JP4219788B2 - 平面アンテナ及びアンテナユニット - Google Patents

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本発明は、円偏波を励振可能に構成された平面アンテナに関し、特に、車両に設置されるアンテナ基台を備え、円偏波を励振可能な平面アンテナを含み、アンテナ基台に平面アンテナを取り付けて使用する車載用途のアンテナユニットに関するものである。
近年、料金所における自動的に料金の受け渡しを行うシステムであるETC(Electronic Toll Collection System)が急速に普及しつつある。ETCにおいては、専用の車載機と路上機の間で無線通信を行って各種情報をやり取りするので、車両にETC用のアンテナを設置する必要がある。ETCでは周波数5.8GHz帯の円偏波が送受信されるので、比較的サイズが小さいパッチで構成された平面アンテナを車両内に設置するのが一般的である。
このようなETCに利用可能な車載用の平面アンテナとして、車両前部の窓ガラスの所定位置に取り付けるタイプの平面アンテナが知られている。一般に、ETCでは車両前方に設置された路上機からの電波を確実に受信することが重要であり、車両の前方斜め上方に向くように平面アンテナを窓ガラスに取り付けることは、ETC用のアンテナの構造として望ましい。この場合、所定形状で構成した平面アンテナを、例えばケースに収納した状態で窓ガラスに取り付けた条件の下、所望のアンテナ特性が得られるように設計条件を定める必要がある。
一方、ETC用の平面アンテナとしては、車両の構造や前方視野の確保の観点から、窓ガラスに取り付けるタイプの平面アンテナを使用せず、車両室内のダッシュボード上に配置可能なタイプの平面アンテナへのニーズもある。このようなタイプのアンテナとしては、アンテナ基台に平面アンテナを取り付けた状態で前方斜め上方を向くように、アンテナ基台ごとダッシュボート上に設置すればよい。
上述したように、ETC用の平面アンテナとしては、窓ガラスに取り付けるタイプとダッシュボード上に設置するタイプとを共用できることが好ましい。上記2タイプを共用可能な平面アンテナを実現すれば、車両の種別を問わずに多様なニーズに応えるとともに、製造上のコスト低減のメリットが大きい。
しかしながら、ETC用の平面アンテナを上記2タイプのいずれにも利用できるようにアンテナ特性を調整することは容易ではない。すなわち、窓ガラスに設置するタイプの平面アンテナは、ガラスの誘電率やアンテナとガラスの位置関係の影響を受けた状態で最適となるようにETC用の円偏波に対するアンテナ特性を調整するの対し、ダッシュボードに設置するタイプの平面アンテナは周囲の状態が大きく異なる状況で最適となるようにアンテナ特性が調整されている。よって、共通の設計条件で上記2つのタイプに同時に適合するように平面アンテナの設計条件を定めることは難しく、ETC用の平面アンテナを2タイプで共用すること自体が困難であることが問題となる。
そこで、本発明はこれらの問題を解決するためになされたものであり、円偏波を励振する平面アンテナを異なる使用形態で用いる場合であってもアンテナ特性の劣化を招くことなく、量産性に優れ利便性の高い平面アンテナ及びアンテナユニットを提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、平面アンテナの第1の態様は、円偏波を励振可能な平面アンテナであって、接地導体に載置された誘電体と、前記誘電体上部に形成され、所定周波数の円偏波に適合する平面形状を有するパッチと、前記パッチに設けられた給電点において前記円偏波を励振可能な給電手段と、前記パッチに対して前記円偏波の放射方向に近接して対向配置される横長形状の導体パターンとを備え、前記導体パターンは、前記パッチにおいて前記円偏波を励振する際に前記導体パターンが無い状態において最大の電界強度が得られる方向に対して略同一の長尺方向を有することを特徴とする。
この発明によれば、平面アンテナにおいて所定周波数の円偏波を励振する場合、パッチの所定方向で最大の電界強度が得られる状態で、その方向と略同一の長尺方向を持つ導体パターンをパッチに対して円偏波の放射方向に対向配置すると、導体パターンとパッチの相互作用により円偏波の電界強度分布の角度依存性が減少し、所望の共振周波数における軸比を改善することができる。これにより、導体パターンの形状と配置を適切に設定すれば、例えば、ガラス等に装着された状態でアンテナ特性を調整した平面アンテナをそれと異なる使用形態で用いることが可能となり、双方の状態で1つの平面アンテナを共用することができる。
平面アンテナの第2の態様は、前記パッチは、平面上で異なる共振長を持つ互いに直交する2つの共振方向により前記円偏波を励振可能であり、前記給電手段は、前記パッチの所定位置で1点給電を行うように構成されることを特徴とする。
この発明によれば構成が簡単な1点給電方式を採用した平面アンテナを用いる場合、使用形態に応じて円偏波の電界強度分布の角度依存性が変動することを有効に防止することができる。
平面アンテナの第3の態様は、前記パッチは、略正方形の外形における対角線上に位置する2組の角の一方の2つの角を切り欠いた形状を有することを特徴とする。
この発明によれば略正方形のパッチを用いて、その対角線上に位置する2組の角の一方の2つの角を切り欠いた形状で構成するので、パッチの外形に対し導体パターンを配置する方向を一律に設定でき、平面アンテナのアンテナ特性の調整を容易かつ確実に行うことができる。
平面アンテナの第4の態様は、前記導体パターンの長尺方向は、前記パッチにおける前記正方形の対向する2辺に対して略平行な方向となることを特徴とする。
この発明によれば上述の形状を有するパッチを用いて、その対向する2辺に対して導体パターンの長尺方向を一致させるので、パッチと導体パターンの位置関係を簡素化して構成が容易になる。
アンテナユニットの第1の態様は、車両前部の窓ガラス装着時に軸比が適正となるように調整された円偏波を励振可能な平面アンテナを含むアンテナユニットであって、接地導体に載置された誘電体と、前記誘電体上部に形成され、所定周波数の円偏波に適合する平面形状を有するパッチと、前記パッチの所定位置に設けられた給電点において前記円偏波を励振可能な給電手段と、を備えた平面アンテナと、前記平面アンテナを所定の位置関係で取り付けた状態で設置され、前記平面アンテナを取り付ける位置に、前記パッチに対して前記円偏波の放射方向に近接して対向配置される横長形状の導体パターンを設けたアンテナ基台とを備えたことを特徴とする。
アンテナユニットの第2の態様は、前記パッチは、平面上で異なる共振長を持つ互いに直交する2つの共振方向により前記円偏波を励振可能であり、前記給電手段は、前記パッチの所定位置で1点給電を行うように構成されることを特徴とする。
アンテナユニットの第3の態様は、前記パッチは、略正方形の外形における対角線上に位置する2組の角の一方の2つの角を切り欠いた形状を有することを特徴とする。
アンテナユニットの第4の態様は、前記導体パターンの長尺方向は、前記パッチにおける前記正方形の対向する2辺に対して略平行な方向となることを特徴とする。
これらのアンテナユニットによれば、平面アンテナとアンテナ基台を別体としてアンテナユニットを構成し、上述の導体パターンをアンテナ基台に設けて平面アンテナと所定の位置関係となるように配置するので、平面アンテナ自体は従来と同様の構成を採用する場合であっても、前記平面アンテナの各態様と同様の作用効果を達成することができる。
アンテナユニットの第5の態様は、前記平面アンテナは、車両前部の窓ガラスに取り付け可能であり、前記アンテナ基台は、車両のダッシュボード上に設置可能であることを特徴とする。
この発明によれば、アンテナユニットを車両に搭載し、平面アンテナは車両前部に窓ガラスに取り付ける使用形態と、ダッシュボード上のアンテナ基台に取り付ける使用形態のどちらにも適用することができるので、平面アンテナの低コスト化を図ることができるとともに、ユーザにとっての利便性を高めることができる。
本発明によれば、円偏波を励振可能な平面アンテナのパッチに対して円偏波の放射方向に近接して対向配置される横長形状の導体パターンを設け、その長尺方向が最大の電界強度の方向となるようにしたので、円偏波の電界強度分布の角度依存性を減少させて所望の共振周波数における軸比を改善し、これにより使用形態によらず良好なアンテナ特性を確保可能な平面アンテナを実現することができる。
また、本発明によれば、平面アンテナとアンテナ基台を含むアンテナユニットを構成し、アンテナ基台に平面アンテナを取り付ける位置に上述の導体パターンを設けるようにしたので、平面アンテナをアンテナ基台に取り付ける使用形態と、それ以外の構造物に取り付ける形態を使い分ける場合、導体パターンの形状、配置を調整することにより、使用形態によらずアンテナ性能を確保しつつ、量産性に優れ利便性の高いアンテナユニットを実現することができる。
以下、本発明の好ましい実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施形態においては、本発明の平面アンテナを含むアンテナユニットであって、ETC用のアンテナとして利用するために車両内部に設置可能に構成された車載用のアンテナユニットについて説明する。
図1は、本実施形態に係るアンテナユニットの車両室内のダッシュボード上に設置した状態を表す図である。図1に示すように、車両内に設置される車載用のアンテナユニット1は、アンテナ用ケース11に収納された平面アンテナ10と、アンテナ基台12とからなり、平面アンテナ10をアンテナ用ケース11とともにアンテナ基台12に取り付けて固定した状態で車両内部のダッシュボード2上に設置される。平面アンテナ10は、後述するように構成される図示していないパッチを放射素子として、この放射素子に接続された同軸ケーブル13がアンテナ用ケース11の外部に延伸される構造を有している
この平面アンテナ10はETCに適合するようにアンテナ特性を調整されるが、使用形態としては、図1に示すようにダッシュボード2上のアンテナ基台12に取り付けて使用する形態に加えて、図示しないが、車両前部の窓ガラスに取り付けて使用する形態がある。従って、これら2つの使用形態において平面アンテナ10を共用可能とするため、双方のアンテナ特性を良好に保つ必要があるが、そのための具体的な構成及び動作については後述する。
図1に示すように、ダッシュボード2上のアンテナ基台12は、プラスチック等の非導電性の材料で形成され、ダッシュボード2に直接接触する底部12aと、底部12aの一端に連結される側部12bからなる。アンテナ基台12は、側部12bが底部12aに対し所定角度で傾いた状態で設置され、側部12bの車両後方側の面にアンテナ用ケース11を取り付けて平面アンテナ10を固定する。この場合、平面アンテナ10の天頂方向(図1に矢印で示す)が、ETCの路上機の電波到来方向である車両前方斜め上方を向くようにアンテナ基台12の配置を定める必要がある。なお、アンテナ基台12は、底部12aに対する側部12bのなす角度を自在に調節できる構造としてもよい。
平面アンテナ10を側部12bに取り付ける方法は、接着剤や両面テープを用いて貼り付けるか、あるいは側部12b表面に機構的に固定するかのいずれであってもよい。この場合、平面アンテナ10の良好なアンテナ特性を確保するため側部12bへの取り付け位置は正確に定める必要がある。また、アンテナ基台12の側部12bには、平面アンテナ10に対向する位置にアンテナ特性を調整するための導体パターン20が形成されている。
図2は、図1のアンテナ基台12のうち、側部12bにおける平面アンテナ10の取り付け部分を拡大して示す図である。図2に示すように、アンテナ基台12の側部12bには、横長の長方形の外形形状を持つ導体パターン20が設けられている。そして、図示していないアンテナ用ケース11に収納された平面アンテナ10は、側部12bにて定められている取り付け位置11aに位置合わせして取り付けられ、この状態で側部12bに一体的に固定される。このとき、平面アンテナ10の放射方向である中央上部に近接して導体パターン20が対向配置される位置関係になる。
次に、平面アンテナ10の構成について、図3及び図4を参照して説明する。図3は、平面アンテナ10の構造を示す平面図であり、図4は、図3に示す平面アンテナ10の断面構造図である。本実施形態に係る平面アンテナ10は、接地導体としての接地板21と、誘電体22と、誘電体膜23と、放射素子としてのパッチ24と、給電部材25とを含んで構成されている。
以上の構成において、接地板21は、比較的サイズの大きな矩形状の外形を有している。また、誘電体22は、接地板21の上部に載置され、外形が矩形状で内部空間が形成された構造となっている。そして、誘電体22の上部には、所定の厚さで積層された誘電体膜23を介して、パッチ24が形成されている。また、給電部材25は、パッチ24に対して容量結合による給電を行うための導体板であり、誘電体22の内部空間における誘電体膜23下側の所定位置に給電部材25が設けられている。この給電部材25は、外部から誘電体22の内部空間に挿入され接地板21上部に這わせた同軸ケーブル13と接続されている。
図3の平面図に示すように、放射素子としてのパッチ24は、略正方形の外形の対角線上に位置する2組の角のうち、一方の2つの角に切り欠き部24a、24bを設けた導体パターンに形成されている。そして、パッチ24の中央から図中下方にオフセットした給電点24cが設定され、パッチ24の下側から給電部材25によって給電可能に構成されている。この給電点24cに対し所望の共振周波数の円偏波を励振することにより、パッチ24は所望の共振周波数の放射素子として機能する。
このように構成されるパッチ24を所望の共振周波数の円偏波で励振した場合、2つの切り欠き部24a、24bのある側の対角線方向の共振方向と、2つの切り欠き部24a、24bがない側の対角線方向の共振方向とに分離する。このとき、これらの各共振方向は互いに直交するとともに、パッチ24の外形形状の相違から各々共振長が異なるため、双方の共振方向の成分を合成することにより円偏波を励振させることができる。このように、対角線上に設けた2つの切り欠き部24a、24bと、給電点24cとを設けた構成により、パッチ24を1点給電の円偏波アンテナとして動作させることができる。
なお、パッチ24に設ける切り欠き部24a、24bのサイズ、及び、給電点24cの位置は、平面アンテナ10のアンテナ特性に応じて適切に設定すればよい。一般に切り欠き部24a、24bのサイズは、平面アンテナ10を円偏波で励振するときに最適な軸比が得られるように設定することが望ましい。この場合、切り欠き部24a、24bを設けない状態の平面アンテナ10は、上述のように2つの共振成分に分離せず、直線偏波が励振する状態になる。
次に、本実施形態に係る平面アンテナ10のアンテナ特性と、アンテナ基台12に形成された導体パターン20との関係を説明する。以下では、周波数5.85GHzの円偏波に適合する設計条件の平面アンテナ10を用いて、実験的に得られたアンテナ特性について検討を行う。
図5は、平面アンテナ10に対して導体パターン20を対向配置しない場合における円偏波の励振状態を説明する図である。上述の図3に示す構成を備えた平面アンテナ10のうち、パッチ24における切り欠き部24a、24bがある側の共振方向(X方向)と、切り欠き部24a、24bがない側の共振方向(Y方向)をそれぞれ図5(a)に表している。そして、このような励振状態のパッチ24を用いて、周波数5.85GHzの円偏波を励振した場合の電界の状態を図5(b)に示す。
図5(b)においては、図5(a)におけるX方向及びY方向によって合成された円偏波の電界強度分布の角度依存性を表している。図5(b)からわかるように、パッチ24で合成された円偏波は、横方向で最大の電界強度となるとともに縦方向で最小の電界強度となり、その包絡線は楕円形状になる。すなわち、図5(a)のX方向及びY方向に対し、パッチ24を上述の円偏波で励振したときの電界の最大方向及び最小方向は、図5(a)のX方向及びY方向に対しそれぞれ45°の角度をなす関係となる。
一般に、所望の共振周波数の円偏波を励振する場合、電界強度は各方向で均等な分布になることが望ましい。このような理想的な状態になるように平面アンテナ10の設計条件を調整して形状等を最適化した場合、図5(b)に示す包絡線が円になるとともに、円偏波を励振する際の軸比が1(0dB)になる。しかし、本実施形態に係る平面アンテナ10は、車両前部の窓ガラスに貼り付けて使用する形態と、アンテナ基台12に取り付けて使用する形態の双方を共用可能にする必要があるため、両者に適合するアンテナ特性を同時に実現するような調整は容易ではない。つまり、平面アンテナ10に近接するガラスの位置関係によりアンテナ特性が影響を受け、その状態で調整された設計条件では平面アンテナ10を窓ガラスから離して配置したときにアンテナ特性が変動してしまう。
本実施形態においては、このような問題を解決すべく、平面アンテナ10の前方(放射方向)に導体パターン20を配置することにより、ガラスの有無によらずに共通の設計条件で平面アンテナ10の所望のアンテナ特性を確保している。図6は、平面アンテナ10のパッチ24に対して円偏波の放射方向に近接して導体パターン20を対向配置する場合の位置関係と、円偏波の励振状態を説明する図である。図6(a)には、図5(a)と同様の設計条件を持つパッチ24と、上記X方向及びY方向の各共振方向を示すとともに、このパッチ24に対向配置される導体パターン20の位置を表している。そして、このような励振状態のパッチ24を用いて、周波数5.85GHzの円偏波を励振する場合の電界の状態を図6(b)に示す。
平面アンテナ10をアンテナ基台12に固定し、導体パターン20が対向配置される状態では、パッチ24と横長の導体パターン20は、図6(a)に示すような位置関係となる。すなわち、導体パターン20はパッチ24の中央上部に重なる状態で、その長尺方向が、パッチ24の対向する2辺(図中、上下の2辺)に平行となるように配置される。また、図6(a)の例では、導体パターン20の横幅は、パッチ24の1辺の長さに相当し、縦方向の幅がパッチ24の1辺の長さより十分小さい外形で形成される。
そして、図6(b)においては、導体パターン20が対向配置された平面アンテナ10を励振したとき、合成された円偏波の電界強度分布の角度依存性を示している。図6(b)を図5(b)と比べると明らかなように、横方向で最大の電界強度となるとともに縦方向で最小の電界強度となる点は共通するが、各方向での電界強度の分布がより均等に近づき、その包絡線が円に近い形状になっている。これは、主に導体パターン20の長尺方向を、この導体パターン20が無い状態におけるパッチ24での最大の電界強度となる横方向に一致させたとき、円偏波の電界強度分布の角度依存性が小さくなる作用に基づいている。
このように、本実施形態に係る平面アンテナ10は、ガラス装着時の円偏波に対するアンテナ特性を適正に調整可能な設計条件を想定しているが、ガラスがない状態であっても導体パターン20の作用により円偏波に対するアンテナ特性を十分確保可能であることが確認された。
なお、導体パターン20の外形及び配置は、平面アンテナ10のアンテナ特性を確保可能な範囲内で自在に調整してもよい。例えば、導体パターン20のサイズを図6(a)に比べて拡大又は縮小したり、導体パターン20の長尺方向を図6(a)に状態から若干傾けた配置する場合であっても、所望のアンテナ特性が確保できれば、導体パターン20の形状、配置として採用することができる。また、パッチ24と導体パターン20の間の距離は、アンテナ用ケース11の外形寸法を可変することにより調整することができる。
次に、導体パターン20の効果を確認するため、平面アンテナ10を円偏波で励振した場合における軸比の周波数特性を図7に示す。ここでは、共振周波数5.85GHzの平面アンテナ10を想定し、その前後の周波数範囲における軸比について、ガラス装着の有無と導体パターン20の有無による相違を実験的に検証する。
図7においては、周波数範囲5.6〜6GHzにおいて円偏波で平面アンテナ10を励振したときの軸比を求めてプロットした。平面アンテナ10の状態としては、ガラス装着状態(A)、ガラス非装着で導体パターン20がない状態(B)、ガラス非装着で形状・配置を最適化した導体パターン20がある状態(C)の3つにケースについて、それぞれ軸比の周波数特性を測定した。
その結果、ガラス装着状態の平面アンテナ10の場合は、共振周波数付近で2dBを下回る程度の良好な軸比を得ることができるのに対し、この状態からガラス非装着にした平面アンテナ10の場合は、共振周波数付近で7、8dB程度の軸比となり、大きく劣化している。一方、ガラス非装着の平面アンテナ10に上記の導体パターン20を対向配置すると、再び共振周波数付近で2dBを下回る程度の良好な軸比を得ることができる。これにより、本実施形態においては、平面アンテナ10をガラスに装着した場合と、ガラスに装着しないが所望の導体パターン20を配置する場合とでは、いずれも同等の良好な軸比を得られることを実験的に確認することができた。
なお、上記実施形態では、平面アンテナ10の共振周波数としてETC用の5.8GHz帯を用いる場合を説明したが、より高いあるいは低い共振周波数であっても円偏波を用いる限り、本発明を適用することができる。例えば、1.575GHz帯の円偏波を用いるGPS(Global Positioning System)用の平面アンテナに対して本発明を適用する場合である。
また、上記実施形態では、平面アンテナ10のパッチ24は、略正方形の外形のうち対角線上に位置する2組の角の一方の2つの角に切り欠き部24a、24bを設けた導体パターンを用いる場合を説明したが、このような構成に限らず、円偏波を励振し得る多様な形状のパッチを含む平面アンテナに対し本発明を適用することができる。
また、上記実施形態では、平面アンテナ10とアンテナ基台12と含むアンテナユニット1において、アンテナ基台12の側部12bに導体パターン20を設ける場合を説明したが、このようなアンテナユニットを構成する場合に限らず、本発明を平面アンテナに適用することができる。例えば、平面アンテナ10を収納するアンテナ用ケース11に導体パターン20を設けるような構成であっても本発明を適用することができる。
また、上記実施形態では、平面アンテナ10とアンテナ基台12を含むアンテナユニット1に対し本発明を適用する場合を説明したが、これに限られることなく、車載用途以外の広い用途において円偏波を励振可能な平面アンテナを用いる場合に本発明を適用することができる。
本実施形態に係るアンテナユニットの車両内部における設置状態を表す図である。 図1のアンテナ基台のうち側部の平面アンテナの取り付け部分を拡大して示す図である。 本実施形態に係る平面アンテナの構造を示す平面図である。 図3に示す平面アンテナの断面構造図である。 本実施形態に係る平面アンテナに対して導体パターンを対向配置しない場合における円偏波の励振状態と電界の状態を説明する図である。 本実施形態に係る平面アンテナに対して円偏波の放射方向に近接して導体パターンを対向配置する場合の位置関係と、円偏波の励振状態と電界の状態を説明する図である。 本実施形態に係る平面アンテナを円偏波で励振した場合における軸比の周波数特性について、ガラス装着の有無と導体パターンの有無により比較して示す図である。
符号の説明
1・・・アンテナユニット
2・・・ダッシュボード
10・・・平面アンテナ
11・・・アンテナ用ケース
12・・・アンテナ基台
12a・・・底部
12b・・・側部
13・・・同軸ケーブル
20・・・導体パターン
21・・・接地板
22・・・誘電体
23・・・誘電体膜
24・・・パッチ
24a、24b・・・切り欠き部
24c・・・給電点
25・・・給電部材

Claims (5)

  1. 車両前部の窓ガラス装着時に軸比が適正となるように調整された円偏波を励振可能な平面アンテナを含むアンテナユニットであって、
    接地導体に載置された誘電体と、
    前記誘電体上部に形成され、所定周波数の円偏波に適合する平面形状を有するパッチと、前記パッチの所定位置に設けられた給電点において前記円偏波を励振可能な給電手段と、を備えた平面アンテナと、
    前記平面アンテナを所定の位置関係で取り付けた状態で設置され、前記平面アンテナを取り付ける位置に、前記パッチに対して前記円偏波の放射方向に近接して対向配置される横長形状の導体パターンを設けたアンテナ基台と、を備えたことを特徴とするアンテナユニット。
  2. 前記パッチは、平面上で異なる共振長を持つ互いに直交する2つの共振方向により前記円偏波を励振可能であり、前記給電手段は、前記パッチの所定位置で1点給電を行うように構成されることを特徴とする請求項に記載のアンテナユニット。
  3. 前記パッチは、略正方形の外形における対角線上に位置する2組の角の一方の2つの角を切り欠いた形状を有することを特徴とする請求項1または2に記載のアンテナユニット。
  4. 前記導体パターンの長尺方向は、前記パッチにおける前記正方形の対向する2辺に対して略平行な方向となることを特徴とする請求項に記載のアンテナユニット。
  5. 前記平面アンテナは、車両前部の窓ガラスに取り付け可能であり、前記アンテナ基台は、車両のダッシュボード上に設置可能であることを特徴とする請求項に記載のアンテナユニット。
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