JP4216979B2 - アンテナ給電線路およびそれを用いたアンテナモジュール - Google Patents

アンテナ給電線路およびそれを用いたアンテナモジュール Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マイクロ波帯やミリ波帯等の高周波信号を用いる通信に適した任意のアンテナ素子の給電線路である誘電体導波管線路に関し、特に給電線とアンテナ素子の接続部における反射を低減し、電力を高効率で給電可能なアンテナ給電線路およびそれを用いたアンテナモジュールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
マイクロ波やミリ波等の電磁波を放射するアンテナ素子への給電方法として提案されているものの一例として給電線路からスロットを介してアンテナ素子に給電するスロット給電アンテナがある。スロット給電は構造が簡単なため広く用いられており、給電線路にマイクロストリップ線路やストリップ線路・コプレーナ線路・導波管線路等を用いたものが提案されている。また、所望のアンテナ放射パターンを得るためにアンテナ素子を配列してアレー化することが広く行なわれており、その際には給電線路を素子の数に合せて分岐して直列もしくは並列に給電することが必要になる。マイクロストリップ線路・ストリップ線路・コプレーナ線路はインピーダンスの不連続となる部分があるときに電磁波の不要放射が起こる場合や線路間での相互作用が起こる場合があり、問題となっていた。
【0003】
これに対し、本発明者は特開平10−303612号公報において多層積層構造で導体層とビアホール(ビア導体)により形成可能な誘電体導波管線路の導体層にスロットを設けてアンテナ素子に給電する構造を提案している。この給電線路構造によると、電磁波は導体で囲まれた領域のみを伝送するため不要放射が無く、線路間の相互作用も無くすことが可能である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、誘電体導波管線路に設けたスロットを介してアンテナに給電する給電線路においても、スロット部ではインピーダンスが不連続となる。そのため、スロットが共振する周波数においては反射は極小になり、アンテナへの給電が問題無く行なわれるが、共振周波数以外の周波数では、スロットでの反射が起こり、特に直列給電アンテナでは各素子での給電スロットの反射波が累積され、トータルの反射が非常に大きくなってしまうことがあるという問題点があった。
【0005】
本発明はかかる従来の問題点を解決すべく案出されたものであり、その目的は、誘電体導波管線路に設けたスロットを介してアンテナ素子への給電を行なうアンテナ給電線路に関し、所望の周波数においてスロットでの反射損失を抑制し、アンテナ素子へ高効率に給電可能なアンテナ給電線路を提供することにある。
【0006】
また、本発明の目的は、上記アンテナ給電線路にアンテナ素子を電気的に接続して成る、高効率な給電が可能で良好な放射特性を有するアンテナモジュールを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記の問題点に対して検討を重ねた結果、スロットから所定範囲の距離離れた位置にヴィアホールの導体棒とメタライズパターンの導体層から成る1つ以上の導体を配置することにより、スロットで生じる反射を低減可能なことを見出した。また、導体の長さを適切な寸法とすることにより、反射をより低減可能なことを見出した。
【0008】
すなわち、本発明のアンテナ給電線路は、アンテナ素子に対し高周波信号を給電するアンテナ給電線路であって、複数の誘電体層を積層してなる誘電体基板の上面に形成された上部主導体層であって、前記アンテナ素子が配置される導体非形成部を有する上部導体層と、前記誘電体基板の下方に形成された下部主導体層と、前記誘電体基板内に形成され、前記上部主導体層および下部主導体層間を所定間隔をもって電気的に接続する複数の貫通導体から成る2列の貫通導体群と、前記各貫通導体群を前記誘電体層間で電気的に接続する副導体層と、を含み、前記上部主導体層および下部主導体層による上下面ならびに前記貫通導体群および副導体層による側面で囲まれた伝送領域によって高周波信号を伝送するとともに、前記導体非形成部を介して前記アンテナ素子に対して前記高周波信号を給電する誘電体導波管線路と、前記導体非形成部から前記高周波信号の入力側へ信号波長の1/8〜4/8の距離の前記伝送領域内で、前記誘電体導波管線路のE面をなす上下面または側面から信号伝送方向に垂直でかつE面をなす上下面間または側面間の間隔の1/8〜4/8の距離の位置に配設され、前記H面をなす上下面間または側面間の間隔の1/8〜6/8の長さを有する、導体棒および/または導体層から成る接地導体と、を具備することを特徴とするものである。
【0009】
また、本発明のアンテナモジュールは、上記構成のアンテナ給電線路と、このアンテナ給電線路の前記上部主導体層上に配置され、前記導体非形成領域を介して高周波信号が給電される開口面アンテナまたは線状アンテナとを具備することを特徴とするものである。
【0010】
本発明のアンテナ給電線路は、誘電体導波管線路に給電用のスロットである導体非形成領域を設けたことによりインピーダンスが不連続となり高周波信号の電磁波が反射されるという問題に対し、スロットから信号伝送方向に平行に信号入力側へ信号波長の1/8〜1/2の距離離れた位置であって、誘電体導波管線路のE面から垂直に誘電体導波管線路のE面間の幅の1/8〜1/2の距離の位置に、誘電体導波管線路のH面間の間隔(厚み)の1/8〜3/4の長さを有する導体棒および/または導体層から成る反射抑制用の接地導体を配設し、上記電磁波の反射を低減するものである。この導体棒および/または導体層から成る接地導体を設ける位置は、スロットで反射されてくる電磁波をこの導体棒および/または導体層から成る接地導体で再び反射させて打ち消し合う効果を狙って設定したものである。これにより、アンテナ素子に対して高効率な給電を行なうことができるものとなる。
【0011】
また、本発明のアンテナモジュールは、上記構成の本発明のアンテナ給電線路と、このアンテナ給電線路の前記上部主導体層上に配置され、前記導体非形成領域を介して高周波信号が給電されるアンテナ素子である開口面アンテナ(積層型開口面アンテナ・ホーンアンテナ等)または線状アンテナ(パッチアンテナ・マイクロストリップアンテナ・プリントダイポールアンテナ等)とを具備することから、アンテナ素子に対して高効率な給電が可能で、その結果、良好な放射特性を有するマイクロ波帯やミリ波帯のアンテナとして機能させることができるものとなる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のアンテナ給電線路およびアンテナモジュールを図面を参照しつつ説明する。
【0013】
図1は、それぞれ本発明のアンテナ給電線路およびアンテナモジュールの実施の形態の一例における構成を説明するための概略斜視図であり、アンテナ給電線路は部分破断斜視図で、またこれに接続されてアンテナモジュールを構成するアンテナ素子を別に斜視図で示している。
【0014】
図1において、1は複数の誘電体層1a・1b・1cを積層して成る誘電体基板、2は誘電体基板1の上面に形成された上部主導体層、3は誘電体基板1の下方、ここでは下面に形成された下部主導体層である。両主導体層2・3は誘電体基板1を上下面から挟持しており、誘電体導波管線路の上下面の導体壁を形成する。また、4は上部主導体層3に設けられた導体非形成部としてのスロットであり、このスロット4上に配置されるアンテナ素子に対して誘電体導波管線路を伝送してきた高周波信号を給電するものである。
【0015】
5は誘電体基板1内に形成され、所定の繰り返し間隔をもって上部主導体層2および下部主導体層3間を電気的に接続するように形成された、複数の貫通導体で形成された2列の貫通導体群である。この貫通導体群5を構成する各列の複数の貫通導体は、高周波信号の信号波長の1/2未満の繰り返し間隔で配設されている。なお、この繰り返し間隔は、必ずしも一定の値であることに限られず、信号波長の1/2未満で種々の値を組み合わせて設定してもよい。
【0016】
6は上部主導体層2および下部主導体層3に平行に誘電体層1a〜1c間に形成され、貫通導体群5の各列をそれぞれ誘電体層1a〜1c間で電気的に接続する副導体層である。この副導体層6は単層または必要に応じて複数層形成されて、2列の貫通導体群5と共に誘電体基板1内に誘電体導波管線路の側面の導体壁を形成する。
【0017】
このように上部主導体層2と下部主導体層3と複数の貫通導体5および副導体層6から成る導体壁とで囲まれた空間により誘電体基板1内に誘電体導波管線路が形成されている。そして、上部および下部主導体層2・3によって誘電体導波管線路の伝送領域の上下面が、また貫通導体群5および副導体層6によって伝送領域の側面が形成され、この伝送領域によって高周波信号が伝送される。
【0018】
ここで、誘電体基板1の厚みすなわち上部および下部主導体層2・3間(誘電体導波管線路の上下面間)の間隔に対する制限は特にないが、シングルモードで用いる場合には2列の貫通導体群5間の間隔(幅)に対して1/2程度または2倍程度とすることがよい。図1に示す例では、誘電体導波管線路のH面に当たる部分が上部および下部主導体層2・3(上下面)で、E面に当たる部分が貫通導体群5および副導体層6(側面)でそれぞれ形成される。一方、2列の貫通導体群5間の間隔(幅)に対して上部および下部主導体層2・3間の間隔を2倍程度とすれば、誘電体導波管線路のE面に当たる部分が上部および下部主導体層2・3(上下面)で、H面に当たる部分が貫通導体群5および副導体層6(側面)でそれぞれ形成されることとなる。
【0019】
そして、7は誘電体導波管線路の伝送領域内でスロット4から所定の位置に形成され配設された、導体棒および/または導体層から成る反射抑制用の接地導体である。この例では接地導体7を2つ配設したものを示しており、以上により本発明のアンテナ給電線路が構成される。なお、この接地導体7は、後述するように導体棒で形成しても、導体層で形成しても、あるいは導体棒と導体層を組み合わせて形成してもよいものである。
【0020】
本発明のアンテナ給電線路は、これら接地導体7を所定の位置に配設することにより、誘電体導波管線路を伝送してスロット4を介してアンテナ素子に給電された高周波信号のうちスロット4で反射されてくる高周波信号の電磁波をこの接地導体7で再び反射させて打ち消し合わせることにより、スロット4による高周波信号の電磁波の反射を低減するものである。
【0021】
この導体棒および/または導体層から成る接地導体7を設ける位置は、まず、スロット4から高周波信号の入力側へ信号波長の1/8〜4/8(1/2)の距離の誘電体導波管線路の伝送領域内とすることが望ましい。これは、スロット4で反射される電磁波およびさらに接地導体7で反射される電磁波の2つの位相が異なる電磁波が重ね合わせにより打ち消し合うことにより、反射波を弱めることができることによる。特に、信号波長の2/8(1/4)近傍の距離とすると、スロット4に入射する高周波信号と反射した高周波信号とで位相が逆転するので、反射波をより効果的に打ち消し合わせて最小レベルに小さくすることができる。
【0022】
また、接地導体7を設ける位置は、誘電体導波管線路のE面をなす上下面または側面から信号伝送方向に垂直でかつE面をなす上下面間または側面間の間隔の1/8〜4/8(1/2)の距離の位置とすることが望ましい。これは、接地導体7の位置により接地導体7により生じる反射が変化するので、上記範囲で反射が所望の値となる位置を選ぶのがよいことによる。
【0023】
そして、接地導体7は誘電体導波管線路のH面に対して垂直に設けられるものであり、その長さは、H面をなす上下面間または側面間の間隔の1/8〜6/8(3/4)の長さとすることが望ましい。すなわち、接地導体7の長さは誘電体導波管線路のH面に垂直な向きの伝送領域の厚みまたは幅の1/8〜6/8とすることが望ましい。これは、接地導体7の長さが1/8未満の場合はスロット4により反射された高周波信号の電磁波をこの接地導体7により再び反射する効果がほとんど見込めなくなる傾向があるからであり、他方、長さが6/8より長い場合は遮断周波数が高くなり、周波数によっては反射が大きくなってしまうことがあるからである。
【0024】
このように接地導体7は、例えば誘電体導波管線路のH面が上下面の場合であれば、スロット4から高周波信号の入力側へ信号波長の1/8〜4/8(1/2)の距離の誘電体導波管線路の伝送領域内で、E面をなす側面から信号伝送方向に垂直でかつ側面間の間隔の1/8〜4/8(1/2)の距離の位置に、H面をなす上下面間の間隔の1/8〜6/8(3/4)の長さを有する接地導体7を配設することが望ましいものである。
【0025】
一方、8は誘電体基板、9は開口面アンテナもしくは線状アンテナ等のスロット4により給電可能なタイプのアンテナ素子、この例では後述する積層型開口面アンテナによるアンテナ素子であり、これらによりスロット4における反射が小さく、特に直列給電の場合に反射が累積されて非常に大きくなることが回避可能なアンテナが形成されている。このアンテナのアンテナ素子9の部分を本発明のアンテナ給電線路のスロット4上に配置することにより、本発明のアンテナモジュールが構成されることとなる。
【0026】
そして、誘電体導波管線路に供給された高周波信号の電磁波はスロット4を介してその上方に配置されたアンテナ素子9に給電され、スロット4から給電された電力はアンテナ素子9から放射される。
【0027】
なお、この例ではスロット4上に配置するアンテナとして積層型開口面アンテナを用いた例を示したが、このアンテナとしては他の線状アンテナまたは開口面アンテナであってもよく、本発明のアンテナ給電線路により給電できるものであれば任意のアンテナを接続してアンテナモジュールを構成することができる。
【0028】
次に、図2(a)および(b)はそれぞれ図1に示すアンテナ給電線路のA−A’線断面図およびB−B’線断面図であり、図1と同様の箇所には同じ符号を付してある。これらの図に示すように、導体棒および/または導体層から成る反射抑制用の接地導体7は、スロット4の中心から誘電体導波管線路の信号伝送方向に平行に高周波信号の入力側へ信号波長λoに対しd=λo/8〜λo/2の距離の伝送領域内の位置に、また誘電体導波管線路のE面、この例では伝送領域の側面を形成する貫通導体群5および副導体層6から信号伝送方向に垂直で、かつ側面間の間隔すなわち誘電体導波管線路の幅tに対しw=t/8〜t/2の距離の位置に配置され、その長さlは誘電体導波管線路のH面、この例は伝送領域の上下面を形成する上部および下部主導体層2・3に垂直な方向にその上下面間の間隔hに対してl=h/8〜6h/8としている。そして、接地導体7は、接地状態とされた上部主導体層2に電気的に接続されることによって接地されている。
【0029】
また、図2(c)は本発明のアンテナ給電線路の実施の形態の他の例における接地導体7を示す図2(b)と同様の断面図である。図2(c)に示すように、反射抑制用の接地導体7を構成する導体層を副導体層6と連続的に形成することにより、上部および下部主導体層2・3と同じく接地状態とされた副導体層6に電気的に接続して接地しても良い。なお、このような反射抑制用の接地導体7は、上記の所定の位置および長さの条件を満たすものであれば、導体棒のみで形成してもよく、導体層のみで形成してもよいものである。
【0030】
本発明のアンテナ給電線路における誘電体基板1を形成する誘電体層1a〜1cは、適当な厚みにシート化が可能であり、メタライズ層等による上部主導体層2・下部主導体層3および副導体層6等の導体層の形成が可能で、またビア導体やスルーホール導体等による貫通導体群5が形成でき、互いに密着積層できる誘電体材料であればよく、例えば各種のセラミックスやガラスセラミックス、もしくは有機樹脂、または有機樹脂とセラミックス等の無機粉末との混合物等を用いることができる。
【0031】
また、誘電体導波管線路により伝送する高周波信号の伝送損失をできるだけ低減するためには、誘電体基板1を形成する誘電体材料の誘電損失は小さい方がよく、使用する高周波信号の周波数で0.001以下であることが望ましい。
【0032】
さらに、誘電体基板1または誘電体層1a〜1cに被着形成されて上部主導体層2・下部主導体層3・副導体層6等となるメタライズ層等の導体層ならびに貫通導体群5となるビア導体やスルーホール導体等は、同じく誘電体導波管線路により伝送する高周波信号の伝送損失をできるだけ低減するためには、低抵抗導体で形成されることが望ましく、具体的には少なくとも金・銀・銅のいずれか1つを主成分とする合金材料による導体を用いるのが望ましい。
【0033】
次に、本発明のアンテナ給電線路およびアンテナモジュールの具体例について、図3に示す概略斜視図を参照しつつ説明する。
【0034】
図3において、11は複数の誘電体層11a〜11cを積層して成る誘電体基板、12は誘電体基板11の上面に形成された上部主導体層、13は誘電体基板11の下に形成された下部主導体層、14は下部主導体層13に形成したスロット、15は上部主導体層に形成した面積a×bの方形状の開口部であり、スロット14は開口部15の中心部に対向する下部主導体層13に形成されている。16および17は、それぞれ開口部15周辺の誘電体基板11内に形成された複数の貫通導体および副導体層である。この上部主導体層13と下部主導体層14と複数の貫通導体16と副導体層17とから成るアンテナ導体壁で囲まれた空間により、誘電体基板11内に、スロット14に接続された、面積がa×bで厚みがcの寸法を有する直方体状の空間共振器から成る積層型の開口面アンテナ素子を形成している。
【0035】
また、この空間共振器にスロット14から給電するための給電線路としては、本発明者が特開平10−75108号公報で提案した誘電体導波管線路を基にした、本発明のアンテナ給電線路22を用いている。このアンテナ給電線路22は、上記積層型の開口面アンテナ素子の下部主導体層13をその上部主導体層とし、その下部に複数の誘電体層18a〜18cを積層して成る誘電体基板18と、下部主導体層19と、上部および下部主導体層13・19間を高周波信号の1/2未満の繰り返し間隔で所定の幅をもって電気的に接続する2列の貫通導体群20と上部および下部主導体層13・19と平行に誘電体層18a〜18c間に形成されて貫通導体群20に電気的に接続された副導体層21とから成り、上部および下部主導体層13・19を上下面とし、2列の貫通導体群20および副導体層21を側面として形成された伝送領域によって高周波信号を伝送するものである。
【0036】
アンテナ給電線路22においては、その上部主導体層13に導体非形成部であるスロット14が設けられているためインピーダンスが不連続になり高周波信号の反射が生じるが、導体棒および/または導体層から成る反射抑制用の接地導体23をスロット14の中心からアンテナ給電線路22の信号伝送方向に平行に入力側へ信号波長λoに対しd=λo/4の位置に、またアンテナ給電線路22のE面をなす側面から信号伝送方向に垂直でかつアンテナ給電線路22の幅に相当するE面をなす側面間の間隔tに対しw=t/5の位置に配設しており、その長さlをアンテナ給電線路22のH面をなす上下面間の間隔hに対してl=2h/3としてある。
【0037】
このような構成の本発明のアンテナ給電線路22およびそのスロット14上に直方体状の空間共振器から成るアンテナ素子を配置した本発明のアンテナモジュールについて、アンテナ給電線路22から入力された高周波信号に対する反射係数の周波数特性を図4に線図で示す。
【0038】
図4において、横軸は高周波信号の周波数(単位:GHz)を、縦軸は反射係数(単位:dB)を表しており、実線の特性曲線Aは上記の本発明のアンテナモジュールにおける反射係数の周波数特性を示している。また、破線の特性曲線Bは、上記の本発明のアンテナモジュールと同様の構成において反射抑制用の接地導体23を設けない比較例の場合の結果を示している。この結果から分かるように、本発明のアンテナモジュールにおける反射係数は周波数が76.5GHzで約−20dBとなっており、比較例における反射係数が同じ周波数で約−16dBであることから、本発明のアンテナ給電線路およびアンテナモジュールによれば、反射抑制用の接地導体23を設けたことによる高周波信号の反射損失の抑制効果が明確に現れている。また、この反射損失の抑制効果は、目標周波数が76.5GHzであるのに対し、接地導体を設けた位置の関係で、周波数が高くなるにつれてさらに顕著なものとなっている。
【0039】
なお、本発明は以上の実施の形態の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更・改良を施すことは何ら差し支えない。例えば、接地導体として寸法の異なるものを複数配置する構成としてもよい。
【0040】
【発明の効果】
以上詳述した通り、本発明のアンテナ給電線路によれば、複数の誘電体層を積層してなる誘電体基板の上面に形成された上部主導体層と、誘電体基板の下方に形成された下部主導体層と、誘電体基板内に形成され、上部主導体層および下部主導体層間を所定間隔をもって電気的に接続する複数の貫通導体から成る2列の貫通導体群と、この各貫通導体群を誘電体層間で電気的に接続する副導体層とから形成され、上部主導体層および下部主導体層による上下面ならびに貫通導体群および副導体層による側面で囲まれた伝送領域によって高周波信号を伝送する誘電体導波管線路の上部主導体層に導体非形成部を設けて成り、この導体非形成領域上に配置されるアンテナ素子に対し導体非形成部を介して高周波信号を給電するアンテナ給電線路であって、導体非形成部から高周波信号の入力側へ信号波長の1/8〜4/8の距離の伝送領域内で、誘電体導波管線路のE面をなす上下面または側面から信号伝送方向に垂直でかつE面をなす上下面間または側面間の間隔の1/8〜4/8の距離の位置に、H面をなす上下面間または側面間の間隔の1/8〜6/8の長さを有する、導体棒および/または導体層から成る接地導体を配設したことから、誘電体導波管線路に給電用のスロットである導体非形成領域を設けたことによりインピーダンスが不連続となり高周波信号の電磁波が反射されるのに対し、スロットで反射されてくる電磁波を接地導体で再び反射させて打ち消し合わせ、上記電磁波の反射を低減するものとしたので、所望の周波数においてスロットでの反射損失を抑制し、アンテナ素子に対して高効率な給電を行なうことができる。
【0041】
また、本発明のアンテナモジュールは、上記構成の本発明のアンテナ給電線路と、このアンテナ給電線路の上部主導体層上に配置され、導体非形成領域を介して高周波信号が給電される開口面アンテナまたは線状アンテナとを具備することから、アンテナ素子に対して高効率な給電が可能で、その結果、良好な放射特性を有するマイクロ波帯やミリ波帯のアンテナとして機能させることができる。
【0042】
以上のように、本発明によれば、誘電体導波管線路に設けたスロットを介してアンテナ素子への給電を行なうアンテナ給電線路に関し、所望の周波数においてスロットでの反射損失を抑制し、アンテナ素子へ高効率に給電可能なアンテナ給電線路を提供することができた。
【0043】
また、本発明によれば、上記アンテナ給電線路にアンテナ素子を電気的に接続して成る、高効率な給電が可能で良好な放射特性を有するアンテナモジュールを提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のアンテナ給電線路およびアンテナモジュールの実施の形態の一例を説明するための概略斜視図である。
【図2】(a)および(b)は、それぞれ図1に示すアンテナ給電線路のA−A’線断面図およびB−B’線断面図、(c)は本発明のアンテナ給電線路における接地導体の他の例を示す(b)と同様の断面図である。
【図3】本発明のアンテナ給電線路およびアンテナモジュールの具体例を説明するための概略斜視図である。
【図4】本発明のアンテナ給電線路およびアンテナモジュールの具体例および比較例における反射係数の周波数特性を示す線図である。
【符号の説明】
1、11、18・・・・・・・・・・・・・誘電体基板
1a〜1c、11a〜11c、18a〜18c・・誘電体層
2、12・・・・・・・・・・・・・・・上部主導体層
3、19・・・・・・・・・・・・・・・下部主導体層
4、14・・・・・・・・・・・・・・・スロット(導体非形成部)
5、16、20・・・・・・・・・・・・・貫通導体群
6、17、21・・・・・・・・・・・・・副導体層
7、23・・・・・・・・・・・・・・・接地導体
13・・・・・・・・・・・・・・・・・下部主導体層(上部主導体層)
d・・・・・・・・・・・・・・・・・スロットと接地導体との距離
w・・・・・・・・・・・・・・・・・E面と接地導体との距離
l・・・・・・・・・・・・・・・・・接地導体の長さ

Claims (2)

  1. アンテナ素子に対し高周波信号を給電するアンテナ給電線路であって、
    複数の誘電体層を積層してなる誘電体基板の上面に形成された上部主導体層であって、前記アンテナ素子が配置される導体非形成部を有する上部導体層と、前記誘電体基板の下方に形成された下部主導体層と、前記誘電体基板内に形成され、前記上部主導体層および下部主導体層間を所定間隔をもって電気的に接続する複数の貫通導体から成る2列の貫通導体群と、前記各貫通導体群を前記誘電体層間で電気的に接続する副導体層と、を含み、前記上部主導体層および下部主導体層による上下面ならびに前記貫通導体群および副導体層による側面で囲まれた伝送領域によって高周波信号を伝送するとともに、前記導体非形成部を介して前記アンテナ素子に対して前記高周波信号を給電する誘電体導波管線路と、
    前記導体非形成部から前記高周波信号の入力側へ信号波長の1/8〜4/8の距離の前記伝送領域内で、前記誘電体導波管線路のE面をなす上下面または側面から信号伝送方向に垂直でかつE面をなす上下面間または側面間の間隔の1/8〜4/8の距離の位置に配設され、前記H面をなす上下面間または側面間の間隔の1/8〜6/8の長さを有する、導体棒および/または導体層から成る接地導体と、を具備することを特徴とするアンテナ給電線路。
  2. 請求項1記載のアンテナ給電線路と
    前記アンテナ給電線路の前記上部主導体層上に配置され、前記導体非形成領域を介して高周波信号が給電される開口面アンテナまたは線状アンテナとを具備することを特徴とするアンテナモジュール。
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