JP4215831B2 - 光導波体を別の光導波体に解離可能に接続するためのコネクタ接続装置 - Google Patents
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Description
光導波体、特に多重光導波体ではしばしば、光学的な信号を一方の光導波体から次の光導波体に伝えるために、一方の光導波体の端部領域を別の光導波体に接続する必要がある。このために光導波体の端部領域はいわゆるフェルールに保持されている。このフェルールは取り扱い易くするために、最も単純には、光導波体の、接続させたい端部を把持する。複数の個別ファイバを有する多重光導波体では、個別ファイバは規定された直線的なまたは行列的な配置でフェルールに保持されて、互いに接続される2つのフェルールの間の移行部では、一方の多重光導波体のそれぞれ1つの規定のファイバが、他方の多重光導波体の別の規定のファイバに接触させられる。2つの光導波体の接続部が負荷される際に、一方の光導波体が過剰に負荷されることを防止するために、コネクタ接続装置は引張負荷軽減装置を有している。この引張負荷軽減装置は光導波体がケーシングに位置固定され、これにより光導波体に加えられる力が、フェルールと光導波体との間の接続部を負荷することなしに、ケーシングに直接に伝えられるように形成されている。
この場合、公知のコネクタ接続装置では、これが光導波体の間の移動性の接続部を形成するためにではなく、例えばボード上に固定される接続部として使用される場合に、特に頻繁に組み付けの問題及び/又はデータ伝送の際に何らかの問題が生じることがわかっている。
国際公開第86/02740号パンフレットには光学的な光導波体のためのコネクタ接続装置が示されている。このコネクタ接続装置は、切頭ピラミッドの形状のそれぞれ1つの構成部分を有する一対のコネクタ構成部分を有している。光導波体の接続のために、互いに保持される堅固なフェルールが設けられており、これらのフェルールがそれぞれ光導波体の端部を収容している。
欧州特許公開第0602726号明細書により開示された光学的な光導波体のためのコネクタ接続装置により、光導波体を背面に接続することができる。光導波体を接続するために、光導波体の端部を収容する保持されたフェルールが設けられている。
欧州特許公開第0034987号明細書により公知の光学的な光導波体のためのコネクタ接続装置では、2つの光導波体の端部領域が、フレキシブルな共通のフェルールで把持される。このフェルールは2つのスリーブの間で、2つの光導波体の端部領域の周囲に残された中空室を完全にうめるように押し合わせられる。
本発明の課題は、確実かつ簡単な光導波体ケーブルの特にボードへの接続のために使用できるようなコネクタ接続装置を提供することである。
この課題は本発明によれば独立請求項により解決された。有利な構成は従属請求項に記載されている。
本発明によれば、個別のファイバフェルールのためにも、多重のファイバフェルールのためにも、引張負荷軽減領域と保持領域との間の領域に、フェルールが差し込み方向に対して所定の角度でずれる際に光導波体の屈曲を制限するための屈曲制限領域が設けられている。
本発明は、光導波体は最大許容屈曲を越えて屈曲されるとこの光導波体においては大きな損失が生じるという基本概念に基づいている。従来の技術において公知のコネクタ接続装置では、光導波体がフェルールのずれにより最大許容屈曲を越えてしまうほど屈曲されることが大いに起こりうる。
本発明の構成によれば、適当に設計された屈曲制限領域のもとで、最大許容屈曲を越える光導波体の屈曲が防止される。これによりいずれの場合でも確実なデータの伝送が保証される。
屈曲制限領域が、横断面で見て傾斜部状の少なくとも1つの当接壁を有していてよく、該当接壁は、フェルールが所定の角度でずれる際に光導波体が少なくとも部分的に直線状に当接壁と接触するように形成され配置されている。光導波体と当接壁とが直線状に接触している場合には、光導波体の屈曲を制限部で、光導波体の局部的な高すぎる機械的な負荷は生じないことが保証されている。さらに当接壁が相応に形成されていることにより、光導波体が直線上の接触部の全長にわたって所定の最大屈曲を受けることが保証される。多重光導波体においては、扁平でかつ隆起するように形成された傾斜部が望ましく、一方、全ての面に向かって屈曲する円形の光導波体では当接円錐が設けられていてもよい。
本発明の構成では、保持領域が可動の載置部材を有しており、該載置部材がフェルールの当接端部を支持している。この場合、フェルールの当接端部は、フェルールの、光導波体が外部に出る端面に対置されている。載置部材はこのために、コネクタ接続部の差込方向に対して横方向に延びる軸線を中心として傾動可能に形成されている。このためにケーシングには載置部材を支持するための載置個所が設けられていてよく、この場合、載置個所は有利には載置縁部として、またはケーシングから突出する載置点として形成されていてよい。これに対して選択的に、載置部材が突出する載置点を有していてもよい。
特別な構成では、載置部材が、弾性的に変形可能なプレートとして形成されており、このプレートはU字形の金属構成部分の形状を有していてよい。載置部材を弾性的に変形可能なプレートとして形成する場合には、フェルールが、差込方向に関して空間的に全ての方向に移動可能であることを簡単に保証することができる。このために変形可能なプレートには一方では載置点が設けられていて、この点を中心として載置部材が所定の角度で傾動可能である。さらに載置部材の側方の縁部は載置縁部に当接されるので、プレートは屈曲できる。付加的にストッパにより、大きな力が加えられた場合に屈曲が制限されることが保証され、確実に働くコネクタ接続部を簡単に準備することができる。
次に図面につき本発明の2つの実施例を説明する。
第1図は、多重光導波体を備えた本発明によるコネクタ接続装置を負荷されていない状態で示した斜視図であって、
第2図は、第1図の光導波体のケーシングを示す図であって、
第3図および第4図は、第1図のケーシングの部分領域を示す図であって、
第5図は、第1図のコネクタ接続装置の部分領域を負荷された状態で示した図であって、
第6図は、第5図のコネクタ接続装置の載置部材を示す図であって、
第7図は、第1図のコネクタ接続装置の部分領域を別の負荷された状態で示した図であって、
第8図および第9図は、本発明による別のコネクタ接続装置のケーシングの部分領域を示す図である。
第1図には本発明によるコネクタ接続装置1が斜視図で示されている。このコネクタ接続装置1は長手方向対称線に沿って断面されて示されているので、このコネクタ接続装置1の内部を見ることができる。
ケーシング2内には扁平な多重光導波体3が収容されている。この多重光導波体3の出口端部にはフェルール4が設けられている。このフェルール4は円筒状のガイド孔5を有しており、このガイド孔5にはこの図面には示されていないガイドピンを差し込むことができる。
ケーシング2の、フェルール4とは反対側の端部には多重光導波体3のための出口スリーブ6が設けられている。この出口スリーブ6には引張負荷軽減領域7が続いていて、この引張負荷軽減領域7において多重光導波体3がケーシング2に堅固に結合されている。ケーシング2には、フェルール4と引張負荷軽減領域7との間の領域で屈曲制限領域8が設けられている。フェルール4は屈曲制限領域8に向かって載置部材9によって支持されている。この載置部材9はケーシング2に関するフェルール4の空間的な旋回可能性ならびにこの旋回可能性の制限を保証する。
第2図は第1図のケーシングを、コネクタ接続装置1の付加的な構成部分が組み込まれていない状態で示している。この図面から特に良好に見て取れるようにケーシング2は、第3図の斜視図で上方から示されているケーシング槽10と、ケーシングカバー11とに分かれている。このケーシングカバー11は、上方が開かれたケーシング槽10の上面を完全に閉鎖するように形成されている。ケーシング槽10とケーシングカバー11とは、第2図の右側、第3図の後方に位置する端部で、方形の横断面を有する管開口12を形成している。この管開口12には、輪郭が立方体の引張負荷軽減領域7が続いている。この引張負荷軽減領域7にはコネクタ接続装置1の組み付け状態では保持材料が充填される。
第2図および第3図には屈曲制限領域8が特に良好に示されている。屈曲制限領域8は上方および下方側にそれぞれ2つの傾斜部13,14,15,16を有している。傾斜部13と14との間の底部領域17と、傾斜部15と16との間の凹部領域18とでは屈曲制限領域8がケーシング2の外縁に対して平行に延びている。屈曲制限領域8は両側で、ほぼまっすぐな側壁19,20によって制限されている。屈曲制限領域8には、フェルール4を収容するためのフェルール室21が続いている。このフェルール室21は出口側で出口開口22を有している。この出口開口22は前方に向かって減径する出口カラー23を有している。出口カラー23は、フェルール4に設けられた段部24と協働し、フェルール4がフェルール室21から滑脱するのを阻止する。
第4図にはフェルール室21を備えたケーシング槽10の部分領域が示されている。この場合、載置部材9がフェルール室21に組み込まれている。この図面から特によく分かるように、載置部材9は薄板構成部分として形成されており、平面図で見てU字形の輪郭を有している。載置部材9は、第4図の左側に位置するベース25と上方に位置する第1の翼形部材26と、下方に位置する第2の翼形部材27とにわかれている。第1の翼形部材26の真ん中には第1の隆起部28が設けられている。この隆起部28は第1の翼形部材26への押し込みにより成形されている。同様に第2の翼形部材27には第2の隆起部29が設けられている。
載置部材9はフェルール室21に組み付けられた状態で、第1の段部30と第2の段部31上に配置されていることが、第2図および第3図からわかる。この場合、ベース25は第2の段部31上に配置されており、第1および第2の翼形部材26,27の両端部は第1の段部30上に載置されている。
第5図には、ケーシング2におけるフェルール4の軸線32を中心とした所定の角度での移動(ずれ)が示されている。この図面から特によくわかるように、この場合、多重光導波体3は第1図に示された位置から下方に向かって、傾斜部13および傾斜部14(この図面には示されていない)に当接するまで押されている。フェルール4とフェルール室21との間の必要な遊びの補償は、載置部材9の変形により得られる。この場合、フェルール4の後縁部が第1の隆起部28に作用するので、第1の翼形部材26はフェルール4の後縁部によって下方に押される。第2の翼形部材27は変わらずまっすぐである。
第6図には、第5図の変形された載置部材9を備えたフェルール室21の一部が横断面で示されている。この図面から特によくわかるように、第2の翼形部材27は変形されておらず、第1の翼形部材26は第1の隆起部28へのフェルールの作用に基づき下方に向かって、フェルール室21の底部部材33に当接するまで押されている。これにより軸線32を中心としたフェルール4の最大傾動角度が規定される。
傾斜部13,14に多重光導波体3が当接することにより、多重光導波体3は最大許容湾曲よりも大きく湾曲されることが阻止される。
第7図には第1図のコネクタ接続装置1の斜視図が示されている。この図ではフェルールが軸線34を中心として、第1図に示された出発位置から所定の角度で移動されて示されている。この図面から特によくわかるように、載置部材9は変形されていない状態にあって、フェルール4の後縁部は第1の隆起部28と第2の隆起部29とが載置部を形成しているので、これらを中心として傾動されている。軸線34を中心としたフェルール4の回動経路は、フェルール4の後方の載置面の側縁部がフェルール4のベース25に当接することにより制限されている。これにより軸線34を中心とする多重光導波体3の最大許容湾曲が超過されないように効果的に阻止されている。
第8図および第9図には、フェルール室36を有した本発明による別のケーシング槽35の部分領域の斜視図が示されている。フェルール室36は、第1図から第7図までに示されたフェルール室21にほぼ相当している。しかしフェルール室21との相違点は底部区分37に段部が設けられていないことである。その代わりに半円形の隆起部38が設けられており、この隆起部38を中心として、この図面では示されていない載置部材が旋回可能であるように形成されている。
本発明によるコネクタによれば光導波体の確かな引張負荷軽減が得られ、光導波体が押しつぶされたり、光導波体の最大許容湾曲が超過されることが防止される。さらに、本発明によるコネクタ接続装置によれば、高い実装密度も得られ、この場合、異なる使用例の広いスペクトルをカバーすることができる。
Claims (9)
- 光導波体(3)の、フェルール(4)の設けられた端部領域を、別の光導波体に差し込み方向で解離可能に接続するためのコネクタ接続装置であって、コネクタ接続装置(1)が、フェルール(4)をガイドするための保持領域(21)を備えたケーシング(2)を有していて、保持領域(21)は、フェルール(4)が差込方向に対して所定の角度範囲で可動であるように案内されるように形成されており、ケーシングが光導波体(3)とケーシング(2)との堅固な結合のために引張負荷軽減領域(7)を有しており、引張負荷軽減領域(7)と保持領域(21)との間の領域に、少なくとも1つの屈曲制限領域(8)がケーシング(10)に設けられていて、この屈曲制限領域(8)は、フェルール(4)が差し込み方向に対して所定の角度でずれる際に光導波体(3)の屈曲が制限されるように形成されている形式のものにおいて、
屈曲制限領域(8)が、横断面で見て傾斜部状の少なくとも1つの当接壁(13,14,15,16)を有していて、該当接壁は、フェルール(4)が所定の角度でずれる際に光導波体(3)が少なくとも部分的に直線状に当接壁(13,14,15,16)と接触するように形成され配置されていることを特徴とする、光導波体を別の光導波体に解離可能に接続するためのコネクタ接続装置。 - 保持領域(21)が可動の載置部材(9)を有しており、該載置部材(9)がフェルール(4)の当接端部を支持している、請求項1記載のコネクタ接続装置。
- 載置部材(9)が、差込方向に対して横方向に延びる軸線(32,34)を中心として傾動可能であるように形成されている、請求項2記載のコネクタ接続装置。
- ケーシング(2)に、載置部材(9)を支持するための載置個所(30,31;38)が設けられている、請求項3記載のコネクタ接続装置。
- 載置個所が載置縁部(30,31)として形成されている、請求項4記載のコネクタ接続装置。
- 載置個所が、ケーシング(2)から突出している載置点(38)として形成されている、請求項4又は5記載のコネクタ接続装置。
- 載置部材(9)が突出する載置点(28,29)を有している、請求項5記載のコネクタ接続装置。
- 載置部材(9)が、弾性的に変形可能なプレートとして形成されている、請求項2から7までのいずれか1項記載のコネクタ接続装置。
- 載置部材(9)がU字形の金属構成部分として形成されている、請求項8記載のコネクタ接続装置。
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