JP4216885B1 - 沈殿槽の汚泥沈降性を改善する方法、沈殿槽及び整流用部材 - Google Patents

沈殿槽の汚泥沈降性を改善する方法、沈殿槽及び整流用部材 Download PDF

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Abstract

【課題】汚泥ピットが流入室の下方にある排水処理用の沈殿槽において、被処理液流入口に設置することにより、沈殿槽における汚泥沈降性を向上させるための簡易な整流用部材、及び該整流用部材を用いる沈殿槽、汚泥沈降性の改善方法、沈殿槽の改修方法の提供を目的とする。
【解決手段】少なくとも底面及び被処理液の流れる方向の両側面が遮蔽部材で構成され、被処理液の出口に整流板を有する整流用部材を、汚泥ピットが流入室の下方にある排水処理用の沈殿槽の被処理液流入口に設置することにより、整流板を通過した被処理液による汚泥の巻き上げを効果的に抑制する。
【選択図】図2

Description

本発明は、下水道処理設備、排水処理設備等における固液分離のための沈殿槽、及び該沈殿槽における汚泥沈降性の改善方法、沈殿槽の改修方法に関する。また、本発明は、沈殿槽において汚泥沈降性を改善するための整流用部材に関する。
下水処理場等で用いられる沈殿槽としては、例えば、多くの孔(開口部)やスリットを設けた整流壁により流入室(流入部)と沈殿室(沈殿部)とを区画し、流入室の下方に沈殿汚泥を溜めるための汚泥ピット(汚泥室)を設けたものが、特許文献1の図3に開示されている。
また、整流壁を原水流入口の近傍に設置し、汚泥ピット(スラッジピット)を沈殿室の下方に設けるタイプの沈殿槽が、特許文献2の図1に開示されている。この沈殿槽では、沈殿室下部にバッフル板も設置されている。
ここで、汚泥ピットを流入室の下方に設ける沈殿槽の場合、整流壁に衝突した被処理液が汚泥ピット方向に流れてしまい、その流れによって掻き寄せられた汚泥が巻き上がり、汚泥の濃縮が十分に行われないことがあった。この問題を解決する技術として、中間整流壁と沈殿槽底部との間に可動整流板を設ける沈殿槽の整流装置が、特許文献3に開示されている。
特開平2−237607号公報 特開2005−262141号公報 特開平9−262409号公報
しかし、特許文献3に開示されている整流装置は、設備の部材点数が多く、構造が複雑であるため設備コストがかかるという問題があった。さらに、可動整流板等のメンテナンスにも手間がかかるという問題もあった。
本発明は、汚泥ピットが流入室の下方にある排水処理用の沈殿槽において、簡易な整流用部材を被処理液流入口に設置することにより、沈殿槽における汚泥沈降性を向上させる方法の提供を目的とする。また、本発明は、簡易な整流用部材を被処理液流入口に設置することにより汚泥沈降性を向上させた沈殿槽の提供を目的とする。
本発明者等は、少なくとも底面及び被処理液の流れる方向の両側面が遮蔽部材で構成され、被処理液の出口に整流板を有する整流用部材を、汚泥ピットが流入室の下方にある排水処理用の沈殿槽の被処理液流入口に設置することにより、整流板を通過した被処理液による汚泥の巻き上げを効果的に抑制しうることを見出し、本発明を完成させるに至った。
具体的に、本発明は、
汚泥ピットが、槽体に設けられた被処理液流入口の下方に設置されている矩形の沈殿槽において、
少なくとも底面及び両側面が遮蔽部材で構成され、
底面及び両側面の下流側の一端全体を覆うように保持されており、開口率が10%以上20%以下である整流板を有し、
内容積が沈殿槽の1時間あたりの流入量の2%以上10%以下である整流用部材を、
被処理液流入口毎に設置することにより、
処理液の汚泥沈降性改善する方法に関する。
また、本発明は、
汚泥ピットが、槽体に設けられた被処理液流入口の下方に設置されている矩形の沈殿槽であって、
被処理液流入口毎に、少なくとも底面及び両側面が遮蔽部材で構成され、底面及び両側面の下流側の一端全体を覆うように保持されており、開口率が10%以上20%以下である整流板を有し、内容積が沈殿槽の1時間あたりの流入量の2%以上10%以下である整流用部材が設置されている沈殿槽に関する。
従来の沈殿槽では、流入室等の幅いっぱいに整流板又は整流壁を設置して被処理液の流れを減速させていた。これに対して、本発明では、少なくとも底面及び両側面が遮蔽され、被処理液の出口に整流板を有する整流用部材を、被処理液の流入口毎に設置し、これら整流用部材を通じて流入室へと被処理液を導入することを特徴とする。本発明で使用する整流用部材は、沈殿槽の流入口内又はその近傍に設置することにより、流入口の出口において被処理液の流れを減速かつ安定化させ、汚泥ピット内に汚泥等を沈殿させやすい。
また、少なくとも底面と、被処理液の流れる方向の両側面とが遮蔽部材で構成されているため、流入口から整流用部材へと入った被処理液は、そのまま拡散することなく、すべて整流板へと流れ、整流板によって流れが減速及び安定化する。このため、整流板に衝突する際に発生する被処理液の乱流が、汚泥ピット方向へと流れ込むことはない。そして、汚泥ピットへと汚泥が溜まりやすく、かつ、溜まった汚泥が被処理液の乱流によって巻き上がることもなく、汚泥沈降性を効果的に改善することが可能である。
なお、整流用部材は、整流板を被処理液の出口側に設置しているため、底面と両側面は遮蔽部材(例えば、ステンレス板、FRP板、プラスチック板等の水を通さない材質でできた部材)で構成する必要があるが、上面(天井面)は遮蔽部材で覆われている必要はない。開放されていてもよく、金網等で覆われていてもよい。また、入口は開放されていていることが好ましいが、スリット等を設けてもよい。整流用部材の形態は、直方体に限らず、円筒や台形等、任意に選択することが可能である。
前記沈殿槽は、被処理液流入口の近傍に汚泥掻寄機が設置されている沈殿槽であってもよい。
このような沈殿槽においては、従来の整流板や整流壁であれば、汚泥掻寄機よりも下流側にしか設置することができないため、流入室の下方に位置する汚泥ピットに汚泥を効果的に沈殿させることが不可能であった。本発明で使用する整流用部材は、流入口内又はその直近に設置するため、汚泥掻寄機が流入口近傍にあっても設置可能である。また、必要に応じて、汚泥掻寄機に接触しないように整流用部材を変形することも可能であり、そうしても汚泥沈降性の改善効果は損なわれない。
ここで、整流板の開口率とは、整流板全体面積に対する、開口部分面積の百分率を意味しており、開口部分の形状は問わない。開口部分は、スリット状であってもよく、円形、楕円形やトラック形等の多孔状であってもよく、被処理水が整流される形状であれば足りる。
前記整流板は、前記遮蔽部材と着脱可能に取り付けられていることが好ましい。着脱可能とすることにより、例えば、被処理液の中のそう雑物等により整流板が閉塞した場合、沈殿槽の水抜きをせずに整流板の清掃、メンテナンスができる。
また、本発明の整流用部材は、
汚泥ピットが、槽体に設けられた被処理液流入口の下方に設置されている矩形の沈殿槽において、被処理液流入口毎に、整流板が被処理液下流側となるように設置することにより、沈殿槽内における被処理液の汚泥沈降性を改善する整流用部材であって、
該整流用部材は、
遮蔽部材で構成された底面及び両側面と、
底面及び両側面の一端全体を覆うように保持され、開口率が10%以上20%以下である整流板とを少なくとも有し、
内容積が沈殿槽の1時間あたりの流入量の2%以上10%以下である。
本発明は、少なくとも底面及び両側面が遮蔽され、被処理液の出口に整流板を有する整流用部材を、被処理液の流入口毎に設置し、これら整流用部材を通じて流入室へと被処理液を導入することを特徴とする。本発明の整流用部材は、沈殿槽の流入口内又はその近傍に設置することにより、流入口の出口において被処理液の流れを減速かつ安定化させ、汚泥ピット内に汚泥等を沈殿させやすい。
本発明によれば、簡易かつ安価に、沈殿槽における汚泥沈降性を改善させることができる。しかも、設備のメンテナンス性も高い。
以下、本発明の実施の形態について、適宜図面を参酌しながら説明する。なお、本発明は以下の記載に限定されない。
本発明に係る沈殿槽の一例である排水処理用の沈殿槽を、図1a及び図1bに示す。被処理液(例えば、下水を活性汚泥槽にて処理した後の活性汚泥含有水)は、排水処理用の沈殿槽1の槽体にある流入口2から供給される。流入口2には、整流用部材3が設置されている。整流用部材3は、流入口2の内部に嵌め込むように設置することが、取り付け強度及び沈殿槽1内に流入する被処理液のモレがない点からは好ましい。
なお、沈殿槽1の下流(流入口と反対側)には、上澄み水を取り出すためのトラフ(越流堰)9が設けられている。
整流用部材3の出口には整流板4が設置されており、被処理液はこの整流板4によって阻流及び整流された上で流入室5へ供給される。ここで、流入室5とは、沈殿槽1内の空間における、流入口2近傍の空間である。沈殿槽1においては、流入室5とその余の空間とを仕切るための仕切壁等を設置してもよく、設置しなくてもよい。
流入室5の下方であって、沈殿槽1の幅方向の中央部には、汚泥ピット6が設置されている。汚泥ピット6は、沈殿室7の底面8よりも深い位置に設置されており、底面8上に沈殿した汚泥は、汚泥掻寄機(図示せず)で流入室5の下方に集められて、汚泥ピット6へ溜まるようになっている。
即ち、沈殿槽1の下流側(沈殿室7)の底面8上に沈殿した汚泥を、底面8付近に設けた汚泥掻寄機(図示せず)によって汚泥ピット6側(流入室5側)に掻き寄せ、さらに流入室5の幅方向に設けられた汚泥掻寄機21(後述)によって、汚泥を汚泥ピット6に集約するようにしている。
なお、汚泥ピット6は、流入室5の下方であれば、沈殿槽1の幅方向の中央部でなくてもよく、沈殿槽1の幅方向の一端側にあってもよい。
次に、整流用部材3の構造について説明する。整流用部材3は、被処理液を取り込むための入口と、被処理液を排出するための出口と、入口から出口まで被処理液を導く通路とを有する。
図2(a)に示すように、この通路は、少なくとも底面10と、両側面(側面11a及び11b)とを有し、流入室5側(出口側)に整流板4が設置されている。整流板4は、底面10及び両側面に固定されているが、取り外し可能としておけば、メンテナンスが容易である。底面及び側面は、整流用部材3の下側等に極力乱流を生じさせないように、水を通さない遮蔽部材で構成されている。
整流用部材3は、図2(b)に示すように、上面(天井面)12を有していてもよい。この上面12は、底面10又は側面(11a及び11b)と同様、遮蔽部材であってもよいが、金網状やスリット状であってもよい。整流用部材内部を目視するためには、不透明な遮蔽部材で覆うよりも、金網状やスリット状等、内部を目視できる遮蔽物で覆うことが好ましい。
また、整流用部材3は、図2(c)に示すように、円筒状であってもよい。この場合、整流板4は円形である。なお、円筒状の整流用部材13は、上方が開口していてもよい。
さらに、整流用部材3は、図2(d)に示すように、半円筒状であってもよい。この場合、整流板4は半円形である。なお、半円筒状の整流用部材14は、上面が開口しているが、不透明または透明な遮蔽部材や金網状やスリット状の遮蔽物を覆ってもよい。
次に、整流用部材3の機能について説明する。沈殿槽1の槽体にある流入口2毎に取り付けられた整流用部材3には、被処理液が流入する(図1b参照)。整流用部材3は、流入口2に嵌め込むか、又は流入口2を覆うように流入口2直近に設置されているため、被処理液は流入口2から、そのまま整流用部材3の出口に設置されている整流板4へと導かれる。そして、整流板4によって被処理液は阻流されると共に整流され(流れが安定化され)、流入室5へと供給される。阻流及び整流されたことにより、被処理液内の汚泥等は、流入室5の下部に位置する汚泥ピット6へと沈殿しやすくなる。
このとき、整流用部材3は、底面10と両側面(11a及び11b)が遮蔽部材であるため、整流板4以外の部分から被処理液が流出することはない。すなわち、被処理液が整流板4を通過する際に生じる乱流は、整流用部材3の外部には影響せず、流入室5及び沈殿室7内で被処理液の乱流は発生しない。
ここで、流入室下部に汚泥ピット6が設置されている沈殿槽には、図3に示す位置に汚泥掻寄機21が設置されることがある。この場合、流入口2と汚泥掻寄機21との間に遮蔽壁を設置することは、スペース的な制約から不可能である。このため、図3に示したように、汚泥掻寄機21の下流に整流壁22を設置せざるを得なかった。
このような位置に整流壁22を設置した場合、被処理液は沈殿室7で整流壁によって整流されるため汚泥は汚泥ピット6に直接沈殿するのではなく、沈殿室7で専ら沈殿してしまうという問題があった。
しかし、本発明では、整流用部材3は流入口2と同程度の大きさでよく、流入口2に嵌め込むことも可能であるため、設置スペースが小さく、図3及び図4に示した汚泥掻寄機21が設置された沈殿槽1であっても、被処理液中の汚泥等を汚泥ピット6へと効率よく沈殿させることができる。しかも、簡易な構造であるため、設置コストも低い。
なお、図4では、掻寄機21のチェーン23が流入口2a〜2dの一部を遮っているが、本発明では、図5(a)及び図5(b)に示すような形態の整流用部材3を、汚泥掻寄機21のチェーン23やフライト25等の部材の影響を受けずに、流入口2a〜2dへと設置することができる。
(実施例1)
約1000mg/Lの活性汚泥混合排水を処理する沈殿槽の流入口に、本発明で使用する整流用部材を設置した場合の被処理液の流速及び活性汚泥(MLSS)濃度について、コンピューターシミュレーションを行った。沈殿槽は、全長40m、全幅24m、被処理液の流入口=4箇所であり、流入口の形状は、図6に示した通りとした(数字の単位はmm)。そして、流入口毎に開口率12%、目幅11mmのスリット状整流板を備える整流用部材を、流入口内に嵌め込むことを想定した。なお、被処理液の流入水量等の計算条件は表1に示す条件とし、各流入口への被処理水の流れは均等と仮定した。
両端の流入口の断面における被処理液の速度ベクトル図を、図7に示す。汚泥ピットの上面の長さは、4mである。整流用部材から流出した被処理液は、まっすぐに流入室へと供給されており、水面方向又は汚泥ピット方向への被処理液の乱流は認められなかった。
中心の流入口の断面における被処理液の速度ベクトル図を、図8に示す。この場合にも、整流用部材から流出した被処理液は、ほぼまっすぐに流入室へと供給されており、両端に比べて若干拡散が認められたが、水面方向又は汚泥ピット方向への被処理液の乱流はほとんど認められなかった。
次に、両端の流入口の断面における被処理液のMLSS濃度分布図を、図9に示す。沈殿室の底面に薄くMLSSが沈殿していたが、大部分は汚泥ピット内にMLSSが沈殿していた。
中心の流入口の断面における被処理液のMLSS濃度分布図を、図10に示す。沈殿室の底面にはMLSSが沈殿せず、汚泥ピット内のみにMLSSが沈殿していた。
沈殿槽全体のMLSS 濃度3000mg/Lの等値面を、図11に示す。この図からも、実施例1では、汚泥ピット付近でMLSS濃度が高く、沈殿槽内ではMLSS高濃度領域は少ないことが確認された。
(実施例2)
流入口の形状を図12に示した通りとした以外、すべて実施例1と同じ条件で被処理液の流速及び活性汚泥(MLSS)濃度について、コンピューターシミュレーションを行った。なお、両端の流入口2つは同一形状であり、中央の2つの流入口も同一形状とした。
両端の流入口の断面における被処理液の速度ベクトル図を、図13に示す。整流用部材から流出した被処理液は、まっすぐに流入室へと供給されており、水面方向又は汚泥ピット方向への被処理液の乱流は認められなかった。
中心の流入口の断面における被処理液の速度ベクトル図を、図14に示す。この場合にも、整流用部材から流出した被処理液は、ほぼまっすぐに流入室へと供給されており、両端に比べて若干拡散が認められたが、水面方向又は汚泥ピット方向への被処理液の乱流はほとんど認められなかった。
次に、両端の流入口の断面における被処理液のMLSS濃度分布図を、図15に示す。沈殿室の底面に薄くMLSSが沈殿していたが、大部分は汚泥ピット内にMLSSが沈殿していた。
中心の流入口の断面における被処理液のMLSS濃度分布図を、図16に示す。沈殿室の底面にはMLSSが沈殿せず、汚泥ピット内のみにMLSSが沈殿していた。
沈殿槽全体のMLSS濃度3000mg/Lの等値面を、図17に示す。この図からも、実施例2では、汚泥ピット付近でMLSS濃度が高く、沈殿槽内ではMLSS高濃度領域は少ないことが確認された。
(比較例1)
流入口に整流用部材を設置せず、沈殿室に整流壁を設置すること以外、すべて実施例1と同じ条件で被処理液の流速及び活性汚泥(MLSS)濃度について、コンピューターシミュレーションを行った。この整流壁は、流入口より流入した被処理液がその流れを安定させる目的に作られる壁であり、φ130の孔が多数空けられているもの(開口率8.5%)を想定している。
両端の流入口の断面における被処理液の速度ベクトル図を、図18に示す。この比較例では、整流用部材が流入口に設置されていないため、流入室へと流入する被処理液の流速が実施例1及び実施例2よりも大きい。そして、被処理液は、整流壁に沿って水面方向及び底面方向にも流れており、沈殿室の底面では被処理液の乱流による渦が発生していた。
中心の流入口の断面における被処理液の速度ベクトル図を、図19に示す。この場合にも、両端部と同様に、被処理液は、整流壁に沿って水面方向及び底面方向にも流れており、沈殿室の底面では被処理液の乱流による渦が発生していた。
次に、両端の流入口の断面における被処理液のMLSS濃度分布図を、図20に示す。大部分のMLSSは、整流壁より下流の沈殿室内で沈殿しており、汚泥ピット内のMLSSも、被処理液の乱流による渦によって巻き上がることが確認された。
中心の流入口の断面における被処理液のMLSS濃度分布図を、図21に示す。大部分のMLSSは、整流壁より下流の沈殿室内で沈殿しており、汚泥ピット内にはほとんどMLSSが沈殿しないことが確認された。
沈殿槽全体のMLSS濃度3000mg/Lの等値面を、図22に示す。この図から、比較例では、実施例1及び実施例2と異なり、整流壁手前でMLSS濃度3000mg/Lの領域が消失していることから、汚泥ピットに掻き寄せられたMLSSが、被処理液の乱流によって巻き上げられていることが推測された。また、沈殿槽内にもMLSS高濃度領域が広がっていることが確認された。
(実施例3)
全長40m、全幅24m、流入口4箇所の沈殿池(沈殿槽)において、一辺2mの立方体状の整流用部材を流入口毎に設置した。整流用部材の底面、側面及び上面はステンレス鋼板であり、整流板は目幅11mm、開口率12%のスリットである。被処理液は活性汚泥混合液であり、そのMLSS濃度は1300mg/L、沈殿池への流入量は1191m3/hであった。このときの汚泥ピット内のMLSS濃度は、4600mg/Lであった。
(比較例2)
整流用部材を設置する代わりに、高さ3mの整流板(φ130の多孔板、開口率8.5%)を、流入口から6mの位置で全幅にわたり設置した。それ以外は、すべて実施例3と同じ条件で被処理液を処理したところ、汚泥ピット内のMLSS濃度は、実施例1よりも約3割低い3300mg/Lであった。
本発明の汚泥沈降性の改善方法、及び排水処理用の沈殿槽は、排水処理分野において有用である。
本発明に係る排水処理用の沈殿槽の一例を示す斜視図である。 図1aの長手方向の断面図である。 本発明で使用する整流用部材を例示する外観図である。 汚泥の掻寄機と整流壁が設置された従来の沈殿槽の断面図である。 汚泥の掻寄機が設置された沈殿槽の、流入口の平行面における断面図である。 本発明で使用する整流用部材の変形例を例示する外観図である。 実施例1における、流入口の形状を表す図である。 実施例1における、両端の流入口断面における被処理液の速度ベクトル図である。 実施例1における、中心の流入口断面における被処理液の速度ベクトル図である。 実施例1における、両端の流入口断面における被処理液のMLSS濃度分布図である。 実施例1における、中心の流入口断面における被処理液のMLSS濃度分布図である。 実施例1における、沈殿槽全体のMLSS濃度3000mg/Lの等値面を表す図である。 実施例2における、流入口の形状を表す図である。 実施例2における、両端の流入口断面における被処理液の速度ベクトル図である。 実施例2における、中心の流入口断面における被処理液の速度ベクトル図である。 実施例2における、両端の流入口断面における被処理液のMLSS濃度分布図である。 実施例2における、中心の流入口断面における被処理液のMLSS濃度分布図である。 実施例2における、沈殿槽全体のMLSS濃度3000mg/Lの等値面を表す図である。 比較例における、両端の流入口断面における被処理液の速度ベクトル図である。 比較例における、中心の流入口断面における被処理液の速度ベクトル図である。 比較例における、両端の流入口断面における被処理液のMLSS濃度分布図である。 比較例における、中心の流入口断面における被処理液のMLSS濃度分布図である。 比較例における、沈殿槽全体のMLSS濃度3000mg/Lの等値面を表す図である。
符号の説明
1:排水処理用の沈殿槽
2:流入口
3:整流用部材
4:整流板
5:流入室
6:汚泥ピット
7:沈殿室
8:沈殿室の底面
9:トラフ
10:整流部材の底面(遮蔽部材)
11a,11b:整流部材の側面(遮蔽部材)
12:整流部材の上面(天井面)
13:円柱状の整流用部材
14:半円筒状の整流用部材
21:汚泥掻寄機
22:整流壁
23:チェーン
24:掻き寄せ機軸
25:フライト

Claims (7)

  1. 汚泥ピットが、槽体に設けられた被処理液流入口の下方に設置されている矩形の沈殿槽において、
    少なくとも底面及び両側面が遮蔽部材で構成され、
    底面及び両側面の下流側の一端全体を覆うように保持されており、開口率が10%以上20%以下である整流板を有し、
    内容積が沈殿槽の1時間あたりの流入量の2%以上10%以下である整流用部材を、
    被処理液流入口毎に設置することにより、
    処理液の汚泥沈降性改善する方法。
  2. 前記沈殿槽が、被処理液流入口の近傍に汚泥掻寄機が設置されている沈殿槽である請求項1に記載の汚泥沈降性改善する方法。
  3. 前記整流板が、前記遮蔽部材と着脱可能に取り付けられている請求項1又は2に記載の汚泥沈降性改善する方法。
  4. 汚泥ピットが、槽体に設けられた被処理液流入口の下方に設置されている矩形の沈殿槽であって、
    被処理液流入口毎に、少なくとも底面及び両側面が遮蔽部材で構成され、底面及び両側面の下流側の一端全体を覆うように保持されており、開口率が10%以上20%以下である整流板を有し、内容積が沈殿槽の1時間あたりの流入量の2%以上10%以下である整流用部材が設置されている沈殿槽。
  5. 被処理液流入口の近傍に汚泥掻寄機が設置されている請求項に記載の沈殿槽。
  6. 前記整流板が、前記遮蔽部材と着脱可能に取り付けられている請求項4又は5に記載の沈殿槽。
  7. 汚泥ピットが、槽体に設けられた被処理液流入口の下方に設置されている矩形の沈殿槽において、被処理液流入口毎に、整流板が被処理液下流側となるように設置することにより、沈殿槽内における被処理液の汚泥沈降性を改善する整流用部材であって、
    該整流用部材は、
    遮蔽部材で構成された底面及び両側面と、
    底面及び両側面の一端全体を覆うように保持され、開口率が10%以上20%以下である整流板とを少なくとも有し、
    内容積が沈殿槽の1時間あたりの流入量の2%以上10%以下である。
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