報131eを含む要素情報数k2は2個、これら2つの数値K2,k2の比率k2/K2は2/3(=67%)となる。また、作業担当者が電気設計グループである要素情報総数K2は1個、そのうち、進捗報告実施有りを示す進捗報告実施情報131eを含む要素情報数k2は0個、これら2つの数値K2,k2の比率k2/K2は0/1(=0%)となる。さらに、作業担当者がソフト設計グループである要素情報総数K2は1個、そのうち、進捗報告実施有りを示す進捗報告実施情報131eを含む要素情報数k2は0個、これら2つの数値K2,k2の比率k2/K2は0/1(=0%)となる。
【0053】
最後に、業務プロセス監視部23Aは、図15に示すように、以上算出した各進捗報告業務プロセス遵守指標値150Bとその算出区分名(グループ名等)150Aとを対応付けた進捗報告業務プロセス遵守指標情報150を生成する。そして、この進捗報告業務プロセス遵守指標情報150を、評価対象名「進捗報告業務」と現在の日付けとに対応付けて、業務プロセス遵守指標ログ管理データベース20Dの業務プロセス遵守指標ログデータテーブル45に登録する(S125)。
(ii)プロジェクトマネージャが今週進捗確認を実施したか否かの定期チェック
図16に、プロジェクトマネージャーが今週進捗確認を実施したか否かをチェックするための処理のフローチャートを示す。なお、以下においても、今週とは、1999年12月13日から1999年12月19日までを指すものとする。
【0054】
業務プロセス監視部23Aは、今週初日(1999年12月13日)よりも遅い作業終了予定日と、今週末日(1999年12月19日)よりも早い作業開始予定日とに対応付けられているプロジェクト名を、内部状態管理データベース20Bの工程データテーブル42から取り出す。このとき工程データテーブル42から少なくとも1回取り出されたプロジェクト名に対応付けられているプロジェクトマネージャー名を、内部状態管理データベース20Bのプロジェクトデータテーブル40から取り出す。以上、内部状態管理データベース20Bから取り出した情報(プロジェクト名、プロジェクトマネージャー名)を用いて、図17に示すように、今週進捗確認が実施されたか否かの評価対象となるプロジェクトに関する情報170A1,..,170As(図17ではS=2)を要素とするリスト(以下、第一プロジェクトリストと呼ぶ)を作成する(S160)。この第一プロジェクトリストの各要素情報170A1,..,170Asには、それぞれ、プロジェクト名171a、プロジェクトマネージャー名171b、進捗確認実施の有無を示す進捗確認実施情報171cが含まれている。ただし、この段階では、進捗確認実施情報171cには空値が設定されている。
【0055】
つぎに、業務プロセス監視部23Aは、進捗確認を示すコマンド名と、今週中の日付(1999年12月13日〜1999年12月19日)を示す日時情報とに対応付けられているプロジェクトマネージャー名を、入出力ログ管理データベース20Aの入出力ログデータテーブル43から取り出す。業務プロセス監視部23Aは、このとき名前を取り出されたプロジェクトマネージャーが、自己の管理下にある作業担当者の進捗確認を今週実行し、その他のマネージャーが、自己の管理下にある作業担当者の進捗確認を今週実行しなかったと判定する。したがって第一プロジェクトリストの要素情報171A1,..,171Asのうち、このとき取り出されたプロジェクトマネージャー名を含む要素情報の進捗確認実施情報171cに、進捗確認実施有りを示す情報を格納し、それ以外の要素情報の進捗報告実施情報171cに、進捗確認実施無しを示す情報を格納する(S161)。例えば、入出力ログ管理データベース20Aの入出力ログデータテーブル43からプロジェクトマネージャー名「M1」だけが取り出された場合には、図18に示すように、第一プロジェクトリストの要素情報170A1,170A2のうち、プロジェクトマネージャー名「M1」を含む要素情報170A1の進捗確認実施情報171cには、進捗確認実施有りを示す情報が格納され、それ以外のプロジェクトマネージャー名「M2」を含む要素情報170A2の進捗確認実施情報171cには、進捗確認実施無しを示す情報が格納される。
【0056】
つぎに、業務プロセス監視部23Aは、今週進捗確認が義務付けられている全プロジェクトにおいてどの程度進捗確認が実施されたかを示す進捗確認業務プロセス遵守指標値(全体の進捗確認業務プロセス遵守指標値)を算出する。ここでは、全体の進捗確認業務プロセス遵守指標値として、(a)今週進捗報告が義務付けられているプロジェクト総数S、(b)そのうち、進捗確認が実施されたプロジェクト数s、(c)今週進捗報告が義務付けられている全プロジェクトにおける進捗確認業務実施率s/Sを算出する(S162)。具体的には、(a)第一プロジェクトリストに含まれる要素情報総数S、(b)第一プロジェクトリストに含まれる要素情報のうち、進捗確認実施有りを示す進捗確認実施情報171cを含む要素情報数s、(c)これら2つの数値s,Sの比率s/Sである進捗確認業務実施率を算出する。図18に示した第一プロジェクトリストを例に挙げると、第一プロジェクトリストに含まれる要素情報総数Sは2個、そのうち、進捗確認実施有りを示す進捗確認実施情報171cを含む要素情報数sは1個、これら2つの数値s,Sの比率s/Sは1/2(=50%)となる。
【0057】
つぎに、業務プロセス監視部23Aは、今週進捗確認が義務付けられている各プロジェクトにおいて進捗確認が実施されたかを示す進捗確認業務プロセス遵守指標値(プロジェクト別の進捗確認業務プロセス遵守指標値)を算出する。ここでは、プロジェクト別の進捗確認業務プロセス遵守指標値として、各プロジェクトごとに、それぞれ、(a)第一プロジェクトリストに含まれている要素情報総数S1(1個)、(b)第一プロジェクトリストに含まれている要素情報のうち、進捗確認実施有りを示す進捗確認実施情報171cを含む要素情報数s1(1個または0個)、(c)これら2つ数値s1,S1の比率s1/S1である進捗確認業務実施率(0%または100%)を算出する(S163)。図18に示した第一プロジェクトリストを例に挙げると、プロジェクトAに関して、要素情報総数S1は1個、進捗確認実施有りを示す進捗確認実施情報171cを含む要素情報数s1は1個、これら2つの数値s1,S1の比率s1/S1は1/1(100%)となる。また、プロジェクトBに関して、要素情報総数S1は1個、そのうち、進捗確認実施有りを示す進捗確認実施情報171cを含む要素情報数s1は0個、これら2つの数値s1,S1の比率s1/S1は0/1(=0%)となる。
【0058】
つぎに、業務プロセス監視部23Aは、今週進捗確認が義務付けられているグループ(ここでは、プロジェクトマネージャーグループのみ)においてどの程度進捗確認が実施されているかを示す進捗確認業務プロセス遵守指標値(グループ別の進捗確認業務プロセス遵守指標値)を算出する。ここでは、グループ別の進捗確認業務プロセス遵守指標値として、(a)今週進捗確認が義務付けられたプロジェクトマネージャーの総数K3、(b)そのうち、進捗確認を実施したプロジェクトマネージャーの人数k3、(c)これら2つの数値K3,k3の比率k3/K3でる進捗確認業務実施率を算出する。具体的には、(a)第一プロジェクトリストに含まれる全要素情報数K3、(b)第一プロジェクトリストに含まれる要素情報のうち、進捗確認実施有りを示す進捗報告実施情報171cを含む要素情報数k3、(c)これら2つの数値K3,k3の比率k3/K3を算出する(S164)。図18に示した第一プロジェクトリストを例に挙げると、第一プロジェクトリストの要素情報総数K3は2個、進捗報告実施有りを示す進捗報告実施情報171cを含む要素情報数k3は1個、これら2つの数値K3,k3の比率k3/K3は1/2(=50%)となる。
【0059】
最後に、業務プロセス監視部23Aは、図19に示すように、以上算出した各進捗確認業務プロセス遵守指標値190Bとその算出区分名(プロジェクト名等)190Aとを対応付けた進捗確認業務プロセス遵守指標情報190を生成する。そして、この進捗確認業務プロセス遵守指標情報190を、評価対象名「進捗確認業務」および現在の日付けに対応付けて、業務プロセス遵守指標ログ管理データベース20Dの業務プロセス遵守指標ログデータテーブル45に登録する(S164)。
(iii)作業遅延により必要となった計画変更が今週プロジェクトマネージャーにより適切に実施されたか否か、すなわち、プロジェクトマネージャが今週作業遅延を放置していなかったか否かの定期チェック
図20に、プロジェクトマネージャーが今週作業遅延を放置していなかったか否かをチェックするための処理のフローチャートを示す。なお、以下においても、今週とは、1999年12月13日から1999年12月19日までを指すものとする。
【0060】
業務プロセス監視部23Aは、今週初日(1999年12月13日)よりも遅い作業終了予定日と、今週末日(1999年12月19日)よりも早い作業開始予定日とに対応付けられているプロジェクト名および遅延発生情報を、内部状態管理データベース20Bの工程データテーブル42から取り出す。このとき工程データテーブル42から取り出した情報(プロジェクト名、遅延発生情報)を用いて、図21に示すように、作業遅延が放置されていいなかったか否かの評価対象となるプロジェクトに関する情報210A1,..,210AT(図21ではT=2)を要素とするリスト(以下、第二プロジェクトリストと呼ぶ)を作成する(S200)。この第二プロジェクトリストの各要素情報には、それぞれ、内部状態管理データベース20Bの工程データテーブル42から少なくとも1回取り出されたプロジェクト名211a、遅延が発生した作業がプロジェクトに含まれていたか否かを示す遅延発生情報211bが含まれている。例えば、図11(B)に示した工程データテーブルであれば、今週初日よりも遅い作業終了予定日と、今週末日よりも早い作業開始予定日とに対応付けられているプロジェクト名として、作業A2〜A4に関するプロジェクト名「プロジェクトA」、および、作業B1,B2に関するプロジェクト名「プロジェクトB」が格納されている。そのうち、一方のプロジェクト名「プロジェクトA」に対応付けられている遅延発生情報には、遅延有りを示すものは存在せず、他方のプロジェクト名「プロジェクトB」に対応付けられている遅延発生情報には、遅延有りを示すものが1つ存在する。したがって、この場合における第二プロジェクトリストは、図21に示したように、遅延作業無しを示す遅延発生情報211bとプロジェクト名「プロジェクトA」211aとを含む要素情報210A1、遅延作業有りを示す遅延発生情報211bとプロジェクト名「プロジェクトB」211aとを含む要素情報210A2により構成される。
【0061】
このようにして第二プロジェクトリストを作成すると、その後、業務プロセス監視部23Aは、作業遅延発生により必要となった計画変更が全体においてどの程度実施されたかを示す計画変更業務プロセス遵守指標値(全体の計画変更業務プロセス遵守指標値)を算出する(S201)。ここでは、全体の計画変更業務プロセス遵守指標値として、(a)遅延発生により必要となった計画変更が実行されるべき全作業項目数T、(b)そのうち、必要な計画変更が実施された作業項目数t、(c)全作業項目における計画変更業務実施率t/Tを算出する。具体的には、(a)第二プロジェクトリストに含まれる全要素情報数T、(b)第二プロジェクトリストに含まれる要素情報のうち、遅延発生無しを示す遅延発生情報211bを含む要素情報数t、(c)これら2つの数値t,Tの比率t/Tを算出する。図21に示した第二プロジェクトリストを例に挙げると、第二プロジェクトリストに含まれる要素情報総数Tは2個、遅延発生無しを示す進遅延発生情報211bを含む要素情報数tは1個、これら2つの数値t,Tの比率t/Tは1/2(=50%)となる。
【0062】
つぎに、業務プロセス監視部23Aは、遅延発生により必要となった計画変更が各プロジェクトにおいてどの程度実施されたかを示す計画変更業務プロセス遵守指標値(プロジェクト別の計画変更業務プロセス遵守指標値)を算出する(S202)。ここでは、プロジェクト別の計画変更業務プロセス遵守指標値として、各プロジェクトごとに、それぞれ、(a)第二プロジェクトリストに含まれている要素情報総数T1(1個)、(b)第二プロジェクトリストに含まれている要素情報のうち、遅延発生無しを示す遅延発生情報211bを含む要素情報数t1(1個または0個)、(c)これら2つ数値t1,T1の比率t1/T1である計画変更業務実施率(0%または100%)を算出する。図21に示した第二プロジェクトリストを例に挙げると、プロジェクトAに関して、要素情報総数T1は1個、遅延発生無しを示す遅延発生情報211bを含む要素情報数t1は1個、これら2つの数値t1,T1の比率t1/T1は1/1(=100%)となる。また、プロジェクトBに関して、要素情報総数T1は1個、遅延発生無しを示す遅延発生情報211bを含む要素情報数t1は0個、これら2つの数値t1,T1の比率t1/T1は0/1(=0%)となる。
【0063】
つぎに、業務プロセス監視部23Aは、必要な計画変更の実施が義務付けられている各グループ(ここでは、プロジェクトマネージャーグループのみ)がどの程度必要な計画変更を実施しているかを示す計画変更業務プロセス遵守指標値(グループ別の計画変更業務プロセス遵守指標値)を算出する(S203)。ここでは、グループ別の計画変更業務プロセス遵守指標値として、(a)必要な計画変更の実施が義務付けられたプロジェクトマネージャーの総数T2、(b)作業遅延により必要となった計画変更を実施したプロジェクトマネージャーの人数t2、(c)これら2つの数値T2,t2の比率t2/T2である計画変更業務実施率を算出する。具体的には、(a)第二プロジェクトリストに含まれる全要素情報数T2、(b)第二プロジェクトリストに含まれる要素情報のうち、遅延発生無しを示す遅延発生情報211bを含む要素情報数t2、(c)これら2つの数値T2,t2の比率t2/T2を算出する(S164)。図21に示した第二プロジェクトリストを例に挙げると、第二プロジェクトリストの要素情報総数T2は2個、遅延発生無しを示す遅延発生情報211bを含む要素情報数t2は1個、これら2つの数値T2,t2の比率t2/T2は1/2(=50%)となる。
【0064】
最後に、業務プロセス監視部23Aは、図22に示すように、以上算出した各計画変更業務プロセス遵守指標値221Bとその算出区分名(プロジェクト名等)221Aとを対応付けた計画変更業務プロセス遵守指標情報220を生成する。そして、この計画変更業務プロセス遵守指標情報220を、評価対象名「計画変更業務」と現在の日付けとに対応付けて、業務プロセス遵守指標ログ管理データベース20Dの業務プロセス遵守指標ログデータテーブル45に登録する(S204)。
【0065】
以上の3つの定期チェック処理(i)(ii)(iii)がそれぞれ終了すると、さらに、WWWサーバ10A1は、さらに、図23に示す処理を実行する。なお、以下においても、今週とは、1999年12月13日から1999年12月19日までを指すものとする。
【0066】
まず、業務プロセス改善アドバイス部23Bは、3つの定期チェック処理(i)(ii)(iii)の実行により業務プロセス監視部23Aが算出した各業務プロセス遵守指標値に基づき、工程進捗管理業務全体、各グループ、各プロジェクトのそれぞれについて、目標業務プロセスの達成度を示す総合業務プロセス遵守指標値を算出する。ここでは、総合業務プロセス遵守指標値として、(a')各定期チェック処理で算出した評価対象数(各定期チェック処理において(a)で示した数値)を集計した総合評価対象数W、(b')各定期チェック処理で算出した業務実施数(各定期チェック処理において(b)で示した数値)を集計した総合業務実施数w、(c')これら2つの数値W,wの比率w/Wである総合業務実施率を算出する。具体的には、以下の通りである。
【0067】
ここでは、3つの定期チェック処理(i)(ii)(iii)で算出された各業務プロセス遵守指標値(進捗報告業務プロセス遵守指標値、進捗確認業務プロセス遵守指標値、計画変更業務プロセス遵守指標値)に、その対応業務(進捗報告業務、進捗確認業務、計画変更業務)の重要度に応じた重みを付けて、総合業務プロセス指標値を算出する。例えば、目標業務プロセス実現の観点から、進捗報告業務よりも進捗確認業務および計画変更業務のほうが重要度が高い場合、例えば、進捗報告業務の重要度を1としたときに、進捗確認業務および計画変更業務の重要度が3と表されるような場合には、進捗報告業務プロセス遵守指標値の重みを1、進捗確認業務プロセス遵守指標値の重みを3、計画変更業務プロセス遵守指標値の重みを3と設定する。なお、以下の計算における重みは、この値(進捗報告業務プロセス遵守指標値の重み1、進捗確認業務プロセス遵守指標値の重み3、計画変更業務プロセス遵守指標値の重み3)を用いることとする。
【0068】
そして、工程進捗管理業務全体、各グループおよび各プロジェクトのそれぞれについて、すべての業務プロセス遵守指標値における評価対象数(各定期チェック処理において(a)で示した数値)と重みとの積を集計する。これにより、総合評価対象数が得られる。同様に、工程進捗管理業務全体、各グループおよび各プロジェクトのそれぞれについて、すべての業務プロセス遵守指標値における業務実施数(各定期チェック処理において(b)で示した数値)と重みとの積を集計する。これにより、総合業務実施数が得られる。つぎに、工程進捗管理業務全体、各グループおよび各プロジェクトのそれぞれについて、このとき算出された2つの数値の比率を算出する。これにより、例えば、3つの定期チェック処理の結果、図24(A)に示したような業務プロセス遵守指標値が得られたとすると、プロジェクトAの総合対象数および総合業務実施数は、0×1+1×3+1×3=6、3×1+1×3+1×3=9となり、これらの比率である総合業務実施率は、6/9(=67%)となる。
【0069】
業務プロセス改善アドバイス部23Bは、図25に示すように、以上算出した総合業務プロセス指標値251Bとその算出区分名(プロジェクト名等)251Aとを対応付けた総合業務プロセス遵守指標情報250を生成する。そして、この総合業務プロセス遵守指標情報250を、評価対象名「総合業務」と現在の日付けとに対応付けて、業務プロセス遵守指標ログ管理データベース20Dの業務プロセス遵守指標ログデータテーブル45に登録する(S230)。
【0070】
つぎに、業務プロセス改善アドバイス部23Bは、前回の業務遂行評価処理で登録した業務プロセス指標情報(進捗報告業務プロセス指標情報、進捗管理業務プロセス指標情報、計画変更業務プロセス指標情報、総合業務プロセス指標情報)を、業務プロセス遵守指標ログ管理データベース20Dの業務プロセス遵守指標ログデータテーブル45からそれぞれ取り出す。そして、今回の業務遂行評価処理で得られた各業務実施率(進捗報告業務実施率、進捗管理業務実施率、計画変更業務実施率、総合業務実施率)と、前回の業務遂行評価処理で得られた各業務プロセス指標情報(進捗報告業務プロセス指標情報、進捗管理業務プロセス指標情報、計画変更業務プロセス指標情報、総合業務プロセス指標情報)に含まれている業務実施率とを比較し、工程進捗管理業務プロセスの改善の傾向を判定する(S231)。例えば、今回の業務遂行評価処理で得られた業務実施率が前回のものよりも大きければ、業務プロセス改善アドバイス部23Bは、工程進捗管理業務プロセスにおける進捗報告業務の効率化が進んだと判断する。その反対に、今回の業務遂行評価処理で得られた業務実施率の方が前回のものよりも小さければ、業務プロセス改善アドバイス部23Bは、工程進捗管理業務プロセスにおける進捗報告業務の効率化が進んでいないと判断する。
【0071】
つぎに、業務プロセス改善アドバイス部23Bは、参考情報管理データベース20Cの管理情報データテーブル44を参照し、今回の業務遂行評価処理で得られた各業務実施率が満たす提供条件に対応付けられた参考情報、および、S231における判定結果が満たす提供条件に対応付けられた参考情報をそれぞれ取り出す(S32)。
【0072】
最後に、業務プロセス改善アドバイス部23Bは、今回の業務遂行評価処理で得られた各業務実施率(進捗報告業務実施率、進捗管理業務実施率、計画変更業務実施率、総合業務実施率)、各業務(進捗報告業務、進捗確認業務、計画変更業務、総合業務)の改善傾向についての判定結果、管理情報データテーブル44から取り出した参考情報を、所定のドキュメントの所定領域にはめこむ。その後、データ送受信部21が、そのドキュメントをWWWクライアント端末10A2へと送信する。
【0073】
WWWクライアント端末10A2上のブラウザが、このドキュメントをフォーマットすると、WWWクライアント端末10A2のディスプレイ上には、図26に示すような業務プロセス改善アドバイス情報表示画面が表示される(S71)。
【0074】
この業務プロセス改善アドバイス情報表示画面上には、工程進捗管理業務全体、各グループ、各プロジェクトのそれぞれについて、各業務(進捗報告業務、進捗確認業務、計画変更業務、総合業務)における業務実施率261、各業務の改善傾向262、参考情報236が表示されている。各業務担当者および各プロジェクトマネージャーは、この業務プロセス改善アドバイス情報表示画面上の情報を参照することによって、現状の工程進捗管理業務と目標業務プロセスとの乖離の実態を把握することができる。
【0075】
なお、これら3種類の情報261,262,263は、作業担当者等にとって見やすい表示形式であれば、業務プロセス改善アドバイス情報表示画面上にどのように表示されていてもよい。例えば、業務実施率を長さで示すバー、業務の改善傾向を傾きで示す矢印等の画像を表示してもよい。また、各情報261,262,263を別々の画面に表示するようにしてもよいし、3種類の情報261,262,263を適宜な組合せで表示するようにしてもよい。
【0076】
このように、本実施の形態に係る業務遂行評価処理によれば、目標業務プロセスの実現のために果された業務上の義務(ネットワークを利用した進捗報告、ネットワークを利用した進捗確認、ネットワークを利用した計画変更)が遵守されているか否か定期的にチェックされ、現状の工程進捗管理業務と目標業務プロセスとの乖離の実態を示す情報が、各作業担当者および各プロジェクトマネージャーに定期的に提供される。この情報の参照により、各人が、目標業務プロセスの実現という目的意識を持つことができるようになる。このため、各人の意識改革が図られ、各人が、目標業務プロセスの実現という観点から、自己の業務のやり方を見直すようになる。したがって、目標業務プロセスの実現に向けた業務改革が推進される。
【0077】
なお、以上においては、WWWサーバの入出力ログをとり、このログに基づき、定期チェック(i)(ii)(iii)を行っているが、かならずしもこのようにする必要はない。例えば、内部状態管理データベースの更新ログをとることとした場合には、このログに基づき、定期チェック(i)(ii)(iii)を行うようにしてもよい。
【0078】
また、以上においては、WWWを利用する場合を一例に挙げたが、ネットワーク上の情報にアクセスすることができれば、かならずしもWWWを利用する必要はない。もちろん、工程進捗管理業務以外の業務プロセスに適用してもよい。
【0079】
【発明の効果】
本発明に係る情報処理システムによれば、業務プロセスの改革に携わる各人の意識改革を促すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態に係る情報処理システムの全体構成図である。
【図2】本発明の実施の一形態に係る情報処理装置の機能構成図である。
【図3】(A)は、プロジェクトデータテーブルのデータ構造を概念的に示した図であり、(B)は、業務担当者データテーブルのデータ構造を概念的に示した図であり、(C)は、工程データテーブルのデータ構造を概念的に示した図である。
【図4】入出力ログデータテーブルのデータ構造を概念的に示した図である。
【図5】参考情報テーブルのデータ構造を概念的に示した図である。
【図6】業務プロセス遵守指標ログデータテーブルのデータ構造を概念的に示した図である。
【図7】本発明の実施の一形態に係る情報処理システムで実行される進捗報告支援処のフローチャートを示した図である。
【図8】クライアント端末上に表示される進捗報告画面のレイアウト例を示した図である。
【図9】工程データテーブルのデータ構造を概念的に示した図である。
【図10】本発明の実施の一形態に係る情報処理システムで実行される進捗確認・計画変更支援処理のフローチャートを示した図である。
【図11】(A)は、クライアント端末上に表示される進捗報告・計画変更画面のレイアウト例を示した図であり、(B)は、進捗報告・計画変更画面の入力データにより更新された工程データテーブルのデータ構造を概念的に示した図である。
【図12】本発明の実施の一形態に係る情報処理システムで実行される業務遂行評価処理のフローチャートを示した図である。
【図13】進捗報告が実施されたか否かの評価に用いられる作業項目リストのデータ構造を概念的に示した図である。
【図14】進捗報告が実施されたか否かの評価に用いられる作業項目リストのデータ構造を概念的に示した図である。
【図15】業務プロセス遵守指標ログデータテーブルに格納される進捗報告業務プロセス遵守指標情報のデータ構造を概念的に示した図である。
【図16】本発明の実施の一形態に係る情報処理システムで実行される業務遂行評価処理のフローチャートを示した図である。
【図17】進捗確認が実施されたか否かの評価対象に用いられる第一プロジェクトリストのデータ構造を概念的に示した図である。
【図18】進捗確認が実施されたか否かの評価対象に用いられる第一プロジェクトリストのデータ構造を概念的に示した図である。
【図19】業務プロセス遵守指標ログデータテーブルに格納される進捗確認業務プロセス遵守指標情報のデータ構造を概念的に示した図である。
【図20】本発明の実施の一形態に係る情報処理システムで実行される業務遂行評価処理のフローチャートを示した図である。
【図21】業務プロセス遵守指標ログデータテーブルに格納される計画変更業務プロセス遵守指標情報のデータ構造を概念的に示した図である。
【図22】業務プロセス遵守指標ログデータテーブルに格納される計画変更業務プロセス遵守指標情報のデータ構造を概念的に示した図である。
【図23】本発明の実施の一形態に係る情報処理システムで実行される業務遂行評価処理のフローチャートを示した図である。
【図24】総合業務プロセス遵守指標値を算出するために必要なデータを示した図である。
【図25】本発明の実施の一形態に係る業務遂行評価処理における定期チェック処理で得られた業務プロセス遵守指標値(進捗報告業務プロセス遵守指標値、進捗確認業務プロセス遵守指標値、計画変更業務プロセス遵守指標値)データを示した図である。
【図26】クライアント端末上に表示される業務プロセス改善アドバイス情報表示画面のレイアウト例を示した図である。
【図27】本発明の実施の一形態に係る情報処理装置の機能構成図である。
【符号の説明】
10A1,10A2,....,10An…情報処理装置
20…データベース格納部
20A,20B,20C,20D…データベース
21…データ送受信部
22…進捗管理部
21A…進捗報告支援部
21B…進捗確認・計画変更支援部
23…業務遂行評価部
23A…業務プロセス監視部
23B…業務プロセス改善アドバイス部
30…通信回線
Claims (2)
- 作業担当者およびプロジェクトマネージャ(以下、あわせてユーザという)の使用する複数のクライアント端末と、該各クライアント端末と接続される情報処理装置とを有し、ビジネスプロセスにたずさわる各人の業務状況を評価するための業務状況評価システムであって、
前記情報処理装置は、
グループデータテーブルと、工程データテーブルとを有する第1のデータベースであって、前記グループデータテーブルは、作業担当者の各々のユーザ識別情報と、該各作業担当者の所属する所属グループとを対応づけており、前記工程データテーブルは、プロジェクトと、該プロジェクトの各々を構成する作業毎の、作業開始予定日と、作業終了予定日と、進捗情報と、該作業を担当する作業担当者のユーザ識別情報と、遅延発生有無情報との対応づけている第1のデータベースと、
コマンドと、該コマンドを指示したユーザのユーザ識別情報と、該コマンドが入出力された日付を示す日付情報とを対応付けたログ管理データテーブルを有する第2のデータベースと、
評価対象業務の実施状況を示す提供条件と、該提供条件を満たす場合に発生しうる事項を示す参考情報とを対応付けた参考情報管理データテーブルを有する第3のデータベースと、
評価対象業務項目と、該評価対象業務の遂行程度を表す遵守指標情報と、該遵守指標情報を登録した日付けを示す日付情報とを対応付けたデータテーブルを備えた第4のデータベースと、
前記各クライアント端末とデータを送受信するデータ送受信部と、
進捗報告支援部と、
業務プロセス監視部と、
業務プロセス改善アドバイス部とを有し、
前記進捗報告支援部は、
前記クライアント端末から、ユーザ識別情報と共に進捗報告要求を受信すると、作業毎の進捗情報を入力させるための入力インタフェース情報を該クライアント端末に送信し、
該クライアント端末からの作業毎の進捗情報を含む進捗報告データを受信すると、前記工程データテーブルの、該クライアント端末から送信された作業の各々と対応付けられた作業開始予定日及び作業終了予定日のうち一方と、該クライアント端末から送信された作業毎の進捗情報とから、該クライアント端末から送信された作業毎の遅延発生の有無を判定し、
前記判定結果を遅延発生有無情報として、前記工程データテーブルの、該クライアント端末から送信された作業の各々に対応付けられた進捗情報及び遅延発生有無情報を更新し、さらに、進捗報告と、前記進捗報告要求と共に送信されたユーザ識別情報と、現在の日付とを、前記ログ管理データテーブルのコマンド、ユーザ識別情報、日付情報として追加登録し、
前記業務プロセス監視部は、
前記工程データテーブルの作業開始予定日及び作業終了予定日のうち、所定の周期内に作業開始予定日及び作業終了予定日のうち少なくとも一方が含まれるものと対応付けられた作業と、該作業と対応付けられたプロジェクト及びユーザ識別情報を抽出し、前記ログ管理データテーブルから、前記所定の周期内の日付情報であり、且つ、コマンドが進捗報告であるユーザ識別情報を抽出し、前記グループデータテーブルから、前記工程データテーブルから抽出したユーザ識別情報と対応付けられた所属グループを抽出し、
前記前記工程データテーブルから抽出した作業と、プロジェクトと、ユーザ識別情報で特定されるユーザとを、前記所定の周期内に進捗報告すべき作業と、プロジェクトと、ユーザとし、前記ログ管理データテーブルから抽出したユーザ識別情報で特定されるユーザを、前記所定の周期内に自身の担当する作業について進捗報告を実行したものとし、
前記前記工程データテーブルから抽出した作業の数と、前記ログ管理データテーブルから抽出されたユーザ識別情報で特定されるユーザの担当する作業の数との比率(以下、全体の進捗報告遵守指標値)を算出し、前記工程データテーブルから抽出したプロジェクト毎に、プロジェクトの作業の数と、該プロジェクトの作業を担当する各ユーザが進捗報告を行なった作業の数との比率(以下、プロジェクト別の進捗報告遵守指標値)を算出し、前記グループデータテーブルから抽出した所属グループ毎に、所属グループに属するユーザの担当する作業の数と、該所属グループの各ユーザが進捗報告を行なった数との比率(以下、グループ別の進捗報告遵守指標値)を算出し、
評価対象業務項目を進捗報告とし、前記算出した全体の進捗報告遵守指標値、前記算出したプロジェクト別の進捗報告遵守指標値、前記算出したグループ別の進捗報告遵守指標値およびこれらの算出のために用いた値を遵守指標情報とし、現在の日付を日付情報として、前記第4のデータベースに追加登録し、
前記業務プロセス改善アドバイス部は、
前記第4のデータベースから、評価対象業務項目が進捗報告と対応付けられた遵守指標情報のうち、今回登録した遵守指標情報と、前回登録した遵守指標情報とを読み出し、
今回登録した遵守指標情報に含まれる値から進捗報告実施率を算出し、今回登録した遵守指標情報と、前回登録した遵守指標情報とから、進捗報告業務の改善傾向を算出し、
前記第3のデータベースに、前記算出した進捗報告実施率に該当する提供情報が含まれている場合、該提供情報に対応する参考情報を抽出し、
前記算出した進捗報告実施率と、前記算出した改善傾向と、前記抽出した参考情報とを含むアドバイス情報を、前記クライアント端末のうち少なくとも1つに送信すること
を特徴とする業務状況評価システム。 - 請求項1記載の業務状況評価システムであって、
前記情報処理装置は、
前記第1のデータベースは、プロジェクト毎のプロジェクトマネージャのユーザ識別情報を有するプロジェクトデータテーブルをさらに有し、
前記グループデータテーブルは、プロジェクトマネージャ毎に、該プロジェクトマネージャのユーザ識別情報と、該プロジェクトマネージャの所属グループとをさらに対応づけており、
進捗確認・計画変更支援部をさらに有し、
前記進捗確認・計画変更支援部は、
前記クライアント端末から、ユーザ識別情報と共に進捗確認・変更要求を受信すると、前記工程データテーブルを読み出し、該読み出した工程データテーブルと、作業毎の作業開始予定日、作業終了予定日、作業を担当するユーザ識別情報を入力させるための入力インタフェース情報を該クライアント端末に送信し、
進捗確認要求と、前記進捗確認・変更要求と共に送信されたユーザの識別情報と、現在の日付とを、前記ログ管理データテーブルのコマンド、ユーザ識別情報、日付情報として追加登録し、
該クライアント端末からの、作業毎の作業開始予定日、作業終了予定日、作業を担当するユーザ識別情報のうち少なくとも1つを含む変更要求を受信すると、前記工程データテーブルの、該クライアント端末から送信された作業毎の作業開始予定日、作業終了予定日、作業を担当するユーザ識別情報を更新し、さらに、該受信した作業毎の作業終了予定日が、受信前の作業終了予定日より後である場合、該作業の遅延発生有無情報を遅延発生が無いことを示すものとし、
さらに、変更要求と、前記進捗確認・変更要求と共に送信されたユーザ識別情報と、現在の日付とを、前記ログ管理データテーブルのコマンド、ユーザ識別情報、日付情報として追加登録し、
前記業務プロセス監視部は、更に、
前記プロジェクトデータテーブルから、前記工程データテーブルから抽出したプロジェ クトに対応するユーザ識別情報を抽出し、前記ログ管理データテーブルから、前記所定の周期内の日付情報と対応し、且つ、対応するコマンドが進捗確認・変更要求であるユーザ識別情報を抽出し、
前記ログ管理データテーブルから抽出した、対応するコマンドが進捗確認要求であるユーザ識別情報で特定されるユーザを、前記所定の周期内に自身の担当する作業について進捗確認を実行したものとし、
前記前記工程データテーブルから抽出した作業の数と、前記ログ管理データテーブルから抽出された、対応するコマンドが進捗確認要求であるユーザ識別情報で特定されるユーザの担当する作業の数との比率(以下、全体の進捗確認遵守指標値)を算出し、前記工程データテーブルから抽出したプロジェクト毎に、前記工程データテーブルから抽出したプロジェクト毎に、プロジェクトの作業の数と、該プロジェクトの作業を担当する各ユーザが進捗確認を行なった作業の数との比率(以下、プロジェクト別の進捗確認遵守指標値)を算出し、前記グループデータテーブルから抽出した所属グループのうちプロジェクトマネージャの所属する所属グループ毎に、所属グループに属するユーザの担当する作業の数と、該所属グループの各ユーザが進捗確認を行なった作業の数との比率(以下、グループ別の進捗確認遵守指標値)を算出し、
評価対象業務項目を進捗確認とし、前記算出した全体の進捗確認遵守指標値、前記算出したプロジェクト別の進捗確認遵守指標値、前記算出したグループ別の進捗確認遵守指標値およびこれらの算出のために用いた値を遵守指標情報とし、現在の日付を日付情報として、前記第4のデータベースに追加登録し、
前記工程データテーブルの作業開始予定日及び作業終了予定日のうち、所定の周期内に作業開始予定日及び作業終了予定日のうち少なくとも一方が含まれるものと対応付けられた遅延発生有無情報を抽出し、
前記前記工程データテーブルから抽出した遅延発生有無情報のうち遅延発生なしを示すものと対応付けられたプロジェクトは、前記所定の周期内に、該プロジェクトを担当するユーザにより計画変更が実行されたものとし、
前記前記工程データテーブルから抽出したプロジェクトの数と、前記前記工程データテーブルから抽出した遅延発生有無情報のうち遅延発生なしを示すものと対応付けられたプロジェクトの数との比率(以下、全体の変更遵守指標値)を算出し、前記工程データテーブルから抽出したプロジェクト毎に、プロジェクトの数と、該プロジェクトの作業を担当する各ユーザが計画変更を行なったプロジェクトの数との比率(以下、プロジェクト別の変更遵守指標値)を算出し、前記グループデータテーブルから抽出した所属グループのうちプロジェクトマネージャの所属する所属グループ毎に、所属グループに属するユーザの担当するプロジェクトの数と、該所属グループの各ユーザが計画変更を行なったプロジェクトの数との比率(以下、グループ別の変更遵守指標値)を算出し、
評価対象業務項目を計画変更とし、前記算出した全体の変更遵守指標値、前記算出したプロジェクト別の変更遵守指標値、前記算出したグループ別の変更遵守指標値およびこれらの算出のために用いた値を遵守指標情報とし、現在の日付を日付情報として、前記第4のデータベースに追加登録し、
前記業務プロセス改善アドバイス部は、更に、
前記第4のデータベースから、評価対象業務項目が進捗確認と対応付けられた遵守指標情報のうち、今回登録した遵守指標情報と、前回登録した遵守指標情報とを読み出し、さらに、評価対象業務項目が計画変更と対応付けられた遵守指標情報のうち、今回登録した遵守指標情報と、前回登録した遵守指標情報とを読み出し、
進捗確認と対応付けられた、今回登録した遵守指標情報に含まれる値から進捗確認実施率を算出し、進捗確認と対応付けられた、今回登録した遵守指標値に含まれる値と前回登録した遵守指標値に含まれる値とから、進捗確認業務の改善傾向を算出し、
計画変更と対応付けられた、今回登録した遵守指標情報に含まれる値から計画変更実施率を算出し、計画変更と対応付けられた、今回登録した遵守指標情報に含まれる値と前回登録した遵守指標情報に含まれる値とから、計画変更業務の改善傾向を算出し、
前記第3のデータベースに、前記算出した進捗確認実施率および前記算出した計画変更実施率のうち少なくとも一方に該当する提供情報が含まれている場合、該提供情報に対応する参考情報を抽出し、
前記算出した進捗確認実施率、前記算出した計画変更実施率、前期算出した進捗確認業務の改善傾向、前記算出した計画変更実施率の改善傾向、参考情報を抽出している場合は該参考情報を、前記アドバイス情報にさらに含めること
を特徴とする業務状況評価システム。
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