JP4220210B2 - リモートコントロールシステム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、遠隔操作に使用されるリモコンの電池消費を軽減し、リモコン内部に必要最小限の電池のみを搭載することで、簡素化した形状のリモコンを提供することを目的とする非接触リモートコントロール制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のリモートコントロールシステムは主に赤外LEDと赤外リモコン用の受光ICで、一致した搬送波の伝送信号を変復調し通信する方式である。図8は、赤外線通信に必要な可視光カットフィルタの設置図である。30はリモコン側可視光カットフィルタ、31は制御機器側可視光カットフィルタである。リモコン側可視光カットフィルタ30及び制御機器側可視光カットフィルタ31は、製品の筐体表面に大きな占有率があり、また通信信頼性確保のための設置位置制約もある。(例えば、非特許文献1参照。)
【0003】
【非特許文献1】
谷 善平著 「改訂オプトデバイス応用ノウハウ」
CQ出版社1992年12月1日改訂第一版
P245−P260
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この方式ではリモコンに赤外LEDを発光させるめの発光電流やリモコンの動作を制御するCPUを中心とした制御回路で消費される電源を、電池を搭載して供給する必要があり、電池の寿命や廃棄の問題、さらにはこれを搭載するためのスペースや可視光カット用のフィルタの使用など、機器の意匠製を煩雑にする問題が存在している。 また、電池を交換する行為を、使用者に限定せざる得ないため、使用者に電池交換の負担を強いなくてはならなかった。
また、一般電池の容量特性は科学的な物質の特性に依存するため、低温環境下では内部インピーダンスが上昇し、必要な電源容量を引き出すことができないうちに、リモコン内部に設けた電池電圧検出回路部で寿命検出され、電池寿命が短くなるなどの不具合を生じる可能性を秘めており、品質を確保するための製品評価などの負担が大きいことも問題であった。
【0005】
【課題を解決するための手段及び作用及び効果】
上記課題を解決するために本発明では、赤外通信に変わり、非接触式ICカードなどに使用されるバッテリーレスICカードの半導体チップを利用し無線通信を行うことで、リモコンの形状の小型化、意匠性の向上、通信信頼度の向上を実現し、リモコンの価値を高める。更には制御対象機器からの搬送波を電力変換して自身の動作電源を生成することで、搬送波の送信に必要な電力の消費を必要最小限にし、リモコンに搭載する電池を補助電源程度の使用にとどめ、使用者に電池交換をさせないことで快適性を提供する。また、ICカード半導体チップの無線部CPUをリモコン本来の動作シーケンスをつかさどるリモコンCPUと一体化したり、リモコンスイッチ各々にICカード半導体チップを個別に使用して独立制御させ、配線パターンを簡素化することで電気部品費用を削減し、リモコンの製造原価を飛躍的にダウンさせることで使い捨てを可能とする技術を提供する。
【0006】
【発明実施の形態】
請求項1若しくは請求項3記載の発明においては、搬送波を発受信する搬送波発受信手段を搭載した制御対象機器と、該搬送波発受信手段から発信された搬送波を着信し、変復調をかけ返信する搬送波受信・反射手段を有するリモコンとから構成した。制御対象機器からの搬送波で自身の動作電源を生成することで、使用電力量を減らし、電池寿命や産廃の問題を軽減することを目的としている。アンテナに入射された搬送波は、整流ダイオードで一方向に整流され、コイルにチャージされ、平滑コンデンサによって直流電圧に変換される。この直流電圧を無線半導体チップ部の動作電源に供給する。直流電圧を電池とあわせて使用することで、リモコンの電池容量を軽減することが可能である。また、制御対象機器の保有する搬送波を発受信する発受信手段は、制御対象機器に搭載した人体検出センサの検出信号をトリガにして無線送信を開始するものである。リモコンが制御対象機器の近くに設置される用途の場合、人体検出センサのON検出信号をトリガにして無線送信を開始することで、制御対象機器から常時無線信号を発信による無線障害を引き起こす可能性を軽減でき、また制御対象機器の電力も無駄に必要としない。更には、人体検出センサのOFF検出信号をトリガにして無線送信を停止することで制御対象機器の省エネにもなる。また、制御対象機器側で人が入ってきたことを検知して無線信号を送信し、リモコンが受けてウェイクアップし動作状態に移行することで電池消耗に対し最適な動作が可能となる。
【0007】
請求項2記載の発明においては、搬送波を発受信する搬送波発受信手段は、非接触式ICカードとの通信を行うカードリーダライタの構成を改良して使用し、無線搬送波を発信した状態で、リモコン側の返信を待つ。リモコンには、制御対象機器から発信される搬送波はリモコンに搭載された半導体チップに構成されたアンテナに入射しているが、アンテナが開放された状態では100%同相で反射される。一方この状態で、利用者がリモコンスイッチを操作するとCPUが起動しアンテナの経路をON/OFFし、終端あるいは短絡させる。アンテナが短絡されると100%逆相で反射される。アンテナを伝送路と同じインピーダンスで終端すると、入射波の反射はなくなる。この特性を生かして、信号源から発射された搬送波を変調し反射させることで、リモコンが保有する情報を返信することができる。制御対象機器は、リモコンからの情報を自身が発信する無線搬送波が、上記の仕組みで負荷変調されて戻ってくることで認識する。ウェイクアップの方法は、制御対象機器から最初に搬送波だけをリモコンに送出することにより、起動回路を動作させ、無線部CPUをスリープ状態から動作状態にする。一定時間以上、搬送波が来なかった場合、無線部CPUはスリープモードに入り低消費状態となる。
また、制御対象機器の保有する搬送波を発受信する発受信手段は、制御対象機器に搭載した人体検出センサの検出信号をトリガにして無線送信を開始することで、制御対象機器から常時無線信号を発信による無線障害を引き起こす可能性を軽減でき、また制御対象機器の電力も無駄に必要としない。
また、制御対象機器側で人が入ってきたことを検知して搬送波を送信し、リモコンが受けてウェイクアップし動作状態に移行することで電池消耗に対し最適な動作が可能となる。
【0008】
請求項4記載の発明においては、リモコンに複数個の非接触式ICカード用の半導体チップを搭載し、リモコンスイッチのある部分を独立して半導体チップのみで制御する。
一方、表示部を含む残りのリモコンスイッチ部に関しては、非接触式ICカード用の半導体チップに内蔵された無線CPUで、本来必要とされるリモコンのメイン制御プログラムの処理も同時に行うことで、本来のリモコンCPUを廃止し、回路を簡素化することで電気部品費を削減させた。
【0013】
【実施例】
以下に本発明の実施例を、添付図面により説明する。
図1は、リモコンが制御対象機器の近くに設置される用途の場合の、リモートコントロール制御装置の構成図である。図において1は衛生洗浄便座、2は無線搬送波を発受信する搬送波発受信装置、3は無線搬送波に変復調をかけ返信する搬送波反射手段、4はリモコン、5は電源生成部(搬送波反射手段に内蔵)、6は整流ダイオード、7はコイル、8は平滑コンデンサ、9は直流電圧、20はアンテナである。無線搬送波を発受信する発受信装置2を搭載した衛生洗浄便座1は、非接触式ICカード用のリーダライタに使用される送受信機の方式をベースに構成し、2.45GHz近辺のマイクロ波などを使用して、搬送波を発信しつづけた状態で、リモコン側から反射される搬送波をアンテナで受信している。この状態で、使用者がリモコン4のスイッチを押下すると、リモコン内部に構成されたアンテナが終端あるいは短絡されることで、リモコンの保有する情報を負荷変調して、制御対象機器から発信される搬送波をリモコンの保有する情報をのせた応答情報を含んだ搬送波に変換して反射する。また、リモコンに搭載した搬送波反射手段3に内蔵される電源生成部について、搬送波反射手段3に内蔵されたアンテナに入射された搬送波は、整流ダイオード6で一方向に整流され、コイル7にチャージされ、平滑コンデンサ8によって直流電圧9に変換される。この直流電圧9を無線半導体チップ部の動作電源に補充する。
【0014】
図2は、リモコンに内蔵する無線制御回路のブロック図である。21は検波ダイオード、22は起動回路、23は無線部CPU、24はリモコンスイッチ、25は信号定常レベル検出用コンデンサ、26はスレッシュレベル抵抗器、27はアンプ回路、28はリモコンCPUである。例えば、制御対象機器からの搬送波は2.45GHzの搬送波を100%(搬送波のオン・オフ)のAM変調を行いリモコンに発信されている。リモコンの無線制御回路は、この搬送波をアンテナ20で受信し、検波ダイオード21を介して2.45GHzのキャリアを除き、アンプ回路27で増幅・変調された信号だけを「H」「L」信号として取り出し、無線部CPU23のSI(シリアルポート)に入力し、データの受信を行う。リモコンからの送信は無線部CPU23のSO(シリアルポート)の出力を「H」にすることにより検波ダイオード21をカットし、制御対象機器からの2.45GHzの搬送波を反射させデータを返す。リモコンのスイッチ24を無線部CPU23の入力ポートに接続し、その押下情報をデータとして制御対象機器へ返すことで、リモコンのどのスイッチが押されたかが制御対象機器側で判断できる。また、電池の消耗を防ぐために、ウェイクアップ機能を使用する。制御対象機器から最初に搬送波だけをリモコンに送出することにより、検波ダイオード21の出力側に接続された信号定常レベル検出用コンデンサ25に何らかの電圧が発生し、一定レベルを超えたときに起動回路22を動作させ、無線部CPU23をスリープ状態から動作状態にする。また、一定時間以上、搬送波が来なかった場合、無線部CPU23はスリープモードに入り低消費状態となる。リモコンが制御対象機器の近くに設置される用途の場合は、制御対象機器側で人が入ってきたことを検知して搬送波を発射し、リモコンが受けてウェイクアップし動作状態に移行することで電池消耗に対し最適な動作が可能である。
【0015】
図3は、リモートコントロールシステムの無線通信タイミング図である。Aは制御対象機器の送信、Bはリモコンの電力受信、Cはリモコンの応答、Dはリモコンスイッチの押下期間、Eは人体及び着座センサの検出期間である。制御機器送信Aには2.45GHzなどのマイクロ波を使用し、人体・着座センサEの検出と同時に送信が開始される。
【0016】
図4は第2実施例であり、リモコンスイッチ押下による無線CPUのウエイクアップのシステムブロック図である。40はRF部、41は無線部電源、42はアンテナ切り替え部、43は、無線チップである。使用者が、リモコンスイッチ24を押下した場合、リモコン本体のCPU28あるいは無線部CPU23がその信号入力を認識し、無線部電源41を動作開始させ無線通信を開始させる。変調はアンテナ切り替え部42のON/OFFにより行う。
【0017】
図5は、第1実施例及び第2実施例に共通する制御対象機器内部の構成ブロック図である。101は無線部、102は制御対象機器のメインCPU、103は人体センサ、104は着座センサ、300は発信器、301は変調器、302は出力アンプ、303は方向性結合器、304はアンテナ、305はアンプ、306は復調器である。制御対象機器に使用者が近づいて、人体センサ103あるいは着座センサ104で検出された時、制御対象機器のメインCPU102が無線部101を動作させて、リモコンへ搬送波を送信し始める。無線部101内部は、メインCPU102からの指令を受け、搬送波周波数の発信器300の出力を、変調器301においてデータ送信信号で変調し、出力アンプ302、方向性結合器303を介してアンテナ304から搬送波として出力する。方向性結合器303は、リモコン側から帰ってきた搬送波と制御対象機器から出す搬送波を切り分ける役割をし、リモコンからの搬送波はアンテナ304、方向性結合器303、増幅器305、復調器306を介して、データ受信信号となる。また、人が居なくなれば制御対象機器は搬送波の出力を停止する。これにより、常時搬送波を発射する必要がないため、むやみに無線障害を引き起こす可能性を軽減でき、制御対象機器の電力も無駄に必要としない。
【0018】
図6は第3実施例であり、第1実施例の非接触ICカード用半導体チップを複数個搭載したリモコンのブロック図である。400は無線部CPUとリモコンCPUの一体化したチップ部、401は無線部CPUが独立したチップ部、402はリモコン表示部である。無線部CPUが独立したチップ部401は単独で動作させる。一方、表示部を含む残りのリモコンスイッチは、無線部CPUとリモコンCPUの一体化したチップ部400で接続し、リモコンのメイン制御プログラムの処理も同時に行うことで、本来のリモコンCPUを廃止し、回路を簡素化することで電気部品費を削減させた。
【0019】
図7は、第3実施例の配線パターンを簡素化する為の説明図である。500はリモコンの表面視、504は配線パターン、505はプリント板である。リモコンスイッチ24各々に、無線半導体チップ部401を割り当て、独立して動作させる。一方で、無線部CPUとリモコンCPUの一体化したチップ部400の様にリモコンCPUを無線制御のCPUと統合すれば、従来のリモコンでスイッチ入力をCPUのI/Oポートに入力するのに必要だった配線パターンを簡素化し、分割されたプリント板505の様に、P板サイズを小さくすることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の係るリモコンが制御対象機器の近くに設置される用途の場合のリモートコントロール制御装置の実施例を示す構成図である。
【図2】本実施例におけるリモコンに内蔵する無線制御回路のブロック図である。
【図3】本実施例におけるリモートコントロールシステムの無線通信タイミング図である。
【図4】本実施例における無線CPUのウエイクアップのシステム図である。
【図5】本実施例における制御対象機器内部の構成ブロック図である。
【図6】本実施例における複数個の半導体チップを搭載したリモコンの構成図である。
【図7】本実施例における配線パターンを簡素化の説明図である。
【図8】従来の赤外線通信に必要な可視光カットフィルタの設置図である。
【符号の説明】
1…衛生洗浄便座、2…発受信装置、3…反射手段、4…リモコン、5…電源生成部
6…整流ダイオード、7…コイル、8…平滑コンデンサ、9…直流電圧
20…アンテナ、21…検波ダイオード、22…起動回路、23…無線部CPU
24…リモコンスイッチ、25…無線信号定常レベル検出用コンデンサ
26…スレッシュレベル抵抗器、27…アンプ回路、28…リモコンCPU
A…制御対象機器の送信、B…リモコンの電力受信、C…リモコンの応答
D…リモコンスイッチの押下期間、E…人体及び着座センサの検出期間
30…リモコン側可視光カットフィルタ、31…制御機器側可視光カットフィルタ
40…RF部、53…周波数制御部
54…無線制御のCPU、41…電源、42…アンテナ切り替えスイッチ
43…無線半導体チップ部
101…無線部、102…制御対象機器本体のPU、103…人体センサ
104…着座センサ
300…発信器、301…変調器、302…出力アンプ、303…方向性結合器
304…アンテナ
305…アンプ、306…復調器
400…無線部CPUとリモコンCPUの一体化したチップ部
401…無線部CPUが独立したチップ部、402…リモコン表示部
500…リモコンの表面視、504…配線パターン、505…プリント板
Claims (4)
- 無線信号を発受信する発受信手段を搭載した制御対象機器と、該発受信手段から発信された無線信号を受信する受信手段及び前記発受信手段へ無線信号を発信する発信手段を有するリモコンとから構成されるリモートコントロールシステムにおいて、
前記発受信手段から発信される無線信号を受信し電力に変換する電力変換部を前記リモコンに備え、
前記電力変換部をリモコン自身の制御電源とし、前記制御対象機器に人体検出手段を設け、該人体検出手段のON検出信号に基づき、前記発受信手段を始動させて前記制御対象機器から前記リモコンへ無線信号を送信して前記リモコンをウェイクアップさせ、前記人体検出手段がOFF検出信号を出力するまで前記発受信手段を停止させずに前記無線信号の送信を継続させることによって、前記制御対象機器からリモコンへの無線信号の発信を前記制御対象機器が人体検出している場合にのみ実行することを特徴とするリモートコントロールシステム。 - 制御対象機器と該制御対象機器を制御するリモコンとを備え、
前記制御対象機器は、人体検出手段と、該人体検出手段のON検出信号に基づき前記リモコンへ信号を重畳する為の搬送波の送信を開始して前記リモコンをウェイクアップさせ、前記人体検出手段がOFF検出信号を出力するまで前記搬送波の送信を継続すると共に重畳された無線信号を受信する発受信手段とを有し、
前記リモコンは、前記発受信手段から発信された搬送波に自身が保有する情報若しくは使用者がリモコンスイッチを押下した情報に対応した変調をかけて無線信号とする変調部及び該無線信号を制御対象機器に送信する送信部とを有するリモートコントロールシステム。 - 請求項2記載のリモートコントロールシステムにおいて、前記搬送波を電力に変換する電力変換部を前記リモコンに備え、前記電力変換部をリモコン自身の制御電源としたことを特徴とするリモートコントロールシステム。
- 請求項2記載のリモートコントロールシステムにおいて、前記変調部として非接触式ICカード用の半導体チップを用いたことを特徴とするリモートコントロールシステム。
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