JP4208728B2 - 歯科用切削バー - Google Patents

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Description

本発明は、歯科治療において、歯を切削する作業を行う際に使用される歯科用切削バーに関する。
歯を削る器具として、通常、図26に示すようなハンドピース(或いは歯科用切削器具)10が知られている。歯科治療において、係るハンドピース10に「ダイヤモンドポイント」と呼ばれる切削用のバー11Jを差し込んで使用する。
その切削用のバー(ダイヤモンドポイント)11Jは、ハンドピース10の先端内の羽根車18により回転させられる。ハンドピース10の先端内の羽根車18は、ハンドピース10の尻部10rからエア供給ライン19によって供給される圧縮空気により、20万rpm〜30万rpmの回転数で回転する。
前記バー(ダイヤモンドポイント)11Jは、図27に示すように、シャンク12Jと刃部13とで構成されており、その刃部13の表面には、ダイヤモンドの砥粒13aがコーティングされているので、硬い歯を削ることが出来る。
図28は、前記切削用バー11Jをハンドピース10に装着させて、左1番目及び2番目の前歯21F、21Gを略切削し終わろうとしている状態を示している。図中、符号60は下顎部の歯茎を示している。
また図29は、切削後で、当該前歯21F、21Gに被せ物を被せる直前の下顎部を前方より見た図を示しており、図中、2点鎖線は切削される前の前歯21F、21Gの輪郭を、また、符号2Cは夫々第1前歯21Fの中心線を示している。
歯肉縁6下の削除量は、歯の被せ物が外部から見て(他人が見て)分からないようにするために、切削する。
被せ物34は、図30及び図31に示すように、金属箔3と樹脂4とから出来ているが、被せ物34を歯につけた場合、歯茎60の近傍において、歯20と金属箔3との境界(境目)が(外から見ると或いは他人が見ると)、黒く見えてしまう。このように外側から(或いは他人が)黒く見えてしまう境界(歯と金属箔との境界)5は、「ブラックライン」と呼ばれる。
歯20と金属箔3との境界部分5を歯肉縁(歯茎上端)6から凹んだ部分、すなわち歯肉縁6下で歯を削った領域内Cにブラックライン5を位置させれば、外部から見ても、当該ブラックライン5は見えない。
尚、図30において、右方が坑内側であり。坑内側の歯茎60には歯の裏側の凹み67が形成される。また、図中、符号25は陶材を示す。
この様な理由に基づいて、歯20に被せ物を行う補綴の分野では、歯肉縁6下を切削する作業が行われるのである(例えば、非特許文献1参照)。
ここで、歯2を削り過ぎると、歯の神経7が露出してしまう。係る事態は、防止されなければならない。また、失活歯(歯の神経が、感染等により炎症を起こしたため、神経を取ってしまった歯)の場合、(歯を削る際の精度は)被せ物(クラウン、ブリッジ)の精度に影響をあたえる。
例えば、歯軸の長さを揃えると、被せ物の精度が向上する。そのため、歯肉縁6下を削る際には、その削除量εは高い精度で制御される必要がある。
しかし、従来、歯科用切削バー11Jを用いて歯を切削する場合、その削除量(切削量)εを把握するのは、専ら「目視」によっている。
熟練者、練達者は「目視」でも歯肉縁6下における歯の切削量εを正確に把握することが出来るが、初心者や未熟者では、目視により歯2の正確な切削量を求めることは困難である。
特に、歯肉縁6下の歯2を削る作業においては、歯肉縁6下を目視すること自体が難しく、したがって、高い精度にて、歯肉縁6下を削ることは、初心者や未熟者では大変な困難を伴っていた。
ここで、図30及び図31のεで示す歯肉縁6下の削除量は、例えば、1.3mmに設定される。但し、歯肉縁6下の削除量はどの程度が適切であるかについては、1.3mm以外に、種々の数値が存在する。適切な歯肉縁6下の削除量の数値が複数存在するのは、施術がどの系統の学説に従って行われるのかと、患者の個人差(歯の大きさ等)で相違する。
歯肉縁6下の削除量εを計測するために、図30で示すプローブ8の様な器具を使用することも考えられる。
しかし、歯2を削る作業中は、プローブ8とバー(ダイヤモンドポイント)11J(図示を省略)とが干渉してしまう恐れがあるため、プローブ8は使用出来ない。
歯2を削る作業を断続的に行い、切削を中断した際にプローブ8で計測することも考えられる。
ここで、図30の8で示す様な先端近傍に目盛り81を目盛ったプローブ8で歯肉縁6下の切削量を計測することが可能である。
しかし、「バー11Jを回転して削る」、次に「停止」、次に「プローブ8を差し込んで計測」、次に「バーを回転して削る」の工程を繰り返さなければならず、歯肉縁6下を削る作業が断続的になる。その結果、歯肉縁6下の切削箇所(切削面)が滑らかで一様な面とはならず、凹凸が形成されてしまう。切削面に係る凹凸が形成されると、予後の精度(被せ物の精度)が悪化する。
換言すれば、歯肉縁6下を削る際には、連続して削るというのが大前提となるが、プローブ8を用いると、その様な大前提が崩れてしまうのである。
ここで、「精度」とは、歯肉縁6下の切削作業を含める一連の治療の予後(治療した後)の経過予想の精度を意味している。
歯冠補綴学(1978年:クインテッセンス出版株式会社発行) 著者:保母須弥也、 Herber T. Shillingburg Jr、 Lowell D. Whitsett 翻訳者:伊藤正俊、富野晃
本発明は上述した従来技術の問題点に鑑みて提案されたものであり、歯肉縁下の切削作業を行う際に、施術者が熟練者ではなくても、切削作業を中断すること無く歯肉縁下の削除量を正確に把握することを可能ならしめ、以って、歯肉縁下の切削作業における精度及び安全性を向上することができる様な歯科用切削バー(或いはダイヤモンドポイント)の提供を目的としている。
本発明の歯科用切削バー(11)は、シャンク部(12)と刃部(13)とから成り、シャンク部(12)が歯科用ハンドピース(10)の取付機構に把持されて且つ歯科用ハンドピース(10)から回転が伝達される様に構成されており、歯科用ハンドピース(10)から回転が伝達されている際に(換言すれば、歯の切削作業中、特に歯肉縁6下の除去作業中に)刃部(13)先端からシャンク部(12)側端部側への距離(歯肉縁6下を切削している際であれば、歯肉縁6下の削除量ε)が目視出来る様に、シャンク部(12)における刃部(13)との境界部分近傍に、目視用の基準(例えば、目盛り14、突起14A、溝14B、凹部14C等)が形成されていることを特徴としている(請求項1)。
本発明において、前記目視用の基準がシャンク部(12)に形成された凹部(14C)(溝14Bを含む)及び/又は凸部(14A)であるのが好ましい(請求項2)。
ここで、回転時における振れ回りを防止するため、該凹部(14C)(溝14Bを含む)及び/又は凸部(14A)は、円周方向について対称に配置される(円周方向に少なくとも2点、対称な位置に配置される)のが好ましい。
さらに、前記目視用の基準としてシャンク部(12)に形成された凹部(14C)(溝14Bを含む)及び/又は凸部(14A)の角部(コーナー部)(14Ck、14Bk、14Ak)は、極率半径が小さな曲面(アール)及び/又は面取りで構成されていることが好ましい(請求項3)。
また、(バー11の長手方向に形成された)前記目視用の基準(例えば、目盛り14)が異なる色彩となっていることが好ましい(請求項4)。
或いは、バー(11)の長手方向に形成された目視用の基準(例えば、目盛り14)の長手方向寸法、又は長手方向の目盛りの間隔が相違していることが好ましい。
本発明の歯科用切削バー(11)を用いて歯肉縁(6)下の領域に存在する歯(2)を切削する方法では、歯科用切削バー(11)を高速回転させつつ歯肉縁(6)下の削除するべき領域(陶材25)に押し当てて切削する際に、切削バー(11)のシャンク部(12)における刃部(13)との境界近傍に形成され且つ切削バー(11)の回転により輪状に視認される目視用の基準(目盛り14、点、線、凹部14C、凸部14A等)を視認し、視認された目視用の基準と歯の先端や歯肉縁(6)との相対的な位置関係から、切削バー(11)の刃部(13)先端から歯肉縁(6)までの切削バー(11)軸線方向長さを決定し、以って、切削バー(11)による歯肉縁(6)下の切削作業を中断すること無く、歯肉縁(6)下の削除量(ε:切削バーの刃部13先端から歯肉縁6までの切削バー11軸線方向長さと等しい)を決定する。
上述した様な構成を具備する本発明によれば、目視用の基準(例えば目盛り14)が設けられているので、バー(ダイヤモンドポイント11)が回転して歯(2)を削っている際であっても、当該目視用の基準(例えば目盛り14)を視認して、当該基準(14)と歯(2)の先端部との相対的位置関係を把握することにより、歯(2)の切削量、特に歯肉縁下(61)の削除量を把握することができる。
その結果、本発明によれば、歯肉縁下(61)の削除量を確認しながら、連続的に切削することが可能となる。
本発明において、前記目視用の基準がシャンク部(12)に形成された凹部(14C)(溝14Bを含む)及び/又は凸部(14A)であれば(請求項2)、シャンク部(12)に塗料等を塗る必要が無く、当該塗料等の溶出を考慮する必要が無い。
ここで、該凹部(14C)(溝14Bを含む)及び/又は凸部(14A)は、円周方向について対称に配置すれば(円周方向に少なくとも2点、対称な位置に配置すれば)、歯科用切削バー(11)を高速回転する際(歯2の切削時)において、当該切削バー(11)の円周方向における質量の不均一に起因する振れ回りを防止することが出来る。
また、バー(11)の長手方向に形成された目視用の基準(例えば、目盛り14)が異なる色彩である様に構成するか(請求項4)、或いは、バー(11)の長手方向に形成された目視用の基準(例えば、目盛り14)の長手方向寸法(15)が相違している様に構成すれば、施術者からは見ることが出来ない歯肉縁(6)下の領域(C)に、切削バー(11)はどの程度侵入しているのか(換言すれば、幾つの目盛り14が歯肉縁6下に存在するか)を把握することが出来る。
さらに、前記目視用の基準としてシャンク部(12)に形成された凹部(14C)(溝14Bを含む)及び/又は凸部(14A)の角部(コーナー部)(14Ck、14Bk、14Ak)を、極率半径が小さな曲面(アール)R及び/又は面取りで構成すれば(請求項3)、当該凹部(14C)(溝14Bを含む)及び/又は凸部(14A)により、歯或いは口内の不必要な箇所を切削してしまう恐れが抑制される。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
先ず、図1〜図8を参照して、第一実施形態を説明する。
図1において、歯を削る器具として、ハンドピース10が用いられる。歯の治療時には、そのハンドピース10に「ダイヤモンドポイント」と呼ばれる切削用のバー11を差し込んで使用する。
その切削用のバー11は、ハンドピース10内の羽根車18により回転させられる。ハンドピース10内の羽根車18は、ハンドピース10の尻部10rからエア供給ライン19によって供給される圧縮空気により、20万rpm〜30万rpmの回転数で回転する。
前記切削用のバー11は、図2に詳細を示すように、前記ハンドピース10に差し込まれる側であるシャンク部12と、歯の切削用の刃部13とで構成されている。
ここで、バー11のシャンク部12の長さは、0.2mm〜20.0mmである。シャンク部12の長さが長過ぎると正確な切削が困難となってしまう可能性があり、短過ぎるとハンドピース10が口腔或いは歯と干渉してしまうからである。
また、ダイヤモンドの刃部13の直径としては、0.2mm〜4.0mmである。直径が太過ぎるとブリッジ等で要求される精度にて歯を切削することが困難であり、直径が細過ぎると切削バー11の強度に問題が生じてしまう可能性があることによる。
その刃部13の表面には、硬い歯を削るために、ダイヤモンドの砥粒13aがコーティングされている。
切削用バー11における刃部(ダイヤモンド砥粒をコーティングした部分)13の形状は、図3及び図4に示す様な、円柱形状13A及び円錐台形状13が一般的である。
しかし、図5に示す様な、先端側が拡径されたテーパ形状13Bでは、歯槽骨に近い側が大きく削れてしまうので、クラウン、ブリッジ等の被せ物を、歯に隙間無く被せることが出来なくなってしまう。
再び図2を参照して、シャンク部12の刃部13との境界近傍には、図示の例では、色彩の異なるの縞状の目盛り14が等間隔に形成されている。
目盛りの線をシャンク12上に形成させる方法としては、塗料、焼結、その他の従来の手法で良い。
ここで、染料或いは塗料を使用するのであれば、
(1)目盛りとして、視認性が良好であること、
(2)消毒薬に対して、耐性があること(安定していること)
(3)口内で使用した際に、溶出しないこと、仮に溶出しても、人体に無害であること
(4)滅菌操作の際に加熱するため、耐熱性があること、
という条件を満たすことが必要である。
例えば、アクリル系塗料が好ましい。
焼結、焼付け、その他の付着技術を使用する場合も概略同様であり、
(1)目盛りに付着させた材料の視認性が良いこと
(2)消毒薬に対して、耐性があること(安定していること)
(3)当該材料が、シャンク12から分離してしまう恐れが無いこと
(4)消毒薬に対して耐性があること(安定していること)、
(5)仮に剥離して口内から人体に吸収されても、悪影響が無いこと、
等の条件を満たすことが必要である。
図示はされていないが、目盛りを構成するのは、「円周方向へ連続する線」でなくとも良い。例えば、「断続的な線(点線、鎖線等)」や「点」でも良い。
図6において、削るべき歯2の外側(矢印F方向)を向いた正面部分22は、歯肉縁6下(図30参照)の削除量εを比較的大きくするが、その両側部分23は歯肉縁6下の削除量εを比較的小さくする必要がある。
すなわち、両側部分23の歯肉縁6下の削除量を大きくしてしまうと、予後、特に老後に歯間の隙間(ブラックトライアングル)24が発生してしまう。
係るブラックトライアングル24は食物が挟まり易く、また、雑菌が繁殖してしまう。
ここで、図6の両側部分23やブラックトライアングル24における歯肉縁6下の削除量は、陶材25の厚さ(図30参照)を確保出来る程度でなければならない。
初心者、未熟者は、削るべき歯2の両側部分23(図6参照)を削り過ぎてしまう傾向がある。その結果、ブラックトライアングル24が出来てしまう可能性が高い。
第1実施形態を用いれば、歯肉縁6と目盛り14との相対位置を目視して、図32で示す様に切削するべき歯の先端とを目視により比較すれば、初心者や未熟な施術者であっても、歯肉縁6下の切削量(図6の領域22、23の切削量)或いは削除量が、正確に把握できるので、領域23を削り過ぎてしまうことが防止される。
その結果、予後、特に老後に、歯間の隙間(ブラックトライアングル)24の発生が抑制され、雑菌が繁殖してしまう空間を発生する恐れも少なくなる。
歯茎60は奥側(口内側)の方が盛り上がっている(図30参照)。また、歯2の中心2Cに対しても左右対称ではない(図29参照)。したがって、左右非対称な歯2に合わせて、歯肉縁6下の削除量を調整しないと、ブラックライン5やブラックトライアングル24が予後に形成されてしまう。
第1実施形態を用いれば、切削するべき歯の先端部や歯肉縁6と、目盛り14との相対位置から、その時点における歯肉縁6下の削除量が直ちに把握できる(図32参照)。そのため、初心者や未熟者でも、歯肉縁6下を切削している作業の際でも、削除量をリアルタイムにて正確且に判断できる。したがって、左右非対称な歯に合わせて、歯肉縁6下の削除量を適宜調整することも可能となり、予後におけるブラックライン5やブラックトライアングル24の形成が防止される。
歯肉縁6下は歯科技師には見えない。見えない箇所の切削量を左右で揃えて削ることは困難である。
図7において、(図6の両側部23)における歯肉縁6下の削除量「ε」が相違すると、歯茎60の下側の骨(歯槽骨突起)65の降下量(歯ぐきの下がる量)が変わってしまう。
すなわち、2本の歯に被せ物をした場合、(図6の両側部23)における歯肉縁6下の削除量「ε」が左右で相違すると、予後に、歯茎が右寄り或いは左寄りになってしまう。
第1実施形態であれば、目盛り14を視認することにより、切削するべき歯と目盛り14との相対位置関係から、歯肉縁6下の削除量「ε」を把握しながら、切削できるので、(図6の両側部23における)歯肉縁6下の削除量「ε」を左右均一に切削することが可能となり、予後に、歯茎60が右寄り或いは左寄りになってしまう事態が防止される。
図8を参照して、歯肉縁6下の削り方の違いを説明する。
同じように歯肉縁6下を削った2本の歯220、230であっても、加齢によって歯茎60(歯肉縁6)が下がる(6Xの状態)ことにより、一方の歯230にはブラックライン5が出ないが、他方の歯220にはブラックライン5が出てしまう、という事態が起こり得る。
歯茎60の下がり方は図示しない歯槽骨の形により、異なる。熟練者であれば、歯槽骨の形に合わせて、歯茎60の下がり具合を調整して、ブラックライン5が出てしまうことを防止することも可能である。
しかし、未熟者や初心者に対して、従来は、その様な処理、すなわち、歯槽骨の形に合わせて、歯茎60の下がり具合を調整して、高精度にて歯肉縁6下を切削することを望むのは、不可能であった。
第1実施形態を用いれば、目盛り14と切削するべき歯との相対的な位置関係により(図32参照)歯肉縁6下の削除量εが把握できる。
したがって、未熟者や初心者であっても、歯槽骨の形が把握できていれば、それに合わせて、歯茎60の下がり具合を調整して、高精度にて歯肉縁6下を切削することが可能となる。
歯槽骨の形に合わせないで歯肉縁6下を削ると、「歯肉ポケット」66が形成されて、歯周菌の繁殖の要因となる。(図8参照)
第1実施形態によれば、図32で示す様に歯と目盛り14との相対位置を目視することにより、歯肉縁6下の削除量εを把握しながら切削できるので、歯槽骨の形を施術前にレントゲン写真その他から把握して、それに対応する歯肉縁6下の削除量を予め決定することにより、歯槽骨の形に合わせて歯肉縁6下を削ることが出来る。
その結果、予後に「歯肉ポケット」65が形成されてしまうことが無く、歯周菌の繁殖が予防される。
なお、図示しないストッパを使って、歯肉縁6下の削除量ε(図7参照)を一定値以下にすることも考えられるが、ストッパを使用した場合には、上述した様に、歯槽骨(歯槽骨突起65)の形状に合わせて削ることが出来ない。
ここで、歯の裏側(口内側)は外から(他人から)見えない。ブラックラインが5生じても構わないので、歯肉縁6下を掘り下げる(削り込む)必要が無い。
歯2と金属箔3との境界を、歯肉縁6下の凹み67に入れる必要が無い(図30参照)。
したがって、歯の裏側(口内側)は本発明の適用外である。
次に、図9〜図17を参照して第2実施形態を説明する。
図1〜図8の第1実施形態は、シャンク部12に目視用の基準として、線で目盛りを構成した実施形態である。しかし、目視用の基準は、溝、突起、凹部で形成しても良い。
図9及び図13の実施例は、小さな半球状の突起14Aを目視用の基準としてシャンク部12の表面に形成した実施例を示す。
また、図10〜図12は、シャンク部12に目視用の基準として、凹部14C(シャンク12の長手方向(各図における紙面の表裏方向)に所定の長さを有する溝も含む)を形成した実施例である。
シャンク12に突起14Aを設けることは、技術的に困難なので、突起14Aよりも凹部(窪み)14Cが好ましい。
なお、図示はされていないが、突起と凹部の双方を形成することも可能である。
図9及び図10で示す様に、シャンク部12の凸部14A、凹部14Cが1点だけ、或いは円周方向に非対称な位置では、20000rpm〜30000rpmという高速回転をすると、切削用バー11が振られてしまう(ぶれてしまう)。回転時にバー11が「ぶれて」しまうと、精度ある削除が困難となる。
そのため、点、線、突起14A、凹部14Cのような全周に亙って連続していない基準の場合、図11〜図13で示す様に、円周方向に少なくとも2点、点対称な位置に設けるのが好ましい。
図15に示す様な点状の凹部14C、図16に示す様な開口部が矩形状の凹部141C、或いは図17に示す様な円周方向へ断続的に延在する凹部142Cを目盛りにした場合には、目盛りを形成したシャンク12が「回転鑢」として作用してしまい、削る必要が無い部分を削ってしまう可能性がある。
そのため、図14で示す様な、円周方向全域に亘って形成される溝14Bが好ましい。
その他の構成、作用効果は、第1実施形態と同様であり、以降の説明は省略する。
次に、図18を参照して、第3実施形態を説明する。
目盛りに数字(例えば、刃部の末端部からの距離寸法)を記入しても、バーが高速回転をしている際に読み取ることは不可能である。
そのため、線、凹部、或いは突起等が有効となる。しかし、幾つの目盛りが歯肉縁下に存在するかは、切削作業中には把握が困難である。
これに対して、図18の第3実施形態では、長手方向(図示の上下方向)で分離した複数の目盛り(例えば溝14B、141B)のバー11の長手方向の長さを変えることで、目盛り(溝14B、141B)と歯肉縁下の切削量εとを関連付けている。
すなわち、1つ目の目盛り14B及び3つ目の目盛り14Bに比較して、2つ目の目盛り141Bの幅が広く形成してある。
2つ目の目盛り141Bが視認出来るか否かで、歯肉縁下の切削量εが目盛り(14B、141B)から分かる。
ここで、目盛りは溝(図示)或いは凹部であっても、突起(図示せず)であっても良い。
図示はされていないが、突起と凹部の双方を形成することも可能である。その他の構成、作用効果は、第1実施形態及び第2実施形態と同様であり、以降の説明を省略する。
次に、図19を参照して第4実施形態を説明する。
図19の第4実施形態では、目盛り(図示の例では溝142B、143B、144B)の色を変えて、目盛り(溝142B、143B、144B)の色から歯肉縁下の切削量εが把握出来るように構成している。尚、図19の例では、3箇所の溝の色は夫々異なるものとして示したが、1段目142Bと3段目144Bとは同じ色を用いても良い。
ここで、図19では、溝であるが、線であっても、突起であっても良い。また、図19では、バー11の長手方向について、目盛りとなる溝の長さが等しいが、これを変えても良い。換言すれば、第3実施形態と組み合わせても良い。
図示はされていないが、突起と凹部の双方を形成することも可能である。
その他の構成、作用効果は、第3実施形態と同様であり、以降の説明を省略する。
次に、図20〜図24を参照して第5実施形態を説明する。
第2実施形態の図15の小さな半球状の凹部14C、図16の矩形形状の凹部141C及び図17の円周方向へ断続的に延在する凹部142Cを目盛りにした場合には、目盛りを形成したシャンク12が「回転やすり」として作用してしまい、削る必要が無い部分を削ってしまう可能性がある。
また、図14で示す様に、円周方向全域に亘って溝14Bを形成しても、肩部14Bkで切削してしまう恐れがある。
これに対して、図20〜図23の様に、溝14B、或いは凹部14Cの角部(コーナー部)14Bk、14Ckにアール部分R、R1を形成して、不必要な部分を切削してしまうことを防止するように構成されている。
尚、図21の例のように、溝14Bのコーナー部14Bcには、切削工程において生じる応力集中でバー12が折損しないように、アール部rが形成されるのが好ましい。
図20、図21、図23のR、R1はバー12の長手方向に形成されたアール部であり、図22および図23のR2はバー12の円周方向に形成されたアール部である。
図24は、突起14Aで構成された目盛りの突起のコーナー14AkにアールR3を施した実施例である。
尚、図20〜図24の実施例ではアールR、R1〜R3の形成のみを表示しているが、面取りしても良い。
図示はされていないが、突起と凹部の双方を形成することも可能であり、その場合には、突起及び凹部の双方にアール或いは面取りを施せば良い。
その他の構成、作用効果は、第2実施形態と同様であり、以降の説明は省略する。
刃部13の長さは下式で表現出来る。
平均的な歯の長さ(歯冠)−(金属箔の厚さ+陶材の厚さ)±α(定数)
具体的には、刃部13の長さは、4.0mm〜20.0mmである。刃部13の長さが長過ぎると刃部先端で正確な切削を行うことが困難となってしまう可能性があり、短過ぎると切削するべき箇所まで刃部13が届かずに、シャンク部12やハンドピース10が口腔或いは歯と干渉してしまうからである。
また、刃部13及びシャンク12のハンドピース10から露出している部分の長さについても、同様に決定される。すなわち、刃部13で正確な切削な切削が行える程度の長さであり、且つ、シャンク部12やハンドピース10が口腔或いは歯と干渉すること無く、刃部13が切削するべき箇所まで到達できる様に、設定されているのである。
次に、図25を参照して第6実施形態を説明する。
図25において、ハンドピース10側には、例えば先端に拡大鏡101を取り付けた支持部材102がアタッチメント103によって、その拡大鏡101の鏡面角度を2次元で調節可能なように取り付けられている。
そのように構成することにより、細い切削用バー11に形成された細かな目盛りも、拡大鏡101を通して見ることにより、目盛りは拡大されるために、歯科技師は疲労することなく切削作業が進められる。
図示の実施形態はあくまでも例示であり、本発明の技術的範囲を限定する趣旨の記述ではない旨を付記する。
本発明の歯科用切削バー11は、「歯」以外の部位に切削するのにも使用可能である。例えば、整形外科の分野でも使用の可能がある。
本発明の第1実施形態の切削用バーと、そのバーを回転駆動させるハンドピースを示した組立て図。 本発明の第1実施形態の切削用バーの正面図。 切削用バーの刃部の形状の一例を示す断面図。 切削用バーの刃部の形状の他の例を示す断面図。 切削用バーの刃部の形状の別の例を示す断面図。 切削された歯を正面上方から見た立体図。 切削された歯において、歯肉縁下の切削量の違いによる影響を示す部分断面図。 歯肉縁下の削り方の違いを説明する立体図。 本発明の第2実施形態における目視用基準の一例である1箇所に形成された突起を示すバーの断面図。 本発明の第2実施形態における目視用基準の一例である、1箇所に形成された凹部を示すバーの断面図。 本発明の第2実施形態における目視用基準の他の例である、2箇所に形成された凹部を示すバーの断面図。 本発明の第2実施形態における目視用基準のその他の例である、3箇所に形成された凹部を示すバーの断面図。 本発明の第2実施形態における目視用基準の他の例である、3箇所に形成された突起を示すバーの断面図。 本発明の第2実施形態における目視用基準の一例である、溝部を示すバーの正面図。 本発明の第2実施形態における目視用基準の一例である、部分的に形成された凹部を示すバーの正面図。 本発明の第2実施形態における目視用基準の一例である、部分的に形成された矩形の凹部を示すバーの正面図。 本発明の第2実施形態における目視用基準の一例である、複数の矩形の凹部を設けたバーの正面図。 本発明の第3実施形態における目視用基準の例であり、形状の異なる凹部を3段に設けたバーの側面図。 本発明の第4実施形態における目視用基準の例であり、同一形状の凹部を3段に設けたバーの側面図。 本発明の第5実施形態における目視用基準の一例である、角部にアール処理を施された溝部を有するバーの正面図。 本発明の第5実施形態における目視用基準の他の例である、角部にアール処理を施された溝部を有するバーの正面図。 本発明の第5実施形態における目視用基準の一例である、周方向の端部にアール処理を施された溝部を有するバーの正面図。 本発明の第5実施形態における目視用基準の一例である、角部にアール処理を、更に周方向の端部にアール処理を施された溝部を複数箇所有するバーの正面図。 本発明の第5実施形態における目視用基準の一例である、角部にアール処理を施された凸部を有するバーの部分断面図。 本発明の第6実施形態の歯科用切削バーとハンドピースに拡大鏡を取り付けた歯科治療用の装置を立体的に示した図。 従来技術における切削用バーと、そのバーを回転駆動させるハンドピースを示した組立て図。 従来技術における切削用バーの正面図。 前歯を切削している最中の状態を示す立体図。 前歯の切削が完了した状態を正面から見た状態図。 前歯の切削が完了した状態に切削前の前歯の輪郭を重ねて示した状態図。 前歯の切削量とブラックラインの位置関係を説明する正面図。 本発明により前歯を切削している状態を示す立体図。
符号の説明
2・・・歯(切削前の歯全体を示す)
3・・・金属箔
4・・・樹脂
5・・・ブラックライン
6・・・歯肉縁
7・・・神経
10・・・ハンドピース
11・・・切削用のバー/ダイヤモンドポイント
12・・・シャンク部
13・・・刃部
14・・・目盛り
14A・・・凸部
14B・・・溝部
14C・・・凹部
18・・・羽根車
20・・・歯(切削後の歯)
34・・・被せ物

Claims (4)

  1. シャンク部と刃部とから成り、シャンク部が歯科用ハンドピースの取付機構に把持されて且つ歯科用ハンドピースから回転が伝達される様に構成されており、歯科用ハンドピースから回転が伝達されている際に刃部先端からシャンク部側端部側への距離が目視出来る様に、シャンク部における刃部との境界部分近傍に、目視用の基準が形成されていることを特徴とする歯科用切削バー。
  2. 前記目視用の基準がシャンク部に形成された凹部及び/又は凸部である請求項1の歯科用切削バー。
  3. 前記目視用の基準としてシャンク部に形成された凹部及び/又は凸部の角部は、極率半径が小さな曲面及び/又は面取りで構成されている請求項2の歯科用切削バー。
  4. 前記目視用の基準が異なる色彩となっている請求項1〜3の何れか1項の歯科用切削バー。
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