JP4214425B2 - 画像抜き出し装置および画像抜き出し方法、画像符号化装置および画像符号化方法、画像復号装置および画像復号方法、画像記録装置および画像記録方法、画像再生装置および画像再生方法、並びに記録媒体 - Google Patents

画像抜き出し装置および画像抜き出し方法、画像符号化装置および画像符号化方法、画像復号装置および画像復号方法、画像記録装置および画像記録方法、画像再生装置および画像再生方法、並びに記録媒体 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像抜き出し装置および画像抜き出し方法、画像符号化装置および画像符号化方法、画像復号装置および画像復号方法、画像記録装置および画像記録方法、画像再生装置および画像再生方法、並びに記録媒体に関する。特に、画像から、前景を、正確に抜き出すことができるようにする画像抜き出し装置および画像抜き出し方法、画像符号化装置および画像符号化方法、画像復号装置および画像復号方法、画像記録装置および画像記録方法、画像再生装置および画像再生方法、並びに記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、画像を圧縮符号化する方法としては、従来より種々のものが提案されているが、そのうちの1つにオブジェクト符号化と呼ばれるものがある。
【0003】
オブジェクト符号化では、一連の複数画面の画像の集まりである1シーン(例えば、あるシーンチェンジから、次のシーンチェンジまでの画面)から、その背景と、動き物体の領域である前景とが検出される。即ち、1シーンがN画面でなるときは、そのN画面で表示される、1シーン全体の背景(この背景は、例えば、ビデオカメラをパンニングまたはチルティングして撮影されたシーンであれば、横長または縦長の画像となる)と、N画面の中に共通に存在する前景とが検出される。また、N画面それぞれの中の前景の動きを表す動きベクトル(以下、適宜、前景動きベクトルという)が検出され、上述の1つずつの背景および前景とともに、1シーンの符号化結果とされる。従って、オブジェクト符号化によれば、画像のデータ量を大幅に削減することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
以上のようなオブジェクト符号化により得られた符号化データの復号は、背景の中に、前景を、その前景動きベクトルにしたがった位置に配置することで行われる。
【0005】
従って、前景を、正確に抜き出すことができるかどうかが、復号画像の画質を左右する要因の1つとなる。
【0006】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、画像から、前景を正確に抜き出すことができるようにするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の画像抜き出し装置は、1シーンを構成するフレームのうちの所定の1フレームを参照画像として、1シーンを構成する各フレームにおける動きベクトルを検出する動きベクトル検出手段と、1シーンを構成する各フレームの画像における背景を求め、求めた各フレームの画像における背景から、1シーン全体の全体背景を構成する背景構成手段と、1シーンを構成する画像それぞれについて、全体背景の中の対応する部分との差分である第1の差分値を演算し、第1の差分値が所定の閾値以上となる画素の数が所定数以下となる所定の一直線上にある画像の画素を削除して、削除されなかった画素からなる、前景の候補となる前景候補画像を求める前景候補画像算出手段と、動きベクトルに基づいて検出される前景と推定される領域が、中央部分に位置しているフレームを1シーンを構成するフレームの中から検出し、検出したフレームの前景と推定される領域の動きベクトルを前景動きベクトルとして検出し、1シーンを構成する画像それぞれについての前景候補画像のうちの1つを基準画像として、基準画像と、他の前景候補画像の前景どうしが重なるように前景動きベクトルに基づいて対応づけて、基準画像と他の前景候補画像との差分を第2の差分値として演算し、第2の差分値が所定の閾値以上の基準画像を構成する画素を、全体背景を構成するものとして削除し、その画素の削除後の画像を、新たな基準画像として、他の前景候補画像との第2の差分値を演算することを繰り返し、最終的に得られた基準画像を、前景として検出する前景検出手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
請求項7に記載の画像抜き出し方法は、1シーンを構成するフレームのうちの所定の1フレームを参照画像として、1シーンを構成する各フレームにおける動きベクトルを検出し、1シーンを構成する各フレームの画像における背景を求め、求めた各フレームの画像における背景から、1シーン全体の全体背景を構成し、1シーンを構成する画像それぞれについて、全体背景の中の対応する部分との差分である第1の差分値を演算し、第1の差分値が所定の閾値以上となる画素の数が所定数以下となる所定の一直線上にある画像の画素を削除して、削除されなかった画素からなる、前景の候補となる前景候補画像を求め、動きベクトルに基づいて検出される前景と推定される領域が、中央部分に位置しているフレームを1シーンを構成するフレームの中から検出し、検出したフレームの前景と推定される領域の動きベクトルを前景動きベクトルとして検出し、1シーンを構成する画像それぞれについての前景候補画像のうちの1つを基準画像として、基準画像と、他の前景候補画像の前景どうしが重なるように前景動きベクトルに基づいて対応づけて、基準画像と他の前景候補画像との差分を第2の差分値として演算し、第2の差分値が所定の閾値以上の基準画像を構成する画素を、全体背景を構成するものとして削除し、その画素の削除後の画像を、新たな基準画像として、他の前景候補画像との第2の差分値を演算することを繰り返し、最終的に得られた基準画像を、前景として検出することを特徴とする。
【0009】
請求項1に記載の画像抜き出し装置および請求項7に記載の画像抜き出し方法においては、1シーンを構成するフレームのうちの所定の1フレームを参照画像として、1シーンを構成する各フレームにおける動きベクトルが検出され、1シーンを構成する各フレームの画像における背景を求め、求めた各フレームの画像における背景から、1シーン全体の全体背景が構成され、1シーンを構成する画像それぞれについて、全体背景の中の対応する部分との差分である第1の差分値を演算し、第1の差分値が所定の閾値以上となる画素の数が所定数以下となる所定の一直線上にある画像の画素を削除して、削除されなかった画素からなる、前景の候補となる前景候補画像が求められ、動きベクトルに基づいて検出される前景と推定される領域が、中央部分に位置しているフレームが1シーンを構成するフレームの中から検出され、検出されたフレームの前景と推定される領域の動きベクトルが前景動きベクトルとして検出され、1シーンを構成する画像それぞれについての前景候補画像のうちの1つを基準画像として、基準画像と、他の前景候補画像の前景どうしが重なるように前景動きベクトルに基づいて対応づけて、基準画像と他の前景候補画像との差分が第2の差分値として演算され、第2の差分値が所定の閾値以上の基準画像を構成する画素が、全体背景を構成するものとして削除され、その画素の削除後の画像が、新たな基準画像として、他の前景候補画像との第2の差分値を演算することが繰り返され、最終的に得られた基準画像が、前景として検出される。
【0010】
請求項8に記載の画像符号化装置は、1シーンを構成するフレームのうちの所定の1フレームを参照画像として、1シーンを構成する各フレームにおける動きベクトルを検出する動きベクトル検出手段と、1シーンを構成する各フレームの画像における背景を求め、求めた各フレームの画像における背景から、1シーン全体の全体背景を構成する背景構成手段と、1シーンを構成する画像それぞれについて、全体背景の中の対応する部分との差分である第1の差分値を演算し、第1の差分値が所定の閾値以上となる画素の数が所定数以下となる所定の一直線上にある画像の画素を削除して、削除されなかった画素からなる、画像における動き物体の領域である前景の候補となる前景候補画像を求める前景候補画像算出手段と、動きベクトルに基づいて検出される前景と推定される領域が、中央部分に位置しているフレームを1シーンを構成するフレームの中から検出し、検出したフレームの前景と推定される領域の動きベクトルを前景動きベクトルとして検出し、1シーンを構成する画像それぞれについての前景候補画像のうちの1つを基準画像として、基準画像と、他の前景候補画像の前景どうしが重なるように前景動きベクトルに基づいて対応づけて、基準画像と他の前景候補画像との差分を第2の差分値として演算し、第2の差分値が所定の閾値以上の基準画像を構成する画素を、全体背景を構成するものとして削除し、その画素の削除後の画像を、新たな基準画像として、他の前景候補画像との第2の差分値を演算することを繰り返し、最終的に得られた基準画像を、前景として検出する前景検出手段と、全体背景と、前景検出手段により検出された前景とを、1シーンの符号化結果として出力する出力手段とを備えることを特徴とする。
【0011】
請求項9に記載の画像符号化方法は、1シーンを構成するフレームのうちの所定の1フレームを参照画像として、1シーンを構成する各フレームにおける動きベクトルを検出し、
1シーンを構成する各フレームの画像における背景を求め、求めた各フレームの画像における背景から、1シーン全体の全体背景を構成し、1シーンを構成する画像それぞれについて、全体背景の中の対応する部分との差分である第1の差分値を演算し、第1の差分値が所定の閾値以上となる画素の数が所定数以下となる所定の一直線上にある画像の画素を削除して、削除されなかった画素からなる、画像における動き物体の領域である前景の候補となる前景候補画像を求め、動きベクトルに基づいて検出される前景と推定される領域が、中央部分に位置しているフレームを1シーンを構成するフレームの中から検出し、検出したフレームの前景と推定される領域の動きベクトルを前景動きベクトルとして検出し、1シーンを構成する画像それぞれについての前景候補画像のうちの1つを基準画像として、基準画像と、他の前景候補画像の前景どうしが重なるように前景動きベクトルに基づいて対応づけて、基準画像と他の前景候補画像との差分を第2の差分値として演算し、第2の差分値が所定の閾値以上の基準画像を構成する画素を、全体背景を構成するものとして削除し、その画素の削除後の画像を、新たな基準画像として、他の前景候補画像との第2の差分値を演算することを繰り返し、最終的に得られた基準画像を、前景として検出し、全体背景および前景を、1シーンの符号化結果として出力することを特徴とする。
【0012】
請求項8に記載の画像符号化装置および請求項9に記載の画像符号化方法においては、1シーンを構成するフレームのうちの所定の1フレームを参照画像として、1シーンを構成する各フレームにおける動きベクトルが検出され、1シーンを構成する各フレームの画像における背景を求め、求めた各フレームの画像における背景から、1シーン全体の全体背景が構成され、1シーンを構成する画像それぞれについて、全体背景の中の対応する部分との差分を演算し、第1の差分値が所定の閾値以上となる画素の数が所定数以下となる所定の一直線上にある画像の画素を削除して、削除されなかった画素からなる、画像における動き物体の領域である前景の候補となる前景候補画像が求められ、動きベクトルに基づいて検出される前景と推定される領域が、中央部分に位置しているフレームが1シーンを構成するフレームの中から検出され、検出されたフレームの前景と推定される領域の動きベクトルが前景動きベクトルとして検出され、1シーンを構成する画像それぞれについての前景候補画像のうちの1つを基準画像として、基準画像と、他の前景候補画像の前景どうしが重なるように前景動きベクトルに基づいて対応づけて、基準画像と他の前景候補画像との差分が第2の差分値として演算され、第2の差分値が所定の閾値以上の基準画像を構成する画素が、全体背景を構成するものとして削除され、その画素の削除後の画像が、新たな基準画像として、他の前景候補画像との第2の差分値を演算することが繰り返され、最終的に得られた基準画像が、前景として検出され、全体背景と、検出された前景とが、1シーンの符号化結果として出力される。
【0013】
請求項10に記載の画像復号装置は、符号化データは、1シーンを構成するフレームのうちの所定の1フレームを参照画像として、1シーンを構成する各フレームにおける動きベクトルを検出し、1シーンを構成する各フレームの画像における背景を求め、求めた各フレームの画像における背景から、1シーン全体の全体背景を構成し、1シーンを構成する画像それぞれについて、全体背景の中の対応する部分との差分である第1の差分値を演算し、第1の差分値が所定の閾値以上となる画素の数が所定数以下となる所定の一直線上にある画像の画素を削除して、削除されなかった画素からなる、画像における動き物体の領域である前景の候補となる前景候補画像を求め、動きベクトルに基づいて検出される前景と推定される領域が、中央部分に位置しているフレームを1シーンを構成するフレームの中から検出し、検出したフレームの前景と推定される領域の動きベクトルを前景動きベクトルとして検出し、1シーンを構成する画像それぞれについての前景候補画像のうちの1つを基準画像として、基準画像と、他の前景候補画像の前景どうしが重なるように前景動きベクトルに基づいて対応づけて、基準画像と他の前景候補画像との差分を第2の差分値として演算し、第2の差分値が所定の閾値以上の基準画像を構成する画素を、全体背景を構成するものとして削除し、その画素の削除後の画像を、新たな基準画像として、他の前景候補画像との第2の差分値を演算することを繰り返し、最終的に得られた基準画像を、前景として検出することにより得られた全体背景および前景と、各フレームの前景動きベクトルと、各フレームの位置情報を含み、符号化データを、全体背景と前景に分離する分離手段と、全体背景から、1シーンを構成する画像の背景を抽出する抽出手段と、抽出手段により抽出された背景に、前景を合成して、1シーンの画像を復号する復号手段とを備え、抽出手段は、位置情報に対応する全体背景上の領域を、フレームの背景として抽出し、復号手段は、前景動きベクトルに基づいて、フレームの前景の領域上の位置を求め、求めた位置に、前景を合成してフレームを復号し、1シーンの画像を復号することを特徴とする。
【0014】
請求項12に記載の画像復号方法は、複数画面の画像の集まりである1シーン単位で符号化を行うことにより得られた符号化データを復号する画像復号方法であって、符号化データは、1シーンを構成するフレームのうちの所定の1フレームを参照画像として、1シーンを構成する各フレームにおける動きベクトルを検出し、1シーンを構成する各フレームの画像における背景を求め、求めた各フレームの画像における背景から、1シーン全体の全体背景を構成し、1シーンを構成する画像それぞれについて、全体背景の中の対応する部分との差分である第1の差分値を演算し、第1の差分値が所定の閾値以上となる画素の数が所定数以下となる所定の一直線上にある画像の画素を削除して、削除されなかった画素からなる、画像における動き物体の領域である前景の候補となる前景候補画像を求め、動きベクトルに基づいて検出される前景と推定される領域が、中央部分に位置しているフレームを1シーンを構成するフレームの中から検出し、検出したフレームの前景と推定される領域の動きベクトルを前景動きベクトルとして検出し、1シーンを構成する画像それぞれについての前景候補画像のうちの1つを基準画像として、基準画像と、他の前景候補画像の前景どうしが重なるように前景動きベクトルに基づいて対応づけて、基準画像と他の前景候補画像との差分を第2の差分値として演算し、第2の差分値が所定の閾値以上の基準画像を構成する画素を、全体背景を構成するものとして削除し、その画素の削除後の画像を、新たな基準画像として、他の前景候補画像との第2の差分値を演算することを繰り返し、最終的に得られた基準画像を、前景として検出することにより得られた全体背景および前景と、各フレームの前景動きベクトルと、各フレームの位置情報を含み、符号化データを、全体背景と前景に分離する分離ステップと、全体背景から、1シーンを構成する画像の背景を抽出する抽出ステップと、抽出ステップで抽出された背景に、前景を合成して、1シーンの画像を復号する復号ステップとを含み、抽出ステップは、位置情報に対応する全体背景上の領域を、フレームの背景として抽出し、復号ステップは、前景動きベクトルに基づいて、フレームの前景の領域上の位置を求め、求めた位置に、前景を合成してフレームを復号し、1シーンの画像を復号することを特徴とする。
【0015】
請求項10に記載の画像復号装置および請求項12に記載の画像復号方法においては、符号化データが、全体背景と前景に分離され、全体背景から、1シーンを構成する画像の背景が抽出され、抽出された背景に、前景を合成して、1シーンの画像が復号され、位置情報に対応する全体背景上の領域が、フレームの背景として抽出され、前景動きベクトルに基づいて、フレームの前景の領域上の位置が求められ、求められた位置に、前景が合成されてフレームが復号され、1シーンの画像が復号される。
【0016】
請求項13に記載の画像記録装置は、1シーンを構成するフレームのうちの所定の1フレームを参照画像として、1シーンを構成する各フレームにおける動きベクトルを検出する動きベクトル検出手段と、1シーンを構成する各フレームの画像における背景を求め、求めた各フレームの画像における背景から、1シーン全体の全体背景を構成する背景構成手段と、1シーンを構成する画像それぞれについて、全体背景の中の対応する部分との差分である第1の差分値を演算し、第1の差分値が所定の閾値以上となる画素の数が所定数以下となる所定の一直線上にある画像の画素を削除して、削除されなかった画素からなる、画像における動き物体の領域である前景の候補となる前景候補画像を求める前景候補画像算出手段と、動きベクトルに基づいて検出される前景と推定される領域が、中央部分に位置しているフレームを1シーンを構成するフレームの中から検出し、検出したフレームの前景と推定される領域の動きベクトルを前景動きベクトルとして検出し、1シーンを構成する画像それぞれについての前景候補画像のうちの1つを基準画像として、基準画像と、他の前景候補画像の前景どうしが重なるように前景動きベクトルに基づいて対応づけて、基準画像と他の前景候補画像との差分を第2の差分値として演算し、第2の差分値が所定の閾値以上の基準画像を構成する画素を、全体背景を構成するものとして削除し、その画素の削除後の画像を、新たな基準画像として、他の前景候補画像との第2の差分値を演算することを繰り返し、最終的に得られた基準画像を、前景として検出する前景検出手段と、全体背景と、前景検出手段により検出された前景とを記録する記録手段とを備えることを特徴とする。
【0017】
請求項14に記載の画像記録方法は、1シーンを構成するフレームのうちの所定の1フレームを参照画像として、1シーンを構成する各フレームにおける動きベクトルを検出し、1シーンを構成する各フレームの画像における背景を求め、求めた各フレームの画像における背景から、1シーン全体の全体背景を構成し、1シーンを構成する画像それぞれについて、全体背景の中の対応する部分との差分である第1の差分値を演算し、第1の差分値が所定の閾値以上となる画素の数が所定数以下となる所定の一直線上にある画像の画素を削除して、削除されなかった画素からなる、画像における動き物体の領域である前景の候補となる前景候補画像を求め、動きベクトルに基づいて検出される前景と推定される領域が、中央部分に位置しているフレームを1シーンを構成するフレームの中から検出し、検出したフレームの前景と推定される領域の動きベクトルを前景動きベクトルとして検出し、1シーンを構成する画像それぞれについての前景候補画像のうちの1つを基準画像として、基準画像と、他の前景候補画像の前景どうしが重なるように前景動きベクトルに基づいて対応づけて、基準画像と他の前景候補画像との差分を第2の差分値として演算し、第2の差分値が所定の閾値以上の基準画像を構成する画素を、全体背景を構成するものとして削除し、その画素の削除後の画像を、新たな基準画像として、他の前景候補画像との第2の差分値を演算することを繰り返し、最終的に得られた基準画像を、前景として検出し、全体背景および前景を記録することを特徴とする。
【0018】
請求項13に記載の画像記録装置および請求項14に記載の画像記録方法においては、1シーンを構成するフレームのうちの所定の1フレームを参照画像として、1シーンを構成する各フレームにおける動きベクトルが検出され、1シーンを構成する各フレームの画像における背景を求め、求めた各フレームの画像における背景から、1シーン全体の全体背景が構成され、1シーンを構成する画像それぞれについて、全体背景の中の対応する部分との差分である第1の差分値を演算し、第1の差分値が所定の閾値以上となる画素の数が所定数以下となる所定の一直線上にある画像の画素を削除して、削除されなかった画素からなる、画像における動き物体の領域である前景の候補となる前景候補画像が求められ、動きベクトルに基づいて検出される前景と推定される領域が、中央部分に位置しているフレームが1シーンを構成するフレームの中から検出され、検出されたフレームの前景と推定される領域の動きベクトルが前景動きベクトルとして検出され、1シーンを構成する画像それぞれについての前景候補画像のうちの1つを基準画像として、基準画像と、他の前景候補画像の前景どうしが重なるように前景動きベクトルに基づいて対応づけて、基準画像と他の前景候補画像との差分が第2の差分値として演算され、第2の差分値が所定の閾値以上の基準画像を構成する画素が、全体背景を構成するものとして削除され、その画素の削除後の画像が、新たな基準画像として、他の前景候補画像との第2の差分値を演算することが繰り返され、最終的に得られた基準画像が、前景として検出され、全体背景と、検出された前景とが記録される。
【0019】
請求項15に記載の画像再生装置は、記録データは、1シーンを構成するフレームのうちの所定の1フレームを参照画像として、1シーンを構成する各フレームにおける動きベクトルを検出し、1シーンを構成する各フレームの画像における背景を求め、求めた各フレームの画像における背景から、1シーン全体の全体背景を構成し、1シーンを構成する画像それぞれについて、全体背景の中の対応する部分との差分である第1の差分値を演算し、第1の差分値が所定の閾値以上となる画素の数が所定数以下となる所定の一直線上にある画像の画素を削除して、削除されなかった画素からなる、画像における動き物体の領域である前景の候補となる前景候補画像を求め、動きベクトルに基づいて検出される前景と推定される領域が、中央部分に位置しているフレームを1シーンを構成するフレームの中から検出し、検出したフレームの前景と推定される領域の動きベクトルを前景動きベクトルとして検出し、1シーンを構成する画像それぞれについての前景候補画像のうちの1つを基準画像として、基準画像と、他の前景候補画像の前景どうしが重なるように前景動きベクトルに基づいて対応づけて、基準画像と他の前景候補画像との差分を第2の差分値として演算し、第2の差分値が所定の閾値以上の基準画像を構成する画素を、全体背景を構成するものとして削除し、その画素の削除後の画像を、新たな基準画像として、他の前景候補画像との第2の差分値を演算することを繰り返し、最終的に得られた基準画像を、前景として検出することにより得られた全体背景および前景と、各フレームの前景動きベクトルと、各フレームの位置情報を含み、記録データを、全体背景と前景に分離する分離手段と、全体背景から、1シーンを構成する画像の背景を抽出する抽出手段と、抽出手段により抽出された背景に、前景を合成して、1シーンの画像を再生する再生手段とを備え、抽出手段は、位置情報に対応する全体背景上の領域を、フレームの背景として抽出し、再生手段は、前景動きベクトルに基づいて、フレームの前景の領域上の位置を求め、求めた位置に、前景を合成してフレームを再生し、1シーンの画像を再生することを特徴とする。
【0020】
請求項17に記載の画像再生方法は、記録データは、1シーンを構成するフレームのうちの所定の1フレームを参照画像として、1シーンを構成する各フレームにおける動きベクトルを検出し、1シーンを構成する各フレームの画像における背景を求め、求めた各フレームの画像における背景から、1シーン全体の全体背景を構成し、1シーンを構成する画像それぞれについて、全体背景の中の対応する部分との差分である第1の差分値を演算し、第1の差分値が所定の閾値以上となる画素の数が所定数以下となる所定の一直線上にある画像の画素を削除して、削除されなかった画素からなる、画像における動き物体の領域である前景の候補となる前景候補画像を求め、動きベクトルに基づいて検出される前景と推定される領域が、中央部分に位置しているフレームを1シーンを構成するフレームの中から検出し、検出したフレームの前景と推定される領域の動きベクトルを前景動きベクトルとして検出し、1シーンを構成する画像それぞれについての前景候補画像のうちの1つを基準画像として、基準画像と、他の前景候補画像の前景どうしが重なるように前景動きベクトルに基づいて対応づけて、基準画像と他の前景候補画像との差分を第2の差分値として演算し、第2の差分値が所定の閾値以上の基準画像を構成する画素を、全体背景を構成するものとして削除し、その画素の削除後の画像を、新たな基準画像として、他の前景候補画像との第2の差分値を演算することを繰り返し、最終的に得られた基準画像を、前景として検出することにより得られた全体背景および前景と、各フレームの前景動きベクトルと、各フレームの位置情報を含み、記録データを、全体背景と前景に分離する分離ステップと、全体背景から、1シーンを構成する画像の背景を抽出する抽出ステップと、抽出ステップで抽出された背景に、前景を合成して、1シーンの画像を再生する再生ステップとを含み、抽出ステップは、位置情報に対応する全体背景上の領域を、フレームの背景として抽出し、再生ステップは、前景動きベクトルに基づいて、フレームの前景の領域上の位置を求め、求めた位置に、前景を合成してフレームを再生し、1シーンの画像を再生することを特徴とする。
【0021】
請求項15に記載の画像再生装置および請求項17に記載の画像再生方法においては、記録データが、全体背景と前景に分離され、全体背景から、1シーンを構成する画像の背景が抽出され、抽出された背景に、前景を合成して、1シーンの画像が再生され、位置情報に対応する全体背景上の領域が、フレームの背景として抽出され、前景動きベクトルに基づいて、フレームの前景の領域上の位置が求められ、求められた位置に、前景が合成されてフレームが再生され、1シーンの画像が再生される。
【0024】
請求項18に記載の記録媒体は、1シーンを構成するフレームのうちの所定の1フレームを参照画像として、1シーンを構成する各フレームにおける動きベクトルを検出し、1シーンを構成する各フレームの画像における背景を求め、求めた各フレームの画像における背景から、1シーン全体の全体背景を構成し、1シーンを構成する画像それぞれについて、全体背景の中の対応する部分との差分である第1の差分値を演算し、第1の差分値が所定の閾値以上となる画素の数が所定数以下となる所定の一直線上にある画像の画素を削除して、削除されなかった画素からなる、画像における動き物体の領域である前景の候補となる前景候補画像を求め、動きベクトルに基づいて検出される前景と推定される領域が、中央部分に位置しているフレームを1シーンを構成するフレームの中から検出し、検出したフレームの前景と推定される領域の動きベクトルを前景動きベクトルとして検出し、1シーンを構成する画像それぞれについての前景候補画像のうちの1つを基準画像として、基準画像と、他の前景候補画像の前景どうしが重なるように前景動きベクトルに基づいて対応づけて、基準画像と他の前景候補画像との差分を第2の差分値として演算し、第2の差分値が所定の閾値以上の基準画像を構成する画素を、全体背景を構成するものとして削除し、その画素の削除後の画像を、新たな基準画像として、他の前景候補画像との第2の差分値を演算することを繰り返し、最終的に得られた基準画像を、前景として検出する処理を行わせるためのプログラムが記録されていることを特徴とする。
【0039】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明を適用した記録再生装置の一実施の形態の構成例を示している。
【0040】
この記録再生装置においては、複数画面の画像の集まりである1シーンを単位として、オブジェクト符号化が行われ、それにより得られる符号化データが記録媒体3に記録されるようになされている。さらに、この記録再生装置では、記録媒体3に記録された符号化データが再生、復号され、その結果得られる復号画像が、例えば、図示せぬディスプレイなどに供給されて表示されるようになされている。
【0041】
即ち、ハードディスク6には、オブジェクト符号化対象のディジタル画像(動画像)が記録されている。なお、ここでは、説明を簡単にするために、例えば、ビデオカメラなどで撮影された画像について、シーンチェンジの検出が行われ、そのようなシーンチェンジごとに区切られた、一連の複数画面の画像の集まりである1シーン単位で、画像が、ハードディスク6に記録されており、ハードディスク6から記録再生装置に対しては、画像が、1シーン単位で供給されるものとする。また、ハードディスク6に記憶された画像は、例えば、背景としてのある風景の中を、動き物体である前景としてのトラックなどが走行しているような、いわば剛体動きをする背景および1の前景でなるものであるとする。
【0042】
記録再生装置に対して、ハードディスク6から、1シーン分の画像が供給されると、その画像は、エンコーダ1においてオブジェクト符号化され、その結果得られる符号化データは、記録部2に供給される。記録部2では、エンコーダ1からの符号化データが、記録媒体3に記録される。なお、記録媒体3としては、光磁気ディスクや、磁気ディスク、相変化ディスク、磁気テープなどの他、インターネットや、衛星回線、地上回線、公衆網、CATV網などの伝送媒体も含まれる。
【0043】
記録媒体3に記録された符号化データは、再生部4において再生され、デコーダ5に供給される。デコーダ5では、再生部4からの符号化データが復号され、その結果得られる復号画像が出力される。
【0044】
次に、図2は、図1のエンコーダ1の構成例を示している。
【0045】
ハードディスク6からの1シーン分の画像データは、フィールド/フレーム変換部11に供給されるようになされている。フィールド/フレーム変換部11では、ハードディスク6からの画像データが、フィールド単位のものからフレーム単位のものに変換され、フレームメモリ部12に供給される。即ち、ハードディスク6に記憶された画像データは、ここでは、例えば、NTSC方式などのインターレース方式のテレビジョン信号になっており、フィールド/フレーム変換部11では、そのインターレース方式の信号が、ノンインターレース方式の信号(いわゆるプログレッシブな画像データ)に変換され、フレームメモリ部12に供給される。なお、ハードディスク6に記憶された画像データが、プログレッシブなものである場合には、フィールド/フレーム変換部11は必要なく、ハードディスク6からの画像データは、そのままフレームメモリ部12に供給される。
【0046】
フレームメモリ部12では、ハードディスク6から、フィールド/フレーム変換部11を介して供給される1シーン分のフレーム単位の画像データが記憶される。フレームメモリ部12に、1シーン分の画像データが記憶されると、動きベクトル検出部13では、その画像データの動きベクトルが検出される。
【0047】
即ち、フレームメモリ部12に記憶された1シーン分の画像データを、その先頭のフレームから、第1フレーム、第2フレーム、・・・、第Nフレームとすると(従って、ここでは、フレームメモリ部12に記憶された1シーン分の画像データは、第1フレーム乃至第NフレームのNフレームでなる)、動きベクトル検出部13は、例えば、第1フレームを基準(いわゆる参照画像)として、第2乃至第Nフレームそれぞれにおける動きベクトルを、8×8(横×縦)画素のブロック単位で検出する。さらに、動きベクトル検出部13では、各フレームの動きベクトルが、1画素より細かい、例えば、1/4画素以下の精度で検出される。
【0048】
ここで、画素より細かい単位での動きベクトルの検出は、例えば、次のようにして行うことができる。即ち、例えば、動きベクトルを検出しようとする注目フレームのブロック(以下、適宜、処理対象ブロックという)と同一の大きさで同一の形のブロックを、ここでは、第1フレームの所定の位置に考え、まず最初に、そのブロック(以下、適宜、参照ブロックという)と処理対象ブロックとの、対応する位置にある画素の画素値どうしの差分の絶対値和や2乗和など(以下、適宜、誤差という)を求める。
【0049】
いま、参照ブロックの位置からの、処理対象ブロックへのベクトルが(x,y)のときに得られる誤差をE(x,y)と表し、画素単位で動きベクトルを検出したときに、誤差E(x,y)を最小にする動きベクトルとして、(x0,y0)が得られたとする。
【0050】
この場合、E(x0−1,y0)<E(x0+1,y0)が成り立つならば、図3(A)に示すように、E(x0−2,y0),E(x0−1,y0),E(x0,y0),E(x0+1,y0)の4点をスプライン補間して得られる曲線を求め、また、E(x0−1,y0)<E(x0+1,y0)が成り立たないならば、図3(B)に示すように、E(x0−1,y0),E(x0,y0),E(x0+1,y0),E(x0+2,y0)の4点をスプライン補間して得られる曲線を求める。
【0051】
さらに、その曲線から、誤差E(x,y0)を最小にするx(以下、適宜、xminという)を求め、同様にして、誤差E(x0,y)を最小にするy(以下、適宜、yminという)を求める。そして、その結果得られるxminおよびyminで表されるベクトル(xmin,ymin)が、画素より細かい単位での動きベクトルとなる。
【0052】
動きベクトル検出部13は、フレームメモリ部12に記憶された画像の動きベクトルを検出した後、その動きベクトルを、背景抽出部14および前景抽出部15に供給するとともに、その動きベクトルに基づいて、フレームメモリ部12に記憶された画像におけるフィールド間のずれの補正を行う。即ち、ハードディスク6に記憶された画像データが、例えば、上述したように、NTSC方式のものである場合には、あるフレームを構成する2つのフィールドの間には、約1/60秒に相当する画像のずれがある。動きベクトル検出部13は、このずれを、動きベクトルにしたがって補正する。
【0053】
動きベクトル検出部13において、フレームメモリ部12に記憶された画像におけるフィールド間のずれの補正が行われると、背景抽出部14では、フレームメモリ部12に記憶された1シーン分の画像を構成する各フレームが適宜読み出され、その1シーン全体の背景が、動きベクトル検出部13からの動きベクトルに基づいて検出(抽出)される。即ち、フレームメモリ部12に記憶された1シーン分の画像が、例えば、ある風景の中を走行するトラックを、ビデオカメラを右から左にパンニングしながら撮影したものであるとすると、1シーン分の画像全体の背景は、横長のものになるが、この場合、背景抽出部14では、そのような横長の背景が検出される。さらに、背景抽出部14では、その横長の背景における、各フレームの位置に関する位置情報も検出され、その背景の画像と各フレームの位置情報とが、背景情報として、前景抽出部15および符号化部16に供給される。
【0054】
前景抽出部15は、動きベクトル検出部13から動きベクトルを受信するとともに、背景抽出部14から背景情報を受信すると、フレームメモリ部12に記憶された1シーン分の画像を構成する各フレームを適宜読み出し、その各フレームの画像、並びに動きベクトルおよび背景情報を用いて、前景を検出(抽出)する。さらに、前景抽出部15は、各フレームにおける前景についての動きベクトル(前景動きベクトル)を検出し、この前景動きベクトルと前景の画像とを、前景情報として符号化部16に供給する。
【0055】
符号化部16は、背景抽出部14からの背景情報と、前景抽出部15からの前景情報とを、例えば多重化することにより、符号化データとし、記録部2に供給する。
【0056】
次に、図4は、図2の背景抽出部14の構成例を示している。
【0057】
読み書き制御部21は、フレームメモリ部12に記憶された画像の読み出しを制御するとともに、背景メモリ22または位置情報メモリ23それぞれへの背景または位置情報の書き込みを制御するようになされている。即ち、読み書き制御部21は、フレームメモリ部12に記憶された画像を、第1フレームから順次読み出し、各フレームの画像における背景を、動きベクトル検出部13から供給される動きベクトルに基づいて求め、背景メモリ22に書き込むようになされている。さらに、読み書き制御部21は、背景メモリ22に記憶された背景における、各フレームの位置に関する位置情報を検出し、位置情報メモリ23に書き込むようにもなされている。
【0058】
背景メモリ22は、読み書き制御部21の制御にしたがい、各フレームの背景を記憶することにより、1シーン全体の背景(以下、適宜、全体背景という)を構成し、また、その全体背景を、マルチプレクサ(MUX)24に供給するようになされている。位置情報メモリ23は、読み書き制御部21の制御にしたがい、全体背景における各フレームの位置情報を記憶し、また、記憶した位置情報を、マルチプレクサ24に供給するようになされている。マルチプレクサ24は、背景メモリ22からの全体背景と、位置情報メモリ23からの各フレームの位置情報とを多重化し、背景情報として、前景抽出部15および符号化部16に供給するようになされている。
【0059】
図5は、図4の背景メモリ22の構成例を示している。
【0060】
背景メモリ22は、例えば、水平方向(水平走査線の方向)にはPH’個の画素(画素値)を、垂直方向にはPV’個の画素(画素値)を、それぞれ記憶することができるようになされている。なお、1フレームの画像を構成する水平方向または垂直方向の画素数を、それぞれPHまたはPVとすると、PH’>>PH,PV’>>PVとなっており、従って、背景メモリ22は、水平方向および垂直方向とも、1フレームを構成する画素数より充分多い画素数でなる画像を記憶することができるようになされている。
【0061】
ここで、背景メモリ22のアドレスは、その最も左上の記憶領域を原点(0,0)とし、水平または垂直方向をそれぞれxまたはy軸としてシーケンシャルに付されており、従って、左からi+1番目で、上からj+1番目の絶対アドレスは、(i,j)となっている。
【0062】
次に、図6のフローチャートを参照して、図4の背景抽出部14において行われる背景(全体背景)を抽出する処理(背景抽出処理)について説明する。
【0063】
背景抽出部14では、まず最初に、ステップS1において初期化処理が行われる。即ち、読み書き制御部21は、背景メモリ22および位置情報メモリ23の記憶値を、所定の初期値にクリアする。さらに、読み書き制御部21は、背景メモリ22のアドレスポインタを、フレームメモリ部12に記憶された1シーン分の画像の動きベクトルに基づいて、所定のアドレスにセットする。
【0064】
ここで、背景メモリ22には、上述したように、各フレームの背景が記憶されることにより、1シーン全体の背景(全体背景)が構成される。従って、1シーン分の画像が、例えば、ビデオカメラを、右から左にパンニングして撮影されたものである場合には、1シーン分の画像、即ち、第1乃至第Nフレームの背景で構成される全体背景は、その第1乃至第Nフレームを、その位置を右から左に徐々にずらして並べて形成される、図7に点線で示すような横長のものになる。そして、この場合、例えば、第1フレームの背景を、背景メモリ22の左端の方に記憶させたのでは、全体背景を記憶することが困難となる。そこで、初期化処理において、読み書き制御部21は、背景メモリ22に第1フレームの画像を記憶させるときに、例えば、そのフレームの最も左上の画素が記憶されるアドレスを指すポインタであるアドレスポインタを、全体背景をすべて記憶させることができるようなアドレスにセットするようになされている。従って、例えば、全体背景が、図7に点線で示すような横長のものである場合には、初期化処理において、アドレスポインタは、例えば、図8に示すように、背景メモリ22の右端の方のアドレスにセットされる。なお、背景メモリ22が、いわゆるリングバッファとして構成されている場合には、初期化処理において、アドレスポインタは、どのアドレスに設定しても問題はない。
【0065】
初期化処理が終了すると、ステップS2に進み、読み書き制御部21は、背景についての動きベクトルの基準値VBを検出する。即ち、読み書き制御部21は、例えば、第2フレームの各ブロックごとの動きベクトルに基づき、第1フレームから、背景と推定される領域を検出する。そして、読み書き制御部21は、その領域におけるブロックの動きベクトルの平均値(小数点以下は、例えば切り捨てる)を、背景についての動きベクトルの基準値VBとする。
【0066】
その後、読み書き制御部21は、ステップS3において、第1フレームから検出した背景(と推定される領域)を構成する画素(以下、適宜、背景画素という)を、背景メモリ22の、対応するアドレスに書き込む。即ち、読み書き制御部21は、第1フレームの背景画素を、図8に示したアドレスポインタを最も左上の頂点とするPH×PV画素の領域の対応するアドレスに書き込む。そして、ステップS4に進み、読み書き制御部21は、例えば、いまのアドレスポインタの位置(アドレスポインタが指している、背景メモリ22のアドレス)を、第1フレームの位置情報として、位置情報メモリ23に書き込み、ステップS5に進む。
【0067】
ステップS5では、読み書き制御部21において、フレーム数をカウントするための変数nに、初期値としての2がセットされ、ステップS6に進む。ステップS6では、読み書き制御部21において、各フレームを構成する8×8のブロックをカウントするための変数bに、初期値としての、例えば1がセットされ、ステップS7に進む。ここで、各フレームにおける最も左上のブロックを、第1ブロックとし、以下、いわゆるラスタスキャン順に、各ブロックを、第2ブロック、第3ブロック、・・・とするものとする。なお、ここでは、1フレームはB個のブロック、即ち、第1乃至第Bブロックで構成されるものとする。
【0068】
ステップS7では、読み書き制御部21において、動きベクトル検出部13から供給された、第nフレームにおける第bブロックの動きベクトルVbの信頼度Cbが閾値εC以上であり(より大きく)、動きベクトルVbと背景についての動きベクトルの基準値VBとの差分の絶対値(ノルム)が閾値εV以下(未満)であり、かつ動きベクトルVbのx,y成分がいずれも整数値(小数点以下が0)であるかどうかが判定される。
【0069】
ここで、動きベクトルVbの信頼度Cbは、その動きベクトルVbに対応する第bブロックが、背景の領域であることの信頼性を表すもので、ここでは、例えば、次式で定義されている。
【0070】
【数1】
Figure 0004214425
・・・(1)
但し、式(1)において、msei,jは、次式で表される。
【数2】
Figure 0004214425
・・・(2)
【0071】
ここで、式(2)において、s(x,y)は、第bブロックの最も左上から、右方向にx番目で、下方向にy番目の位置にある画素(画素値)を表す。また、式(2)において、s’(x+i,y+j)は、第bブロックの動きベクトルVbを検出する際の基準となる画像(参照画像)、即ち、ここでは、第1フレームにおける、第bブロックに対応する8×8画素のブロックから、水平方向または垂直方向に、それぞれiまたはj画素だけ移動した位置におけるブロックの最も左上から、右方向にx番目で、下方向にy番目の位置にある画素を表す。さらに、式(2)において、xまたはyについてのサメーション(Σ)は、xまたはyを、1ブロックを構成する水平方向または垂直方向の画素数にそれぞれ対応する値、即ち、ここでは、いずれも1乃至8に変えてのサメーションを表す。従って、式(2)で表されるmsei,jは、i,jを、動きベクトルVbのx,y成分それぞれとして、その動きベクトルVbにしたがって、参照画像(ここでは、上述したように、第1フレーム)を動き補償して得られる、いわば予測画像の予測誤差に相当する。
【0072】
なお、式(1)において、iまたはjについてのサメーションは、iまたはjを、水平方向または垂直方向の動き検出の範囲内で変えてのサメーションをそれぞれ表す。また、水平方向または垂直方向の動き検出の範囲(iまたはjがとり得る値)を、例えば、−X乃至Xまたは−Y乃至Yとそれぞれすると(但し、X,Yは、正の整数)、式(1)において、IまたはJは、2X+1または2Y+1でそれぞれ表される値である。
【0073】
従って、式(1)で表される信頼度Cbは、式(2)におけるi,jを変えて予測誤差を求めた場合に、最小の予測誤差が、その他の予測誤差と比較して相対的に小さいときに大きくなる。
【0074】
ステップS7において、第nフレームにおける第bブロックの動きベクトルVbの信頼度Cbが閾値εC以上であり、動きベクトルVbと背景についての動きベクトルの基準値VBとの差分の絶対値が閾値εV以下であり、かつ動きベクトルVbのx,y成分がいずれも整数値である場合、ステップS8に進み、読み書き制御部21は、その第bブロックを構成する画素を、全体背景を構成する画素として、背景メモリ22の対応するアドレスに書き込み、ステップS9に進む。
【0075】
即ち、読み書き制御部21は、第bブロックを、第1フレームの対応する位置から、動きベクトルVbに対応する分だけ移動した位置(背景メモリ22のアドレス)に書き込む。なお、第bブロックを構成するある画素を書き込もうとする背景メモリ22のアドレスに、既に、全体背景としての画素が記憶されている場合には、読み書き制御部21において、例えば、その既に記憶されている画素が、背景メモリ22から読み出されて、その読み出された画素との平均値が求められ、これが、新たに全体背景を構成する画素として、背景メモリ22に書き込まれる。なお、この場合、平均値ではなく、重み付け加算値(例えば、既に記憶されている画素を8として、第bブロックの画素を2とする)を書き込んだり、また、第bブロックの画素を、単に、上書きすることも可能である。
【0076】
一方、ステップS7において、第nフレームにおける第bブロックの動きベクトルVbの信頼度Cbが閾値εC以上でないか、動きベクトルVbと背景についての動きベクトルの基準値VBとの差分の絶対値が閾値εV以下でないか、または動きベクトルVbのx,y成分の少なくとも一方が整数値でない場合、ステップS8をスキップして、ステップS9に進み、読み書き制御部21において、ブロック数をカウントする変数bが、1フレームを構成するブロック数Bに等しいかどうかが判定される。ステップS9において、変数bがBに等しくないと判定された場合、ステップS10に進み、読み書き制御部21において、変数bが1だけインクリメントされ、ステップS7に戻り、同様の処理が繰り返される。
【0077】
また、ステップS9において、変数bがBに等しいと判定された場合、ステップS11に進み、読み書き制御部21において、第nフレームの位置情報が求められ、位置情報メモリ23に書き込まれる。即ち、ステップS11では、例えば、第nフレームを構成するブロックのうち、背景メモリ22に書き込まれたものの動きベクトルの平均値(小数点以下は、例えば、切り捨てる)が求められ、この平均値が、アドレスポインタに加算される。そして、この加算後のアドレスポインタが指すアドレスが、第nフレームの位置情報として、位置情報メモリ23に書き込まれる。なお、第nフレームを構成するブロックの中に、背景メモリ22に書き込まれたものが1つもない場合は、例えば、その第nフレームを構成するすべてのブロックの動きベクトルの平均値が、位置情報を求めるのに用いられる。
【0078】
第nフレームの位置情報の書き込み後は、ステップS12に進み、フレーム数をカウントする変数nが、1シーンを構成するフレーム数Nに等しいかどうかが、読み書き制御部21によって判定される。ステップS12において、変数nがNに等しくないと判定された場合、ステップS13に進み、読み書き制御部21において、変数nが1だけインクリメントされ、ステップS6に戻る。また、ステップS12において、変数nがNに等しいと判定された場合、背景抽出処理を終了する。
【0079】
以上のように、動きベクトルの信頼度Cbが閾値εC以上であり、動きベクトルと背景についての動きベクトルの基準値VBとの差分の絶対値が閾値εV以下であり、かつ動きベクトルのx,y成分がいずれも整数値である場合に、その動きベクトルが検出されたブロックを構成する画素を、背景を構成するものとして確定し、背景メモリ22に書き込むようにしたので、背景を、精度良く抽出することが可能となる。
【0080】
また、あるブロックを構成する画素を、背景を構成する画素として書き込もうとする背景メモリ22のアドレスに、既に、全体背景としての画素が記憶されている場合には、その既に記憶されている画素との平均値を書き込むようにしたので、例えば、影の影響などにより、輝度が急激に変化するような、違和感のある全体背景が構成されることを防止することが可能となる。
【0081】
なお、シーンの最初の数フレームを、背景だけからなる画像としておくことにより、各フレームから、背景を、より精度良く抽出することが可能となる。
【0082】
また、上述の場合においては、説明を簡単にするために、動きベクトル検出部13において、常時、第1フレームを基準として、他のフレームの動きベクトルを検出するようにしたが、画像が、ビデオカメラをパンニングやチルティングして撮影されたものである場合には、後のフレームにおいて、第1フレームの背景がまったく表示されていない状態となることがあり、動きベクトルの検出が困難となる。そこで、動きベクトルを検出するための基準となる画像は、例えば、数十フレーム単位で切り替えるのが望ましい。なお、動きベクトルの検出のために、新たに基準とする画像は、いま基準とされている画像に対する動きベクトルのx,y成分がともに整数になっているものであることが望ましい。
【0083】
ここで、例えば、図9に示す、所定の背景の中を、トラックが右から左方向に走行している画像を含む1シーンから、上述した背景抽出処理により全体背景を抽出した抽出結果を、図10に示す。図9および図10から分かるように、全体背景が、精度良く抽出されている。
【0084】
次に、図2の前景抽出部15について説明するが、その前に、その前段階の準備として、前景を抽出する2つの方法について説明する。
【0085】
まず、第1の方法では、各フレームの画像と、全体背景のうちの対応する部分(背景)との差分を演算し、その差分値が大きい画素を、前景を構成するものとして抽出する。しかしながら、この方法では、前景を構成する画素であっても、背景(全体背景)との差分値が小さくなると、前景としては抽出されず、背景として削除されることになる。ここで、第1の方法により、図9に示した画像(フレーム)から、図10に示した全体背景を用いて求めた前景を、図11に示す。図11から分かるように、第1の方法では、背景は比較的精度良く削除されているが、前景を構成する画素のうち、背景との差分値が小さい部分も削除されてしまっている。
【0086】
次に、第2の方法では、あるフレームと、他のフレームとを、それぞれの前景の位置をあわせて、対応する画素どうしの差分を演算する。そして、その差分値が大きい画素を、背景を構成するものとして削除し、残りを、前景を構成するものとして抽出する。しかしながら、この方法では、背景を構成する画素であっても、対応する画素との差分値が小さくなると、背景として削除されず、前景として抽出されることになる。ここで、図9に示した画像(フレーム)を含む1シーンの中の2フレームを用いて求めた前景を、図12に示す。図12から分かるように、第2の方法では、前景は比較的精度良く抽出されているが、背景を構成する画素のうち、対応する画素との差分値が小さい部分も抽出されてしまっている。
【0087】
以上のように、第1または第2の方法のうちのいずれか一方だけでは、前景(だけ)の精度の良い抽出が困難である。
【0088】
そこで、図13は、図2の前景抽出部15の構成例を示している。
【0089】
前景位置近似処理部31には、フレームメモリ部12に記憶された画像と、背景抽出部13が出力する背景情報とが供給されるようになされている。前景位置近似処理部31は、フレームメモリ部12からの画像と、背景抽出部13からの背景情報とから、第1の方法を利用して、前景の候補となる、後述するような前景近似画像(前景候補画像)を構成し、前景近似画像メモリ32に供給する。前景近似画像メモリ32は、前景位置近似処理部31からの前景近似画像を記憶する。
【0090】
一方、前景検出処理部33には、動きベクトル検出部13から動きベクトルが供給されるようになされている。前景検出処理部33は、前景近似画像メモリ32に記憶された前景近似画像から、動きベクトルを用い、第2の方法を利用して前景を検出するとともに、各フレームにおける前景についての動きベクトルを検出し、それらを、前景情報として符号化部16に出力する。
【0091】
次に、図14は、図13の前景位置近似処理部31の構成例を示している。
【0092】
前景位置近似処理部31では、第1の方法により、各フレームの画像から、背景である蓋然性の高い画素が削除され、これにより、前景近似画像が構成されて出力されるようになされている。
【0093】
即ち、差分算出部41には、フレームメモリ部12に記憶された各フレームの画像と、背景抽出部14が出力する背景情報とが供給されるようになされている。差分算出部41では、各フレームの画像それぞれと、背景情報に含まれる全体背景のうち、対応するフレームの背景部分との差分値が演算され、背景削除部42に供給されるようになされている。背景削除部42には、差分算出部41から、上述の差分値が供給される他、フレームメモリ部12から各フレームの画像が供給されるようになされている。背景削除部42は、各フレームの画像から、差分算出部41の差分値に基づいて、背景である蓋然性の高い画素を検出して削除し、その結果得られる各フレームの画像を、前景近似画像として出力するようになされている。
【0094】
次に、図15のフローチャートを参照して、図14の前景位置近似処理部31において行われる処理(前景近似処理)について説明する。
【0095】
前景近似処理では、まず最初に、ステップS21において、フレーム数をカウントする変数nに、初期値としての1がセットされる。そして、ステップS22に進み、差分算出部41において、フレームメモリ部12に記憶された第nフレームの画像が読み出され、その第nフレームと、それに対応する背景との差分値が算出される。即ち、差分算出部41は、背景情報を、全体背景と位置情報とに分離し、全体背景から、第nフレームの背景に相当する領域を抽出する。そして、差分算出部41は、その抽出した領域と、第nフレームとの差分値を演算し、背景削除部42に出力する。
【0096】
ここで、本実施の形態では、第nフレームと、その背景との差分値(第1の差分値)として、差分算出部41において、例えば、次のような重み加算値が計算されるようになされている。即ち、いま、画素(画素値)が、輝度信号としてのY信号と、色差信号としてのU,V信号とを有しているとすると、差分算出部41では、Y信号どうしの差を2乗したものと、U,V信号それぞれどうしの差を2乗したものとが求められる。そして、差分算出部41は、Y信号どうしの差を2乗したものの重みを、例えば1とするとともに、U,V信号それぞれどうしの差を2乗したものの重みを、例えば、いずれも50として、それらを加算し、その加算結果を、差分値とするようになされている。
【0097】
なお、以上のように、Y信号に比較して、U,V信号の重みを大きくすることにより、影による画素値の変化に起因して、前景または背景の抜き出し(抽出)精度が劣化することを低減することができる。
【0098】
また、差分算出部41は、図16に示すように、第nフレームの注目画素について、その注目画素と、背景における対応する画素eとの差分値(重み加算値)だけでなく、背景における対応する画素の周辺にある画素としての、例えば、その対応する画素に隣接する8つの画素a,b,c,d,f,g,h,iそれぞれとの差分値も演算するようになされている。そして、差分算出部41は、その9個の差分値のうちの、例えば、最も小さいものを、注目画素についての最終的な差分値として、背景削除部42に供給するようになされている。
【0099】
なお、以上のように、注目画素について、それに対応する画素だけでなく、その周辺にある画素との差分値も演算し、そのうちの最小値を、最終的な差分値とすることで、前景である蓋然性の高い画素が削除され、また、背景である蓋然性の高い画素が削除されないことを防止することが可能となる。
【0100】
即ち、第1の方法では、各フレームの画像と、全体背景のうちの対応する部分(背景)との差分を演算し、その差分値が大きい画素を、前景を構成するものとして抽出するが、その差分値を演算するときに、あるフレームの注目画素と、全体背景のうちの、その注目画素に対応させる画素とが、空間的にずれている場合がある。そして、注目画素が背景を構成する場合に、その注目画素に対応させる画素が空間的にずれていると、得られる差分値が大きくなり、その注目画素は、背景であるにもかかわらず、前景を構成するものとして抽出されることになる。
【0101】
また、第2の方法では、あるフレームと、他のフレームとを、それぞれの前景の位置をあわせて、対応する画素どうしの差分を演算し、その差分値が大きい画素を、背景を構成するものとして削除するが、やはり、その差分値を演算するときに、あるフレームの注目画素と、他のフレームのうちの、その注目画素に対応させる画素とが、空間的にずれている場合がある。そして、注目画素が前景を構成する場合に、その注目画素に対応させる画素が空間的にずれており、背景を構成する画素と対応させてしまうと、得られる差分値が大きくなり、注目画素は、前景であるにもかかわらず、背景を構成するものとして削除されることになる。
【0102】
そこで、上述のように、注目画素について、それに対応する画素だけでなく、その周辺にある画素との差分値も演算し、そのうちの最小値を、最終的な差分値とすることで、対応させた画素どうしの空間的な位置ずれを補償することが可能となり、その結果、前景である蓋然性の高い画素が削除されることと、背景である蓋然性の高い画素が削除されないこととを防止することが可能となる。
【0103】
以上のようにして、第nフレームの画像と、それに対応する背景との差分値が算出され、差分算出部41から背景削除部42に出力されると、ステップS23に進み、第nフレームの、垂直方向に並ぶ画素の列数をカウントする変数hに、初期値としての1がセットされる。そして、ステップS24に進み、背景削除部42において、第nフレームの左から第h列において、差分算出部41で求められた差分値が所定の閾値(前景と予想される値)以上となっている画素の数が、所定数εh以下(未満)であるかどうかが判定される。ステップS24において、差分値が所定の閾値以上となっている画素の数が、所定数εh以下であると判定された場合、ステップS25に進み、背景削除部41は、第nフレームの第h列を構成する画素すべてを、背景を構成する画素と確定して削除し、ステップS26に進む。
【0104】
また、ステップS24において、差分値が所定の閾値以上となっている画素の数が、所定数εh以下でないと判定された場合、ステップS25をスキップして、ステップS26に進み、変数hが1だけインクリメントされ、ステップS27に進む。ステップS27では、変数hが、1フレームの水平方向の画素数PH以下であるかどうかが判定され、PH以下であると判定された場合、ステップS24に戻る。また、ステップS27において、変数hがPH以下でないと判定された場合、ステップS28に進み、第nフレームの、水平方向に並ぶ画素の行数をカウントする変数vに、初期値としての1がセットされる。
【0105】
そして、ステップS29に進み、背景削除部42において、第nフレームの上から第vラインにおいて、差分算出部41で求められた差分値が所定の閾値(前景と予想される値)以上となっている画素の数が、所定数εv以下(未満)であるかどうかが判定される。ステップS29において、差分値が所定の閾値以上となっている画素の数が、所定数εv以下であると判定された場合、ステップS30に進み、背景削除部41は、第nフレームの第vラインを構成する画素すべてを、背景を構成する画素と確定して削除し、ステップS31に進む。
【0106】
また、ステップS29において、差分値が所定の閾値以上となっている画素の数が、所定数εv以下でないと判定された場合、ステップS30をスキップして、ステップS31に進み、変数vが1だけインクリメントされ、ステップS32に進む。ステップS32では、変数vが、1フレームの垂直方向の画素数(ライン数)PV以下であるかどうかが判定され、PV以下であると判定された場合、ステップS29に戻る。
【0107】
一方、ステップS32において、変数vがPV以下でないと判定された場合、即ち、第nフレームについて、差分算出部41で求められた差分値が所定の閾値以上となっている画素の数が、それぞれ所定数εhまたはεv以下になっている列またはラインが、背景を構成するものとして削除された画像である前景近似画像が形成された場合、ステップS33に進み、変数nが、1シーンを構成するフレーム数Nに等しいかどうかが判定される。ステップS33において、変数nがNに等しくないと判定された場合、ステップS22に戻る。また、ステップS33において、変数nがNに等しいと判定された場合、前景位置近似処理を終了する。
【0108】
ここで、図9に示した画像を対象に、図10に示した全体背景を用いて、上述の前景位置近似処理を行って得られる前景近似画像を、図17に示す。第1の方法をそのまま用いた場合には、図11に示したように、前景を構成する画素のうち、背景との差分値が小さい部分も削除されてしまったが、差分算出部41で求められた差分値が所定の閾値以上となっている画素の数が、それぞれ所定数εhまたはεv以下になっている列またはラインだけを、背景として削除することにより、図17に示すように、背景である蓋然性が非常に高い画素だけが削除されるようになり、これにより、前景を構成する画素が削除されることを防止することが可能となる。
【0109】
次に、図18は、図13の前景検出処理部33の構成例を示している。
【0110】
前景動きベクトル検出部51は、動きベクトル検出部13からのブロックごとの動きベクトルに基づいて、各フレームの前景についての動きベクトル(前景動きベクトル)を、例えば、図4の読み書き制御部21が背景の位置情報を求めるのと同様にして検出するようになされている。
【0111】
即ち、前景動きベクトル検出部51は、各フレームについて、動きベクトル検出部13からの動きベクトルから、前景と推定される領域(ブロック)を検出し、その検出結果に基づき、前景が、例えば、その中央部分に位置しているフレームを検出する。そして、前景動きベクトル検出部51は、そのフレームの前景と推定されるブロックの動きベクトルの平均値(小数点以下は、例えば、切り捨てる)を、前景についての動きベクトルの基準値VFとする。さらに、前景動きベクトル検出部51は、例えば、他のフレームについて、前景についての動きベクトルの基準値VFを用いて、図6のステップS7における条件を満たすかどうかの判定処理を行い、その条件を満たすブロックの動きベクトルの平均値(小数点以下は、例えば、切り捨てる)が求められ、これが、そのフレームの前景についての動きベクトル(前景動きベクトル)とされる。前景動きベクトル検出部51で検出された前景動きベクトルは、前景動きベクトルメモリ52に供給されて記憶されるとともに、差分算出部53に供給されるようになされている。
【0112】
前景動きベクトルメモリ52は、前景動きベクトル検出部51からの各フレーム(第2乃至第Nフレーム)の前景動きベクトルを記憶するようになされている。
【0113】
差分算出部53は、前景近似画像メモリ32に記憶された前景近似画像を読み出し、リファレンス画像メモリ55に記憶された、後述するリファレンス画像(基準画像)との、上述したような重み加算値を演算し、その演算結果および回数カウントメモリ54の記憶値に対応して、リファレンス画像メモリ55の記憶値(リファレンス画像)を更新するようになされている。また、差分算出部53は、自身が求めた重み加算値に対応して、回数カウントメモリ54の記憶値を更新するようにもなされている。なお、差分算出部53において、重み加算値の演算は、リファレンス画像および前景近似画像を、それぞれにおける前景の位置を一致させて行われるが、この前景の位置を一致させる処理は、前景動きベクトル検出部51から供給される前景動きベクトルに基づいて行われるようになされている。
【0114】
回数カウントメモリ54は、1フレームを構成する画素数に対応する記憶容量を、少なくとも有し、後述するような回数を記憶するようになされている。リファレンス画像メモリ55は、1フレーム分の画像を記憶する記憶容量を、少なくとも有し、前景近似画像との差分値を演算するリファレンス画像を記憶するようになされている。マルチプレクサ56は、リファレンス画像メモリ55に最終的に記憶されたリファレンス画像を、前景として読み出すとともに、前景動きベクトルメモリ52に記憶された各フレームの前景動きベクトルを読み出し、これらを多重化して、前景情報として出力するようになされている。
【0115】
次に、図19のフローチャートを参照して、図18の前景検出処理部33において行われる処理(前景検出処理)について説明する。
【0116】
前景検出処理では、まず最初に、ステップS41において、初期化処理が行われる。即ち、リファレンス画像メモリ55および前景動きベクトルメモリ52の記憶値がクリアされ、回数カウントメモリ54に、初期値としての、例えば、所定の正の整数値がセットされる。さらに、差分算出部53において、前景近似画像メモリ32から、例えば、第1フレームの前景近似画像が読み出され、これが、リファレンス画像として、リファレンス画像メモリ55に供給されて記憶される。
【0117】
なお、ここでは、説明を簡単にするために、第1フレームの前景近似画像を、リファレンス画像とするようにしたが、最初にリファレンス画像とする前景近似画像は、前景近似画像メモリ32に記憶されている前景近似画像のうち、一般には、例えば、前景が、フレームの中央部分にあるものを用いるのが好ましい。
【0118】
初期化処理後は、ステップS42に進み、フレーム数をカウントする変数nに、初期値としての、例えば2がセットされ、ステップS43に進む。ステップS43では、前景動きベクトル検出部51において、第nフレームの前景動きベクトルが、上述したようにして検出される。この前景動きベクトルは、前景動きベクトルメモリ52に供給されて記憶されるとともに、差分算出部53に供給される。なお、ステップS43の処理が最初に行われる場合、即ち、第2フレームの前景についての動きベクトルの検出が行われる場合には、その検出とともに、第1フレームにおける前景の位置の検出も行われるようになされている。そして、この第1フレームにおける前景の位置は、第1フレームの前景についての動きベクトルとして、前景動きベクトルメモリ52に供給されて記憶されるようになされている。
【0119】
差分算出部53は、第nフレームの前景動きベクトルを受信すると、第nフレームの前景近似画像またはリファレンス画像を、前景近似画像メモリ32またはリファレンス画像メモリ55からそれぞれ読み出す。さらに、差分算出部53は、ステップS44において、第nフレームの前景近似画像を構成する画素と、リファレンス画像を構成する画素とを、前景近似画像のフレームの前景動きベクトルに基づいて、前景どうしが重なるように対応付け、図14の差分算出部41における場合と同様にして、重み加算値を、リファレンス画像と第nフレームの前景近似画像との差分値(第2の差分値)として求め、ステップS45に進む。
【0120】
ステップS45では、第nフレームの前景近似画像の水平方向または垂直方向の画素の並びであるライン数または列数をカウントするための変数vまたはhが、それぞれ1に初期化され、ステップS46に進む。ステップS46では、差分算出部53において、ステップS44で求められた差分値(重み加算値)のうち、リファレンス画像の上からv番目で、左からh番目の差分値E(h,v)が、所定の閾値εよりも大きい(以上である)かどうかが判定される。
【0121】
ステップS46において、差分値E(h,v)が、所定の閾値εよりも大きいと判定された場合、即ち、リファレンス画像の上からv番目で、左からh番目の画素P(h,v)が、背景を構成するものである蓋然性が高い場合、ステップS47に進み、差分算出部53は、その画素P(h,v)に対応する、回数カウントメモリ54の記憶値C(h,v)を1だけデクリメントし、ステップS48に進む。従って、回数カウントメモリ54には、リファレンス画像を構成する各画素について、それぞれの画素が、背景を構成するものである蓋然性が高いと判定される回数が記憶されているということができる。
【0122】
一方、ステップS46において、差分値E(h,v)が、所定の閾値εよりも大きくないと判定された場合、ステップS47をスキップして、ステップS48に進み、変数vが1だけインクリメントとされ、ステップS49に進む。ステップS49では、変数vが、1フレームの垂直方向の画素数(ライン数)PV以下であるかどうかが判定され、PV以下であると判定された場合、ステップS46に戻る。また、ステップS49において、変数vがPV以下でないと判定された場合、ステップS50に進み、変数hが1だけインクリメントされ、ステップS51に進む。ステップS51では、変数hが、1フレームの水平方向の画素数(列数)PH以下であるかどうかが判定され、PH以下であると判定された場合、ステップS52に進み、変数vが、1に初期化され、ステップS46に戻る。
【0123】
また、ステップS51において、変数hがPH以下でないと判定された場合、ステップS53に進み、差分算出部53は、回数カウントメモリ54を参照し、リファレンス画像を構成する画素のうち、記憶値C(h,v)が負になっているものを、背景を構成するものとして削除する。そして、差分算出部43は、その削除後のリファレンス画像を、新たなリファレンス画像として、リファレンス画像メモリ55に記憶させる。
【0124】
ここで、上述のように、リファレンス画像を構成する画素のうち、記憶値C(h,v)が負になっているものを、背景を構成するものとして削除することにより、本来、前景である画素が、例えば、ノイズの影響などに起因して、背景であるとして削除されることを防止することができる。即ち、差分値E(h,v)が、閾値εよりも大きい場合に、即座に、対応する画素P(h,v)を、背景を構成するものとして削除することとすると、例えば、リファレンス画像の画素(画素値)P(h,v)またはそれとの差分をとる前景近似画像の画素にノイズが含まれ、そのノイズに起因して、差分値E(h,v)が閾値εよりも大きくなったときも、前景を構成する画素P(h,v)が削除されることになる。これに対して、リファレンス画像を構成する画素のうち、対応する記憶値C(h,v)が負になっているものを、背景を構成するものとして削除する場合には、差分値E(h,v)が、ノイズの影響で大きくなり、閾値εを越えても、そのようなことが、所定の回数(ステップS41の初期化処理において、回数カウントメモリ54にセットされる正の整数に、1を加算した値)だけ生じない限り、画素P(h,v)は削除されない。従って、本来、前景である画素が、例えば、ノイズの影響などに起因して、背景であるとして削除されることを防止することができる。
【0125】
ステップS53の処理後は、ステップS54に進み、変数nが、1シーンを構成するフレーム数Nに等しいかどうかが判定される。ステップS54において、変数nがNに等しくないと判定された場合、ステップS55に進み、変数nが1だけインクリメントされ、ステップS43に戻る。また、ステップS54において、変数nがNに等しいと判定された場合、マルチプレクサ56は、リファレンス画像メモリ55に最終的に記憶されているリファレンス画像を前景として読み出すとともに、前景動きベクトルメモリ52に記憶されている各フレームの前景動きベクトルを読み出す。そして、マルチプレクサ56において、前景および各フレームの前景についての動きベクトルが多重化されて、前景情報として出力され、前景検出処理を終了する。
【0126】
ここで、図17に示した前景近似画像を用いて、前景検出処理を行うことにより得られた最終的なリファレンス画像としての前景を、図20に示す。図20を、図11および図12と比較すると、前景を構成する画素が背景として削除されたり、また、背景を構成する画素が前景として抽出されたりしている部分が、大きく減っていることが分かる。
【0127】
次に、図21は、図1のデコーダ5の構成例を示している。
【0128】
分離部61には、記録媒体3に記録された符号化データが、再生部4において再生されて供給されるようになされている。分離部61では、再生部4からの符号化データが、前景情報と背景情報とに分離され、分離部62と63とにそれぞれ供給される。
【0129】
分離部62は、分離部61からの前景情報を、前景と、各フレームごとの前景動きベクトルとに分離し、前景メモリ64と前景動きベクトル記憶部65とにそれぞれ供給して記憶させる。また、分離部63は、分離部61からの背景情報を、全体背景と、各フレームごとの位置情報とに分離し、背景メモリ66と位置情報記憶部67とにそれぞれ供給して記憶させる。
【0130】
そして、合成部68において、前景メモリ64、前景動きベクトル記憶部65、背景メモリ66、および位置情報記憶部67の記憶値に基づいて、元のシーンを構成する第1乃至第Nフレームが復号される。
【0131】
即ち、合成部68は、第nフレームを復号するとき、背景メモリ66に記憶された全体背景から、位置情報記憶部67に記憶された第nフレームの位置情報を最も左上の頂点とするPH×PV画素を、第nフレームの背景として読み出す。さらに、合成部68は、前景動きベクトル記憶部65から、第1フレームの前景動きベクトルとして記憶されている、第1フレームの前景の位置と、第nフレームの前景動きベクトルとを読み出し、それらを加算することで、第nフレームにおける前景の位置を求める(但し、n=1の場合においては、即ち、第1フレームについては、その前景動きベクトルが、そのまま前景の位置とされる)。そして、合成部68は、第nフレームの背景における、上述したようにして求めた位置に、前景メモリ64に記憶された前景を配置(合成)し、これにより、第nフレームの復号画像を構成する。
【0132】
ここで、図10の全体背景と、図20の前景とから得られる復号画像を、図22に示す。同図に示すように、画質の良い復号画像を得ることができる。
【0133】
即ち、図23に示すように、シーンを構成する原画像から、全体背景を抽出し、その全体背景と原画像とから、第1の方法を利用して、前景近似画像を構成する。さらに、その前景近似画像から、第2の方法を利用して、前景を検出することにより、前景の抜き出しを、正確に、いわばロバスト性をもたせて行うことができる。そして、そのような前景と、全体背景とを用いて復号(合成)を行うことで、画質の良い復号画像を得ることができる。
【0134】
なお、前景動きベクトルを、時刻を引数とする連続的な関数で表すことで、復号画像のフレームレートを上下させることが可能となる。また、符号化データに、前景の大きさや、位置、動きベクトルを変数として含めることにより、復号時に、大きさや位置、動きベクトルを所望の値にした前景を得ることが可能となる。
【0135】
次に、図24は、本発明を適用した記録再生装置の他の実施の形態の構成例を示している。
【0136】
この実施の形態においては、記録再生装置は、コンピュータをベースに構成されている。
【0137】
即ち、ROM(Read Only memory)71は、例えば、IPL(Initial Program Loading)のプログラムなどを記憶している。CPU(Central Processing Unit)72は、外部記憶装置75に記憶されているOS(Operating System)の制御の下、同じく外部記憶装置75に記憶されているアプリケーションプログラムを実行することで、図1の記録再生装置が行うような各種の処理を行うようになされている。RAM(Random Access memory)73は、CPU72が実行するプログラムや、その動作上必要なデータなどを一時記憶するようになされている。入出力部74は、例えば、キーボードや、マウスなどで構成され、データやコマンドを入力するときに操作される。また、入出力部74は、ディスプレイなども有し、CPU72の制御にしたがって、所定の文字や画像を表示するようにもなされている。外部記憶装置75は、例えば、ハードディスクドライブなどで構成され、OSやアプリケーションプログラム、さらには、図1のハードディスク6が記憶しているのと同様の画像データを記憶している。また、ハードディスク75は、CPU72が処理を行うのに必要なデータや、処理を行った結果得られるデータなども記憶するようになされている。
【0138】
以上のように構成される記録再生装置では、CPU72において、OSの制御の下、アプリケーションプログラムが実行されることで、外部記憶装置75に記録された画像データが、図1のエンコーダ1における場合と同様にして、符号化データとされ、外部記憶装置75に記録される。また、このようにして記録された符号化データは、CPU72において、やはり、OSの制御の下、アプリケーションプログラムが実行されることで、図1のデコーダ5における場合と同様にして復号される。
【0139】
以上、本発明を、画像をオブジェクト符号化して記録し、また、記録した符号化データを再生してデコードする記録再生装置に適用した場合について説明したが、本発明は、その他、符号化データを伝送したりする場合などにも適用可能である。さらに、本発明は、オブジェクト符号化を行う場合の他、前景の抜き出しが必要なあらゆる装置に適用可能である。
【0140】
なお、本実施の形態では、インターレース方式の画像を、フレーム単位に変換して、フレーム単位で処理を行うようにしたが、フィールド単位で処理を行うことも可能である。
【0141】
また、本発明は、前景となる動き物体が1つの場合だけでなく、複数の場合にも適用可能である。前景が複数の画像について、上述したようなオブジェクト符号化を施す場合においては、より高い圧縮率を実現することができる。
【0142】
さらに、本発明は、前景となる動き物体が、直線的に移動している場合だけでなく、回転している場合にも適用可能である。但し、前景となる物体が回転している場合には、前景の回転量を表すパラメータが必要となる。
【0143】
また、本実施の形態における、例えば、図2のフレームメモリ部12や、図4の背景メモリ22などは、いわゆる半導体メモリであっても良いし、ハードディスクや、光磁気ディスク、磁気テープなどであっても良い。但し、ランダムアクセス可能なものが望ましい。
【0144】
さらに、本実施の形態では、画素が、YUV成分を有するものとしたが、本発明は、画素が、YUV以外の、例えば、RGBその他の成分でなる場合にも適用可能である。
【0145】
また、本実施の形態では、シーンチェンジから次のシーンチェンジまでのフレームを1シーンとしたが、そのようなシーンチェンジ間の一部のフレームを、1シーンとして処理することも可能である。
【0146】
さらに、本実施の形態では、ビデオカメラをパンニングやチルティングして撮影された、背景にも動きのある画像を対象としたが、本発明は、背景の動きの有無にかかわらず、適用可能である。
【0147】
【発明の効果】
請求項1に記載の画像抜き出し装置および請求項7に記載の画像抜き出し方法、請求項8に記載の画像符号化装置および請求項9に記載の画像符号化方法、請求項13に記載の画像記録装置および請求項14に記載の画像記録方法、並びに請求項18に記載の記録媒体によれば、前景を、精度良く抜き出すことが可能となる。
【0148】
請求項10に記載の画像復号装置および請求項12に記載の画像復号方法、並びに請求項15に記載の画像再生装置および請求項17に記載の画像再生方法によれば、その符号化データから、画質の良い復号画像を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した記録再生装置の第1実施の形態の構成例を示すブロック図である。
【図2】図1のエンコーダ1の構成例を示すブロック図である。
【図3】画素より細かい精度での動きベクトルの検出方法を説明するための図である。
【図4】図2の背景抽出部14の構成例を示すブロック図である。
【図5】図4の背景メモリ22の構成例を示す図である。
【図6】図4の背景抽出部14の処理を説明するためのフローチャートである。
【図7】図6のステップS1における初期化処理を説明するための図である。
【図8】図6のステップS1における初期化処理を説明するための図である。
【図9】符号化対象の原画像を示す、ディスプレイ上に表示される中間調画像の写真である。
【図10】全体背景を示す、ディスプレイ上に表示される中間調画像の写真である。
【図11】第1の方法による前景の抜き出し結果を示す、ディスプレイ上に表示される中間調画像の写真である。
【図12】第2の方法による前景の抜き出し結果を示す、ディスプレイ上に表示される中間調画像の写真である。
【図13】図2の前景抽出部15の構成例を示すブロック図である。
【図14】図13の前景位置近似処理部31の構成例を示すブロック図である。
【図15】図14の前景位置近似処理部31の処理を説明するためのフローチャートである。
【図16】図15のステップS22における処理を説明するための図である。
【図17】前景近似画像を示す、ディスプレイ上に表示される中間調画像の写真である。
【図18】図13の前景検出処理部33の構成例を示すブロック図である。
【図19】図18の前景検出処理部33の処理を説明するためのフローチャートである。
【図20】図2の前景抽出部15における前景の抜き出し結果を示す、ディスプレイ上に表示される中間調画像の写真である。
【図21】図1のデコーダ5の構成例を示すブロック図である。
【図22】図21のデコーダ5から出力される復号画像を示す、ディスプレイ上に表示される中間調画像の写真である。
【図23】図1の記録再生装置の処理を説明するための図である。
【図24】本発明を適用した記録再生装置の第2実施の形態の構成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 エンコーダ, 2 記録部, 3 記録媒体, 4 再生部, 5 デコーダ, 6 ハードディスク, 11 フィールド/フレーム変換部, 12 フレームメモリ部, 13 動きベクトル検出部, 14 背景抽出部, 15前景抽出部, 16 符号化部, 21 読み書き制御部, 22 背景メモリ, 23 位置情報メモリ, 24 マルチプレクサ, 31 前景位置近似処理部, 32 前景近似画像メモリ, 33 前景検出処理部, 41 差分算出部, 42 背景削除部, 51 前景動きベクトル検出部, 52 前景動きベクトルメモリ, 53 差分算出部, 54 回数カウントメモリ, 55 リファレンス画像メモリ, 56 マルチプレクサ, 61乃至63 分離部, 64 前景メモリ, 65 前景動きベクトル記憶部, 66 背景メモリ, 67 位置情報記憶部, 68 合成部, 71 ROM, 72 CPU, 73 RAM, 74 入出力部, 75 外部記憶装置

Claims (18)

  1. 複数画面の画像の集まりである1シーンから、動き物体の領域である前景を抜き出す画像抜き出し装置であって、
    前記1シーンを構成するフレームのうちの所定の1フレームを参照画像として、前記1シーンを構成する各フレームにおける動きベクトルを検出する動きベクトル検出手段と、
    前記1シーンを構成する各フレームの画像における背景を求め、求めた前記各フレームの画像における背景から、前記1シーン全体の全体背景を構成する背景構成手段と、
    前記1シーンを構成する画像それぞれについて、前記全体背景の中の対応する部分との差分である第1の差分値を演算し、前記第1の差分値が所定の閾値以上となる画素の数が所定数以下となる所定の一直線上にある前記画像の画素を削除して、削除されなかった画素からなる、前記前景の候補となる前景候補画像を求める前景候補画像算出手段と、
    前記動きベクトルに基づいて検出される前景と推定される領域が、中央部分に位置しているフレームを前記1シーンを構成するフレームの中から検出し、検出したフレームの前景と推定される領域の動きベクトルを前景動きベクトルとして検出し、前記1シーンを構成する画像それぞれについての前記前景候補画像のうちの1つを基準画像として、前記基準画像と、他の前記前景候補画像の前景どうしが重なるように前記前景動きベクトルに基づいて対応づけて、前記基準画像と他の前記前景候補画像との差分を第2の差分値として演算し、前記第2の差分値が所定の閾値以上の前記基準画像を構成する画素を、前記全体背景を構成するものとして削除し、その画素の削除後の画像を、新たな前記基準画像として、他の前記前景候補画像との前記第2の差分値を演算することを繰り返し、最終的に得られた前記基準画像を、前記前景として検出する前景検出手段と
    を備える画像抜き出し装置。
  2. 前記前景候補画像算出手段は、
    前記画像を構成する所定の画素について、その所定の画素に対応する、前記全体背景を構成する画素との前記第1の差分値と、その周辺の画素との前記第1の差分値とを演算し、
    その複数の第1の差分値のうち、最も小さいものを、前記所定の画素についての最終的な第1の差分値とする
    請求項1に記載の画像抜き出し装置。
  3. 前記画像を構成する画素が、輝度成分と色差成分とを有する場合において、
    前記前景候補画像算出手段は、前記輝度成分よりも色差成分に大きな重み付けをして、前記第1の差分値を求める
    請求項1に記載の画像抜き出し装置。
  4. 前記前景検出手段は、
    前記基準画像を構成する各画素について、他の前記前景候補画像を構成する画素との前記第2の差分値が、前記所定の閾値以上になる回数をカウントし、
    その回数が、所定数以上になったとき、対応する画素を削除する
    請求項1に記載の画像抜き出し装置。
  5. 前記前景検出手段は、
    前記前景候補画像を構成する所定の画素について、その所定の画素に対応する、他の前記前景候補画像を構成する画素との前記第2の差分値と、その周辺の画素との前記第2の差分値とを演算し、
    その複数の第2の差分値のうち、最も小さいものを、前記所定の画素についての最終的な第2の差分値とする
    請求項1に記載の画像抜き出し装置。
  6. 前記前景候補画像を構成する画素が、輝度成分と色差成分とを有する場合において、
    前記前景検出手段は、前記輝度成分よりも色差成分に大きな重み付けをして、前記第2の差分値を求める
    請求項1に記載の画像抜き出し装置。
  7. 複数画面の画像の集まりである1シーンから、動き物体の領域である前景を抜き出す画像抜き出し方法であって、
    前記1シーンを構成するフレームのうちの所定の1フレームを参照画像として、前記1シーンを構成する各フレームにおける動きベクトルを検出し、
    前記1シーンを構成する各フレームの画像における背景を求め、求めた前記各フレームの画像における背景から、前記1シーン全体の全体背景を構成し、
    前記1シーンを構成する画像それぞれについて、前記全体背景の中の対応する部分との差分である第1の差分値を演算し、前記第1の差分値が所定の閾値以上となる画素の数が所定数以下となる所定の一直線上にある前記画像の画素を削除して、削除されなかった画素からなる、前記前景の候補となる前景候補画像を求め、
    前記動きベクトルに基づいて検出される前景と推定される領域が、中央部分に位置しているフレームを前記1シーンを構成するフレームの中から検出し、検出したフレームの前景と推定される領域の動きベクトルを前景動きベクトルとして検出し、前記1シーンを構成する画像それぞれについての前記前景候補画像のうちの1つを基準画像として、前記基準画像と、他の前記前景候補画像の前景どうしが重なるように前記前景動きベクトルに基づいて対応づけて、前記基準画像と他の前記前景候補画像との差分を第2の差分値として演算し、前記第2の差分値が所定の閾値以上の前記基準画像を構成する画素を、前記全体背景を構成するものとして削除し、その画素の削除後の画像を、新たな前記基準画像として、他の前記前景候補画像との前記第2の差分値を演算することを繰り返し、最終的に得られた前記基準画像を、前記前景として検出する
    画像抜き出し方法。
  8. 複数画面の画像の集まりである1シーン単位で符号化を行う画像符号化装置であって、
    前記1シーンを構成するフレームのうちの所定の1フレームを参照画像として、前記1シーンを構成する各フレームにおける動きベクトルを検出する動きベクトル検出手段と、
    前記1シーンを構成する各フレームの画像における背景を求め、求めた前記各フレームの画像における背景から、前記1シーン全体の全体背景を構成する背景構成手段と、
    前記1シーンを構成する画像それぞれについて、前記全体背景の中の対応する部分との差分である第1の差分値を演算し、前記第1の差分値が所定の閾値以上となる画素の数が所定数以下となる所定の一直線上にある前記画像の画素を削除して、削除されなかった画素からなる、前記画像における動き物体の領域である前景の候補となる前景候補画像を求める前景候補画像算出手段と、
    前記動きベクトルに基づいて検出される前景と推定される領域が、中央部分に位置しているフレームを前記1シーンを構成するフレームの中から検出し、検出したフレームの前景と推定される領域の動きベクトルを前景動きベクトルとして検出し、前記1シーンを構成する画像それぞれについての前記前景候補画像のうちの1つを基準画像として、前記基準画像と、他の前記前景候補画像の前景どうしが重なるように前記前景動きベクトルに基づいて対応づけて、前記基準画像と他の前記前景候補画像との差分を第2の差分値として演算し、前記第2の差分値が所定の閾値以上の前記基準画像を構成する画素を、前記全体背景を構成するものとして削除し、その画素の削除後の画像を、新たな前記基準画像として、他の前記前景候補画像との前記第2の差分値を演算することを繰り返し、最終的に得られた前記基準画像を、前記前景として検出する前景検出手段と、
    前記全体背景と、前記前景検出手段により検出された前記前景とを、前記1シーンの符号化結果として出力する出力手段と
    を備える画像符号化装置。
  9. 複数画面の画像の集まりである1シーン単位で符号化を行う画像符号化方法であって、
    前記1シーンを構成するフレームのうちの所定の1フレームを参照画像として、前記1シーンを構成する各フレームにおける動きベクトルを検出し、
    前記1シーンを構成する各フレームの画像における背景を求め、求めた前記各フレームの画像における背景から、前記1シーン全体の全体背景を構成し、
    前記1シーンを構成する画像それぞれについて、前記全体背景の中の対応する部分との差分である第1の差分値を演算し、前記第1の差分値が所定の閾値以上となる画素の数が所定数以下となる所定の一直線上にある前記画像の画素を削除して、削除されなかった画素からなる、前記画像における動き物体の領域である前景の候補となる前景候補画像を求め、
    前記動きベクトルに基づいて検出される前景と推定される領域が、中央部分に位置しているフレームを前記1シーンを構成するフレームの中から検出し、検出したフレームの前景と推定される領域の動きベクトルを前景動きベクトルとして検出し、前記1シーンを構成する画像それぞれについての前記前景候補画像のうちの1つを基準画像として、前記基準画像と、他の前記前景候補画像の前景どうしが重なるように前記前景動きベクトルに基づいて対応づけて、前記基準画像と他の前記前景候補画像との差分を第2の差分値として演算し、前記第2の差分値が所定の閾値以上の前記基準画像を構成する画素を、前記全体背景を構成するものとして削除し、その画素の削除後の画像を、新たな前記基準画像として、他の前記前景候補画像との前記第2の差分値を演算することを繰り返し、最終的に得られた前記基準画像を、前記前景として検出し、
    前記全体背景および前景を、前記1シーンの符号化結果として出力する
    画像符号化方法。
  10. 複数画面の画像の集まりである1シーン単位で符号化を行うことにより得られた符号化データを復号する画像復号装置であって、
    前記符号化データは、
    前記1シーンを構成するフレームのうちの所定の1フレームを参照画像として、前記1シーンを構成する各フレームにおける動きベクトルを検出し、
    前記1シーンを構成する各フレームの画像における背景を求め、求めた前記各フレームの画像における背景から、前記1シーン全体の全体背景を構成し、
    前記1シーンを構成する画像それぞれについて、前記全体背景の中の対応する部分との差分である第1の差分値を演算し、前記第1の差分値が所定の閾値以上となる画素の数が所定数以下となる所定の一直線上にある前記画像の画素を削除して、削除されなかった画素からなる、前記画像における動き物体の領域である前景の候補となる前景候補画像を求め、
    前記動きベクトルに基づいて検出される前景と推定される領域が、中央部分に位置しているフレームを前記1シーンを構成するフレームの中から検出し、検出したフレームの前景と推定される領域の動きベクトルを前景動きベクトルとして検出し、前記1シーンを構成する画像それぞれについての前記前景候補画像のうちの1つを基準画像として、前記基準画像と、他の前記前景候補画像の前景どうしが重なるように前記前景動きベクトルに基づいて対応づけて、前記基準画像と他の前記前景候補画像との差分を第2の差分値として演算し、前記第2の差分値が所定の閾値以上の前記基準画像を構成する画素を、前記全体背景を構成するものとして削除し、その画素の削除後の画像を、新たな前記基準画像として、他の前記前景候補画像との前記第2の差分値を演算することを繰り返し、最終的に得られた前記基準画像を、前記前景として検出する
    ことにより得られた前記全体背景および前景と、
    前記各フレームの前景動きベクトルと、前記各フレームの位置情報を含み、
    前記符号化データを、前記全体背景と前記前景に分離する分離手段と、
    前記全体背景から、前記1シーンを構成する画像の背景を抽出する抽出手段と、
    前記抽出手段により抽出された前記背景に、前記前景を合成して、前記1シーンの画像を復号する復号手段と
    を備え、
    前記抽出手段は、前記位置情報に対応する前記全体背景上の領域を、前記フレームの背景として抽出し、
    前記復号手段は、前記前景動きベクトルに基づいて、前記フレームの前景の前記領域上の位置を求め、求めた位置に、前記前景を合成して前記フレームを復号し、前記1シーンの画像を復号する
    画像復号装置。
  11. 前記復号手段は、各フレームの前記前景動きベクトルを、少なくとも時刻を引数とする連続的な関数で表し、前景の位置を求める
    請求項10に記載の画像復号装置。
  12. 複数画面の画像の集まりである1シーン単位で符号化を行うことにより得られた符号化データを復号する画像復号方法であって、
    前記符号化データは、
    前記1シーンを構成するフレームのうちの所定の1フレームを参照画像として、前記1シーンを構成する各フレームにおける動きベクトルを検出し、
    前記1シーンを構成する各フレームの画像における背景を求め、求めた前記各フレームの画像における背景から、前記1シーン全体の全体背景を構成し、
    前記1シーンを構成する画像それぞれについて、前記全体背景の中の対応する部分との差分である第1の差分値を演算し、前記第1の差分値が所定の閾値以上となる画素の数が所定数以下となる所定の一直線上にある前記画像の画素を削除して、削除されなかった画素からなる、前記画像における動き物体の領域である前景の候補となる前景候補画像を求め、
    前記動きベクトルに基づいて検出される前景と推定される領域が、中央部分に位置しているフレームを前記1シーンを構成するフレームの中から検出し、検出したフレームの前景と推定される領域の動きベクトルを前景動きベクトルとして検出し、前記1シーンを構成する画像それぞれについての前記前景候補画像のうちの1つを基準画像として、前記基準画像と、他の前記前景候補画像の前景どうしが重なるように前記前景動きベクトルに基づいて対応づけて、前記基準画像と他の前記前景候補画像との差分を第2の差分値として演算し、前記第2の差分値が所定の閾値以上の前記基準画像を構成する画素を、前記全体背景を構成するものとして削除し、その画素の削除後の画像を、新たな前記基準画像として、他の前記前景候補画像との前記第2の差分値を演算することを繰り返し、最終的に得られた前記基準画像を、前記前景として検出する
    ことにより得られた前記全体背景および前景と、
    前記各フレームの前景動きベクトルと、前記各フレームの位置情報を含み、
    前記符号化データを、前記全体背景と前記前景に分離する分離ステップと、
    前記全体背景から、前記1シーンを構成する画像の背景を抽出する抽出ステップと、
    前記抽出ステップで抽出された前記背景に、前記前景を合成して、前記1シーンの画像を復号する復号ステップと
    を含み、
    前記抽出ステップは、前記位置情報に対応する前記全体背景上の領域を、前記フレームの背景として抽出し、
    前記復号ステップは、前記前景動きベクトルに基づいて、前記フレームの前景の前記領域上の位置を求め、求めた位置に、前記前景を合成して前記フレームを復号し、前記1シーンの画像を復号する
    画像復号方法。
  13. 複数画面の画像の集まりである1シーン単位で記録を行う画像記録装置であって、
    前記1シーンを構成するフレームのうちの所定の1フレームを参照画像として、前記1シーンを構成する各フレームにおける動きベクトルを検出する動きベクトル検出手段と、
    前記1シーンを構成する各フレームの画像における背景を求め、求めた前記各フレームの画像における背景から、前記1シーン全体の全体背景を構成する背景構成手段と、
    前記1シーンを構成する画像それぞれについて、前記全体背景の中の対応する部分との差分である第1の差分値を演算し、前記第1の差分値が所定の閾値以上となる画素の数が 所定数以下となる所定の一直線上にある前記画像の画素を削除して、削除されなかった画素からなる、前記画像における動き物体の領域である前景の候補となる前景候補画像を求める前景候補画像算出手段と、
    前記動きベクトルに基づいて検出される前景と推定される領域が、中央部分に位置しているフレームを前記1シーンを構成するフレームの中から検出し、検出したフレームの前景と推定される領域の動きベクトルを前景動きベクトルとして検出し、前記1シーンを構成する画像それぞれについての前記前景候補画像のうちの1つを基準画像として、前記基準画像と、他の前記前景候補画像の前景どうしが重なるように前記前景動きベクトルに基づいて対応づけて、前記基準画像と他の前記前景候補画像との差分を第2の差分値として演算し、前記第2の差分値が所定の閾値以上の前記基準画像を構成する画素を、前記全体背景を構成するものとして削除し、その画素の削除後の画像を、新たな前記基準画像として、他の前記前景候補画像との前記第2の差分値を演算することを繰り返し、最終的に得られた前記基準画像を、前記前景として検出する前景検出手段と、
    前記全体背景と、前記前景検出手段により検出された前記前景とを記録する記録手段と
    を備える画像記録装置。
  14. 複数画面の画像の集まりである1シーン単位で記録を行う画像記録方法であって、
    前記1シーンを構成するフレームのうちの所定の1フレームを参照画像として、前記1シーンを構成する各フレームにおける動きベクトルを検出し、
    前記1シーンを構成する各フレームの画像における背景を求め、求めた前記各フレームの画像における背景から、前記1シーン全体の全体背景を構成し、
    前記1シーンを構成する画像それぞれについて、前記全体背景の中の対応する部分との差分である第1の差分値を演算し、前記第1の差分値が所定の閾値以上となる画素の数が所定数以下となる所定の一直線上にある前記画像の画素を削除して、削除されなかった画素からなる、前記画像における動き物体の領域である前景の候補となる前景候補画像を求め、
    前記動きベクトルに基づいて検出される前景と推定される領域が、中央部分に位置しているフレームを前記1シーンを構成するフレームの中から検出し、検出したフレームの前景と推定される領域の動きベクトルを前景動きベクトルとして検出し、前記1シーンを構成する画像それぞれについての前記前景候補画像のうちの1つを基準画像として、前記基準画像と、他の前記前景候補画像の前景どうしが重なるように前記前景動きベクトルに基づいて対応づけて、前記基準画像と他の前記前景候補画像との差分を第2の差分値として演算し、前記第2の差分値が所定の閾値以上の前記基準画像を構成する画素を、前記全体背景を構成するものとして削除し、その画素の削除後の画像を、新たな前記基準画像として、他の前記前景候補画像との前記第2の差分値を演算することを繰り返し、最終的に得られた前記基準画像を、前記前景として検出し、
    前記全体背景および前景を記録する
    画像記録方法。
  15. 複数画面の画像の集まりである1シーン単位で記録を行った記録データを再生する画像再生装置であって、
    前記記録データは、
    前記1シーンを構成するフレームのうちの所定の1フレームを参照画像として、前記1シーンを構成する各フレームにおける動きベクトルを検出し、
    前記1シーンを構成する各フレームの画像における背景を求め、求めた前記各フレームの画像における背景から、前記1シーン全体の全体背景を構成し、
    前記1シーンを構成する画像それぞれについて、前記全体背景の中の対応する部分との差分である第1の差分値を演算し、前記第1の差分値が所定の閾値以上となる画素の数が所定数以下となる所定の一直線上にある前記画像の画素を削除して、削除されなかった画素からなる、前記画像における動き物体の領域である前景の候補となる前景候補画像を求め、
    前記動きベクトルに基づいて検出される前景と推定される領域が、中央部分に位置しているフレームを前記1シーンを構成するフレームの中から検出し、検出したフレームの前景と推定される領域の動きベクトルを前景動きベクトルとして検出し、前記1シーンを構成する画像それぞれについての前記前景候補画像のうちの1つを基準画像として、前記基準画像と、他の前記前景候補画像の前景どうしが重なるように前記前景動きベクトルに基づいて対応づけて、前記基準画像と他の前記前景候補画像との差分を第2の差分値として演算し、前記第2の差分値が所定の閾値以上の前記基準画像を構成する画素を、前記全体背景を構成するものとして削除し、その画素の削除後の画像を、新たな前記基準画像として、他の前記前景候補画像との前記第2の差分値を演算することを繰り返し、最終的に得られた前記基準画像を、前記前景として検出する
    ことにより得られた前記全体背景および前景と、
    前記各フレームの前景動きベクトルと、前記各フレームの位置情報を含み、
    前記記録データを、前記全体背景と前記前景に分離する分離手段と、
    前記全体背景から、前記1シーンを構成する画像の背景を抽出する抽出手段と、
    前記抽出手段により抽出された前記背景に、前記前景を合成して、前記1シーンの画像を再生する再生手段と
    を備え、
    前記抽出手段は、前記位置情報に対応する前記全体背景上の領域を、前記フレームの背景として抽出し、
    前記再生手段は、前記前景動きベクトルに基づいて、前記フレームの前景の前記領域上の位置を求め、求めた位置に、前記前景を合成して前記フレームを再生し、前記1シーンの画像を再生する
    画像再生装置。
  16. 前記再生手段は、各フレームの前記前景動きベクトルを、少なくとも時刻を引数とする連続的な関数で表し、前景の位置を求める
    請求項15に記載の画像再生装置。
  17. 複数画面の画像の集まりである1シーン単位で記録を行った記録データを再生する画像再生方法であって、
    前記記録データは、
    前記1シーンを構成するフレームのうちの所定の1フレームを参照画像として、前記1シーンを構成する各フレームにおける動きベクトルを検出し、
    前記1シーンを構成する各フレームの画像における背景を求め、求めた前記各フレームの画像における背景から、前記1シーン全体の全体背景を構成し、
    前記1シーンを構成する画像それぞれについて、前記全体背景の中の対応する部分との差分である第1の差分値を演算し、前記第1の差分値が所定の閾値以上となる画素の数が所定数以下となる所定の一直線上にある前記画像の画素を削除して、削除されなかった画素からなる、前記画像における動き物体の領域である前景の候補となる前景候補画像を求め、
    前記動きベクトルに基づいて検出される前景と推定される領域が、中央部分に位置しているフレームを前記1シーンを構成するフレームの中から検出し、検出したフレームの前景と推定される領域の動きベクトルを前景動きベクトルとして検出し、前記1シーンを構成する画像それぞれについての前記前景候補画像のうちの1つを基準画像として、前記基準画像と、他の前記前景候補画像の前景どうしが重なるように前記前景動きベクトルに基づいて対応づけて、前記基準画像と他の前記前景候補画像との差分を第2の差分値として演算し、前記第2の差分値が所定の閾値以上の前記基準画像を構成する画素を、前記全体背景を構成するものとして削除し、その画素の削除後の画像を、新たな前記基準画像として、他の前記前景候補画像との前記第2の差分値を演算することを繰り返し、最終的に得られた前記基準画像を、前記前景として検出する
    ことにより得られた前記全体背景および前景と、
    前記各フレームの前景動きベクトルと、前記各フレームの位置情報を含み、
    前記記録データを、前記全体背景と前記前景に分離する分離ステップと、
    前記全体背景から、前記1シーンを構成する画像の背景を抽出する抽出ステップと、
    前記抽出ステップで抽出された前記背景に、前記前景を合成して、前記1シーンの画像を再生する再生ステップと
    を含み、
    前記抽出ステップは、前記位置情報に対応する前記全体背景上の領域を、前記フレームの背景として抽出し、
    前記再生ステップは、前記前景動きベクトルに基づいて、前記フレームの前景の前記領域上の位置を求め、求めた位置に、前記前景を合成して前記フレームを再生し、前記1シーンの画像を再生する
    画像再生方法。
  18. コンピュータに実行させるためのプログラムが記録されている記録媒体であって、
    前記1シーンを構成するフレームのうちの所定の1フレームを参照画像として、前記1シーンを構成する各フレームにおける動きベクトルを検出し、
    前記1シーンを構成する各フレームの画像における背景を求め、求めた前記各フレームの画像における背景から、前記1シーン全体の全体背景を構成し、
    前記1シーンを構成する画像それぞれについて、前記全体背景の中の対応する部分との差分である第1の差分値を演算し、前記第1の差分値が所定の閾値以上となる画素の数が所定数以下となる所定の一直線上にある前記画像の画素を削除して、削除されなかった画素からなる、前記画像における動き物体の領域である前景の候補となる前景候補画像を求め、
    前記動きベクトルに基づいて検出される前景と推定される領域が、中央部分に位置しているフレームを前記1シーンを構成するフレームの中から検出し、検出したフレームの前景と推定される領域の動きベクトルを前景動きベクトルとして検出し、前記1シーンを構成する画像それぞれについての前記前景候補画像のうちの1つを基準画像として、前記基準画像と、他の前記前景候補画像の前景どうしが重なるように前記前景動きベクトルに基づいて対応づけて、前記基準画像と他の前記前景候補画像との差分を第2の差分値として演算し、前記第2の差分値が所定の閾値以上の前記基準画像を構成する画素を、前記全体背景を構成するものとして削除し、その画素の削除後の画像を、新たな前記基準画像として、他の前記前景候補画像との前記第2の差分値を演算することを繰り返し、最終的に得られた前記基準画像を、前記前景として検出する
    処理を行わせるためのプログラムが記録されている記録媒体。
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