JP4209497B2 - 回動部材用回動位置検出装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばミリ波ユニットのアンテナなどの回動部材の位置を検出する回動部材用位置検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、自動車に衝突警報装置や車間距離制御装置を装備することが試みられている。この種の装置は、車体の前方または後方の車両や障害物との距離、相対速度などをミリ波帯の電波を使用するミリ波ユニットによって検出する構成を採っている。
【0003】
このミリ波ユニットは、アンテナと、このアンテナを回動方向が車体の左右方向になるように回動させるアクチュエータと、光センサおよびスリット付検出板によってアンテナの位置を検出する回動位置検出装置と、アンテナの位置と受信データとに基づいて被検出物との距離、相対速度などを求める電子制御装置(図示せず)などから構成している。
【0004】
この種の従来のミリ波ユニットの構成を図13ないし図16によって説明する。
図13は従来のミリ波ユニットの縦断面図、図14はアクチュエータ上部の平面図、図15は検出板の動作を説明するための図、図16はアンテナの位置と光センサの出力との関係を示すタイムチャートである。
【0005】
これらの図において、符号1は従来のミリ波ユニットが装備するアンテナを示し、2は前記アンテナを駆動するためのアクチュエータを示す。前記アクチュエータ2は、側面視において車体の前後方向の一方に向けて開放するコ字状に形成したフレーム3に後述する各部材を取付けている。
【0006】
前記フレーム3は、鋼板からなり、上下方向延在部3aの上下方向の両端部に水平方向延在部3b,3cを一体に形成している。前記上下方向延在部3aの中央にモータ4をブラケット(図示せず)を介して取付けている。なお、このフレーム3は、前記上下方向延在部3aを車体に図示していないブラケットなどを介して固定する構造を採っている。前記モータ4は、出力軸5の軸線方向が上下方向を指向するように位置付け、出力軸5を下方に向けて突出させている。
【0007】
前記アンテナ1は、アンテナ本体6と、このアンテナ本体6の裏側であって上端部と下端部に設けた連結部材7,8とから構成し、これらの連結部材7,8をそれぞれ前記フレーム3に支軸9を介して回動自在に取付けている。支軸9は、一端を連結部材7,8に固定するとともに、他端を前記フレーム3の水平方向延在部3b,3cに軸受10および軸受ホルダ11を介して回動自在に支持させている。
【0008】
アンテナ1の下側の連結部材7は、図13中に符号12で示すクランク式伝動装置を介して前記モータ4の出力軸5に連結している。この伝動装置12は、前記出力軸5に固定した第1のクランク13と、この第1のクランク13に第1のクランクピン14および軸受15を介して回転自在に連結した第2のクランク16と、この第2のクランク16に第2のクランクピン17および軸受18を介して回転自在に連結した連結部材7側のアーム19とを備え、モータ4の出力軸5が回転することによって前記アーム19(アンテナ1)が前記支軸9を中心として図14中に二点鎖線で示すように一定角度だけ回動する構造を採っている。アンテナ1を回動させるために上述したようなクランク式伝動装置12を使用するのは、モータ4の回転方向が一方向のみになるようにしてモータ4の耐久性を高くするためである。
【0009】
アンテナ1の上側の連結部材8には、アンテナ1の回動位置を検出するための回動位置検出装置20の一部を構成する検出板21を固定している。この検出板21は、図14および図15に示すように平面視において台形状に形成し、貫通穴からなるスリット22を1箇所に形成しており、前記フレーム3に固定した光センサ23の凹溝23a(図13参照)にスリット形成部分が臨むように位置付けている。
【0010】
光センサ23は、光路が前記凹溝23aを上下方向に横切るように受・発光素子23b(図14,14参照)を設けている。なお、前記スリット22は、設計上においてアンテナ1の主面が車体の前後方向と直交するような状態で、一側縁の近傍を光センサ23の光が通過するように形成している。
【0011】
従来のミリ波ユニットに搭載する回動位置検出装置20は、前記光センサ23から生じる出力パルスに基づいてアンテナ1の位置を検出する電子回路からなる位置検出手段24を備えている。この位置検出手段24の構成の説明を含めて回動位置検出装置20の動作を以下に説明する。
【0012】
モータ4の駆動によりアンテナ1とともに検出板23が回動して前記スリット22が光センサ23の光路に位置するようになると、このスリット22を光が通過し、受光素子がON状態になる。検出板21が図14および図15(a)に示す位置にあるとき、すなわちアンテナ1の主面が車体の前後方向を指向し振れ角が0°になるときには、図16中に符号Aで示すように出力パルスが発生する。
【0013】
アンテナ1とともに検出板21が前記位置から図14,15において反時計方向へスリット22が光センサ23の光路から外れるまで{図15(b)参照}回ることにより、前記出力パルスは図16において符号Bで示すように消失する。さらにモータ4が回ることによりアンテナ1の回転方向が反転して図14,15において時計方向になり、前記光路にスリット22が入るようになって出力パルスが再び発生する。そして、図15(c)に示すようにスリット22の前記側縁が光路から外れることによって、図16中に符号Cで示すように前記出力パルスが消失する。その後、アンテナ1は、図15(d)に示すように回動端まで時計方向に回った後、回転方向が反転して反時計方向に回るようになる。
【0014】
光センサ23に接続した位置検出手段24は、図16中の符号Aと符号Cで示すとき(前記出力パルスが発生したときと、アンテナ1が反転してから生じた出力パルスが消失したとき)にアンテナ1が基準位置(図16中のアンテナ振れ角−時間曲線において0°の位置)にあると設定する。アンテナ1の振れ角の経時変化は、モータ4の回転が一定であれば設計上では図16中に太線で示す振れ角−時間曲線のように規則的である。位置検出手段24は、この特性を利用してアンテナ1の位置を検出する構成を採っている。すなわち、位置検出手段24は、基準位置に達した後の経過時間に基づいてアンテナ1の位置を検出するような回路を採っている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、上述したように構成した従来の回動位置検出装置20によって検出したアンテナ1の位置(以下、この位置を単に理論位置という)は、アンテナ1の実際の位置(以下、この位置を単に真の位置という)に対してずれてしまうことがあった。
【0016】
これは、アンテナ1に回動運動をさせるためにクランク式伝動装置12を使用していることが原因であった。すなわち、クランク機構を構成する各部材の製造誤差および組立誤差によって、アンテナ1の回動運動の角度(振れ角)や軌跡(振れ角−時間曲線)が製品毎にばらついてしまうからである。また、光センサ23および検出板22の取付位置の精度が低いと、クランク機構の前記誤差が小さくても理論位置と真の位置とに差が生じるからである。
【0017】
アンテナ1の真の位置は、例えば図16中に一点鎖線で示す振れ角−時間曲線のように変化することがあった。この例では、同図において実線で示す設計上の振れ角−時間曲線に対して振れ角が大きくなっていることが分かる。このため、回動位置検出装置20が基準位置を検出した後、時間T1が経過したときのアンテナ1の真の位置は、理論位置に対してΔY1°だけ大きく回動した位置になる。また、図16中に符号Cで示す基準位置から時間T2が経過したときのアンテナ1の真の位置は、理論位置に対してΔY2だけ大きく回動した位置になる。アンテナ1の真の位置は、図16中に破線で示す2本の振れ角−時間曲線の間で製品毎に変わることが分かった。
【0018】
アンテナ1を回動させるための機構としてクランク機構より構造が単純なものを採用することによって、上述した不具合はある程度は解消することができる。しかし、上述したようにモータ4の耐久性が低くならないようにモータ4の回転方向を一方向とするためには、クランク機構は構造が簡単でコストも低いので、この機構を採用することが望ましい。
【0019】
本発明はこのような問題点を解消するためになされたもので、アンテナのような回動部材の真の位置を正確に検出することができる回動部材用回動位置検出装置を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために本発明に係る回動部材用回動位置検出装置は、正転・逆転を繰返すモータ駆動式回動部材と、受・発光素子を有する光センサと、この光センサの光路に臨む部分にスリットを回動方向に沿って多数形成し、回動部材とともに一体的に回動する検出板と、前記光センサに接続した位置検出装置本体とを備え、前記光センサを、一つのスリットが光路を横切る間に位相差をもって第1の出力パルスと第2の出力パルスとを各別の出力部から位置検出装置本体に送出するように構成し、前記位相差を、スリットの形成間隔を1周期としてこの周期に比例する時間とし、前記位置検出装置本体を、第1の出力パルスと第2の出力パルスの発生順序が反転したことを検出する回動端検出手段と、出力パルスの発生順序が反転した後に再び反転するまでの間の出力パルスの数に基づいて回動部材の位置を検出する位置検出手段とから構成したものである。
【0021】
本発明によれば、回動部材が反転する位置に基づいて回動部材の位置を検出することができるから、検出位置と回動部材の真の位置とが一致するようになる。
【0022】
他の発明に係る回動部材用回動位置検出装置は、上述した発明に係る回動部材用回動位置検出装置において、回動部材を、モータの回転を回動運動に変えるクランク式伝動装置を介してモータに接続したアンテナとしたものである。
この発明によれば、モータを一方向に回転させてアンテナが回動するミリ波ユニットの前記アンテナの位置を正確に検出することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
第1の実施の形態
以下、本発明に係る回動部材用回動位置検出装置の一実施の形態を図1ないし図11によって詳細に説明する。ここでは、本発明に係る回動部材用回動位置検出装置をミリ波ユニットに装備する場合に採る形態について説明する。
【0024】
図1は本発明に係る回動部材用回動位置検出装置を装備したミリ波ユニットの縦断面図、図2はミリ波ユニットをモータ側から見た状態を示す正面図、図3は同じくクランク式伝動装置側から見た状態を示す底面図、図4は同じく回動位置検出装置側から見た状態を示す平面図、図5はクランク式伝動装置の動作を説明するための構成図である。
【0025】
図6はミリ波ユニットの概略構成を示す分解斜視図、図7はミリ波ユニットの構成を示すブロック図、図8は光センサの構成を示すブロック図、図9は光センサの出力を示すタイムチャート、図10はアンテナの位置と光センサの出力との関係を示すタイムチャート、図11は図10の一部を拡大して示す図である。これらの図において前記図13ないし図16で説明したものと同一もしくは同等部材については、同一符号を付し詳細な説明は省略する。
【0026】
この実施の形態によるミリ波ユニットは、前記図13で示した従来のものとアンテナの連結構造および回動位置検出装置の構成が異なる他は、同等の構造を採っている。
【0027】
アンテナ1とアクチュエータ2との連結は、図1および図6に示すように、アンテナ1の裏側に側面視コ字状の連結部材31を固定手段(図示せず)によって固定し、この連結部材31の下端部と上端部とに形成した水平延在部33,34をアクチュエータ2のフレーム3に支軸9を介して回動自在に連結する構造を採っている。
【0028】
連結部材31は、この実施の形態では側面視コ字状の鋼板からなり、この連結部材31における図1において上下方向の中央部に固定手段を介してアンテナ1を取付けている。連結部材31の下端部と上端部の二つの水平延在部33,34のうち下側の水平延在部33は、クランク式伝動装置12の第2のクランクピン17に連結するアーム35を一体に形成している。連結部材31の上側の水平延在部34は、後述する回動位置検出装置41の検出板42を固定している。
【0029】
アンテナ1を上述したようにアクチュエータ2に連結することにより、モータ4の回転がクランク式伝動装置12によって回動運動に変換され、アンテナ1が連結部材31とともに支軸9を中心にして回動する。すなわち、図3に示す状態でモータが同図において反時計方向に回転することにより、図5(a)〜(c)に示すように、クランク式伝動装置の第1のクランク13の回転が第2のクランク16によって往復運動に変換されて連結部材31のアーム35に伝達され、このアーム35とともにアンテナ1が支軸9を中心として回動する。
【0030】
このミリ波ユニットに装備する回動位置検出装置41は、図1、図4および図6に示すように、前記検出板42と、アクチュエータ2のフレーム3に支持板43を介して固定した光センサ44と、この光センサ44に接続した電子回路からなる位置検出装置本体45(図7参照)とから構成している。図1および図4において光センサ44の近傍に設けた符号46で示すものは、光センサ44と位置検出装置本体45とを接続するリード線47のコネクタである。
【0031】
前記検出板42は、光センサ44の凹溝44aに先端の扇状部42a(図4および図6参照)を臨ませて連結部材31に固定してあり、扇状部42aに貫通穴からなるスリット48を連結部材31の回動方向に沿って等間隔おいて多数形成している。扇状部42aは、前記支軸9が扇の中心になるように形成している。
【0032】
前記光センサ44は、図8に示すように、発光素子49(LED)と複数の受光素子50(フォトダイオード)を備え、図9に示すように一定の位相差φをもって2種類の出力パルスが生じる「A」,「B」2チャンネル式のものを使用している。発光素子49と受光素子50との間の光路は、前記凹溝44aを上下方向に横切るように設定している。前記出力パルスの位相差φは、Aチャンネルの出力パルスのパルス幅の中心から、Bチャンネルの出力パルスのパルス幅の中心までの時間であり、この実施の形態では、検出板42のスリット48の形成間隔P(繰返し生じる出力パルスの間隔)を1周期とすると約1/4周期になるように設定している。
【0033】
この光センサ44を使用すると、図8において例えば検出板42が下側へ移動する場合には、一つのスリット48が光路を横切る間に先ずAチャンネルに出力パルスが発生し、その後、スリットの形成間隔P(1スリット通過してから次のスリットが通過するまでの時間)を1周期として約1/4周期遅れてBチャンネルに出力パルスが発生する。検出板42の移動方向が上記とは逆の場合には、最初にBチャンネルに出力パルスが発生し、その後、約1/4周期遅れてAチャンネルに出力パルスが発生する。
【0034】
検出板42はアンテナ1とともに回動するため、アンテナ1の振れ角に対する光センサ44の出力パルスの発生状態は図10および図11に示すようになる。すなわち、アンテナ1が振れ角0°の位置から振れ角+Y°側の回動端に向けて回っている状態でAチャンネルの出力パルス(図10中に描いた第1番目の出力パルス)がBチャンネルの出力パルスより先に出力される場合には、アンテナ1が回動端まで回って反転することにより出力パルスの発生順序が逆になり、Bチャンネルの出力パルスがAチャンネルの出力パルスより先に出力されるようになる。また、アンテナ1が振れ角0°の位置から振れ角−Y°側の回動端に向けて回り、この回動端で反転するときには、図11に示すようにBチャンネルの出力パルスが先行して発生する状態からAチャンネルの出力パルスが先行して発生する状態に移行する。
【0035】
なお、図10および図11に示すように、出力パルスが発生している時間に長短があるのは、アンテナ1の回動位置が反転位置付近にあるときには角速度が相対的に遅くなるからである。このように角速度が遅くなってスリット48が光路を横切るために要する時間が長くなる場合でも、各スリット48が光路を横切るときの周期に対するAチャンネルの出力パルスとBチャンネルの出力パルスとの位相差φ(この実施の形態では約1/4周期)の比率は変化しないので、両出力パルスの何れが先行しているかは検出可能である。
【0036】
この回動位置検出装置41の位置検出装置本体45は、アンテナ1が反転する毎にAチャンネルとBチャンネルの出力パルスの発生順序が変化する現象を利用してアンテナ1の位置を検出する回路を採っている。
位置検出装置本体45は、図7に示すように、後述する回動端検出手段51と位置検出手段52とを有し、ECU53およびセンサ部処理回路54に接続している。ECU53は、アンテナ1側のミリ波ユニット55の受信データと、位置検出装置本体45が検出したアンテナ1の位置とに基づいて被検出物との距離、相対速度などを求めるためのものである。センサ部処理回路54は、光センサ44および位置検出装置本体45を制御するためのものである。アクチュエータ2のモータ4は、前記ECU53を介してバッテリーなどの電源56から給電されるようにしている。
【0037】
回動端検出手段51は、前記Aチャンネルの出力パルスとBチャンネルの出力パルスの発生時期を比較し、これら両パルスの発生順序が反転したことを検出する回路を採っている。詳述すると、この回動端検出手段51は、前記位相差φをおいて出力される二つの出力パルスを比較し、これらの出力パルスの発生順序が逆になったときに後述する位置検出手段52に回動端検出信号を送出する。例えば、図10の第3番目、第14番目、第25番目の出力パルスが生じたときに回動端検出信号を位置検出手段に送出する。
【0038】
位置検出手段52は、前記回動端検出信号を入力したときから再び回動端検出信号を入力するまでの間、言い換えればアンテナ1が反転してから再び反転するまでの間の例えばAチャンネルの出力パルス数を計数し、この出力パルス数に基づいてアンテナ1の位置を検出する回路を採っている。すなわち、回動端検出信号が2回入力される間の出力パルス数はアンテナ1の全振れ角に相当するので、計数終了後(回動端検出信号を入力した後)に前記出力パルス数の1/2だけ出力パルスが発生したことを検出することによって、アンテナ1の振れ角が0°になるときの位置を検出することができる。
【0039】
例えば図10に示す例においてアンテナ1が振れ角0°の位置に移動したことを検出するためには、前記出力パルス数(アンテナ1が2回反転する間のパルス数)は11であるので、出力パルスの発生順序が反転した後(アンテナが反転した後)に出力パルスが5回発生したことを検出することによって実施することができる。
【0040】
したがって、上述したように構成した回動位置検出装置41においては、アンテナ1が反転する位置に基づいてアンテナ1の位置を検出することができるから、この回動位置検出装置41が検出した理論位置とアンテナの真の位置とが一致するようになる。
【0041】
このため、クランク式伝動装置12を構成する部材の製造誤差、組立誤差や光センサ44および検出板42の取付位置の精度に影響を受けることなくアンテナ1の位置を正確に検出することができる。
クランク式伝動装置12のクランク機構を構成する部材が摩耗するとアンテナ1の全振れ角が変化することがある。しかし、アンテナ1が反転した後に次に反転するまでに発生する出力パルス数に基づいてアンテナ1の位置を検出する構成を採っているため、前記部材の摩耗によって検出位置が変化することはない。すなわち、振れ角が0°になるときのアンテナ1の位置を基準位置とする場合では、アンテナ1の全振れ角が変化したことに起因して前記出力パルス数が変化しても、この出力パルス数の1/2に相当する位置を検出することによって基準位置を正確に検出することができる。さらに、経年変化によりアンテナ1に対する光センサ44の組付位置が変化し、アンテナ1の位置と光センサ44の出力に位相差が生じるようなことがあったとしても、回動位置検出装置41が検出する基準位置に誤差が生じることはない。
【0042】
さらにまた、Aチャンネルの出力パルスとBチャンネルの出力パルスのうち先行して発生する出力パルスが何れであるかを検出することができるので、アンテナ1が回る方向をも検出することができる。このため、アンテナ1が例えば車体の前方に対して左側に5°傾いている状態を簡単に検出することができる。
【0043】
なお、この実施の形態ではアンテナ1が反転してから再び反転するまでに発生する出力パルスの数が11になる例を示したが、この出力パルスの数は検出板42のスリット48の数量を変えることによって適宜変更することができる。スリット48の数量を増加させることによって分解能が高くなるので、アンテナ1の位置をより一層正確に検出することができる。
【0044】
第2の実施の形態
検出板に形成するスリットは、図12(a)に示すように、形成する位置に応じて開口幅を変えることができる。
図12は他の実施の形態を示す図で、同図(a)は検出板の平面図、同図(b)はアンテナの位置と光センサの出力との関係を示すタイムチャートである。これらの図において前記図1ないし図11で説明したものと同一もしくは同等部材については、同一符号を付し詳細な説明は省略する。
【0045】
図12(a)に示す検出板42のスリット48は、スリット列の中央で開口幅が最大になり、スリット列の両端で開口幅が最小になるように、開口幅を漸次変えて形成している。なお、これらのスリット48の間隔P(形成ピッチ)は、この実施の形態では一定になるようにしている。
【0046】
クランク式伝動装置によってアンテナとともに検出板42を揺動させる構造を採ると、アンテナの動作方向が反転するとき、すなわち図12(a)に示す検出板42に形成したスリット列の両端のスリット48が光センサ44の光路を横切るときの検出板42の角速度は、アンテナが角度0°の位置にあるとき、すなわちスリット列の中央のスリット48が前記光路を横切るときに較べて遅くなる。
【0047】
このため、前記第1の実施の形態を採るときのように、スリット48の開口幅、形成ピッチともに一定とした場合には、スリット列の中央部のスリット48が前記光路を横切るときに生じるパルスの幅(光センサ44がONになる時間)が相対的に短くなるとともに、一定時間当たりの発生パルス数が多くなる。この場合、1スリットを通過する光の量はスリット列の中央部では相対的に減少し、両端部では相対的に増加する。
【0048】
しかし、図12(a)に示したようにスリット48を形成することにより、スリット列の中央部付近での光の通過量を光センサ44の性能(感度)に対して充分に多くとることができるから、経年変化により光センサ44の光量が減少したり、光センサ44の性能(感度)が劣化しても、スリット列の中央に位置するスリット48が光センサ44の光路を横切るときに出力パルスが消失することはない。
【0049】
したがって、この実施の形態を採ることにより、信頼性が高いミリ波ユニットを形成することができる。
【0050】
なお、スリット列の中央部において光の通過量を相対的に多くするためには、スリット48の開口幅を広くする他に、スリット48の形成ピッチを変えることが考えられる。
例えば、全てのスリット48を開口幅が等しくなるように形成し、スリット列の中央部でスリット48の間隔Pが相対的に狭くなるとともにスリット列の両端部で前記間隔Pが相対的に広くなるように、間隔Pを漸次変えるようにすることもできる。
【0051】
また、第1および第2の実施の形態では、Aチャンネルの出力パルスとBチャンネルの出力パルスとの位相差φをスリット48の形成間隔Pを1周期として約1/4周期になるように設定した例を示したが、位相差φは両出力パルスの発生順序を判別することができれば適宜変更することができる。
【0052】
さらに、モータ4の回転を回動運動に変換する装置は、クランク式のものに限定されることはなく、適宜変更することができる。モータ4が正転と反転とを繰返すように構成してもよい。この実施の形態で示したようにクランク式伝動装置12を採用すると、モータ4の回転方向を一方向に限定することができるのでモータ4の耐久性が高くなり、しかもクランク機構は構造が簡単でコストが低いため、安価で信頼性が高いミリ波ユニットを形成することができる。
【0053】
加えて、本発明に係る回動位置検出装置を装備する装置はミリ波ユニットに限定されることはなく、正転・逆転を繰返す回動部材を有する装置であれば、どのようなものにも本発明の回動位置検出装置を適用することができる。
【0054】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、回動部材が反転する位置に基づいて回動部材の位置を検出することができるから、検出位置と回動部材の真の位置とが一致するようになる。
したがって、回動部材を回動運動させるために使用する部材の製造誤差や組付誤差が大きくても、あるいは光センサおよび検出板の取付位置の精度が低くても、回動部材の真の位置を正確に検出することができる。
【0055】
回動部材をアンテナとしてクランク式伝動装置によってモータに接続する他の発明によれば、モータを一方向に回転させてアンテナが回動するミリ波ユニットのアンテナの位置を正確に検出することができる。
したがって、モータの回転方向が一方向でよいことからモータの耐久性が高く、しかも、被検出物の位置あるいは被検出物までの距離を正確に検出することができるミリ波ユニットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る回動部材用回動位置検出装置を装備したミリ波ユニットの縦断面図である。
【図2】 ミリ波ユニットをモータ側から見た状態を示す正面図である。
【図3】 ミリ波ユニットをクランク式伝動装置側から見た状態を示す底面図である。
【図4】 ミリ波ユニットを回動位置検出装置側から見た状態を示す平面図である。
【図5】 クランク式伝動装置の動作を説明するための構成図である。
【図6】 ミリ波ユニットの概略構成を示す分解斜視図である。
【図7】 ミリ波ユニットの構成を示すブロック図である。
【図8】 光センサの構成を示すブロック図である。
【図9】 光センサの出力を示すタイムチャートである。
【図10】 アンテナの位置と光センサの出力との関係を示すタイムチャートである。
【図11】 図10の一部を拡大して示す図である。
【図12】 他の実施の形態を示す図である。
【図13】 従来のミリ波ユニットの縦断面図である。
【図14】 アクチュエータ上部の平面図である。
【図15】 検出板の動作を説明するための図である。
【図16】 アンテナの位置と光センサの出力との関係を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
1…アンテナ、2…アクチュエータ、4…モータ、12…クランク式伝動装置、42…検出板、44…光センサ、45…位置検出装置本体、48…スリット、51…回動端検出手段、52…位置検出手段。
Claims (2)
- モータによって駆動されて正転・逆転を繰返す回動部材と、受・発光素子を有する光センサと、この光センサの光路に臨む部分にスリットを回動方向に沿って多数形成し、前記回動部材と一体的に回動する検出板と、前記光センサに接続した位置検出装置本体とを備え、前記光センサを、一つのスリットが光路を横切る間に第1の出力パルスと、この第1の出力パルスに対して位相差をもつ第2の出力パルスとを各別の出力部から前記位置検出装置本体に送出するように構成し、
前記位相差を、スリットの形成間隔を1周期としてこの周期に比例する時間とし、
前記位置検出装置本体を、前記第1の出力パルスと第2の出力パルスの発生時期を比較し、これら両パルスの発生順序が反転したことを検出する回動端検出手段と、出力パルスの発生順序が反転した後に再び反転するまでの間の出力パルスの数に基づいて回動部材の位置を検出する位置検出手段とから構成したことを特徴とする回動部材用回動位置検出装置。 - 請求項1記載の回動部材用回動位置検出装置において、回動部材を、モータの回転を回動運動に変えるクランク式伝動装置を介してモータに接続したアンテナとしたことを特徴とする回動部材用回動位置検出装置。
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