JP4211174B2 - データ記録再生システム - Google Patents

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Description

【0001】
本発明はデータ記録再生システムに関し、特に、ディスク状記録媒体における不正なディスクコピーを防止するのに好適データ記録再生システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ディスク等の記録媒体に記録されたディジタルコンテンツデータ等のデータを他の記録媒体にコピーすることは、著作権の保護等を勘案して、自由にあるいは制限付きで行えたり、完全に禁止される場合があるが、制限付きコピーやコピー禁止の場合には、何らかのデータ保護対策が必要とされる。ここで、上記コンテンツデータには、例えば、音楽、映像、プログラムやテキスト等の著作物が挙げられる。また、ディスク等の記録媒体のコピーを防ぐ方法としては、記録媒体の識別情報(ID)を用いてコンテンツやコンテンツ鍵を暗号化する方法等が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、記録すべきコンテンツデータを処理するデータ処理部と、データをディスク等の記録媒体に記録する記録部とが、同一装置内、同一基板上あるいは同一チップ内で一体化されている場合には、お互いのインターフェースから外部にデータが出なければディスクコピーを防止することができる。
【0004】
しかしながら、データ処理部と記録部とが個別の装置に分離されて設けられ、これらの装置間を例えば一般的なインターフェースで接続した場合は、インターフェース間で伝送されるデータを外部に取り出すことができ、データコピーやディスクコピーが可能となる。
【0005】
また、データ処理部と記録部とが同一の装置内、あるいは同一の基板上に設けられている場合でも、データ処理部と記録部との間のデータ線の信号をモニタする等により、データコピーやディスクコピーが行われる可能性も存在する。
【0006】
本発明は、上述の問題点に鑑みてなされたものであって、データ処理部と記録部との間で伝送される信号をモニタされた場合に、データ解読が困難で、データコピーやディスクコピーを防止でき、有効なデータ保護が図れるようデータ記録再生システムを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
発明にかかるデータ記録再生システムは、上述の課題を解決するために、ディジタルデータの暗号化を行うデータ処理装置と、このデータ処理部からの暗号化データを記録媒体に記録するデータ記録装置とを有するデータ記録再生システムであって、上記データ記録装置は、上記ディジタルデータの記録毎にそれぞれ独立の記録識別情報を生成する手段と、上記記録識別情報を第1の暗号化手段により暗号化して、データ処理装置に送信する送信手段と、上記記録媒体に固有の記録媒体識別情報を用いて、上記記録識別情報を第2の暗号化演算により暗号化すると共に、上記データ処理装置から送られてくるデータを第3の暗号化演算により暗号化する暗号化データ生成手段と、上記暗号化データと上記記録識別情報とを上記記録媒体に記録する手段とを有し、上記データ処理装置は、上記データ記録装置から送信された、第1の暗号化手段により暗号化された記録識別情報を受信する受信手段と、上記第1の暗号化手段に対応する復号手段により、上記暗号化された記録識別情報を復号する復号手段と、上記データ記録装置の送信手段から送信された上記復号手段により復号された記録識別情報を用いて入力データを第4の暗号化演算により暗号化し、上記データ記録装置に送信する送信手段とを有するデータ記録再生システム。
【0009】
ここで、上記暗号化データ及び上記記録識別情報を、上記記録媒体に固有の記録媒体識別情報を用いて暗号化し、上記記録媒体に記録することが挙げられる。
【0010】
上記記録媒体に記録された上記暗号化データ及び上記記録識別情報を読み出して、上記記録識別情報を用いて上記暗号化データを復号することにより、元のデータを得る。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施の形態となるデータ記録再生システムの一例として、ディスク記録再生装置10と、このディスク記録装置10に接続される機器の一例としてのパーソナルコンピュータ等のデータ処理再生装置100とから成るシステムの概略構成を示す図である。
【0012】
この図1において、ディスク記録再生装置10は、着脱可能な追記型光ディスクや、書き換えが可能な光磁気ディスクや相変化型ディスク等の記録媒体であるディスク30を回転駆動するスピンドルモータ11と、ディスク30に対してレーザ光を照射すると共にその戻り光を受光する光学ピックアップ12と、光学ピックアップ12のレーザダイオード等のレーザ光源を駆動するレーザドライバ13と、光学ピックアップ12から出力された信号を検出する信号検出部14と、レーザドライバ13への信号の変調や信号検出部14からの信号の復調を行う変復調部15と、データを一時記憶するバッファメモリ16と、調停部17と、エラー訂正符号化/復号処理を行うECC(Error Correction Code) 部18と、パーソナルコンピュータ等のデータ処理装置100との間でデータを入出力するI/F(インターフェース)部19と、データ記録の度毎に異なる記録ID(識別情報)を生成する記録ID生成部20とを有して構成されている。調停部17は、バッファメモリ16と、変復調部15、ECC部18及びI/F部19との間のデータ入出力を調停し、記録ID生成部20からの記録IDは、ECC部18に送られ、また、外部のデータ処理装置100にも送られる。
【0013】
スピンドルモータ11は、図示しないサーボ回路の制御の下に、ディスク30を一定線速度で、あるいは一定角速度で回転駆動する。
【0014】
光学ピックアップ12は、ディスク30に対するデータの記録時には、レーザドライバ13により駆動された図示しないレーザ光源からのレーザ光を対物レンズ等の光学系を介してディスク30上に照射して、データを記録する。また、光学ピックアップ12は、ディスク30に記録されているデータの再生時には、図示しないレーザ光源からのレーザ光を光学系を介してディスク30上に照射すると共に、ディスク30の表面で反射回折された戻り光を図示しないフォトダイオード等の光検出素子で受光して電気信号に変換して出力する。
【0015】
このような光学ピックアップ12によりディスク30に対してデータを記録/再生する際には、受光した戻り光の検出信号に基づいて、トラッキング制御やフォーカス制御を行うことは勿論である。
【0016】
また、このようなディスク記録再生装置10に接続されるパーソナルコンピュータ等のデータ処理装置100は、ディスク記録再生装置10との間でデータの入出力を行うためのI/F(インターフェース)部101と、データの暗号化及び復号(暗号解読)を行う暗号化部102と、各種データ処理を行うためのデータ処理部103と、外部との間でデータの入出力を行うためのI/O(入出力インターフェース)部104とを有し、ディスク記録再生装置10の記録ID生成部20からの記録IDが暗号化部102に供給されている。データ処理部103に対して、暗号化部102との間、I/O部104との間でそれぞれデータの送受が行われ、暗号化部102からのデータがI/F部101に、I/F部101からのデータが暗号化部102に送られる。
【0017】
次に、図1の構成における動作について説明する。
外部接続機器であるパーソナルコンピュータ等のデータ処理装置100からのデータをディスク30に記録する際には、データ処理装置100のデータ処理部103からのデータを暗号化部102に送って、上記記録IDを用いて暗号化し、I/F部101を介してディスク記録再生装置10に暗号化データを送る。
【0018】
ディスク記録再生装置10では、データ処理装置100からの暗号化データをI/F部19を介して受信して調停部17に送り、必要に応じてバッファメモリ16に一時記憶して、調停部17を介してECC部18に送る。ECC部18では、記録すべきデータに対してエラー訂正符号化が施され、記録ID生成部20からの記録IDと共に、後述するようなディスクIDを用いて暗号化が施された後、バッファメモリ16に送って一時記憶する。変復調部15は、調停部17を介してバッファメモリ16から所定のブロック単位で記録すべきデータを読み出し、同期信号等のヘッダ部やその他の付加情報を付加した所定の記録フォーマットのデータを変調し、レーザドライバ13に供給する。レーザドライバ13は、変復調部15から供給されるデータに基づいて、光学ピックアップ12のレーザ光源を駆動し、ディスク30に対してデータを記録する。
【0019】
ディスク30に記録されたデータを再生する際には、光学ピックアップ12は、ディスク30からの戻り光を受光して得られた信号を信号検出部14に送り、信号検出部14では、光学ピックアップ12からのRF信号からクロックを再生し、このクロックを基準としてデータ信号を検出し、検出されたデータ信号を変復調部15に送る。変復調部15は、信号検出部14にて検出されたデータ信号を復調し、復調されたデータを調停部17を介してバッファメモリ16に供給する。バッファメモリ16は、変復調部15により復調されたデータを一時記憶し、調停部17を介してECC部18に送る。ECC部18では、誤り訂正処理と共に後述するようなディスクIDを用いた暗号の復号処理が施され、誤り訂正処理されたデータは、調停部17を介してバッファメモリ16に一時記憶され、調停部17を介して、I/F部19に所定順序で読み出される。また、ECC部18では、後述するようなディスクIDを用いて復号された上記記録IDが取り出される。
【0020】
データ処理装置100には、I/F部19からの上記記録IDにより暗号化されたデータがI/F部101を介して暗号化部102に送られ、また、ECC部18で復号された上記記録IDが暗号化部102に供給される。暗号化部102では、I/F部101からの上記暗号化されたデータを、上記記録IDにより復号(暗号解読)し、データ処理部103に供給する。
【0021】
ここで、上記記録IDとは、記録ファイル(記録内容)に対する固有の識別情報であり、より具体的には、データファイル等を記録する毎に更新され、各記録動作に対して固有の識別情報である。従って、ディスク装置が同じでも、同じディスクに対しても、記録が異なれば異なる記録IDとなる。この記録IDは、例えば乱数発生器等により発生された乱数に基づいて生成すればよい。また、上記ディスクIDとは、ディスクに対して固有の識別情報であり、他のディスクとの区別をつけるためにディスクの1枚毎に異なるものである。このディスクIDも、乱数等に基づいて生成することができる。この他、必要に応じて種々の識別情報を用いて、暗号化の鍵や認証等に用いることができ、例えば、符号化単位や記録単位となるブロック毎に固有のブロックID、ディスク記録再生装置毎に固有のドライバ(駆動装置)ID等が挙げられるが、本発明の実施の形態では、説明を簡略化するために、上記記録ID及びディスクIDを用いる場合について例示している。
【0022】
次に、図2〜図5を参照しながら、暗号化データの記録再生動作やコピー防止動作について説明する。
先ず、図2は暗号化データをディスク記録再生装置10_0で記録して得られたディスク30_0を、他のディスク記録再生装置10_1で再生する場合を示している。
【0023】
この図2において、データ処理装置100_0は、外部から供給されたユーザデータu_0に対して、記録ID wID_0を用いた鍵により暗号化演算v() を施して、暗号化ユーザデータv(u_0,wID_0)を得る。記録ID wID_0は、ディスク記録再生装置10_0から得られるが、この記録ID wID_0を伝送する際には、暗号化演算j() を施して、暗号化された記録IDデータ j(wID_0) として伝送している。データ処理装置100_0では、この暗号化された記録IDデータ j(wID_0) に対して復号演算j-1() を施して、記録ID wID_0を取得している。
【0024】
このような、データ伝送の際の暗号化等も考慮したディスク記録再生装置10及びデータ処理装置100の具体的な構成例を図3に示す。
【0025】
この図3のディスク記録再生装置10、及びデータ処理装置100は、図2のディスク記録再生装置10_0,10_1、及びデータ処理装置100_0,100_1としてそれぞれ用いられるものである。
【0026】
この図3において、ディスク記録再生装置10の記録ID生成部20からの記録ID wIDは、暗号化部21で暗号化演算j() が施されて暗号化された記録IDデータとされ、この暗号化記録IDデータが、具体的には上記I/F(インターフェース)部19、101を介して、データ処理装置100の復号部22に送られている。復号部22では、入力された暗号化記録IDデータに対して復号演算j-1() が施されることによって、元の記録ID wIDが得られ、これが暗号化部102に送られて、上述したユーザデータの暗号化処理が施される。また、ディスク記録再生装置10のディスクID生成部23からは後述するディスクID dIDが生成され、これがECC部18に設けられた暗号化部24に送られる。また、暗号化部24には、記録ID生成部20からの記録ID wID_0も送られる。なお、他の構成は、上述した図1のディスク記録再生装置10、データ処理装置100と同様であるため、対応する部分に同じ指示符号を付して説明を省略する。
【0027】
図2のデータ処理装置100_0において、上述したようにユーザデータu_0が記録ID wID_0を用いた鍵により暗号化されることによって得られた上記暗号化ユーザデータv(u_0,wID_0)は、図3のI/F部101を介してディスク記録再生装置10(図2のディスク記録再生装置10_0)に送られ、I/F部19を介し、調停部17を介してバッファメモリ16に一時的に蓄えられ、調停部17を介して暗号化部24に送られる。この暗号化部24では、ディスクID生成部23においてディスク30に対応して生成されるディスク固有のディスクID dIDを用いて、上記記録ID及び上記暗号化をそれぞれ暗号化する。すなわち、図2に示すように、ディスク30_0に対応して生成される固有のディスクID dID_0を用い、記録ID wID_0に対しては、暗号化演算f() を施して暗号化データf(wID_0,dID_0)を生成し、暗号化ユーザデータv(u_0,wID_0)に対しては、暗号化演算e() を施して暗号化データe(v(),dID_0)を生成している。なお、v() は、上記暗号化データv(u_0,wID_0)を略記したものであり、上記ユーザデータu_0は、記録ID wID_0と、ディスクID dID_0とで2重に暗号化されることになる。さらに、暗号化演算e() の際には、必要に応じて、記録単位となるブロック毎の識別情報であるブロックIDを上記ディスクID dIDと共に用いた鍵によって暗号化するようにしてもよい。
【0028】
ディスク30_0上には、上記暗号化データであるf(wID_0,dID_0)及びe(v(),dID_0)が記録され、また、上記ディスクID dID_0がディスク30_0上の所定領域に記録される。
【0029】
次に、記録時のディスク記録再生装置10_0とは異なるディスク記録再生装置10_1により上記ディスク30_0を再生する場合について説明する。
【0030】
ディスク記録再生装置10_1は、上記ディスク30_0より、上記暗号化データe(v(),dID_0)及びf(wID_0,dID_0)を再生し、またディスク30_0上の所定領域から上記ディスクID dID_0を再生する。ディスク記録再生装置10_1内では、再生された上記暗号化データe(v(),dID_0)及びf(wID_0,dID_0)を、それぞれ上記ディスクID dID_0を用いて復号(暗号解読)することにより、暗号化ユーザデータv(u_0,wID_0)及び記録ID wID_0を得る。暗号化ユーザデータv(u_0,wID_0)については、上記I/Fを介してデータ処理装置100_1に送り、記録ID wID_0については、暗号化演算j() を施して、暗号化された記録IDデータ j(wID_0) をデータ処理装置100_1に送る。
【0031】
データ処理装置100_1では、暗号化された記録IDデータ j(wID_0) に対し復号演算j-1() を施して記録ID wID_0を求め、この記録ID wID_0を用いて、ディスク記録再生装置10_1からの暗号化ユーザデータv(u_0,wID_0)を復号(暗号解読)することにより、ユーザデータu_0を取り出している。
【0032】
以上のような実施の形態によれば、ディスクID dIDと記録ID wIDとは無関係とすることができるため、ディスク記録再生装置10とデータ処理装置100との間以外に、ディスクID dIDや記録ID wIDが外部に漏洩することを防止できる。また、ディスク記録再生装置10は、ユーザデータの暗号化演算v() を知らなくてよい。従って、ディスク記録再生装置10とデータ処理装置100との間のインターフェースと、ディスク記録再生装置10においてディスク30に対するデータの記録再生とについての各セキュリティを独立させることができる。
【0033】
次に、図4は、コピー保護(コピープロテクト)が不要のため、暗号化を施さない場合の例を示している。これは、著作権等を考慮しなくてよいユーザデータについて、上述したような暗号化を施さないでディスクに記録し、このディスクを他のディスク記録再生装置で再生する場合の例である。
【0034】
すなわち、図4において、データ処理装置100_0に供給されたユーザデータu_0は、そのまま(暗号化されずに)ディスク記録再生装置10_0に送られ、ディスク記録再生装置19_0内でも暗号化が施されずに記録信号に変換されて、ディスク30_0に記録される。このディスク30_0を他のディスク記録再生装置10_1で再生して、得られたユーザデータu_0をデータ処理装置100_1に送っている。このように暗号化を施さない場合には、ディスク30_0を複製(いわゆるディスクコピー)することも可能である。
【0035】
次に、図5は、上述したような記録IDを用いた暗号化を施すことによりディスクコピー防止することを説明するための図である。
【0036】
この図5において、データ処理装置100_0、100_1、及びディスク記録再生装置10_0、10_1は、上述した図2と共に説明した具体例と同様であるため、図中の対応する部分に同じ指示符号を付して説明を省略する。ただし、この図5の具体例では、データ記録再生装置10_1からの上記暗号化ユーザデータv(u_0,wID_0)を、他のディスク記録再生装置10_2に送って、他のディスク30_2に記録するようにしている。
【0037】
すなわち、ディスク記録再生装置10_1は、ディスク30_0を再生することで上記暗号化データf(wID_0,dID_0)及びe(v(),dID_0)を得、ディスク30_0の所定位置に書き込まれた上記ディスクID dID_0を用いて復号(暗号解読)することにより、暗号化ユーザデータv(u_0,wID_0)及び記録ID wID_0を得る。これらの内暗号化ユーザデータv(u_0,wID_0)を、そのまま他のディスク記録再生装置10_2に送って、他のディスク30_2に記録する。ディスク記録再生装置10_2は、ディスク30_2に対応するディスクID dID_2を発生してディスク30_2の所定位置に記録すると共に、データ記録の際に記録ID wID_2を発生し、この記録ID wID_2と上記暗号化ユーザデータv(u_0,wID_0)とを、ディスクID dID_2を用いた鍵によりを暗号化し、得られた暗号化データe(v(),dID_2)及びf(wID_2,dID_2)をディスク30_2に記録する。
【0038】
このディスク30_2を、ディスク記録再生装置10_3で再生する場合には、上記ディスク記録再生装置10_2に記録された暗号化データe(v(),dID_2)及びf(wID_2,dID_2)が再生されてディスク記録再生装置10_3に送られる。ディスク記録再生装置10_3では、ディスク30_2の所定位置に記録されたディスクID dID_2を読み取って、このディスクID dID_2を暗号鍵として用いることにより、上記暗号化データe(v(),dID_2)及びf(wID_2,dID_2)の復号(暗号解読)を行う。これにより、上記コピーされた暗号化ユーザデータv(u_0,wID_0)と、こ暗号化ユーザデータv(u_0,wID_0)をディスク30_2で記録した際の記録ID wID_2が復元され、暗号化ユーザデータv(u_0,wID_0)はそのまま、記録ID wID_2は暗号化演算j() が施されて、それぞれデータ処理装置100_3に送られる。データ処理装置100_3では、暗号化された記録IDj(wID_2)に対して復号演算j-1() を施して記録ID wID_2を求め、この記録ID wID_2を用いてディスク記録再生装置10_3からの暗号化ユーザデータv(u_0,wID_0)を復号(暗号解読)しようとするが、暗号化ユーザデータv(u_0,wID_0)は記録ID wID_0を鍵として用いて暗号化されたものであるため、暗号化ユーザデータv(u_0,wID_0)を復号して元のユーザデータu_0を得ることができない。
【0039】
すなわち、データ処理装置100_3においては、記録ID wID_2が返されたが、暗号化ユーザデータv(u_0,wID_0)は記録ID wID_0により暗号化されており、その矛盾から不正にディスクコピーされたことが分かる。また、暗号化ユーザデータv(u_0,wID_0)は記録ID wID_2では復号されないため、元のユーザデータu_0を得ることはできない。
【0040】
なお、上記ディスクコピーの際に、元の記録を行ったディスク記録再生装置10_0を用いて、ディスク記録再生装置10_1からの再生データをそのまま記録することも考えられるが、記録(コピー)の際に新たな記録IDが生成され、この記録IDは上記元の記録時の記録ID wID_0とは異なるものとなり、この場合も復号が行えないことになる。
【0041】
次に、図6は、ディスクコピー保護の他の例を示し、ディスクコピーの際にディスクIDを用いた暗号化を施さずに記録を行う場合を示している。
【0042】
この図6の例では、図5と共に説明したディスク記録再生装置10_1からの再生データである暗号化ユーザデータv(u_0,wID_0)をディスク記録再生装置10_2でディスク30_2に記録(コピー)する際に、上述したようなディスクIDを用いた暗号化を行わず、そのまま記録している。
【0043】
このような記録が行われたディスク10_2を、ディスク記録再生装置10_3で再生する際には、上記暗号化ユーザデータv(u_0,wID_0)のみが再生されて、そのまま(復号されずに)データ処理装置100_3に送られる。このデータ処理装置100_3には、暗号化の鍵、すなわち上記記録ID wID_0が無く、復号(暗号解読)は行われず、暗号化ユーザデータv(u_0,wID_0)をそのまま出力することになり、元のユーザデータu_0を得ることができない。
【0044】
すなわち、暗号化を施さないでディスクコピーした場合に、データ処理装置では、復号のための鍵である記録IDが返されないにも拘わらず、暗号化ユーザデータv(u_0,wID_0)が返されることから、矛盾が生じ、不正なディスクコピーがなされたことが分かる。また、暗号化ユーザデータv(u_0,wID_0)を復号するための鍵である記録ID wID_0が得られないため、ユーザデータu_0を得ることはできない。
【0045】
このように、記録IDを用いて暗号化されたユーザデータが記録されたディスクを複製(いわゆるディスクコピー)して得られたディスクの場合には、再生時に不正コピーであることが判別でき、また、暗号化ユーザデータを復号することができず、元のユーザデータを得ることができない。
【0046】
なお、本発明は、上述した実施の形態のみに限定されるものではなく、例えば上記実施の形態では、データ処理装置とディスク記録再生装置とを個別の装置として説明したが、同一筐体内の別基板、あるいは同一基板上の別回路部としたデータ処理部とデータ記録再生部の場合にも適用できる。また、記録媒体は、ディスク状記録媒体に限定されず、カード状やテープ状の記録媒体等にも適用できる。また、ユーザデータとしては、暗号化されていない平文のデータを用いてもよいが、既に他の暗号鍵により暗号化されているデータを用いてもよい。さらに、上記記録IDのみならず、ディスク等の記録媒体毎に固有の記録媒体ID(ディスクID等)や、符号化単位あるいは記録単位となるブロック(セクタ、フレーム等)毎に異なるブロックIDを用いるようにしてもよく、この場合、これらの記録ID、ディスクID、ブロックIDを生成するための乱数発生器等を共通化するようにしてもよい。この他、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることは勿論である。
【0047】
【発明の効果】
本発明にかかるデータ記録方法によれば、ディジタルデータの記録毎にそれぞれ独立の記録識別情報を生成し、この生成された記録識別情報を用いて入力データを暗号化し、少なくともこの暗号化されて得られた暗号化データと記録識別情報とを記録媒体に記録することにより、記録毎に固有の記録識別情報を用いた暗号化が施されるため、記録媒体からの再生データをそのままコピーしてもデータ解読(暗号化の復号)が行えず、コピー防止が有効に行える。
【0048】
また、上記ディジタルデータの暗号化を行うデータ処理部と上記記録媒体にデータを記録するデータ記録部とを分離して設けた場合に、データ処理部とデータ記録部との間のデータをモニタされても、データ解読が行えず、不正コピーの防止が有効に行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態が適用されるディスク記録再生装置及びデータ処理装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】暗号化データを記録したディスクを他のディスク記録再生装置で再生する場合を説明するための図である。
【図3】本発明の実施の形態が適用されるディスク記録再生装置及びデータ処理装置の具体的な構成の一例を示すブロック図である。
【図4】データを暗号化しないで記録したディスクを他のディスク記録再生装置で再生する場合を説明するための図である。
【図5】暗号化データを記録したディスクをコピーしたディスクを再生する場合の一例を説明するための図である。
【図6】暗号化データを記録したディスクをコピーしたディスクを再生する場合の他の例を説明するための図である。
【符号の説明】
10 ディスク記録再生装置、 15 変復調部、 16 バッファメモリ、17 調停部、 18 ECC部、 19,101 I/F(インターフェース)部、 20 記録ID生成部、 21,102 暗号化部、 22 復号部、 100 データ処理装置、 103 データ処理部

Claims (1)

  1. ディジタルデータの暗号化を行うデータ処理装置と、このデータ処理部からの暗号化データを記録媒体に記録するデータ記録装置とを有するデータ記録再生システムであって、
    上記データ記録装置は、
    上記ディジタルデータの記録毎にそれぞれ独立の記録識別情報を生成する手段と、
    上記記録識別情報を第1の暗号化手段により暗号化して、データ処理装置に送信する送信手段と、
    上記記録媒体に固有の記録媒体識別情報を用いて、上記記録識別情報を第2の暗号化演算により暗号化すると共に、上記データ処理装置から送られてくるデータを第3の暗号化演算により暗号化する暗号化データ生成手段と、
    上記暗号化データと上記記録識別情報とを上記記録媒体に記録する手段とを有し、
    上記データ処理装置は、
    上記データ記録装置から送信された、第1の暗号化手段により暗号化された記録識別情報を受信する受信手段と、
    上記第1の暗号化手段に対応する復号手段により、上記暗号化された記録識別情報を復号する復号手段と、
    上記データ記録装置の送信手段から送信された上記復号手段により復号された記録識別情報を用いて入力データを第4の暗号化演算により暗号化し、上記データ記録装置に送信する送信手段とを有する
    データ記録再生システム。
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