JP4208339B2 - ポジティブ作用性印刷版の作製のためのヒートモード感受性画像形成要素 - Google Patents

ポジティブ作用性印刷版の作製のためのヒートモード感受性画像形成要素 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の分野】
本発明は平版印刷版の作製のためのヒートモード画像形成要素に関する。
さらに特定的には、本発明は、露出領域と非露出領域の水性現像液により浸透及び/又は可溶化される最上層における差が増加する平版印刷版の作製のためのヒートモード画像形成要素に関する。
【0002】
【発明の背景】
平版印刷は、そのいくらかの領域が平版印刷インキを受容することができるが、他の領域は水で湿らされるとインキを受容しない特別に作られた表面からの印刷の方法である。インキを受容する領域は印刷画像領域を形成し、インキ−反発性領域は背景領域を形成する。
【0003】
写真平版印刷の技術分野において、写真材料は、露光領域において(ネガティブ−作用性)又は非露光領域において(ポジティブ−作用性)、親水性背景上で画像通りに油性又は脂性インキに対して受容性とされる。
【0004】
表面平版印刷版(surface litho plates)又はプラノグラフィ印刷版(planographic printing plates)とも呼ばれる通常の平版印刷版の作製の場合、水に対して親和性を有するか又は化学的処理によりそのような親和性を得る支持体に感光性組成物の薄層がコーティングされる。その目的のためのコーティングにはジアゾ化合物、ジクロム酸塩−増感親水性コロイド及び多様な合成感光性樹脂を含有する感光性ポリマー層が含まれる。特にジアゾ−増感系が広く用いられる。
【0005】
感光層が画像通りに露出されると、露出画像領域は不溶性となり、非露出領域は溶解性のまま残る。次いで版は適した液を用いて現像され、非露出領域のジアゾニウム塩又はジアゾ樹脂が除去される。
【0006】
別の場合、画像通りに露出されると露出領域において可溶性とされる感光性コーティングを含む印刷版が既知である。その場合、続く現像は露出領域を除去する。そのような感光性コーティングの典型的例はキノン−ジアジドに基づくコーティングである。
【0007】
典型的には、それから印刷版が作製される上記の写真材料は、平版印刷法において再現されるべき画像を含有する写真フィルムを介してカメラ−露出される。そのような作業法はやっかいであり、労働集約的である。しかし他方、かくして得られる印刷版は優れた平版印刷の質のものである。
【0008】
かくして上記の方法において写真フィルムの必要を除き、特に再現されるべき画像を示すコンピューターデータから直接印刷版を得るための試みが成されてきた。しかし感光性コーティングはレーザーを用いて直接露出されるのに十分に感受性ではない。従って感光性コーティングの上にハロゲン化銀層をコーティングすることが提案された。次いでハロゲン化銀をコンピューターの制御下でレーザーを用いて直接露出することができる。続いてハロゲン化銀層を現像して感光性コーティングの上に銀画像を残す。次いでその銀画像は感光性コーティングの全体的露出においてマスクとして働く。全体的露出の後、銀画像は除去され、感光性コーテイングが現像される。そのような方法は例えばJP−A−60−61 752に開示されているが、複雑な現像及びそれに伴う現像液が必要であるという欠点を有する。
【0009】
GB−1 492 070は、金属層又はカーボンブラックを含有する層を感光性コーティング上に設ける方法を開示している。次いでこの金属層をレーザーを用いて融蝕し、感光層上の画像マスクを得る。次いで感光層を画像マスクを介してUV−光により全体的に露出する。画像マスクの除去の後、感光層を現像して印刷版を得る。しかしこの方法は感光層の現像の前にやっかいな処理により画像マスクを除去しなければならないという欠点をまだ有している。
【0010】
さらに、感光性ではなく感熱性である画像形成要素の使用を含む印刷版の作製のための方法が既知である。印刷版の作製のための上記のような感光性画像形成要素の特別な欠点は、それを光から遮蔽しなければならないことである。さらにそれらは保存安定性の観点で感度の問題を有し、それらは比較的低い解像度を示す。明らかに市場で、ヒートモード印刷版前駆体に向かう傾向が見られる。
【0011】
例えば1992年1月のResearch Disclosure no.33303は、熱可塑性ポリマー粒子及び赤外吸収性顔料、例えばカーボンブラックを含有する架橋された親水性層を支持体上に含むヒートモード画像形成要素を開示している。赤外レーザーに画像通りに露出することにより、熱可塑性ポリマー粒子が画像通りに凝析し、それによりこれらの領域において画像形成要素の表面を、さらなる現像なしでインキ受容性とする。この方法の欠点は、得られる印刷版が容易に損傷を受けることであり、それはそこにいくらかの圧力が加えられると非−印刷領域がインキ−受容性となり得るからである。さらに限界的条件下で、そのような印刷版の平板印刷性能は劣り得、従ってそのような印刷版はほとんど平版印刷寛容度を有していない。
【0012】
US−P−4 708 925は、アルカリ−可溶性ノボラック樹脂及びオニウム−塩を含有する感光性組成物を含む画像形成要素を開示している。この組成物は場合によりIR−増感剤を含有することができる。該画像形成要素をUV−可視−又はIR−線に画像通りに露出し、水性アルカリ液を用いる現像段階が続いた後、ポジティブ又はネガティブ作用性印刷版が得られる。該画像形成要素の照射及び現像により得られる平版印刷版の印刷結果は劣っている。
【0013】
EP−A−625 728は、UV−及びIR−線に感受性である層を含み、ポジティブもしくはネガティブ作用性であることができる画像形成要素を開示している。この層はレゾール樹脂、ノボラック樹脂、潜在的ブレンステッド酸及びIR−吸収性物質を含む。該画像形成要素の照射及び現像により得られる平版印刷版の印刷結果は劣っている。
【0014】
US−P−5 340 699は、EP−A−625 728とほとんど同じであるが、ネガティブ作用性IR−レーザー記録画像形成要素を得るための方法を開示している。IR−感受性層はレゾール樹脂、ノボラック樹脂、潜在的ブレンステッド酸及びIR−吸収性物質を含む。該画像形成要素の照射及び現像により得られる平版印刷版の印刷結果は劣っている。
【0015】
GB−A−1 208 415は、情報通りの加熱が記録層の種々の領域における水−透過性の差として情報の記録を生むように構築された感熱性記録層を中間層を用いて又は用いずに保有している支持体を含む記録材料を情報通りに加熱し、記録層の水−透過性の領域又は比較的水透過性の領域を介して浸透し、対応する領域における下の支持体もしくは中間層の少なくとも表面部分の永久的な物理的及び/又は化学的変化を起こさせるように構成されている水性液を用いて記録材料を処理し、記録層の全体を除去して該情報通りに変化した下の支持体もしくは中間層を露出することを含む情報の記録の方法を開示している。
【0016】
JP−A−01−46739は、少なくとも1種の感光性材料、フッ素界面活性剤及び脱泡剤を含有する感光性組成物をコーティング溶媒中に溶解し、次いで溶液をベース上にコーティングし、コーティングを乾燥することにより、泡によって生ずる線−様のむらを予防するための方法を開示している。
【0017】
JP−A−02−29750は、o−ナフトキノンジアジドスルホン酸、アルカリ−可溶性樹脂及びポリオキシエチレンナフトールなどの非−イオン性界面活性剤を用いることにより、ポジティブ感光性印刷版に適した感光性組成物を得るための方法を開示している。
【0018】
EP−A−527.369は、支持体及び粗い表面を有するポジティブ作用性感光層を含む感光性記録材料を開示しており、感光層は感光性化合物として少なくとも1種の1,2−キノンジアジド及び水に不溶性で水−アルカリ溶液中に可溶性もしくは膨潤性の結合剤として重縮合物もしくはポリマーならびに充填剤を含み、感光層は3g/m2もしくはそれ未満の層重量において(i)充填剤として3〜5μmの平均直径及び15μmの最終限界を有するシリカを20〜100秒のBeckに従うスリップ性を与える量で含み、そして(ii)さらにポリシロキサン単位を有する界面活性剤を含む。
【0019】
EP−A−823 327は、露出部分と非露出部分の間でアルカリ現像液中における溶解度の差を示すポジティブ感光性組成物を開示しており、それは溶解度の差を誘導する成分として(a)光−熱変換材料及び(b)アルカリ現像液中におけるその溶解度が主に化学的変化以外の変化により変わり得る高分子量化合物を含んでいる。
【0020】
さらにEP−A−678 380は、レーザー−融蝕可能な表面層の下の粗面化された金属支持体上に保護層を設ける方法を開示している。画像通りに露出されると表面層は保護層のいくらかの部分と同様に完全に融蝕される。次いで印刷版を清浄化液で処理し、保護層の残りを除去し、それにより親水性表面層を露出する。
【0021】
EP−A−97 200 588.8は、親水性表面を有する平版ベース上に水性アルカリ性溶液中に可溶性のポリマーを含む中間層及びIR−線に感受性の最上層を含み、ここで該最上層はIR−線に露出されると水性アルカリ性溶液により浸透及び/又は可溶化される容量が減少するか又は増加する、平版印刷版の作製のためのヒートモード画像形成要素を開示している。
【0022】
該最後のヒートモード画像形成要素は、露出領域と非露出領域の間の溶解度の差があまり大きくなく、該要素の処理の間に非露出領域も溶解して該版を平版印刷版として用いることができないという欠点を有する。
【0023】
【発明の目的】
本発明の目的は、非常に簡単な方法で平版印刷版を作製するためのヒートモード画像形成要素を提供することである。
【0024】
本発明の別の目的は、優れた印刷性を有するポジティブ平版印刷を作製するための、選択的、迅速、簡便且つ生態学的な方法で現像することができるヒートモード感受性画像形成要素を提供することである。
【0025】
本発明のさらなる目的は、高い赤外感度を有するヒートモード感受性画像形成要素を提供することである。
【0026】
本発明の目的はまた、露出領域と非露出領域の間で現像液中における現像性に大きな差を有するヒートモード感受性画像形成要素を提供することである。
【0027】
本発明のさらなる目的は、下記の記載から明らかになるであろう。
【0028】
【発明の概略】
本発明に従えば、親水性表面を有する平版印刷ベース上に、水性アルカリ性溶液中に可溶性のポリマーを含む第1層ならびに平版印刷ベースの第1層と同じ側の上の最上層を有し、最上層はIR−感受性で且つ水性アルカリ性現像液に関して非浸透性である平版印刷版の作製のためのヒートモード画像形成要素であって;該第1層及び該最上層の少なくとも1つが界面活性剤を含むことを特徴とするヒートモード画像形成要素を提供する。
【0029】
【発明の詳細な記述】
本発明に従う感熱性画像形成要素を簡単な方法で得ることができ、それは高品質の平版印刷版を与えることが見いだされた。
【0030】
第1層及び/又は最上(第2とも呼ばれる)層は界面活性剤を含む。該界面活性剤はカチオン性、アニオン性又は両性界面活性剤であることができるが、好適には非−イオン性界面活性剤である。界面活性剤は好ましくはペルフルオロアルキル界面活性剤、アルキルフェニル界面活性剤そして最も好ましくはポリシロキサン界面活性剤から成る群より選ばれる。さらにもっと好ましくは少なくとも2種のポリシロキサン界面活性剤の組み合わせが用いられる。界面活性剤は好ましくは最上層中に存在する。界面活性剤の量は好ましくは0.001〜0.3g/m2の範囲内、より好ましくは0.003〜0.050g/m2の範囲内に含まれる。
【0031】
本発明に従う最上層はIR−色素もしくは顔料及び結合剤樹脂を含む。IR−色素もしくは顔料の混合物を用いることができるが、1種類のみのIR−色素もしくは顔料を用いるのが好ましい。好ましくは該IR−色素はIR−シアニン色素である。特に有用なIR−シアニン色素は2つのインドレニン基を有するシアニン色素である。最も好ましいのは下記の構造を有する化合物Iである。
【0032】
【化1】
Figure 0004208339
特に有用なIR−吸収性顔料はカーボンブラック、金属炭化物、ホウ化物、窒化物、炭化窒化物、ブロンズ−構造酸化物及びブロンズ群に構造的に関連しているがA成分がない酸化物、例えばWO2.9である。導電性ポリマー分散液、例えばポリピロールもしくはポリアニリンに基づく導電性ポリマー分散液を用いることもできる。得られる平版印刷性能及び特に印刷耐久性は画像形成要素の感熱性に依存する。これに関し、カーボンブラックが非常に優れ且つ好ましい結果を与えることが見いだされた。
【0033】
該最上層がIR−色素を含有する場合、IR−照射及び水性アルカリ性現像液中における現像の後に形成される画像を視覚的に検査できるように、該最上層は好ましくは可視領域において吸光する色素もしくは顔料も含有する。
【0034】
IR−吸収性色素もしくは顔料は好ましくは該IR−感受性最上層の合計量の1〜99重量部、より好ましくは50〜95重量部の量で存在する。
【0035】
最上層は好ましくは結合剤として水に不溶性のポリマー、例えばセルロースエステル、塩化ビニリデンとアクリロニトリルのコポリマー、ポリ(メタ)アクリレート、ポリ塩化ビニル、シリコーン樹脂などを含むことができる。結合剤として好ましいのはニトロセルロース樹脂である。
【0036】
最上層の合計量は好ましくは0.010〜5g/m2、より好ましくは0.020〜1g/m2の範囲である。
【0037】
画像通りに露出されると、最上層において、水性アルカリ性溶液により浸透及び/又は可溶化される能力(capacity)における差が本発明のアルカリ性現像液に関して生まれる。
【0038】
本発明の場合、画像通りにIR露出されると、現像の間に非画像形成部分を可溶化したり及び/又は損傷を与えたりせずに画像形成された部分が清浄化される程度まで該能力が増加する。
【0039】
水性アルカリ性溶液を用いる現像は好ましくは5〜120秒の間隔内に行われる。
【0040】
最上層及び平版ベースの間に本発明は水性現像液、より好ましくは優先的に(preferentially)7.5〜14のpHを有する水性アルカリ性現像液中に可溶性の第1層を含む。該層は好ましくは最上層に連続しているが、最上層と第1層の間に他の層が存在することができる。この層において用いられるアルカリ可溶性結合剤は好ましくは通常のポジティブ又はネガティブ作用性PS−版で用いられるような疎水性結合剤、例えばノボラック樹脂、ヒドロキシスチレン単位を含有するポリマー、カルボキシ置換ポリマーなどである。これらのポリマーの典型的例はDE−A−4 007 428、DE−A−4 027 301及びDE−A−4 445 820に記載されている。本発明と関連して用いられる疎水性結合剤はさらに、水中における不溶性及びアルカリ性溶液中における部分的な可溶性/膨潤性及び/又は補助溶媒と組み合わされた場合の水中における部分的な可溶性を特徴としている。
【0041】
さらにこのアルカリ水溶液可溶性層は好ましくは可視光−及びUV−光減感層である。該層は好ましくは熱的に硬膜可能である。この好適に可視光−及びUV−減感されている層は、250nm〜650nmの波長領域内で吸収する感光性成分、例えばジアゾ化合物、フォトアシッド(photoacids)、光開始剤、キノンジアジド類、増感剤などを含まない。この方法で昼光に安定な印刷版を得ることができる。
【0042】
該第1層は好ましくは低分子量の酸、好ましくはカルボン酸、さらにもっと好ましくは安息香酸、最も好ましくは3,4,5−トリメトキシ安息香酸あるいはベンゾフェノンも含む。
【0043】
第1層における低分子量の酸又はベンゾフェノンの合計量対ポリマーの比率は好ましくは2:98〜40:60、より好ましくは5:95〜20:80の範囲である。該第1層の合計量は好ましくは0.1〜10g/m2、より好ましくは0.3〜2g/m2の範囲である。
【0044】
本発明の画像形成要素において、平版印刷ベースは陽極酸化されたアルミニウムであることができる。特に好ましい平版印刷ベースは電気化学的に粗面化され且つ陽極酸化されたアルミニウム支持体である。陽極酸化されたアルミニウム支持体を処理してその表面の親水性を向上させることができる。例えばアルミニウム支持体を例えば95℃などの高められた温度でケイ酸ナトリウム溶液を用いてその表面を処理することによりケイ酸塩化することができる。別の場合、リン酸塩処理を施すことができ、それは酸化アルミニウム表面をリン酸塩溶液で処理することを含み、リン酸塩溶液はさらに無機フッ化物を含有していることができる。さらに酸化アルミニウム表面をクエン酸又はクエン酸塩溶液で濯ぐことができる。この処理は室温で行うことができるか又は約30〜50℃というわずかに高められた温度で行うことができる。さらに興味深い処理は酸化アルミニウム表面を重炭酸塩溶液で濯ぐことを含む。さらに、酸化アルミニウム表面をポリビニルホスホン酸、ポリビニルメチルホスホン酸、ポリビニルアルコールのリン酸エステル、ポリビニルスルホン酸、ポリビニルベンゼンスルホン酸、ポリビニルアルコールの硫酸エステル及びスルホン化脂肪族アルデヒドとの反応により生成するポリビニルアルコールのアセタールを用いて処理することができる。さらに、これらの後処理の1つ又はそれ以上を単独で又は組み合わせて行うことができることは明らかである。これらの処理のもっと詳細な記載はGB−A−1 084 070、DE−A−4 423 140、DE−A−4 417 907、EP−A−659 909、EP−A−537 633、DE−A−4 001 466、EP−A−292 801、EP−A−291 760及びUS−P−4458 005に示されている。
【0045】
本発明と関連する他の様式に従うと、親水性表面を有する平版印刷ベースは柔軟性支持体、例えば架橋された親水性層が設けられた紙又はプラスチックフィルムを含む。特に適した架橋された親水性層は、ホルムアルデヒド、グリオキサル、ポリイソシアナート又は加水分解されたテトラ−アルキルオルトシリケートなどの架橋剤を用いて架橋された親水性結合剤から得ることができる。後者が特に好ましい。
【0046】
親水性結合剤として親水性(コ)ポリマー、例えばビニルアルコール、アクリルアミド、メチロールアクリルアミド、メチロールメタクリルアミド、アクリル酸、メタクリル酸、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレートのホモポリマー及びコポリマーあるいは無水マレイン酸/ビニルメチルエーテルコポリマーを用いることができる。用いられる(コ)ポリマー又は(コ)ポリマー混合物の親水度は好ましくは、少なくとも60重量パーセント、好ましくは80重量パーセントの程度まで加水分解されたポリ酢酸ビニルの親水度と同じか又はそれより高い。
【0047】
架橋剤、特にテトラアルキルオルトシリケートの量は好ましくは親水性結合剤の重量部当たり少なくとも0.2重量部、より好ましくは0.5〜5重量部、最も好ましくは1.0重量部〜3重量部である。
【0048】
本実施態様に従って用いられる平版印刷ベースの架橋された親水性層は好ましくは、層の機械的強度及び多孔度を向上させる物質も含有する。この目的でコロイドシリカを用いることができる。用いられるコロイドシリカは例えば最高40nm、例えば20nmの平均粒度を有するコロイドシリカのいずれの商業的に入手可能な水−分散液の形態であることもできる。さらにコロイドシリカより大きな寸法の不活性粒子、例えばJ.Colloid and InterfaceSci.,Vol.26,1968,pages 62 to 69に記載されている通りStOEberに従って調製されるシリカあるいはアルミナ粒子あるいは二酸化チタン又は他の重金属酸化物の粒子である少なくとも100nmの平均直径を有する粒子を加えることができる。これらの粒子の導入により、架橋された親水性層の表面に顕微鏡的丘と谷から成る均一な粗いきめが与えられ、それは背景領域における水のための保存場所として働く。
【0049】
本実施態様に従う平版印刷ベースの架橋された親水性層の厚さは0.2〜25μmの範囲内で変化することができ、好ましくは1〜10μmである。
【0050】
本発明に従って用いるために適した架橋された親水性層の特定の例は、EP−A−601 240、GB−P−1 419 512、FR−P−2 300 354、US−P−3 971 660、US−P−4 284 705及びEP−A 514 490に開示されている。
【0051】
本実施態様と関連する平版印刷ベースの柔軟性支持体としてプラスチックフィルム、例えば、基質化ポリエチレンテレフタレートフィルム、酢酸セルロースフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルムなどを用いるのが特に好ましい。プラスチックフィルム支持体は不透明又は透明であることができる。
【0052】
接着促進層が設けられたポリエステルフィルム支持体を用いるのが特に好ましい。本発明に従って用いるのに特に適した接着促進層は、EP−A−619 524、EP−A−620 502及びEP−A−619 525に開示されているような親水性結合剤及びコロイドシリカを含む。好ましくは接着促進層中のシリカの量は200mg/m2〜750mg/m2である。さらにシリカ対親水性結合剤の比率は好ましくは1より高く、コロイドシリカの表面積は好ましくは少なくとも300m2/g、より好ましくは少なくとも500m2/gである。
【0053】
本発明と関連する画像通りの露出は、赤外又は近−赤外、すなわち700〜1500nmの波長領域で働くレーザーの使用を含む画像通りの走査露出である。最も好ましいのは近−赤外で発光するレーザーダイオードである。画像形成要素の露出は短い画素滞留時間を有するレーザーならびに長い画素滞留時間を有するレーザーを用いて行うことができる。好ましいのは0.005μ秒〜20μ秒の画素滞留時間を有するレーザーである。
【0054】
画像通りの露出の後、ヒートモード画像形成要素は水性アルカリ性溶液でそれを濯ぐことにより現像される。本発明で用いられる水性アルカリ性溶液は、通常のポジティブ作用性予備増感印刷版の現像に用いられ、好ましくはケイ酸塩の形態でSiO2を含有し、好ましくは11.5〜14のpHを有するものである。かくして露出されて水性アルカリ性溶液に関してより浸透性とされた最上層の画像形成部分は清浄化され、それによりポジティブ作用性印刷版が得られる。
【0055】
本発明の場合、用いられる現像液の組成も非常に重要である。
【0056】
従って、長時間安定して現像処理を行うために特に重要なことは、現像液中のアルカリの濃度及びケイ酸塩の濃度などの質である。そのような状況下で本発明者等は、前記の組成を有する現像液を用いた場合のみに迅速高温処理を行うことができ、補足されるべき補充液の量が少なく、現像液を交換せずに3カ月以上もの長期間に及んで安定した現像処理を行うことができることを見いだした。
【0057】
好ましくは本発明で用いられる現像液及び現像液のための補充液は、主にアルカリ金属ケイ酸塩及びMOHにより示されるアルカリ金属水酸化物又はM2Oにより示されるその酸化物を含む水溶液であり、ここで該現像液は0.5〜1.5のモル比でSiO2及びM2Oを含み、SiO2の濃度は0.5〜5重量%である。そのようなアルカリ金属ケイ酸塩として好適に用いられるのは、例えば、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸リチウム及びメタケイ酸ナトリウムである。他方、そのようなアルカリ金属水酸化物として好ましいのは水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及び水酸化リチウムである。
【0058】
本発明で用いられる現像液は同時に他のアルカリ性試薬を含有することができる。そのような他のアルカリ性試薬の例には、水酸化アンモニウム、第三リン酸ナトリウム、第二リン酸ナトリウム、第三リン酸カリウム、第二リン酸カリウム、第三リン酸アンモニウム、第二リン酸アンモニウム、重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム及び炭酸アンモニウムなどの無機アルカリ性試薬;ならびにモノ−、ジ−もしくはトリエタノールアミン、モノ−、ジ−もしくはトリメチルアミン、モノ−、ジ−もしくはトリエチルアミン、モノ−もしくはジ−イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、モノ−、ジ−もしくはトリイソプロパノールアミン、エチレンイミン、エチレンジイミン及びテトラメチルアンモニウムヒドロキシドなどの有機アルカリ性試薬が含まれる。
【0059】
本発明の場合、現像液中の[SiO2]/[M2O]のモル比が特に重要であり、それは一般に0.6〜1.5、好ましくは0.7〜1.3である。これはもしモル比が0.6より低いと活性の大きなばらつきが観察され、一方もしそれが1.5を越えると迅速現像を行うのが困難になり、非画像領域上の感光層の溶出又は除去が不完全でありがちなためである。さらに現像液及び補充液中のSiO2の濃度は好ましくは1〜4重量%の範囲である。SiO2の濃度のそのような制限は、大量の本発明の版を長期間処理した場合でも優れた仕上げの質を有する平版印刷版を安定して与えることを可能にする。
【0060】
特に好ましい実施態様の場合、1.0〜1.5の範囲のモル比[SiO2]/[M2O]及び1〜4重量%のSiO2の濃度を有するアルカリ金属ケイ酸塩の水溶液が現像液として用いられる。そのような場合、現像液のアルカリ濃度と等しいか又はそれより高いアルカリ濃度を有する補充液が用いられるのはもちろんである。供給されるべき補充液の量を減少させるために、補充液のモル比[SiO2]/[M2O]が現像液のそれと等しいか又はそれより小さいことあるいは現像液のモル比が補充液のそれと等しい場合はSiO2の濃度が高いことが有利である。
【0061】
本発明で用いられる現像液及び補充液において、20℃における水中の溶解度が10重量%以下の有機溶剤を必要に従って同時に用いることができる。そのような有機溶剤の例は、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸アミル、酢酸ベンジル、エチレングリコールモノブチルアセテート、乳酸ブチル及びレブリン酸ブチルなどのカルボン酸エステル類;エチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン及びシクロヘキサノンなどのケトン類;エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールベンジルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ベンジルアルコール、メチルフェニルカルビノール、n−アミルアルコール及びメチルアミルアルコールなどのアルコール類;キレシンなどのアルキル−置換芳香族炭化水素;ならびにメチレンジクロリド及びモノクロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素である。これらの有機溶剤は単独で又は組み合わせて用いることができる。本発明において特に好ましいのはベンジルアルコールである。これらの有機溶剤は一般に5重量%以下、好ましくは4重量%以下の量で現像液又はそのための補充液に加えられる。
【0062】
本発明で用いられる現像液及び補充液は同時に、それらの現像性を向上させる目的で界面活性剤を含有することができる。そのような界面活性剤の例には、高級アルコール(C8〜C22)硫酸エステルの塩、例えばラウリルアルコール硫酸エステルのナトリウム塩、オクチルアルコール硫酸エステルのナトリウム塩、ラウリルアルコール硫酸エステルのアンモニウム塩、Teepol B−81(商標、Shell Chemicals Co.,Ltdから入手可能)及びアルキル硫酸エステル二ナトリウム;脂肪族アルコールリン酸エステルの塩、例えばセチルアルコールリン酸エステルのナトリウム塩;アルキルアリールスルホン酸塩、例えばドデシルベンゼンスルホネートのナトリウム塩、イソプロピルナフタレンスルホネートのナトリウム塩、ジナフタレンジスルホネートのナトリウム塩及びメタニトロベンゼンスルホネートのナトリウム塩;アルキルアミドのスルホン酸塩、例えばC1733CON(CH3)CH2CH2SO3Naならびに2塩基性脂肪族酸エステルのスルホン酸塩、例えばジオクチルスルホコハク酸ナトリウム及びジヘキシルスルホコハク酸ナトリウムが含まれる。これらの界面活性剤は単独で又は組み合わせて用いることができる。特に好ましいのはスルホン酸塩である。これらの界面活性剤は一般に5重量%以下、好ましくは3重量%以下の量で用いることができる。
【0063】
本発明で用いられる現像液及び補充液の現像安定性を強化するために、以下の化合物を同時に用いることができる。
【0064】
そのような化合物の例は中性塩、例えばJN−A−58−75 152に開示されているようなNaCl、KCl及びKBr;キレート化剤、例えばJN−A−58−190 952(U.S−A−4 469 776)に開示されているようなEDTA及びNTA、JN−A−59−121 336(US−A−4 606 995)に開示されているような[Co(NH36]C13などの錯体;JN−A−55−25 100に開示されているもののような周期表のIIa、IIIa又はIIIb族の元素のイオン化可能化合物;アニオン性又は両性界面活性剤、例えばJN−A−50−51 324に開示されているようなアルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム及びN−テトラデシル−N,N−ジヒドロキシチルベタイン;US−A−4 374 920に開示されているようなテトラメチルデシンジオール;JN−A−60−213 943に開示されているような非−イオン性界面活性剤;カチオン性ポリマー、例えばJN−A−55−95946に開示されているようなp−ジメチルアミノメチルポリスチレンのメチルクロリド第4級生成物(methyl chloride quaternary products);両性高分子電解質、例えばJN−A−56−142528に開示されているようなビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロリドとアクリル酸ナトリウムのコポリマー;還元性無機塩、例えばJN−A−57−192 952(US−A−4 467 027)に開示されているような亜硫酸ナトリウム及びアルカリ−可溶性メルカプト化合物又はチオエーテル化合物、例えばチオサリチル酸、システイン及びチオグリコール酸;無機リチウム化合物、例えばJN−A−58−59 444に開示されているような塩化リチウム;有機リチウム化合物、例えばJN−A−50 34 442に開示されているような安息香酸リチウム;JN−A−59−75 255に開示されているようなSi、Tiなどを含有する有機金属界面活性剤;JN−A−59−84 241(US−A−4 500 625)に開示されているような有機ホウ素化合物;第4級アンモニウム塩、例えばEP−A−101 010に開示されているようなテトラアルキルアンモニウムオキシド;ならびに殺バクテリア剤、例えばJN−A−63−226 657に開示されているようなデヒドロ酢酸ナトリウムである。
【0065】
本発明の現像処理のための方法において、現像液のための補充液を補充するいずれの既知の手段も用いることができる。好適に用いられるそのような方法の例は、JN−A−55−115 039(GB−A−2 046 931)に開示されているように処理されたPS版の量と時間の関数として断続的又は継続的に補充液を補充するための方法、JN−A−58−95 349(US−A−4 537 496)に開示されているように溶出された感光層の程度を検出するためのセンサーを現像領域の中央部分に配置し、検出される溶出された感光層の程度に比例して補充液を補充することを含む方法;GB−A−2 208 249に開示されているように現像液のインピーダンス値を決定し、検出されるインピーダンス値をコンピューターにより処理して補充液の補充を行うことを含む方法である。
【0066】
本発明の印刷版は印刷法においてシームレススリーブ印刷版として用いることもできる。この選択肢の場合、印刷版はレーザーを用いて円筒形にはんだ付けされる。古典的に作製される印刷版を古典的な方法で適用する代わりに、直径として印刷胴の直径を有するこの円筒状印刷版を印刷胴上で滑らせる。スリーブに関するさらなる詳細は“Grafisch Nieuws” ed.Keesing,15,1995,page 4 to 6に示されている。
【0067】
画像通りに露出された画像形成要素を水性アルカリ性溶液を用いて現像し、乾燥した後、得られる版をそのまま印刷版として用いることができる。しかし耐久性を向上させるために該版を200℃〜300℃の温度で30秒〜5分間、焼くこともできる。画像形成要素をUV−線への全体的後−露出に供し、画像を硬膜させて印刷版のランレングスを増加させることもできる。
【0068】
以下の実施例は本発明をそこに制限することなくそれを例示するものである。すべての部及びパーセンテージは、他のように特定されなければ重量による。
【0069】
【実施例】
実施例1
平版印刷ベースの製造
厚さが0.30mmのアルミニウム箔を、50℃において5g/lの水酸化ナトリウムを含有する水溶液に箔を沈め、脱イオン水で濯ぐことにより脱脂した。次いで35℃の温度及び1200A/m2の電流密度において交流を用い、4g/lの塩酸、4g/lの硼酸及び5g/lのアルミニウムイオンを含有する水溶液中で箔を電気化学的に粗面化し、0.5μmの平均中心線粗さRaを有する表面トポロジーを形成した。
【0070】
脱イオン水で濯いだ後、次いで300g/lの硫酸を含有する水溶液を用い、60℃において180秒間、アルミニウム箔をエッチングし、25℃において30秒間、脱イオン水で濯いだ。
【0071】
続いて箔を200g/lの硫酸を含有する水溶液中で、45℃の温度、約10Vの電圧及び150A/m2の電流密度において約300秒間、陽極酸化に供し、3.00g/m2のAl23の陽極酸化フィルムを形成し、次いで脱イオン水で洗浄し、ポリビニルホスホン酸を含有する溶液及び続いて三塩化アルミニウムを含有する溶液を用いて後処理し、脱イオン水を用いて20℃で120秒間濯ぎ、乾燥した。
ヒートモード画像形成要素1の製造
平版印刷ベース上に、最初に55/45の比率のテトラヒドロフラン/メトキシプロパノール中の8.6重量%溶液からの層を14μmの湿潤コーティング厚さでコーティングした。得られる層は88%のALNOVOL SPN452TM及び12%の3,4,5−トリメトキシ安息香酸を含有した。次いでこの層の上に50/50の比率のメチルエチルケトン/メトキシプロパノール中の0.885重量%溶液からIR−感受性層を20μmの湿潤コーティング厚さでコーティングした。この層を120℃の温度で乾燥した。
得られるIR−感受性層は115mg/m2のカーボンブラック、11.5mg/m2のニトロセルロース、2.1mg/m2のSOLSPERSE 5000TM(Zeneca Specialities,GBから入手可能)、11.3mg/m2のSOLSPERSE 28000TM及び14mg/m2のFLUORAD FC 431TMを含有した。
FLUORAD FC 431TMは非−イオン性ペルフルオロ脂肪族ポリマー性エステルであり、3M,USAから入手可能である。
ヒートモード画像形成要素2の製造
FLUORAD FC 431TMを最上層で用いないことを除いて、要素1と同じ方法で該要素を製造した。
【0072】
2つの要素をGERBER C42TTM(Gerberから入手可能)内部ドラムプレートセッターを用い、12,000rpm及び2540dpiにおいて画像形成した。画像面におけるレーザーの出力レベルは4Wであった。
【0073】
IR−画像形成の後、TECHNIGRAPH NPX−32TTM(Technigraphから入手可能)プロセッサにおいてOZASOL EP 26TM(9部のOZASOL EP 26TM及び1部の水−OZASOL EP 26TMはAgfa,Germanyから商業的に入手可能)を用い、25℃で1m/分において材料を現像した。要素1の場合、IR−露出領域は非−IR−露出領域における攻撃なく非常に迅速に溶解し、ポジティブ作用性版を与えた。該版をHeidelberg GTO 46印刷機上で通常のK+Eからのインキ及びRotamaticからの湿し液を用い印刷し、優れたプリント、すなわち画像形成領域におけるスカム形成がなく、非−IR−露出領域における優れたインキ−吸収を有するプリントを得ることができた。要素2の場合、IR−露出領域は非常に迅速に溶解したが、同時に非−IR−露出領域が重大に攻撃され、印刷版上における優れた画像形成が得られなかった。
【0074】
実施例2
ヒートモード画像形成要素3の製造
実施例1の平版印刷ベース上に、最初に55/45の比率のテトラヒドロフラン/メトキシプロパノール中の8.6重量%溶液からの層を14μmの湿潤コーティング厚さでコーティングした。得られる層は88%のALNOVOL SPN452TM及び12%の3,4,5−トリメトキシ安息香酸を含有した。
次いでこの層の上に50/50の比率のメチルエチルケトン/メトキシプロパノール中の0.3重量%溶液からIR−感受性層を20μmの湿潤コーティング厚さでコーティングした。この層を120℃の温度で乾燥した。
得られるIR−感受性層は35mg/m2のIR−色素化合物1、10mg/m2の色素BASONYL−BLAU 636TM(BASFから商業的に入手可能なトリアリールメタン色素)、2mg/m2のTEGOGLIDE 265TM(ポリエーテルシロキサンコポリマー)及び5mg/m2のTEGOGLIDE 410TM(ポリエーテル修飾ポリシロキサン)(両方ともTego Chemie
【0075】
Service GmbHから商業的に入手可能なケイ素界面活性剤)を含有した。
【0076】
この材料をCREO TRENDSETTER 3244−TTM外部ドラムプレートセッター(Creoから入手可能)を用い、2400dpiにおいて、150rpmで186mJ/cm2のエネルギー−密度を用いて画像形成した。
【0077】
IR−画像形成の後、TECHNIGRAPH NPX−32TTMプロセッサにおいてOZASOL EP26TM現像液(Agfaから商業的に入手可能)を用い、25℃で1m/分において材料を現像した。
【0078】
IR−露出領域は非IR−露出領域における攻撃なく非常に迅速に溶解し、ポジティブ作用性印刷版を与えた。
【0079】
版をHeidelberg GTO46印刷機上で通常のインキ(K+E800)及び湿し液(Rotamatic)を用いて印刷し、優れたプリント、すなわちIR−露出領域におけるスカム形成がなく、非画像形成領域における優れたインキ−吸収を有するプリントを得た。
比較ヒートモード画像形成要素4の製造:
−この比較要素4の場合、界面活性剤TEGO GLIDE 265TM及びTEGO GLIDE 410TMをヒートモード画像形成要素3のIR−感受性最上層から省いた。この材料をCREO TRENDSETTER 3244−TTM外部ドラムプレートセッターを用い、2400dpiにおいて、150rpmで186mJ/cm2のエネルギー−密度を用いて画像形成した。
【0080】
IR−画像形成の後、TECHNIGRAPH NPX−32TTMプロセッサにおいてOZASOL EP26TM現像液(Agfaから商業的に入手可能)を用い、25℃で1m/分において材料を現像した。
【0081】
IR−露出領域は非IR−露出領域の重大な攻撃と共に非常に迅速に溶解し、使用できない印刷版を与えた。
【0082】
Heidelberg GTO46印刷機上で通常のインキ(K+E800)及び湿し液(Rotamatic)を用いて印刷すると、版は優れた印刷結果を有しておらず、すなわち非画像形成領域における優れたインキ−吸収がなかった。
【0083】
結果:画像形成及び処理の後の層の濃度及びDmax/DminをMacBeth 918SB(シアンフィルター)を用いて測定した。
【0084】
【表1】
Figure 0004208339
本発明の主たる特徴及び態様は以下の通りである。
【0085】
1.親水性表面を有する平版印刷ベース上に、水性アルカリ性溶液中に可溶性のポリマーを含む第1層ならびに平版印刷ベースの第1層と同じ側の上の最上層を有し、最上層はIR−感受性で且つ水性アルカリ性現像液に関して非浸透性である平版印刷版の作製のためのヒートモード画像形成要素であって;該第1層及び該最上層の少なくとも1つが界面活性剤を含むことを特徴とするヒートモード画像形成要素。
【0086】
2.該界面活性剤がペルフルオロアルキル界面活性剤及びアルキルフェニル界面活性剤から成る群より選ばれる界面活性剤である上記1項に記載の平版印刷版の作製のためのヒートモード画像形成要素。
【0087】
3.該界面活性剤がポリシロキサン界面活性剤である上記1項に記載の平版印刷版の作製のためのヒートモード画像形成要素。
【0088】
4.界面活性剤が0.003〜0.050g/m2の範囲の量で存在する上記1〜3項のいずれかに記載の平版印刷版の作製のためのヒートモード画像形成要素。
【0089】
5.第1層に含まれる該ポリマーが疎水性ポリマーである上記1〜4項のいずれかに記載の平版印刷版の作製のためのヒートモード画像形成要素。
【0090】
6.該疎水性ポリマーがノボラック樹脂又はヒドロキシスチレン単位を含むポリマーである上記5項に記載の平版印刷版の作製のためのヒートモード画像形成要素。
【0091】
7.該第1層が低分子量の酸及びベンゾフェノン類から成る群より選ばれる化合物を含む上記1〜6項のいずれかに記載の平版印刷版の作製のためのヒートモード画像形成要素。
【0092】
8.平版印刷ベースが電気化学的に粗面化され且つ陽極酸化されたアルミニウム支持体である上記1〜7項のいずれかに記載の平版印刷版の作製のためのヒートモード画像形成要素。
【0093】
9.電気化学的に粗面化され且つ陽極酸化されたアルミニウム支持体がポリビニルホスホン酸、ポリビニルメチルホスホン酸、ポリビニルアルコールのリン酸エステル、ポリビニルスルホン酸、ポリビニルベンゼンスルホン酸、ポリビニルアルコールの硫酸エステル及びスルホン化脂肪族アルデヒドとの反応により生成するポリビニルアルコールのアセタールで処理されている上記8項に記載の平版印刷版の作製のためのヒートモード画像形成要素。
【0094】
10.a)上記1〜9項のいずれかに記載のヒートモード画像形成要素をIR−線に画像通りに露出し;
b)該画像通りに露出されたヒートモード画像形成要素を水性アルカリ性現像液を用いて現像し、最上層の露出領域及び第1層のその下の領域を溶解し、第1層の非露出領域を溶解せずに残す
段階を含む平版印刷版の作製方法。

Claims (3)

  1. 親水性表面を有する平版印刷ベース上に、水性アルカリ性溶液中に可溶性のポリマーを含む第1層ならびに平版印刷ベースの第1層と同じ側の上の最上層を有し、最上層はIR−感受性で且つ水性アルカリ性現像液に関して非浸透性である平版印刷版の作製のためのヒートモード画像形成要素であって;該最上層がポリシロキサン界面活性剤を含むことを特徴とするヒートモード画像形成要素。
  2. 界面活性剤が0.003〜0.050g/m2の範囲の量で存在する請求項1に記載の平版印刷版の作製のためのヒートモード画像形成要素。
  3. 第1層に含まれる該ポリマーがノボラック樹脂又はヒドロキシスチレン単位を含むポリマーである請求項1又は2に記載の平版印刷版の作製のためのヒートモード画像形成要素。
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