JP4210911B2 - メタルハライドランプ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、透光性セラミック製の発光管を用いたメタルハライドランプに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、メタルハライドランプ(以下、単に「ランプ」と称する場合がある)の発光管としては、石英ガラス製のものが一般的であった。しかし、近年ではこの石英ガラスに代えて、アルミナ等の透光性セラミックを用いたセラミック発光管が使われ始めている。このセラミック発光管を用いたセラミックメタルハライドランプは、旧来の石英ガラスを用いたものに比べて、発光物質であるメタルハライドと発光管材料とが反応しにくいため、安定した寿命特性を得ることができる。また発光管のサイズをコンパクトにでき、高いランプ効率、および高演色性を実現できる。
【0003】
【特許文献1】
特開2003−16998公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記のようなメタルハライドランプでは、電極材料であるタングステンが点灯中に遊離し、発光管の内壁に付着して管壁黒化を生じさせるという問題がある。このような現象が起こると、発光管の透過光量が減少し、ランプの光束維持率が低下してしまう。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、良好な光束維持率を実現できるメタルハライドランプを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、良好な光束維持率を実現できるメタルハライドランプを開発すべく鋭意研究してきたところ、発光管内に金属ハロゲン化物として、ハロゲン化ジスプロシウム、ハロゲン化ホルミウム、およびハロゲン化ツリウムからなる群より選ばれる少なくとも一種と、ハロゲン化ナトリウムおよびハロゲン化セシウムからなる群より選ばれる少なくとも一種と、ハロゲン化タリウムとともに、過剰のハロゲンを存在させることが効果的であることを見出した。
【0007】
すなわち、本発明のメタルハライドランプは、内部に一対の電極が対向して配された透光性セラミック製の発光管を備え、前記発光管内に希ガスと、水銀と、金属ハロゲン化物とが封入されたメタルハライドランプであって、前記金属ハロゲン化物が、ハロゲン化ジスプロシウム、ハロゲン化ホルミウム、およびハロゲン化ツリウムからなる群より選ばれる少なくとも一種と、ハロゲン化ナトリウムおよびハロゲン化セシウムからなる群より選ばれる少なくとも一種と、ハロゲン化タリウムとを含むとともに、前記発光管内には、前記金属ハロゲン化物を構成する金属と結合して化学量論的組成の前記金属ハロゲン化物を形成するために必要な量を超えた過剰のハロゲンが存在していることを特徴とする。
【0008】
本発明において、金属ハロゲン化物を構成するハロゲン、および過剰のハロゲンとしては、臭素、ヨウ素またはそれらの組み合わせであることが好ましい。
【0009】
本発明の水銀としては、例えば金属水銀、またはハロゲン化水銀等の水銀化合物を、単体もしくは混合物として使用できる。
また、過剰のハロゲンは、ハロゲン単体として存在させても良く、ハロゲン化水銀等のハロゲン化合物として存在させても良く、分子中のハロゲン原子が過剰な非化学量論組成の金属ハロゲン化物として存在させても良い。
【0010】
透光性セラミックの種類としては、例えばアルミナ、イットリウムアルミニウムガーネット(YAG)、酸化ベリリウム、酸化マグネシウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化イッテルビウム、窒化アルミニウム等が挙げられる。
【0011】
加えて、本発明者らは、メタルハライドランプの点灯姿勢が、一対の電極を結ぶ線が鉛直方向となる姿勢であるか水平方向となる姿勢であるかによって、水銀および過剰なハロゲンの封入量の好適な範囲が異なることを見出した。(ここで、「鉛直方向」「水平方向」とは、地に対して90°、0°の場合のみを指すのではなく、この種のランプを通常に使用可能な範囲内で上記角度から傾斜させている場合も含む意である。)
【0012】
すなわち、封入された水銀や過剰なハロゲンは、発光管内で蒸気となって対流する。水銀や過剰なハロゲン封入量が大きければ、それだけ蒸気の対流が激しくなる。
このため、図2に示すように、メタルハライドランプの点灯姿勢が、一対の電極3A、3Bを結ぶ線Lが鉛直方向となる姿勢である場合には、対流Cの影響で放電アークAの揺れが発生し、ランプの点灯状態が不安定となり易い。このアーク揺れは、主として発光管2の下側で大きくなる。
一方、図3に示すように、メタルハライドランプの点灯姿勢が、一対の電極3A、3Bを結ぶ線が水平方向となる姿勢である場合には、放電アークAが対流Cに押し上げられて上側へ大きく湾曲する。すると、発光管2の天井部分2A(点灯姿勢で上側に位置する部分)が放電アークAにより過度に熱せられ、失透(白濁化)する場合がある。
【0013】
このような現象を抑制するために、メタルハライドランプの点灯姿勢が、一対の電極を結ぶ線が鉛直方向となる姿勢である場合には、水銀の封入量を7.0mg/cm3以下とするとともに、金属ハロゲン化物を構成する金属原子のモル数Mと過剰のハロゲン原子のモル数Xとが
0<X/M≦0.15
の関係を満たすようにすることが好ましい。
【0014】
一方、メタルハライドランプの点灯姿勢が、一対の電極を結ぶ線が水平方向となる姿勢である場合には、水銀の封入量を7.0mg/cm3以下とするとともに、金属ハロゲン化物を構成する金属原子のモル数Mと過剰のハロゲン原子のモル数Xとが
0<X/M≦0.10
の関係を満たすようにすることが好ましい。
【0015】
なお、水銀の封入量の下限値は、一概に限定できるものではないが、ランプの定格電圧や発光管の容積等によって決まるものである。
【0016】
また、発光管の管壁負荷は、20〜40W/cm2の範囲内であることが好ましい。管壁負荷が20W/cm2未満ではランプの光量が不足し、40W/cm2以上ではランプの寿命が短くなってしまうためである。
また、本発明のメタルハライドランプは、平均演色評価数Ra≧80を満たすものであることが好ましい。
【0017】
【発明の作用及び効果】
請求項1の発明によれば、メタルハライドランプの点灯姿勢が、一対の電極を結ぶ線が鉛直方向となる姿勢である場合に、発光管内には過剰のハロゲンを存在させる。これにより、管壁黒化による発光管の透光率の低下を防止し、光束維持率を向上することができる。過剰のハロゲンによる黒化抑制のメカニズムは、以下のようであると考えられる。
【0018】
発光管内に存在する金属ハロゲン化物は、アーク中心で金属原子とハロゲンとに遊離し、対流によって発光管の管壁付近へ運ばれる。そして、管壁付近の比較的低温の領域でハロゲンと再結合して金属ハロゲン化物に戻る。この金属ハロゲン化物が中心付近に戻ると再び金属とハロゲンとに遊離する(ハロゲンサイクル)。ここで、発光管内には過剰のハロゲンが存在しているから、電極と遊離したタングステンは、この過剰のハロゲンによって他の金属原子と同様に捕捉され、ハロゲン化タングステンを形成する。そして、このハロゲン化タングステンは対流に乗って電極近傍に戻り、再びタングステンとハロゲンとに遊離する。このようにして、ハロゲンサイクルを利用してタングステンをハロゲンに捕捉させることにより、タングステンの発光管壁への付着を抑制し、管壁黒化を抑制することができると考えられる。
【0019】
また、水銀の封入量を7.0mg/cm3以下とするとともに、金属ハロゲン化物を構成する金属原子のモル数Mと過剰のハロゲン原子のモル数Xとが
0<X/M≦0.15
の関係を満たすようにする。このような構成によれば、過剰のハロゲンによる管壁黒化の抑制効果が得られる範囲内で、発光管内での水銀蒸気やハロゲン蒸気の対流が過度に大きくなることを防止し、放電アークの揺れを最小限度とすることができる。これにより、ランプの点灯状態を安定化することができる。
【0020】
請求項2の発明によれば、メタルハライドランプの点灯姿勢が、一対の電極を結ぶ線が水平方向となる姿勢である場合に、発光管内に過剰のハロゲンを存在させるとともに、水銀の封入量を7.0mg/cm3以下とし、かつ金属ハロゲン化物を構成する金属原子のモル数Mと過剰のハロゲン原子のモル数Xとが
0<X/M≦0.10
の関係を満たすようにする。このような構成によれば、過剰のハロゲンによる管壁黒化の抑制効果が得られる範囲内で、発光管内での水銀蒸気やハロゲン蒸気の対流が過度に大きくなることを防止し、放電アークの湾曲を抑制できる。これにより、発光管の失透を防止できる。
【0021】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。
【0022】
[試験方法]
<実施例1−1>
1)メタルハライドランプの構成
図1には、本実施例のメタルハライドランプ1の概略断面図を示した。
メタルハライドランプ1は、セラミックにより略円筒容器状に形成された外球11を備えており、その内部に支持部材12を介して発光管2が取り付けられている。
発光管2は、透光性のアルミナにより両端がテーパ状に細くなった直円筒状に形成された本体部4の両端部に、ドーナツ板状のディスク5を介して一対の細管部6を気密的に取り付けたものである(図2、図3参照)。細管部6の内部には、電極3A、3Bと、この電極3A、3Bにそれぞれ接続されたリード線7、及び透光性アルミナ製のセラミックスリーブ8が、封着ガラス9により気密的に固定されている。また、各電極3A,3Bの先端は、互いに向かいあうようにして発光管2内に突出されており、ここにはタングステンコイル10が巻回されている。この発光管2内には、希ガス、金属ハロゲン化物、および水銀が封入されている。
外球11の内部には、この発光管2とともに、発光管2にパルス電圧を与えるための始動器14、ゲッタ15が収容されている。また、外球11の開口部には、口金13が取り付けられている。
【0023】
2)試験方法
a)発光管
発光管としてはアーク長は20mm、内径は10mmのものを用いた。
【0024】
b)発光管内への封入物
金属ハロゲン化物としては、DyI3,HoI3,TmI3,TlI,およびNaIを1:1:1:0.57:7.83のモル比で混合したものを用い、この混合物を5.1g/cm3となるように封入した。
過剰のハロゲンの供給源としてヨウ化水銀を使用した。X/Mが0.05となるようにヨウ化水銀の封入量を調整した(なお、金属原子のモル数MはDy,Ho,Tm,Tl,およびNaのモル数の合計に相当し、過剰のハロゲンのモル数Xはヨウ化水銀中のヨウ素のモル数に相当する)。
同時に、発光管内に金属水銀を封入して、水銀量(ヨウ化水銀に含まれる水銀と、金属水銀との合計)が5.5g/cm3となるように調整した。
【0025】
c)寿命試験
メタルハライドランプを、一対の電極を結ぶ線が鉛直方向となる姿勢に保持し、ランプ電力250Wで点灯させた。点灯初期および3000時間経過後の光束を測定した。同時に、放電アークの揺れ、発光管の失透、黒化の発生状況について観察した。なお、このときの管壁負荷は40W/cm2であった。
次いで、メタルハライドランプを、一対の電極を結ぶ線が水平方向となる姿勢に保持し、同様に測定および観察を行った。
光束の測定結果より、それぞれについて光束維持率(点灯初期の光束/および3000時間経過後の光束)を求めた。
【0026】
<実施例1−2>
発光管内の水銀量が6.0g/cm3となるように調整した。その他は、実施例1−1と同様にして寿命試験を行った。
【0027】
<実施例1−3>
発光管内の水銀量が6.5g/cm3となるように調整した。その他は、実施例1−1と同様にして寿命試験を行った。
【0028】
<実施例1−4>
発光管として内径15mmのものを用いた。
発光管内の水銀量が6.0g/cm3となるように調整した。その他は、実施例1−1と同様にして寿命試験を行った。
なお、このときの管壁負荷は26W/cm2であった。
【0029】
<実施例1−5>
発光管内の水銀量が6.5g/cm3となるように調整した。その他は、実施例1−4と同様にして寿命試験を行った。
【0030】
<実施例1−6>
発光管内の水銀量が7.0g/cm3となるように調整した。その他は、実施例1−4と同様にして寿命試験を行った。
【0031】
<実施例1−7>
発光管として内径20mmのものを用いた。
発光管内の水銀量が7.0g/cm3となるように調整した。その他は、実施例1−1と同様にして寿命試験を行った。
なお、このときの管壁負荷は20W/cm2であった。
【0032】
<実施例1−8>
発光管内の水銀量が7.5g/cm3となるように調整した。その他は、実施例1−7と同様にして寿命試験を行った。
【0033】
<実施例1−9>
発光管内の水銀量が8.0g/cm3となるように調整した。その他は、実施例1−7と同様にして寿命試験を行った。
【0034】
<実施例2−1>
X/Mが0.1となるようにヨウ化水銀の封入量を調整した他は、実施例1−1と同様にして寿命試験を行った。
【0035】
<実施例2−2>
X/Mが0.1となるようにヨウ化水銀の封入量を調整した他は、実施例1−2と同様にして寿命試験を行った。
【0036】
<実施例2−3>
X/Mが0.1となるようにヨウ化水銀の封入量を調整した他は、実施例1−3と同様にして寿命試験を行った。
【0037】
<実施例2−4>
X/Mが0.1となるようにヨウ化水銀の封入量を調整した他は、実施例1−4と同様にして寿命試験を行った。
【0038】
<実施例2−5>
X/Mが0.1となるようにヨウ化水銀の封入量を調整した他は、実施例1−5と同様にして寿命試験を行った。
【0039】
<実施例2−6>
X/Mが0.1となるようにヨウ化水銀の封入量を調整した他は、実施例1−6と同様にして寿命試験を行った。
【0040】
<実施例2−7>
X/Mが0.1となるようにヨウ化水銀の封入量を調整した他は、実施例1−7と同様にして寿命試験を行った。
【0041】
<実施例2−8>
X/Mが0.1となるようにヨウ化水銀の封入量を調整した他は、実施例1−8と同様にして寿命試験を行った。
【0042】
<実施例2−9>
X/Mが0.1となるようにヨウ化水銀の封入量を調整した他は、実施例1−9と同様にして寿命試験を行った。
【0043】
<実施例3−1>
X/Mが0.15となるようにヨウ化水銀の封入量を調整した他は、実施例1−1と同様にして寿命試験を行った。
【0044】
<実施例3−2>
X/Mが0.15となるようにヨウ化水銀の封入量を調整した他は、実施例1−2と同様にして寿命試験を行った。
【0045】
<実施例3−3>
X/Mが0.15となるようにヨウ化水銀の封入量を調整した他は、実施例1−3と同様にして寿命試験を行った。
【0046】
<実施例3−4>
X/Mが0.15となるようにヨウ化水銀の封入量を調整した他は、実施例1−4と同様にして寿命試験を行った。
【0047】
<実施例3−5>
X/Mが0.15となるようにヨウ化水銀の封入量を調整した他は、実施例1−5と同様にして寿命試験を行った。
【0048】
<実施例3−6>
X/Mが0.15となるようにヨウ化水銀の封入量を調整した他は、実施例1−6と同様にして寿命試験を行った。
【0049】
<実施例3−7>
X/Mが0.15となるようにヨウ化水銀の封入量を調整した他は、実施例1−7と同様にして寿命試験を行った。
【0050】
<実施例3−8>
X/Mが0.15となるようにヨウ化水銀の封入量を調整した他は、実施例1−8と同様にして寿命試験を行った。
【0051】
<実施例3−9>
X/Mが0.15となるようにヨウ化水銀の封入量を調整した他は、実施例1−9と同様にして寿命試験を行った。
【0052】
<比較例1−1>
ヨウ化水銀を封入しなかった(X/M=0)他は、実施例1−1と同様にして寿命試験を行った。
【0053】
<比較例1−2>
ヨウ化水銀を封入しなかった他は、実施例1−2と同様にして寿命試験を行った。
【0054】
<比較例1−3>
ヨウ化水銀を封入しなかった他は、実施例1−3と同様にして寿命試験を行った。
【0055】
<比較例1−4>
ヨウ化水銀を封入しなかった他は、実施例1−4と同様にして寿命試験を行った。
【0056】
<比較例1−5>
ヨウ化水銀を封入しなかった他は、実施例1−5と同様にして寿命試験を行った。
【0057】
<比較例1−6>
ヨウ化水銀を封入しなかった他は、実施例1−6と同様にして寿命試験を行った。
【0058】
<比較例1−7>
ヨウ化水銀を封入しなかった他は、実施例1−7と同様にして寿命試験を行った。
【0059】
<比較例1−8>
ヨウ化水銀を封入しなかった他は、実施例1−8と同様にして寿命試験を行った。
【0060】
<比較例1−9>
ヨウ化水銀を封入しなかった他は、実施例1−9と同様にして寿命試験を行った。
【0061】
[結果と考察]
<鉛直方向の場合>
各実施例および比較例について、メタルハライドランプを、一対の電極を結ぶ線が鉛直方向となる姿勢に保持した場合の、試験条件および光束維持率を表1にまとめて示した。
【0062】
【表1】
【0063】
表1より、X/Mを0.05、0.1、0.15とした場合、のいずれにおいても、X/Mが0である場合と比べて光束維持率が向上していた。また、X/Mが大きくなるほど光束維持率は高くなっていた。しかし、X/Mが0.15を越えると、放電アークの揺れも大きくなる傾向にあった。一方、水銀の封入量が7.0mg/cm3を越えると放電アークの揺れが大きくなり、ランプの点灯状態が不安定になった。これは、発光管内の水銀および過剰のハロゲンの量が増大したために、蒸気の対流が激しくなったことによるものと考えられる。
【0064】
また、今回試験した範囲内では、管壁負荷による光束維持率への影響は見られなかった。
【0065】
以上より、メタルハライドランプの点灯姿勢が、一対の電極を結ぶ線が鉛直方向となる姿勢である場合に、水銀の封入量を7.0mg/cm3以下とするとともに、金属ハロゲン化物を構成する金属原子のモル数Mと過剰のハロゲン原子のモル数Xとが
0<X/M≦0.15
の関係を満たすようにすることが好ましいことがわかった。
【0066】
<水平方向の場合>
各実施例および比較例について、メタルハライドランプを、一対の電極を結ぶ線が水平方向となる姿勢に保持した場合の、試験条件および光束維持率を表2にまとめて示した。
【0067】
【表2】
【0068】
表2より、X/Mを0.05および0.1とした場合には、X/Mが0である場合と比べて光束維持率が向上していた。しかし、X/Mを0.15まで増大させた場合にはむしろ低下する傾向にあった。
【0069】
また、水銀の封入量が7.0mg/cm3以下では、光束維持率に変化は見られなかったが、7.0mg/cm3を越えると光束維持率は低下し、また、X/Mの増大に伴う光束維持率低下の傾向が大きくなった。光束維持率が低下したものについて、発光管の状態を観察したところ、天井部分に失透および黒化が観察された。これは、発光管内の水銀および過剰のハロゲンの量が増大したために、蒸気の対流が激しくなり、放電アークが上方へ大きく湾曲されたことによるものと考えられる。
【0070】
また、鉛直方向の場合と同様に、今回試験した範囲内では管壁負荷による光束維持率への影響は見られなかった。
【0071】
以上より、メタルハライドランプの点灯姿勢が、一対の電極を結ぶ線が水平方向となる姿勢である場合に、水銀の封入量を7.0mg/cm3以下とするとともに、金属ハロゲン化物を構成する金属原子のモル数Mと過剰のハロゲン原子のモル数Xとが
0<X/M≦0.10
の関係を満たすようにすることが好ましいことがわかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例のメタルハライドランプの概略断面図
【図2】メタルハライドランプの点灯姿勢が、一対の電極を結ぶ線が鉛直方向となる姿勢である場合の、発光管内の蒸気の対流および放電アークの様子を示す部分拡大断面図
【図3】メタルハライドランプの点灯姿勢が、一対の電極を結ぶ線が水平方向となる姿勢である場合の、発光管内の蒸気の対流および放電アークの様子を示す部分拡大断面図
【符号の説明】
1…メタルハライドランプ
2…発光管
3A、3B…電極
Claims (2)
- 内部に一対の電極が対向して配された透光性セラミック製の発光管を備え、前記発光管内に希ガスと、水銀と、金属ハロゲン化物とが封入されたメタルハライドランプであって、
前記メタルハライドランプの点灯姿勢が、前記一対の電極を結ぶ線が鉛直方向となる姿勢であるとともに、
前記金属ハロゲン化物が、ハロゲン化ジスプロシウム、ハロゲン化ホルミウム、およびハロゲン化ツリウムからなる群より選ばれる少なくとも一種と、ハロゲン化ナトリウムおよびハロゲン化セシウムからなる群より選ばれる少なくとも一種と、ハロゲン化タリウムとを含み、
かつ、前記発光管内には、前記金属ハロゲン化物を構成する金属と結合して化学量論的組成の前記金属ハロゲン化物を形成するために必要な量を超えた過剰のハロゲンが存在しており、
前記発光管の単位容積あたりの前記水銀の封入量が7.0mg/cm 3 以下であり、
かつ、前記金属ハロゲン化物を構成する金属原子のモル数と前記過剰のハロゲン原子のモル数とが
0<X/M≦0.15
(式中、Xは前記過剰のハロゲン原子のモル数、Mは前記金属ハロゲン化物を構成する金属原子のモル数)
の関係を満たすことを特徴とするメタルハライドランプ。 - 内部に一対の電極が対向して配された透光性セラミック製の発光管を備え、前記発光管内に希ガスと、水銀と、金属ハロゲン化物とが封入されたメタルハライドランプであって、
前記メタルハライドランプの点灯姿勢が、前記一対の電極を結ぶ線が水平方向となる姿勢であるとともに、
前記金属ハロゲン化物が、ハロゲン化ジスプロシウム、ハロゲン化ホルミウム、およびハロゲン化ツリウムからなる群より選ばれる少なくとも一種と、ハロゲン化ナトリウムおよびハロゲン化セシウムからなる群より選ばれる少なくとも一種と、ハロゲン化タリウムとを含み、
かつ、前記発光管内には、前記金属ハロゲン化物を構成する金属と結合して化学量論的組成の前記金属ハロゲン化物を形成するために必要な量を超えた過剰のハロゲンが存在しており、
前記発光管の単位容積あたりの前記水銀の封入量が7.0mg/cm3以下であり、
かつ、前記金属ハロゲン化物を構成する金属原子のモル数と前記過剰のハロゲン原子のモル数とが
0<X/M≦0.10
(式中、Xは前記過剰のハロゲン原子のモル数、Mは前記金属ハロゲン化物を構成する金属原子のモル数)
の関係を満たすことを特徴とするメタルハライドランプ。
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2003
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