JP4212453B2 - 尤度演算方法及び分散演算回路 - Google Patents

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Description

本発明は軟判定復号に用いる尤度(軟判定値)の演算方法及び尤度を演算するために使用する分散演算回路に係わり、特に、軟判定QAM復調信号の分散を該軟判定QAM復調信号に作用させて受信シンボルの尤度を出力する尤度演算方法及び分散演算回路に関する。
一般に誤り訂正を行なう場合、復号器には受信シンボルをそのまま入力して復号処理を行なう。近年、誤り訂正能力を向上させる復号方法、例えば軟判定ビタビ(Viterbi)復号法やターボ復号法が良く用いられるようになっている。その中でもターボ復号法のように、受信シンボルの尤度情報を復号器の入力として用いるケースが増えてきている。
受信シンボルの尤度とは、例えば+1/−1 のバイポーラ信号の受信信号を観測し、受信信号がどのくらい+1 である可能性が高いか、またはどのくらい+1ではない可能性が高いか、という「確からしさ」の指標を意味する。このような受信シンボル値から尤度を求める方法として、Sklar の文献 "Turbo codeconcepts made easy, or how I learned to concatenate and reiterate" BernardSklar, 1997, IEEE がある。この文献によれば、受信シンボルr、受信シンボル列の分散σ が判れば、この受信シンボルの対数尤度L が、次式で得られるとされている。
Figure 0004212453
このとき、受信シンボル列の分散σは、通常受信機入力端付近で付加される熱雑音に起因するものであり、加法性白色ガウス雑音(AWGN: Additive White Gausian Noise)として捕らえることができ、下式
σ=kT NF (2)
で得られる。ここでk はボルツマン定数、T は周辺の絶対温度、NF は受信機装置の雑音指数である。
また、分散σは受信シンボルr を長期間観測することによっても得ることができる。一般にN 個の信号ri (i=1,2,…N)の分散は、下式
Figure 0004212453
で得られる。
ここでravgはriベクトル振幅の平均値である。この式から明らかなように、分散はN を大きくとるほど真値に近づくものであり、経験的に数百〜数千個以上の受信シンボルから求めるのが望ましい。これら2 つの方法で得られる分散値は、他のゆらぎ要因が無い限り等しいものとなる。
図11は従来の受信装置の要部構成図であり、軟判定復号器の前段までの構成が示されている。ダウンコンバータ1において、受信キャリア発生部1aは受信キャリアを発生し、位相シフト部1bは受信キャリアの位相をπ/2シフトし、乗算器1c,1dはべースバンド信号に受信キャリアを乗算してI-CH信号とQ-CH 信号からなるべースバンドの多値QAM 信号を出力し、ローパスフィルタ1e,1fは多値QAM 信号の帯域を制限して軟判定QAM 復調器2に入力する。軟判定QAM 復調器2は発振器3から出力するクロック信号に基づいて多値QAM 信号を直列信号にデマッピング(並び替え)して軟判定のQAM 復調信号を発生して尤度演算回路4に入力する。
尤度演算回路4は軟判定QAM復調信号の分散σ2を推定し、該分散σ2を軟判定QAM復調信号に作用させて受信シンボルの尤度を計算して軟判定復号器に入力する。すなわち、分散推定部4aは(2)式により受信シンボル列の分散σ2を推定し、演算部4bは2/σ2を計算し、乗算器4cは(1)式により軟判定QAM復調信号の尤度を計算して軟判定復号器に入力する。
図11の受信部は(2)式に従って動作するものであるが、実際の受信装置では、熱雑音以外のゆらぎも存在することが明らかである。このため、図11の構成をとることは殆どなく、(3)式に従って受信シンボル列の分散σ2を推定して尤度を計算して軟判定復号器に入力する図12の構成が採用されている。図12において、図11と異なる点は分散推定部4a′が受信シンボル列の分散σ2を(3)式に従って推定する点で、他の構成、動作は同じである。
次に、QAM 信号と付加雑音の分散について説明する。
一般的に多値QAM を用いるシステムでは、受信機入力端付近で付加される熱雑音が、受信QAM 信号に不確定さを与え、通信システム全体のパフォーマンスを左右する。熱雑音は、各QAM 信号点で大きさの等しいゆらぎとして観測され、更にこのゆらぎの同相(I-CH)成分Viと直交(Q-CH)成分Vqは同量となる。図13 に16QAM を例として、AWGNを付加した時のコンスタレーションを示す。各信号点において同相(I-CH)成分と直交(Q-CH)成分は等しく、又、各信号点における同相(I-CH)成分Vi a〜Vi dは等しく、さらに各信号点における直交(Q-CH)成分Vq a〜Vq dは等しい。以下においてこのような性質を持った熱雑音に起因する分散をσthermal と記す。
4値QAM(QPSK)のようにQAM 信号ベクトル振幅が等しい変調方式においては、QAM 復号シンボルを観測して(3)式を適用することで比較的容易に分散σthermalを推定することが可能である。また、16QAM や64QAM のようにQAM 信号ベクトルが複数種類存在するQAM でも、同じQAM信号ベクトルの振幅から生成されたQAM 復調シンボルの集合を観測しそれらの平均値を取ることで、分散σthermalを推定することが可能である。熱雑音付加環境下では、このように得られた分散σthermalが受信シンボルの分散となっており、(1)式を適用することで、QAM 復調信号の尤度を求めることができる。
さて、シンボルの尤度を求める時、受信信号に付加された雑音の分散σ の精度が重要となる。分散σ の精度が熱雑音だけに起因する場合には前述の方法で分散σ(=σthermal)を精度よく推定することができる。しかし、一般に受信QAM 信号で観測される分散σ のゆらぎは熱雑音だけが原因でなく、位相ゆらぎも原因の一つになっている。位相ゆらぎは、ダウンコンバータで使用される発振器(キャリア発生器1a)の位相雑音、QAM 復調器2で使用される発振器3の位相雑音またはQAM 復調をディジタル信号処理で行なう場合におけるクロックのジッタであり、これらが同時に発生する場合には各位相雑音やジッタを複合したものとなる。
この位相ゆらぎの影響が大きくなると、QAM 信号のコンスタレーションが同相(I)軸と直交(Q)軸の交点Oを中心として左右に回転するようなゆらぎが生じる。従って、精度良く分散を推定するには位相ゆらぎを考慮しなければならない。この位相ゆらぎを考慮して尤度を算出する従来技術がある(たとえば特許文献1参照)。この従来技術はQPSK変調信号(4値QAM変調信号)の位相ずれに応じて尤度計算することを特徴とするものである。
特開平5−14213号公報
・問題点1
図14は16QAMを例として、位相雑音を付加した時のコンスタレーション説明図であり、受信QAM 信号点は円弧状のゆらぎを示し、その角度範囲θは、全信号点でほぼ等しくなる。図15は、16QAM を例として、AWGN と位相雑音を合成付加した時のコンスタレーション説明図であり、図13 や図14 と比較して明らかなように、信号点A, B, C, D のゆらぎの形状は同一にならず、I-CHとQ-CH の成分もそれぞれ異なる。図11及び図12に示す従来技術の分散推定法では、I-CH とQ-CH でゆらぎが異なることを前提としないため、このような位相ゆらぎが加わると、熱雑音と位相ゆらぎを総合した平均的な分散値を取得することとなり、分散の推定精度が低下してしまう。その結果、尤度演算の精度が低下する。
また、前記文献の従来技術では位相ずれに応じて尤度計算をしているけれど、4値QAM (QPSK)に限定され、4値以外の多値QAMにおける分散の推定に適用できない。なぜならば、4値QAMでは信号ベクトルの大きさが同一であるが、4値以外の多値QAMでは信号ベクトルの大きさが信号点位置に応じて変化し、図14から明らかなように、位相ゆらぎに起因する分散が信号ベクトルの大きさ(信号点位置)に応じて変化するからである。すなわち、従来技術のQPSK では、信号点が同心円上に配置されているため、信号ベクトルの大きさが一定であり、位相ゆらぎが信号ベクトルの大きさ(信号点位置)に応じて変化する現象は起こらない。このため、従来技術は分散が信号ベクトルの大きさ(信号点位置)に応じて変化する4値以外の多値QAMにおける分散の推定に適用できない問題がある。
・問題点2
QAM 復調で扱う信号に位相ゆらぎが加わることに対応して、QAM 信号点ごとに分散を正確に求めようとすると、信号点ごとに分散を演算する必要がある。例えば図12の従来方法の回路に、各QAM 信号点を判別して、それぞれで(3)式の処理を行なう改良が必要となり、回路規模が大きくなり、しかも、分散推定に必要とされるシンボル数が多くなって制御のスピードが低下する問題が生じる。
以上から本発明の目的は4値以外の多値QAMにおける分散を、位相ゆらぎが加わっても正確に推定して精度の高い尤度を算出できるようにすることである。
本発明の別の目的は構成が簡単で、しかも、シンボル毎に位相ゆらぎを考慮した分散の推定ができるようにすることである。
第1の発明は多値QAM復調シンボルの分散を用いて軟判定QAM復調信号の尤度情報を演算する尤度演算方法において、受信信号に直交復調処理を施して多値QAM復調シンボルを発生し、該多値QAM復調シンボルにデマッピング処理を施して軟判定QAM復調信号を発生し、該多値QAM復調シンボルと受信処理に用いる発振器の位相雑音に応じた位相ゆらぎ情報とを用いて、位相ゆらぎに起因する分散(位相ゆらぎ分散)を算出し、該位相ゆらぎ分散を用いて前記多値QAM復調シンボルの分散を補正し、補正後の分散を用いて前記軟判定QAM復調信号の尤度情報を演算する尤度演算方法である。
第2の発明は、第1の発明の尤度演算方法において、熱雑音に起因する分散を前記多値QAM復調シンボルの分散として求め、該分散に前記位相ゆらぎ分散を加算して前記多値QAM復調シンボルの分散を補正し、該補正後の分散を前記軟判定QAM復調信号に作用させて軟判定QAM復調信号の尤度情報を演算する尤度演算方法である。
第3の発明は、第1の発明の尤度演算方法において、前記軟判定QAM復調信号を用いて統計処理により算出した分散を前記多値QAM復調シンボルの分散として求め、該分散に前記位相ゆらぎ分散を加算して前記多値QAM復調シンボルの分散を補正し、該補正後の分散を前記軟判定QAM復調信号に作用させて軟判定QAM復調信号の尤度情報を演算する尤度演算方法である。
第4の発明は、多値QAM復調シンボルの分散を用いて軟判定QAM復調信号の尤度情報を演算する受信装置の分散演算回路において、熱雑音に起因する第1の分散を推定する手段、前記多値QAM復調シンボルと受信処理に用いる発振器の位相雑音に応じた位相ゆらぎ情報とを用いて、位相ゆらぎに起因する第2の分散を算出する手段、前記第1の分散と第2の分散を加算して前記多値QAM復調シンボルの分散を算出する手段を備えた分散演算回路である。
第5の発明は、多値QAM復調シンボルの分散を用いて軟判定QAM復調信号の尤度情報を演算する受信装置の分散演算回路において、前記軟判定QAM復調信号を用いて統計処理により第1の分散を推定する手段、前記多値QAM復調シンボルと受信処理に用いる発振器の位相雑音に応じた位相ゆらぎ情報とを用いて、位相ゆらぎに起因する第2の分散を算出する手段、前記第1の分散と第2の分散を加算して前記多値QAM復調シンボルの分散を算出する手段、を備えた分散演算回路である。
本発明によれば、位相ゆらぎを考慮して正確に分散を演算でき、該分散を用いることにより尤度演算を正確に行なえ、誤り訂正の精度向上に寄与することができる。
また、本発明によれば、多値QAMの全信号点のシンボル共通に位相ゆらぎ分散算出部を設け、該位相ゆらぎ分散算出部で位相ゆらぎ分散を算出するように構成することで回路規模を小さくすることができ、しかも、シンボル単位で位相ゆらぎを考慮した分散の推定ができる。
受信信号に直交復調処理を施して多値QAM復調シンボルを発生し、該多値QAM復調シンボルにデマッピング処理を施して軟判定QAM復調信号を発生し、該多値QAM復調シンボルと受信処理に用いる発振器の位相雑音に応じた位相ゆらぎ情報とを用いて、位相ゆらぎに起因する分散(位相ゆらぎ分散σ wobble)を算出し、該位相ゆらぎ分散を用いて別途計算されている多値QAM復調シンボルの分散を補正し、補正後の分散を用いて前記軟判定QAM復調信号の尤度情報を演算する。
熱雑音に起因する分散σ thermalを前記別途計算されている多値QAM復調シンボルの分散とし、この分散に位相ゆらぎ分散σ wobbleを加算して補正し、該補正後の分散を用いて(1)式により尤度を計算する。あるいは、前記軟判定QAM復調信号を用いて統計処理により算出した分散を、前記別途計算されている多値QAM復調シンボルの分散とし、この分散に位相ゆらぎ分散を加算して補正し、該補正後の分散を用いて尤度を計算する。
位相ゆらぎ分散σ wobbleは位相ゆらぎ情報に応じた分散値σ2 θと、位相ゆらぎの角度範囲θと、前記多値QAM復調シンボルとを用いてシンボル点における位相ゆらぎ分散の同相成分と直交成分を算出し、
該同相成分と直交成分にデマッピング処理を施して出力する
本発明によれば、位相ゆらぎがコンスタレーションに回転方向のゆらぎを起こす場合であっても、分散を位相ゆらぎを考慮して正確に推定することができ、該分散を用いるて尤度演算を正確に行なえ、誤り訂正の精度向上に寄与することができる。
(A)全体の構成
図1は第1実施例の尤度演算回路を備えた受信装置の要部構成図である。
ダウンコンバータ11において、受信キャリア発生部11aは受信キャリアを発生し、位相シフト部11bは受信キャリアの位相をπ/2シフトし、乗算器11c,11dはべースバンド信号に受信キャリアを乗算してI-CH信号とQ-CH 信号からなるべースバンドの多値QAM 信号(多値QAM復調シンボル)を出力し、ローパスフィルタ11e,11fは多値QAM 信号の帯域を制限して軟判定QAM 復調器12に入力する。
軟判定QAM 復調器12は発振器13から出力するクロック信号CLKに基づいて多値QAM 信号を直列信号に並び替えて(デマッピングして)軟判定のQAM 復調信号にして尤度演算回路14に入力する。なお、軟判定QAM 復号器12は、アナログ的な動作でもディジタル的な動作でもどちらで構成してもよい。また、QAM 信号のI-CH とQ-CH の情報(QAM復調シンボル)をどのように並び替えるか(デマッピングするか)については、送受信で整合が取れていれば、それ以上に特別な定義を必要としない。
位相ゆらぎ分散生成回路15は、I-CH,Q-CHの多値QAM信号(多値QAM復調シンボル)と受信処理に用いる発振器11a,13の位相雑音に応じた位相ゆらぎ情報とを用いて、位相ゆらぎに起因する分散(位相ゆらぎ分散)σ2 wobbleを算出して出力する。なお、位相ゆらぎ情報とは、ダウンコンバータで使用される発振器(キャリア発生器11a)の位相雑音、軟判定QAM 復調器に使用される発振器13の位相雑音またはQAM 復調をディジタル信号処理で行なう場合におけるクロックCLKのジッタあるいは、これらが同時に発生する場合には各位相雑音やジッタを複合した情報である。
尤度演算回路14において、熱雑音分散推定部14aは軟判定QAM復調信号の熱雑音に起因する分散σ2 thermalを(2)式に基づいて推定し、分散補正回路14bは次式
σ2 total=σ2 thermal+σ2 wobble
により、分散σ2 thermalを位相ゆらぎ分散σ2 wobbleで補正して全体のσ2 totalを出力する。演算部14cは次式
2/σ2 total
を演算し、乗算器14dは(1)式の演算を行なってQAM復調信号の尤度(軟判定値)を計算して次段の軟判定復号器へ出力する。
(B)位相ゆらぎ分散生成回路
図2は位相ゆらぎ分散生成回路の構成図である。位相ゆらぎ分散生成回路15は、極座標変換器15a、位相ゆらぎ→θ変換器15b、位相ゆらぎ→σ θ変換器15c、位相ゆらぎ分散演算器15d、デマッパ15eを備え、入力信号として多値QAM信号(多値QAM復調シンボル)のI-CH とQ-CH、および位相ゆらぎ情報が入力されている。
極座標変換器15aは、多値QAM復調シンボルのI-CH とQ-CH をそれぞれ実数と虚数としたときの複素数ベクトルから、該ベクトルの大きさR と偏角φを計算して出力する。位相ゆらぎ→θ変換器15bは、位相ゆらぎ情報からゆらぎ量θ(ゆらぎの角度範囲)を得るもので、いくつかの実現方法が存在するがどの方法によるかは特に限定しない。例えば、実測結果を元に作成した後述する変換テーブル(位相ゆらぎ情報とゆらぎの角度範囲θの対応テーブル)を用いたり、パイロット信号を利用した計測方法が考えられる。なお、ゆらぎ量θは、位相ゆらぎのとりうる値の例えば99%を占める角度範囲のような値である。ここで示した99%という数値は例であり、動作を拘束する条件ではない。
位相ゆらぎ→σ θ変換器15cは、位相ゆらぎ情報あるいはゆらぎ量θを入力とし、その分散値σ2 θを得るものである。この変換器もいくつかの実施例を考えられるが、実測結果を元に作成した後述する変換テーブル(位相ゆらぎ情報あるいはゆらぎ量θと分散値σ θとの対応テーブル)を使用するのが望ましい。
位相ゆらぎ分散変換器15dは、上述のR、φ、θ、σ θ を入力情報として用いてI-CH とQ-CH の位相ゆらぎ分散σ2 wobble ,σ2 wobble を演算して出力する。デマッパ15eは、入力されたI-CH とQ-CH の位相ゆらぎ分散を多値QAM復調シンボル のデマッピングと同様の方法で並び替えて出力する。
以下、位相ゆらぎ分散生成回路の動作を説明する。
多値QAM復調シンボルのI-CH とQ-CH が位相ゆらぎ分散生成回路15に入力すると、極座標変換器15aはそれぞれを実数と虚数とする複素数ベクトルの大きさRと偏角φを発生する。一方、位相ゆらぎ情報が入力されると、位相ゆらぎ→θ変換器15bは変換テーブルより位相ゆらぎのゆらぎ量θを発生し、位相ゆらぎ→σ θ変換器15cは変換テーブルよりゆらぎ量θに基づいて位相ゆらぎの分散σ θを発生する。位相ゆらぎ分散演算器15dは、これらのR,、φ、θ、σ θを用いて、位相ゆらぎ分散σ2 wobble ,σ2 wobble を演算する。位相ゆらぎ分散σ2 wobble ,σ2 wobble は異なる値を示し、下式
I-CH:σ2 wobble =σ θRθsinφ (4)
Q-CH:σ2 wobble =σ θRθcosφ (5)
によって得られる。なお、(4)、(5)式については後述する。このようにして得られたσ2 wobble ,σ2 wobble をデマッパ15eは多値QAM復調シンボル のデマッピングと同様に並び替えて出力し、位相ゆらぎに起因する位相ゆらぎ分散σ2 wobbleを得る。以上により第1実施例では、多値QAM復調シンボルの全ての信号点を別々に観測することなく、共通の位相ゆらぎ分散生成回路15より位相ゆらぎ分散σ2 wobbleを発生することができる。
第1実施例によれば、位相ゆらぎを考慮して正確に分散を演算でき、該分散を用いることにより尤度演算を正確に行なえ、誤り訂正の精度向上に寄与することができる。
又、第1実施例によれば、長期間のシンボル観測を必要とせずに分散の推定を行なうことが可能である。
また、第1実施例によれば、多値QAMの全信号点のシンボル共通に位相ゆらぎ分散算出部を設け、該位相ゆらぎ分散算出部で位相ゆらぎ分散を算出するように構成したからは回路規模を小さくすることができる。
以下において、ゆらぎ量θとσ θの求め方、位相ゆらぎ分散σ2 wobbleの算出法、デマッパの動作について補足する。
(C)ゆらぎ量θとσ θ
ゆらぎ量θとσ θの算出方法ついて説明する。
ゆらぎ量θは、位相ゆらぎ(位相雑音)の大きさによって変化するものであり、例えば発振器の位相雑音が大きくなるほど、θも大きくなる。また、ゆらぎ量θの確率密度分布は正規分布で近似することが可能である。角度方向のゆらぎの確率密度p(θ)は、下式
Figure 0004212453
のようになり、θ<1 で正規分布に近似可能である(John G.Proakis 著Digital Communications を参照)。ここで、Esはシンボルエネルギ、σrはI 軸とQ 軸方向に加える雑音密度で
Figure 0004212453
である。ただし、N0は単位周波数当りの雑音電力である。
図3に正規分布p(x)とゆらぎ量θの確率密度分布p(θ)との比較、および確率密度分布p(θ)が位相ゆらぎ情報(位相雑音PN)でどのように変化するかを示す。なお、位相ゆらぎ情報として位相雑音PNのみを想定している。位相雑音PNを変化させて確率密度分布p(θ)が正規分布p(x)と同一形状になる位相雑音PNと分散σを求めて対応づけることにより位相ゆらぎ(位相雑音)→θ、位相ゆらぎ→σ θの変換テーブルを得ることができる。正規分布p(x)と確率密度分布p(θ)とが同一形状になる分散σと位相雑音PNを対応づけると、図3(A),(B)における正規分布p(x) A〜Dと確率密度分布p(θ) A′〜D′とが同一形状となり、図4に示す対応テーブルが得られる。この対応テーブルを用いて、位相ゆらぎ→θ変換器15b、位相ゆらぎ→σ θ変換器15cは、位相ゆらぎ情報(位相雑音)に応じたゆらぎ量θおよびσ θを求めることができる。
(D)位相ゆらぎ分散σ2 wobbleの演算
受信多値QAM 信号のゆらぎは、熱雑音と位相ゆらぎの合成で考えることができ、その合成結果を示す分散σ2 totalは、熱雑音に起因するゆらぎの分散σ2 thermalと位相ゆらぎ分散σ2 wobbleの和で得られる。
熱雑音は加法性白色ガウス雑音(AWGN)として捕らえることができる。このAWGN が多値QAM に与えるゆらぎを考察する。図5に16QAM を例にQAM の第1象現で観測される4つの信号点A〜DについてAWGN 付加時のゆらぎを模式的に示す。なお、信号点Aは+1=“1”,−1=“0”とすれば、”1011”の信号点、信号点Bは”1111”の信号点、信号点Cは”1010”の信号点、信号点Dは”1110”の信号点である。
QAM の性質上、AWGN はI-CH 成分とQ-CH 成分でほぼ同量で加わり、それはQAM 信号点によらず一定となる。そのため、ゆらぎの振幅範囲V(σ2 thermal)は送信信号点を中心にほぼ円形となり、I-CH上でのゆらぎ振幅範囲V(σ2 thermal )とQ-CH 上でのゆらぎ振幅範囲V(σ2 thermalq)は等しくなる。ここで、V(・)は、振幅方向のゆらぎ量が.・の関数であることを示す。この円は、正規分布するI-CH 信号とQ-CH 信号の振幅のうち、例えば99%を包括する範囲を示すものであり、AWGN の分散に比例して円の面積は広がる。このように、QAM 復調信号の各シンボルに見られる分散は一定となり、これらを観測することでQAM 復調信号の分散を正確に求めることができる。
次に、位相ゆらぎがQAM に与えるゆらぎを考察する。図6に16QAMを例にQAM の第1象現で観測される位相ゆらぎを模式的に示す。位相ゆらぎは、図14 に示したのと同様にI 軸とQ 軸の交点を中心として左右に回転するようなゆらぎであり、ゆらぎの角度範囲θは全信号点で同じ量に観測される。上述のように、ゆらぎの角度範囲θは位相のゆらぎ量に対して正規分布で近似され、分散σ θを得ることができる。そのゆらぎの角度範囲を例えば99%を包括する範囲を選ぶと図6のような円弧形状となり、これをI 軸とQ 軸に投影したものが、I-CH にあらわれるゆらぎとQ-CH にあらわれるのゆらぎとなり、それぞれが正規分布に近似できる。円弧長Larc =Rθであるから、I-CH の分散とQ-CH の分散σ2 wobble ,σ2 wobble は、それぞれ(4)式と(5)式で近似できる。
熱雑音と位相ゆらぎが同時に起こる場合、トータルの分散はそれぞれの分散を複合したものとなる。図7に16QAM を例にQAM の第1象現で観測されるゆらぎを模式的に示す。このときのゆらぎの振幅範囲は図5と図6で確認したゆらぎ範囲の複合として扱うことができる。その結果、I-CH とQ-CH のゆらぎの振幅範囲は下式
I-CH のゆらぎ振幅範囲:
V(σ2 total )=V(σ2 thermali)+V(σ2 wobble ) (7)
Q-CH のゆらぎ振幅範囲:
V(σ2 total )=V(σ2 thermalq)+V(σ2 wobble ) (8)
となる。つまり、QAM 復調シンボルの分散は、QAM 信号点およびI-CH とQ-CH のそれぞれで検討しなければならない。このようにして得た分散σ2 totalを用いて尤度演算を行なう。
(E) デマッパの動作
図2のデマッパ15eは、マッピングのルールに従ってI-CH 位相ゆらぎ分散σ2 wobble とQ-CH位相ゆらぎ分散σ2 wobble を並び替えて出力する。16QAM のマッピングが、前半2 ビットをI-CH、後半2 ビットをQ-CHと定義していると仮定する。このときの信号点AにおけるQAM 信号、軟判定QAM 復調信号、および硬判定QAM 復調信号は以下の例のようになる。
Figure 0004212453
デマッパ15eは、マッピングのルールに従ってI-CH 位相ゆらぎ分散σ2 wobble とQ-CH位相ゆらぎ分散σ2 wobble を並び替えて出力する(デマッピング)。上記の例では、デマッピングにより以下に示す位相ゆらぎ分散
[σ2 wobble σ2 wobble σ2 wobble σ2 wobble
を出力する。
図8は第2実施例の尤度演算回路を備えた受信装置の要部構成図であり、図1の第1実施例と同一部分には同一符号を付している。第1実施例と異なる点は、(1)尤度演算回路14において熱雑音分散推定部14aの替わりに分散推定部51を設け、軟判定QAM復調器12から出力する軟判定QAM復調信号を用いて統計処理により熱雑音に起因する分散を演算する点、および(2)位相ゆらぎ分散生成回路15による位相ゆらぎ分散生成方法である。
すなわち、第1実施例と第2実施例の動作の違いは、熱雑音の分散σ2 thermalの求め方にある。第1実施例 では、軟判定QAM 復調信号を用いずに、純粋な熱雑音の分散σ2 thermalを(2)式に基づいて算出して尤度演算を実現している。一方、第2実施例では、位相ゆらぎを含んだ軟判定QAM復調信号を用いて(3)式に基づいて統計的に熱雑音の分散を求めている。このため、第2実施例では位相ゆらぎの影響を含んだ熱雑音の分散
Figure 0004212453
を用いることになる。
図5〜図7を参照して第1実施例、第2実施例の熱雑音
Figure 0004212453
の関係を考察する。図5 と図7を比較して分かるように、「熱雑音のみの分散」より、「熱雑音に位相ゆらぎを加えた分散」が大きくなる。この関係は信号点やI-CH、Q-CH によらないものであり、以下
σ2 total >σ2 thermal (10)
σ2 total >σ2 thermal ) (11)
の関係で示される。また、σ2 total やσ2 total を詳しくみると、信号点によって異なる値を示すことがわかる。例えば、信号点A と信号点D を比べたとき、以下
σ2 total_i_A>σ2 total_i_D (12)
σ2 total_q_A<σ2 total_q_D (13)
の関係が成り立つ。ここで、σ2 total_iやσ2 total_qの添え字_A,D は、信号点の区別を示す。
以上のように位相ゆらぎが加わったときの軟判定QAM 復調信号の分散は、シンボル毎に異なる値を示し、従って、第2実施例のように軟判定QAM 復調信号から求められる(9)式の分散は、QAM の第一象現にある各信号点の分散の平均値となり、図7の16QAM では下式
Figure 0004212453
のようになる。
図9は第2実施例における位相ゆらぎ分散生成回路15の構成図であり、図2の第1実施例における位相ゆらぎ分散生成回路15と同一部分には同一符号を付している。異なる点は、分散補正係数KMを生成する分散補正係数生成器15f、−KMσ θθを演算する演算器15g、デマッパ15eから出力する分散σ2 wobbleに−KMσ θθを加算して位相ゆらぎ分散
Figure 0004212453
を出力する加算器15hを設けた点である。
一般に位相ゆらぎの影響が無い場合、純粋に熱雑音のみで観測される分散σ2 thermalと、QAM復調信号を観測して得られる(9)式の分散は、ほぼ等しくなる。しかし、位相ゆらぎの影響を受けたQAM復調信号を観測して得られる(9)式の分散は下式
Figure 0004212453
のようになる。ここで、

は分散補正係数であり、QAMの多値数に依存する係数となり、図10に示すようになる。この数値の根拠については後述する。また、σ θやθは、図4の変換テーブルより得られる。
第2実施例では、下式を実現させようとしていることに特徴がある。
Figure 0004212453
この式に、上記の(16)式を代入すると、下式
Figure 0004212453
が得られる。第2実施例の位相ゆらぎ分散生成回路15は上式の後半部分
Figure 0004212453
を演算して出力する。
以上第2実施例によれば、第1実施例の効果に加えて、軟判定QAM復調信号を用いて統計的に熱雑音に起因する分散を算出する場合であっても、位相ゆらぎを考慮して分散を補正演算することが出来、結果的に正しく尤度を算出することができる。
以下において、図10の分散補正係数の求め方について補足する説明する。
位相ゆらぎの影響を受けている時の分散推定回路51の動作は、「直交座標の信号点や実数/虚数成分毎に得られる分散」の平均値を求めるようになる。
一般的な多値QAMは、次の条件が成り立つ。
(1)QAMシンボルの生起確率は、直交座標の信号点のすべてで等確率である。
(2)直交座標の第1象現、第2象現、第3象現、第4象現で観測される分散は、対称なものとなる。すなわち、全体から求めた分散の平均値と、第1象現のみから求めた分散の平均値は等しくなる。
(3) I軸に見られる分散とQ軸に見られる分散は、対称なものとして観測される。すなわち、全体から求めた分散の平均値と、I軸(実数)成分のみから求めた分散の平均値は等しくなる。
これらの条件は、QAMでは一般的な概念である。これにそぐわないQAMは非常に特殊な方式となる。以上の条件によって、第1象現の受信シンボルのI軸上のばらつきを評価することにより、QAM全体に対する分散の平均値を求めることが可能となる。
16QAMを例に、上記の条件を考慮して、図8の分散推定部51の出力
Figure 0004212453
がどのようになるかを示したものが(14)式である。すなわち、I軸上に投影される第1象現の4点の分散を求め、その平均値を取ると、
Figure 0004212453
となる。ここで、
Figure 0004212453
は、信号点Xにおける熱雑音と位相ゆらぎを分離せず、またI軸に投影された分散を意味する。1/4は、16QAMの第1象現に配置される信号点の数で平均を取ることを意味している。
(14)式の右辺各項について、位相ゆらぎに依存しない成分(即ち、熱雑音に依存する成分)と、依存する成分に分離すると次式
Figure 0004212453
のようになる。この結果を用いると、(14)式は以下
Figure 0004212453
になる。さらに
Figure 0004212453
は、(4)式で置き換えることができ、下式
Figure 0004212453
が得られる。
(22)式を(21)に代入することで、下式
Figure 0004212453
が得られる。上式右辺の( )内について検討する。
一般な16QAMでは、シンボルエネルギの平均値を1とするように、直交座標の値(電圧または電流)を決める。ただし、最小振幅または最大振幅のシンボルエネルギを1とする考えもあるが、その場合RA〜RDが違う値となるので、KMが変わってくる。
シンボルエネルギの平均値を1とするような16QAMの場合、RA〜RD,sinφA~sinφDは、以下のように求められる。
Figure 0004212453
Figure 0004212453
よって、(23)式は下式
Figure 0004212453
のよう変形される。
同様に64QAMでは下式
Figure 0004212453
となる。更に256QAMでは
Figure 0004212453
となる。
・付記
付記1.多値QAM復調シンボルの分散を用いて軟判定QAM復調信号の尤度情報を演算する尤度演算方法において、
受信信号に直交復調処理を施して多値QAM復調シンボルを発生し、
該多値QAM復調シンボルにデマッピング処理を施して軟判定QAM復調信号を発生し、
該多値QAM復調シンボルと受信処理に用いる発振器の位相雑音に応じた位相ゆらぎ情報とを用いて、位相ゆらぎに起因する分散(位相ゆらぎ分散)を算出し、
該位相ゆらぎ分散を用いて前記多値QAM復調シンボルの分散を補正し、
補正後の分散を用いて前記軟判定QAM復調信号の尤度情報を演算する、
ことを特徴とする尤度演算方法。
付記2.前記位相ゆらぎ情報に応じた分散値と、位相ゆらぎの角度範囲と、前記多値QAM復調シンボルとを用いてシンボル点における位相ゆらぎ分散の同相成分と直交成分を算出し、
該同相成分と直交成分にデマッピング処理を施して前記位相ゆらぎ分散を出力する、
ことを特徴とする付記1記載の尤度演算方法。
付記3.熱雑音に起因する分散を前記多値QAM復調シンボルの分散として求め、該分散に前記位相ゆらぎ分散を加算して前記多値QAM復調シンボルの分散を補正し、
該補正後の分散を前記軟判定QAM復調信号に作用させて軟判定QAM復調信号の尤度情報を演算する、
ことを特徴とする付記1記載の尤度演算方法。
付記4.前記軟判定QAM復調信号を用いて統計処理により算出した分散を前記多値QAM復調シンボルの分散として求め、該分散に前記位相ゆらぎ分散を加算して前記多値QAM復調シンボルの分散を補正し、
該補正後の分散を前記軟判定QAM復調信号に作用させて軟判定QAM復調信号の尤度情報を演算する、
ことを特徴とする付記1記載の尤度演算方法。
付記5.予め前記位相ゆらぎ情報に対応させて前記分散値と位相ゆらぎの角度範囲とを記憶しておく、
ことを特徴とする付記2記載の尤度演算方法。
付記6.受信信号に直交復調処理を施して多値QAM復調シンボルを発生し、該多値QAM復調シンボルにデマッピング処理を施して軟判定QAM復調信号を発生し、前記多値QAM復調シンボルの分散を用いて前記軟判定QAM復調信号の尤度情報を演算して出力する尤度演算装置において、
前記多値QAM復調シンボルと、受信処理に用いる発振器の位相雑音に応じた位相ゆらぎ情報とを用いて、位相ゆらぎに起因する分散(位相ゆらぎ分散)を算出する位相ゆらぎ分散算出部、
該位相ゆらぎ分散を用いて前記多値QAM復調シンボルの分散を補正する分散補正部、
補正後の分散を用いて前記軟判定QAM復調信号の尤度情報を演算する尤度演算部、
を備えたことを特徴とする尤度演算装置。
付記7.前記位相ゆらぎ分散算出部は、前記位相ゆらぎ情報に応じた分散値と位相ゆらぎの角度範囲と、前記多値QAM復調シンボルとを用いてシンボル点における位相ゆらぎ分散の同相成分と直交成分を算出する手段、
該同相成分と直交成分にデマッピング処理を施して前記位相ゆらぎ分散を出力する手段、
を備えたことを特徴とする付記6記載の尤度演算装置。
付記8.前記分散補正部は、熱雑音に起因する分散を前記多値QAM復調シンボルの分散として求め、該分散に前記位相ゆらぎ分散を加算して前記多値QAM復調シンボルの分散を補正し、前記尤度演算部は、該補正後の分散を前記軟判定QAM復調信号に作用させて軟判定QAM復調信号の尤度情報を演算する、
ことを特徴とする付記6または7記載の尤度演算装置。
付記9.前記分散補正部は、前記軟判定QAM復調信号を用いて統計処理により算出した分散を前記多値QAM復調シンボルの分散として求め、該分散に前記位相ゆらぎ分散を加算して前記多値QAM復調シンボルの分散を補正し、前記尤度演算部は、該補正後の分散を前記軟判定QAM復調信号に作用させて軟判定QAM復調信号の尤度情報を演算する、
ことを特徴とする付記6または7記載の尤度演算装置。
付記10.予め前記位相ゆらぎ情報に対応させて前記分散値と位相ゆらぎの角度範囲とを記憶する記憶手段を備え、前記位相ゆらぎ分散算出部は該記憶手段より前記位相ゆらぎ情報に応じた分散値と位相ゆらぎの角度範囲を取得する、
ことを特徴とする付記7記載の尤度演算装置。
付記11.多値QAM復調シンボルの分散を用いて軟判定QAM復調信号の尤度情報を演算する受信装置の分散演算回路において、
熱雑音に起因する第1の分散を推定する手段、
前記多値QAM復調シンボルと受信処理に用いる発振器の位相雑音に応じた位相ゆらぎ情報とを用いて、位相ゆらぎに起因する第2の分散を算出する手段、
前記第1の分散と第2の分散を加算して前記多値QAM復調シンボルの分散を算出する手段、
を備えたことを特徴とする分散演算回路。
付記12.多値QAM復調シンボルの分散を用いて軟判定QAM復調信号の尤度情報を演算する受信装置の分散演算回路において、
前記軟判定QAM復調信号を用いて統計処理により第1の分散を推定する手段、
前記多値QAM復調シンボルと受信処理に用いる発振器の位相雑音に応じた位相ゆらぎ情報とを用いて、位相ゆらぎに起因する第2の分散を算出する手段、
前記第1の分散と第2の分散を加算して前記多値QAM復調シンボルの分散を算出する手段、
を備えたことを特徴とする分散演算回路。
第1実施例の尤度演算回路を備えた受信装置の要部構成図である。 位相ゆらぎ分散生成回路の構成図である。 正規分布p(x)とゆらぎ量θの確率密度分布p(θ)との比較、および確率密度分布p(θ)が位相ゆらぎ情報(位相雑音PN)でどのように変化するかを示す説明図である。 位相ゆらぎ情報(位相雑音)に応じたゆらぎ量θおよびσ θの変換テーブルである。 16QAM を例にQAM の第1象現で観測される4つの信号点A〜DについてAWGN 付加時のゆらぎの模式図である。 16QAM を例にQAM の第1象現で観測される位相ゆらぎの模式図である。 熱雑音と位相ゆらぎが同時に起こる場合において第1象現で観測されるゆらぎの模式図である。 第2実施例の尤度演算回路を備えた受信装置の要部構成図である。 第2実施例における位相ゆらぎ分散生成回路の構成図である。 QAMの多値数に依存する分散補正係数の変換テーブルである。 従来の受信部の要部構成図である。 従来の受信部の別の要部構成図である。 16QAM を例として、AWGNを付加した時のコンスタレーション説明図である。 16QAMを例として、位相雑音を付加した時のコンスタレーション説明図である。 16QAM を例として、AWGN と位相雑音を合成付加した時のコンスタレーション説明図である。
符号の説明
11 ダウンコンバータ
11a 受信キャリア発生部
12 軟判定QAM 復調器
13 発振器
14 尤度演算回路
14a 熱雑音分散推定部
14b 分散補正回路
15 位相ゆらぎ分散生成回路

Claims (5)

  1. 多値QAM復調シンボルの分散を用いて軟判定QAM復調信号の尤度情報を演算する尤度演算方法において、
    受信信号に直交復調処理を施して多値QAM復調シンボルを発生し、
    該多値QAM復調シンボルにデマッピング処理を施して軟判定QAM復調信号を発生し、
    該多値QAM復調シンボルと受信処理に用いる発振器の位相雑音に応じた位相ゆらぎ情報とを用いて、位相ゆらぎに起因する分散(位相ゆらぎ分散)を算出し、
    該位相ゆらぎ分散を用いて前記多値QAM復調シンボルの分散を補正し、
    補正後の分散を用いて前記軟判定QAM復調信号の尤度情報を演算する、
    ことを特徴とする尤度演算方法。
  2. 熱雑音に起因する分散を前記多値QAM復調シンボルの分散として求め、該分散に前記位相ゆらぎ分散を加算して前記多値QAM復調シンボルの分散を補正し、
    該補正後の分散を前記軟判定QAM復調信号に作用させて軟判定QAM復調信号の尤度情報を演算する、
    ことを特徴とする請求項1記載の尤度演算方法。
  3. 前記軟判定QAM復調信号を用いて統計処理により算出した分散を前記多値QAM復調シンボルの分散として求め、該分散に前記位相ゆらぎ分散を加算して前記多値QAM復調シンボルの分散を補正し、
    該補正後の分散を前記軟判定QAM復調信号に作用させて軟判定QAM復調信号の尤度情報を演算する、
    ことを特徴とする請求項1記載の尤度演算方法。
  4. 多値QAM復調シンボルの分散を用いて軟判定QAM復調信号の尤度情報を演算する受信装置の分散演算回路において、
    熱雑音に起因する第1の分散を推定する手段、
    前記多値QAM復調シンボルと受信処理に用いる発振器の位相雑音に応じた位相ゆらぎ情報とを用いて、位相ゆらぎに起因する第2の分散を算出する手段、
    前記第1の分散と第2の分散を加算して前記多値QAM復調シンボルの分散を算出する手段、
    を備えたことを特徴とする分散演算回路。
  5. 多値QAM復調シンボルの分散を用いて軟判定QAM復調信号の尤度情報を演算する受信装置の分散演算回路において、
    前記軟判定QAM復調信号を用いて統計処理により第1の分散を推定する手段、
    前記多値QAM復調シンボルと受信処理に用いる発振器の位相雑音に応じた位相ゆらぎ情報とを用いて、位相ゆらぎに起因する第2の分散を算出する手段、
    前記第1の分散と第2の分散を加算して前記多値QAM復調シンボルの分散を算出する手段、
    を備えたことを特徴とする分散演算回路。
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