JP4218144B2 - 通信機器の直交ローカル信号作成回路 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、通信機器においてIF信号とベースバンド信号間での周波数変換に使用される直交ローカル信号を作成する通信機器の直交ローカル信号作成回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
通信機器では、送信時には、ベースバンド信号をIF信号(中間周波数信号)に周波数変換し、受信時には、IF信号をベースバンド信号に周波数変換することが必要であり、通信機器には、この周波変換に使用するローカル信号を作成する直交ローカル信号作成回路が組み込まれている。
直交ローカル信号作成回路が組み込まれる通信機器として、CDMA携帯電話機を取り上げて説明すると、その全体の概略構成は図3に示すようになり、送信電波を放射送出し、受信電波を受信するアンテナ1に、RF信号の送信処理と受信処理とを行なう送信・受信処理部2が接続され、送信・受信処理部2には、IF(Inter−mediate frequency;中間周波数)信号をベースバンド信号に変換する受信系IF信号処理部4と、ベースバンド信号をIF信号に変換する送信系IF信号処理部3とが接続されている。
【0003】
一方、CDMA携帯電話機には、CDMA(Code Division Multiple Access;符号分割多元接続)方式の変調器、CDMA方式の復調器、音声処理回路、キーパッドインタフェースを備えたデジタル処理部5が設けられ、このデジタル処理部5に、送信・受信処理部2、送信系IF信号処理部3、及び受信系IF信号処理部4が接続されている。また、携帯電話機の受話器7と送話器8とが、受話器7及び送話器8とデジタル処理部5間のインタフェース動作を行なうCODEC部(コーダ・デコーダ部)6を介して、デジタル処理部5に接続されている。
【0004】
このような構成の携帯電話機において、送信・受信処理部2と送信系IF信号処理部3からなる送信系信号処理ユニットAは、図4に示すような構成となっていて、直交ローカル信号Frlを作成する直交ローカル信号作成回路16が設けられ、さらに、直交ローカル信号作成回路16で作成される直交ローカル信号Frlと、デジタル処理部5からのCDMA方式で変調された直交ベースバンド信号Fbとがミキシングされるミキサ回路15、17が設けられている。
そして、ミキサ回路15、17の出力端子が、加算器14の入力端子に接続され、加算器14の出力信号が、AGC回路13を介してミキサ回路12に入力されて、ローカル信号Flとミキシングされるように構成され、ミキサ回路12の出力端子には、RFフィルタ11が接続され、RFフィルタ11の出力端子は、バッファアンプ10を介してアンテナ1に接続されている。
【0005】
以上に説明した構成の携帯電話機の送信動作時には、送話器8から入力される音声信号は、CODEC部6で符号化されてデジタル処理部5に入力され、デジタル処理部5のCDMA方式の変調器で、ユーザごとに与えられる拡散符号により無線チャネルを分離するCDMA変調が行なわれる。そして、デジタル処理部5からは、CDMA変調されたベースバンド信号Fbが送信系信号処理ユニットAのミキサ回路15、17に入力され、直交ローカル信号作成回路16から出力される165MHzの直交ローカル信号Frlと、ミキサ回路15、17でミクス処理され加算器14で加算されることにより、ベースバンド信号FbはIF信号に変換される。
このようにして得られたIF信号は、AGC回路13で、必要な信号レベルに設定され、ミキサ回路12で、ローカル信号FlとミキシングされてRF信号に変換され、得られたRF信号は、RFフィルタ11で不要な信号成分が除去され、パワーアンプ10で増幅されてアンテナ1から放射送出される。
【0006】
一方、基地ステーションから放射放出される電波は、アンテナ1で受信され、送信・受信処理部2に入力されてIF信号に変換され、このIF信号が、受信系信号処理部4において、ベースバンド信号Fbに変換され、変換されたベースバンド信号は、デジタル処理部5に入力され、CDMA方式の復調器でCDMA復調され、さらに音声処理が施されて、CODEC部6で復号処理され、受話器7から音声出力される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前述の携帯電話機に組み込まれる従来の直交ローカル信号作成回路16は、図5に示すような構成となっていて、220MHzの基準信号Foが入力される1/2分周器27が設けられ、この1/2分周器27の出力端子には、リミッタアンプ26が接続され、リミッタアンプ26の出力端子には、共振回路25を介してリミッタアンプ24の入力端子が接続され、リミッタアンプ24の出力端子には、1/2分周器23の入力端子が接続されている。
前述の共振回路25は、図6に示すように、互いに接続されたエミッタがアースされ、ベースに駆動バイアスebが印加されたトランジスタQ1、Q2が設けられ、トランジスタQ2のコレクタに、共振周波数が330MHzに設定されたコンデンサCとコイルLの並列接続回路が接続された構成となっている。
【0008】
従来の直交ローカル信号作成回路16では、220MHzの基準信号Foが、1/2分周器27で分周された110MHzの周波数変換信号が、リミッタアンプ26で所定レベルの矩形波信号に整形されて出力される。
この場合、リミッタアンプ26から出力される矩形波信号e(ωt)を、フーリエ級数に展開して表示すると次式のようになる。 但し、−π<ωt<0では、e(ωt)=−1、0<ωt<πでは、e(ωt)=1である。
【0009】
e(ωt)=4/π[sinωt+(1/3)sin3ωt+(1/5)sin5ωt+・・(1/2n−1)sin(2n−1)ωt+・・] (1)
【0010】
リミッタアンプ26から出力される(1)式に示す矩形波信号e(ωt)から、3次高調波を共振回路25で共振出力すると、220MHzの基準信号Foの3/2倍の周波数の330MHzの信号が、リミッタアンプ24に入力されるが、(1)式から明らかなように、330MHzの高調波信号の振幅は(4/π)・(1/3)=4/3πとなる。
このように、基準信号Foの3/2倍の周波数をもつ信号を作成する場合、基準信号Foの周波数の1/2の周波数の矩形波を作成し、その3次高調波を取り出すと、回路の電源電圧で定まるダイナミックレンジに対して、最大振幅で振ったとしても、基準信号Foの3/2倍の周波数の信号の増幅度は、dB表示で、20log(4/3π)=−7.4dBとなる。また、共振回路25をドライブする電流Iとして、信号電流の1/(4/3π)倍である7.4dBの電流が必要になる。
【0011】
ところで、携帯電話などの通信機器においては、小型化が要求されるので、これに伴って内部回路の省電力化とSNの向上が必要であり、直交ローカル信号作成回路に対しても、消費電力の削減とSNの向上が要求されている。
【0012】
本発明は前述したようなこの種の直交ローカル信号作成回路の現状に鑑みてなされたものであり、その目的は、消費電力を削減しSNを向上させることが可能な直交ローカル信号作成回路を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、通信機器においてIF信号とベースバンド信号間での周波数変換に使用される直交ローカル信号を作成する通信機器の直交ローカル信号作成回路であって、基準信号を入力し、当該基準信号の周波数の1/2倍の周波数の信号を分周出力する第1の分周回路と、前記基準信号と前記第1の分周回路の出力信号とをミキシングするミキサ回路と、前記ミキサ回路によって、前記基準信号の周波数に対して、周波数が3/2倍に変換された周波数変換信号を共振出力する共振回路と、前記共振回路の出力信号を矩形波に整形して出力するリミッタアンプと、前記リミッタアンプの出力信号を1/2倍の周波数の信号に変換して、前記基準信号の3/4倍の周波数の直交ローカル信号を出力する第2の分周回路と、を有するものである。
【0014】
このような手段によると、従来の方式では、基準信号の分周信号から必要な高調波成分を共振出力した信号に基づき、直交ローカル信号を出力するので、直交ローカル信号の振幅の基準信号に対する振幅比が、n>2として(4/π)1/nとなるのに比して、直交ローカル信号の基準信号に対する振幅比が2/πとなり、従来に比してS/Nが向上し、且つ動作消費電力が削減された状態で、IF信号とベースバンド信号間での周波数変換に使用する直交ローカル信号が作成される。
特に、分周回路によって基準信号の周波数が1/2に分周された信号と基準信号とがミキシングされて、基準信号の周波数の3/2倍の周波数の周波数変換信号が作成され、直交ローカル信号の基準信号に対する振幅比は2/πとなり、その増幅度のdB表示は−3.9dBとなり、従来の方式によって、基準信号の1/2倍の周波数の信号の3次高調波を選択した場合には、直交ローカル信号の基準信号に対する振幅比は4/3πとなり、その増幅度のdB表示が−7.4dBとなるのに比して、消費電力を3.5dB削減し、S/Nを向上させた状態で直交ローカル信号の作成が行なわれる。
【0015】
同様に前記目的を達成するために、請求項2記載の発明は、通信機器においてIF信号とベースバンド信号間での周波数変換に使用される直交ローカル信号を作成する通信機器の直交ローカル信号作成回路であって、基準信号を入力し、当該基準信号の周波数を1/2倍の周波数の信号を分周出力する第1の分周回路と、前記第1の分周回路の出力信号を入力し、当該出力信号の周波数の1/2倍の周波数の信号を分周出力する第2の分周回路と、前記第1の分周回路の出力信号と前記第2の分周回路の出力信号とをそれぞれミキシングする複数のミキサ回路と、各前記ミキサ回路によって、前記基準信号の周波数に対して、周波数が3/4倍に変換された周波数変換信号をそれぞれ共振出力する複数の共振回路と、各前記共振回路の出力信号を矩形波に整形して、前記基準信号の3/4倍の周波数の直交ローカル信号を出力する複数のリミッタアンプと、を有するものである。
【0016】
このような手段によると、従来の方式では、基準信号の分周信号から必要な高調波成分を共振出力した信号に基づき、直交ローカル信号を出力するので、直交ローカル信号の振幅の基準信号に対する振幅比が、n>2として(4/π)1/nとなるのに比して、直交ローカル信号の基準信号に対する振幅比が2/πとなり、従来に比してS/Nが向上し、且つ動作消費電力が削減された状態で、IF信号とベースバンド信号間での周波数変換に使用する直交ローカル信号が作成される。
特に、基準信号の周波数が1/2に分周された第1の分周回路の出力信号と、第1の分周回路の出力信号の周波数が1/2倍の周波数に分周された第2の分周回路の出力信号とが、ミキシングされて基準信号の周波数の3/4倍の周波数の周波数変換信号が作成され、直交ローカル信号の基準信号に対する振幅比は2/πとなり、その増幅度のdB表示は−3.9dBとなり、従来の方式によって、基準信号の1/2倍の周波数の信号の3次高調波を選択した場合には、直交ローカル信号の基準信号に対する振幅比は4/3πとなり、その増幅度のdB表示が−7.4dBとなるのに比して、消費電力を3.5dB削減し、S/Nを向上させた状態で直交ローカル信号の作成が行なわれる。
【0021】
【発明の実施の形態】
[第1の実施の形態]
本発明の第1の実施の形態を図1を参照して説明する。
図1は本実施の形態の構成を示すブロック図である。
【0022】
本実施の形態では、図1に示すように、220MHzの基準信号Foが用いられ、この基準信号Foが入力され、基準信号Foの周波数の1/2倍の周波数の信号を分周出力する1/2分周器22が設けられ、基準信号Foと1/2分周器22の出力信号とが入力されるミキサ21が設けられている。このミキサ21の出力端子には、基準信号Foの周波数の3/2倍の周波数330MHzを共振周波数とする共振回路20を介して、入力信号を所定の矩形波に整形して出力するリミッタアンプ19が接続されている。そして、リミッタアンプ19の出力端子に、リミッタアンプ19の出力信号を、1/2倍の周波数の信号に変換して出力する1/2分周器18が接続されている。
【0023】
このような構成の本実施の形態では、220MHzの基準信号Foと110MHzの1/2分周器22の出力信号とが、ミキサ21に入力されて、110MHzの1/2分周器22の出力信号が、220MHzの基準信号Foとミキシングされ、ミキサ21によって、基準信号Foの周波数の1/2倍の周波数の110MHzの信号と、基準信号Foの周波数の3/2倍の周波数の330MHzの信号が生成される。
そして、共振周波数が330MHzに設定された共振回路20によって、330MHzの信号が共振出力されて、リミッタアンプ19に入力され、リミッタアンプ19によって、充分な振幅の所定の矩形波信号に整形されて1/2分周器18に入力され、1/2分周器18から、165MHzの直交ローカル信号Frlとして出力される。
【0024】
このようにして得られる矩形波の直交ローカル信号Frlは、すでに説明した(1)式で表示される矩形波信号に振幅が1の正弦波信号を乗算して得られた信号から、必要な周波数成分を共振回路20で共振出力することで得られるが、ミキサ21でミキシングされる信号の周波数が1:2になっているので、正弦波信号としてsin2ωtを(1)式に乗算して、330MHzに対応する必要な周波数成分の振幅を求めると2/πが得られる。
このために、回路の電源電圧で定まるダイナミックレンジに対して充分に振った場合に、出力される基準信号Foの3/2倍の周波数330MHzの信号成分の増幅度のdB表示は、電源電圧で定まるダイナミックレンジに対して、20log(2/π)=−3.9dBとなる。また、この場合には、共振回路20をドライブする電流Iとして、信号電流の1/(2/π)倍である3.9dBの電流が必要になる。
【0025】
従って、本実施の形態によると、同一の電源電圧で設計した場合に、取り出される330MHzの信号のレベルを、すでに説明した従来の方式に比して、7.4dB−3.9DB=3.5dB高めて、消費電力を削減しSNを向上させることが可能になる。
【0026】
以上に説明したように、本実施の形態によると、基準信号Foと基準信号Foの周波数の1/2倍の周波数の信号とを、ミキサ21でミキシングすることにより、基準信号Foの3/2倍の周波数の信号が作成され、共振回路20によって、基準信号Foの3/2倍の周波数の信号に基づいて、直交ローカル信号Frlが出力される。
このために、本実施の形態によると、回路の電源電圧で定まるダイナミックレンジに対して充分に振った場合に、出力される基準信号Foの3/2倍の周波数330MHzの信号成分の増幅度が、電源電圧で定まるダイナミックレンジに対して−3.9dBとなり、同一の電源電圧で設計した場合に、取り出される330MHzの信号のレベルを従来の方式に比して、3.5dB高めて消費電力を削減しSNを向上させることが可能になる。
【0027】
[第2の実施の形態]
本発明の第2の実施の形態を図2を参照して説明する。
図2は本実施の形態の構成を示すブロック図である。
【0028】
本実施の形態では、図2に示すように、220MHzの基準信号Foが用いられ、この基準信号Foが入力され、基準信号Foの周波数の1/2倍の周波数の信号を分周出力する1/2分周器31が設けられ、この1/2分周器31から出力される110MHzの出力信号がそれぞれ入力されるミキサ30、34と1/2分周器35とが設けられており、この1/2分周器35からの出力信号が、ミキサ30、34にそれぞれ入力されるように構成されている。
また、ミキサ30の出力端子は、基準信号Foの周波数の3/4倍の周波数165MHzを共振周波数とする共振回路29を介して、入力信号を所定の矩形波に整形し、165MHzの直交ローカル信号Frlとして出力するリミッタアンプ28の入力端子が接続されている。
同様に、ミキサ34の出力端子は、基準信号Foの周波数の3/4倍の周波数165MHzを共振周波数とする共振回路33を介して、入力信号を所定の矩形波に整形し、165MHzの直交ローカル信号Frlとして出力するリミッタアンプ28の入力端子が接続されている。
【0029】
このような構成の本実施の形態では、220MHzの基準信号Foが、1/2分周器31に入力され、基準信号Foの周波数の1/2倍の周波数110MHzの信号が、ミキサ30、34と1/2分周器35とに入力され、1/2分周器35からは、入力信号の1/2倍の周波数55MHzの信号が出力されてミキサ30、34にそれぞれ入力される。ミキサ30では、基準信号Foの周波数の1/4倍の周波数の55MHzの1/2分周器35の出力信号が、基準信号Foの1/2倍の周波数の110MHzの信号とミキシングされ、ミキサ30によって、基準信号Foの周波数の1/4倍の周波数の55MHzの信号と、基準信号Foの周波数の3/4倍の周波数165MHzの信号とが生成される。
そして、共振周波数が165MHzに設定された共振回路29によって、165MHzの信号が共振出力されて、リミッタアンプ28に入力され、リミッタアンプ28によって、充分な振幅の所定の矩形波信号に整形され、165MHzの直交ローカル信号Frlとして出力される。
【0030】
同様にして、ミキサ34では、基準信号Foの周波数の1/4倍の周波数の55MHzの1/2分周器35の出力信号が、基準信号Foの1/2倍の周波数の110MHzの信号とミキシングされ、ミキサ34によって、基準信号Foの周波数の1/4倍の周波数の55MHzの信号と、基準信号Foの周波数の3/4倍の周波数165MHzの信号とが生成される。
そして、共振周波数が165MHzに設定された共振回路33によって、165MHzの信号が共振出力されて、リミッタアンプ32に入力され、リミッタアンプ32によって、充分な振幅の所定の矩形波信号に整形され、165MHzの直交ローカル信号Frlとして出力される。
【0031】
このようにして、矩形波の直交ローカル信号Frlは、すでに説明した(1)式で表示される矩形波信号に振幅が1の正弦波信号を乗算して得られた信号から、必要な周波数成分を共振回路29、33で共振出力することにより得られるが、ミキサ30、34でミキシングされる信号の周波数が、それぞれ1:2になっているので、正弦波信号としてsin2ωtを(1)式に乗算して、165MHzに対応する必要な周波数成分の振幅を求めると2/πが得られる。
このために、回路の電源電圧で定まるダイナミックレンジに対して充分に振った場合に、出力される基準信号Foの3/4倍の周波数165MHzの信号成分の増幅度のdB表示は、電源電圧で定まるダイナミックレンジに対して、20log(2/π)=−3.9dBとなる。また、共振回路29、33をそれぞれドライブする電流Iとして、信号電流の1/(2/π)倍である3.9dBの電流が必要になる。
【0032】
従って、本実施の形態によると、同一の電源電圧で設計した場合に、取り出される165MHzの信号のレベルを、すでに説明した従来の方式に比して、7.4dB−3.9DB=3.5dB高めて、消費電力を削減しSNを向上させることが可能になる。
【0033】
以上に説明したように、本実施の形態によると、基準信号Foの周波数の1/2倍の周波数の信号と、基準信号Foの周波数の1/4倍の周波数の信号とを、ミキサ30、34でそれぞれミキシングすることにより、基準信号Foの3/4倍の周波数の信号が作成され、共振回路29、33によって、それぞれ共振出力される基準信号Foの3/4倍の周波数の信号に基づいて、直交ローカル信号Frlが出力される。
このために、本実施の形態によると、回路の電源電圧で定まるダイナミックレンジに対して充分に振った場合に、出力される基準信号Foの3/4倍の周波数165MHzの信号成分の増幅度が、電源電圧で定まるダイナミックレンジに対して−3.9dBとなり、同一の電源電圧で設計した場合に、取り出される165MHzの信号のレベルを、従来の方式に比して3.5dB高めて消費電力を削減しSNを向上させることが可能になる。
【0034】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によると、分周回路によって基準信号が所定の分周比で分周され、ミキサ回路によって基準信号と分周回路の出力信号とがミキシングされ、このミキシングによって基準信号の周波数に対して、周波数が所定の比率に変換された周波数変換信号が、共振回路によって共振出力され、信号処理回路によって、この共振出力信号に信号処理が施され、直交ローカル信号として出力されるが、この場合には、直交ローカル信号の基準信号に対する振幅比は2/πとなる。これに対して、従来のように、基準信号の分周信号から必要な高調波成分を共振出力した信号に基づき、直交ローカル信号を出力する場合には、直交ローカル信号の振幅の基準信号に対する振幅比が、n>2として(4/π)1/nとなるので、請求項1記載の発明によると、従来に比してS/Nを向上させ、且つ動作消費電力を削減した状態で、IF信号とベースバンド信号間での周波数変換に使用される直交ローカル信号を作成することが可能になる。
【0035】
しかも、分周回路によって基準信号の周波数が1/2に分周された信号と基準信号とがミキシングされて、基準信号の周波数の3/2倍の周波数の周波数変換信号が作成され、直交ローカル信号の基準信号に対する振幅比は2/πとなり、その増幅度のdB表示は−3.9dBとなる。これに対して、従来の方式で3次高調波を選択したn=3の場合には、直交ローカル信号の基準信号に対する振幅比は4/3πとなって、増幅度のdB表示は−7.4dBとなり、請求項1記載の発明によると、消費電力を3.5dB削減し、S/Nを向上させて直交ローカル信号を作成することが可能になる。
【0036】
請求項2記載の発明によると、複数の分周回路によって基準信号が所定の分周比で分周され、複数のミキサ回路によって、複数の分周回路の出力信号がミキシングされ、このミキシングによって基準信号の周波数に対して、周波数が所定の比率に変換された周波数変換信号が、共振回路によって共振出力され、信号処理回路によって、この共振出力信号に信号処理が施され、直交ローカル信号として出力されるが、この場合には、直交ローカル信号の基準信号に対する振幅比は2/πとなる。これに対して、従来のように、基準信号の分周信号から必要な高調波成分を共振出力した信号に基づき、直交ローカル信号を出力する場合には、直交ローカル信号の振幅の基準信号に対する振幅比が、n>2として(4/π)1/nとなるので、請求項2記載の発明によると、従来に比してS/Nを向上させ、且つ動作消費電力を削減した状態で、IF信号とベースバンド信号間での周波数変換に使用される直交ローカル信号を作成することが可能になる。
【0037】
しかも、基準信号の周波数が1/2に分周された第1の分周回路の出力信号と、第1の分周回路の出力信号の周波数が1/2倍の周波数に分周された第2の分周回路の出力信号とが、ミキシングされて基準信号の周波数の3/4倍の周波数の周波数変換信号が作成され、直交ローカル信号の基準信号に対する振幅比は2/πとなり、その増幅度のdB表示は−3.9dBとなる。これに対して、従来の方式で3次高調波を選択したn=3の場合には、直交ローカル信号の基準信号に対する振幅比は4/3πとなって、増幅度のdB表示は−7.4dBとなり、請求項2記載の発明によると、消費電力を3.5dB削減し、S/Nを向上させて直交ローカル信号を作成することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態の構成を示すブロック図である。
【図3】直交ローカル信号作成回路が適用される携帯電話機の全体の概略構成を示すブロック図である。
【図4】図3の送信系信号処理ユニットの構成を示すブロック図である。
【図5】従来の直交ローカル信号作成回路の構成を示すブロック図である。
【図6】図5の共振出力回路の構成を示す回路図である。
【符号の説明】
1・・アンテナ、2・・送信・受信処理部、3・・送信系IF信号処理部、4・・受信系IF信号処理部、5・・デジタル処理部、6・・CODEC部、7・・受話器、8・・送話器、10・・パワーアンプ、11・・RFフィルタ、12、15、17・・ミキサ回路、13・・AGC回路、14・・加算器、16A、16B・・直交ローカル信号作成回路、18、22・・1/2分周器、19・・リミッタアンプ、20・・共振回路、21・・ミキサ、28、32・・リミッタアンプ、29、33・・共振回路、30、34・・ミキサ、31、35・・1/2分周器。
Claims (2)
- 通信機器においてIF信号とベースバンド信号間での周波数変換に使用される直交ローカル信号を作成する通信機器の直交ローカル信号作成回路であって、
基準信号を入力し、当該基準信号の周波数の1/2倍の周波数の信号を分周出力する第1の分周回路と、
前記基準信号と前記第1の分周回路の出力信号とをミキシングするミキサ回路と、
前記ミキサ回路によって、前記基準信号の周波数に対して、周波数が3/2倍に変換された周波数変換信号を共振出力する共振回路と、
前記共振回路の出力信号を矩形波に整形して出力するリミッタアンプと、
前記リミッタアンプの出力信号を1/2倍の周波数の信号に変換して、前記基準信号の3/4倍の周波数の直交ローカル信号を出力する第2の分周回路と、を有する
通信機器の直交ローカル信号作成回路。 - 通信機器においてIF信号とベースバンド信号間での周波数変換に使用される直交ローカル信号を作成する通信機器の直交ローカル信号作成回路であって、
基準信号を入力し、当該基準信号の周波数を1/2倍の周波数の信号を分周出力する第1の分周回路と、
前記第1の分周回路の出力信号を入力し、当該出力信号の周波数の1/2倍の周波数の信号を分周出力する第2の分周回路と、
前記第1の分周回路の出力信号と前記第2の分周回路の出力信号とをミキシングする複数のミキサ回路と、
各前記ミキサ回路によって、前記基準信号の周波数に対して、周波数が3/4倍に変換された周波数変換信号をそれぞれ共振出力する複数の共振回路と、
各前記共振回路の出力信号を矩形波に整形して、前記基準信号の3/4倍の周波数の直交ローカル信号を出力する複数のリミッタアンプと、を有する
通信機器の直交ローカル信号作成回路。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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