JP4206773B2 - 照明器具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の光源を備えた照明器具に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば天井面などに設置して壁面などの鉛直面を照射するウォールウォッシャ、あるいは舞台、スタジオなどでホリゾント面を照射するホリゾントライトなどとして使用される照明器具がある。
【0003】
この種の照明器具としては、モールド樹脂に封止された光源としてのLEDの背面側に凹面鏡状の反射部が取り付けられ、反射部の前面に、光源の光を外部に出射する凸レンズ状の出射領域および光源の光を全反射する全反射領域を備えた反射板が取り付けられた構成が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
また、精密な配光を得る必要がない場合には、複数のLEDを所定位置に配設し、各LEDに接続された抵抗の抵抗値を調整して各LEDの出力を変化させることで所望の配光特性を得る構成も知られている(例えば、特許文献2参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−94129号公報(第8頁、第3図)
【0006】
【特許文献2】
特開2001−155508号公報(第2頁、図1)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の特許文献1記載の照明器具では、精密な配光を得るために専用の反射板を設計しなければならず、製造性が良好でないという問題がある。
【0008】
また、上述の特許文献2記載の照明器具では、各LEDからの光の出力を変化させているだけなので、各LEDからの光を効率よく利用することが容易でなく、所望の配光特性を得ることが容易でないという問題がある。
【0009】
本発明はこのような点に鑑みなされたもので、製造性を向上でき、かつ良好な配光特性を得ることができる照明器具を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の照明器具は、照射開口を備えた器具本体と;ビーム角が互いに異なり、ビーム角が小さいものほど照射面に対して垂直な面と光軸との交差する角度が大きくなるように照射開口に向けて器具本体に取り付けられて光軸が器具本体の外側で互いに1点で交差する複数の光源を備え、照射面に対する照射幅が略一定の光源部と;を具備しているものである。
【0011】
そして、ビーム角が互いに異なる複数の光源を、ビーム角が小さいものほど照射面に対して垂直な面と光軸との交差する角度が大きくなるように照射開口に向けて器具本体に取り付けて光源の光軸を器具本体の外側で互いに1点で交差させることで光源部からの照射面に対する照射幅を略一定とすることにより、例えば専用の反射板などを用いることなく各光源からの光を効率よく利用し、製造性を向上でき、かつ良好な配光特性を容易に得ることができるとともに、照射開口の大きさを必要以上に大きく取らずに済み、全体として小型化できる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照して説明する。
【0013】
図1は照明器具の断面図、図2は照明器具の斜視図、図3は照明器具の設置状態を示す説明図、図4は照明器具の各光源のビームパターンを示す説明図、図5は合成照度分布を示すグラフ、図6は図5に示す合成照度分布の水平方向のグラフ、図7は図5に示す合成照度分布の鉛直方向のグラフである。
【0014】
図1において、1は照明器具であり、この照明器具1は、図3に示すように、天井面2などに設置して特に壁面などの照射面としての垂直面3を照射する、いわゆるウォールウォッシャ、あるいは舞台、スタジオなどでホリゾント面を照射する、いわゆるホリゾントライトなどとして使用されるものである。
【0015】
また、照明器具1は、図2に示すように、器具本体4およびこの器具本体4内に取り付けられた光源部5を備えている。そして、器具本体4が天井面2に開口形成された埋込孔に下方から埋め込まれて設置される。
【0016】
器具本体4は、金属などを曲げ加工されたもので、対向する一対の側板部6,6およびこれら側板部6,6に隣り合う一対の端板部7,7を有する角筒状に形成されている。したがって、器具本体4は、上端部および下端部が矩形状に開口しており、下端部の開口が照射開口8となっている。この照射開口8は、天井面2と略平行になっており、垂直面3に対して略垂直になっている。この照射開口8の周囲には、側板部6,6および端板部7,7の下端部が器具本体4の外方に略垂直に屈曲されてフランジ部9が形成されている。
【0017】
一方、光源部5は、複数、例えば16個の光源11を有している。これら光源11は、互いに異なる4種類のビーム角を有する4つのグループa,b,c,dを形成している。これら各グループは、図1に模式的に示すようなビームパターンPaないしPdをそれぞれ有する光源11を4つずつ備えており、各光源11のビーム角は、グループaが最も大きく、グループb、グループcと順次小さくなり、グループdが最も小さい。
【0018】
また、光源11は、グループ毎にそれぞれ1枚ずつの細長板状の取付板12に取り付けられている。各取付板12には、同じグループに属する4つの光源11が長手方向に隣り合って固定されている。さらに、これら取付板12は、両端部が上方向に向けて屈曲されており、これら両端部が器具本体4の側板部6,6にねじ13などでそれぞれ取り付けられている。そして、これら取付板12は、器具本体4の端板部7,7方向に互いに隣接して配設されている。この結果、光源11の各グループは、照射開口8に向けてそれぞれ所定の取付角度θaないしθdとなるように固定されている。以下、取付角度とは、垂直面3に対して垂直な面である天井面2、あるいは照射開口面と、器具本体4に取り付けられた光源11の各グループの光軸とのなす角度をいう。
【0019】
また、光源11は、グループaからグループdへと、取付角度が順次大きくなるように器具本体4に取り付けられている。言い換えると、光源11は、ビーム角が小さいものの取付角度が、ビーム角が大きいものの取付角度よりも大きい。すなわち、θa<θb<θc<θdである。
【0020】
さらに、光源11は、グループaからグループdへと、順次上側になるように取り付けられている。したがって、光源11は、各グループが側面視で上側に湾曲した円弧状に取り付けられている。
【0021】
光源11は、光源本体としての基本光源である略円筒状のLED21を備え、これらLED21の下端部には、各LED21のビーム角をグループ毎に所定の角度にする磨りガラス状の拡散フィルタ22がそれぞれ取り付けられている。そして、光源11は、各グループの光軸LaないしLdが照射開口8の外側で互いに1点で交差するように配置されている。
【0022】
また、LED21には、図示しないが、リード線が電気的に接続されており、これらリード線は、器具本体4の上端開口から導出されている。これらリード線は、照明器具1の各LED21に電源を供給する所定の電源部、および、各LED21の点灯状態を制御する制御部に接続される。
【0023】
次に、一実施の形態の作用を説明する。
【0024】
図示しない電源部から供給された電源部により、制御部を介して各光源11のLED21が点灯されると、これらLED21からの発光が拡散フィルタ22により拡散されて、光源11の各グループから異なるビーム角の光が照射開口8を介して垂直面3に照射される。
【0025】
ここで、例えばグループaの光源11を、取付角度θaを53.2°、ビーム角を58.4°、光軸La上の光度を42cdとし、グループbの光源11を、取付角度θbを66.5°、ビーム角を33.8°、光軸La上の光度を123cdとし、グループcの光源11を、取付角度θcを77.9°、ビーム角を24.4°、光軸Lc上の光度を232cdとし、グループdの光源11を、取付角度θaを81.6°、ビーム角を17.7°、光軸Ld上の光度を434cdとし、図4に示すように配置した際には、図5ないし図7に示す照度分布が得られる。
【0026】
すなわち、図6および図7に示す各グループaないしdの光源11による照度分布を合成した結果、図5に示すように垂直面3の鉛直方向全体に亘って略楕円形状となる合成照度分布が得られ、特に、図7に示すように、設計目標Tに対して誤差を抑制した合成照度分布Sの特性となる。
【0027】
このように、取付角度およびビーム角が互いに異なる複数の光源11を器具本体4に取り付けることにより、所定の配光を得るための専用の反射板などを設計することなく容易に所定の配光特性を得ることができる。
【0028】
したがって、単に各光源11の出力を変化させるだけの従来の場合と比較して、照明器具1の光源11の光利用効率、すなわち照明器具1の器具効率を向上でき、優れた配光制御を得ることができる。
【0029】
また、専用の反射板などの設計のための設計費用および金型などが不要になり、製造コストを低減でき製造性を向上できる。
【0030】
さらに、照明器具1による照射幅が照明器具1からの距離の遠近に関わらず略一定であるとともに、LED21を光源11として用いることで垂直面3の照射部と非照射部との境界が明確になり、例えば湾曲した照射面に照射した場合でも、照明器具から遠ざかるにつれて合成照度分布の照射幅が扇形状に広がる従来の照明器具のように、いわゆるチューリップ現象が発生することがなく、良好で癖がない照度分布を得ることができる。
【0031】
そして、光源11は、LED21に所定の拡散フィルタ22を取り付けるだけで、複雑な機構などを用いることなく所定のビーム角を容易に得ることができる。
【0032】
また、光源11としてLED21を集合的に用いることで、照明器具1自体を省電力化できるとともに、白熱電球などと比較して輝度が低いLED21であっても充分な配光を得ることができる。
【0033】
さらに、光源11の各グループの光軸LaないしLdを、器具本体4の照射開口8の外側で交差させることで、照射開口8の開口幅寸法を必要以上に取らずに済み、器具本体4の大きさを低減して、照明器具1全体として小型化が可能になる。
【0034】
なお、一実施の形態において、各光源11のビーム角および取付角度は、所望の配光特性に応じて適宜設計変更可能である。
【0035】
さらに、各光源11は、3種類、あるいは5種類以上のビーム角のグループに分けてもよく、1つのグループの光源11の数も4つに限定されるものではない。
【0036】
そして、1つのグループの光源11を1枚の取付板12に取り付けたが、1つのグループの光源11の数を多くする場合などには、複数の取付板12に取り付けて同じ取付角度となるようにしてもよい。
【0037】
【発明の効果】
請求項1記載の照明器具によれば、照射面に対して垂直な面と光軸との角度およびビーム角が互いに異なる複数の光源を器具本体に取り付けることにより、例えば専用の反射板などを用いることなく各光源からの光を効率よく利用し、製造性を向上でき、かつ良好な配光特性を容易に得ることができるとともに、照射開口の大きさを必要以上に大きく取らずに済み、全体として小型化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態を示す照明器具の断面図である。
【図2】 同上照明器具を示す斜視図である。
【図3】 同上照明器具の設置状態を示す説明図である。
【図4】 同上照明器具の光源のビームパターンを示す説明図である。
【図5】 同上光源の合成照度分布を示すグラフである。
【図6】 図5に示す合成照度分布の水平方向のグラフである。
【図7】 図5に示す合成照度分布の鉛直方向のグラフである。
【符号の説明】
1 照明器具
3 照射面としての垂直面
4 器具本体
5 光源部
8 照射開口
11 光源
La,Lb,Lc,Ld 光軸
Claims (1)
- 照射開口を備えた器具本体と;
ビーム角が互いに異なり、ビーム角が小さいものほど照射面に対して垂直な面と光軸との交差する角度が大きくなるように照射開口に向けて器具本体に取り付けられて光軸が器具本体の外側で互いに1点で交差する複数の光源を備え、照射面に対する照射幅が略一定の光源部と;
を具備していることを特徴とする照明器具。
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