以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は本発明の実施の形態における射出吹込成形機の平面図、図2は本発明の実施の形態における射出吹込成形機の正面図、図3は本発明の実施の形態における射出吹込成形機の平断面図であり図2のA矢視断面図、図4は本発明の実施の形態における射出吹込成形機の縦断面図であり図1のB矢視断面図である。
図において、10は射出吹込成形機であり、支持フレーム18に固定された射出金型支持装置としての固定プラテン11、前記支持フレーム18上のガイド部材18aにスライド可能に取り付けられた吹込金型支持装置としての可動プラテン12、及び、前記固定プラテン11と前記可動プラテン12との間において前記支持フレーム18上のガイド部材18aにスライド可能に取り付けられた中間型支持装置としての中間型支持枠21を有する。前記射出吹込成形機10は、射出成形によって試験管状の中間成形品としての後述されるプリフォーム61を成形する工程と、吹込成形、すなわち、ブロー成形によって前記プリフォーム61を後述される最終成形品62に成形する工程とを行う装置である。そして、前記射出吹込成形機10においては、固定プラテン11と中間型支持枠21との間における射出ステーションにおいて射出成形が行われ、可動プラテン12と中間型支持枠21との間における吹込ステーションにおいてブロー成形が行われる。なお、固定プラテン11と中間型支持枠21との間を吹込ステーションとし、可動プラテン12と中間型支持枠21との間を射出ステーションとすることもできる。前記最終成形品62は、いかなる形状のものであってもよいが、ここでは、細い径の開放された口部を備える瓶状又はボトル状の有底容器であり、前記口部の外周に雄ねじが形成されたものであるとして説明する。
そして、前記固定プラテン11の金型取り付け面(図1〜4における左側の面)には、射出金型としての固定金型13が取り付けられている。また、前記中間型支持枠21に回転不能に取り付けられた中間型としてのコア型枠41における固定プラテン11側の面には、射出用コア型42が配設されている。該射出用コア型42は、根本部42a及び雄型部42bを備え、前記固定金型13と射出用コア型42とが密着して型閉した状態において、前記固定金型13との間にプリフォーム61の形状を備えるキャビティを形成する。なお、図1〜4は、前記固定金型13と射出用コア型42とが開放されて型開した状態を示している。
また、前記固定プラテン11の背面(図1、3及び4における右側の面)側には、加熱シリンダ16の一部のみが図示され、他の部分が図示されない射出装置が配設されている。ここで、該射出装置は、前記加熱シリンダ16を備え、該加熱シリンダ16には、樹脂ペレット等の原料樹脂を加熱シリンダ16内に投入するための原料ホッパが取り付けられている。また、前記加熱シリンダ16内には、スクリュが回転可能に、かつ、進退可能に配設されている。そして、前記加熱シリンダ16の後方には、前記スクリュを加熱シリンダ16内で回転させるとともに前進又は後退させるための射出駆動装置が配設されている。
そして、計量工程においては、前記射出駆動装置が駆動してスクリュを回転させ樹脂をスクリュの前方に溜(た)めることによって、該スクリュが所定の位置まで後退(図1〜4における右方向に移動)する。このとき、原料ホッパから供給された原料樹脂は、加熱シリンダ16内において加熱され、溶融させられ、スクリュの前方(図1〜4における左方)に溜められた樹脂の圧力によってスクリュは後退させられる。続いて、射出工程においては、前記加熱シリンダ16の先端のノズル16aを固定金型13に押し付け、射出駆動装置が駆動してスクリュが前進(図1〜4における左方向に移動)させられる。これにより、該スクリュの前方に溜められた樹脂はノズル16aの先端から射出され、固定金型13と射出用コア型42との間に形成されたキャビティ内に充填される。
また、前記可動プラテン12の金型取り付け面(図1〜4における右側の面)には、ブロー成形用の吹込金型、すなわち、可動金型としての可動割型14が取り付けられている。該可動割型14は、駆動側可動部14a、従動側可動部14b及び固定底部14cを備え、割型駆動装置としての割型駆動シリンダ装置17によって、前記駆動側可動部14a及び従動側可動部14bが横方向(図1及び3における上下方向)に移動させられる。この場合、前記駆動側可動部14aは、割型駆動シリンダ装置17のピストンロッド17aに接続され、前記割型駆動シリンダ装置17によって直接移動させられ、前記従動側可動部14bは他の組の駆動側可動部14aに接続され、自組の駆動側可動部14aと対向する方向に移動させられる。また、前記中間型支持枠21に取り付けられたコア型枠41における可動プラテン12側の面には、吹込用ガイド43が配設されている。該吹込用ガイド43は、根本部43aを備え、駆動側可動部14aと従動側可動部14bとが密着して形成される後述されるブロー成形用雌型58の入口に密着して型閉した状態において、成形品の形状を備えるブロー成形用の空間を形成する。なお、図1〜4は、可動割型14の駆動側可動部14aと従動側可動部14bとが開放され、かつ、前記可動割型14と吹込用ガイド43とが開放されて型開した状態を示している。
そして、前記可動プラテン12の背面(図1〜4における左側の面)側には、図示されない型締装置が配設されている。該型締装置は、可動プラテン12を駆動するための型締用シリンダ装置、及び、該型締用シリンダ装置が取り付けられたサポートプレートを有する。そして、前記固定プラテン11とサポートプレートとは、複数、例えば、4本のタイバー15によって連結され、可動プラテン12及び中間型支持枠21は前記タイバー15に沿って前進又は後退(図1〜4における右方向又は左方向に移動)するように配設される。なお、前記固定プラテン11は、ボルト等の固定部材によって支持フレーム18に固定されている。また、前記可動プラテン12及び中間型支持枠21は、主として、前記ガイド部材18aによって下方から支えられてスライドする。
なお、本実施の形態において、型締装置及び該型締装置の駆動源はいかなるものであってもよく、前記型締用シリンダ装置に代えて、トグルリンクを利用したトグル機構方式のものであってもよいし、リンク機構とシリンダ装置とを組み合わせた複合方式のものであってもよい。また、駆動源も油圧シリンダ装置であってもよいし、電動モータとボールねじとを組み合わせたものであってもよい。
また、固定プラテン11には、中間型駆動装置としての中間型駆動シリンダ装置22が取り付けられ、該中間型駆動シリンダ装置22のピストンロッドに接続された連結ロッド23に中間型支持枠21が取り付けられている。そして、前記中間型駆動シリンダ装置22を作動させることによって、固定プラテン11に対して中間型支持枠21を前進又は後退させることができる。これにより、中間型支持枠21を固定プラテン11に対して移動させることができ、射出ステーション及び吹込ステーションにおいて、別個のタイミングで型閉、型締及び型開を行って、射出成形及びブロー成形を行うことができる。
本実施の形態において、前記中間型支持枠21は略門型の形状を有し、下端部がガイド部材18aにスライド可能に取り付けられ、垂直方向に延在する左右の脚部と、該脚部の上端部分を接続する横方向に延在する天板部とを備える。そして、前記左右の脚部の間に前記コア型枠41が配設されている。ここで、該コア型枠41は、前記左右の脚部を貫通して取り付けられた円筒状の支持コラム47に固定されている。すなわち、コア型枠41は、前記中間型支持枠21に回転不能に取り付けられている。
そして、前記支持コラム47における前記中間型支持枠21の左右両外側に、把持枠としての回転枠31が回転可能に取り付けられている。図1〜4に示される状態において、前記回転枠31の前側及び後側(図1〜4における左右両側)の側面には、前方及び後方に延在する円柱状のガイドバー33が取り付けられている。該ガイドバー33の数は任意に設定することができるが、図1〜4に示される例においては、左右の回転枠31において前後方向に各2本ずつ取り付けられている。そして、前記ガイドバー33には、中間成形品としてのプリフォーム61の口部の外周を把持するための後述される成形品把持装置52を支持する把持枠32が、ガイドバー33の軸方向にスライド可能に、かつ、ガイドバー33の先端部33aにロック及び開放可能に取り付けられている。図1〜4に示される状態において、前記把持枠32は、把持枠係合部32aによってガイドバー33の先端部33aにロックされており、前記ガイドバー33の軸方向にスライドしないようになっている。なお、前記把持枠係合部32aと先端部33aとの係合が解除されると、前記把持枠32は開放されて、ガイドバー33の軸方向にスライド可能となる。
前記把持枠係合部32aは、固定プラテン11に取り付けられた射出側係脱部材54の先端部とも解除可能に係合するともに、前記射出側係脱部材54の先端部によって作動させられて、ガイドバー33の先端部33aと係合又は係合解除を行うようになっている。さらに、前記把持枠係合部32aは、可動プラテン12に取り付けられた吹込側係脱部材55の先端部とも解除可能に係合するともに、前記吹込側係脱部材55の先端部によって作動させられて、ガイドバー33の先端部33aと係合又は係合解除を行うようになっている。
また、前記中間型支持枠21の一方の脚部には、前記回転枠31を回転させるための駆動源として電気モータ34が取り付けられている。そして、該電気モータ34を作動させることによって、前記回転枠31が支持コラム47を中心として回転する。
前記コア型枠41の上側の外表面及び下側の外表面には、前記成形品把持装置52を作動させて把持状態を解除させるための把持解除部材48を駆動する駆動源としての把持解除用駆動装置45が、それぞれ、取り付けられている。該把持解除用駆動装置45は、油圧シリンダ装置であってもよいし、電動モータとボールねじとを組み合わせたものであってもよいが、ここでは、空圧シリンダ装置であり、該空圧シリンダ装置のピストンロッドに前記把持解除部材48が取り付けられているとして説明する。そして、前記把持解除用駆動装置45が作動すると、前記把持解除部材48が進退させられる。なお、該把持解除部材48は突起部材48aを備える。
ところで、前記吹込用ガイド43には、延伸ロッド44が根本部43aから突出することができるように取り付けられている。そして、前記コア型枠41の上側の外表面及び下側の外表面には、前記延伸ロッド44を作動させて根本部43aから突出させるための駆動源としての延伸ロッド用駆動装置46が、それぞれ、取り付けられている。該延伸ロッド用駆動装置46は、油圧シリンダ装置であってもよいし、電動モータとボールねじとを組み合わせたものであってもよいが、ここでは、空圧シリンダ装置であるとして説明する。そして、前記延伸ロッド用駆動装置46が作動すると、該延伸ロッド用駆動装置46のピストンロッドに接続された連結板46aが移動し、該連結板46aに根本部分が取り付けられている延伸ロッド44が突出し、前記プリフォーム61を延伸させる。すなわち、本実施の形態においては、前記プリフォーム61内に延伸ロッド44を突出させ、前記プリフォーム61を延伸させながら高圧空気を吹き込んでブロー成形を行う延伸ブロー成形によって、前記プリフォーム61を最終成形品62に成形するようになっている。この場合、吹込用ガイド43、延伸ロッド44又は、その間には、ブロー成形用の高圧空気を供給するための図示されない空気流路、空気噴出孔(こう)等が形成されている。
なお、必要に応じて、延伸ロッド44を突出させることなく、高圧空気を吹き込むだけのブロー成形によって、前記プリフォーム61を最終成形品62に成形することもできる。この場合、前記延伸ロッド44、延伸ロッド用駆動装置46等を省略することもできる。なお、前記把持解除用駆動装置45及び延伸ロッド用駆動装置46に作動流体としての高圧空気を供給するための配管、ブロー成形用の高圧空気を供給するための配管、各種装置に電力を供給する電線、センサ等からの信号を伝達する信号線等は、中空な支持コラム47の内部を通るように配設することができる。
また、前記射出吹込成形機10は図示されない制御装置を有する。該制御装置は、CPU、MPU等の演算手段、磁気ディスク、半導体メモリ等の記憶手段、入出力インターフェイス等を備える一種のコンピュータであり、前記射出装置、型締装置、中間型駆動シリンダ装置22、電気モータ34、把持解除用駆動装置45、延伸ロッド用駆動装置46等の動作を含む、射出吹込成形機10のすべての動作を制御する。なお、前記制御装置は、キーボード、ジョイスティック、タッチパネル等を備え、オペレータが操作して、各種データ、動作指令等を入力する入力部、CRT、液晶ディスプレイ、LED(Light Emitting Diode)ディスプレイ等を備える表示部等を有するものであってもよい。また、前記制御装置は、成形品取り出し装置の制御装置等の他の制御装置と一体的に構成されたものであってもよいし、大型のコンピュータ内に構築された複数の制御システムの中の1つであってもよい。
次に、前記射出吹込成形機10の各部の構成を詳細に説明する。
図5は本発明の実施の形態における射出吹込成形機の平断面図であり図2のC矢視断面図、図6は本発明の実施の形態における射出吹込成形機の縦断面図であり図1のD矢視断面図、図7は本発明の実施の形態における射出吹込成形機の正面部分断面図であり型閉した状態を示す図、図8は本発明の実施の形態における射出吹込成形機の要部拡大図であり図7のE部拡大図、図9は本発明の実施の形態における射出吹込成形機の要部拡大図であり図7のF部拡大図である。
図5及び6に示されるように、固定金型13の金型合わせ面、すなわち、パーティング面には、キャビティプレート13eによって、射出金型としての雌型部51が取り付けられている。該雌型部51は単数であってもよいし、複数であってもよいが、本実施の形態においては、上下方向に6個並んだ列が2列形成され、12個の雌型部51が固定金型13に取り付けられている。この場合、吹込ステーションにおいて可動プラテン12の金型取り付け面に取り付けられた可動割型14によって形成されるブロー成形用雌型58も、前記雌型部51と同様に、上下方向に6個並んだ列を2列形成する。
そして、前記固定金型13内には、加熱シリンダ16のノズル16aの先端が押し付けられるノズルタッチ部13a、該ノズルタッチ部13aから延在する樹脂流路としてのスプルー13b、該スプルー13bから枝分かれした樹脂流路としてのランナ13c、及び、該ランナ13cの先端部に形成され、各雌型部51の内部に連通するホットランナノズル13dが形成されている。これにより、前記加熱シリンダ16のノズル16aの先端から射出された樹脂は、スプルー13b、ランナ13c及びホットランナノズル13dを通過して、各雌型部51と対応する雄型部42bとの間に形成されたキャビティ内に充填される。なお、射出用コア型42は雌型部51の各列に対応する位置に2列形成され、各射出用コア型42の各雌型部51に対応する位置に根本部42a及び雄型部42bが配設されている。すなわち、前記根本部42a及び雄型部42bはそれぞれ12個である。
また、把持枠32には、成形品把持装置52が取り付けられている。該成形品把持装置52は、ねじ用割型52a及び該ねじ用割型52aが取り付けられたスライド板52bを有する。そして、前記ねじ用割型52aは、各雌型部51に対応する位置に、上下方向に6個並んだ列が2列形成され、12個のねじ用割型52aが把持枠32に取り付けられている。そして、前記ねじ用割型52aは、内周面に雄ねじを形成するための螺(ら)旋溝が形成され、雌型部51の入口近傍部分に嵌(は)まり込み、対応する雄型部42bとの間にプリフォーム61の口部に対応するキャビティを形成する。これにより、前記プリフォーム61の口部の外周に雄ねじが形成される。
なお、前記ねじ用割型52aは、横方向(図5における上下方向)に分割可能な構成を備え、各ねじ用割型52aの半割部分がスライド板52bの半割部分に、それぞれ、取り付けられている。前記スライド板52bは、上下方向(図5に対して垂直方向)に延在して2枚が把持枠32に取り付けられ、それぞれが横方向に分割可能な構成を備え、各スライド板52bの半割部分が横方向にスライド可能に前記把持枠32に取り付けられている。そして、各スライド板52bの半割部分は、ばね部材等の後述される付勢部材52dによって中心方向に付勢され、相互に結合するようになっている。これにより、各ねじ用割型52aの半割部分も、中心方向に付勢され、相互に結合するようになっている。
また、各スライド板52bの上下端近傍部分には、把持解除従動部材52cが取り付けられている。該把持解除従動部材52cは、横方向に分割可能な構成を備え、各把持解除従動部材52cの半割部分がスライド板52bの半割部分に、それぞれ、取り付けられている。そして、スライド板52bの半割部分が中心方向に付勢されて相互に結合すると、把持解除従動部材52cの半割部分も相互に結合し、結合箇所に、図5に示されるような楔(くさび)状のノッチが形成される。該ノッチは、把持解除部材48の突起部材48aに対応する位置にあり、前記把持解除部材48が前進すると、前記突起部材48aがノッチに進入し、把持解除従動部材52cが横方向に押し広げられるようになっている。これにより、各スライド板52bの半割部分及び各ねじ用割型52aの半割部分も、横方向に押し広げられて分割されるので、吹込ステーションにおいて、ブロー成形が終了した後、最終成形品62の口部の把持を解除することができる。
そして、前記把持枠32が取り付けられているガイドバー33を支持する左右の回転枠31は、図5に示されるようにボールベアリング、ローラベアリング等から成る軸受部材47aを介して、支持コラム47の外周に回転可能に取り付けられている。そして、一方の回転枠31の側面には、環状の従動ギヤ31aが取り付けられ、電気モータ34の回転軸34aに取り付けられた駆動ギヤ34bが前記従動ギヤ31aに噛(か)み合っている。これにより、前記電気モータ34を作動させることによって、前記回転枠31を支持コラム47を中心として回転させることができる。
また、前記コア型枠41は、一部の壁面が開放された略直方体状の形状を有し、内部には、連結板46aが可動割型14側に進退可能に配設されている。該連結板46aは、上下端近傍の一部分がコア型枠41の上側の外表面及び下側の外表面に突出し、それぞれの延伸ロッド用駆動装置46に連結されて取り付けられている。また、連結板46aには、各延伸ロッド44の根本部分が取り付けられ、各延伸ロッド44を同時に突き出すことができるようになっている。なお、前記延伸ロッド44は、可動割型14によって形成されるブロー成形用雌型58のそれぞれに対応する位置に配設され、上下方向に6個並んだ列を2列形成する。
本実施の形態において、可動割型14の駆動側可動部14a及び従動側可動部14bは、横方向(図5における上下方向)にスライド可能に可動プラテン12の金型取り付け面に取り付けられている。この場合、左右の組の駆動側可動部14aは、割型駆動シリンダ装置17のピストンロッド17aに接続され、前記割型駆動シリンダ装置17によって直接横方向に移動させられる。また、左右の組の従動側可動部14bは、連結部材14dによって他の組の駆動側可動部14aに接続され、自組の駆動側可動部14aと対向する方向に移動させられる。そして、左右の割型駆動シリンダ装置17を同期して作動させることによって、各組における駆動側可動部14aと従動側可動部14bとを対向する方向に移動させて結合させ、ブロー成形用雌型58を形成させることができる。なお、固定底部14c内には可動底部材14eが中間型支持枠21側に移動可能に取り付けられている。該可動底部材14eは、ブロー成形が終了して、前記駆動側可動部14aと従動側可動部14bとの結合を解除して型割りする際に、固定底部14cからわずかに突出(図5及び6における右方向に移動)し、最終成形品62を突き出して離型させるようになっている。
また、前記射出吹込成形機10が射出ステーション及び吹込ステーションにおいて型閉すると、図7に示されるように、固定プラテン11に中間型支持枠21が接し、該中間型支持枠21に可動プラテン12が接した状態になる。この場合、把持枠係合部32aとガイドバー33の先端部33aとの係合は解除されており、射出ステーション及び吹込ステーションにおける把持枠32は、ガイドバー33の軸方向にスライドして、コア型枠41に接触している。
そして、射出ステーションにおいては、図9に示されるように、固定金型13に取り付けられた各雌型部51の中に各雄型部42bが進入している。また、半割部分が相互に結合されたねじ用割型52aは、雌型部51の入口近傍部分に嵌まり込んだ状態で、雌型部51と射出用コア型42との間に挟み込まれている。これにより、雌型部51及びねじ用割型52aの内面と雄型部42bの外面との間にキャビティが形成される。なお、図9に示される例においては、既にキャビティ内に樹脂が充填され、プリフォーム61が形成されている。該プリフォーム61は、略試験管状の細長い有底容器であるが、開口する口部の外周にはねじ用割型52aの内面によって雄ねじが形成され、口部の境界にはねじ用割型52aと雌型部51との間の隙(すき)間によって鍔(つば)部が形成されている。
また、吹込ステーションにおいては、図8に示されるように、駆動側可動部14a及び従動側可動部14bとが結合して、ブロー成形用雌型58が形成されている。この場合、前記駆動側可動部14a及び従動側可動部14bは、左右から固定底部14cを包み込むように結合するので、前記ブロー成形用雌型58の内面は、駆動側可動部14a、従動側可動部14b、固定底部14c及び可動底部材14eによって構成され、瓶状又はボトル状の有底容器の形状を有する。なお、可動底部材14eは、突出しておらず、奥側(図8における左側)に引っ込んだ状態となっている。
そして、駆動側可動部14a及び従動側可動部14bによって形成されるブロー成形用雌型58の開口部には、プリフォーム61を把持している状態のねじ用割型52aが押し付けられている。そのため、前記プリフォーム61の鍔部がブロー成形用雌型58の開口部外面に押し付けられ、鍔部より先の部分は、ブロー成形用雌型58内部に進入している。この状態で、延伸ロッド用駆動装置46を作動させると、延伸ロッド44がブロー成形用雌型58の奥側に向かって突出し、前記プリフォーム61の内部に進入して、該プリフォーム61をブロー成形用雌型58の奥側に向かって延伸させる。そして、同時に図示されない空気流路を介して、高圧空気を前記プリフォーム61の内部に吹き込むことによって、該プリフォーム61を膨張させて、ブロー成形用雌型58の内面に押し付ける。これにより、ブロー成形用雌型58内面の形状を有する瓶状又はボトル状の有底容器を成形することができる。
次に、前記構成の射出吹込成形機10の動作について説明する。
図10は本発明の実施の形態における射出吹込成形機の縦断面図であり動作を示す第1の図、図11は本発明の実施の形態における射出吹込成形機の縦断面図であり動作を示す第2の図、図12は本発明の実施の形態における射出吹込成形機の縦断面図であり動作を示す第3の図、図13は本発明の実施の形態における射出吹込成形機の縦断面図であり動作を示す第4の図、図14は本発明の実施の形態における射出吹込成形機の縦断面図であり動作を示す第5の図、図15は本発明の実施の形態における射出吹込成形機のねじ用割型の動作を示す第1の図であり図6のG矢視図、図16は本発明の実施の形態における射出吹込成形機のねじ用割型の動作を示す第2の図であり図15のH矢視図、図17は本発明の実施の形態における射出吹込成形機のねじ用割型の動作を示す第3の図であり図16のI矢視図、図18は本発明の実施の形態における射出吹込成形機の動作シーケンスを示す図である。
本実施の形態において、射出吹込成形機10の各部は、図18に示されるように作動する。この場合、1回の成形サイクルにおいて、射出ステーションでは射出成形によって雌型部51の数に等しい数のプリフォーム61、例えば、12個のプリフォーム61が成形され、吹込ステーションでは、前回の成形サイクルにおいて射出ステーションで成形された12個のプリフォーム61を使用して、ブロー成形が行われ、12個の最終成形品62が成形されるようになっている。
まず、前記図1〜4に示されるように、射出ステーション及び吹込ステーションで型開された状態から、図示されない型締装置が作動して型閉が開始される。これにより、可動プラテン12が開の状態から閉の状態に向けて、すなわち、固定プラテン11に近付くように移動する。そして、前記可動プラテン12が開の状態から閉の状態に向けて移動する間に、中間型駆動シリンダ装置22が作動して、中間型支持枠21が開の状態から閉の状態に向けて、すなわち、固定プラテン11に近付くように移動する。
また、前記可動プラテン12が開の状態から閉の状態に向けて移動する間に、中間型支持枠21が固定プラテン11に近付くことによって、回転枠31の固定プラテン11側の側面に取り付けられたガイドバー33の先端部33aと係合している把持枠32の把持枠係合部32aが、固定プラテン11に取り付けられた射出側係脱部材54の先端部に接触する。これにより、前記把持枠係合部32aとガイドバー33の先端部33aとの係合が解除され、把持枠32とガイドバー33とのロックが開放される。
同様に、前記可動プラテン12が開の状態から閉の状態に向けて移動する間に、中間型支持枠21が可動プラテン12に近付くことによって、回転枠31の可動プラテン12側の側面に取り付けられたガイドバー33の先端部33aと係合している把持枠32の把持枠係合部32aが、可動プラテン12に取り付けられた吹込側係脱部材55の先端部に接触する。これにより、前記把持枠係合部32aとガイドバー33の先端部33aとの係合が解除され、把持枠32とガイドバー33とのロックが開放される。なお、前記把持枠32におけるねじ用割型52aは、前回の成形サイクルにおいて射出ステーションで成形された12個のプリフォーム61を把持している。
さらに、前記可動プラテン12が開の状態から閉の状態に向けて移動する間に、割型駆動シリンダ装置17が作動して、駆動側可動部14a及び従動側可動部14bが横方向(図10〜14に対して垂直方向)に移動させられて結合して閉じ、固定底部14cとともにブロー成形用雌型58を形成する。これにより、図8に示されるように、駆動側可動部14a及び従動側可動部14bによって形成されるブロー成形用雌型58の開口部には、プリフォーム61を把持している状態のねじ用割型52aが押し付けられた状態となる。そのため、前記プリフォーム61の鍔部がブロー成形用雌型58の開口部外面に押し付けられ、鍔部より先の部分は、ブロー成形用雌型58内部に進入している。
そして、前記可動プラテン12が閉の状態になると、図10に示されるように、射出ステーション及び吹込ステーションにおいて型閉が完了する。この場合、射出ステーション及び吹込ステーションにおける把持枠32は、ガイドバー33とのロックが開放されているので、射出側係脱部材54及び吹込側係脱部材55の先端部によって押されてガイドバー33の軸方向にスライドし、コア型枠41に接触している。
この場合、射出ステーションにおいては、固定金型13に取り付けられた各雌型部51の中に各雄型部42bが進入している。また、半割部分が相互に結合されたねじ用割型52aは、雌型部51の入口近傍部分に嵌まり込んだ状態で、雌型部51と射出用コア型42との間に挟み込まれている。これにより、雌型部51及びねじ用割型52aの内面と雄型部42bの外面との間にキャビティが形成される。また、吹込ステーションにおいては、ブロー成形用雌型58の開口部外面に前記プリフォーム61の鍔部が押し付けられ、鍔部より先の部分がブロー成形用雌型58内部に進入している。
続いて、射出ステーションにおいて射出工程が行われ、加熱シリンダ16の先端のノズル16aが固定金型13のノズルタッチ部13aに押し付けられ、前記ノズル16aの先端から樹脂が射出される。そして、射出された樹脂は、スプルー13b、ランナ13c及びホットランナノズル13dを通過して、雌型部51と対応する雄型部42bとの間に形成されたキャビティ内に充填される。なお、樹脂の充填が完了した後も、型閉した状態を継続し、キャビティ内の樹脂を冷却する。
また、吹込ステーションにおいてブロー成形が行われ、延伸ロッド用駆動装置46が作動し、延伸ロッド44がブロー成形用雌型58の奥側に向かって突出する。これにより、前記プリフォーム61の内部に進入して、該プリフォーム61をブロー成形用雌型58の奥側に向かって延伸させる。同時に、吹込用ガイド43、延伸ロッド44又は、その間に形成された図示されない空気流路、空気噴出孔等から高圧空気を前記プリフォーム61の内部に吹き込むことによって、該プリフォーム61を膨張させて、ブロー成形用雌型58の内面に押し付ける。これにより、ブロー成形用雌型58内面の形状を有する瓶状又はボトル状の有底容器を最終成形品62として成形することができる。なお、延伸が終了すると、延伸ロッド44は突出した状態から元の位置に戻される。
そして、ブロー成形が終了すると、型締装置が作動して可動プラテン12が、図11において矢印で示される方向に、すなわち、閉の状態から開の状態に向けて移動する。なお、ブロー成形が開始されてから終了するまでの時間は、プリフォーム61や最終成形品62の材質、大きさ、肉厚等によって変化するが、ここでは、約0.2〔秒〕であるものとして説明する。この時点では、中間型支持枠21が中間型駆動シリンダ装置22によって固定金型13と閉の状態に保たれているので、図11に示されるように、射出ステーションにおいて型閉の状態が維持され、キャビティ内の樹脂の冷却が継続している。なお、中間型駆動シリンダ装置22が発生する力は、型締装置が発生する力よりも弱いが、キャビティ内の樹脂の冷却する際に型閉の状態が維持するには十分なものとなっている。
ここで、把持枠32の把持枠係合部32aは、吹込側係脱部材55の先端部と係合しているので、可動プラテン12が開の状態に向けて移動すると、ガイドバー33の軸方向にスライドし、該ガイドバー33の先端部33aに到達する。すると、前記把持枠係合部32aは、吹込側係脱部材55の先端部との係合を解除し、ガイドバー33の先端部33aと係合するので、把持枠32とガイドバー33とがロックされる。この場合、中間型支持枠21と把持枠32との間隔は、図11に示されるように距離αとなっている。
続いて、把持解除用駆動装置45が作動し、把持解除部材48が前進、すなわち、可動プラテン12に向けて移動する。これにより、図17の下半分に示されるように、把持解除部材48の突起部材48aが、把持枠32に取り付けられた成形品把持装置52の把持解除従動部材52cのノッチに進入し、把持解除従動部材52cの半割部分を横方向に押し広げる。これにより、成形品把持装置52の各スライド板52bの半割部分及び各ねじ用割型52aの半割部分も、横方向に押し広げられて分割されるので、最終成形品62の口部の把持を解除することができる。
ところで、成形品把持装置52は、図15〜17に示されるように、ねじ用割型52a及び該ねじ用割型52aが取り付けられたスライド板52bを有する。そして、前記ねじ用割型52aは、図15に示されるように、上下方向に6個並んだ列が2列形成されている。ここで、ねじ用割型52aは、内周面に雄ねじを形成するための螺旋溝が形成され、雌型部51の入口近傍部分に嵌まり込み、対応する雄型部42bとの間にプリフォーム61の口部に対応するキャビティを形成する。また、前記ねじ用割型52aは、横方向(図15における左右方向)に分割可能な構成を備え、各ねじ用割型52aの半割部分がスライド板52bの半割部分に、それぞれ、取り付けられている。前記スライド板52bは、上下方向に延在して2枚が把持枠32に取り付けられ、それぞれが横方向に分割可能な構成を備え、各スライド板52bの半割部分における上下端部分が把持枠32の溝に嵌まり込み、横方向にスライド可能に取り付けられている。そして、各スライド板52bの半割部分は、図15に示されるように、ばね部材等の付勢部材52dによって中心方向に付勢され、相互に結合するようになっている。これにより、各ねじ用割型52aの半割部分も、中心方向に付勢され、相互に結合するようになっている。なお、図15においては、説明の都合上、左半分にねじ用割型52aの半割部分及びスライド板52bの半割部分が相互に結合した状態を示し、右半分にねじ用割型52aの半割部分及びスライド板52bの半割部分が押し広げられて分割された状態を示している。
また、各スライド板52bの上下端近傍部分には、把持解除従動部材52cが取り付けられている。該把持解除従動部材52cは、横方向に分割可能な構成を備え、各把持解除従動部材52cの半割部分がスライド板52bの半割部分に、それぞれ、取り付けられている。そして、スライド板52bの半割部分が中心方向に付勢されて相互に結合すると、把持解除従動部材52cの半割部分も相互に結合し、結合箇所に、図17の上半分に示されるような楔状のノッチが形成される。該ノッチは、把持解除部材48の突起部材48aに対応する位置にあり、前記把持解除部材48が前進すると、前記突起部材48aがノッチに進入し、把持解除従動部材52cの半割部分が横方向に押し広げられるようになっている。これにより、各スライド板52bの半割部分及び各ねじ用割型52aの半割部分も、横方向に押し広げられて分割されるので、吹込ステーションにおいて、ブロー成形が終了した後、最終成形品62の口部の把持を解除することができる。なお、図17においては、説明の都合上、上半分にねじ用割型52aの半割部分、スライド板52bの半割部分及び把持解除従動部材52cの半割部分が相互に結合した状態を示し、下半分に把持解除部材48の突起部材48aが前進して把持解除従動部材52cの半割部分を押し広げ、ねじ用割型52aの半割部分、スライド板52bの半割部分及び把持解除従動部材52cの半割部分が分割された状態を示している。また、図16においては、説明の都合上、上方の把持解除部材48が前進しておらず、下方の把持解除部材48が前進し、突起部材48aが把持解除従動部材52cの半割部分を押し広げている状態を示している。
そして、可動プラテン12が、図11に示される位置から、開の状態に向けて更に移動して、型閉を開始した時の位置にまで復帰すると、図12に示されるように、可動プラテン12と把持枠32との間隔が距離βとなる。なお、射出ステーションにおいては固定金型13との型閉の状態が維持され、キャビティ内の樹脂の冷却が継続している。そして、前記距離βは、成形品取り出し装置の成形品把持部材63が進入して、可動割型14から最終成形品62を取り出す動作を行うのに十分な距離となっている。
なお、前記成形品取り出し装置は、通常の射出成形機等において成形品を取り出すために使用されるマニュピュレータ、ロボットハンド等と同様の装置である。そして、前記成形品把持部材63は、射出吹込成形機10の側方又は上方において待機しており、可動割型14から最終成形品62を取り出すタイミングになると、上下又は左右のタイバー15の間を通過して、図12に示されるように、可動割型14と把持枠32との間に進入する。続いて、前記成形品把持部材63は、可動割型14に接近し、ブロー成形用雌型58の開口部から外側(図12における右側)に突出している最終成形品62の口部を把持する。
このとき、左右の割型駆動シリンダ装置17が同期して作動し、駆動側可動部14aと従動側可動部14bとを反対方向に移動させて分割させる。また、可動底部材14eが図示されない駆動装置によって駆動されて固定底部14cからわずかに突出し、最終成形品62を突き出して離型させる。これにより、12個の最終成形品62は、すべて、駆動側可動部14a、従動側可動部14b、固定底部14c及び可動底部材14eによって構成されるブロー成形用雌型58の内面に付着することなく、成形品把持部材63によって把持される。そして、該成形品把持部材63は、12個すべての最終成形品62を把持した状態で、可動割型14から離れる方向、すなわち、把持枠32の方向に移動し、続いて、上下又は左右のタイバー15の間を通過して、射出吹込成形機10の外部に退出する。この場合、前記距離βの値が十分に大きいので、成形品把持部材63は、最終成形品62を把持した状態で可動割型14から離れる方向に移動して退出することができる。その後、最終成形品62は、成形品把持部材63によって搬送され、図示されない所定の載置場所に載置される。なお、前記成形品取り出し装置の成形品把持部材63が可動プラテン12と把持枠32との間に進入して、可動割型14から最終成形品62を取り出して射出吹込成形機10の外部に搬出するまでの時間は、成形品取り出し装置の種類、最終成形品62の大きさ等によって変化するが、ここでは、約2.0〔秒〕であるものとして説明する。
そして、最終成形品62の取り出しが終了すると、中間型駆動シリンダ装置22が作動して、中間型支持枠21が閉の状態から開の状態に向けて、すなわち、固定プラテン11から離れるように移動する。このときには、キャビティ内の樹脂は十分に冷却され、プリフォーム61が成形されている。なお、射出成形が開始されてから樹脂が十分に冷却されるまでの時間は、プリフォーム61の材質、大きさ、肉厚等によって変化するが、ここでは、約6.0〔秒〕であるものとして説明する。前記中間型支持枠21とともにコア型枠41も移動するので、雄型部42bは、固定金型13に取り付けられた雌型部51から引き出される。また、射出ステーションにおける把持枠32の把持枠係合部32aが射出側係脱部材54の先端部と係合しているので、中間型支持枠21が開の状態に向けて移動しても、把持枠32はガイドバー33の軸方向にスライドし、ねじ用割型52aは雌型部51の入口近傍部分に嵌まり込んだ状態を維持する。そして、把持枠32がガイドバー33の先端部33aに到達すると、把持枠係合部32aは、射出側係脱部材54の先端部との係合を解除し、ガイドバー33の先端部33aと係合するので、把持枠32とガイドバー33とがロックされる。
続いて、中間型支持枠21が固定プラテン11から離れるように更に移動すると、把持枠32もともに移動するので、ねじ用割型52aは雌型部51から引き出される。この場合、ねじ用割型52aの半割部分は、付勢部材52dによって中心方向に付勢され、相互に結合しているので、プリフォーム61の口部を把持している。この場合、ねじ用割型52aは内周面に雄ねじを形成するための螺旋溝を備え、前記プリフォーム61の口部には前記螺旋溝によって雄ねじが成形され、前記螺旋溝と雄ねじとが係合している。また、プリフォーム61の軸方向に力が加えられても、ねじ用割型52aによる前記プリフォーム61の口部に把持が外れることがない。したがって、前記プリフォーム61は、雌型部51の内面に付着していても、前記ねじ用割型52aによって確実に雌型部51から引き出される。
これにより、図13に示されるように、射出ステーションにおける把持枠32は、ねじ用割型52aが12個すべてのプリフォーム61を把持した状態で、固定金型13から離れた位置に到達する。なお、可動プラテン12が停止している状態で、中間型支持枠21が固定プラテン11から離れるように移動したので、可動プラテン12と把持枠32との間隔は、図12に示される距離βよりも小さくなっている。この場合、支持コラム47の中心から固定金型13までの距離、及び、支持コラム47の中心から可動割型14までの距離は、互いにほぼ等しく、支持コラム47を中心に回転枠31が回転しても、把持枠32が固定金型13及び可動割型14のいずれにも接触しない程度の距離である。
図13に示されるように、左右2つの把持枠32がガイドバー33の先端部33aにロックされた状態において把持枠32を回転させた場合、回転半径が最大となるのは、2つの把持枠32の外面(支持コラム47から離れた方の面)における上下端部分である。そのため、支持コラム47の中心から固定金型13までの距離、及び、支持コラム47の中心から可動割型14までの距離を、支持コラム47の中心から2つの把持枠32の外面における上下端部分までの距離よりも長くすれば、支持コラム47を中心に回転枠31が回転しても、プリフォーム61も含めた把持枠32が固定金型13及び可動割型14のいずれにも接触することがない。なお、支持コラム47の中心から固定金型13までの距離、及び、支持コラム47の中心から可動割型14までの距離を、支持コラム47の中心から左右の把持枠32の外面における上下端部分までの距離よりもあまり長くすることは、射出吹込成形機10の全長が長くなるので、好ましくない。
続いて、電気モータ34が作動して、図14に示されるように、支持コラム47を中心に回転枠31が回転させられる。該回転枠31は、図14において矢印で示される方向(反時計回り方向)に180度回転させられる。これにより、ねじ用割型52aがプリフォーム61を把持した把持枠32は、射出ステーションから吹込ステーションに移動し、他方の把持枠32は、吹込ステーションから射出ステーションに移動する。
なお、コア型枠41は回転しないようになっている。この場合、図3及び5に示されるように、回転枠31及びガイドバー33は、前記コア型枠41の左右外側に位置するので、回転しても前記コア型枠41及び該コア型枠41の外表面に取り付けられた把持解除用駆動装置45、延伸ロッド用駆動装置46等の部材に接触することがない。しかし、把持枠32は、左右のガイドバー33を結んでいるので、支持コラム47の中心からの距離が短いと把持枠32の内面(支持コラム47に近い方の面)が把持解除用駆動装置45、延伸ロッド用駆動装置46等に接触してしまう可能性がある。そこで、把持枠32の内面が把持解除用駆動装置45、延伸ロッド用駆動装置46等に接触することがない程度にガイドバー33の長さが設定されている。
前記2つの把持枠32がガイドバー33の先端部33aにロックされた状態において回転枠31を回転させた場合、回転半径が最小となるのは、2つの把持枠32の内面における中央部分である。一方、コア型枠41及び該コア型枠41の外表面に取り付けられた部材において、支持コラム47の中心からの距離が最も長いのは、把持解除部材48の突起部材48aの先端部分、最上位及び最下位に配設された延伸ロッド44の先端部分、最上位及び最下位に配設された雄型部42bの先端部分、延伸ロッド用駆動装置46の後方外側端部分等である。そこで、支持コラム47の中心から把持解除部材48の突起部材48aの先端部分、最上位及び最下位に配設された延伸ロッド44の先端部分、最上位及び最下位に配設された雄型部42bの先端部分、延伸ロッド用駆動装置46の後方外側端部分等までの距離よりも、支持コラム47の中心から把持枠32の内面における中央部分までの距離が長くなるようにガイドバー33の長さが設定される。この場合、該ガイドバー33の長さをあまり長くすることは、射出吹込成形機10の全長が長くなるので、好ましくない。なお、回転枠31を回転させる場合には、把持枠32がガイドバー33の先端部33aにロックされているので、回転中に前記把持枠32がガイドバー33に沿ってスライドすることがなく、支持コラム47の中心から把持枠32までの距離は一定に維持される。
そして、前記回転枠31の回転が終了すると、当初のように、射出ステーション及び吹込ステーションで型開された状態となる。これにより、1回の成形サイクルが終了する。以降は、前述の動作を繰り返して実行し、所定回数の成形サイクルが繰り返される。
このように、本実施の形態においては、コア型枠41の上側の外表面及び下側の外表面に、成形品把持装置52を作動させて把持状態を解除させるための把持解除部材48を駆動する把持解除用駆動装置45、及び、延伸ロッド44を作動させて根本部43aから突出させる延伸ロッド用駆動装置46が、それぞれ、取り付けられている。そのため、前記把持解除用駆動装置45及び延伸ロッド用駆動装置46の故障の修理、点検等を容易に短時間で行うことができる。また、コア型枠41を小型化することができるので、射出吹込成形機10全体を小型化することができる。
さらに、前記把持解除用駆動装置45及び延伸ロッド用駆動装置46が、図3に示されるように、並列に配設されているので、コア型枠41の長手方向(図3における横方向)の寸法を短縮することができる。そのため、把持枠32を支持コラム47の中心に近付けて配設することができ、把持枠32を高速で回転させることができるので、成形サイクルに要する時間を短縮することができる。さらに、振動を低減することもできる。
なお、本実施の形態においては、射出ステーションと吹込ステーションとにおいて型開のタイミングが異なる場合の動作についてのみ説明したが、射出ステーションと吹込ステーションとにおける型開のタイミングを一致させることもできる。
また、ブロー成形を行う際に、延伸ロッド44によってプリフォーム61を延伸させる場合の動作について説明したが、延伸ロッド44によるプリフォーム61を延伸を省略することもできる。
さらに、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。