JP4211348B2 - 空気調和機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は空気調和機、特に、輻射パネルからの輻射によって空気調和を行うことができる空気調和機に関する。
【0002】
【従来の技術】
輻射パネルからの輻射によって空気調和を行うことができる空気調和機が、従来より利用されている。このような空気調和機は、前面に輻射パネルを備えているものが多い。そして、このような空気調和機は、輻射パネルを加熱又は冷却することにより輻射パネルからの輻射熱を利用して室内の冷暖房を行うことができる(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特許第2525769号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記のような空気調和機においては、輻射パネルが加熱又は冷却されることによって、輻射パネルの表面近傍で自然対流が生じることがある。このような自然対流が生じると、輻射パネルに沿って流動する流動空気のために室内の温度分布の偏りが大きくなる恐れがある。例えば、輻射パネルが冷却されて冷房輻射が行われると、副次的に輻射パネルの表面近傍の空気が冷却される。このため、輻射パネルに沿って下方へと向かうような自然対流が生じる。この場合、冷たい空気が床面付近に滞留し易くなり、居住者の足元が冷え過ぎる恐れがある。また、輻射パネルが暖められて暖房輻射が行われると、副次的に輻射パネルの表面近傍の空気が暖められる。このため、輻射パネルに沿って上方へと向かうような自然対流が生じる。この場合、暖気が室内の上部に滞留し易くなり、居住者の頭部付近が暖まりすぎる恐れがある。このように、上記のような空気調和機においては、室内の温度分布の偏りが大きくなる恐れがある。
【0005】
本発明の課題は、室内の温度分布の偏りを軽減することができる空気調和機を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の空気調和機は、上方へと吹き出される空気が通る上吹出し口を有する本体ケーシングと、室内に面して配置され輻射によって空気調和を行う第1輻射パネルと、送風装置と、熱交換器と、を備える。送風装置は、冷房時には、第1輻射パネルに沿って流動する流動空気を第1輻射パネルの下方から本体ケーシング内へと取り込み上吹出し口から室内へと吹き出させることができる。熱交換器は、本体ケーシング内へと取り込まれた流動空気との間で熱交換を行うことができる。また、本体ケーシングの前面は、第1輻射パネルによって覆われている。本体ケーシングの前面には開口が設けられており、本体ケーシングの内部と第1輻射パネルの背面側の空間とは、前面開口を通して連通している。そして、送風装置は、第1輻射パネルの下方から第1輻射パネルの背面側の空間を通り、全面開口から熱交換器を通り上吹出し口へと到る空気の流れを生成する。
【0007】
この空気調和機では、第1輻射パネルに沿って流動する流動空気が本体ケーシング内へ向けて案内される。特に、冷房時には第1輻射パネルが冷却されることにより、第1輻射パネルに沿って下方へと流動する流動空気が生じる。そこで、この空気調和機では、このような流動空気が本体ケーシング内へ向けて案内される。このため、この空気調和機では、上記のような流動空気が床面付近に滞留することを抑えることができる。これにより、この空気調和機では、室内の温度分布の偏りを軽減し快適性を向上させることができる。
【0008】
また、この空気調和機では、送風装置が、流動空気を本体ケーシング内へと取り込み上吹出し口から室内へと吹き出させることができる。このため、本体ケーシング内へと取り込まれた冷たい空気を、再び室内へと吹出して室内の冷房に利用することができる。これにより、この空気調和機では、省エネ性を向上させることができる。
【0009】
さらに、上吹出し口から吹き出た冷房時の冷たい空気は、室内の上部から下部へと下降しながら室内の広い範囲を冷やす。このため、この空気調和機では、冷房時の冷たい空気が床面付近に滞留することを抑えることができる。これにより、この空気調和機では、冷房時の室内の温度分布の偏りを軽減することができる。
【0010】
また、この空気調和機では、熱交換器が、本体ケーシング内へと取り込まれた流動空気との間で熱交換を行うことができる。このため、この空気調和機では、本体ケーシング内へと取り込まれた流動空気を、熱交換器により冷却して送風装置により再び室内へと送ることができる。すなわち、この空気調和機では、輻射による輻射式空気調和と、熱交換器と送風装置とによる対流式空気調和との両方による空気調和を行うことができる。このため、この空気調和機では、輻射式空気調和のみによって空気調和を行う場合と比べて、冷房時の冷たい空気を室内により十分に行き届かせることができる。
【0011】
請求項2に記載の空気調和機は、請求項1に記載の空気調和機であって、下吸込みガイドをさらに備える。下吸込みガイドは、第1輻射パネルの下方を覆うように設けられ、第1輻射パネルに沿って流動する流動空気を本体ケーシング内へ向けて案内する。
【0012】
この空気調和機では、下吸込みガイドは、第1輻射パネルの下方を覆うように設けられる。冷房時には、第1輻射パネルが冷却されることにより冷たい流動空気が第1輻射パネルに沿って下方へと流動する。この空気調和機では、このような流動空気が、第1輻射パネルの下方で下吸込みガイドによって本体ケーシング内へと向けて案内される。このため、この空気調和機では、上記のような流動空気が床面付近に滞留することを抑えることができる。これにより、この空気調和機では、室内の温度分布の偏りを軽減することができる。
【0013】
請求項3に記載の空気調和機は、請求項2に記載の空気調和機であって、下吸込みガイドは、第1輻射パネルから生じるドレン水を受け取るドレンパンを兼ねる。
【0014】
この空気調和機では、下吸込みガイドは、輻射パネルから生じるドレン水を受け取るドレンパンを兼ねる。このため、この空気調和機では、部品点数の増加を抑制することができる。
【0015】
請求項4に記載の空気調和機は、下方へと吹き出される空気が通る下吹出し口を有する本体ケーシングと、室内に面して配置され輻射によって空気調和を行う第1輻射パネルと、送風装置と、熱交換器と、を備える。送風装置は、暖房時には、第1輻射パネルに沿って流動する流動空気を第1輻射パネルの上方から本体ケーシング内へと取り込み下吹出し口から室内へと吹き出させることができる。熱交換器は、本体ケーシング内へと取り込まれた流動空気との間で熱交換を行うことができる。また、本体ケーシングの前面は、第1輻射パネルによって覆われている。本体ケーシングの前面には前面開口が設けられており、本体ケーシングの内部と第1輻射パネルの背面側の空間とは、前面開口を通して連通している。そして、送風装置は、第1輻射パネルの上方から第1輻射パネルの背面側の空間 を通り、前面開口から熱交換器を通り下吹出し口へと到る空気の流れを生成する。
【0016】
この空気調和機では、第1輻射パネルに沿って流動する流動空気が本体ケーシング内へ向けて案内される。特に、暖房時には第1輻射パネルが加熱されることにより、第1輻射パネルに沿って上方へと流動する流動空気が生じる。そこで、この空気調和機では、このような流動空気が本体ケーシング内へ向けて案内される。このため、この空気調和機では、上記のような流動空気が天井面付近に滞留することを抑えることができる。これにより、この空気調和機では、室内の温度分布の偏りを軽減し快適性を向上させることができる。
【0017】
また、この空気調和機では、送風装置が、流動空気を本体ケーシング内へと取り込み下吹出し口から室内へと吹き出させることができる。このため、本体ケーシング内へと取り込まれた暖かい空気を、再び室内へと吹出して室内の暖房に利用することができる。これにより、この空気調和機では、省エネ性を向上させることができる。
【0018】
さらに、下吹出し口から吹き出た暖房時の暖かい空気は、室内の下部から上部へと上昇しながら室内の広い範囲を暖める。このため、この空気調和機では、暖房時の暖かい空気が天井付近に滞留することを抑えることができる。これにより、この空気調和機では、暖房時の室内の温度分布の偏りを軽減することができる。
【0019】
また、この空気調和機では、熱交換器が、本体ケーシング内へと取り込まれた流動空気との間で熱交換を行うことができる。このため、この空気調和機では、本体ケーシング内へと取り込まれた流動空気を、熱交換器により暖めて送風装置により再び室内へと送ることができる。すなわち、この空気調和機では、輻射による輻射式空気調和と、熱交換器と送風装置とによる対流式空気調和との両方による空気調和を行うことができる。このため、この空気調和機では、輻射式空気調和のみによって空気調和を行う場合と比べて、暖房時の暖かい空気を室内により十分に行き届かせることができる。
【0020】
請求項5に記載の空気調和機は、請求項4に記載の空気調和機であって、上吸込みガイドをさらに備える。上吸込みガイドは、第1輻射パネルの上方を覆うように設けられ、第1輻射パネルに沿って流動する流動空気を本体ケーシング内へ向けて案内する。
【0021】
この空気調和機では、上吸込みガイドは、第1輻射パネルの上方を覆うように設けられる。暖房時には、第1輻射パネルが加熱されることにより暖かい流動空気が第1輻射パネルに沿って上方へと流動する。この空気調和機では、このような流動空気が第1輻射パネルの上方で上吸込みガイドによって本体ケーシング内へと向けて案内される。これにより、この空気調和機では、上記のような流動空気が天井面付近に滞留することを抑えることができる。これにより、この空気調和機では、室内の温度分布の偏りを軽減することができる。
【0022】
請求項6に記載の空気調和機は、請求項5に記載の空気調和きであって、上吸込みガイドは、上吹出し口が設けられた本体ケーシングの上面より上方に設けられており、上吸込みガイドの背面は、上吹出し口から吹き出された空気を案内する。
【0023】
この空気調和機では、上吸込みガイドが、第1輻射パネルに沿って流動する流動空気を本体ケーシング内へ向けて案内すると共に、本体ケーシングの上吹出し口から吹き出された空気を案内する。このため、本体ケーシング内への案内するガイドと上吹出し口から吹き出された空気の案内するガイドとの両方の機能を一つの上吸込みガイドで果たすことができる。これにより、この空気調和機では、部品点数の増加を抑制することができる。
【0024】
請求項7に記載の空気調和機は、請求項1から6のいずれかに記載の空気調和機であって、第2輻射パネルをさらに備える。第2輻射パネルは、第1輻射パネルとは別体に形成され、第1輻射パネルに沿って流動する流動空気を本体ケーシング内へ向けて案内するように配置される。
【0025】
この空気調和機では、第1輻射パネルに沿って流動する流動空気が、第2輻射パネルによって本体ケーシング内へ向けて案内される。例えば、冷房時には第1輻射パネルが冷却されることにより、第1輻射パネルに沿って下方へと流動する流動空気が生じる。また、暖房時には第1輻射パネルが加熱されることにより、第1輻射パネルに沿って上方へと流動する流動空気が生じる。そして、この空気調和機では、このような流動空気が、第2輻射パネルによって本体ケーシング内へ向けて案内される。このため、この空気調和機では、上記のような流動空気が床面付近や天井面付近等に滞留することを抑えることができる。これにより、この空気調和機では、室内の温度分布の偏りを軽減することができる。
【0026】
請求項8に記載の空気調和機は、請求項7に記載の空気調和機であって、第2輻射パネルは第1輻射パネルの下方に配置される。
【0027】
この空気調和機では、第2輻射パネルは、第1輻射パネルの下方に配置される。冷房時には、第1輻射パネルが冷却されることにより、冷たい流動空気が第1輻射パネルに沿って下方へと流動する。この空気調和機では、このような流動空気が、第1輻射パネルの下方で第2輻射パネルによって本体ケーシング内へと向けて案内される。これにより、この空気調和機では、冷房時に第1輻射パネルに沿って流動する流動空気を本体ケーシング内へ向けて案内することができる。
【0028】
請求項9に記載の空気調和機は、請求項8に記載の空気調和機であって、冷房時には第1輻射パネルの下方に配置された第2輻射パネルを暖める。
【0029】
この空気調和機では、冷房時には第1輻射パネルの下方に配置された第2輻射パネルが暖められる。冷房時には、第1輻射パネルが冷却されて冷たい空気が、第1輻射パネルに沿って下方へと流動する。このとき、第1輻射パネルの下方に配置された第2輻射パネルが暖められると、下方へと流動する冷たい空気の流れが第2輻射パネルの熱によって抑制される。これにより、この空気調和機では、冷房時の室内の温度分布の偏りを軽減することができる。
【0030】
請求項10に記載の空気調和機は、請求項7に記載の空気調和機であって、第2輻射パネルは第1輻射パネルの上方に配置される。
【0031】
この空気調和機では、第2輻射パネルは、第1輻射パネルの上方に配置される。暖房時には、第1輻射パネルが加熱されることにより、第1輻射パネルに沿って上方へと流動する暖かい流動空気が生じる。この空気調和機では、このような流動空気が第1輻射パネルの上方で第2輻射パネルによって本体ケーシング内へと向けて案内される。これにより、この空気調和機では、暖房時に第1輻射パネルに沿って流動する流動空気を本体ケーシング内へ向けて案内することができる。
【0032】
請求項11に記載の空気調和機は、請求項10に記載の空気調和機であって、暖房時には第1輻射パネルの上方に配置された第2輻射パネルを冷却する。
【0033】
この空気調和機では、暖房時には第1輻射パネルの上方に配置された第2輻射パネルが冷却される。暖房時には、第1輻射パネルが加熱されて、暖かい空気が第1輻射パネルに沿って上方へと流動する。このとき、第1輻射パネルの上方に配置された第2輻射パネルが冷却されると、上方へと流動する暖かい空気の流れが第2輻射パネルの冷熱によって抑制される。これにより、この空気調和機では、暖房時の室内の温度分布の偏りを軽減することができる。
【0034】
請求項12に記載の空気調和機は、請求項1から6のいずれかに記載の空気調和機であって、第1輻射パネルは、隙間を隔てて配置される複数の分割輻射パネルにより構成される。
【0035】
この空気調和機では、第1輻射パネルは、隙間を隔てて配置される複数の分割輻射パネルにより構成される。このため、第1輻射パネルに沿って流動する流動空気を、第1輻射パネルを構成する複数の分割輻射パネルの隙間から本体ケーシング内へ向けて案内することができる。従って、この空気調和機では、流動空気が床面付近や天井面付近等に滞留することを抑えることができる。これにより、この空気調和機では、室内の温度分布の偏りを軽減することができる。
【0036】
請求項13に記載の空気調和機は、請求項12に記載の空気調和機であって、複数の分割輻射パネルは上下方向に並べて配置されており、冷房時には、複数の分割輻射パネルの内、下方に配置された分割輻射パネルを暖める。
【0037】
この空気調和機では、冷房時には第1輻射パネルを構成する複数の分割輻射パネルの内、下方に配置された分割輻射パネルが暖められる。冷房時には第1輻射パネルが冷却されて、冷たい空気が第1輻射パネルに沿って下方へと流動する。このとき、下方に配置された分割輻射パネルが暖められると、下方へと流動する冷たい空気の流れが下方に配置された分割輻射パネルの熱により抑制される。これにより、この空気調和機では、冷房時の室内の温度分布の偏りを軽減することができる。
【0038】
請求項14に記載の空気調和機は、請求項12に記載の空気調和機であって、複数の分割輻射パネルは上下方向に並べて配置されており、暖房時には複数の分割輻射パネルの内、上方に配置された分割輻射パネルを冷却する。
【0039】
この空気調和機では、暖房時には第1輻射パネルを構成する複数の分割輻射パネルの内、上方に配置された分割輻射パネルが冷却される。暖房時には第1輻射パネルが加熱されて、暖かい空気が第1輻射パネルに沿って上方へと流動する。このとき、上方に配置された分割輻射パネルが冷却されると、上方へと流動する暖かい空気の流れが上方に配置された分割輻射パネルの冷熱によって抑制される。これにより、この空気調和機では、暖房時の室内の温度分布の偏りを軽減することができる。
【0040】
【発明の実施の形態】
<第1実施形態>
〔空気調和機の全体構成〕
本発明の第1実施形態にかかる空気調和機1aの全体構成及び冷媒回路を表す概略図を図1に示す。この空気調和機1aは、輻射による輻射式空気調和と、熱交換器を通った空気を室内へ吹き出させる対流式空気調和との両方を行うことができる。空気調和機1aは、主として室内機2aと室外機3とにより構成されている。また、室内機2aと室外機3とに亘って冷媒回路5aが設けられている。この冷媒回路5aは、主として輻射パネル23a、室内熱交換器20、アキュムレータ31、圧縮機32、四路切換弁33、室外熱交換器30及び電動膨張弁34により構成される。
【0041】
室内機2aに設けられている輻射パネル23aは、室内熱交換器20に対して直列に接続されている。輻射パネル23aには、冷房時には低温の冷媒が流れ、暖房時には高温の冷媒が流れる。輻射パネル23aは、冷媒により加熱又は冷却されて、輻射によって室内の冷暖房等の空気調和を行う。室内熱交換器20は、長さ方向両端で複数回折り返されてなる伝熱管と、伝熱管が挿通される複数のフィンとからなり、接触する空気との間で熱交換を行う。また、室内機2aには、室内空気を吸い込んで室内熱交換器20との間で熱交換を行った後の空気を室内に排出するための遠心ファン21が設けられている。この遠心ファン21は、室内機2a内に設けられる室内ファンモータ22によって回転駆動される。
【0042】
室外機3には、圧縮機32と、圧縮機32の吐出側に接続される四路切換弁33と、圧縮機32の吸入側に接続されるアキュムレータ31と、四路切換弁33に接続された室外熱交換器30と、室外熱交換器30に接続された電動膨張弁34とが設けられている。電動膨張弁34は、フィルタ35および液閉鎖弁36を介して配管41に接続されており、この配管41を介して室内熱交換器20の一端と接続される。また、四路切換弁33は、ガス閉鎖弁37を介して配管42に接続されており、この配管42を介して輻射パネル23aの一端と接続されている。また、室外機3には、室外熱交換器30での熱交換後の空気を外部に排出するためのプロペラファン38が設けられている。このプロペラファン38は、室外ファンモータ39によって回転駆動される。
【0043】
〔室内機の構成〕
図2に室内機2aの正面図、図3に室内機2aの側面断面図を示す。
【0044】
室内機2aは、室内の壁面に掛けられる壁掛け型のものであり、輻射式空気調和と対流式空気調和とを併用することができる。室内機2aは、輻射パネル23a、本体ケーシング24、室内ファンモータ22、遠心ファン21、室内熱交換器20、吸込みガイド25等により構成されている。
【0045】
(輻射パネル)
輻射パネル23aは、室内機2aの正面に設けられており、室内の壁面に略平行に配置されている。輻射パネル23aは、室内機2aが配置される室内の居住空間に面しており、輻射により室内の冷暖房を行うことができる。輻射パネル23aは、主として輻射パネル用伝熱管230aと、輻射パネル用伝熱管230aを前後から挟む金属板231aとにより構成されている。輻射パネル用伝熱管230aは、輻射パネル23aの内部で左右方向に複数回折り返されており、輻射パネル23aの全面に亘って設けられている。この輻射パネル用伝熱管230aに冷媒が流れることにより、金属板231aが冷却又は加熱される。そして、冷却又は加熱された金属板231aの輻射により、室内の冷暖房が行われる。
【0046】
なお、輻射パネル23aを構成する金属板231aは、一体的に形成されたものに限らず、複数の金属板を繋ぎ合わせたものであってもよい。また、輻射パネル23aを構成するものは金属板231aに限らず他の材料であってもよく、輻射率を調整するために表面を加工したものでも他の材料をコーティングしたものでもよい。
【0047】
(本体ケーシング)
本体ケーシング24は、内部に室内ファンモータ22、遠心ファン21、室内熱交換器20を収容している。本体ケーシング24は、輻射パネル23aの背面側に輻射パネル23aの中心より下側に偏心して設けられている。本体ケーシング24の前面の面積は輻射パネル23aよりも小さくなっており、本体ケーシング24の前面は輻射パネル23aによって覆われている。この本体ケーシング24の前面には前面開口241が設けられており、本体ケーシング24の内部と輻射パネル23aの背面側の空間とは、前面開口241を通して連通している。なお、この前面開口241には、通過する空気から埃等を除去するエアフィルター242が取り付けられている。
【0048】
また、本体ケーシング24の両側面には、本体ケーシング24内に取り込まれる室内の空気が通る側面吸気口243がそれぞれ設けられている。
【0049】
本体ケーシング24の上面及び下面には、それぞれ上吹出し口244と下吹出し口245とが設けられている。上吹出し口244は上方へと吹出す空気が通る開口であり、下吹出し口245は下方へと吹出す空気が通る開口である。上吹出し口244及び下吹出し口245には、各吹出し口244,245から吹出す空気を案内する上水平フラップ246及び下水平フラップ247がそれぞれ取り付けられている。この上水平フラップ246及び下水平フラップ247は、室内機2aの左右方向に平行な軸を中心に回動自在に設けられている。各水平フラップ246,247は、フラップモータ248(図4参照)によって回動することにより、各吹出し口244,245を開閉することができる。
【0050】
(室内ファンモータ、室内熱交換器及び遠心ファン)
室内ファンモータ22は、本体ケーシング24の背面を構成する底フレーム249に取り付けられており、遠心ファン21を駆動する。室内熱交換器20は、本体ケーシング24の前面開口241と遠心ファン21との間に配置されている。遠心ファン21は、前面開口241から室内熱交換器20を通り各吹出し口244,245へと到る空気の流れを生成する。このため、遠心ファン21は、輻射パネル23aに沿って流動する空気を、本体ケーシング24内に取り込み上吹出し口244または下吹出し口245から室内へと吹き出させることができる。また、遠心ファン21は、側面吸気口243から室内熱交換器20を通り各吹出し口244,245へと到る空気の流れを生成することもできる。これにより、遠心ファン21は、室内の空気を側面吸気口243から本体ケーシング24内へと取り込み上吹出し口244または下吹出し口245から室内へと吹き出させることができる。室内熱交換器20は、本体ケーシング24内に取り込まれた空気と冷媒との間で熱交換を行い、室内へと吹き出す空気を冷却または加熱することができる。室内熱交換器20の下方には、熱交換時に室内熱交換器20の表面に発生する水滴を受け取るための熱交用ドレンパン201が設けられている。
【0051】
なお、上記のような空気の流れを生成するのは遠心ファン21に限らずクロスフローファンなどの他の種類の送風装置であってもよい。
【0052】
(吸込みガイド)
吸込みガイド25は、輻射パネル23aに沿って流動する空気を本体ケーシング24内へ向けて案内する部材であり、上吸込みガイド26、下吸込みガイド27及び吸込みガイド本体28により構成されている。
【0053】
上吸込みガイド26は、暖房時に輻射パネル23aに沿って上方へと流動する暖かい空気を、下方の本体ケーシング24の前面開口241へ向けて案内する。上吸込みガイド26は、輻射パネル23aの上方を覆うように設けられている。上吸込みガイド26は、輻射パネル23aの左右方向に平行な軸を中心に、輻射パネル23aの先端の後方から輻射パネル23aの上方を通り輻射パネル23aの前方へと湾曲している。また、上吸込みガイド26の先端は室内機2aの前斜め上方を向いている。暖房時に輻射パネル23aに沿って上方へと流動する空気は、上吸込みガイド26の内側(輻射パネル23a側)を伝って輻射パネル23aの背面側へと案内され、吸込みガイド本体28を伝って本体ケーシング24の前面開口241から本体ケーシング24内へと取り込まれる。
【0054】
下吸込みガイド27は、冷房時に輻射パネル23aに沿って下方へと流動する暖かい空気を、上方の本体ケーシング24の前面の開口へと案内する。下吸込みガイド27は、底板271、前板272、背板273及び側板(図示せず)を有しており、上方が開放されている。底板271は、輻射パネル23aの下端の下方に位置しており、輻射パネル23aの幅よりも左右方向に長い形状を有している。前板272は、底板271の前端から上方へ起立しており、その先端が輻射パネル23aの下端よりも若干上に位置するように設けられている。背板273は、底板271の後端から上方へ起立しており、その先端が本体ケーシング24の前面開口241の下端へと繋がっている。前板272及び背板273は、上方向けて広がるように設けられている。側板は、下吸込みガイド27の側面を閉じている。冷房時に輻射パネル23aに沿って下方へと流動する空気は、下吸込みガイド27の内側(輻射パネル23a側)を伝って輻射パネル23aの背面側へと送られ、本体ケーシング24の前面開口241から本体ケーシング24内へと取り込まれる。また、下吸込みガイド27は、輻射パネル23aの表面に発生する水滴を受け取るためのドレンパンとしての役割も果たすことができる。このため、下吸込みガイド27と上述した熱交用ドレンパン201には、受け取った水滴を外部に排出するためのドレンホース(図示せず)が取り付けられている。冷房運転時には、室内熱交換器20や輻射パネル23aでは、接触する空気中に含まれる水分が凝縮して水滴となって滴下する。下吸込みガイド27と熱交用ドレンパン201とは、このような水滴を受け取ってドレンホースによって排水するように構成されている。
【0055】
〔制御部の構成〕
図4に示すように、空気調和機1aには、圧縮機32、四路切換弁33、電動膨張弁34、プロペラファン38、室内ファンモータ22、フラップモータ248、リモコン70等と接続される制御部6が設けられている。リモコン70に入力された空気調和機1aの運転内容は、制御部6へと送られ、制御部6は、各構成に対して制御信号を出力することにより空気調和機1aの運転を制御する。
【0056】
制御部6は、フラップモータ248を制御して上水平フラップ246及び下水平フラップ247を回動させることにより、運転内容に適した空気の吹き出しを行わせる。具体的には、制御部6は、冷房運転時には、下吹出し口245を下水平フラップ247により閉じ、上吹出し口244を開く。これにより、上方ヘと吹き出す冷たい空気の流れが生成される。また、暖房時には、制御部6は、上吹出し口244を閉じて下吹出し口245を開く。これにより、下方へと吹き出す暖かい空気の流れが生成される。なお、冷房時及び暖房時の空気の流れの詳細については以下の〔動作及び空気の流れ〕で説明する。
【0057】
〔動作及び空気の流れ〕
空気調和機1aでは、輻射式空気調和と共に対流式空気調和が行われる。輻射式空気調和では、輻射パネル23aの輻射パネル用伝熱管230aに冷媒が流れることにより、輻射パネル23aが冷却又は加熱される。そして、輻射パネル23aの輻射により空気調和が行われる。対流式空気調和では、室内熱交換器20に冷媒が流れ、室内から取り込んだ空気との間で熱交換が行われる。そして、冷却または加熱された空気が室内へと吹き出す。この空気調和機1aでは、このような輻射式空気調和と対流式空気調和とが併用される。
【0058】
(冷房運転時)
図5に示すように、冷房運転時には、制御部6は、フラップモータ248を制御して、下吹出し口245を下水平フラップ247により閉じて上吹出し口244を開く。そして、圧縮機32、四路切換弁33、電動膨張弁34、プロペラファン38、室内ファンモータ22が制御され冷房運転が行われる。
【0059】
輻射式空気調和では、輻射パネル23aが冷却されることにより、その輻射により室内の冷房が行われる。
【0060】
このとき、輻射パネル23aの近傍の空気が冷却されることにより、自然対流が発生して空気が流動する。すなわち、冷却された輻射パネル23aの近傍の冷たい空気が、輻射パネル23aに沿って下方へと流動する(矢印A1及び矢印A2)。
【0061】
輻射パネル23aの前面側を下方へ向けて流動する空気(矢印A1)は、輻射パネル23aの下端の下方で下吸込みガイド27により輻射パネル23aの背面側へと案内される(矢印A3)。輻射パネル23aの背面側へ案内された空気は、遠心ファン21が生成する空気の流れにのって、本体ケーシング24の前面開口241から本体ケーシング24内へと取り込まれる(矢印A4)。一方、輻射パネル23aの背面側を下方へ向けて流動する空気(矢印A2)は、そのまま遠心ファン21が生成する空気の流れにのって、本体ケーシング24の前面開口241から本体ケーシング24内へと取り込まれる(矢印A4)。
【0062】
対流式空気調和では、室内熱交換器20を通って熱交換された空気が室内へと吹き出されて、冷却された空気の対流が作り出される。この空気調和機1aでは、遠心ファン21により、室内の室内空気が側面吸気口243から本体ケーシング24内に取り込まれ、輻射パネル23aに沿って流動する冷たい空気が前面開口241から本体ケーシング24内に取り込まれる。そして、室内空気と流動空気とは、共に室内熱交換器20を通り上吹出し口244から上方へ向けて吹き出される(矢印A5)。上吹出し口244から吹き出た空気は、上吸込みガイド26の外側(背面側)に沿って案内され、上吸込みガイド26の先端の接線方向、すなわち室内機2aの前斜め上方へ向けて室内の居住空間へと吹き出す(矢印A6)。
【0063】
(暖房運転時)
図6に示すように、暖房運転時には、制御部6は、フラップモータ248を制御して、上吹出し口244を上水平フラップ246により閉じ、下吹出し口245を開く。そして、圧縮機32、四路切換弁33、電動膨張弁34、プロペラファン38、室内ファンモータ22が制御され、暖房運転が行われる。
【0064】
輻射式空気調和では、輻射パネル23aが加熱されることにより、その輻射により室内の暖房が行われる。
【0065】
このとき、輻射パネル23aの近傍の空気が加熱されることにより、自然対流が発生して空気が流動する。すなわち、加熱された輻射パネル23aの近傍の空気は、輻射パネル23aに沿って上方へと流動する(矢印A7)。
【0066】
輻射パネル23aの前面側を上方へ向けて流動する空気(矢印A7)は、輻射パネル23aの上端の上方で上吸込みガイド26により輻射パネル23aの背面側へと案内される(矢印A8)。背面側へと案内された空気は、遠心ファン21が生成する空気の流れにのって、本体ケーシング24の前面開口241から本体ケーシング24内へと取り込まれる(矢印A9)。
【0067】
輻射パネル23aの背面側を上方へ向けて流動する空気は、そのまま遠心ファン21が生成する空気の流れにのって、本体ケーシング24の前面開口241から本体ケーシング24内へと取り込まれる(矢印A10)。
【0068】
対流式空気調和では、室内熱交換器20を通って熱交換された空気が室内へと吹き出されて、暖められた空気の対流が作り出される。この空気調和機1aでは、遠心ファン21により、室内の室内空気が側面吸気口243から本体ケーシング24内に取り込まれ、輻射パネル23aに沿って流動する暖かい空気が前面開口241から本体ケーシング24内に取り込まれる。そして、室内熱交換器20を通った室内空気と流動空気とは、共に下吹出し口245から下方へ向けて吹き出る(矢印A11)。
【0069】
〔特徴〕
(1)
この空気調和機1aでは、冷房時に輻射パネル23aに沿って下方へと流動する空気が、下吸込みガイド27によって本体ケーシング24内へ向けて案内されて本体ケーシング24内に取り込まれる。このため、冷房時の冷たい空気が輻射パネル23aに沿って下降して室内の足元空間へと流れることが防止される。これにより、この空気調和機1aでは、足元のコールドドラフトが防止される。
【0070】
また、この空気調和機1aでは、暖房時に輻射パネル23aに沿って上方へと流動する空気が、上吸込みガイド26によって本体ケーシング24内へ向けて案内されて本体ケーシング24内に取り込まれる。このため、暖房時の暖かい空気が輻射パネル23aに沿って上昇して室内の居住者に直接当たることが防止される。これにより、この空気調和機1aでは、暖房時のドラフトが防止される。
【0071】
上記のように、この空気調和機1aでは、冷房時および暖房時のドラフトが防止され、室内の快適性が向上する。
【0072】
(2)
この空気調和機1aでは、冷房時に輻射パネル23aに沿って下方へと流動する空気が、下吸込みガイド27によって本体ケーシング24内へ向けて案内されて本体ケーシング24内に取り込まれる。このため、冷房時の冷たい空気が輻射パネル23aに沿って下降して室内の足元空間へ滞留することが防止される。
【0073】
また、この空気調和機1aでは、暖房時に輻射パネル23aに沿って上方へと流動する空気が、上吸込みガイド26によって本体ケーシング24内へ向けて案内されて本体ケーシング24内に取り込まれる。このため、暖房時の暖かい空気が輻射パネル23aに沿って上昇して室内の上部に滞留することが防止される。
【0074】
上記のように、この空気調和機1aでは冷房時の冷たい空気や暖房時の暖かい空気が室内の一部に偏って滞留することが防止され、室内の温度分布が向上する。
【0075】
また、この空気調和機1aでは、室内の温度分布が向上するため、輻射パネル23aを過剰に冷却または加熱せずとも室内を十分に冷房または暖房することができる。これにより、この空気調和機1aでは省エネ性が向上している。
【0076】
(3)
この空気調和機1aでは、輻射パネル23aの近傍の空気は、本体ケーシング24内へと取り込まれ、室内熱交換器20を通り、室内へと吹き出す。すなわち、輻射パネル23aによって冷却された空気や加熱された空気が、回収されて室内の冷房や暖房に利用される。これにより、この空気調和機1aでは省エネ性が向上している。
【0077】
(4)
この空気調和機1aでは、本体ケーシング24の上吹出し口244から吹き出た空気は、上吹き出しガイド26の外側(背面側)によって室内機2aの前方斜め方へ向けて案内される。このため、冷房時に吹き出す空気の前方到達距離が増大し、冷気が室内の広い範囲により十分に拡散する。これにより、この空気調和機1aは、居住者の快適性をより向上させることができる。
【0078】
また、上吹き出しガイド26は、冷房時に輻射パネル23aに沿って上方へと流動する流動空気を、その内側(前面側)によって本体ケーシング24内へ向けて案内することもできる。このため、上吹き出しガイド26は、本体ケーシング24内へと案内するガイドと、上吹出し口244から吹き出た空気を案内するガイドとの両方の機能を果たすことができる。これにより、この空気調和機1aでは、部品点数の増加が抑制されている。
【0079】
<第2実施形態>
〔構成及び空気の流れ〕
本発明の第2実施形態にかかる空気調和機1bの室内機2bの側面断面図を図7に示す。この室内機2bでは、輻射パネル23bは、第1輻射パネル231bと第2輻射パネル232b、233bとにより構成されている。第1輻射パネル231bは、第1実施形態にかかる輻射パネル23aを高さ方向に若干短くしたものであり、室内の壁面に略平行に配置されている。第2輻射パネル232b、233bは、第1輻射パネル231bとは別体に形成され、第1輻射パネル231bに沿って流動する空気を本体ケーシング24内へ向けて案内するように配置されている。第2輻射パネル232b、233bは、上第2輻射パネル232bと下第2輻射パネル233bとにより構成されており、それぞれ第1輻射パネル231bの上下方向の端部近傍に配置されている。上第2輻射パネル232bは、第1輻射パネル231bの上方に設けられており、上端が前方へと下端が後方へと傾斜するように配置されている。下第2輻射パネル233bは、第1輻射パネル231bの下方に設けられており、下端が前方へと上端が後方へと傾斜するように配置されている。
【0080】
空気調和機1bの全体構成及び冷媒回路を表す概略図を図8に示す。この空気調和機1bは冷媒回路5bを有している。この冷媒回路5bにおいては、第1輻射パネル231bを挟んで直列に上第2輻射パネル232b及び下第2輻射パネル233bが設けられている。上第2輻射パネル232bはさらに室内熱交換器20の一端と接続され、室内熱交換器20の他端は配管42及びガス閉鎖弁37を介して四路切換弁33に接続されている。下第2輻射パネル233bは、さらに配管41及び液閉鎖弁36を介して電動膨張弁34に接続されている。このように、第1輻射パネル231bと上第2輻射パネル232b及び下第2輻射パネル233bとには同一の冷媒回路を循環する冷媒が流れるように構成されている。また、第1輻射パネル231bと下第2輻射パネル233bとの間には第2電動膨張弁29が設けられている。このため、第2電動膨張弁29を制御することにより、下第2輻射パネル233bは第1輻射パネル231bとは独立して温度制御されることが可能となっている。
【0081】
図7に示すように、この空気調和機1bの室内機2bでは、暖房時には第1輻射パネル231bに沿って上昇する暖かい空気が、上第2輻射パネル232bによって本体ケーシング24内へ向けて案内される。第1輻射パネル231bに沿って上昇する暖かい空気は、後方へ傾いた上第2輻射パネル232bの下端に沿って第1輻射パネル231bの背面側へと案内される(矢印A12)。そして、第1輻射パネル231bの背面側へと案内された空気は、遠心ファン21により生成される空気の流れにのって、本体ケーシング24の前面開口241から本体ケーシング24内へと取り込まれる。また、冷房時には第1輻射パネル231bに沿って下降する冷たい空気は、下第2輻射パネル233bによって本体ケーシング24内へ向けて案内される。第1輻射パネル231bに沿って下降する冷たい空気は、後方へと傾いた下第2輻射パネル233bの上端に沿って第1輻射パネル231bの背面側へと案内される(矢印A13)。そして、第1輻射パネル231bの背面側へと案内された空気は、遠心ファン21により生成される空気の流れにのって、本体ケーシング24の前面開口241から本体ケーシング24内へと取り込まれる。
【0082】
また、制御部6は、冷房時に第1輻射パネル231bに沿って下降する冷たい空気の流れを緩和する制御をさらに行うことができる。具体的には、制御部6は、冷房時には電動膨張弁34を全開にして第2電動膨張弁29を絞る。これにより、下第2輻射パネル233bに熱い冷媒が流れて、下第2輻射パネル233bが加熱される。また、第2電動膨張弁29の下流にある第1輻射パネル231b及び上第2輻射パネル232bには冷たい冷媒が流れて、第1輻射パネル231b及び上第2輻射パネル232bが冷却される。これにより、冷房時には、第1輻射パネル231bに沿って下方へと流動する空気の流れに加えて、加熱された下第2輻射パネル233bから上方へと流動する空気の流れが生じる。これにより、輻射パネル23bに沿って下方へと流動する冷たい空気の流れが抑制される。
【0083】
なお、上記とは逆に、暖房時に上第2輻射パネル232bを冷たい冷媒が流れて上第2輻射パネル232bが冷却されるような構成及び制御にしてもよい。この場合は、暖房時における、第1輻射パネル231bに沿って上方へと流動する暖かい空気の流れが抑制される。
【0084】
他の構成や空気の流れについては第1実施形態に係る空気調和機1aと同様である。
【0085】
〔特徴〕
冷房時には、第1輻射パネル231bが冷却されることにより、冷たい空気が第1輻射パネル231bに沿って下方へと流動する。また、暖房時には、第1輻射パネル231bが加熱されることにより、暖かい空気が第1輻射パネル231bに沿って上方へと流動する。そして、この空気調和機1bでは、このような流動空気が上第2輻射パネル232b又は下第2輻射パネル233bによって本体ケーシング24内へ向けて案内される。このため、この空気調和機1bでは、第1実施形態にかかる空気調和機1aと同様に、ドラフトの防止や室内の温度分布の向上などの効果を得ることができる。
【0086】
また、この空気調和機1bでは、冷房時には第1輻射パネル231bの下方に配置された下第2輻射パネル233bが暖められることにより、冷たい空気が下方へと流動することを抑制することができる。これにより、この空気調和機1bでは、ドラフトの防止や室内の温度分布の向上などがより効果的に得られる。なお、上述したように、この空気調和機1bでは、加熱された下第2輻射パネル233bから生じる上方へと流動する空気の流れが、下方へと流動する冷たい空気の流れを抑制しているが、このような空気の流れが生じなくとも、下第2輻射パネル233bの熱によって下方へと流動する冷たい空気の流れを抑制することは可能である。
【0087】
さらに、第1輻射パネル231bと下第2輻射パネル233bとには同一の冷媒回路を循環する冷媒が流れるように構成されているため、冷房時に下第2輻射パネル233bが暖められることにより、下方へと流動しようとする冷たい空気の冷熱が下第2輻射パネル233bによって回収される。これにより、この空気調和機1bでは、第1輻射パネル231bの輻射効率が向上している。暖房時に上第2輻射パネル232bを冷たい冷媒が流れて上第2輻射パネル232bが冷却されるような構成及び制御にした場合も同様である。
【0088】
<第3実施形態>
〔構成〕
本発明の第3実施形態にかかる空気調和機1cの全体構成及び冷媒回路の概略図を図9に、室内機2cの側面断面図を図10に示す。この空気調和機1cは、冷媒回路5cを有している。そして、室内機2cに配置される輻射パネル23cは、複数の分割輻射パネル231c,232c,233c,234cによって構成されている。図10に示すように、分割輻射パネル231c,232c,233c,234cは、それぞれ隙間を隔てて高さ方向に一列に並べられており、下から順に分割輻射パネル231c、分割輻射パネル232c、分割輻射パネル233c、分割輻射パネル234cが配置されている。従って、分割輻射パネル234cは分割輻射パネル233cの上端部近傍に配置されており、分割輻射パネル231cは分割輻射パネル232cの下端部近傍に配置されている。また、図9に示すように、各分割輻射パネル231c,232c,233c,234cは、それぞれ順に直列に接続されており、同一の冷媒回路を循環する冷媒が流れる。分割輻射パネル231cの一端は、配管41、液閉鎖弁36およびフィルタ35を介して電動膨張弁34に接続されている。分割輻射パネル234cの一端は、室内熱交換器20の一端と接続されている。また、分割輻射パネル231cと分割輻射パネル232cとの間には、第2電動膨張弁29が設けられており、分割輻射パネル231cは分割パネル232c,233c、234cとは独立して温度制御されることが可能となっている。
【0089】
制御部6は、第2実施形態にかかる空気調和機2bと同様に、冷房時に輻射パネル23cに沿って下降する冷たい空気の流れを緩和する制御をさらに行うことができる。すなわち、制御部6は、冷房時には電動膨張弁34を全開にして第2電動膨張弁29を絞る。これにより、複数の分割輻射パネル231c,232c,233c,234cの内、最も下方に配置された分割輻射パネル231cに熱い冷媒が流れて、分割輻射パネル231cが加熱される。また、第2電動膨張弁29の下流にある他の分割輻射パネル232c,233c,234cには冷たい冷媒が流れて、分割輻射パネル232c,233c,234cが冷却される。これにより、冷房時には、輻射パネル23cに沿って下方へと流動する空気の流れに加えて、加熱された分割輻射パネル231cから上方へと流動する空気の流れが生じる。これにより、輻射パネル23cに沿って下方へと流動する冷たい空気の流れが抑制される。
【0090】
また、上記とは逆に、暖房時に複数の分割輻射パネル231c,232c,233c,234cの内、最も上方に配置された分割輻射パネル234cに冷たい冷媒が流れて分割輻射パネル234cが冷却されるような構成及び制御にしてもよい。この場合は、暖房時における輻射パネル23cに沿って上方へと流動する暖かい空気の流れが抑制される。
【0091】
なお、図9及び図10においては、分割輻射パネル231c,232c,233c,234cはそれぞれ同一の長さを有しているが、異なる長さを有するものであってもよい。また、分割輻射パネル231cの配置は、上記のような高さ方向に一列に並んだ配置に限らず、左右方向に並んだ配置や左右方向及び高さ方向に並んだ配置等であってもよい。
【0092】
他の構成については、第1実施形態に係る空気調和機1aと同様である。
【0093】
〔特徴〕
この空気調和機1cの室内機2cでは、輻射パネル23cは、隙間を隔てて配置された複数の分割輻射パネル231c,232c,233c,234cにより構成される。このため、輻射パネル23cに沿って流動する空気は、複数の分割輻射パネル231c,232c,233c,234cの間の隙間から本体ケーシング24内へ向けて案内される(矢印A14)。この場合、輻射パネル23cに沿って流動する空気は、輻射パネル23cの前面から輻射パネル23cの上端や下端を経由して輻射パネル23cの背面側へと案内される場合と比べて、短い距離で本体ケーシング24の前面開口241へと到達することができる。従って、この空気調和機1cの室内機2cでは、輻射パネル23cに沿って流動する空気をより容易に本体ケーシング24の前面開口241から取り込むことができる。
【0094】
なお、図10においては冷房時の空気の流れを表しているが、暖房時においても同様に、輻射パネル23cに沿って流動する空気は、分割輻射パネル231cの隙間から本体ケーシング24内へ向けて案内される。
【0095】
また、この空気調和機1cでは、冷房時には最も下方に配置された分割輻射パネル231cが暖められることにより、冷たい空気が下方へと流動することを抑制することができる。これにより、この空気調和機1cでは、ドラフトの防止や室内の温度分布の向上などがより効果的に得られる。
【0096】
さらに、分割輻射パネル231cと他の分割輻射パネル232c、233c、234cとには同一の冷媒回路を循環する冷媒が流れるように構成されているため、冷房時に分割輻射パネル232cの下方に配置された分割輻射パネル231cが暖められることにより、下方へと流動しようとする冷たい空気の冷熱が分割輻射パネル231cによって回収される。これにより、この空気調和機1cでは、輻射効率が向上している。暖房時に分割輻射パネル234cを冷たい冷媒が流れて分割輻射パネル234cが冷却されるような構成及び制御にした場合も同様である。
【0097】
<他の実施形態>
(1)
上記の実施形態にかかる空気調和機1a,1b,1cの室内機2a,2b,2cに、本体ケーシング24の前面開口241を開閉することができるシャッター(図示せず)と、シャッターを駆動するシャッター用モータ240(図11参照)とをさらに設けてもよい。そして、制御部6は、冷房時には前面開口241の上部を閉じ、暖房時には前面開口241の下部を閉じる制御を行う。
【0098】
この空気調和機の室内機では、冷房時には前面開口241の上部が閉じられる。このため、輻射パネル23a,23b,23cに沿って下方へと流動する冷たい空気を前面開口241の下部から吸い込むことが容易になる。また、暖房時には前面開口241の下部が閉じられる。このため、輻射パネル23a,23b,23cに沿って上方へと流動する暖かい空気を前面開口241の上部から吸い込むことが容易になる。これにより、この空気調和機の室内機では、輻射パネル23a,23b,23cに沿って流動する空気をより効率よく本体ケーシング内へと取り込むことができる。
【0099】
(2)
上記の実施形態では、室内機2a,2b,2cは、壁掛け型であるが、床面に配置される床置き形のものであってもよい。
【0100】
(3)
上記の実施形態では、室内熱交換器20は、本体ケーシング24の前面開口241と遠心ファン21との間に配置されている。また、本体ケーシング24の前面開口241は、輻射パネル23a,23b,23cの背面側に設けられている。すなわち、室内熱交換器20は、輻射パネル23a,23b,23cの背面側に設けられている。しかし、室内熱交換器20の位置はこれに限られるものではなく、輻射パネル23a,23b,23cの上方、下方または側方などに配置されてもよい。
【0101】
(4)
上記の実施形態では、輻射パネル23a,23b,23cに沿って流動する空気は、室内熱交換器20に通された後に室内へと吹き出されているが、室内熱交換器20を通らずに室内へと吹き出されてもよい。この場合も、輻射パネル23a,23b,23cによって冷却又は暖められた空気を室内へと再び吹き出すことにより、ドラフトの防止や室内の温度分布の向上等の効果が得られる。
【0102】
(5)
上記の実施形態では、本空気調和機1a,1b,1cの冷媒回路の一例が採用されているが、その構成はヒートポンプとして機能するものであればこの限りではなく、水等の2次冷媒が使用される構成であってもよい。
【0103】
(6)上記の実施形態では、輻射パネル23a,23b,23cは冷媒によって熱交換されることにより機能しているが、補助熱源として輻射パネル23a,23b,23cの一部又は全部に冷媒によらないヒータを組み込んでもよい。また、このヒータは下第2輻射パネル233bや分割輻射パネル2341c等のように流動空気の抑制のために使用されてもよい。
【0104】
(7)
上記の実施形態では、輻射パネル23a,23b,23cを構成するパネルは金属製である。輻射パネル23a,23b,23cを構成するパネルが複数ある場合、すべて同種のパネルで構成されているかは特に特定されていないが、各パネルの用途に応じて材質や表面加工を変えるなどして輻射率や空気との熱交換性能を調整してもよい。
【0105】
【発明の効果】
請求項1に記載の空気調和機では、第1輻射パネルに沿って流動する流動空気が本体ケーシング内へ向けて案内される。特に、冷房時には第1輻射パネルが冷却されることにより、第1輻射パネルに沿って下方へと流動する流動空気が生じる。そこで、この空気調和機では、このような流動空気が本体ケーシング内へ向けて案内される。このため、この空気調和機では、上記のような流動空気が床面付近に滞留することを抑えることができる。これにより、この空気調和機では、室内の温度分布の偏りを軽減し快適性を向上させることができる。また、この空気調和機では、熱交換器が、本体ケーシング内へと取り込まれた流動空気との間で熱交換を行うことができる。このため、この空気調和機では、本体ケーシング内へと取り込まれた流動空気を、熱交換器により冷却して送風装置により再び室内へと送ることができる。すなわち、この空気調和機では、輻射による輻射式空気調和と、熱交換器と送風装置とによる対流式空気調和との両方による空気調和を行うことができる。このため、この空気調和機では、輻射式空気調和のみによって空気調和を行う場合と比べて、冷房時の冷たい空気を室内により十分に行き届かせることができる。
【0106】
請求項2に記載の空気調和機では、下吸込みガイドは、第1輻射パネルの下方を覆うように設けられる。冷房時には、第1輻射パネルが冷却されることにより冷たい流動空気が第1輻射パネルに沿って下方へと流動する。この空気調和機では、このような流動空気が、第1輻射パネルの下方で下吸込みガイドによって本体ケーシング内へと向けて案内される。このため、この空気調和機では、上記のような流動空気が床面付近に滞留することを抑えることができる。これにより、この空気調和機では、室内の温度分布の偏りを軽減することができる。
【0107】
請求項3に記載の空気調和機では、下吸込みガイドは、輻射パネルから生じるドレン水を受け取るドレンパンを兼ねる。このため、この空気調和機では、部品点数の増加を抑制することができる。
【0108】
請求項4に記載の空気調和機では、第1輻射パネルに沿って流動する流動空気が本体ケーシング内へ向けて案内される。特に、暖房時には第1輻射パネルが加熱されることにより、第1輻射パネルに沿って上方へと流動する流動空気が生じる。そこで、この空気調和機では、このような流動空気が本体ケーシング内へ向けて案内される。このため、この空気調和機では、上記のような流動空気が天井面付近に滞留することを抑えることができる。これにより、この空気調和機では、室内の温度分布の偏りを軽減し快適性を向上させることができる。また、この空気調和機では、熱交換器が、本体ケーシング内へと取り込まれた流動空気との間で熱交換を行うことができる。このため、この空気調和機では、本体ケーシング内へと取り込まれた流動空気を、熱交換器により暖めて送風装置により再び室内へと送ることができる。すなわち、この空気調和機では、輻射による輻射式空気調和と、熱交換器と送風装置とによる対流式空気調和との両方による空気調和を行うことができる。このため、この空気調和機では、輻射式空気調和のみによって空気調和を行う場合と比べて、暖房時の暖かい空気を室内により十分に行き届かせることができる。
【0109】
請求項5に記載の空気調和機では、上吸込みガイドは、第1輻射パネルの上方を覆うように設けられる。暖房時には、第1輻射パネルが加熱されることにより暖かい流動空気が第1輻射パネルに沿って上方へと流動する。この空気調和機では、このような流動空気が第1輻射パネルの上方で上吸込みガイドによって本体ケーシング内へと向けて案内される。これにより、この空気調和機では、上記のような流動空気が天井面付近に滞留することを抑えることができる。これにより、この空気調和機では、室内の温度分布の偏りを軽減することができる。
【0110】
請求項6に記載の空気調和機では、上吸込みガイドが、第1輻射パネルに沿って流動する流動空気を本体ケーシング内へ向けて案内すると共に、本体ケーシングの上吹出し口から吹き出された空気を案内する。このため、本体ケーシング内への案内するガイドと上吹出し口から吹き出された空気の案内するガイドとの両方の機能を一つの上吸込みガイドで果たすことができる。これにより、この空気調和機では、部品点数の増加を抑制することができる。
【0111】
請求項7に記載の空気調和機では、第1輻射パネルに沿って流動する流動空気が、第2輻射パネルによって本体ケーシング内へ向けて案内される。例えば、冷房時には第1輻射パネルが冷却されることにより、第1輻射パネルに沿って下方へと流動する流動空気が生じる。また、暖房時には第1輻射パネルが加熱されることにより、第1輻射パネルに沿って上方へと流動する流動空気が生じる。そして、この空気調和機では、このような流動空気が、第2輻射パネルによって本体ケーシング内へ向けて案内される。このため、この空気調和機では、上記のような流動空気が床面付近や天井面付近等に滞留することを抑えることができる。これにより、この空気調和機では、室内の温度分布の偏りを軽減することができる。
【0112】
請求項8に記載の空気調和機では、第2輻射パネルは、第1輻射パネルの下方に配置される。冷房時には、第1輻射パネルが冷却されることにより、冷たい流動空気が第1輻射パネルに沿って下方へと流動する。この空気調和機では、このような流動空気が、第1輻射パネルの下方で第2輻射パネルによって本体ケーシング内へと向けて案内される。これにより、この空気調和機では、冷房時に第1輻射パネルに沿って流動する流動空気を本体ケーシング内へ向けて案内することができる。
【0113】
請求項9に記載の空気調和機では、冷房時には第1輻射パネルの下方に配置された第2輻射パネルが暖められる。冷房時には、第1輻射パネルが冷却されて冷たい空気が、第1輻射パネルに沿って下方へと流動する。このとき、第1輻射パネルの下方に配置された第2輻射パネルが暖められると、下方へと流動する冷たい空気の流れが第2輻射パネルの熱によって抑制される。これにより、この空気調和機では、冷房時の室内の温度分布の偏りを軽減することができる。
【0114】
請求項10に記載の空気調和機では、第2輻射パネルは、第1輻射パネルの上方に配置される。暖房時には、第1輻射パネルが加熱されることにより、第1輻射パネルに沿って上方へと流動する暖かい流動空気が生じる。この空気調和機では、このような流動空気が第1輻射パネルの上方で第2輻射パネルによって本体ケーシング内へと向けて案内される。これにより、この空気調和機では、暖房時に第1輻射パネルに沿って流動する流動空気を本体ケーシング内へ向けて案内することができる。
【0115】
請求項11に記載の空気調和機では、暖房時には第1輻射パネルの上方に配置された第2輻射パネルが冷却される。暖房時には、第1輻射パネルが加熱されて、暖かい空気が第1輻射パネルに沿って上方へと流動する。このとき、第1輻射パネルの上方に配置された第2輻射パネルが冷却されると、上方へと流動する暖かい空気の流れが第2輻射パネルの冷熱によって抑制される。これにより、この空気調和機では、暖房時の室内の温度分布の偏りを軽減することができる。
【0116】
請求項12に記載の空気調和機では、第1輻射パネルは、隙間を隔てて配置される複数の分割輻射パネルにより構成される。このため、第1輻射パネルに沿って流動する流動空気を、第1輻射パネルを構成する複数の分割輻射パネルの隙間から本体ケーシング内へ向けて案内することができる。従って、この空気調和機では、流動空気が床面付近や天井面付近等に滞留することを抑えることができる。これにより、この空気調和機では、室内の温度分布の偏りを軽減することができる。
【0117】
請求項13に記載の空気調和機では、冷房時には第1輻射パネルを構成する複数の分割輻射パネルの内、下方に配置された分割輻射パネルが暖められる。冷房時には第1輻射パネルが冷却されて、冷たい空気が第1輻射パネルに沿って下方へと流動する。このとき、下方に配置された分割輻射パネルが暖められると、下方へと流動する冷たい空気の流れが下方に配置された分割輻射パネルの熱により抑制される。これにより、この空気調和機では、冷房時の室内の温度分布の偏りを軽減することができる。
【0118】
請求項14に記載の空気調和機では、暖房時には第1輻射パネルを構成する複数の分割輻射パネルの内、上方に配置された分割輻射パネルが冷却される。暖房時には第1輻射パネルが加熱されて、暖かい空気が第1輻射パネルに沿って上方へと流動する。このとき、上方に配置された分割輻射パネルが冷却されると、上方へと流動する暖かい空気の流れが上方に配置された分割輻射パネルの冷熱によって抑制される。これにより、この空気調和機では、暖房時の室内の温度分布の偏りを軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施形態にかかる空気調和機の構成および冷媒回路を表す図。
【図2】 第1実施形態にかかる空気調和機の室内機の正面図。
【図3】 第1実施形態にかかる空気調和機の室内機の側面断面図。
【図4】 第1実施形態にかかる空気調和機の制御ブロック図。
【図5】 第1実施形態にかかる空気調和機の室内機における冷房時の空気の流れを表す図。
【図6】 第1実施形態にかかる空気調和機の室内機における暖房時の空気の流れを表す図。
【図7】 第2実施形態にかかる空気調和機の室内機の側面断面図。
【図8】 第2実施形態にかかる空気調和機の構成および冷媒回路を表す図。
【図9】 第3実施形態にかかる空気調和機の構成および冷媒回路を表す図。
【図10】 第3実施形態にかかる空気調和機の室内機の側面断面図。
【図11】 他の実施形態にかかる空気調和機の制御ブロック図。
【符号の説明】
1a,1b,1c 空気調和機
20 室内熱交換器(熱交換器)
21 遠心ファン(送風装置)
23a,23c 輻射パネル(第1輻射パネル)
23b 輻射パネル
24 本体ケーシング
26 上吸込みガイド(ガイド)
27 下吸込みガイド(ガイド)
231b 第1輻射パネル(第1輻射パネル)
232b 上第2輻射パネル(第2輻射パネル)
233b 下第2輻射パネル(第2輻射パネル)
244 上吹出し口
245 下吹出し口
Claims (14)
- 上方へと吹き出される空気が通る上吹出し口(244)を有する本体ケーシング(24)と、
室内に面して配置され、輻射によって空気調和を行う第1輻射パネル(23a,231b,23c)と、
冷房時には前記第1輻射パネル(23a,231b,23c)に沿って流動する流動空気を前記第1輻射パネル(23a,231b,23c)の下方から前記本体ケーシング(24)内へと取り込み前記上吹出し口(244)から室内へと吹き出させることができる送風装置(21)と、
前記本体ケーシング(24)内へと取り込まれた前記流動空気との間で熱交換を行うことができる熱交換器(20)と、
を備え、
前記本体ケーシング(24)の前面は、前記第1輻射パネル(23a,231b,23c)によって覆われており、
前記本体ケーシング(24)の前面には前面開口(241)が設けられており、前記本体ケーシング(24)の内部と前記第1輻射パネル(23a)の背面側の空間とは、前記前面開口(241)を通して連通しており、
前記送風装置(21)は、前記第1輻射パネル(23a,231b,23c)の下方から前記第1輻射パネル(23a,231b,23c)の背面側の空間を通り、前記前面開口(241)から前記熱交換器(20)を通り前記上吹出し口(244)へと到る空気の流れを生成する、
空気調和機(1a,1b,1c)。 - 前記第1輻射パネル(23a)の下方を覆うように設けられ、前記第1輻射パネル(23a)に沿って流動する前記流動空気を前記本体ケーシング(24)内へ向けて案内する下吸込みガイド(27)をさらに備える、
請求項1に記載の空気調和機(1a)。 - 前記下吸込みガイド(27)は、前記第1輻射パネル(23a)から生じるドレン水を受け取るドレンパンを兼ねる、
請求項2に記載の空気調和機(1a)。 - 下方へと吹き出す空気が通る下吹出し口(245)を有する本体ケーシング(24)と、
室内に面して配置され、輻射によって空気調和を行う第1輻射パネル(23a,231b,23c)と、
暖房時には、前記第1輻射パネル(23a,231b,23c)に沿って流動する流動空気を前記第1輻射パネル(23a,231b,23c)の上方から前記本体ケーシング(24)内へと取り込み前記下吹出し口(245)から室内へと吹き出させることができる送風装置(21)と、
前記本体ケーシング(24)内へと取り込まれた前記流動空気との間で熱交換を行うことができる熱交換器(20)と、
を備え、
前記本体ケーシング(24)の前面は、前記第1輻射パネル(23a,231b,23c)によって覆われており、
前記本体ケーシング(24)の前面には前面開口(241)が設けられており、前記本体ケーシング(24)の内部と前記第1輻射パネル(23a)の背面側の空間とは、前面 開口(241)を通して連通しており、
前記送風装置(21)は、前記第1輻射パネル(23a,231b,23c)の上方から前記第1輻射パネル(23a,231b,23c)の背面側の空間を通り、前記前面開口(241)から前記熱交換器(20)を通り前記下吹出し口(245)へと到る空気の流れを生成する、
空気調和機(1a,1b,1c)。 - 前記第1輻射パネル(23a)の上方を覆うように設けられ前記第1輻射パネル(23a)に沿って流動する前記流動空気を前記本体ケーシング(24)内へ向けて案内する上吸込みガイド(26)をさらに備える、
請求項4に記載の空気調和機(1a)。 - 前記上吸込みガイド(26)は、前記上吹出し口(244)が設けられた前記本体ケーシング(24)の上面より上方に設けられており、
前記上吸込みガイド(26)の背面は、前記上吹出し口(244)から吹き出された空気を案内する、
請求項5に記載の空気調和機(1a)。 - 前記第1輻射パネル(231b)とは別体に形成され、前記第1輻射パネル(231b)に沿って流動する前記流動空気を前記本体ケーシング(24)内へ向けて案内するように配置される第2輻射パネル(232b,233b)をさらに備える、
請求項1から6のいずれかに記載の空気調和機(1b)。 - 前記第2輻射パネル(233b)は前記第1輻射パネル(231b)の下方に配置される、
請求項7に記載の空気調和機(1b)。 - 冷房時には前記第1輻射パネル(231b)の下方に配置された前記第2輻射パネル(233b)を暖める、
請求項8に記載の空気調和機(1b)。 - 前記第2輻射パネル(232b)は前記第1輻射パネル(231b)の上方に配置される、
請求項7に記載の空気調和機(1b)。 - 暖房時には前記第1輻射パネル(231b)の上方に配置された前記第2輻射パネル(232b)を冷却する、
請求項10に記載の空気調和機(1b)。 - 前記第1輻射パネル(23c)は、隙間を隔てて配置される複数の分割輻射パネル(231c−234c)により構成される、
請求項1から6のいずれかに記載の空気調和機(1c)。 - 複数の前記分割輻射パネル(231c−234c)は、上下方向に並べて配置されており、
冷房時には、複数の前記分割輻射パネル(231c−234c)の内、下方に配置された前記分割輻射パネル(231c)を暖める、
請求項12に記載の空気調和機(1c)。 - 複数の前記分割輻射パネル(231c−234c)は、上下方向に並べて配置されており、
暖房時には複数の前記分割輻射パネル(231c−234c)の内、上方に配置された前記分割輻射パネル(234c)を冷却する、
請求項12に記載の空気調和機(1c)。
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