JP4213363B2 - 光記録媒体および記録再生装置 - Google Patents

光記録媒体および記録再生装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4213363B2
JP4213363B2 JP2001157011A JP2001157011A JP4213363B2 JP 4213363 B2 JP4213363 B2 JP 4213363B2 JP 2001157011 A JP2001157011 A JP 2001157011A JP 2001157011 A JP2001157011 A JP 2001157011A JP 4213363 B2 JP4213363 B2 JP 4213363B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tracking
mark
recording medium
light
track
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2001157011A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002352443A (ja
Inventor
俊之 川崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP2001157011A priority Critical patent/JP4213363B2/ja
Publication of JP2002352443A publication Critical patent/JP2002352443A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4213363B2 publication Critical patent/JP4213363B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Optical Recording Or Reproduction (AREA)
  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
データを記録しておく記録媒体の一つに、光を用いてデータを記録すると共に記録されたデータを再生する光記録媒体(光ディスク)がある。代表的な光ディスクの例として、希土類金属と遷移金属とからなるアモルファス合金の薄膜を記録層に用いたものが挙げられる。この光ディスクにデータを記録する場合、光ディスクに磁界をかけながら光を照射し、記録層を局所的に加熱する。記録層の加熱された部分は、キュリー点または補償点以上の温度に昇温し、磁化方向が変化して記録マークとなる。
【0003】
上記した光は、半導体レーザなどから照射されるレーザ光である。レーザ光は、レンズ光学系で集光されてスポット光となって記録層に照射される。レーザ光は、スポット径が小さいほど小さい記録マークが形成できる。このため、光ディスクに対するデータの記録において、レーザ光のスポット径は、光ディスクの記録密度を決定する重要なパラメータとなる。
【0004】
レーザ光のスポット径は、光の回折限界からレーザ光の波長以下にすることが不可能である。レーザ光のスポット径をより小さくして光ディスクの記録密度を高めるため、近年、光ディスクの記録、再生に近接場光が用いられている。光ディスクの記録、再生に近接場光を用いた例として、先端が加工された光ファイバを圧電素子で駆動する精密アクチュエータに搭載し、位置を制御しながら直径60nmの記録マークをプラチナ/コバルトの多層膜上に記録し、この記録マークを再生した実験が報告されている。実験で使用されたプローブは、先端がコーン状に加工され、加工された先端のうちの数十nmの領域を除いて金属で被膜されている(Applied Physics Letters, Vol.62, No.2, pp.142-144, 1992 )。
【0005】
また、従来の光ディスクには、記録層よりも基板側に非線形の光学材料でなる非線形光学材料層を備えたものがある。非線形光学材料層を備えた光ディスクは、基板側(非線形光学材料層側)から記録層に光を照射してデータを記録層に記録する。この際、非線形光学材料層は、光が照射された部分だけが光を透過する微小な開口部となる。このため、開口部を通過してきた光は、近接場光となってスポット光の記録層上においてより小さなスポット径を形成することができる(Applied Physics Letters, Vol.73, No.15, pp.2078-2080, 1998)。なお、このような構成を、本明細書中では、非線形の光学材料をマスクにするとも表現する。
【0006】
なお、上記した文献に記載された実験は、ポリカーボネード製の光ディスク基板にSiN保護層、Ge2 Sb2 Te5 薄膜の記録層、Sbの保護層を蒸着することによって積層した光ディスクを用いて行われた。この実験により、基板側からレーザ光を照射し、直径が90nmの記録マークが形成できたことが報告されている。
【0007】
また、光ディスクにデータを記録、あるいは光ディスクに記録されたデータを再生する記録再生装置(記録再生装置)は、レーザ光を光ディスクのトラック上に正確に走査するため、レーザ光のスポット径がトラック中心から外れていないかを検出している。検出は、レーザ光を光ディスク上のトラッキングマークに照射し、反射光に基づく信号を検出することによって行われる。レーザ光がトラック中心から外れることをトラッキングエラーといい、トラッキングエラーは、トラッキング信号によって検出される。また、本明細書では、トラッキング信号のうちのトラッキングエラーの発生を示す信号を特にトラッキングエラー信号と記す。
【0008】
トラッキングエラーを調べる代表的な方式に、サンプルサーボ方式がある。サンプルサーボ方式は、トラック上にサンプルサーボ領域(以下、単にサーボ領域と記す)を離散的に設け、サーボ領域に1対のトラッキングマークを設けた光ディスクに対して適用される方式である。1対のトラックは、トラックセンタに対して光ディスク径方向に互いに等しい距離ずらして形成される。このようなトラッキングマークは、ウォブルトラッキングマークと呼ばれている。
【0009】
ウォブルトラッキングマークに対するトラッキングエラーは、いわゆる作動プッシュプル法(ファーフィールド法)により調べられる。具体的には、ウォブルトラッキングマークをなす2つのトラッキングマークのそれぞれに光を照射し、各トラッキングマークで反射された反射光の光強度の差を求め、求めた値をトラッキング信号とする。また、作動プッシュプル法では、ウォブルトラッキングマークがない領域で得られるトラッキング信号がサンプルホールド回路において0になるようにレーザ光が光ディスクの径方向にサーボされている(光ディスク技術,ラジオ技術社,1990)。
【0010】
図32は、以上述べたトラッキングエラーを検出する方法を説明するための図であって、ウォブルトラッキングマークが形成されたサーボ領域を示している。図32中、ウォブルトラッキングマークのうちのトラッキングマークm1、トラッキングマークm2は、互いにトラックセンタTcから光ディスクの径方向に1/4トラックピッチずれている。
【0011】
図33は、図32に示したウォブルトラッキングマークにレーザ光を照射して検出される反射光(検出光と記す)を示した図で、縦軸に検出光の強度を、横軸に検出光の検出時間を示している。また、図中のP1は、トラッキングマークm1から得られる検出光を示し、P2は、トラッキングマークm2から得られる検出光を示している。レーザ光がトラックセンタTcとずれたコースTc’を通ってトラッキングマークを走査した場合、P1とP2とに図33に示したような検出光強度の相違が生じる。このとき、トラッキング信号は、P1の波形を時間で積分した値とP2の波形を時間で積分した値との差分で表される。
【0012】
また、従来、図34に示すように、1つのグルーブの中に複数の記録マーク列を書き込む場合、実際にデータを書き込むための記録マークよりも大きいウォブルトラッキングマークをマーク列のトラックピッチの分だけずらして設け、サンプルサーボをかけている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、光ディスクのデータ記録のみならず、近似場光を様々な分野に応用する場合、光ファイバの先端を先鋭化して作製されたプローブを使用する。このようなプローブを用いてデータを記録する場合、光ディスクとプローブとの距離をスキャニング・フォーカス顕微鏡を用いて精密に制御することが必要となる。このため、プローブを使用して光ディスクにデータを記録する従来技術は、光ディスクを高速で回転した場合、光ディスクの偏心によって光ディスクとプローブとの距離が周期的に変動し、制御が困難になるという問題を生じることがあった。
【0014】
さらに、上記した従来技術は、プローブの駆動に精密アクチュエータを用いているため、走査速度や走査範囲に限界があり、高速度でデータを記録、再生することが困難であるという問題がある。
【0015】
また、非線形の光学材料をマスクにして光ディスクにデータを記録、再生する場合には、一般的な記録再生装置が使用できる。この場合、光ディスクには従来と同様のランド・グルーブを設け、微小開口部で生じた近接場光を用いてデータを記録再生している。このため、ディスクの径方向の記録密度を高めることはできるものの、トラック方向の記録密度を高めることが困難である。前述した実験では、トラックピッチが1.2μm、半径方向の記録密度は近接場光を用いない場合と変わらない。また、近接場光を照射できる記録再生装置で図32に示したウォブルトラッキングマークに対してトラッキングエラーを検出する場合、以下のような問題が生じる。
【0016】
図35は、図32に示したウォブルトラッキングマークを近接場光を用いて走査したときに生じる問題を説明するための図である。また、図36は、図35に示した状態で行われたトラッキングによって得られる検出光を説明するための図である。すなわち、近接場光は、図35のように、トラックセンタTcとずれたコースTc’を通ってトラッキングマークm1、トラッキングマークm2を走査した場合にも、スポットS’の全域がトラッキングマークm1、トラッキングマークm2に当たることになる。このため、図32に示すように、トラッキングマークm1、トラッキングマークm2から得られる検出光は、レーザ光がトラックセンタTcからずれたコース上を走査しているにも関わらずほぼ同じ検出光強度hを示す。
【0017】
また、検出信号が等しいピーク値をとるようにトラック制御を施した場合、検出信号の強度差が明確でなくなるために正確なトラッキング信号が得られない。また、スポット径が小さいために検出光全体の光量が小さく、ウォブルトラッキングマークが形成されている部分と形成されていない部分との強度差が明確でなくなるという欠点もある。さらに、検出信号の強度差が小さいためにノイズの影響が大きく、誤差が大きくなるという問題もある。
【0018】
本発明は上述の問題点を解決するためになされたものであり、光の近接場効果、あるいは擬似的な近接場効果を用いて光記録媒体に対してデータを記録再生する場合に正確、かつ定量的にトラッキング信号を取得することができ、高い密度でデータを記録し、記録されたデータを再生できる光記録媒体および記録再生装置を提供することを目的とする。
【0019】
また、本発明は、トラッキング信号に基づいてビーム光のトラッキングずれ量が検出でき、より詳細なトラッキングに関する情報が取得できる光記録媒体および記録再生装置を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記した課題を解決し、目的を達成するため、請求項1の発明においては、ラックセンタに所定距離毎に複数個設けられたクロック信号を得るためのクロックトラッキングマークと、前記トラックセンタに対して互いに所定長ずらしかつトラック方向にずらして設けられたトラッキングエラー信号を得るための1対のウォブルトラッキングマークと、を有する情報を記録する光記録媒体において、前記ウォブルトラッキングマークが、クサビ形状に設けられると共にその先端が前記トラックセンタに対して垂直でありかつ前記トラックセンタと所定長交叉するように設けられた、前記1対のウォブルトラッキングマークが、トラック方向に前記所定距離ずらして設けられ、そして、前記所定長ずらして設けられた前記ウォブルトラッキングマークが、隣接するトラックに設けられたウォブルトラッキングマークとトラック方向に前記所定距離に等しい距離ずらして設ける。
【0021】
請求項の発明においては、前記クロックトラッキングマークに続いて前記ウォブルトラッキングマークが設ける。
【0022】
請求項の発明においては、前記クロックトラッキングマークが配置される前記所定距離と前記ウォブルトラッキングマークが配置される前記所定長が等しい。
【0023】
請求項の発明においては、前記クロックトラッキングマークの形状が矩形の形状とする。
請求項の発明においては、前記クロックトラッキングマークが複数の隣接するトラックと垂直に交叉する矩形状とする。
【0024】
請求項の発明においては、一定の数のトラック毎にグルーブを設け、該グルーブ領域のランド部分に前記ウォブルトラッキングマークを設ける。
請求項の発明においては、前記光記録媒体の記録層が相変化型の記録層とする。
【0025】
請求項の発明においては、前記相変化型の記録層が、Ge2 Sb2 Te5 薄膜とする。
請求項の発明においては、前記相変化型の記録層が、AgInSb薄膜とする。
請求項10の発明においては、前記光記録媒体に非線形光学材料層を設け、該非線形光学材料層をマスクとして近接場光にする。
【0026】
請求項11の発明においては、請求項1乃至10のいずれかに記載の光記録媒体に対して情報の記録再生を行わせる記録再生装置において、前記クロックトラッキングマークからの反射光よりクロック信号を発生させるクロック発生手段と、前記1対のウォブルトラッキングマークからの反射光の検出時間差よりトラッキングエラーを生成するトラッキングエラー生成手段と、を備える。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる光記録媒体および記録再生装置の好適な実施の形態である、実施の形態1ないし3を詳細に説明する。
【0028】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1においては、先ず、本発明の光記録媒体(光ディスク)を説明する。図1は、実施の形態1の光ディスクを説明するための図であって、光ディスクの層構造を説明するための断面図である。図示した光ディスクは、データが光学的に記録、再生される光ディスクである。そして、ポリカーボネード基板104と、SiN保護層101およびSiN保護層103、データ記録層102を備えている。SiN保護層101,103の厚さは各々20nm、データ記録層102の厚さは15nmである。SiN保護層、データ記録層は、いずれも蒸着によって成膜、あるいは積層されている。
【0029】
後述する実施の形態1の記録再生装置は、先端が先鋭化されたファイバを用いた近接場プローブを備えている。そして、図1に示したデータ記録層102側から光ディスクにレーザ光Lを近接場光L’’として入射する。データ記録層102のうちの光が照射された部分は、記録マーク105となる。データ記録層102は、レーザ光の照射によって透過光、あるいは反射光にコントラストが生じるものであればよい。なお、ここでいうコントラストは、吸光度や反射率の変化による光強度の差の他、偏光面の回転や複屈折率の変化など、光学的定数の変化によって生じるコントラストも含まれる。データ記録層に用いられる材料としては、光磁気材料や電気光学効果を示す材料がある。
【0030】
このとき、プローブから出射した近接場光L’’は、光ディスクのSiN保護層に入射し、データ記録層102に達する。そして、データ記録層102に記録マーク105を形成し、データ記録層102を透過した光はポリカーボネード基板104から伝搬光L’’’として光ディスク外部に出る。近接場光L’’は、データ記録層102に光の回折限界で制限される以下のサイズの記録マーク105が形成できる。
【0031】
なお、記録マーク105を形成するのに必要なデータ(アドレス情報)は、光ディスクに記録すべきデータを記録する領域内に離散的に記録されている。アドレス情報を記録するために形成されたマークのサイズは、回折限界で制限される以上のサイズである。アドレス情報は、絶対アドレス、相対アドレス、光ディスクにトラックが形成されている場合にはトラックサーボ信号をサンプリングするためのサンプルサーボ情報などがある。
【0032】
図2は、実施の形態1の光ディスクのサーボ領域を示した図である。図示したサーボ領域は、トラッキングマークm1、m2を1対とするウォブルトラッキングマークとトラッキングマークm3、m4を1対とするウォブルトラッキングマークとを備えている。図中にトラックセンタをTc、トラッキングマークm1の中央をマークセンタMc1、トラッキングマークm2の中央をマークセンタMc2として記す。また、図中に示すTpは、トラックピッチを示している。また、トラックセンタTcには、データを記録するために形成されたデータビットdbが形成されている。
【0033】
対をなすトラッキングマークは、トラックセンタTcに対して互いに反対方向に、かつ同じ長さだけずれて配置されている。図2に示したウォブルトラッキングマークは、トラッキングマークm1とマークセンタMc1との距離dとトラッキングマークm2とマークセンタMc2との距離dとが共に1/4トラックピッチとしている。
【0034】
第1トラッキングマークm1と対をなす第2トラッキングマークm2は、第1トラッキングマークm1の少なくとも一部と同一のトラック上に重なることなく形成される。そして、第1トラッキングマークm1は、光ディスクのトラック方向に沿う長さが光記録媒体の径方向に沿う長さに対して一定の割合で変化するクサビ状の形状を有し、かつ、第2トラッキングマークm2は、第1トラッキングマークm1をトラック方向に反転させて得られるクサビ状の形状を有している。
【0035】
次に、図2に示した光ディスクにデータを記録あるいは再生する記録再生装置について説明する。図3は、実施の形態1の記録再生装置を説明するための図である。図示した記録再生装置は、光ディスクに対してレーザ光Lを照射するレーザ半導体などのレーザ光源301と、照射されたレーザ光Lが光ディスク304で反射されて発生する反射光L’を検出する光検出器302と、レーザ光Lが検出される検出時間に基づいて誤差信号を取得するサーボ信号検出装置303と、を備えている。誤差信号は、トラッキングエラーを示し、トラッキングは、トラッキング信号が0になるように行われる。この誤差信号の値が0でない場合、誤差信号は、トラッキングエラー信号となる。
【0036】
図4は、サーボ信号検出装置303の構成をより詳細に説明するための図である。サーボ信号検出装置303は、遅延回路401と、パルス幅比較器402と、を備えている。
【0037】
次に、以上述べた記録再生装置の動作について説明する。図5は、トラッキングマークm1とトラッキングマークm2とを1対とするウォブルトラッキングマークを、レーザ光が近接場光で走査した状態を示している。レーザ光は、図示しない光学的な機構によってビーム状の光(ビーム光)に整形され、光ディスク上でスポット光となる。スポット光のスポットを、スポット501として図中に示す。また、図6は、図5に示した状態で行われたトラッキングで得られた検出光を説明するための図である。図6の縦軸は検出光の強度、横軸は時間を示している。
【0038】
図5中に示したように、レーザ光のスポット501が、トラックセンタTc上を走査した場合、トラッキングマークm1から検出光P1が先ず検出され、次にトラッキングマークm2から検出光P2が検出される。レーザ光がトラックセンタTc上を走査する場合、検出光P1の検出光強度hとP1と検出光P2の検出光強度hとが等しく、検出光P1の検出時間幅T1と検出光P2の検出時間幅T2とが等しくなる。この場合、両者の差分が0になり、誤差信号が0となる。
【0039】
図7は、レーザ光のスポット501が、トラックセンタTcとずれたコースTc’上を走査した場合を示した図である。図7のようにレーザ光がトラックセンタTcからずれたTeだけずれたコースTc’を走査した場合、図8のように、検出光P1の検出時間幅T1と検出光P2の検出時間幅T2とが異なることになる。実施の形態1の記録再生装置は、図8に示した検出光のピーク幅の相違からトラッキング信号を得る。
【0040】
トラッキング信号を得るため、図3に示した記録再生装置は、光検出器302で得られた検出光P1,P2に基づいて生成した信号aをサーボ信号検出装置303に入力する。信号aは、図4に示したように、サーボ信号検出装置303において分岐される。分岐された信号aのうち、一方は信号dとして遅延回路401を介さずにパルス幅比較器402に入力し、一方は遅延回路401によって遅延され、信号bとしてパルス幅比較器402に入力する。
【0041】
図9(a)、(b)は、パルス幅比較器402においてなされる処理を説明するための図であって、(a)は信号bの波形を、(b)は信号dの波形を示している。(a)、(b)は、いずれも縦軸に検出光の強度を、横軸に時間を示している。パルス幅比較器402には、先ず、信号dが入力する。次に、信号bが入力する。パルス幅比較器402は、信号bの検出光P1と信号dの検出光P2との検出時間幅の差を、T1−T2の式より算出する。
【0042】
図10は、パルス幅比較器402において上記した検出時間幅の差を算出する構成を説明するための図である。また、図11(a)〜(d)は、図10において処理される信号を説明するための図であって、縦軸に検出光の波形を整形して得られる信号の強度を、横軸に時間を示している。図10に示した構成は、波形整形器1001、波形整形器1002と、減算器1003と、積分器1004と、を備えている。
【0043】
信号bは、遅延回路401で遅延されて波形整形器1001に入力し、波形整形されて図11(a)に示した信号eとして減算器1003に入力する。信号eは、検出光P1の検出時間幅T1を示している。一方、信号dは、波形整形器1002で波形整形されて図11(b)に示す信号nとなる。信号nは、検出光P2の検出時間幅T2を示す信号として減算器1003に入力する。減算器1003は、信号eから信号nを差し引き、図11(c)に示す信号fを生成する。信号fは、検出時間幅の差分であるT1−T2を表している。
【0044】
信号fは、積分器1004に入力し、時間積分されて図11(d)に示す信号gとなる。信号gは、検出時間幅の差分T1−T2に比例した強度を持つ信号となる。この強度が、誤差信号、すなわちトラッキング信号となる。なお、積分器1004は、信号fを時間積分する前に積分定数が0になるように調整(リセット)される。
【0045】
前述したように、実施の形態1のトラッキングマークは、1トラッキングマークm1をクサビ形に形成し、第2トラッキングマークm2を、第1トラッキングマークm1の少なくとも一部と同一のトラック上に重なることなく、かつ、第1トラッキングマークを光ディスクの径方向に反転させたクサビ形に形成している。このため、図11(c)に示した信号fは、トラッキングエラーの度合いに比例して変化することになる。
【0046】
図12は、信号fと、トラッキングエラーの量(スポット501の位置とトラックセンタTcの位置との距離)との関係を示した図である。図12中にAで示した直線は、実施の形態1の光ディスクのトラッキング信号のものであり、Bで示した曲線は、図25に示した従来のトラッキングマークから得られるトラッキング信号のものである。
【0047】
図示したように、直線Aは、実施の形態1の光ディスクから得られる信号fが、トラッキングエラーの量に比例していることを示している。また、曲線Bによれば、従来の光ディスクから得られる信号fは、トラッキングエラーの量が大きくなった場合に急激に変化することが分かる。信号Bのこのような変化は、トラッキングマークから外れたスポット光は、円形の1対のトラッキングマークのうちのいずれかの外周部分に近づくために起る。
【0048】
図12に示した結果から、実施の形態1の光ディスクに形成されるクサビ形のトラッキングマークは、従来の円形のトラッキングマークよりもトラックずれに対して安定で、信頼性の高いトラッキングエラー信号を発生することができるものといえる。また、トラッキングエラーの量に応じたトラッキングエラー信号を発生できる実施の形態1の光ディスクは、トラッキングエラーを定量的に検出することができる。そして、この検出結果に基づいてトラッキングすることにより、比較的簡易な構成である線形回路だけを用いて正確に、かつ安定にスポットがトラックセンタTc上を移動するように制御することができる。
【0049】
また、上記した構成は、レーザ光がトラッキングマークを検出した際の検出光の強度によらずトラッキングエラーを検出することができる。このため、例えば、図5に示したウォブルトラッキングマークに対して径の小さいスポット501を走査した場合にも、スポット501がトラッキングマークm1上を走査する時間(検出時間)とトラッキングマークm2上を走査する時間が異なることによって正確にトラッキングエラーを検出することができる。
【0050】
図13は、サーボ信号検出装置303の他の構成例であるサーボ信号検出装置1301について示した図である。また、図14(a)〜(d)は、サーボ信号検出装置1301において処理される信号を説明するための図である。なお、図14に示した信号は、図7に示したトラッキングマークm1、トラッキングマークm2でなるウォブルトラッキングマークをスポット501で走査し、走査時のコースがトラックセンタTcからずれた場合のものである。図14の縦軸は、(a)において検出光の強度を示し、(b)〜(d)において検出光の波形を整形して得られる信号の強度を示している。また、図14の横軸は、(a)〜(d)のいずれにおいても時間を示している。
【0051】
図13のサーボ信号検出装置1301は、波形整形器1302と、極性切替器1303と、積分器1304と、スイッチ1305とを備えている。レーザ光源301から出射されたレーザ光Lは、光ディスク304に照射され、反射光L’を発生する。反射光L’は、光検出器302に検出されてサーボ信号検出装置1301に信号aとして入力する。
【0052】
図14(a)に示す信号aは、波形整形器1302に入力し、(b)に示すように整形されて信号iとなる。信号iは、極性切替器1303の直前で分岐され、一方が極性切替器1303に入力し、他方がスイッチ1305に向かう。スイッチ1305は、信号iのうちの検出光P1が積分器1304に入力されるまで端子1305aに接続されている。そして、検出光P2が積分器1304に入力するタイミングで端子1305bにスイッチングされる。このスイッチングによって、積分器1304に入力される信号jは、図14(c)に示すように検出光P2に相当する信号だけの極性が反転した状態になる。
【0053】
信号jは、積分器1304で時間積分されて図14(d)に示す信号kとなる。信号kのうちの検出光P1に相当する信号の時間幅T1と検出光P2に相当する信号の時間幅T2との差分に相当する信号は、トラッキング信号あるいはトラッキングエラー信号として外部に出力される。
【0054】
以上述べたサーボ信号検出装置1301は、サーボ信号検出装置303と同様に、トラッキングマークを検出した際の検出光の強度によらずトラッキングエラーを検出することができる。このため、例えば、図7に示したウォブルトラッキングマークに対して径の小さいスポット501を走査した場合にも、スポット501がトラッキングマークm1上を走査する時間(検出時間)とトラッキングマークm2上を走査する時間が異なることによって正確にトラッキングエラーを検出することができる。なお、図13に示した積分器1304も、信号の時間積分を行う前にリセットすることが必要である。
【0055】
また、以上述べた実施の形態1は、上記した構成に限定されるものではない。以下に、実施の形態1の光ディスクの他の例を挙げて説明する。図15は、実施の形態1の光ディスクの他の例を説明するための図であり、光ディスクのウォブルトラッキングマークを説明するための図である。図15に示したウォブルトラッキングマークは、m1’とm2’とを1対とするトラッキングマーク対と、m3’とm4’とを1対とするトラッキングマーク対とを有している。各トラッキングマーク対は、トラック(トラックセンタTc1のトラック、トラックセンタTc2のトラック)ごとにトラッキングマークをずらして形成されていて、このためにトラックピッチTp’を図2に示したトラックピッチTpよりも狭くすることができる。
【0056】
例えば、ウォブルトラッキングマークの直径を0.8μmとすると、従来、最小のトラックピッチが1.6μmであったのに対し、図15に示した例によれば、例えばトラッキングマークの直径が0.9μmである場合、トラッキングマーク直径に応じた1.8μmのトラックピッチを実現することができる。
【0057】
また、図16は、実施の形態1の光ディスクの他の例を説明するための図である。図17(a)、(b)は、図16に示した光ディスクから得られる検出光を説明するための図である。図16に示した光ディスクは、トラッキングマークm8、m9でなるウォブルトラッキングマークが形成されたサーボ領域とは別にクロックトラッキングマーク領域を備えている。クロックトラッキングマーク領域は、トラッキングマークm5〜m7がトラックセンタTcを中心にして形成されている。クロックトラッキングマーク領域は、サーボ領域の前に設けられ、いずれもデータ領域の間に設けられている。
【0058】
図17(a)、(b)は、図16に示したトラッキングマークm5〜m9から得られる検出光を説明する図である。図16の縦軸は検出光の強度を示し、横軸は時間を示している。図17(a)は、スポット1601がトラックセンタTcからずれて移動した場合に検出される検出光を示したもので、(b)は、スポット1501がトラックセンタTc上を移動した場合に検出される検出光を示している。
【0059】
図17中の検出光P5はトラッキングマークm5から得られた検出光である。また、検出光P6はトラッキングマークm6から、検出光P7はトラッキングマークm7から、検出光P8はトラッキングマークm8から、検出光P9はトラッキングマークm9からそれぞれ得られたものである。図16に示したクロックトラッキングマーク領域からは、データの書き込みに必要なクロック信号を得ることができる。このため、図16に示したトラッキングマークからは、トラッキング信号とクロック信号の両方を得ることができる。
【0060】
なお、図16に示したウォブルトラッキングマークは、対をなすトラッキングマーク間の光ディスクトラック方向の距離と、隣接するトラック上において隣り合うトラッキングマークとの光ディスクトラック方向の距離とが等しい位置に形成することができる。図16のようにトラッキングマークを配置することにより、トラッキングマーク間の距離は、隣接するトラック間のトラッキング信号のクロストークを防ぐために適切なものとなる。
【0061】
図17で示すクロックトラッキングマークm5〜m7より得られる検出光P5〜P7は図18に示されるクロック発生回路600に入力され、安定したクロック信号を発生させる。
【0062】
検出光P5〜P7は位相比較器601に入力される。検出光P5〜P7からは周期的なパルスが出力され、その周期に対応する周波数f0 とf1 (=Mf0 )を中心周波数として発生する電圧制御発振器604より出力された周波数を分周器605でM分周された周波数(f1 /M≒f0 )との位相を比較し、比較結果を低域濾波器602に出力する。
【0063】
低域濾波器602の出力はサンプルホールド回路603に入力される。サンプルホールド回路603では、検出光P5〜P7が入力される期間は低域濾波器602の出力を電圧制御発振器604に出力し、検出光P7から検出光P5が入力されるまでの期間は検出光P7に対する低域濾波器602の出力値を保持して電圧制御発振器604に出力する。
【0064】
このようにして得られた電圧制御発振器604より出力されるクロック信号f1 は書込および読出時の基準となるクロック信号に使用される他トラッキングエラー信号を検出するための基準クロック信号として用いられ、エラーの少ない高精度のトラッキングを行わせることができる。
なお高精度のクロック信号を得るにはクロックトラッキングマークの数は、図19に示されるように、8個以上が望ましい。
【0065】
また図19で示したクロックトラッキングマークは円形であったが、図20に示すように矩形にしてもよい。このように矩形にすることによってトラックセンタよりずれて走査されても正しい位置で検出光が得られる。
またクロックトラッキングマークを、図21に示すように、隣接するトラックにまたがったものとしてもよい。
【0066】
また、実施の形態1の光ディスクの相変化データ記録層としては、Ge2 Sb2 Te5 薄膜、あるいはAgInSb薄膜を用いることができる。図22は、図1に示した光ディスクのデータ記録層102をGe2 Sb2 Te5 薄膜1802とした光ディスクの断面を示す図である。図22に示した光ディスクによれば、S/N比が高く、また、正確なトラッキングエラー信号を得ることができる。また、データ記録層の感度を高め、マークの記録や消去が確実にできる。また、記録マークと未記録の部分との境界でシャープな信号を得ることができる。
【0067】
また、図23は、図1に示した光ディスクのデータ記録層102をAgInSb薄膜1902とした光ディスクの断面を示す図である。図23に示した光ディスクによれば、S/N比が高く、また、正確なトラッキングエラー信号を得ることができる。そして、このために光りの回折限界で制限されるサイズ以下のサイズの記録マークを正確に形成することができる。
【0068】
また、図24は、図1に示した光ディスクのデータ記録層102を相変化材料層2002とした光ディスクの断面を示す図である。
相変化材料は、書き込み用の強い光を照射することで相変化(結晶相、アモルファス相など)を起こす材料である。安定した複数の相が可逆的に変化可能な場合はRAMとして、また非可逆的に変化する場合は追記型記録メディアとして用いることができる。また、読み出し用の弱い光を照射したときに、その透過光あるいは反射光に複数の相でコントラストが発生する材料であればよい。コントラストとは吸光度や反射率の変化による光の強度の差の他に、偏光面の回転や複屈折率の変化など、光学的定数の変化によって生じるコントラストも含まれる。
【0069】
さらに、実施の形態1の記録再生装置は近接場光を発生するためにファイバの先端を先鋭化したプローブを用いている。しかし、近接場光を発生するための構成として、ヘッドまたはスライダに微小開口部を設け、この微小開口部に光を通すことによって近接場光を発生するものであってもよい。また、実施の形態1ではレーザ光を基板側から光ディスクに入射しているが、基板に対する裏面(光ディスク表面)からレーザ光を入射する構成であってもよい。また、実施の形態1は、レーザ光を近接場光とする構成に限定されるものでなく、一般的なビーム状のレーザ光を用いて光ディスクの記録再生を行う構成についても適用できる。
【0070】
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2の光ディスクについて説明する。なお、実施の形態2の光ディスクは、図1で説明した実施の形態1の光ディスクと同様の層構造を有している。このため、実施の形態2では、光ディスクの層構造についての説明を略すものとする。
【0071】
図25は、実施の形態2の光ディスクのトラッキングマークを説明するための図である。実施の形態2の光ディスクは、データ記録層1702のサーボ領域に複数のトラックが形成されている。図中、トラックのトラックセンタをTc1、トラックセンタTc1を中心とするトラックに隣接するトラックのトラックセンタTc2を示す。トラックセンタTc1のトラックには第1トラッキングマークであるm1、第2トラッキングマークであるm2が、また、トラックセンタTc2のトラックには第1トラッキングマークであるm3、第2トラッキングマークであるm4が形成されている。
【0072】
トラッキングマークm1、トラッキングマークm2は、光ディスクの方向に一定の距離d1隔てて形成され、トラッキングマーク対をなしている。また、同様に、隣接するトラックにおいて、トラッキングマークm3、トラッキングマークm4は、トラッキングマーク対をなしている。トラッキングマーク対は、光ディスク上に離散的に配置され、かつ、トラッキングマークm1とトラッキングマークm3間の光ディスク方向の距離d3、トラッキングマークm2とトラッキングマークm4間の光ディスク方向の距離d2は、いずれも距離d1と等しい。なお、実施の形態2では、図示したようにトラッキングマークのピッチの長さを、トラッキングマーク間の距離というものにした。
【0073】
図25のようにウォブルトラッキングマークを形成することにより、実施の形態2の光ディスクは、互いに隣接するトラック間のトラッキング信号のクロストークを防ぐことができる。また、図15に示したサーボ領域よりもサーボ領域を狭くすることができ、データ記録領域を広くとることができる。このため、実施の形態2は、光ディスクの記憶容量を高めることができる。
【0074】
ところで、図25に示したウォブルトラッキングマークは、図26に示すように、各トラックのトラッキングマークがトラック方向(図中rで示す)にずれ、トラッキングマーク全体を記録するサーボ領域を広くとる必要が生じることがある。図26に示した構成によりサーボ領域を広くとる必要をなくすため、実施の形態2は、図27に示すように構成することもできる。
【0075】
図27に示したサーボ領域では、適当な数(図27においては6)のトラックごとに一連のウォブルトラッキングマーク群を形成し、隣接するトラック群M1の先頭トラッキングマークm1と、トラック群M2の先頭となるトラッキングマークm2とを一致させて形成する。このように形成することにより、トラッキングマークが光ディスクの径方向にずれてサーボ領域が広がることを防ぐことができる。
【0076】
また、図27のようにウォブルトラッキングマークを形成した場合、トラックの位置を大まかに検出するときには、各トラック群に含まれる特定のトラッキングマーク(例えば先頭のトラッキングマーク)だけを順次検出すればよい。このため、図27のウォブルトラッキングマークは、ヘッドあるいはスライダを光ディスクの径方向に移動させるときの位置情報を簡易、かつ高速に検出できる。
【0077】
なお、1つのトラック群に含まれるトラックの適切な数は、トラックピッチとウォブルトラッキングマークの直径とによって幾何学的に決まる。トラックピッチの2倍がウォブルトラッキングマークの直径である場合、6以上8以下が1つのトラック群に含まれる適切なトラック数となる。特にトラック数を8に設定した場合、バイナリがコンピュータで扱いやすくなり、過不足なくトラック数とそのアドレスとを設定することができる。
【0078】
(実施の形態3)
次に、実施の形態3の光ディスクについて説明する。なお、実施の形態3の光ディスクは、実施の形態1、または実施の形態2と同様のトラッキングマークを備えている。このため、実施の形態3では、光ディスクのトラッキングマークについての説明を略すものとする。
【0079】
図28は、実施の形態3の光ディスクを説明するための図である。実施の形態3の光ディスクは、非線形光学材料層を備え、非線形光学層は、光の照射を受ける被照射部分のみが透明になって光を透過し、透過光を近接場光にするものである。
【0080】
すなわち、実施の形態3の光ディスクは、図28に示したように、ポリカーボネード基板2101と、SiN保護層2102、SiN保護層2104、SiN保護層2106、データ記録層2105、さらに、非線形光学材料層であるSbマスク層2103を備えている。Sbマスク層2103は、光の照射を受ける被照射部分のみが透明になって集光レンズ2107によって集光されたレーザ光Lを透過し、透過光を近接場光L’’にするものである。上記した各層は、SiN保護層2104、2106が20nm、データ記録層2105が15nm、Sbマスク層2103が15nm、SiN保護層2102が17nm積層されている。なお、積層は、いずれも蒸着によってなされている。
【0081】
実施の形態3の光ディスクは、記録時、ポリカーボネード基板2101側から集光レンズ2107によって集光されたレーザ光Lを入射する。レーザ光Lは、Sbマスク層2103に焦点を結び、レーザ光Lのパワーに応じた領域を透明にする。透明になった部分は、微小開口部となり、レーザ光Lを透過する。透過したレーザ光Lは、近接場光L’’となってデータ記録層2105に染み出し、光の回折限界よりも小さな記録マーク2108を形成する。
【0082】
また、実施の形態3の光ディスクの相変化データ記録層としては、Ge2 Sb2 Te5 薄膜、あるいはAgInSb薄膜を用いることができる。図29は、図28に示した光ディスクのデータ記録層2105をGe2 Sb2 Te5 薄膜2405とした光ディスクの断面を示す図である。図中、Ge2 Sb2 Te5 薄膜2405に形成された記録マークを2408として示す。図29に示した光ディスクによれば、S/N比が高く、また、正確なトラッキングエラー信号を得ることができる。また、データ記録層の感度を高め、マークの記録や消去が確実にできる。また、記録マークと未記録の部分との境界でシャープな信号を得ることができる。
【0083】
また、図30は、図28に示した光ディスクのデータ記録層2105をAgInSb薄膜2505とした光ディスクの断面を示す図である。図中、AgInSb薄膜2505に形成された記録マークを2508として示す。図30に示した光ディスクによれば、S/N比が高く、また、正確なトラッキングエラー信号を得ることができる。そして、このために光の回折限界で制限されるサイズ以下のサイズの記録マークを正確に形成することができる。
【0084】
(実施の形態4)
次に、実施の形態4の光ディスクについて説明する。実施の形態4の光ディスクは、実施の形態12、あるいは実施の形態3の光ディスクと同様の層構造を有している。このため、実施の形態4において光ディスクの層構造の図示および説明を省くものとする。
【0085】
図31は、実施の形態4の光ディスクを説明するための模式図である。図示した光ディスクは、一定数のトラックごとにグルーブGを備え、グルーブGのランドRにウォブルトラッキングマークが形成された領域、つまりサーボ領域を備えている。実施の形態3の光ディスクは、記録再生装置に設けられた2分割フォトダイオードによってグルーブGで発生する回折光を検出し、フォトダイオードの出力差によりトラッキングエラーを検出することができる。
【0086】
このような実施の形態4によれば、トラッキングマークをサンプルサーボして得られる信号に加えてグルーブからもプッシュプル信号を得ることができる。したがって、例えば実施の形態1、実施の形態2の光ディスクのようにウォブルトラッキングマークだけを使ってトラッキングエラーを検出するよりも確実にトラッキングエラーを検出することができる。
【0087】
以上述べた実施の形態3は、記録再生装置が照射したレーザ光を光ディスク側で近接場光にすることができる。このため、実施の形態3の光ディスクは、近接場光を発生する構成がない記録再生装置を使ってレーザ光の回折限界以下のサイズの記録マークを形成することができる。
【0088】
【発明の効果】
本発明によれば、光の近接場効果、あるいは擬似的な近接場効果を用いた場合にも、クロックトラッキングマークより正確なクロック信号が得られ、ウォブルトラッキングマークの検出時間から正確、かつ定量的なトラッキング信号を取得することができる。このため、高い密度でデータを記録し、記録されたデータを再生できる光記録媒体を提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の光ディスクの層構造を説明するための図である。
【図2】図1に示した実施の形態1の光ディスクのサーボ領域を示した図である。
【図3】本発明の実施の形態1の記録再生装置を説明するための図である。
【図4】図3に示したサーボ信号検出装置の構成をより詳細に説明するための図である。
【図5】本発明の実施の形態1のウォブルトラッキングマークをレーザ光が近接場光で走査した状態を示した図である。
【図6】図5に示した状態で行われたトラッキングで得られた検出光を説明するための図である。
【図7】レーザ光のスポットが、トラックセンタとずれたコース上を走査した場合を示した図である。
【図8】図7に示した状態で行われたトラッキングで得られた検出光を説明するための図である。
【図9】パルス幅比較器においてなされる処理を説明するための図である。
【図10】図9に示した検出時間幅の差を算出する構成を説明するための図である。
【図11】図10において処理される信号を説明するための図である。
【図12】図11に示した信号fと、トラッキングエラーの量との関係を示した図である。
【図13】サーボ信号検出装置の他の構成例を示した図である。
【図14】図13に示したサーボ信号検出装置において処理される信号を説明するための図である。
【図15】実施の形態1の光ディスクの他の例を説明するための図である。
【図16】実施の形態1の光ディスクのさらに他の例を説明するための図である。
【図17】図16に示したトラッキングマークm5〜m9から得られる検出光を説明するための図である。
【図18】クロック発生回路の一構成例を示す図である。
【図19】トラッキングマークの他の例を示す図である。
【図20】トラッキングマークの他の例を示す図である。
【図21】トラッキングマークの他の例を示す図である。
【図22】実施の形態1の光ディスクにおいてデータ記録層をGe2 Sb2 Te5 薄膜とした構成を説明するための図である。
【図23】実施の形態1の光ディスクにおいてデータ記録層をAgInSb薄膜とした構成を説明するための図である。
【図24】実施の形態1の光ディスクにおいてデータ記録層を相変化材料とした構成を説明するための図である。
【図25】本発明の実施の形態2の光ディスクのトラッキングマークを説明するための図である。
【図26】図25に示したトラッキングマークの改善すべき点について説明するための図である。
【図27】実施の形態2の光ディスクのサーボ領域の構成例を説明するための図である。
【図28】実施の形態3の光ディスクを説明するための図である。
【図29】実施の形態3の光ディスクにおいてデータ層をGe2 Sb2 Te5 薄膜とした構成を説明するための図である。
【図30】実施の形態3の光ディスクにおいてデータ記録層をAgInSb薄膜とした構成を説明するための図である。
【図31】実施の形態4の光ディスクを説明するための模式的な図である。
【図32】トラッキングエラーを検出する方法を説明するための図である。
【図33】図32に示したウォブルトラッキングマークにレーザ光を照射して検出される検出光を示した図である。
【図34】従来のウォブルトラッキングマークを説明するための図である。
【図35】図32に示したウォブルトラッキングマークを近接場光を用いて走査したときに生じる問題を説明するための図である。
【図36】図35に示した状態で行われたトラッキングによって得られる検出光を説明するための図である。
【符号の説明】
101,103,2102,2104,2106 SiN保護層
102,1702,2105 データ記録層
104,2101 ポリカーボネード基板
105,2108 記録マーク
301 レーザ光源
302 光検出器
303 サーボ信号検出装置
304 光ディスク
401 遅延回路
402 パルス幅比較器
501,1501,1601 スポット
600 クロック発生回路
601 位相比較器
602 低域濾波器
603 サンプルホールド回路
604 電圧制御発振器
605 分周器
1001,1002,1302 波形整形器
1003 減算器
1004,1304 積分器
1303 極性切替器
1305 スイッチ
1802,2405 Ge2 Sb2 Te5 薄膜
1902,2505 AgInSbTe薄膜
2002 相変化材料
2103 Sbマスク層
2107 集光レンズ

Claims (11)

  1. ラックセンタに所定距離毎に複数個設けられたクロック信号を得るためのクロックトラッキングマークと、前記トラックセンタに対して互いに所定長ずらしかつトラック方向にずらして設けられたトラッキングエラー信号を得るための1対のウォブルトラッキングマークと、を有する情報を記録する光記録媒体において、
    前記ウォブルトラッキングマークが、クサビ形状に設けられると共にその先端が前記トラックセンタに対して垂直でありかつ前記トラックセンタと所定長交叉するように設けられ、
    前記1対のウォブルトラッキングマークが、トラック方向に前記所定距離ずらして設けられ、そして、
    前記所定長ずらして設けられた前記ウォブルトラッキングマークが、隣接するトラックに設けられたウォブルトラッキングマークとトラック方向に前記所定距離に等しい距離ずらして設けられている
    ことを特徴とする光記録媒体。
  2. 前記クロックトラッキングマークに続いて前記ウォブルトラッキングマークが設けられていることを特徴とする請求項記載の光記録媒体。
  3. 前記クロックトラッキングマークが配置される前記所定距離と前記ウォブルトラッキングマークが配置される前記所定長が等しいことを特徴とする請求項1又は2記載の光記録媒体。
  4. 前記クロックトラッキングマークの形状が矩形の形状であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の光記録媒体。
  5. 前記クロックトラッキングマークが複数の隣接するトラックと垂直に交叉する矩形状であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の光記録媒体。
  6. 一定の数のトラック毎にグルーブを設け、該グルーブ領域のランド部分に前記ウォブルトラッキングマークを設けたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の光記録媒体。
  7. 前記光記録媒体の記録層が相変化型の記録層であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の光記録媒体。
  8. 前記相変化型の記録層が、Ge2 Sb2 Te5 薄膜であることを特徴とする請求項記載の光記録媒体。
  9. 前記相変化型の記録層が、AgInSb薄膜であることを特徴とする請求項記載の光記録媒体。
  10. 前記光記録媒体に非線形光学材料層を設け、該非線形光学材料層をマスクとして近接場光にすることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の光記録媒体。
  11. 請求項1乃至10のいずれかに記載の光記録媒体に対して情報の記録再生を行わせる記録再生装置において、前記クロックトラッキングマークからの反射光よりクロック信号を発生させるクロック発生手段と、前記1対のウォブルトラッキングマークからの反射光の検出時間差よりトラッキングエラーを生成するトラッキングエラー生成手段と、を備えたことを特徴とする記録再生装置。
JP2001157011A 2001-05-25 2001-05-25 光記録媒体および記録再生装置 Expired - Fee Related JP4213363B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001157011A JP4213363B2 (ja) 2001-05-25 2001-05-25 光記録媒体および記録再生装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001157011A JP4213363B2 (ja) 2001-05-25 2001-05-25 光記録媒体および記録再生装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002352443A JP2002352443A (ja) 2002-12-06
JP4213363B2 true JP4213363B2 (ja) 2009-01-21

Family

ID=19000940

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001157011A Expired - Fee Related JP4213363B2 (ja) 2001-05-25 2001-05-25 光記録媒体および記録再生装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4213363B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP2002352443A (ja) 2002-12-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5084860A (en) Apparatus for optical disc memory with correction pattern and master disc cutting apparatus
JPH0248983B2 (ja)
JP2000149331A (ja) 光記録媒体、光記録媒体製造用原盤及び光記録再生装置
JP2001023254A (ja) 光磁気記録テスト方法及び光磁気記録再生装置
US7251211B2 (en) Optical medium having grooves along recording tracks, and an associated master disc and apparatus
JP4213363B2 (ja) 光記録媒体および記録再生装置
CN100382176C (zh) 光学记录媒质及其制造基板,记录和复制装置及方法
JP4032334B2 (ja) 光記録再生装置
JP4328006B2 (ja) 光記録媒体
JPH09259439A (ja) 光記録媒体及びトラックを計数する方法
JPH01165052A (ja) 光ディスク
JP2702907B2 (ja) 情報記録媒体及びその記録再生装置
JP2528822B2 (ja) 情報記録媒体およびその記録再生装置
JP2000285486A (ja) 情報記録再生装置
JPWO2006112302A1 (ja) 光学記録制御方法、光学記録制御回路、光学再生制御方法、光学再生制御回路、光学記録媒体、トラッキング制御方法、トラッキング制御回路、光学記録方法、光学記録装置、光学再生方法及び光学再生装置
JP2000090496A (ja) 光記録媒体、光記録媒体製造用原盤及び光記録再生装置
JP4320916B2 (ja) 光記録媒体、光記録媒体製造用原盤及び光記録再生装置
JP2002140820A (ja) 光記録媒体および記録再生装置
JP2002140821A (ja) 光記録媒体
JP4320915B2 (ja) 光記録媒体、光記録媒体製造用原盤及び光記録再生装置
JPH11296910A (ja) 光記録媒体及び光記録媒体製造用原盤
JP2000048407A (ja) 光記録媒体、光記録媒体製造用原盤及び光記録再生装置
JP2000040259A (ja) 光記録媒体、光記録媒体製造用原盤及び光記録再生装置
Kurokawa et al. Multilayer optical disc system using homodyne detection
JP2003323738A (ja) 光記録再生装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060306

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080121

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080129

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080328

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20081028

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20081030

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111107

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111107

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121107

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131107

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees