JP4209970B2 - 汚水の投入・計量装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、汚水処理施設に投入される汚水量を精度良く計量できるようにするとともに、汚水投入管内における汚濁沈降物の付着・堆積を防止するようにした汚水の投入・計量装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
たとえば、飛行機、列車や乗合いバスなどの人員輸送用乗り物のトイレに貯留された、し尿汚水は、到着便毎にラバトリカーなどの汲み取り車によって汲み取られ、所定の汚水処理施設まで運搬され後、汚水処理されている。
【0003】
たとえば、飛行機から汲み取られる航空機汚水の場合には、同一の処理施設によってJAS、JAL及びANAなどの各航空機会社のし尿汚水を処理するようにしており、各航空機会社毎に汚水投入量を精度良く管理する必要がある。そのため、図3に示されるように、汚水投入槽54において、汚水投入用ホッパ50の下端口に水平配向の汚水投入管51を設けるとともに、この汚水投入管51の途中に電磁流量計52を配置し、前記汚水投入槽54に投入される汚水量を計量するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ラバトリーカー53から投入される、し尿汚水がホッパ内面を激しく叩きながら投入されると、汚水の流入に伴って周辺空気を巻込み、汚水と共に汚水投入管51内にエアが随伴されるため流体の見掛け容積が変化し、電磁流量計52の計量値に大きな誤差が生じるなどの問題があった。
【0005】
また、電磁流量計52を取り付けるためには、前述のように、たとえば水平配向の汚水投入管51を設けなければならず、この汚水投入管51内部に汚濁沈降物が付着・堆積し管路断面を狭めるまたは閉塞させる、さらには堆積物によって偏流が生じ汚水計量誤差の原因となるなどの問題が生じていた。
【0006】
そこで本発明の主たる第1の課題は、し尿の投入時に随伴されるエアを極力無くすとともに、仮に汚水投入管内に汚水と共にエアが随伴されたとしてもこの随伴エアを電磁流量計の直前で外部に排除することにより、汚水処理施設に投入される汚水を精度良く計量できるようにすることにある。
【0007】
また、第2の課題は、汚水投入管内に付着・堆積する汚濁沈降物を強制除去することにより、管路断面の縮小や閉塞を防止するとともに、均一な流れを確保し計量誤差を低減するようにした汚水の投入・計量装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために本発明は、汚水投入槽の上部に設けられ、投入される汚水を受け入れするとともに、投入された汚水を計量するための投入・計量装置であって、
前記投入・計量装置は、汚水が投入される汚水投入用ホッパと、この汚水投入用ホッパの下端口に連設されるとともに、管路途中に電磁流量計が配設された汚水投入管とから構成され、前記汚水投入管の先端吐出口の高さ位置を前記汚水投入用ホッパの下端口高さ位置よりも上位に設定することにより、液面水位が汚水投入用ホッパ内に保持されるようにしてあることを特徴とするものである。
【0009】
かかる汚水投入・計量装置において、前記汚水投入管を、前記汚水投入用ホッパの下端口に連設される屈曲管路部と、この屈曲管路部に接続された略水平管路部と、この略水平管路部に接続された上向き屈曲管路部とから構成し、前記略水平管路部に配設された電磁流量計の流入側管路部分に絞り管路部を設けるとともに、この絞り管路部の直前であってかつ汚水投入管の上面に一端が接続されたエア抜き管を配設するのが望ましい。
【0010】
また、前記汚水投入管内における汚濁沈降物の付着・堆積を防止するために前記屈曲管路部に対して略水平管路部に噴射方向を向けた付着・堆積防止用噴射ノズルを設け、適時この付着・堆積防止用噴射ノズルから噴射される高圧水によって付着・堆積物を除去するようにするのが望ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳述する。
図1は本発明に係る汚水投入・計量装置3が設置された投入汚水投入槽1の断面図であり、図2は汚水投入・計量装置部の拡大断面図である。
【0012】
飛行機内に貯留されたし尿汚水は、ラバトリーカーと呼ばれる汲取り車11によって汲み取られ、汚水処理施設10まで運搬された後、最初の受け入れ槽となる汚水投入槽1に投入される。
【0013】
この汚水投入槽1は、槽底部に紙・繊維質類を含むし尿汚水を集積するための汚水集積溝9が形成されているとともに、この汚水集積溝9に向かって傾斜する傾斜底8が設けられ、かつ槽下部側にはエア吹き込み管13を横行配置し、隣接するポンプ室のブロア12から供給されるエアを汚水中に吹き込み、汚水を攪拌するようになっている。
【0014】
一方、前記汚水投入槽1の上部には、前記汲取り車11から投下される汚水を受け入れするとともに、汚水の投入量を計量するための汚水投入・計量装置3が設けられている。なお、航空機汚水は、一般住宅などの通常のし尿汚水と比べると、トイレットペーパー、生理用品などの不織布等の紙・繊維質類の他に、金属片類、ガラス瓶、プラスチック等の固形物類等、多種多様の夾雑物が混入しているため、前記汚水投入・計量装置3を囲繞する固形物分槽分離槽4を設けるとともに、この固形物分離槽4の底部より若干上側の側壁に一端が接続された汚水落し込み管5を設け、金属類等の比重の大きな沈降夾雑物をここで除去するようにしている。
【0015】
以下、具体的に前記汚水投入・計量装置3について詳述すると、前記汚水投入・計量装置3は、詳細には図2に示されるように、汚水を受け入れする汚水投入ホッパ4と、この汚水投入ホッパ15の下端口4aに連設されるとともに、管路の途中に電磁流量計18が配設された汚水投入管5とから構成されている。この汚水投入管5は、前記汚水投入ホッパ4の下端口4aから順に、屈曲管路部15、第1水平管路部16、絞り管路部17、電磁流量計18,拡径管路部19、第2水平管路部20,上向き屈曲管路部21とから構成されており、前記上向き屈曲管路部21の汚水吐出口21aの高さ位置を前記汚水投入用ホッパ4の下端口4a高さ位置よりも上位に設定することにより、液面水位Lが汚水投入用ホッパ4内に保持されるようにしてある。前記ホッパ下端口4aから液面水位Lまでの水深は、概ね50mm以上、好ましくは70mm以上確保するのが望ましい。
【0016】
また、前記電磁流量計18への流入側に絞り管路部17を挿入し、かつこの絞り管路部17の直前であってかつ管路の上面に一端が接続され、他端が前記汚水投入ホッパ4の上側に接続されたエア抜き管22が設けられている。前記絞り管路部17の始点と前記エア抜き管22との距離Sは、概ね200〜300mmの範囲とするのが良い。なお、前記エア抜き管22は混入したエアを外部に排出できればよいため、鉛直方向の直管とし上部側口を単に開口としておくことでもよい。
【0017】
一方、前記屈曲管15のR部には第1水平管路部16側に噴射口を向けた噴射ノズル23が設けられており、高圧水送給管24を通じて送られた高圧水を管内に向けて噴射可能となっている。たとえば、管内に汚濁沈降物の付着や堆積が生じた場合に、前記噴射ノズル23から高圧水を噴射させることにより、前記付着や堆積を取り除き、管路の縮小や閉塞を防止するとともに、偏流を防止することにより前記電磁流量計18の誤差が大きくなるのを防止する。なお、25は前記高圧水の供給を制御するオンオフ弁である。
【0018】
他方、前記汚水投入ホッパ4の上端口部には、シリンダ30のピストン31に開閉ゲート32が連結された汚水投入口開閉装置が設けられており、投入時以外は前記汚水投入ホッパ4の開口を閉鎖するようになっている。
【0019】
かかる汚水投入設備において、ラバトリーカー11が汚水処理施設10に到着すると、操作盤26の操作により前記シリンダ30を稼働し、開閉ゲート32をスライドさせて汚水投入ホッパ4の投入口を開とした後、前記ラバトリーカー11から汚水投入ホッパ4に汚水が投入される。
【0020】
前記汚水投入ホッパ4に対して、汲み取り車11から汚水が投入されると、液面が激しく叩かれ波打つようになるが、汚水投入ホッパ4内に液面水位Lが保持されているため、汚水中にエアが巻き込まれても直ぐに浮上し汚水投入管5にエアが流入することがほとんど無くなる。仮に、巻き込まれたエアがそのまま汚水と共に汚水投入管5内に流入したとしても、管路の上面側を這うように流れる前記エアは前記エア抜き管22から汚水投入ホッパ4の上部に排出される。このエア抜きに際し、エア抜き管22の後方側に前記絞り管路部17を配することにより効果的に前記エア抜きが行われるようになっている。すなわち、絞り管路部17手前の一般管路部16において、管路上側にエア溜まりを生成させ易くすることにより、電磁流量計18の上流部で効率的なエア抜きを促進させることが可能となっている。
【0021】
以上のように、汚水投入ホッパ4内に液面水位Lが保持されることによりエアの随伴が防止され、かつたとえエアが混入しても電磁流量計18に到達する前にエア抜き管22よりエアが排出されるため、後述の実施例に示されるように、電磁流量計18における計量誤差が従来のものよりも格段に小さくなり、計量精度が大幅に向上する。
【0022】
前記上向き屈曲管21の吐出口21aより固形物分離槽6内に排出された汚水は、ここで金属等の夾雑物が分離除去される。すなわち、汚水中の、金属類等の比重の大きな固形夾雑物については固形物分離槽4の底部に沈降分離し、それ以外の紙・繊維質類を含む汚水については前記汚水落し込み管7,7より汚水集積溝汚水投入槽1内に投入される。
【0023】
汚水投入槽1では、連続的または断続的にエアの吹き込みが行われ、汚水を攪拌することにより液面に浮上している紙・繊維質類を沈降させるとともに、攪拌流により傾斜底8に堆積している紙・繊維質類を剥離させ、汚水集積溝9に効果的に集積させるようにしている。この汚水集積溝9に貯留された紙・繊維質類を含む汚水は、引抜きと破砕を兼ねるカッターポンプ26により次の固形分離工程に送られ、ドラムスクリーンなどの固液分離装置によって紙・繊維質類が取り除かれた後、その濾液が次の活性汚泥処理に送られると共に、分級された紙・繊維質類はスクリュープレスなどの脱水装置に掛けられる。
【0024】
【実施例】
図3に示される従来型の計量装置による計量誤差と図2に示される本発明計量装置による計量誤差を比較することにより、本発明の効果を検証した。
【0025】
表1は、実投入量と図3に示される従来型の計量装置による計量値とを対比したデータシートであり、表2は実投入量と図2に示される本発明計量装置による計量値とを対比したデータシートである。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】
表1および表2から一見して明らかなように、従来型の計量装置では誤差が0〜85%の範囲で大きくばらついているのに対し、本発明計量装置の場合にはすべて10%の範囲に収まっており、計量精度が大幅に向上していることが判明している。
【0029】
【発明の効果】
以上詳説のとおり、本発明によれば、汚水投入ホッパ内に液面水位を確保するようにしたため、し尿の投入時にエアの巻込みを極力無くすことができるようになるとともに、仮に汚水投入管内に汚水と共にエアが随伴されたとしてもこのエアを電磁流量計の手前で外部に排除することにより汚水処理施設に投入される汚水を精度良く計量できるようになる。
【0030】
また、汚水投入ホッパ下の屈曲管路部に噴射ノズルを設けるようにしたため、管路内での汚濁沈降物の付着、堆積を防止し偏流を無くすようにしたため、誤差要因の排除により計量精度を常時維持し得るようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本汚水投入・計量装置3が設置された投入汚水投入槽1の断面図である。
【図2】汚水投入・計量装置3の拡大断面図である。
【図3】従来の投入・計量装置の示す汚水投入槽の断面図である。
【符号の説明】
1…汚水投入槽、3…汚水投入・計量装置、4…汚水投入ホッパ、4a…下端口、5…汚水投入管、6…固形物分離槽、7…汚水落し込み管、15…屈曲管路部、16…第1水平管路部、17…絞り管路部、18…電磁流量計、19…拡径管路部、20…上向き屈曲管路部、21a…汚水吐出口、22…エア抜き管、23…噴射ノズル、L…液面水位
Claims (3)
- 汚水投入槽の上部に設けられ、投入される汚水を受け入れするとともに、投入された汚水を計量するための投入・計量装置であって、
前記投入・計量装置は、汚水が投入される汚水投入用ホッパと、この汚水投入用ホッパの下端口に連設されるとともに、管路途中に電磁流量計が配設された汚水投入管とから構成され、前記汚水投入管の先端吐出口の高さ位置を前記汚水投入用ホッパの下端口高さ位置よりも上位に設定することにより、液面水位が汚水投入用ホッパ内に保持されるようにしてあることを特徴とする汚水の投入・計量装置。 - 前記汚水投入管は、前記汚水投入用ホッパの下端口に連設された屈曲管路部と、この屈曲管路部に接続された略水平管路部と、この略水平管路に接続された上向き屈曲管路部とから構成され、前記略水平管路部に配設された電磁流量計の流入側管路部分に絞り管路部を設けるとともに、この絞り管路部の直前であってかつ汚水投入管の上面に一端が接続されたエア抜き管を配設してある請求項1記載の汚水の投入・計量装置。
- 前記屈曲管路部に対して略水平管路部に噴射方向を向けた付着・堆積防止用噴射ノズルを設けてある請求項2記載の汚水の投入・計量装置。
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JP26935498A JP4209970B2 (ja) | 1998-09-24 | 1998-09-24 | 汚水の投入・計量装置 |
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- 1998-09-24 JP JP26935498A patent/JP4209970B2/ja not_active Expired - Lifetime
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