JP4214497B2

JP4214497B2 - 塗布具

Info

Publication number: JP4214497B2
Application number: JP13650699A
Authority: JP
Inventors: 恭夫村越
Original assignee: Tombow Pencil Co Ltd
Current assignee: Tombow Pencil Co Ltd
Priority date: 1999-05-18
Filing date: 1999-05-18
Publication date: 2009-01-28
Anticipated expiration: 2019-05-18
Also published as: JP2000326694A

Description

【０００１】
【発明が属する技術分野】
この発明は、供給リールに巻回され、使用後は巻き取りリールに巻き取られることとなる転写テープ表面の修正塗料又は糊料等を転写することにより、修正塗料又は糊料の塗布を行ってなる塗布具に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来、転写テープ表面の修正塗料又は糊料等を転写することにより、修正塗料又は糊料の塗布を行ってなる塗布具においては、転写テープの送出、巻き取りを円滑に行うべく、各々下蓋の内壁面に一体に立設される供給リールと巻き取りリール軸に回転自在に軸着される大径の供給リールと小径の巻き取りリールから構成され、巻き取りリールを小径の巻き取りリールギアと共に同軸上に巻き取りリール軸に対して軸着させる一方で、大径の供給リールは大径の供給リールギアと共に、その間にゴム製のＯ−リング等のフリクションを介在させつつ同軸上に供給リール軸に対して一体に軸着した上で、これら小径の巻き取りリールギアと大径の供給リールギアとを互いに噛合させることによって、供給リールギアと共に軸着される供給リールに巻回する未使用の転写テープをプリンターヘッドに送出すると同時に、プリンターヘッドを経由して使用済みとなった転写テープを巻き取りリールに巻き取ってなる転写テープ送出、巻き取り機構を内装するものが一般的であり、この転写テープ送出、巻き取り機構は、通常の使用においては、供給リール軸に対して供給リールと同軸上に軸着される大径の供給リールギアと、巻き取りリール軸に対して巻き取りリールと同軸上に軸着されることとなる小径の巻き取りリールギアとが通常の歯形をもって確実に噛合すると共に、供給リールギアと供給リールとはゴム製のＯ−リング等のフリクションを介在させつつ一体に供給リール軸に対して回転自在に軸着されているため、互いに噛合する供給リールギアと巻き取りリールギアとが一体になって回動して、未使用の転写テープをプリンターヘッド方向に送出すると共に、使用済みとなった転写テープを巻き取りリールに対して確実に巻き取っていくものとなるが、大径の供給リールに対して過剰な引張力が加わることで一定以上の回転となると、供給リールギアとの間に介在するＯ−リング等のフリクションが失われ、供給リールからは未使用の転写テープが送出されつつ、供給リールギアにおいてはその回転を中止するので、転写テープの切断を防止できるものとなる。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の塗布具を構成する塗布具本体内に内装されることとなる転写テープ送出、巻き取り機構においては、確かに転写テープの送出、巻き取りが円滑に行われると共に、供給リールが過回転した場合には、転写テープの切断を防止するべく、供給リールは供給リールギアに対して空転し、供給リールからは未使用の転写テープが送出される一方、供給リール自体は回転しないため、この供給リールギアと噛合する巻き取りリールギアも同様に回転しないこととなるため、転写テープに過度の緊張が発生せずに転写テープの切断を確実に防止できるが、未使用の転写テープを巻回する供給リール及び使用済みとなった巻き取りリールを回転させるのは、各々供給リール及び巻き取りリールが、供給リール軸及び巻き取りリール軸に対して同軸上に軸着され、互いに噛合することとなる別体の供給リールギア及び巻き取りリールギアであるため部品点数が増加し、構造自体が複雑になって塗布具の製造工程のみならず、使用者によるリールの交換作業における作業性が低下してしまうと共に、この塗布具における製造工程の作業性の低さから塗布具自体のコストの上昇を招く問題点がある。
【０００４】
更に、塗布具本体内に内装される供給リールは、通常下側において外周にギアを配設するフランジを有する断面皿状のものであるため、この供給リールを製造するに当たって複数個の供給リールを一体に成形した後、切り離して供給リールとした上で、塗布具本体内に組み付けようとする場合には、通常外周にギアを配設するフランジを下にして、塗布具本体を構成する下蓋の内壁面に一体に立設される供給リール軸に対して組み付ける必要があり、従って塗布具の製造工程においては巻き取りリールのみならず、供給リール自体の組み付けおいて方向性の確認が必要となるため、その作業性が著しく低下し、更には供給リールの下側にしかフランジ部がないため、使用中に落下させる等の何らかの衝撃を加えると供給リールに巻回されていた未使用の転写テープの巻回が解けてしまうおそれがある。
【０００５】
また、転写テープ送出、巻き取り機構を内装することとなる塗布具本体は、リール交換が可能なように上蓋と下蓋とが分離自在となっているものが一般的であるが、単に塗布具本体を構成する上蓋と下蓋とが分離自在であるとすると、部品点数が多く、成形加工における作業性が著しく低下してしまうものでもある。
【０００６】
そこで、この発明は上記従来のものの有する問題点を解決するものであり、簡単な構造として、塗布具の部品点数の低減と共に、製造工程における作業性を高めてその製造コストを削減しようとするものである。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
そのために、先端の開口部よりプリンターヘッドを突出して形成する上蓋及び下蓋からなる塗布具本体内に、下蓋の内壁面に一体に立設される供給リール軸と巻き取りリール軸を具え、一体に連動して回転自在となるように各々軸着される供給リールと巻き取りリールから構成され、供給リールに巻回する未使用の転写テープを上記プリンターヘッドに送出し、プリンターヘッドを経由して使用済みとなった転写テープを巻き取りリールに巻き取ってなる転写テープ送出、巻き取り機構を内装する塗布具において、上記塗布具本体内に内装される転写テープ送出、巻き取り機構を構成するいずれか一方のリールのフランジ部の外周に頂面を曲面としてなるギアを、他方のリールのフランジ部には頂面を鋭角とするギアを配設した上で、直接互いに噛合させてなるものである。
【０００８】
更に、上記リールを、回転軸方向上下にフランジ部を有し、断面Ｈ状のものとし、また塗布具本体を構成する上蓋と下蓋とを、その当接する端縁に連結体により一体に連結してなるものである。
【０００９】
【発明の実施の形態】
以上の構成を具えるので、実施にあたり、未使用の転写テープを巻回しつつプリンターヘッドへ送出し、このプリンターヘッドを経由して使用済みとなった転写テープを巻き取る転写テープ送出、巻き取り機構を構成する大径の供給リール及び小径の巻き取りリールにおいて、小径の巻き取りリールのフランジ部の外周に頂面を曲面としてなるギアを、一方大径の供給リールのフランジ部には頂面を鋭角とするギアを配設した上で、回転軸の軸方向にスリットを配することにより弾性をもって拡開自在となる巻き取りリール軸に軸着される巻き取りリールを供給リール方向に押勢することで直接互いに噛合させることにより、従来必要としていた供給リールギアや巻き取りリールギア等の部品を省略しつつ一体に連動させ、転写テープの送出、巻き取り動作を円滑に行うことができようになると共に、大径の供給リールが過剰な回転を行うこととなっても、巻き取りリールのフランジ部の外周に配設されたギアの曲面とする頂面に沿って供給リールのフランジ部の外周に配設されたギアの鋭角である頂面が乗り越えることとなって、供給リールからは未使用の転写テープの送出を行いつつも巻き取りリールの回転がなくなるので、転写テープに過剰な緊張が加わることがなく、転写テープの切断を防止することができる。
【００１０】
また、巻き取りリールと共に構成する上記供給リールを、回転軸方向上下にフランジ部を有する断面Ｈ状のものとし、また転写テープ送出、巻き取り機構を内装すると共に、その開口部よりプリンターヘッドを一体に突出して形成する塗布具本体を構成する上蓋と下蓋とを、その当接する端縁に連結体をもって一体に連結することにより、更に部品点数を減らすことができるものである。
【００１１】
【実施例】
この発明を図に示す実施例により更に説明する。（１）はこの発明の実施例である塗布具であり、この塗布具（１）は、先端の開口部（４）よりプリンターヘッド（２）を突出して形成する上蓋（５）及び下蓋（６）からなる塗布具本体（３）内に、各々下蓋（６）の内壁面（７）に一体に立設される供給リール軸（８）と回転軸の軸方向にスリット（９’）を配して弾性をもって拡開自在となる巻き取りリール軸（９）に回転自在に軸着される供給リール（１０）と巻き取りリール（１３）から構成され、供給リール（１０）に巻回する未使用の転写テープ（１６’）を上記プリンターヘッド（２）に送出し、プリンターヘッド（２）を経由して使用済みとなった転写テープ（１６”）を巻き取りリール（１３）に巻き取ってなる転写テープ送出、巻き取り機構（１７）を内装するものである。なお、この実施例においては、巻き取りリール軸（９）にスリット（９’）を設けてあるが、巻き取りリール軸（９）に代え供給リール軸（８）に設けても良い。
【００１２】
そして、この発明の実施例である塗布具（１）を構成する塗布具本体（３）内に内装される転写テープ送出、巻き取り機構（１５）を構成する供給リール（１０）のフランジ部（１１）の外周に頂面を鋭角としてなるギア（１２）を、一方巻き取りリール（１３）のフランジ部（１４）には頂面を曲面とするギア（１５）を配設した上で、直接互いに噛合させてなるものである。同様、供給リール（１０）のフランジ部（１１）の歯形と巻き取りリール（１３）上の歯形は、噛合できればどちらの側にでも交換できる。
【００１３】
更に、巻き取りリール（１３）と共に転写テープ送出、巻き取り機構（１７）を構成する上記供給リール（１０）を、上下にフランジ部（１１）を有し、断面Ｈ状のものとし、また転写テープ送出、巻き取り機構（１７）を内装すると共に、その開口部（４）よりプリンターヘッド（２）を突出して形成する塗布具本体（３）を構成する上蓋（５）と下蓋（６）とを、それらの当接する端縁において連結体（１８）をもって一体に連結してなるものである。
【００１４】
この発明の実施例である塗布具（１）が以上の構成を具えるので、表面に修正塗料や糊料を有する転写テープ（１６）のうち、未使用の転写テープ（１６’）を巻回しつつ塗布具本体（３）の開口部（４）より突出して形成されるプリンターヘッド（２）へ送出し、このプリンターヘッド（２）を経由して使用済みとなった転写テープ（１６”）を巻き取ってなる転写テープ送出、巻き取り機構（１７）を構成する供給リール（１０）及び巻き取りリール（１３）において、供給リール（１０）のフランジ部（１１）の外周に頂面を鋭角としてなるギア（１２）を、例えば一般に用いられるインボリュート歯形とし、一方、巻き取りリール（１３）のフランジ部（１４）には頂面を円弧状に丸めて曲面とするギア（１５）を配設した上で、軸方向にスリット（９’）を配することにより弾性をもって拡開自在となる巻き取りリール軸（９）に軸着される巻き取りリール（１３）を供給リール（１０）方向に押勢することによって直接互いに噛合させることができるので、従来必要としていた供給リールギアや巻き取りリールギア等の部品を省略しつつ、未使用の転写テープ（１６’）を送出すると共に、使用済みとなった転写テープ（１６”）を巻き取るために供給リール（１０）及び巻き取りリール（１３）が一体に連動して回転することにより、転写テープ（１６）の送出、巻き取り動作を円滑に行うことができる。
【００１５】
しかし、使用者による転写テープ（１６）の過剰の引張力が加わって転写テープ（１６）の引き出し速度が設定以上となって未使用の転写テープ（１６’）を巻回する供給リール（１０）が過剰な回転を行うこととなっても、供給リール（１０）のフランジ部（１１）の外周に配設されたギア（１２）の鋭角とする頂面は、この供給リール（１０）のフランジ部（１１）の外周に配設されたギア（１２）と直接噛合することとなる巻き取りリール（１３）のフランジ部（１４）の外周に配設されたギア（１５）の曲面である頂面に沿って噛合から外れて滑ることとなるので、未使用の転写テープ（１６’）を巻回する供給リール（１０）からの未使用の転写テープ（１６’）のプリンターヘッド（２）への送出を行う一方で、互いに噛合することとなる供給リール（１０）は巻き取りリール（１３）に対して空転して、巻き取りリール（１３）自体は回転を中止するので、転写テープ（１６）に対して過度の緊張が発生することがないから、従来のようにＯ−リングを用いることなく転写テープ（１６）の切断を防止することもできる。
【００１６】
更に、巻き取りリール（１３）と共に構成する上記供給リール（１０）を、上下に外周に頂面を曲面としてなるギア（１２）を配設してなるフランジ部（１１）を有する断面Ｈ状のものとすることにより、この発明の実施例である塗布具（１）を製造する工程において、この供給リール（１０）を塗布具本体（３）を構成する下蓋（６）の内壁面（７）に一体に立設される供給リール軸（８）に対して回転自在に軸着しようとするときには、その方向性を考慮することなくそのまま軸着す．ることができるので塗布具（１）の製造作業の作業性を著しく向上させることができるものであると共に、供給リール（１０）の上下に有するフランジ部（１１）の間に未使用の転写テープ（１６’）が巻回されているので、供給リール（１０）への衝撃等によっても供給リール（１０）に巻回する未使用の転写テープ（１６’）が外れることがなくなるものである。
【００１７】
また、転写テープ送出、巻き取り機構（１７）を内装すると共に、その開口部（４）よりプリンターヘッド（２）を一体に突出して形成する塗布具本体（３）を構成する上蓋（５）と下蓋（６）とを、連結体（１８）をもって一体にすることにより、この発明の実施例である塗布具（１）を構成する部品が、この塗布具本体（３）と、この塗布具本体（３）内に内装する転写テープ送出、巻き取り機構（１７）を構成する供給リール（１０）や巻き取りリール（１３）の三点となって部品点数を減らすことができるため、塗布具（１）の製造工程における作業性を向上させ、その製造コストをも更に削減することができるようになる。
【００１８】
【発明の効果】
以上のとおり、塗布具本体内に内装される未使用の転写テープを送出すると共に、使用済みとなった転写テープを巻き取ってなる転写テープ送出、巻き取り機構を構成する供給リールと巻き取りリールとを、供給リールのフランジ部外周に配設するギアの頂面を鋭角とし、また巻き取りリールのフランジ部の外周に配設されるギアの頂面を曲面とした上で、直接互いに噛合させるものとすることで、この転写テープ送出、巻き取り機構の部品点数が削減されて製造コストの低減と共にその作業性を著しく向上させることができると共に、供給リールのフランジ部を上下に有するものとして更なる製造工程での作業性を向上させ、また塗布具本体を構成する上蓋と下蓋を連結体を持って一体とすることで部品点数を更に減らして更なる作業性の向上を図ることができる優れた効果を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図１】この発明の実施例である塗布具の正面図である。
【図２】この発明の実施例である塗布具の分解正面図である。
【図３】この発明の実施例である塗布具の横断面図である。
【図４】この発明の実施例である塗布具を構成する塗布具本体内に内装される転写テープ送出、巻き取り機構の概略図である。
【図５】この発明の実施例である塗布具を構成する塗布具本体内に内装される転写テープ送出、巻き取り機構における供給リールの断面図である。
【図６】この発明の実施例である塗布具における塗布具本体の展開状態を示した図である。
【符号の説明】
１塗布具
２プリンターヘッド
３塗布具本体
４開口部
５上蓋
６下蓋
７内壁面
８供給リール軸
９巻き取りリール軸
９’ スリット
１０供給リール
１１フランジ部
１２（頂面を鋭角とする）ギア
１３巻き取りリール
１４フランジ部
１５（頂面を曲面とする）ギア
１６転写テープ
１６’ 未使用の転写テープ
１６” 使用済みの転写テープ
１７転写テープ送出、巻き取り機構
１８連結体

Claims

先端の開口部よりプリンターヘッドを突出して形成する上蓋及び下蓋からなる塗布具本体内に、下蓋の内壁面に一体に立設される供給リール軸と巻き取りリール軸を具え、一体に連動して回転自在となるように各々軸着される供給リールと巻き取りリールから構成され、供給リールに巻回する未使用の転写テープを上記プリンターヘッドに送出し、プリンターヘッドを経由して使用済みとなった転写テープを巻き取りリールに巻き取ってなる転写テープ送出、巻き取り機構を内装する塗布具において、上記塗布具本体内に内装される転写テープ送出、巻き取り機構を構成するいずれか一方のリールのフランジ部の外周に頂面を曲面としてなるギアを、他方のリールのフランジ部には頂面を鋭角とするギアを配設した上で、直接互いに噛合させてなる塗布具。
塗布具本体内に内装されるリールを、回転軸方向上下にフランジ部を有し、断面Ｈ状のものとする請求項１記載の塗布具。
塗布具本体を構成する上蓋と下蓋を、その当接する端縁に連結体により一体に連結してなる請求項１又は２記載の塗布具。