JP4220236B2 - 狭いモル質量分布を有するポリ酸の利用 - Google Patents

狭いモル質量分布を有するポリ酸の利用 Download PDF

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Description

【0001】
本発明は狭いモル質量分布を有するポリ酸、あるいはポリ酸とポリ酸の塩の歯科材料における使用に関する。
【0002】
ポリ酸は1960年代の終わり頃から歯科材料で使用されている。例えばポリアクリル酸は、亜鉛ポリカルボキシレートセメント中で(D.C.Smith著、Br.Dent.J.、125(1968)、381〜384ページ)、またはガラスイオノマーセメント中(ASPA I、WilsonおよびKent著、1969、DE 2061513A)で基質として使用されている。
【0003】
亜鉛ポリカルボキシレートセメントが今に至るまでポリアクリル酸ベースであるのに対し、ガラスイオノマーセメントはポリ酸の化学組成に関してさらに発展した。
【0004】
例えばガラスイオノマーセメント中で使用するためのアクリル酸およびイタコン酸の共重合体酸については、S.Crisp、B.E.Kent、B.G.Lewis、A.J.FernerおよびA.D.Wilson著J.Dent.Res.、59(1980)1055〜1063ページから知られている。さらにアクリル酸とマレイン酸の共重合体をベースとするガラスイオノマーセメントは、EP 0024056A1から知られている。
【0005】
ポリビニルホスホン酸の使用は、例えばEP 0340016A、EP 0431440A、米国特許第5179135号、GB 2272222A、および米国特許第5601640号から知られている。
【0006】
アクリル酸およびビニルホスホン酸の共重合体酸の使用は、GB 2291060Aで開示され、アミノ酸で官能性をもたせたポリカルボン酸の使用は、米国特許第5369142号で開示されている。
【0007】
ポリ酸は通常、例えば高分子電解質セメント、特に亜鉛ポリカルボキシレートセメント、およびガラスイオノマーセメントなどの歯科材料中で、例えばおよそ30〜50%の高度に濃縮された水溶液として使用される。
【0008】
歯科用セメント中のポリ酸の全体的比率は、硬化したセメント中に最大強度を達成するため、できるだけ高くなるように選択されることが多い。他方、システムは混合および適用において、例えばカプセルなどの容器から確実に取り出せるように、可能な限り低い粘度を呈示しなくてはならない。歯科用セメント中のポリ酸の全体的含量の低下は、概して、そして特に、強化ガラスイオノマーセメント中で、硬化したセメントの機械的強度の明らかな劣化を伴う。
【0009】
これが、高いポリ酸含量において低い粘度を有する歯科用セメントに対する強い要求が存在する理由である。
【0010】
この問題の解決のための種々の開始点が、今日までに原則的には知られているが、それらには不都合がある。
【0011】
ポリ酸を粉末形態でガラスイオノマーセメントに挿入する可能性は、混合操作において、全システム中のポリ酸の溶解のために利用できる時間が、例えば数分までと非常に短いため、特に強化ガラスイオノマー充填セメントにおいて限られている。
【0012】
原則的に溶液中のポリマー粘度は、分枝鎖ポリマーの使用によって低下できる。同一分子量では、ポリマーの溶液粘度は、分枝程度の増大に伴って概してより小さくなる。これが、その液状セメントがシステムの全体的粘度に好ましく影響する、短鎖分枝鎖、長鎖分枝鎖、くし状分枝鎖、星状、高度分枝鎖または樹状ポリ酸の使用によって、低粘度の液状セメントが調製できる理由である。
【0013】
このようなポリ酸の不都合は、第1に顕著により高い合成費用、特に特定の分枝構造の製造における製造コストの増大であり、第2に分枝が増大するに連れてポリ酸の酸性基にアクセスするのがより困難になり、硬化特性に望ましくない変化が起きることである。さらに、酸性基の到達性不良からは、より低い架橋度、ひいてはセメントの強度低下が帰結する。
【0014】
ポリカルボキシレートセメントの特性に対するモル質量分布の影響の研究は、Bull.Kanagawa Dent.Coll.(1990)、18(1)、29〜32ページで明らかにされている。研究されたポリ酸は1.9〜5.9の範囲の多分散性を示した。要約すると、100,000を超える平均分子量を有し、同時に可能な限り小さい分子量分布を有するポリ(アクリル酸)で調製されたセメントの強度が、非常に良好であったことが説明されている。最後にこの分野における開発では、平均分子量と分子量分布の双方を考慮すべきことが強調されている。
【0015】
この発表の再現性を確認するための出願会社による試みからは、例えばサンプルL82に従ったポリ酸が記載されたような1.9ではなく、7.4のモル質量分布を示すことが明らかにされた。
【0016】
ガラスイオノマーセメントの特性に対するポリ酸の分子量の影響は、J.Dent.Res.(1989)、58(2)、89〜94ページで調査されている。調査されたポリ酸の多分散性は、引用された値によれば1.58〜11.50の範囲にある。値は、外部標準としてポリエチレンオキシド等価体を使用し、ゲル透過クロマトグラフィーによって得られた。
【0017】
しかしゲル透過クロマトグラフィーによる再現性の分子量および分子量分布の定量のためには、溶出時間に対してかなりの影響があることから、測定される物質と同一の基礎的化学構造を示す標準を選択することが不可欠である。(J.M.G.Lowie、Chemie und Physik der synthetischenPolymere[合成ポリマーの化学と物理(Chemistry and Physics of Synthetic Polymers)]、Vieweg Verlag、1997年、9.14章)。特に水素結合を通じて会合を形成する強い傾向を示すポリ酸などの比較的極性のポリマーでは、特に異なる化学構造を有する標準を対照にする比較測定において、重大な誤りがある測定結果が得られる可能性もある。
【0018】
これが、特に従来のセメント粉末と共に、固化セメントの硬化および物理特性を保持しながら、液状セメントの溶液粘性の低下を可能にし、ひいては混合操作中の改善された粘稠度を可能にするポリ酸を見つけることが、本発明の目的である理由である。
【0019】
この目的は、このようなモル質量分布を有するポリ酸を含む歯科材料または歯科材料調製品において、モル質量分布Mw/Mnが1.0〜1.7、好ましくは1.0〜1.5、特に好ましくは1.0〜1.3であるポリ酸、あるいはポリ酸とポリ酸の塩を使用することによって達成された。
【0020】
「Mw」という用語は本願明細書中の意味では、水性ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)の手段によって定量される重量平均分子量であると理解され、
【数1】
Figure 0004220236
(式中、nはポリマー鎖の数であり、Mはポリマー鎖のモル質量である)が当てはまる。
【0021】
「Mn」という用語は本願明細書中の意味では、水性GPCの手段によって定量される数平均分子量であると理解され、
【数2】
Figure 0004220236
(式中、nはサンプル中のポリマー鎖の総数である。)が当てはまる。
【0022】
「歯科材料」という用語は本願明細書の枠内では、特に亜鉛ポリカルボキシレートセメント、ガラスイオノマーセメントなどのセメント、または樹脂変性ガラスイオノマーセメント、およびコンポマーであると理解されるが、ただしそれらはポリ酸水溶液を用いて調合できる。
【0023】
歯科材料は硬化性材料、すなわち必要条件に従って30秒間〜30分間、好ましくは2分間〜10分間の時間で、粘性から非粘性状態に変化する材料である。
【0024】
硬化反応は、例えばセメント反応、架橋反応および/または重合反応によってもたらすことができる。
【0025】
上の意味において非粘性状態と対比される粘性状態は、スパチュラ、シリンジまたは混合カプセルなどの歯科医にはなじみ深い適用道具によって、材料が加工または適用できる場合に存在する。
【0026】
「ポリ酸」という用語は、各ポリマーの分子毎に3個を超える酸性基を示す、ポリマーおよび共重合体を意味するものと理解される。ポリマーまたは共重合体は、さらにその他の官能基も示す。本発明によるポリ酸は、個々の物質でなく、各ケースで異なるモル質量を示す非常に多様な個々の分子の混合物であるものと理解される。
【0027】
用語「酸性基」は、特にカルボン酸基、ホスホン酸基、リン酸基、またはスルホン酸基を意味するものと理解される。
【0028】
「含む(include)」および「含む(comprise)」という用語は、本発明における意味の範囲内で、包括的でない特性の列挙を導入する。「1つ」という表現は、「少なくとも1つ」という記載と同等である。
【0029】
本発明によって使用されるポリ酸は、1,000〜500,000の範囲、好ましくは2,000〜100,000の範囲、特に好ましくは5,000〜80,000の範囲のモル質量Mwを示す。
【0030】
本発明によるモル質量分布を示すポリ酸は、粘度をPK100(Haake)粘度計により23℃で定量すると、例えば水中で38〜47%の濃度と0.49〜4.23Pa.sの粘度、好ましくは水中で42〜46%の濃度と1.55〜3.11Pa.sの粘度を有する。
【0031】
これまでの情報によれば、広範な分布を有するポリ酸の高いモル質量は、セメント強度のために不可欠である一方(H.J.Posserら、J.Dent.Res.、1986、およびJ.Dent.(1977)、5(2)、117〜20ページ)、低いモル質量はポリ酸溶液の粘度を劇的に低下させる(H.G.Elias、Makromolekule[巨大分子(Macromolecules)]、第1巻、Huthing & Wepf Verlag)とされていたので、本発明によるモル質量分布によって記載の目的が達成されるという事実は意外であった。
【0032】
酸性基の到達性不良などの分枝に関連した不都合もまた、狭いモル質量分布を有する非分枝ポリ酸を使用することで、特に単純なやり方で回避できる。
【0033】
本発明によって使用できるポリ酸は、好ましくは、単独の反復単位として、あるいは追加的反復単位と共に存在する、式(1)、
−CR−CR− (1)
(式中、Cは炭素であり、
は、COOH、PO、OPO、SOであり、
は、H、CH、CまたはCHCOOHであり、
はHであり、
は、H、COOH、COOR(式中、Rは、好ましくはCH、C、C、Cである1〜12個のC原子を有する直鎖、分枝鎖または環状アルキル残基と、好ましくはフェニルまたはベンジルである6〜18個のC原子を有する置換または非置換のアリール残基と、好ましくはCHO、COR(式中、Rは好ましくはアクリルまたはメタクリルであるアシル残基を表す。)である、N、OおよびS、からなる群からの1〜5個のヘテロ原子で官能性をもたせた1〜12個のC原子を有する直鎖、分枝鎖または環状アルキル残基の群から選択される。)である。)の反復単位を示し、共重合体中の反復単位は、ポリマー主鎖に沿ってランダムにまたは交互に配列されることができる。
【0034】
式(1)の好ましい代表例は、
1.ポリアクリル酸と
【化1】
Figure 0004220236
2.30モル%を超え、好ましくは50モル%を超えるアクリル酸単位を有するポリアクリル酸共重合体と、
3.マレイン酸、メタクリル酸、フマル酸、イタコン酸、ビニルホスホン酸、ビニリデンジホスホン酸、ビニルスルホン酸またはリン酸ビニルからの30モル%を超え、好ましくは50モル%を超える単位を有するポリマーおよび共重合体と、
である。
【0035】
このためのコモノマーは、好ましくは、メタクリル酸と、マレイン酸と、無水マレイン酸と、フマル酸と、イタコン酸と、無水イタコン酸と、グルタコン酸と、シトリド酸と、シトラコン酸と、メタコン酸と、チグリン酸と、クロトン酸と、ムコン酸と、イソクロトン酸と、3−ブテン酸と、ケイ皮酸と、スチレンカルボン酸と、ビニルフタル酸と、アビエチン酸と、スチレンスルホン酸と、スチレンホスホン酸と、1−フェニルビニルホスホン酸と、ビニルホスホン酸と、ビニリデンジホスホン酸と、ビニルスルホン酸と、リン酸ビニルと、好ましくはアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、マレイン酸エステルであり、あるいは例えばマレイミド、例えばメチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、3−ヒドロキシプロピルアクリレートまたは3−ヒドロキシプロピルメタクリレートなどの対応するアミドまたはイミドである、特にアルコキシドまたはアミンまたはイミン残基中に10個までのC原子を有する記載の酸のエステルまたはアミドまたはイミドである、酸官能基とその置換誘導体を有するその他のモノマーと、の群から選択される。
【0036】
相加的にまたは排他的に、例えばエチレン、ブタジエンまたはイソプレンなどのその他のコモノマーを含めることができる。
【0037】
コモノマーはランダムにまたは交互に、好ましくはランダムに組み込める。
【0038】
優先度は同様に、部分的に鹸化されたポリアクリル酸エステル、特にポリ(アクリル酸−コ−メチルアクリレート)、ポリ(アクリル酸−コ−エチルアクリレート)、その中でプロピル残基が直鎖または分枝鎖のどちらかであることができるポリ(アクリル酸−コ−プロピルアクリレート)、その中でブチル残基が直鎖または分枝鎖のどちらかであることができるポリ(アクリル酸−コ−ブチルアクリレート、ポリ(アクリル酸−コ−フェニルアクリレート)、ポリ(アクリル酸−コ−ベンジルアクリレート)に与えられ、各例でコモノマーの結合比は1:1,000〜1,000:1である。
【0039】
現状技術に従って使用されるポリ酸は、従来のラジカル重合の手段によって調製されるのが一般的である。この過程で1.7よりもはるかに大きく、概しておよそ4〜6であるMw/Mnを有する広範なモル質量分布を有する材料が必然的に形成される。
【0040】
本発明によるモル質量分布を示す本発明によるポリ酸は、好ましくはアニオン重合、基転位重合または制御ラジカル重合を通じて調製できる。
【0041】
適切な方法を以下でより詳細に述べる。
可能な合成は、ポリ酸のエステル、対応するモノマーのリビングアニオンまたは基転位重合によって得られる本発明によるモル質量分布を有する酸、そして引き続くエステル基のポリマー類似鹸化を通じて実施される。
【0042】
「ポリマー類似反応」という用語は、本発明の意味の中で、概して重合の程度を保持したままのポリマー上の反応を意味するものと理解される。
【0043】
例えばtert−ブチルエステル、n−ブチルエステル、ベンジルエステルまたはトリメチルシリルエステルなどのポリアクリル酸のエステルは、S.P.Rannardら著Eur.Polym.J.、29、407〜414ページ(1993)、あるいはY.Morishimaら著Macromol.Chem.、RapidCommun.、2、507〜510ページ(1981)で述べられているように重合でき、引き続いてエステル基をポリマー類似のやり方で鹸化できる。
【0044】
本発明によるモル質量分布を有するポリ酸は、制御ラジカル重合の使用を通じても得られる。次のシステムに基づく重合方法が適切である。
A.GotoおよびT.Fukuda著、Macromolecules、1999年、32、618〜623ページ、あるいはKeoshkerianら著、Macromolecules、1998年、31、7559〜7561ページに記載されるようなN−オキシルラジカル重合開始剤システム。
K.Matyjaszewskiら著、Macromol.Rapid Commun.、20、341〜346ページ(1999)で述べられるような金属錯塩/ハロゲン化物システム。
【0045】
さらに別の応用可能な方法は、G.Moineauら著、Macromolecules、1998年、31、545〜547ページに記載されるような逆原子転移ラジカル重合、およびY.K.Chongら著、Macromolecules、1999年、32、2071〜2074ページで述べられるような可逆的付加断片化鎖転移(RAFT方法)である。
【0046】
ポリ酸エステルの鹸化は、従来の方法(Houben−Weyl、Methoden der organischen Chemie)に従って、狭いモル質量分布の変化なしに可能である。例えばメチル、ベンジルまたはtert−ブチルエステルは、開裂が特に容易であることから好ましい。
【0047】
本発明によるモル質量分布を有するポリ酸の最も単純な例であるポリアクリル酸は、わずか25〜30%の溶液粘度で、カルボキシレートセメントおよびガラスイオノマーセメントと同一強度を示す。この場合の数平均モル質量Mnは、例えばポリアクリル酸などの広範な分布を有する歯科材料からの従来のポリ酸に匹敵する。
【0048】
硬化性歯科材料またはセメントは、記載したポリ酸を用いて調製でき、これらの歯科材料またはセメントは、220〜250MPa(ISO 9917に従った測定)の範囲の圧縮強さ、35〜45MPa(標本長さ12mmでISO 4049に類似した測定)の範囲の曲げ強さ、および/または400〜500MPa(DIN 53456に従った測定)の範囲の表面硬さを有する。
【0049】
本発明による硬化性歯科材料で使用できる粉末/液体比は、0.7〜6.0、好ましくは1.0〜5.0、特に好ましくは1.5〜3.5の範囲で、粉末と液体とを混合して得られる。
【0050】
数平均モル質量Mnについては、異なる長さのポリマー鎖を加算平均におけるそれらの数に従って測定した(Lehrbucher der Polymerchemie[ポリマー化学マニュアル(Manuals of Polymer Chemistry)]、例えばH.G.Elias著、Makromolekule[巨大分子(Macromolecules)]第1巻、Huthing & Wepf−Verlag)。
【0051】
本発明による使用できるポリ酸の塩のカチオンは、アルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素、亜鉛、アルミニウム、スカンジウム,イットリウムまたはランタンの群から選択される。この関連では、Na、CaおよびAlの塩が好ましい。
【0052】
本発明の枠内で述べられるポリ酸は、高いモル質量分布を有するポリ酸が使用される現状技術からの歯科材料と比較して、硬化歯科材料の物理パラメーターを保持しながら、粘度を低下させるために歯科材料中で使用される。特に表面硬さに加えて圧縮強さおよび曲げ強さは低下せず、多くの場合さらに改善され、混合された歯科材料の粘度は硬化開始前に低下する。
【0053】
十分に可溶性であるならば、ポリ酸、あるいはポリ酸の塩は、適用分野に従って、液体として、あるいは例えば凍結乾燥または噴霧乾燥を通じて得られる固形物として使用できる。
【0054】
本発明の枠内で好ましい歯科材料は、コンポマーなどの単一構成要素、あるいは液体構成要素が固形構成要素とは別に保管され、適用直前に混合されるカルボキシレートセメント、ガラスイオノマーセメント、および樹脂変性ガラスイオノマーセメントなどの2つ以上の構成要素のどちらかから調合される。
【0055】
特別な優先度はセメントに与えられ、例えばガラスイオノマーセメントの場合、次の成分を含むことができる。
(A)本発明によるモル質量分布を有する1〜60重量%、好ましくは5〜40重量%、特に好ましくは10〜30重量%のポリ酸、あるいはポリ酸とポリ酸の塩、
(B)35〜80重量%、好ましくは50〜70重量%の充填剤、
(C)0〜20重量%、好ましくは1〜10重量%の添加剤および助剤、
(D)5〜40重量%、好ましくは9〜30重量%の水。
【0056】
構成要素(B)の「充填剤」という用語は、主に反応性または非反応性固形物を意味する。
【0057】
適切な例は、DE 2061513A1、DE 2065824A1からの反応性フルオロアルミノケイ酸塩ガラス、あるいはDE 2929121A1で述べられるような平均的組成物と比較して表面のカルシウムイオンが欠乏している反応性ガラスである。
【0058】
後者のガラスが特に好ましく、次の組成物、ならびに全部で0〜20重量%の酸化物として計算されたB、Bi、Zn、Mg、Sn、Ti、Zr、Laまたはその他の三価のランタニド、そして特性を損なわず生理的に完全に無害であるK、W、Ge、およびその他の添加剤を呈示できる。
【0059】
【表1】
Figure 0004220236
【0060】
さらに上述の反応性ガラスに加えて、石英などの不活性充填剤が使用できる。
【0061】
「構成要素(C)」という用語は、例えばDE 2319715A1から知られるような硬化を促進し改善する添加剤と理解される。好ましくは酒石酸などの低分子量酸分子の形態のキレート剤が添加される。
【0062】
例えばガラスイオノマーセメント分野でありふれた、混和性を改善するための着色顔料およびその他の助剤もまた「構成要素(C)」に入るものと理解される。
【0063】
従来のガラスイオノマーセメント中での使用とは別に、本発明によるモル質量分布を有するポリ酸は、カルボキシレートセメント中で使用するのにも適している。
【0064】
これに関しては、組成物は例えば次の成分を含む。
(A)本発明によるモル質量分布を有する1〜60重量%、好ましくは5〜40重量%、特に好ましくは10〜30重量%のポリ酸、あるいはポリ酸とポリ酸の塩、
(C)0〜20重量%、好ましくは1〜10重量%の添加剤および助剤、
(D)10〜40重量%、好ましくは15〜30重量%の水
(E)30〜80重量%、好ましくは44〜70重量%の酸化亜鉛。
【0065】
本発明によるモル質量分布を有するポリ酸を含むコンポマーまたは樹脂変性ガラスイオノマーセメントは、例えば次の構成要素を含む。
(A)本発明によるモル質量分布を有する1〜75重量%、好ましくは2〜69.9重量%、特に好ましくは10〜30重量%のポリ酸、あるいはポリ酸とポリ酸の塩、
(D)5〜40重量%、好ましくは10〜30重量%の水、
(F)8.9〜70重量%、好ましくは10〜60重量%の1つ以上のラジカル重合性モノマー、
(G)10〜90重量%、好ましくは15〜87.9重量%の充填剤、
(H)0.1〜5重量%、好ましくは0.5〜3重量%の重合開始剤、任意に活性剤、
(I)0〜30重量%、好ましくは0.1〜20重量%の添加剤、任意に顔料、チキソトロープ剤、可塑剤。
【0066】
好ましくはアクリレートおよび/またはメタクリレートをベースとする、単−、二−または多官能性エチレン性不飽和化合物が構成要素(F)として使用される。これらは低分子および多分子オリゴマーまたは高分子量アクリレートの双方を含むことができる。さらにそれらは調合物中において単独で、または混合物として使用できる。
【0067】
適切なモノマーは、例えば単−、二−または多官能性アルコールのアクリルおよびメタクリル酸エステルである。次のような例がある。2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート(TEGDMA)、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート、およびトチリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート。
【0068】
有利に使用できるその他のものは、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレートおよびそれから誘導されるエトキシ化またはプロポキシ化ジ(メタ)アクリレートである。さらにビスフェノールA(メタ)アクリレートと、グリシジル(メタ)アクリレートと、あるいはイソシアン酸塩の付加から生じるそれらの誘導体とをベースとする米国特許第3066112A号で述べられるモノマーも適切である。
【0069】
ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンのジアクリルおよびジメタクリル酸エステルについては、DE 2816823C1で記載されており、1〜3個のエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシド単位によって延長されたビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン化合物のジアクリルおよびジメタクリル酸エステルが、特に適している。
【0070】
7,7,9−トリメチル−4,13−ジオキソ−5,12−ジアザヘキサデカン−1,16−ジオキシジメタクリレート(UDMA)などのウレタン(メタ)アクリレートが、この構成要素の成分であることができる。
【0071】
構成要素(G)に従った充填剤は、無機充填剤、例えば石英、ガラス粉末、CaFなどの水不溶性フッ化物、特に発熱性シリカゲルなどのシリカゲルおよびケイ酸と、それらの顆粒であることができる。クリストバライト、ケイ酸カルシウム、ケイ酸ジルコニウム、分子ふるいをはじめとするゼオライト、酸化アルミニウムまたは酸化亜鉛などの金属酸化物の粉末あるいはそれらの混合酸化物、硫酸バリウム、フッ化イットリウムまたは炭酸カルシウムも充填剤として使用できる。
【0072】
例えばDE 4445266A1に記載されるような一般式AMF(式中、Aは一価または多価カチオンを表し、MはIII、IVまたはVの主族または亜族からの金属を表し、nは1〜3の整数を表し、mは4〜6の整数を表す。)の無機フッ化物錯体であるフッ化物放出充填剤を使用または添加できる。
【0073】
有機充填剤がこの構成要素の成分であることもできる。
【0074】
例としては、例えば「Plexidon」または「Plex」の名称の下にRohmから入手できる、メチルメタクリレートをベースとする従来の真珠形ポリマーおよび共重合体がある。
【0075】
ポリマーマトリックス内への改善された組み入れのためには、シラン、記載の充填剤、および任意にX線不透過性の添加剤を使用して、疎水性にすることが有利かもしれない。使用されるシランの量は、無機充填剤に対して通常0.5〜10重量%、好ましくは1〜6重量%、非常に特に好ましくは無機充填剤に対して2〜5重量%の量である。通常の疎水性化剤は、例えばトリメトキシメタクリルオキシプロピルシランなどのシランである。
【0076】
好ましくは無機質の充填剤の最大平均粒度は、通常15μm、特に8μmである。<3μmの平均粒度を有する充填剤が、非常に特に好ましくは使用される。
【0077】
構成要素(H)に従った「重合開始剤」という用語は、例えば光重合開始剤および/または酸化還元重合開始剤システムとして知られるものおよび/または熱重合開始剤などのモノマーのラジカル重合をもたらす重合開始剤システムであると理解される。
【0078】
適切な光重合開始剤の例は、二級および三級アミンと組み合わせたカンホルキノンなどのα−ジケトン、あるいは2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシドおよびビス(2,6−ジクロロベンゾイル)(4−n−プロピルフェニル)ホスフィンオキシドなどのモノ−およびビスアシルホスフィンオキシドである。しかしEP 0073413A1、EP 0007508A1、EP 0047902A1、EP0057474A1、およびEP 0184095A1に記載されるようなこのタイプのその他の化合物も適切である。
【0079】
「活性剤」と組み合わせた有機過酸化物化合物は、酸化還元重合開始剤システムとして適切である。特に有機過酸化物化合物として、ラウロイルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、p−クロロベンゾイルペルオキシド、およびp−メチルベンゾイルペルオキシドなどの化合物が適切である
【0080】
例えば米国特許第3541068号から知られるN,N−ビス(ヒドロキシアルキル)−3,5−キシリジン、およびDE 2658530A1から知られるN,N−ビス(ヒドロキシアルキル)−3,5−ジ(tert−ブチル)アニリン、特にN,N−ビス(β−ヒドロキシブチル)−3,5−ジ(tert−ブチル)アニリン、およびN,N−ビス(ヒドロキシアルキル)−3,4,5−トリメチルアニリンなどの三級芳香族アミンが活性剤として適切である。
【0081】
高度に適切な活性剤は、DE 1495520A1で述べられるバルビツール酸およびバルビツール酸誘導体、およびEP 0059451A1で述べられるマロニルスルファミドである。好ましいマロニルスルファミドは2,6−ジメチル−4−イソブチルマロニルスルファミド、2,6−ジイソブチル−4−プロピルマロニルスルファミド、2,6−ジブチル−4−プロピルマロニルスルファミド、2,6−ジメチル−4−エチルマロニルスルファミド、および2,6−ジオクチル−4−イソブチルマロニルスルファミドである。
【0082】
さらなる促進のために、これに関する重合は好ましくは、重金属化合物およびイオノゲンハロゲンまたは擬ハロゲンの存在下で実施される。銅が重金属として特に適切であり、塩化物イオンがハロゲン化物として特に適切である。重金属は可溶性有機化合物の形態で適切に使用される。同様にハロゲン化物および擬ハロゲン化物イオンは、可溶性塩の形態で適切に使用され、その例は、可溶性塩酸アミンおよび四級塩化アンモニウム化合物である。
【0083】
本発明による歯科材料が、有機過酸化物および活性剤から形成された酸化還元重合開始剤システムを含む場合、過酸化物および活性剤は、好ましくは互いに空間的に隔てられ使用直前に初めて互いに均質に混合される、本発明による歯科材料の一部に存在する。有機過酸化物、銅化合物、ハロゲン化物、およびマロニルスルファミドおよび/またはバルビツール酸が並んで存在する場合、有機過酸化物、マロニルスルファミドおよび/またはバルビツール酸、および銅化合物/ハロゲン化物の組み合わせが、互いに空間的に隔てられた3つの成分中に存在することが特に実用にかなう。例えば上述のやり方で、各例で少量の充填剤または特にシラン処理ケイ酸などのチキソトロープ剤、および例えばフタレートなどの可塑剤と共に、銅化合物/ハロゲン化物の組み合わせ、重合性モノマー、および充填剤をペーストに混練でき、その他の構成要素を2つの別個のペーストに混練できる。他方、重合性モノマーは、有機過酸化物および充填剤と共に存在することもできる。代案としては、有機過酸化物、銅化合物、ハロゲン化物およびマロニルスルファミドおよび/またはバルビツール酸は、DE 19928238A1に従って分割できる。
【0084】
例えば材料の可撓性を増大させるするために、構成要素(I)の代表例として可溶性有機ポリマーが使用できる。例えばポリ(酢酸ビニル)および塩化ビニル/酢酸ビニル、塩化ビニル/ビニルイソブチルエーテルおよび酢酸ビニル/マレイン酸ジブチルエーテルベースの共重合体が適している。例えばジブチル、ジオクチルおよびジノニルフタレートまたはアジペートおよび多分子ポリフタル酸およびアジピン酸エステルが、追加的可塑剤として高度に適している。チキソトロープ剤として発熱性のケイ酸に加えて、例えば改質層状ケイ酸塩(ベントナイト)または硬化ヒマシ油べースの有機変性剤も使用できる。さらに調合物中に、EP 0374824A1に記載される構成要素(d)のような阻害剤も添加剤として含めることができる。
【0085】
さらに本発明によるモル質量分布を有するポリ酸、あるいはポリ酸とポリ酸の塩を含む歯科材料を含む、例えばカプセル、ブリスターパック、適用シリンジまたはカニューレなどの容器は、本発明の対象である。
【0086】
本発明を限定することを意図しない実施例の手段によって、本発明を引き続き説明する。
【0087】
これに関してRID6a屈折率検出器(Shimadzu)を装着した水性ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)によって、pH7でポリアクリル酸ナトリウム塩標準に対して、モル質量分布の定量を実施した。ポリアクリル酸ナトリウム塩標準(PSS)をキャリブレーションのために使用した。係数0.766を使用して、測定値を遊離ポリアクリル酸に変換した。測定は23℃で実施した。
【0088】
ここでは200ppmのアジ化ナトリウムも添加した、0.9重量%硝酸ナトリウム水溶液である溶剤中の0.05%水溶液としてサンプルを測定した。水酸化ナトリウムを添加して溶液をpH7に調節した。
【0089】
Hema3000、HemaBio1000、およびHemaBio40(PSS)のカラムの組み合わせを使用して670,000g/モルまでの最大分子量を測定した。Suprema1000、Hema3000、およびHemaBio1000(PSS)のカラムの組み合わせを使用して、1,100,000g/モルまでの最大分子量を測定した。
【0090】
合成実施例1
ポリアクリル酸(a)の調製
アルゴン雰囲気下、反応フラスコ内で、0.65gのメチル2−ブロモプロピオン酸、0.28gの臭化銅(I)、0.02gの臭化銅(II)、0.35gのN,N,N’,N″,N″−ペンタメチルジエチレントリアミン(PMDETA)、および100gのtert−ブチルアクリレートの混合物を100mlのジメチルホルムアミドに溶解して70℃に加熱した。H NMR分光法を使用して、重合反応をモニターした。24時間後、調製品は実質的に完全に重合した。
【0091】
混合物を500mlのトルエンに溶解した後、希釈塩酸と水による洗浄を実施し、有機相を引き続き濃縮した。
【0092】
エステル基を開裂するために、得られたポリマーを500mlのジオキサンに溶解し、100℃で過剰な濃塩酸と共に5時間加熱した。ジエチルエーテルによる繰り返しの抽出、ロータリーエバポレータ上での濃縮し、最後に水の添加によってジオキサンおよび塩酸を除去した。ポリアクリル酸は無色の水溶液として得られ、それを表1に示す濃度(1%塩化リチウム存在下での水酸化リチウムによる滴定)に調節した。
【0093】
合成実施例2
ポリアクリル酸(b)の調製
アルゴン雰囲気下、反応フラスコ内で、1.22gのメチル2−ブロモプロピオン酸、0.102gの臭化銅(I)、0.250gのPMDETA、および87gのメチルアクリレートの混合物を80℃に加熱した。15時間後、調製品は実質的に完全に重合した。調製品を500mlのトルエンに溶解し、希釈塩酸と水で抽出した。有機相を濃縮した。
【0094】
生成物を500mlのジオキサンに溶解し、100mlの4Nカリウム水酸化物溶液で処理した。80℃での5時間の加熱後にエステル鹸化が完了した。つぶつぶのある混合物を水で希釈し、酸性イオン交換体で処理した。ジエチルエーテルによる繰り返しの抽出、および水を添加しての真空下での濃縮により、ポリアクリル酸の黄色水溶液が得られた。
【0095】
pH7でポリアクリル酸ナトリウム塩標準に対する水性GPCによって、モル質量分布の定量を実施した。
【0096】
合成実施例3
ポリ(アクリル酸−コ−ブチルアクリレート)(c)調製
アルゴン雰囲気下、反応フラスコ内で、89.8gのn−ブチルアクリレート、0.288gの2,2,6,6−テトラメチル−1−(α−フェネトキシ)ピペリジン(TEMPEP)、0.64gのα−D−(+)−グルコースおよび0.64gの炭酸水素ナトリウムを共に混合し、145℃に5時間加熱し、その間に40%の重合転換が達成された。調製品を真空下で濃縮し、数回にわたりメタノールで抽出した。ポリマーは無色の油として得られた。
【0097】
部分的鹸化のため、16.4gのポリ(ブチルアクリレート)を160mlのエタノールに溶解し、10mlの水および10.4gの水酸化ナトリウムで処理した。調製品を50℃で24時間撹拌し、その間ポリマーの沈殿を防止するために、水を何度かに分けて添加した。反応転換率は96%であった。
【0098】
反応溶液を水で希釈し、酸性イオン交換体で処理した。引き続きジエチルエーテルで抽出を行って、水性相をロータリーエバポレータ上で濃縮した。結合比が96:4でアクリル酸の方が多い(H NMR)ポリ(アクリル酸−コ−ブチルアクリレート)のわずかに黄色みを帯びた水溶液が得られた。
【0099】
水性GPCによって、pH7でモル質量分布の定量を実施した。
【0100】
合成実施例4
ポリアクリル酸ナトリウム(a)の調製
撹拌および冷却しながら、合成実施例1に従ったポリアクリル酸の40%水溶液80gを17.8g(1等量)の水酸化ナトリウムの水溶液50mlで処理した。調製品を周囲温度でさらに3時間撹拌し、引き続きロータリーエバポレータ上で乾燥するまで濃縮した。ポリマーの塩を乳鉢中で粉砕し、乾燥炉内で110℃で恒量に乾燥した。
【0101】
合成実施例5
ポリアクリル酸(e)のナトリウム塩の調製
合成実施例2と同様にして合成を実施した。
【0102】
水性GPCによりpH7でポリアクリル酸ナトリウム塩標準に対して、モル質量分布の定量を実施した。
【0103】
使用例
調製例に従ったポリ酸を歯科用カルボキシレートセメントおよびガラスイオノマーセメントの適用において試験した。
【0104】
固化セメントの圧縮強さ測定のため使用した手順は、ISO9917標準の手順であった。ISO4049標準を使用して曲げ強さを定量したが、その中で長さ12mmの試験標本を使用した。各例で圧縮強さおよび曲げ強さ双方の測定を一連の5個の試験標本で実施し、その中で相対誤差は測定値あたりおよそ+/−10%であった。表面硬さはDIN 53456に従って定量した。
【0105】
HaakeからのPK100粘度計によって23℃で、ポリ酸水溶液の粘性を測定した。
【0106】
1重量%の塩化リチウム存在下、水酸化リチウムによる滴定で濃度を定量した。
【0107】
90重量%を超える酸化亜鉛を含むカルボキシレートセメントDurelon(登録商標)(ESPE Dental AG、Seefeld、Germany)の粉末部分、またはカルシウムストロンチウムフルオロアルミノケイ酸塩ガラス(ガラスイオノマーセメントガラス)(Diamond Carve Powder、Kemdent、England)をベースとする標準ガラスイオノマー粉末のどちらかと共に、記載のポリ酸をスパチュラ操作した。各例で比較例として前述したモル質量分布Mw/Mn=5.0を有するポリ酸である製品Durelon(登録商標)の液体を使用した。結果を表2にまとめる。
【0108】
【表2】
Figure 0004220236
【0109】
本発明によるモル質量分布を示すポリ酸の粘度は、匹敵する濃度および匹敵する数平均分子量Mnで、比較例よりも低かった。
【0110】
【表3】
Figure 0004220236
【0111】
本発明によるモル質量分布を有するポリ酸を含む歯科材料の強度は、比較材料の値と同一範囲である。
【0112】
本発明による歯科材料の表面硬さは、ガラスイオノマーセメントガラスを使用した場合、400〜500Mpaの範囲であり、ひいては比較ポリ酸の使用時と同レベルである。
【0113】
要約すると、本発明によるモル質量分布を有するポリ酸によって、現状技術の材料と比較して、低粘度で強度に変化がない歯科材料調合物が可能になる。

Claims (9)

  1. 1.0〜1.7のモル質量分布Mw/Mnを有する少なくとも1つのポリ酸、あるいは少なくとも1つのポリ酸と少なくとも1つのポリ酸の少なくとも1つの塩を含む硬化性歯科材料であって、
    前記ポリ酸は1,000〜500,000の範囲の分子量Mwを示し、前記ポリ酸はアニオン重合、基転位重合または制御ラジカル重合を通じて調製されることができ、かつ、
    前記ポリ酸は、単独の反復単位として、あるいは追加的反復単位と共に存在する、以下の式(1)
    −CR−CR−(1)
    (式中、Cは炭素であり、
    は、COOH、PO、OPO、またはSOであり、
    は、H、CH、C、またはCHCOOHであり、
    はHであり、
    は、H、COOH、またはCOOR(式中、Rは1〜12個のC原子を有する直鎖、分枝鎖または環状アルキル残基と、6〜18個のC原子を有する置換または非置換アリール残基と、N、O、およびSからなる群より選択される1〜5個のヘテロ原子で官能性を持たせた1〜12個のC原子を有する直鎖、分枝鎖または環状アルキル残基とからなる群より選択される。)である。)の反復単位を含み、共重合体中の反復単位がポリマー主鎖に沿ってランダムにまたは交互に配列されることができる、硬化性歯科材料。
  2. 前記ポリ酸が、直鎖、非分枝、および非架橋である、請求項1に記載の硬化性歯科材料。
  3. 前記ポリ酸が、ポリアクリル酸、ポリ(アクリル酸−alt−マレイン酸)、コモノマー結合比1:1,000〜1,000:1を有するポリ(アクリル酸−コ−マレイン酸)、コモノマー結合比1:1,000〜1,000:1を有するポリ(アクリル酸−コ−イタコン酸)、コモノマー結合比1:1,000〜1,000:1を有するポリ(アクリル酸−コ−フマル酸)、および部分的に鹸化されたポリアクリル酸エステルからなる群より選択される、請求項1または2に記載の硬化性歯科材料。
  4. (A)1.0〜1.9のモル質量分布Mw/Mnを有する1〜60重量%のポリ酸、あるいはポリ酸とポリ酸の塩と、
    (B)35〜80重量%の充填剤と、
    (C)0〜20重量%の添加剤および助剤と、
    (D)5〜40重量%の水と、
    を含み、前記ポリ酸がアニオン重合、基転位重合、または制御ラジカル重合を通じて調製されることができる、硬化性歯科材料であって、
    前記ポリ酸が、単独の反復単位として、あるいは追加的反復単位と共に存在する、以下の式(1)
    −CR−CR−(1)
    (式中、Cは炭素であり、
    は、COOH、PO、OPO、またはSOであり、
    は、H、CH、C、またはCHCOOHであり、
    はHであり、
    は、H、COOH、またはCOOR(式中、Rは1〜12個のC原子を有する直鎖、分枝鎖または環状アルキル残基と、6〜18個のC原子を有する置換または非置換アリール残基と、N、O、およびSからなる群より選択される1〜5個のヘテロ原子で官能性を持たせた1〜12個のC原子を有する直鎖、分枝鎖または環状アルキル残基とからなる群より選択される。)である。)の反復単位を含み、共重合体中の反復単位がポリマー主鎖に沿ってランダムにまたは交互に配列されることができる、硬化性歯科材料。
  5. (A)1.0〜1.7のモル質量分布Mw/Mnを有する1〜60重量%のポリ酸、あるいはポリ酸とポリ酸の塩と、
    (C)0〜20重量%の添加剤および助剤と、
    (D)10〜40重量%の水と、
    (E)30〜80重量%の酸化亜鉛と、
    を含み、ポリ酸がアニオン重合、基転位重合、または制御ラジカル重合を通じて調製されることができる、硬化性歯科材料であって、
    前記ポリ酸が、単独の反復単位として、あるいは追加的反復単位と共に存在する、以下の式(1)
    −CR−CR−(1)
    (式中、Cは炭素であり、
    は、COOH、PO、OPO、またはSOであり、
    は、H、CH、C、またはCHCOOHであり、
    はHであり、
    は、H、COOH、またはCOOR(式中、Rは1〜12個のC原子を有する直鎖、分枝鎖または環状アルキル残基と、6〜18個のC原子を有する置換または非置換アリール残基と、N、O、およびSからなる群より選択される1〜5個のヘテロ原子で官能性を持たせた1〜12個のC原子を有する直鎖、分枝鎖または環状アルキル残基とからなる群より選択される。)である。)の反復単位を含み、共重合体中の反復単位がポリマー主鎖に沿ってランダムにまたは交互に配列されることができる硬化性歯科材料。
  6. (A)1.0〜1.7のモル質量分布Mw/Mnを有する1〜75重量%のポリ酸、あるいはポリ酸とポリ酸の塩と、
    (D)5〜40重量%の水と、
    (F)8.9〜70重量%の1つ以上のラジカル重合性モノマーと、
    (G)10〜90重量%の充填剤と、
    (H)0.1〜5重量%の重合開始剤および任意に活性剤と、
    (I)0〜30重量%の添加剤、任意に顔料、チキソトロープ剤、可塑剤と、
    を含み、ポリ酸がアニオン重合、基転位重合、または制御ラジカル重合を通じて調製されることができる、硬化性歯科材料であって、
    前記ポリ酸が、単独の反復単位として、あるいは追加的反復単位と共に存在する、以下の式(1)
    −CR−CR−(1)
    (式中、Cは炭素であり、
    は、COOH、PO、OPO、またはSOであり、
    は、H、CH、C、またはCHCOOHであり、
    はHであり、
    は、H、COOH、またはCOOR(式中、Rは1〜12個のC原子を有する直鎖、分枝鎖または環状アルキル残基と、6〜18個のC原子を有する置換または非置換アリール残基と、N、O、およびSからなる群より選択される1〜5個のヘテロ原子で官能性を持たせた1〜12個のC原子を有する直鎖、分枝鎖または環状アルキル残基とからなる群より選択される。)である。)の反復単位を含み、共重合体中の反復単位がポリマー主鎖に沿ってランダムにまたは交互に配列されることができる、硬化性歯科材料。
  7. アニオン重合、基転位重合、または制御ラジカル重合を通じて調製されることができ、1.0〜1.7のモル質量分布Mw/Mnを有するポリ酸、あるいはポリ酸と少なくとも1つのポリ酸の少なくとも1つの塩の、硬化性歯科材料の調製における使用であって、
    前記ポリ酸が、単独の反復単位として、あるいは追加的反復単位と共に存在する、式(1)、
    −CR−CR−(1)
    (式中、Cは炭素であり、
    は、COOH、PO、OPO、またはSOであり、
    は、H、CH、C、またはCHCOOHであり、
    はHであり、
    は、H、COOH、またはCOOR(式中、Rは1〜12個のC原子を有する直鎖、分枝鎖または環状アルキル残基と、6〜18個のC原子を有する置換または非置換アリール残基と、N、O、およびSからなる群より選択される1〜5個のヘテロ原子で官能性を持たせた1〜12個のC原子を有する直鎖、分枝鎖または環状アルキル残基とからなる群より選択される。)である。)の反復単位を含み、共重合体中の反復単位がポリマー主鎖に沿ってランダムにまたは交互に配列されることができる、使用。
  8. 硬化した歯科材料の圧縮強さ、曲げ強さ、および表面硬さを保持しながら、未だに混合されていない歯科材料構成要素または混合された歯科材料の粘度の低下をもたらす、請求項7に記載の使用。
  9. アニオン重合、基転位重合、または制御ラジカル重合を通じて調製されることができ、1.0〜1.7のモル質量分布Mw/Mnを有する少なくとも1つのポリ酸、あるいは少なくとも1つのポリ酸と少なくとも1つのポリ酸の少なくとも1つの塩を含む、少なくとも1つの硬化性歯科材料を含む容器であって、
    前記ポリ酸が、単独の反復単位として、あるいは追加的反復単位と共に存在する、式(1)、
    −CR−CR−(1)
    (式中、Cは炭素であり、
    は、COOH、PO、OPO、またはSOであり、
    は、H、CH、C、またはCHCOOHであり、
    はHであり、
    は、H、COOH、またはCOOR(式中、Rは1〜12個のC原子を有する直鎖、分枝鎖または環状アルキル残基と、6〜18個のC原子を有する置換または非置換アリール残基と、N、O、およびSからなる群より選択される1〜5個のヘテロ原子で官能性を持たせた1〜12個のC原子を有する直鎖、分枝鎖または環状アルキル残基とからなる群より選択される。)である。)の反復単位を含み、共重合体中の反復単位がポリマー主鎖に沿ってランダムにまたは交互に配列されることができる、容器。
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