JP4205401B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、所定の始動条件の成立に基づいて各々が識別可能な複数種類の識別情報画像の可変表示を行い表示結果を導出表示する可変表示装置と、該可変表示装置において、前記始動条件が成立した後、可変表示の開始条件の成立に基づいて前記表示結果をその導出以前に決定する表示結果事前決定手段と、を備え、該表示結果事前決定手段が表示結果を特定表示結果とすることを決定したときに前記可変表示装置に前記特定表示結果を表示した後に遊技者に有利な特定遊技状態を発生させる遊技機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、一般に、可変表示装置を備えた遊技機の一例としての弾球遊技機は、可変表示装置における複数列(例えば、左・中・右の3列)の可変表示部で図柄(識別情報画像)を可変表示し、各可変表示部の停止図柄が同一図柄で揃った大当り図柄(特定表示結果)となったときに特定遊技状態を発生するようになっていた。また、可変表示装置を画像表示装置で構成した場合、リーチ表示態様(例えば、中図柄の停止以前に左右の図柄が同一図柄で揃う表示態様)が表示されると、最終停止図柄(中図柄)の変動画像として通常時とは異なるリーチ演出画像を表示することで遊技の興趣を向上するようになっており、リーチ演出画像には、リーチ演出後大当り図柄が導出され難いノーマルリーチの演出画像(第1のリーチ演出画像)と、リーチ演出後大当り図柄が導出され易いスーパーリーチの演出画像(第2のリーチ演出画像)とがあった。
【0003】
また、上記したスーパーリーチの演出画像を表示可能にした構成では、スーパーリーチの出現から予め定めた所定期間が経過しても次のスーパーリーチが出現しない場合、次のリーチを強制的にスーパーリーチとして出現させるもの(例えば、特許文献1参照)が提案されている。さらには、スーパーリーチの出現を制御する構成としては、信頼度が異なる複数のスーパーリーチを設定すると共に、所定数を上限にアイテム(特別演出画像)を取得(記憶)可能な構成として、スーパーリーチの信頼度とアイテム取得数とが一致した場合にスーパーリーチを出現させるもの(例えば、特許文献2参照)が提案されている。このような特許文献2の構成とすることで、出現率の低いスーパーリーチを見るためのアイテムの取得に対して遊技者の興趣を高めるようになっていた。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−28877号公報(第9−10頁、図16)
【特許文献2】
特開2002−143457号公報(第6−9頁、図3)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記特許文献1,2の構成では、図柄変動の始動記憶に関わらず、所定期間が経過したこと、あるいはアイテムが貯まったことを所定条件の成立としてスーパーリーチを出現させていたため、所定条件の成立によるスーパーリーチの出現後直ぐに始動記憶に基づく図柄変動で大当りとなったり、あるいはスーパーリーチが出現するような場合があり、遊技者のスーパーリーチに対する信頼度を低下させていた。本発明は、上記した事情に鑑みなされたもので、その目的とするところは、特別演出画像の取得に基づいて第2のリーチ演出画像の表示を制御する構成において、遊技者の第2のリーチ演出画像に対する信頼度を低下させることなく、特別演出画像の取得に対して遊技者の興趣を高めることができる遊技機を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明においては、所定の始動条件の成立に基づいて各々が識別可能な複数種類の識別情報画像の可変表示を行い表示結果を導出表示する可変表示装置と、該可変表示装置において、前記始動条件が成立した後、可変表示の開始条件の成立に基づいて前記表示結果をその導出以前に決定する表示結果事前決定手段と、を備え、該表示結果事前決定手段が表示結果を特定表示結果とすることを決定したときに前記可変表示装置に前記特定表示結果を表示した後に遊技者に有利な特定遊技状態を発生させる遊技機であって、前記識別情報画像を含む画像データを記憶する画像データ記憶手段と、前記識別情報画像の可変表示を含む演出表示を実行する表示制御手段と、前記始動条件が成立したが未だ前記可変表示の開始条件が成立していない可変表示について前記表示結果事前決定手段により決定された表示結果の情報を予め定められた上限数まで記憶可能な始動記憶手段と、所定条件の成立数を記憶する成立回数記憶手段と、該成立回数記憶手段に記憶された成立数を前記識別情報画像とは異なる特別演出画像を用いて識別可能に表示する特別演出画像表示手段と、を備え、前記画像データ記憶手段には、第1のリーチ演出画像と、該第1のリーチ演出画像より前記特定表示結果となる信頼度の高い第2のリーチ演出画像を含む複数種類のリーチ演出画像を記憶するリーチ演出画像記憶手段を含み、前記表示結果事前決定手段は、前記可変表示において実行するリーチ演出画像を選択するリーチ演出画像選択手段と、前記成立回数記憶手段に記憶された前記所定条件の成立数が所定数に達したときに、前記リーチ演出画像選択手段によって前記第2のリーチ演出画像を選択する第2のリーチ演出選択手段と、を含み、前記成立回数記憶手段に記憶された前記所定条件の成立数が前記所定数よりも少ない値で設定された閾値以上で且つ前記所定数未満であり、さらに前記始動記憶内に前記特定表示結果の情報が含まれているときに、前記特別演出画像表示手段は、前記特定表示結果の可変表示を実行する以前に前記特別演出画像を前記所定条件の成立数が前記所定数に達したときに表示される態様で表示させる特別演出画像変更制御を実行すると共に、前記第2のリーチ選択手段は、前記特定表示結果の可変表示を実行するときに前記リーチ演出画像選択手段により前記第2のリーチ演出画像を選択し、表示制御することを特徴とする。このように構成することにより、所定条件の成立数が所定数に近く、始動記憶に特定表示結果があるときは、所定条件の成立数が所定数に達したときに表示される態様で特別演出画像を表示した後、第2のリーチ演出画像を出現させ、特定表示結果の可変表示を行うため、所定条件の成立数が所定数に達したときに表示される態様で特別演出画像が表示されたことにより、第2のリーチ演出画像の出現及び特定表示結果の可変表示が発生した印象を遊技者に与えることができる。また、所定条件の成立数が所定数に達したときに表示される態様で特別演出画像が表示されることによる第2のリーチ演出画像の出現後直ぐに始動記憶に基づく識別情報の可変表示で特定表示結果が表示されたり、あるいは第2のリーチ演出画像が出現するようなことを回避することができるので、遊技者の第2のリーチ演出画像に対する信頼度を低下させることなく、特別演出画像の取得に対して遊技者の興趣を高めることができる。
【0007】
また、請求項2の発明においては、前記第2のリーチ演出画像選択手段は、前記成立回数記憶手段に記憶された前記所定条件の成立数が前記所定数に達し且つ前記始動記憶内に前記特定表示結果の情報とリーチ演出を実行する情報が含まれるとき、前記特定表示結果の可変表示を実行する以前に前記第2のリーチ演出画像の表示制御を行わず、前記特定表示結果の可変表示を実行するときに前記第2のリーチ演出画像を表示制御することを特徴とする。このように構成することにより、始動記憶に基づく識別情報画像の可変表示で特定表示結果が表示される場合に第2のリーチ演出画像を出現させ易くできるので、より一層、遊技者の第2のリーチ演出画像に対する信頼度を保つことができる。
【0008】
また、請求項3の発明においては、前記表示結果事前決定手段は、乱数カウンタを用いて表示結果を決定し、前記所定条件の成立は、前記成立回数記憶手段に記憶された前記所定条件の成立数が前記閾値に達するまで前記乱数カウンタとは異なる別の乱数カウンタを用いて決定することを特徴とする。このように構成することにより、識別情報画像の可変表示に関わらずに特別演出画像の取得の有無を決定することができるので、識別情報画像を可変表示する演出とは異なった演出で特別演出画像の取得に対する遊技者の興趣を高めることができる。
【0009】
また、請求項4の発明においては、前記特別演出画像表示手段は、前記成立回数記憶手段に記憶された前記所定条件の成立数分の数の前記特別演出画像を表示することを特徴とする。このように構成することにより、所定条件の成立数増加に伴い特別演出画像の表示数を増加させるため、特別演出画像の取得数をより把握し易くなるので、遊技者の遊技に対する興味を高められる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例である第1種パチンコ遊技機の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機を正面からみた正面図、図2は遊技盤の前面を示す正面図である。
【0011】
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤を除く。)とを含む構造体である。
【0012】
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4と打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には遊技領域7が形成されている。遊技領域7の中央付近には、それぞれが識別情報画像としての図柄を可変表示する複数の可変表示部を含む可変表示装置9が設けられている。可変表示装置9には、本例では「左」、「中」、「右」の3つの可変表示部8a〜8c(図柄表示エリア=表示領域)がある。
【0013】
飾り図柄用可変表示装置8は、CRT表示装置により構成され(但し、飾り図柄用可変表示装置8はCRTに限らず、LCD、FED、PDP、EL、LED等いずれの画像表示器から構成してもよい)、7セグメントLEDにより行なわれる比較的単調な特別図柄用可変表示装置24の可変表示内容を、より演出効果を高めて遊技者に表示するための可変表示装置である。この飾り図柄用可変表示装置8の表示結果は特別図柄用可変表示装置24の表示結果に対応しているために、たとえば特別図柄用可変表示装置24の表示結果が大当り状態を示す結果になる場合には、飾り図柄用可変表示装置8の表示結果も大当り状態を示す結果になる。また、特別図柄用可変表示装置24の表示結果が大当り状態以外の外れ状態を示す場合には、飾り図柄用可変表示装置8の表示結果も外れ状態を示す結果となる。
【0014】
本実施形態では、「左」、「中」、「右」の3つの可変表示部8a〜8cにおいて図柄が全て同一図柄で揃うと大当りとなるように制御され、このうち予め定めた確変図柄(例えば、奇数数字の図柄)で揃うと確変大当りとなるように制御される。よって、本実施形態では、最終停止図柄となる中央の可変表示部以外(左右の可変表示部8a,8c)で同一図柄が揃うとリーチ演出が実行される。
【0015】
飾り図柄用可変表示装置8の上部には、7セグメントLEDにより構成された普通図柄表示器10が設けられている。この普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報を可変表示可能なものである。一方、飾り図柄用可変表示装置8の下部には、始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち始動入賞記憶(これを始動記憶ともいう)数を表示する4つのLEDからなる特別図柄始動記憶表示器18が設けられている。特別図柄始動記憶表示器18は、有効始動入賞(始動入賞記憶数が4未満のときの始動入賞)がある毎に、LEDの点灯を1増やす。そして、特別図柄用可変表示装置24の可変表示が開始される毎に、点灯している特別図柄始動記憶表示器18(LED)を1減らす。すなわちLEDを1つ消灯する。
【0016】
また、飾り図柄用可変表示装置8(図柄表示エリアの上方)には、取得したアイテムを表示するアイテム表示エリア42(特別演出画像表示手段)が設けられている。アイテム表示エリア42は、アイテムを1つ取得する毎に、特別演出画像としてのキャラクタ(実施形態中では、野球のボール)43の表示を1増やす。なお、本発明に係る特別演出画像としてのアイテム(キャラクタ43)とは、後で詳述する所定条件の成立に基づいて所定数(実施形態中では、5個)を上限に記憶されるものであり、取得アイテム数が所定数に達した場合、次に出現するリーチ変動を強制的にスーパーリーチ(大当り信頼度が高いリーチ変動)の変動パターンで行わせるようになっている。また、取得アイテム数が5個になるとスーパーリーチを出現させ、その後、アイテム表示エリア42に表示された5個のキャラクタ43が全て消去される。言い換えれば、取得アイテム数が0個にリセットされる。また、アイテム表示エリア42は、図柄表示エリアと区分けされて設けられているので、可変表示中も取得アイテム数が表示された状態とすることができる。また、本実施形態では、アイテム表示エリア42を飾り図柄用可変表示装置8に設けるようにしているが、取得したアイテムを表示する表示器(例えば、ランプ・LED等)を飾り図柄用可変表示装置8とは別個に設けるようにしてもよい。
【0017】
飾り図柄用可変表示装置8の下方には、始動入賞口14と可変入賞球装置15が設けられている。始動入賞口14に入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、始動口スイッチ14aによって検出される。また、始動入賞口14の下部には開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられている。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。
【0018】
可変入賞球装置15の下部には、特定遊技状態(大当り状態)においてソレノイド21によって開状態とされる開閉板20が設けられている。開閉板20は大入賞口を開閉する手段である。開閉板20から遊技盤6の背面に導かれた入賞球のうち一方(V入賞領域)に入った入賞球はV入賞スイッチ22で検出され、開閉板20からの入賞球はカウントスイッチ23で検出される。遊技盤6の背面には、大入賞口内の経路を切り換えるためのソレノイド21A(図3に符号のみを記載)も設けられている。
【0019】
ゲート32に遊技球が入賞しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄始動入賞記憶が上限に達していなければ、所定の乱数値が抽出される。そして、普通図柄表示器10において表示状態が変化する可変表示を開始できる状態であれば、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。普通図柄表示器10において表示状態が変化する可変表示を開始できる状態でなければ、普通図柄始動入賞記憶の値が1増やされる。普通図柄表示器10の近傍には、普通図柄始動入賞記憶数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄始動記憶表示器41(図3に符号のみを記載)が設けられている。ゲート32への入賞がある毎に、普通図柄始動記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。なお、特別図柄と普通図柄とを一つの可変表示装置で可変表示するように構成することもできる。その場合には、特別可変表示部と普通可変表示部とは1つの可変表示装置で実現される。
【0020】
本実施形態では、左右のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって普通図柄の可変表示が行われ、可変表示は所定時間(例えば29.2秒)継続する。そして、可変表示の終了時に左側のランプが点灯すれば当りとなる。当りとするか否かは、ゲート32に遊技球が入賞したときに抽出された乱数の値が所定の当り判定値と一致したか否かによって決定される。普通図柄表示器10における可変表示の表示結果が当りである場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になって遊技球が入賞しやすい状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態に変化する。
【0021】
さらに、特別遊技状態としての確変状態では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数とのうちの一方または双方が高められ、遊技者にとってさらに有利になる。また、確変状態等の所定の状態では、普通図柄表示器10における可変表示期間(変動時間)が短縮されることによって、遊技者にとってさらに有利になるようにしてもよい。
【0022】
遊技盤6には、複数の入賞口29,30,33,39が設けられ、遊技球の入賞口29,30,33への入賞は、それぞれ入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aによって検出される。遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される飾りランプ25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球を吸収するアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、効果音や音声を発する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cが設けられている。
【0023】
そして、この例では、左枠ランプ28bの近傍に、賞球残数があるときに点灯する賞球ランプ51が設けられ、天枠ランプ28aの近傍に、補給球が切れたときに点灯する球切れランプ52が設けられている。さらに、図1には、パチンコ遊技機1に隣接して設置され、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするカードユニット50も示されている。
【0024】
カードユニット50には、使用可能状態であるか否かを示す使用可表示ランプ151、カードユニット50がいずれの側のパチンコ遊技機1に対応しているのかを示す連結台方向表示器153、カードユニット50内にカードが投入されていることを示すカード投入表示ランプ154、記録媒体としてのカードが挿入されるカード挿入口155、およびカード挿入口155の裏面に設けられているカードリーダライタの機構を点検する場合にカードユニット50を解放するためのカードユニット錠156が設けられている。
【0025】
打球発射装置から発射された遊技球は、打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。打球が始動入賞口14に入り始動口スイッチ14aで検出されると、図柄の可変表示を開始できる状態であれば、特別図柄用可変表示装置24において特別図柄が可変表示(変動)を始める。図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、始動入賞記憶数を1増やす。
【0026】
特別図柄用可変表示装置24における特別図柄の可変表示は、一定時間が経過したときに停止する。停止時の特別図柄の組み合わせが大当り図柄(特定表示結果)であると、大当り遊技状態(特定遊技状態)に移行する。すなわち、開閉板20が、一定時間経過するまで、または、所定個数(例えば10個)の打球が入賞するまで開放する。そして、開閉板20の開放中に打球がV入賞領域に入賞しV入賞スイッチ22で検出されると、継続権が発生し開閉板20の開放が再度行われる。継続権の発生は、所定回数(例えば15ラウンド)許容される。
【0027】
停止時の特別図柄用可変表示装置24における特別図柄の組み合わせが確率変動を伴う大当り図柄(確変図柄)の組み合わせである場合には、次に大当りとなる確率が高くなる。すなわち、確変状態という遊技者にとってさらに有利な状態(特別遊技状態)となる。
【0028】
図3は、主基板31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図3には、払出制御基板37、ランプ制御基板35、音制御基板70、発射制御基板91および図柄制御基板80も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する基本回路53と、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、V入賞スイッチ22、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39a、満タンスイッチ48、球切れスイッチ187、賞球カウントスイッチ301Aおよびクリアスイッチ921からの信号を基本回路53に与えるスイッチ回路58と、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、開閉板20を開閉するソレノイド21および大入賞口内の経路を切り換えるためのソレノイド21Aを基本回路53からの指令に従って駆動するソレノイド回路59とが搭載されている。
【0029】
なお、図3には示されていないが、カウントスイッチ短絡信号もスイッチ回路58を介して基本回路53に伝達される。また、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、V入賞スイッチ22、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39a、満タンスイッチ48、球切れスイッチ187、賞球カウントスイッチ301A等のスイッチは、センサと称されているものでもよい。すなわち、遊技球を検出できる遊技媒体検出手段(この例では遊技球検出手段)であれば、その名称を問わない。スイッチと称されているものがセンサと称されているもの等でもよいこと、すなわち、スイッチが遊技媒体検出手段の一例であることは、他の実施形態でも同様である。
【0030】
また、基本回路53から与えられるデータに従って、大当りの発生を示す大当り情報、特別図柄用可変表示装置24における図柄の可変表示開始に利用された始動入賞球の個数を示す有効始動情報、確率変動が生じたことを示す確変情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路64が搭載されている。
【0031】
基本回路53は、ゲーム制御用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段(変動データ、始動入賞記憶数、所定条件の成立数等を記憶する手段)としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。本実施形態では、ROM54,RAM55はCPU56に内蔵されている。すなわち、CPU56は、1チップマイクロコンピュータである。なお、1チップマイクロコンピュータは、少なくともRAM55が内蔵されていればよく、ROM54およびI/Oポート部57は外付けであっても内蔵されていてもよい。なお、CPU56はROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、CPU56が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているCPUについても同様である。
【0032】
また、RAM(CPU内蔵RAMであってもよい。)55の一部または全部が、電源基板910において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。
【0033】
遊技球を打撃して発射する打球発射装置は発射制御基板91上の回路によって制御される駆動モータ94で駆動される。そして、駆動モータ94の駆動力は、操作ノブ5の操作量に従って調整される。すなわち、発射制御基板91上の回路によって、操作ノブ5の操作量に応じた速度で打球が発射されるように制御される。
【0034】
本実施形態では、ランプ制御基板35に搭載されているランプ制御手段が、遊技盤に設けられている普通図柄始動記憶表示器41および飾りランプ25の表示制御を行うとともに、枠側に設けられている天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28c、賞球ランプ51および球切れランプ52の表示制御を行う。なお、各ランプはLEDその他の種類の発光体でもよく、本実施形態および他の実施形態で用いられているLEDも他の種類の発光体でもよい。すなわち、ランプやLEDは発光体の一例である。また、特別図柄を可変表示する特別図柄用可変表示装置24および飾り図柄用可変表示装置8および普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10の表示制御は、図柄制御基板80に搭載されている表示制御手段によって行われる。
【0035】
各制御手段は遊技機に設けられている電気部品の制御を行うので、以下、各制御手段を電気部品制御手段といい、電気部品制御手段が搭載された基板を電気部品制御基板ということがある。電気部品とは、遊技機に設けられている部品(機構部品や回路等)であって電気的に動作するものである。電気部品制御手段として、例えば、電気部品としての球払出装置を制御する払出制御手段、電気部品としての演出用の可変表示装置の制御を行う表示制御手段、電気部品としての演出制御用の発光体(ランプやLED)の制御を行うランプ制御手段、電気部品としての演出用のスピーカからの音発生の制御を行う音制御手段がある。また、演出用の電気部品を制御する表示制御手段、ランプ制御手段、音制御手段等を演出制御手段ということがある。
【0036】
図4は、図柄制御基板80内の回路構成を、飾り図柄用可変表示装置8の一実現例であるLCD(液晶表示装置)82、普通図柄表示器10、主基板31の出力ポート(ポート0,2)570,572および出力バッファ回路620,62Aとともに示すブロック図である。出力ポート(出力ポート2)572からは8ビットのデータが出力され、出力ポート570からは1ビットのストローブ信号(INT信号)が出力される。また、本実施形態では、コマンドデータをパラレル通信(この例では8ビットパラレル)によって送信する構成としているが、シリアル通信によってやりとりされるようにしてもよい。
【0037】
表示制御用CPU101(表示制御手段)は、制御データROM102に格納されたプログラムに従って動作し、主基板31からノイズフィルタ107および入力バッファ回路105Bを介してINT信号が入力されると、入力バッファ回路105Aを介して表示制御コマンドを受信する。入力バッファ回路105A,105Bとして、例えば汎用ICである74HC540,74HC14を使用することができる。なお、表示制御用CPU101がI/Oポートを内蔵していない場合には、入力バッファ回路105A,105Bと表示制御用CPU101との間に、I/Oポートが設けられる。
【0038】
そして、表示制御用CPU101は、受信した表示制御コマンドに従って、LCD82に表示される画像の表示制御を行う。具体的には、表示制御コマンドに応じた指令をVDP(ビデオディスプレイプロセッサ)103に与える。VDP103は、キャラクタROM86から必要なデータを読み出す。VDP103は、入力したデータに従ってLCD82に表示するための画像データを生成し、R,G,B信号および同期信号をLCD82に出力する。
【0039】
なお、図4には、VDP103をリセットするためのリセット回路83、VDP103に動作クロックを与えるための発振回路85、および使用頻度の高い画像データを格納するキャラクタROM86(画像データ記憶手段)も示されている。キャラクタROM86に格納される使用頻度の高い画像データとは、例えば、LCD82に表示される人物、動物、または、文字、図形もしくは記号等からなる画像などである。また、このキャラクタROM86内に、本発明に係る第1及び第2の各リーチ演出画像が記憶され、キャラクタROM86が本発明のリーチ演出画像記憶手段を構成している。
【0040】
入力バッファ回路105A,105Bは、主基板31から図柄制御基板80へ向かう方向にのみ信号を通過させることができる。従って、図柄制御基板80側から主基板31側に信号が伝わる余地はない。すなわち、入力バッファ回路105A,105Bは、入力ポートともに不可逆性情報入力手段を構成する。図柄制御基板80内の回路に不正改造が加えられても、不正改造によって出力される信号が主基板31側に伝わることはない。
【0041】
高周波信号を遮断するノイズフィルタ107として、例えば3端子コンデンサやフェライトビーズが使用されるが、ノイズフィルタ107の存在によって、表示制御コマンドに基板間でノイズが乗ったとしても、その影響は除去される。また、主基板31のバッファ回路620,62Aの出力側にもノイズフィルタを設けてもよい。
【0042】
なお、主基板31とランプ制御基板35との間のランプ制御コマンドの信号送受信部分の構成や、主基板31と音制御基板70との間の音制御コマンドの信号送信部分の構成は、上述した図4に示した主基板31と図柄制御基板80との間の表示制御コマンドの信号送受信部分と同様に構成される。なお、各ランプはLEDその他の種類の発光体でもよい。すなわち、ランプやLEDは発光体の一例であり、以下、ランプ・LEDと総称することがある。また、飾り図柄用可変表示装置8の上部および左右部には、可変表示装置飾りLED(センター飾りLED)が設置され、大入賞口の内部には大入賞口内飾りLEDが設置され、大入賞口の左右には、大入賞口左飾りLEDおよび大入賞口右飾りLEDが設置されている。
【0043】
なお、ランプ・LEDを駆動するための駆動信号は、ランプ制御基板35において作成される。また、特別図柄を可変表示する特別図柄用可変表示装置24および飾り図柄用可変表示装置8および普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10の表示制御は、図柄制御基板80に搭載されている表示制御手段によって行われる。
【0044】
次に遊技機の動作について説明する。図5は、主基板31における遊技制御手段(CPU56およびROM,RAM等の周辺回路)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され、リセット端子の入力レベルがハイレベルになると、CPU56は、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
【0045】
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスレジスタの初期化を行う(ステップS4)。また、内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化(ステップS5)を行った後、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS6)。
【0046】
本実施形態で用いられるCPU56は、I/Oポート(PIO)およびタイマ/カウンタ回路(CTC)も内蔵している。また、CTCは、2本の外部クロック/タイマトリガ入力CLK/TRG2,3と2本のタイマ出力ZC/TO0,1を備えている。
【0047】
本実施形態で用いられているCPU56には、マスク可能な割込のモードとして以下の3種類のモードが用意されている。なお、マスク可能な割込が発生すると、CPU56は、自動的に割込禁止状態に設定するとともに、プログラムカウンタの内容をスタックにセーブする。
【0048】
割込モード0:割込要求を行った内蔵デバイスがRST命令(1バイト)またはCALL命令(3バイト)をCPUの内部データバス上に送出する。よって、CPU56は、RST命令に対応したアドレスまたはCALL命令で指定されるアドレスの命令を実行する。リセット時に、CPU56は自動的に割込モード0になる。よって、割込モード1または割込モード2に設定したい場合には、初期設定処理において、割込モード1または割込モード2に設定するための処理を行う必要がある。
【0049】
割込モード1:割込が受け付けられると、常に0038(h)番地に飛ぶモードである。
【0050】
割込モード2:CPU56の特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。すなわち、割込番地は、上位アドレスが特定レジスタの値とされ下位アドレスが割込ベクタとされた2バイトで示されるアドレスである。従って、任意の(飛び飛びではあるが)偶数番地に割込処理を設置することができる。各内蔵デバイスは割込要求を行うときに割込ベクタを送出する機能を有している。
【0051】
よって、割込モード2に設定されると、各内蔵デバイスからの割込要求を容易に処理することが可能になり、また、プログラムにおける任意の位置に割込処理を設置することが可能になる。さらに、割込モード1とは異なり、割込発生要因毎のそれぞれの割込処理を用意しておくことも容易である。上述したように、本実施形態では、初期設定処理のステップS2において、CPU56は割込モード2に設定される。
【0052】
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ921の出力信号の状態を1回だけ確認する(ステップS7)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理を実行する(ステップS11〜ステップS14)。
【0053】
クリアスイッチ921がオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS8)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。この例では、バックアップフラグ領域に「55H」が設定されていればバックアップあり(オン状態)を意味し、「55H」以外の値が設定されていればバックアップなし(オフ状態)を意味する。
【0054】
バックアップありを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行う(ステップS9)。ステップS9では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理にて同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
【0055】
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と表示制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理を行う(ステップS10)。そして、バックアップRAM領域に保存されていたPC(プログラムカウンタ)の退避値がPCに設定され、そのアドレスに復帰する。
【0056】
なお、本実施形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否かを確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
【0057】
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS11)。また、所定の作業領域(例えば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄左中右特別図柄バッファ、特別図柄プロセスフラグ、払出コマンド格納ポインタ、賞球中フラグ、球切れフラグ、払出停止フラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグ)に初期値を設定する作業領域設定処理を行う(ステップS12)。さらに、サブ基板(本実施形態では払出制御基板35および各演出制御基板)を初期化するための初期化コマンドを各サブ基板に送信する処理を実行する(ステップS13)。初期化コマンドとして、特別図柄用可変表示装置24および飾り図柄用可変表示装置8に表示される初期図柄を示すコマンド(図柄制御基板80に対して)や賞球ランプ51および球切れランプ52の消灯を指示するコマンド等がある。
【0058】
そして、2mS毎に定期的にタイマ割込がかかるようにCPU56に設けられているCTCのレジスタの設定が行われる(ステップS14)。すなわち、初期値として2mSに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。
【0059】
初期化処理の実行(ステップS11〜S14)が完了すると、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)が繰り返し実行される。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理が実行されるときには割込禁止状態とされ(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態とされる(ステップS19)。表示用乱数とは、特別図柄用可変表示装置24に表示される図柄を決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。初期値用乱数とは、大当りとするか否かを決定するための乱数を発生するためのカウンタ(大当り決定用乱数発生カウンタ)等のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技制御処理において、大当り決定用乱数発生カウンタのカウント値が1周すると、そのカウンタに初期値が設定される。
【0060】
なお、表示用乱数更新処理が実行されるときには割込禁止状態とされるのは、表示用乱数更新処理が後述するタイマ割込処理でも実行されることから、タイマ割込処理における処理と競合してしまうのを避けるためである。すなわち、ステップS17の処理中にタイマ割込が発生してタイマ割込処理中で表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新してしまったのでは、カウント値の連続性が損なわれる場合がある。しかし、ステップS17の処理中では割込禁止状態にしておけば、そのような不都合が生ずることはない。
【0061】
タイマ割込が発生すると、CPU56は、レジスタの退避処理(ステップS20)を行った後、図6に示すステップS21〜S33の遊技制御処理を実行する。遊技制御処理において、CPU56は、まず、スイッチ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ24a等のスイッチの検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
【0062】
次に、遊技制御に用いられる大当り判定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(ステップS22)。CPU56は、さらに、初期値用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(ステップS23,S24)。
【0063】
図7は、各乱数を示す説明図である。各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1:大当りを発生させるか否か決定する(大当り判定用)
(2)ランダム2−1〜2−3(ランダム2):特別図柄の左中右のはずれ図柄決定用(特別図柄左中右)
(3)ランダム3:大当りを発生させる特別図柄の組合せを決定する(大当り図柄決定用)
(4)ランダム4:特別図柄の変動パターンを決定する(変動パターン決定用)
(5)ランダム5:大当りを発生させない場合にリーチとするか否かを決定する(リーチ判定用)
(6)ランダム6:普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(7)ランダム7:ランダム1の初期値を決定する(ランダム1初期値決定用)
(8)ランダム8:ランダム6の初期値を決定する(ランダム6初期値決定用)(9)ランダム9:アイテム取得の有無を決定する(アイテム取得用)
図6に示された遊技制御処理におけるステップS22では、CPU56は、(1)の大当り判定用乱数、(3)の大当り図柄決定用乱数、および(6)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数または初期値用乱数である。なお、遊技効果を高めるために、上記(1)〜(9)の乱数以外の普通図柄に関する乱数等も用いられている。
【0064】
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS25)。特別図柄プロセス制御では、遊技状態に応じてパチンコ遊技機1を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。また、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。普通図柄プロセス処理では、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
【0065】
次いで、CPU56は、特別図柄に関する表示制御コマンドをRAM55の所定の領域に設定して表示制御コマンドを送出する処理を行う(特別図柄コマンド制御処理:ステップS27)。また、普通図柄に関する表示制御コマンドをRAM55の所定の領域に設定して表示制御コマンドを送出する処理を行う(普通図柄コマンド制御処理:ステップS28)。
【0066】
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS29)。
【0067】
また、CPU56は、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS30)。具体的には、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの何れかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に賞球個数を示す払出制御コマンドを出力する。払出制御基板37に搭載されている払出制御用CPUは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
【0068】
そして、CPU56は、始動入賞記憶数の増減をチェックする記憶処理を実行する(ステップS31)。また、遊技機の制御状態を遊技機外部で確認できるようにするための試験信号を出力する処理である試験端子処理を実行する(ステップS32)。さらに、所定の条件が成立したときにソレノイド回路59に駆動指令を行う(ステップS33)。可変入賞球装置15または開閉板20を開状態または閉状態としたり、大入賞口内の遊技球通路を切り替えたりするために、ソレノイド回路59は、駆動指令に応じてソレノイド16,21,21Aを駆動する。その後、レジスタの内容を復帰させ(ステップS34)、割込許可状態に設定する(ステップS35)。
【0069】
以上の制御によって、本実施形態では、遊技制御処理は2mS毎に起動されることになる。なお、本実施形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
【0070】
図8は、CPU56が実行する特別図柄プロセス処理のプログラムの一例を示すフローチャートである。図8に示す特別図柄プロセス処理は、図6のフローチャートにおけるステップS25の具体的な処理である。CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う際に、変動短縮タイマ減算処理(ステップS310)を行い、遊技盤6に設けられている始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち遊技球が始動入賞口14に入賞する始動入賞が発生していたら(ステップS311)、始動口スイッチ通過処理(ステップS312)を行った後に、内部状態に応じて、ステップS300〜S309のうちのいずれかの処理を行う。変動短縮タイマは、特別図柄の変動時間が短縮される場合に、変動時間を設定するためのタイマである。
【0071】
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄の可変表示を開始できる状態になるのを待つ。特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、始動入賞記憶数を確認する。始動入賞記憶数が0でなければ、特別図柄の可変表示の結果、大当りとするか否か決定する。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に移行するように更新する。
【0072】
特別図柄停止図柄設定処理(ステップS301):特別図柄の可変表示後の左中右特別図柄の停止図柄を決定する。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に移行するように更新する。
【0073】
変動パターン設定処理(ステップS302):特別図柄の可変表示の変動パターン(可変表示態様)を、ランダム4の値に応じて決定する。また、変動時間タイマをスタートさせる。このとき、図柄制御基板80に対して、左中右最終停止図柄と変動態様(変動パターン)を指令する情報とが送信される。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に移行するように更新する。
【0074】
特別演出画像設定処理(ステップS303):アイテム取得の有無を、ランダム9の値に応じて決定する。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に移行するように更新する。
【0075】
特別図柄変動処理(ステップS304):所定時間(ステップS302の変動時間タイマで示された時間)が経過すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に移行するように更新する。
【0076】
特別図柄停止処理(ステップS305):特別図柄用可変表示装置24において表示される全図柄が停止されるように制御する。具体的には、特別図柄停止を示す表示制御コマンドが送信される状態に設定する。そして、停止図柄が大当り図柄の組み合わせである場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に移行するように更新する。そうでない場合には、内部状態をステップS300に移行するように更新する。
【0077】
大入賞口開放開始処理(ステップS306):大入賞口を開放する制御を開始する。具体的には、カウンタやフラグを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放する。また、プロセスタイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、大当り中フラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に移行するように更新する。
【0078】
大入賞口開放中処理(ステップS307):大入賞口ラウンド表示の表示制御コマンドを図柄制御基板80に送出する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。最後の大入賞口の閉成条件が成立したら、内部状態をステップS308に移行するように更新する。
【0079】
特定領域有効時間処理(ステップS308):V入賞スイッチ22の通過の有無を監視して、大当り遊技状態継続条件の成立を確認する処理を行う。大当り遊技状態継続の条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態をステップS306に移行するように更新する。また、所定の有効時間内に大当り遊技状態継続条件が成立しなかった場合、または、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態をステップS309に移行するように更新する。
【0080】
大当り終了処理(ステップS309):大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を表示制御手段に行わせるための制御を行う。そして、内部状態をステップS300に移行するように更新する。
【0081】
図9は、本実施形態で用いられる変動パターンの一例を示す説明図である。図9において、「EXT」とは、2バイト構成の表示制御コマンドにおける2バイト目のEXTデータを示す。つまり、特別図柄の各変動パターンと表示制御コマンドとは1対1に対応付けられている。また、「時間」は特別図柄の変動時間(識別情報画像の可変表示期間)を示す。
【0082】
なお、「通常変動」とは、リーチ態様を伴わない変動パターンである。「ノーマルリーチ(第1のリーチ演出)」とは、リーチ態様を伴う変動パターンである。「リーチA」は、「ノーマルリーチ」とは異なるリーチ態様を持つ変動パターンである。また、リーチ態様が異なるとは、リーチ変動時間において異なった態様の変動態様(速度や回転方向等)やキャラクタ等が現れることをいう。例えば、「ノーマル」では単に1種類の変動態様によってリーチ態様が実現されるのに対して、「リーチA」では、変動速度や変動方向が異なる複数の変動態様を含むリーチ態様が実現される。
【0083】
また、「リーチB」は、「ノーマルリーチ」および「リーチA」とは異なるリーチ態様を持つ変動パターンである。そして、「リーチC」は、「ノーマルリーチ」、「リーチA」および「リーチB」とは異なるリーチ態様を持つ変動パターン(スーパーリーチ=第2のリーチ演出)である。なお、「ノーマルリーチ」「リーチA」、「リーチB」および「リーチC」では、大当りとなる場合と大当りとならない場合とがある。
【0084】
本実施形態では、さらに、短縮表示パターンが用いられる。短縮表示パターンは、左中右の図柄の変動時間が例えば1.0秒という極めて短い変動パターンである。
【0085】
なお、本実施形態では、高確率時(確変中)でも低確率時(非確変中=通常状態)でも変動パターン1〜14の変動パターンが用いられるが、高確率時には変動パターン1〜14のそれぞれの変動時間を短くするようにしてもよい。また、高確率時に用いられる変動パターン群(使用されうる複数の変動パターン)と低確率時に用いられる変動パターン群とを別にしてもよい。
【0086】
図9において、変動パターンは、表示結果がハズレとなる場合、変動パターン1〜10,15として示すように、通常変動(リーチなしではずれ)、ノーマルリーチを行ってはずれ、リーチAを行ってはずれショート(−1図柄ズレ以外のはずれ)、リーチAを行って−1図柄ズレのはずれ(あおり有り)、リーチAを行って−1図柄ズレのはずれ(あおりなし)、リーチBを行ってはずれショート(−1図柄ズレ以外のはずれ)、リーチBを行って−1図柄ズレのはずれ、リーチCを行ってはずれショート(±1図柄ズレ以外のはずれ)、リーチCを行って+1図柄ズレのはずれ、リーチCを行って−1図柄ズレのはずれ、短縮変動してはずれ、の11種類がある。一方、表示結果が当りとなる場合では、変動パターン11〜14として示すように、ノーマルリーチを行って当り、リーチAを行って当り、リーチBを行って当り、リーチCを行って当り、の4種類がある。
【0087】
そして、上記した各変動パターン1〜15において、大当り決定時の乱数抽出率(当りはずれの決定時にその変動パターンが選択される確率)は、1/317の大当り確率から、表示結果がはずれとなる変動パターン1〜10,15でそれぞれ316/317となり、表示結果が当りとなる変動パターン11〜14でそれぞれ1/317となる。また、リーチ決定時の乱数抽出率(リーチの有無の決定時にその変動パターンが選択される確率)は、表示結果の当りはずれで異なる。即ち、表示結果がはずれとなる場合は、左右の可変表示部8a,8cに表示する停止図柄が同一の図柄となればリーチになる。このため、左右の可変表示部8a,8cで変動する図柄数(それぞれ12図柄)から、リーチなしの変動パターン1,15で11/12となり、リーチありの変動パターン2〜10でそれぞれ1/12となる。一方、表示結果が当りとなる場合は、1/317の確率で当りが決定された時点で必ずリーチとなるので、変動パターン11〜14でそれぞれ1となる。
【0088】
また、本実施形態では、通常変動でリーチなしの場合(変動パターン1の場合)、リーチありではずれとなる場合(変動パターン2〜10のいずれかの場合)、リーチありで当りとなる場合(変動パターン11〜14のいずれかの場合)、短縮変動でリーチなしの場合(変動パターン15の場合)、の4つの場合に分けて各変動パターンの選択率を振り分けて設定している。具体的には、通常変動でリーチなしの場合、変動パターン1のみであるので変動パターン1の選択率は1となる。リーチありではずれとなる場合、ノーマルリーチを行ってはずれとなる変動パターン2を75/150に設定し、以下、変動パターン3〜10を図9の「パターン選択率」の欄に示す値に設定している。リーチありで当りとなる場合、ノーマルリーチを行って当りとなる変動パターン11を3/150に設定し、以下、変動パターン12〜14を図9の「パターン選択率」の欄に示す値に設定している。短縮変動でリーチなしの場合、変動パターン15のみであるので変動パターン15の選択率は1となる。従って、以上説明した大当り決定時の乱数抽出率(A)、リーチ決定時の乱数抽出率(B)、及びパターン選択率(C)から、各変動パターン1〜15の出現率(D)は、
D(%)=A×B×C
の計算式から算出され、それぞれの出現率を図9の「出現率」の欄に記す。なお、同図中に記す出現率は、小数点第三位で四捨五入した数値である。
【0089】
次に、上記した各変動パターン1〜15の出現率に基づいて「リーチ演出(ノーマルリーチ、リーチA〜Cのいずれか)が出現」「リーチA演出(リーチA)が出現」「リーチB演出(リーチB)が出現」「リーチC演出(リーチC)が出現」の4つの出現現象毎で、大当りになる演出の出現率と全体出現率をもとめると、図10の「大当りになる演出の出現率」「全体出現率」の欄に記す値となる。具体的には、「リーチ演出が出現」の出現現象を例に挙げて説明すると、大当りになる演出の出現率は、ノーマルリーチ、リーチA〜Cのいずれかを行った後に当りとなる変動パターン11〜14の出現率の合計値0.32%(=0.01+0.05+0.07+0.19)となり、全体出現率は、当りはずれに関わらずノーマルリーチ、リーチA〜Cのいずれかを行う変動パターン2〜14の出現率の合計値8.64%(=4.15+1.94+0.11+0.28+1.38+0.28+0.06+0.06+0.06+0.01+0.05+0.07+0.19)となる。
【0090】
そして、上記した大当りになる演出の出現率(E)及び全体出現率(F)から、各種出現現象毎の大当り信頼度(G)は、
G(%)=(E/F)×100
の計算式から算出され、それぞれの大当り信頼度を図10の「大当り信頼度」の欄に記す。具体的な大当り信頼度は、「リーチ演出が出現」した場合には3.70%となり、「リーチA演出が出現」した場合には2.10%となり、「リーチB演出が出現」した場合には4.05%となり、「リーチC演出が出現」した場合には51.35%となる。即ち、リーチ演出においては、リーチA、リーチB、リーチCの順で大当り信頼度が順次高く設定されている。なお、このような大当り信頼度が本発明に係る「特定表示結果となる信頼度」のことであり、大当り信頼度が高い程、大当りに対する大きな期待感を遊技者に持たせることができる。
【0091】
図11は、変動パターン設定処理(ステップS302)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、今回の図柄変動における表示結果が大当りであるか否か判定し(ステップS201)、大当りであれば、その時点で取得しているアイテム(特別演出画像)の数が所定数となる5つであるか否かを判定する(ステップS202)。取得アイテム数が5つでなければ、図12(A)に示す大当り用リーチ選択テーブルを使用して変動パターンを選択する(ステップS203)。そして、選択された変動パターンを変動パターンコマンドにセットした後(ステップS204)、特別図柄プロセスフラグの値を特別演出画像設定処理(ステップS303)に対応した値に設定する(ステップS205)。
【0092】
ステップS202において取得アイテム数が5つであると判定された場合には、図12(B)に示す大当りスーパーリーチ限定選択テーブルを使用して変動パターンを選択した後(ステップS206)、前記ステップS204に移行する。また、ステップS201において大当りでないと判定された場合には、今回の図柄変動がリーチを含むか否か判定し(ステップS207)、リーチを含まなければ、図14(B)に示すハズレ用選択テーブルを使用して変動パターンを選択した後(ステップS208)、前記ステップS204に移行する。一方、ステップS207においてリーチを含むと判定された場合には、その時点で取得しているアイテム(特別演出画像)の数が所定数となる5つであるか否かを判定する(ステップS209)。取得アイテム数が5つでなければ、図14(A)に示すリーチハズレ用選択テーブルを使用して変動パターンを選択した後(ステップS210)、前記ステップS204に移行する。
【0093】
ステップS209において取得アイテム数が5つであると判定された場合には、保留記憶数(始動記憶)内に大当り(大当り図柄の情報)があるか否かを判定する(ステップS211)。保留記憶数内に大当りがなければ、図13(A)に示すリーチハズレスーパーリーチ限定選択テーブルを使用して変動パターンを選択した後(ステップS212)、前記ステップS204に移行する。一方、保留記憶数内に大当りがあれば、図13(B)に示すリーチハズレスーパーリーチ以外限定選択テーブルを使用して変動パターンを選択した後(ステップS213)、前記ステップS204に移行する。
【0094】
図12(A)(B)、図13(A)(B)、図14(A)(B)は、それぞれ変動パターン選択テーブルであり、各選択テーブルに示す変動パターン1〜15は、それぞれ前記図9に示したものと対応している。また、それぞれの選択テーブルでは、各変動パターン1〜15に対して前述した変動パターン決定用の乱数(ランダム4「0〜149」の計150の乱数)を振り分けて設定している。具体的に、図12(A)に示す大当り用リーチ選択テーブルでは、変動パターン11に「0〜2」の3個の乱数、変動パターン12に「3〜27」の25個の乱数、変動パターン13に「28〜59」の32個の乱数、変動パターン14に「60〜149」の90個の乱数、が振り分けられている。即ち、大当り用リーチ選択テーブルを使用して変動パターンを選択した場合(ステップS203)、ノーマルリーチ、リーチA、リーチB、リーチCの順で順次選択率が高くなり、最終的に大当り図柄を導出表示するようになっている。
【0095】
図12(B)に示す大当りスーパーリーチ限定選択テーブルでは、変動パターン14に「0〜149」の150個の乱数が振り分けられている。即ち、大当りスーパーリーチ限定選択テーブルを使用して変動パターンを選択した場合(ステップS206)、リーチC(スーパーリーチ)のみが選択されて、最終的に大当り図柄を導出表示するようになっている。
【0096】
図13(A)に示すリーチハズレスーパーリーチ限定選択テーブルでは、変動パターン8に「0〜9」の10個の乱数、変動パターン9に「10〜79」の270個の乱数、変動パターン10に「80〜149」の70個の乱数、が振り分けられている。即ち、リーチハズレスーパーリーチ限定選択テーブルを使用して変動パターンを選択した場合(ステップS212)、リーチC(スーパーリーチ)のみが選択されて、最終的にハズレ図柄を導出表示するようになっている。
【0097】
図13(B)に示すリーチハズレスーパーリーチ以外限定選択テーブルでは、変動パターン2に「0〜77」の78個の乱数、変動パターン3に「78〜112」の35個の乱数、変動パターン4に「113,114」の2個の乱数、変動パターン5に「115〜119」の5個の乱数、変動パターン6に「120〜144」の25個の乱数、変動パターン7に「145〜149」の5個の乱数、が振り分けられている。即ち、リーチハズレスーパーリーチ以外限定選択テーブルを使用して変動パターンを選択した場合(ステップS213)、リーチC以外となるノーマルリーチ、リーチA、リーチBのいずれかが選択されて、最終的にハズレ図柄を導出表示するようになっている。
【0098】
図14(A)に示すリーチハズレ用選択テーブルでは、変動パターン2に「0〜74」の75個の乱数、変動パターン3に「75〜109」の35個の乱数、変動パターン4に「110,111」の2個の乱数、変動パターン5に「112〜116」の5個の乱数、変動パターン6に「117〜141」の25個の乱数、変動パターン7に「142〜146」の5個の乱数、変動パターン8に「147」の1個の乱数、変動パターン9に「148」の1個の乱数、変動パターン10に「149」の1個の乱数、が振り分けられている。即ち、リーチハズレ用選択テーブルを使用して変動パターンを選択した場合(ステップS210)、ノーマルリーチ、リーチA、リーチB、リーチCのいずれかが選択されて、最終的にハズレ図柄を導出表示するようになっている。
【0099】
図14(B)に示すハズレ用選択テーブルでは、通常変動となる変動パターン1に「0〜149」の150個の乱数、短縮変動となる変動パターン15に「0〜149」の150個の乱数、が振り分けられている。即ち、ハズレ用選択テーブルを使用して変動パターンを選択した場合(ステップS208)、通常変動時には変動パターン1のみが選択され、短縮変動時には変動パターン15のみが選択されて、最終的にハズレ図柄を導出表示するようになっている。
【0100】
なお、上記したステップS203,S206,S210,S212,S213における変動パターンの選択処理が本発明に係るリーチ演出画像選択手段を構成し、ステップS206,S212における変動パターンの選択処理が本発明に係る第2のリーチ演出選択手段を構成している。
【0101】
図15は、特別演出画像設定処理(ステップS303)を示すフローチャートである。特別演出画像設定処理において、CPU56は、取得したアイテム(特別演出画像)の数が閾値である4(実施形態中では、閾値を4に設定しているが、特にこの数値に限定しない)であるか否か判定し(ステップS221)、取得アイテム数が4でなければ、取得アイテム数が3以下であるか否か判定する(ステップS222)。取得アイテム数が3以下でないと判定された場合、即ちステップS221の判定も含めて取得アイテム数が5であると判定された場合には、そのまま後述のステップS225に移行する。一方、取得アイテム数が3以下であると判定された場合には、特別演出用の乱数(ランダム9)を抽出し(ステップS223)、その抽出値がアイテム判定値(図18(C)参照)と一致するか否かを判定する(ステップS224)。抽出値がアイテム判定値と一致しなければ、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動処理(ステップS304)に対応した値に設定する(ステップS225)。抽出値がアイテム判定値と一致すると判定された場合には、後述のステップS227に移行する。
【0102】
ステップS221において取得アイテム数が4であると判定された場合には、保留記憶数(始動記憶)内に大当り(大当り図柄の情報)があるか否かを判定する(ステップS226)。保留記憶数内に大当りがなければ、前記ステップS223に移行する。一方、保留記憶数内に大当りがあれば、特別演出画像を1加算する特別演出画像変更制御を行い(取得アイテムを1つ追加して)、これに基づくデータを成立回数コマンド(図26に示すコマンドB6XX(H))にセットした後(ステップS227:成立回数記憶手段)、前記ステップS225に移行する。
【0103】
図16は、始動入賞が生じたときに実行される始動口スイッチ通過処理(ステップS312)を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、始動入賞記憶数が最大値である4に達しているかどうか確認する(ステップS111)。始動入賞記憶数が4に達していなければ、始動入賞記憶数を1増やし(ステップS112)、大当り判定用乱数等の各乱数の値を抽出し、それらを始動入賞記憶数の値に対応した保存領域(特別図柄判定用バッファ)に格納する(ステップS113:始動記憶手段)。なお、乱数を抽出するとは、乱数を生成させるためのカウンタからカウント値を読み出して、読み出したカウント値を乱数値とすることである。ステップS114では、変動時間を短縮させるか否かの判定を行うタイマーをセットする。そして、入賞時演出設定処理を実行する(ステップS115)。
【0104】
図17は、入賞時演出設定処理を示すフローチャートである。入賞時演出処理において、CPU56は、まず、始動入賞があったことを示す入賞ありフラグをセットする(ステップS121)。入賞ありフラグは、特別図柄プロセス処理の終了後に実行される記憶処理(ステップS31)で参照される。次いで、CPU56は、ランダム1(大当り判定用乱数)を生成するためのカウンタからランダム1を抽出し(ステップS122)、大当り判定モジュールを実行する。すなわち、大当り判定サブルーチンをコールする(ステップS123:表示結果事前決定手段)。大当り判定モジュールにおいてランダム1の値にもとづいて大当りとなると判定された場合には(ステップS124)、確変大当りとなるか否か判定する(ステップS125)。
【0105】
本実施形態では、左中右の特別図柄は、それぞれ、「0」〜「11」の12通りあって、特別図柄用可変表示装置24において「0」から順に特別図柄の表示が変化することによって特別図柄の変動が実現される。なお、特別図柄の変動中において、表示図柄の表示は非連続的に変化してもよい。また、特別図柄の最終停止図柄(確定図柄)が左中右揃った場合に大当りとなり、左右が揃った場合にリーチとなる。そして、大当りとなる場合において、奇数図柄で揃ったときには、大当り遊技終了後に高確率状態に移行する。また、高確率状態において、大当りが発生すると、または、所定回の特別図柄の変動が行われると高確率状態は終了し低確率状態に戻る。
【0106】
従って、ステップS124では、CPU56は、ランダム3(大当り図柄決定用乱数)を抽出し、抽出した乱数にもとづいて大当り図柄を判定し、判定結果が異数図柄であれば確変大当りとなると判定する。確変大当りとならないと判定した場合には、非特定大当り入賞指定コマンドを示すデータを入賞コマンドとしてRAM55にセットする(ステップS126)。確変大当りとなると判定した場合には、特定大当り入賞指定コマンドを示すデータを入賞コマンドとしてRAM55にセットする(ステップS127)。
【0107】
ステップS124において大当りとしないと判定された場合には、ランダム5(リーチ判定用乱数)を生成するためのカウンタからランダム5を抽出し(ステップS131)、リーチ判定モジュールを実行する。すなわち、リーチ判定サブルーチンをコールする(ステップS132)。リーチ判定モジュールにおいてランダム5の値にもとづいてリーチとなると判定された場合には(ステップS133)、リーチ入賞指定コマンドを示すデータを入賞コマンドとしてRAM55にセットする(ステップS134)。リーチとならないと判定された場合には、はずれ入賞指定コマンドを示すデータを入賞コマンドとしてRAM55にセットする(ステップS135)。
【0108】
そして、RAM55に入賞コマンドとしてセットされたデータを、RAM55の入賞時演出用バッファとして定められている領域に格納する(ステップS136)。なお、入賞時演出用バッファに格納されたデータは、特別図柄プロセス処理の終了後に実行される記憶処理(ステップS31)で参照される。
【0109】
図18(A)は、大当り判定モジュールで用いられる大当り判定テーブルの一例を示す説明図である。図18(B)は、リーチ判定モジュールで用いられるリーチ判定テーブルの一例を示す説明図である。また、図18(C)は、アイテム判定モジュールで用いられるアイテム判定テーブルの一例を示す説明図である。図18(A)に示すように、本実施形態では、低確率時(非確変時)では大当り判定値は「3」であり、高確率時(確変時)では大当り判定値は「3」、「7」、「79」、「103」、「107」である。また、図18(B)に示すように、低確率時(非確変時)ではリーチ判定値は「0」、「1」、「11」であり、高確率時ではリーチ判定値は「0」、「1」、「9」、「11」、「12」である。従って、高確率時には、低確率時に比べてリーチが生じやすくなっている。また、図18(C)に示すように、低確率時(非確変時)ではアイテム判定値は「1」、「25」、「50」、「75」、「100」であり、高確率時ではリーチ判定値は「1」、「15」、「25」、「30」、「45」、「50」、「60」、「75」、「90」、「100」、「105」、「120」である。従って、高確率時には、低確率時に比べてアイテムが取得しやすくなっている。
【0110】
図19は、大当り判定モジュールを示すフローチャートである。大当り判定処理において、CPU56は、まず、そのときの状態が確変中であるか否か判定し(ステップS141)、確変中であれば、図18(A)に示された大当り判定テーブル中の高確率時のテーブルを使用することに決定する(ステップS142)。確変中でなければ、大当り判定テーブル中の低確率時のテーブルを使用することに決定する(ステップS143)。
【0111】
そして、抽出されているランダム1の値に一致する値が大当り判定テーブル中にあるか否か判定し(ステップS144,S145)、一致する値があれば大当りとすることにし(ステップS146)、一致する値がなければ大当りとしないことに決定する(ステップS147)。
【0112】
図20は、リーチ判定モジュールを示すフローチャートである。リーチ判定処理において、CPU56は、まず、そのときの状態が確変中であるか否か判定し(ステップS151)、確変中であれば、図18(B)に示されたリーチ判定テーブル中の高確率時のテーブルを使用することに決定する(ステップS152)。確変中でなければ、リーチ判定テーブル中の低確率時のテーブルを使用することに決定する(ステップS153)。
【0113】
そして、抽出されているランダム5の値に一致する値がリーチ判定テーブル中にあるか否か判定し(ステップS154,S155)、一致する値があればリーチすることにし(ステップS156)、一致する値がなければリーチしないことに決定する(ステップS157)。
【0114】
図21は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、特別図柄の変動を開始することができる状態(例えば特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値となっている場合)には(ステップS51)、始動入賞記憶数の値を確認する(ステップS52)。具体的には、始動入賞カウンタのカウント値を確認する。なお、特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値となっている場合とは、特別図柄用可変表示装置24において図柄の変動がなされていず、かつ、大当り遊技中でもない場合である。
【0115】
始動入賞記憶数が0でなければ、始動入賞記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納するとともに(ステップS53)、始動入賞記憶数の値を1減らし、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS54)。すなわち、始動入賞記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、始動入賞記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
【0116】
次いで、CPU56は、乱数格納バッファから大当り判定用乱数を読み出し(ステップS55)、大当り判定モジュールを実行する(ステップS56)。大当りとすることに決定した場合には(ステップS57)、CPU56は、大当りフラグをセットする(ステップS58)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止図柄設定処理に対応した値に更新する(ステップS59)。
【0117】
図22は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止図柄設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。特別図柄停止図柄設定処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS61)。大当りフラグがセットされている場合には、大当り図柄用乱数(ランダム3)の値(ステップS53において読み出したランダム3)に従って大当り図柄を決定する(ステップS62)。本実施形態では、ランダム3の値に応じた大当り図柄テーブルに設定されている図柄番号の各図柄が、大当り図柄として決定される。大当り図柄テーブルには、複数種類の大当り図柄の組み合わせのそれぞれに対応した左中右の図柄番号が設定されている。そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理に対応した値に更新する(ステップS63)。
【0118】
大当りフラグがセットされていない場合には、CPU56は、リーチ判定モジュールを実行する(ステップS65)。ここでは、リーチ判定モジュールにおいて、ステップS53で保存領域から読み出したランダム3の値すなわち乱数値バッファに格納されている値にもとづいてリーチとするか否かの決定が行われる(ステップS64)。また、ランダム2−1の値に従って左右特別図柄を決定し、ランダム2−2の値に従って中特別図柄を決定する(ステップS67)。ここで、決定された中特別図柄が左右特別図柄と一致した場合には、中特別図柄に対応した乱数の値に1加算した値に対応する図柄を中特別図柄の停止図柄として、大当り図柄と一致しないようにする。そして、ステップS63に移行する。
【0119】
ステップS66においてリーチしないことに決定された場合には、はずれの場合の停止図柄の決定を行う(ステップS68)。具体的には、ステップS53で読み出した値、すなわち抽出されているランダム2−1の値に従って左特別図柄を決定し、ランダム2−2の値に従って中特別図柄を決定するとともに、ランダム2−3の値に従って右特別図柄を決定する。なお、ここでは、左右特別図柄が一致した場合には右特別図柄を1図柄ずらし、リーチにもならないはずれとなるようにする。そして、ステップS63に移行する。なお、ステップS62において確変図柄が決定された場合には、大当り遊技の終了後に確変状態に移行することを示す確変フラグがセットされる。
【0120】
図23は、2mSタイマ割込処理における記憶処理(ステップ31)を示すフローチャートである。記憶処理において、CPU56は、始動入賞記憶カウンタのカウント値が前回始動入賞記憶カウンタのカウント値と同じであるか否か確認する(ステップS161)。同じでなければ、すなわち始動入賞記憶数に変化が生じていれば、始動入賞記憶数に応じた始動入賞記憶指定のコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS162)、サブルーチンであるコマンドセット処理を実行する(ステップS163)。そして、始動入賞記憶カウンタのカウント値を、前回始動入賞記憶カウンタに設定しておく(ステップS164)。
【0121】
コマンドセット処理を実行することによって表示制御コマンドが図柄制御基板80に送信される。本実施形態では、表示制御手段に送信されうる各表示制御コマンドはROMのコマンド送信テーブルに格納されている。また、コマンドセット処理では、CPU56は、ポインタが示すROM54のアドレスに格納されている表示制御コマンドデータを、表示制御コマンドデータを出力するための出力ポートに設定するとともに、コマンドを送信することを示す表示制御INT信号を出力する。
【0122】
また、入賞ありフラグがセットされている場合には(ステップS165)、入賞時演出用バッファに格納されている入賞コマンドに応じたデータに対応した入賞コマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS166)、サブルーチンであるコマンドセット処理を実行する(ステップS167)。
【0123】
以上の処理によって、始動入賞記憶数が変化したときには、図柄制御基板80に搭載されている表示制御手段に対して、始動入賞記憶数指定の表示制御コマンドが送信される(ステップS161〜S163)。また、始動入賞記憶数が増加したときには、特定大当り入賞指定、非特定大当り入賞指定、リーチ入賞指定またははずれ入賞指定の表示制御コマンドが送信される(図16に示されたステップS112,S115、図17、および図23に示されたステップS166,S167参照)。なお、本実施形態では、大当りではない場合には、リーチ入賞指定またははずれ入賞指定の表示制御コマンドが送信されるが、大当りではない場合には常にはずれ入賞指定の表示制御コマンドが送信されるようにしてもよい。以下、特定大当り入賞指定、非特定大当り入賞指定、リーチ入賞指定およびはずれ入賞指定の表示制御コマンドを、入賞時判定結果コマンドまたは判定結果コマンドということがある。
【0124】
なお、始動入賞が発生した時点で判定される大当りおよびリーチ(ステップS123,S132参照)は、特別図柄用可変表示装置24における可変表示開始を開始させるための条件(始動条件であって開始条件ではない)の成立にもとづいて決定されたものである。特別図柄用可変表示装置24において可変表示を開始できる条件(開始条件)が成立したときには、あらためて、大当りとするか否か、また、はずれリーチとするか否かが決定される(ステップS56,S65参照)。そして、その決定結果にもとづいて実際の可変表示の表示結果が導出される(ステップS62,S67,S68参照)。ただし、可変表示の開始条件が成立したときに用いられる乱数値は、始動条件が成立したときに抽出され保存領域に保存された値である。従って、可変表示の開始条件が成立したときの確変大当りとするか否かと、非確変大当りとするか否かと、はずれリーチとするか否かの決定結果は、始動条件が成立したときの決定結果と同じになる。
【0125】
なぜなら、可変表示の開始条件が成立したときに用いられる所定の数値データを抽出する処理であるステップS113の処理と、始動条件成立時の判定に相当する入賞時演出設定処理とは1回のタイマ割込処理内で完了し、その間変化しないからである。また、遊技制御手段は、保留記憶数コマンドとしての始動入賞記憶数指定コマンドを判定結果コマンドよりも先に送信する(記憶処理においてステップS162,S163の処理をステップS166,S167の処理よりも先に実行)。
【0126】
次に、遊技制御手段から表示制御手段に対する制御コマンドの送出方式について説明する。図24は、主基板31から図柄制御基板80に送信される表示制御コマンドの信号線を示す説明図である。図24に示すように、本実施形態では、表示制御コマンドは、表示制御信号D0〜D7の8本の信号線で主基板31から図柄制御基板80に送信される。また、主基板31と図柄制御基板80との間には、ストローブ信号(表示制御INT信号)を送信するための表示制御INT信号の信号線も配線されている。なお、図24には、表示制御コマンドの例が示されているが、他の電気部品制御基板への制御コマンドも、8本の信号線と1本のINT信号の信号線によって送信される。
【0127】
図柄制御基板80の表示制御手段は、主基板31の遊技制御手段から上述した表示制御コマンドを受信すると図26に示された内容に応じて特別図柄用可変表示装置24および飾り図柄用可変表示装置8および普通図柄表示器10の表示状態を変更する。なお、図26に示された例以外の制御コマンドも遊技制御手段から表示制御手段に送信される。例えば、普通図柄始動記憶表示器41の点灯個数を示す制御コマンド等や、大当り遊技に関するより詳細な表示制御コマンドも遊技制御手段から表示制御手段に送信される。
【0128】
本実施形態では、表示制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」とされる。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
【0129】
図25に示すように、表示制御コマンドの8ビットの表示制御コマンドデータは、表示制御INT信号に同期して出力される。図柄制御基板80に搭載されている表示制御手段は、表示制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。従って、表示制御手段から見ると、表示制御INT信号は、表示制御コマンドデータの取り込みの契機となる取込信号に相当する。
【0130】
表示制御コマンドは、表示制御手段が認識可能に1回だけ送出される。認識可能とは、この例では、表示制御INT信号のレベルが変化することであり、認識可能に1回だけ送出されるとは、例えば表示制御コマンドデータの1バイト目および2バイト目のそれぞれに応じて表示制御INT信号が1回だけパルス状(矩形波状)に出力されることである。なお、表示制御INT信号は図25に示された極性と逆極性であってもよい。
【0131】
図26は、図柄制御基板80に送出される表示制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図26に示す例において、コマンド8000(H)〜800E(H)は、特別図柄を可変表示する特別図柄用可変表示装置24における特別図柄の変動パターンを指定する表示制御コマンドである。なお、変動パターンを指定するコマンド(変動パターンコマンド)は変動開始指示も兼ねている。また、コマンド800E(H)は、短縮表示パターンを指定するコマンドである。
【0132】
コマンド88XX(H)(X=4ビットの任意の値)は、普通図柄の変動パターンに関する表示制御コマンドである。コマンド89XX(H)は、普通図柄の停止図柄を指定する表示制御コマンドである。コマンド8A00(H)は、普通図柄の可変表示の停止を指示する表示制御コマンドである。
【0133】
コマンド91XX(H)、92XX(H)および93XX(H)は、特別図柄の左中右の停止図柄を指定する表示制御コマンドである。「XX」には図柄番号が設定される。また、コマンドA000(H)は、特別図柄の可変表示の停止を指示する表示制御コマンドである。コマンドB0XX(H)〜B5XX(H)は、大当り遊技開始から大当り遊技終了までの間に送出される表示制御コマンドである。コマンドB6XX(H)は、所定条件(特別演出用乱数(ランダム9)の抽出値がアイテム判定値と一致すること(ステップS224:YES))の成立数を指定するコマンドであり、このコマンドに基づいて取得した数のアイテムを表示するアイテム表示エリア42におけるキャラクタ43の表示を制御する。例えば、表示制御手段は、アイテム表示エリア42に表示される所定数5つのキャラクタ43のうち「XX(H)」で指定される個数(所定条件の成立数)のキャラクタ43を表示させる。すなわち、コマンドB6XX(H)は、取得アイテム数という情報を報知するために設けられているアイテム表示エリア42の制御を指示するコマンドである。
【0134】
コマンドC000(H)〜EXXX(H)は、特別図柄の変動および大当り遊技に関わらない特別図柄用可変表示装置24の表示状態に関する表示制御コマンドである。コマンドC3XX(H)は、始動入賞が生じたときに送信される判定結果コマンドである。C300(H)ははずれ入賞指定の表示制御コマンド(はずれ入賞指定コマンド)であり、C301(H)はリーチ入賞指定の表示制御コマンド(リーチ入賞指定コマンド)であり、C302(H)は非特定大当り入賞指定の表示制御コマンド(非特定大当り入賞指定コマンド)であり、C303(H)は特定大当り入賞指定の表示制御コマンド(特定大当り入賞指定コマンド)である。また、コマンドD000(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する表示制御コマンドである。
【0135】
コマンドE0XX(H)は、特別図柄用可変表示装置24における始動入賞記憶数を表示する特別図柄始動記憶表示器18において、点灯状態となる特別図柄始動記憶表示器18の個数を示す表示制御コマンドである。例えば、表示制御手段は、特別図柄始動記憶表示器18を構成する4つのLEDのうち「XX(H)」で指定される個数のLEDを点灯させる。すなわち、コマンドE0XX(H)は、保留個数という情報を報知するために設けられている特別図柄始動記憶表示器18(LED)の制御を指示するコマンドである。なお、LEDの点灯個数に関するコマンドが、LEDの点灯個数の増減を示すように構成されていてもよい。また、本実施形態では、始動入賞記憶の上限値は4であるから、「XX」は0〜4のいずれかである。
【0136】
また、コマンドE400(H)は、高確率状態から低確率状態になったときに送信されるコマンドであり、コマンドE401(H)は、低確率状態から高確率状態になったときに送信されるコマンドである。
【0137】
図柄制御基板80の表示制御手段は、主基板31の遊技制御手段から上述した表示制御コマンドを受信すると図26に示された内容に応じて特別図柄用可変表示装置24および飾り図柄用可変表示装置8および普通図柄表示器10の表示状態を変更する。
【0138】
なお、ランプ制御手段および音制御手段にも、表示制御コマンドと同じ形態のランプ制御コマンドおよび音制御コマンドが送信される。ランプ制御手段は、ランプ制御コマンドを受信するとランプ・LEDの表示状態を変更し、音制御手段は、音制御コマンドを受信するとスピーカ27からの音出力態様を変更する制御を行う。
【0139】
また、可変表示の開始を示す可変表示開始指定コマンドおよび可変表示態様を特定可能な可変表示態様指定コマンドは、変動パターン指定の表示制御コマンドで実現され、識別情報画像の表示結果を特定可能な識別情報指定コマンドは、左特別図柄指定、中特別図柄指定、右特別図柄指定の表示制御コマンドで実現され、可変表示の終了を示す可変表示終了指定コマンドは、特別図柄停止の表示制御コマンドで実現されている。また、本実施形態では、変動パターン指定の表示制御コマンドが可変表示の開始を示す可変表示開始指定コマンドおよび可変表示態様を特定可能な可変表示態様指定コマンドとして兼用されているが、可変表示開始指定コマンドと可変表示態様を特定可能な可変表示態様指定コマンドとを別にしてもよい。
【0140】
次に、表示制御手段の動作を説明する。図27は、表示制御用CPU101が実行するメイン処理を示すフローチャートである。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また表示制御の起動間隔を決めるための2mSタイマの初期設定等を行うための初期化処理が行われる(ステップS701)。その後、表示制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)の確認を行うループ処理に移行する。図28に示すように、タイマ割込が発生すると、表示制御用CPU101は、タイマ割込フラグをセットする(ステップS711)。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、表示制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の表示制御処理を実行する。
【0141】
本実施形態では、タイマ割込は2mS毎にかかる。すなわち、表示制御処理は、2mS毎に起動される。また、本実施形態では、タイマ割込処理ではフラグセットのみがなされ、具体的な表示制御処理はメイン処理において実行されるが、タイマ割込処理で表示制御処理を実行してもよい。
【0142】
表示制御処理において、表示制御用CPU101は、まず、受信した表示制御コマンドを解析する(コマンド解析実行処理:ステップS704)。次いで表示制御用CPU101は、表示制御プロセス処理を行う(ステップS705)。表示制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態に対応したプロセスを選択して実行する。そして、乱数カウンタを更新する処理を実行する(ステップS706)。その後、ステップS702のタイマ割込フラグの確認を行う処理に戻る。
【0143】
次に、主基板31からの表示制御コマンド受信処理について説明する。図29は、主基板31から受信した表示制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。この例では、2バイト構成の表示制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。従って、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよく、例えば、図柄指定コマンド格納領域を3個(2×3=6バイトのコマンド受信バッファ)、それ以外の変動パターン指定などのコマンド格納領域を1個(2×1=2バイトのコマンド受信バッファ)のようなバッファ構成としてもよい。音制御手段や、ランプ制御手段においても同様に、リングバッファ形式でないバッファ形式としてもよい。この場合、表示制御手段、音制御手段、ランプ制御手段は、変動パターンなどの格納領域に格納される最新のコマンドにもとづき制御される。これにより、主基板31からの指示に迅速に対応することができる。
【0144】
図30および図31は、コマンド解析処理(ステップS704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された表示制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、表示制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
【0145】
コマンド解析処理において、表示制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、表示制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+1しておく。
【0146】
受信した表示制御コマンドが特別図柄左指定の表示制御コマンド(91XX(H))であれば(ステップS613)、表示制御用CPU101は、「XX」で示される左特別図柄を示すデータを、RAMにおける左特別図柄格納領域に格納する(ステップS614)。また、特別図柄中指定の表示制御コマンド(92XX(H))であれば(ステップS616)、表示制御用CPU101は、「XX」で示される中特別図柄を示すデータを、RAMにおける中特別図柄格納領域に格納する(ステップS617)。そして、特別図柄右指定の表示制御コマンド(93XX(H))であれば(ステップS618)、表示制御用CPU101は、「XX」で示される右特別図柄を示すデータを、RAMにおける右特別図柄格納領域に格納する(ステップS619)。
【0147】
また、受信した表示制御コマンドが変動パターン指定の表示制御コマンドであれば(ステップS621)、表示制御用CPU101は、そのコマンドのEXTデータを変動パターンデータ格納領域に格納し(ステップS622)、変動パターン受信フラグをセットする(ステップS623)。また、受信した表示制御コマンドが成立回数指定の表示制御コマンドであれば(ステップS624)、表示制御用CPU101は、「XX」で示される成立回数を示すデータを、RAMにおける成立回数記憶領域に格納する(ステップS625)。
【0148】
受信した表示制御コマンドが始動入賞記憶数指定の表示制御コマンドであれば(ステップS631)、表示制御用CPU101は、RAMにおける始動入賞数記憶領域の始動入賞記憶数を表示制御コマンドで指定された数に更新する(ステップS632)。また、特別図柄始動記憶表示器18の点灯表示数を更新する(ステップS633)。また、受信した表示制御コマンドがはずれ入賞指定の表示制御コマンドであれば(ステップS634)、表示制御用CPU101は、飾り図柄の判定を行う(ステップS635)。受信した表示制御コマンドがリーチ入賞指定の表示制御コマンドである場合にも(ステップS636)、飾り図柄の判定を行う(ステップS637)。また、受信した表示制御コマンドが非特定大当り入賞指定の表示制御コマンドである場合にも(ステップS638)、飾り図柄の判定を行う(ステップS639)。さらに、受信した表示制御コマンドが特定大当り入賞指定の表示制御コマンドである場合にも(ステップS640)、飾り図柄の判定を行う(ステップS641)。そして、ステップS612で読み出した受信コマンドがその他の表示制御コマンドである場合には、受信コマンドに対応するフラグをセットする(ステップS642)。
【0149】
図32は、飾り図柄用可変表示装置8において各入賞指定に応じた飾り図柄変動パターンテーブルの一例を示す説明図である。本実施形態では、はずれ入賞指定の判定結果コマンドを受信していたときに選択される飾り図柄変動パターンテーブル1と、リーチ入賞指定の判定結果コマンドを受信していたときに選択される飾り図柄変動パターンテーブル2と、非特定大当り入賞指定の判定結果コマンドを受信していたときに選択される飾り図柄変動パターンテーブル3と、特定大当り入賞指定の判定結果コマンドを受信していたときに選択される飾り図柄変動パターンテーブル4とがある。各飾り図柄変動パターンテーブルには、それぞれ、主基板31からの変動パターンコマンド(図26参照)の種類に対応して、15種類の飾り図柄の変動パターンが予め設定されている。飾り図柄の変動パターンは、対応する変動パターンコマンドが示す変動時間の間、その変動パターンコマンドにもとづく特別図柄の変動に関連して飾り図柄を変動させるための変動パターンとされている。例えば、リーチAを指定する変動パターンコマンドに対応する飾り図柄の変動パターンは、飾り図柄の変動表示によってリーチ態様を表すように設定されている。
【0150】
なお、各飾り図柄変動パターンテーブルに、主基板31からの変動パターンコマンドの種類に対応した飾り図柄の変動パターンが複数設定されていてもよい。この場合、例えば、乱数を用いて使用する飾り図柄の変動パターンを決定するようにすればよい。
【0151】
図33は、飾り図柄変動パターンテーブル設定処理の一例を示すフローチャートである。飾り図柄変動パターンテーブル設定処理において、表示制御用CPU101は、表示結果事前決定手段での判定結果に応じて使用する飾り図柄変動パターンテーブルを選択する(ステップS669a)。そして、表示制御用CPU101は、選択した飾り図柄変動パターンテーブルを使用テーブルとして設定する(ステップS669b)。なお、リーチ等の演出は遊技制御手段によって決定され、一方、演出の態様として飾り図柄を保持する領域は演出制御手段によって別個に独自に決定される。また、このような飾り図柄変動パターンテーブル設定処理は、
前記図31で示した飾り図柄の判定処理(ステップS635,S637,S639,S641)で行われるものである。
【0152】
図34は、図27に示されたメイン処理における表示制御プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。表示制御プロセス処理では、表示制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S806のうちのいずれかの処理が行われる。各処理において、以下のような処理が実行される。
【0153】
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):コマンド受信割込処理によって、変動時間を特定可能な表示制御コマンド(変動パターンコマンド)を受信したか否か確認する。具体的には、変動パターンコマンドが受信されたことを示すフラグ(変動パターン受信フラグ)がセットされたか否か確認する。変動パターン受信フラグは、コマンド解析処理によって、変動パターン指定の表示制御コマンドが受信されたことが確認された場合にセットされる(ステップS623)。
【0154】
飾り図柄演出設定処理(ステップS801):飾り図柄の停止図柄の数と種類および位置のうち少なくともいずれか一および変動パターンを決定する。飾り図柄の停止図柄は、特別図柄の停止図柄に合致した図柄組合せとされる。また、飾り図柄の変動パターンは、特別図柄の変動時間だけ、変動パターンコマンドが示す特別図柄の変動パターンに合致したものに決定される。
【0155】
図柄変動開始処理(ステップS802):特別図柄の変動が開始されるように制御する。また、飾り図柄である左中右図柄の変動が開始されるように制御する。
【0156】
図柄変動中処理(ステップS803):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミングを制御するとともに、変動時間の終了を監視する。また、左右特別図柄の停止制御を行う。
【0157】
全図柄停止待ち設定処理(ステップS804):変動時間の終了時に、全図柄停止を指示する表示制御コマンド(特別図柄停止の表示制御コマンド)を受信していたら、図柄の変動を停止し停止図柄(確定図柄)を表示する制御を行う。
【0158】
大当り表示処理(ステップS805):変動時間の終了後、確変大当り表示または通常大当り表示の制御を行う。
【0159】
大当たり遊技中処理(ステップS806):大当たり遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放前表示や大入賞口開放時表示の表示制御コマンドを受信したら、ラウンド数の表示制御等を行う。
【0160】
図35は、変動パターンテーブル毎に設定されているプロセスデータの一構成例を示す説明図である。プロセスデータは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。各表示制御実行テーブルには、それぞれ、特別図柄の変動パターンを構成する各変動態様が記載されている特別図柄制御実行データと、飾り図柄の変動パターンを構成する各変動態様が記載されている飾り図柄制御実行データとが含まれている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動態様での変動時間が設定されている。表示制御用CPU101は、プロセスデータを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行テーブルに設定されている変動態様で特別図柄や飾り図柄を変動表示させる制御を行う。
【0161】
図35に示すプロセスデータは、図柄制御基板80におけるROMに格納されている。プロセスデータは、各変動パターンのそれぞれに応じて用意されている。また、プロセスデータは、特別図柄の各変動パターンと飾り図柄の各変動パターンとの組合せのそれぞれに応じて用意されている。
【0162】
図36は、図34に示された表示制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、表示制御用CPU101は、変動パターン受信フラグがセットされたか否か確認する(ステップS871)。セットされていたら、そのフラグをリセットする(ステップS872)。そして、表示制御プロセスフラグの値を飾り図柄演出設定処理(ステップS801)に対応した値に変更する(ステップS873)。
【0163】
図37は、図34に示された表示制御プロセス処理における飾り図柄演出設定処理(ステップS801)を示すフローチャートである。飾り図柄演出設定処理において、表示制御用CPU101は、飾り図柄の停止図柄の数と種類および位置のうち少なくともいずれか一を決定する(ステップS875)。このとき、変動パターンコマンドにもとづく特別図柄の変動態様に合致するように、飾り図柄の停止図柄を決定する。次いで、飾り図柄の変動パターンを決定する(ステップS876)。この例では、使用テーブルとして設定されている飾り図柄変動パターンテーブルに、変動パターンコマンドに対応して設けられている変動パターンとする。従って、受信した変動パターンコマンドにもとづく特別図柄の変動パターンに対応して設けられている飾り図柄の変動パターンに決定される。そして、表示制御プロセスフラグの値を全図柄変動開始処理(ステップS802)に対応した値に変更する(ステップS877)。
【0164】
図38は、表示制御プロセス処理における図柄変動開始処理(ステップS803)を示すフローチャートである。図柄変動開始処理において、表示制御用CPU101は、まず、使用するプロセスデータを選択する(ステップS881)。次いで、選択されたプロセスデータの最初に設定されているプロセスタイマをスタートし(ステップS882)、特別図柄制御実行データ1の内容に従って特別図柄の変動表示を行い(ステップS883)、飾り図柄制御実行データ1の内容に従ってLCD82を制御して飾り図柄の変動表示を行う(ステップS884)。
【0165】
そして、変動時間タイマをスタートし(ステップS885)、表示制御プロセスフラグの値を図柄変動中処理に対応した値にする(ステップS886)。
【0166】
その後、変動時間タイマ(特別図柄の変動時間に応じたタイマ)をスタートし(ステップS884)、表示制御プロセスフラグの値を図柄変動中処理に対応した値にする(ステップS885)。
【0167】
図39は、表示制御プロセス処理における図柄変動中処理(ステップS803)を示すフローチャートである。図柄変動中処理において、表示制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS831)、表示制御実行データの切替を行う(ステップS832)。すなわち、プロセスデータにおいて、次に設定されているプロセスタイマをスタートさせるとともに、その次に設定されている表示制御実行データの内容に従ってVDP103を制御する。従って、VDP103は、表示制御実行テーブルの内容に応じて飾り図柄用可変表示装置8の表示状態を制御する。
【0168】
そして、変動時間タイマがタイムアウトしていたら(ステップS833)、特別図柄停止の表示制御コマンドの受信を監視するための監視タイマをスタートさせ(ステップS834)、表示制御プロセスフラグの値を全図柄停止待ち処理に対応した値にする(ステップS835)。
【0169】
図40は、表示制御プロセス処理における全図柄停止待ち処理(ステップS804)を示すフローチャートである。全図柄停止待ち処理において、表示制御用CPU101は、全図柄停止を指示する表示制御コマンド(特別図柄停止の表示制御コマンド)を受信しているか否か確認する(ステップS841)。全図柄停止を指示する表示制御コマンドを受信していれば、記憶されている停止図柄で図柄を停止させる制御を行う(ステップS842)。
【0170】
そして、ステップS842で大当り図柄を表示した場合には、表示制御用CPU101は、成立回数を示すカウンタの値をクリアしておくとともに(ステップS844)、全ての特別演出画像(5つのキャラクタ43)を消去する(ステップS845)。そして、表示制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS805)に対応した値に設定する(ステップS846)。
【0171】
一方、ステップS842で大当り図柄を表示しない場合(はずれ図柄を表示した場合)には、表示制御用CPU101は、成立回数を指示する表示制御コマンドを受信しているか否か確認する(ステップS847)。成立回数を指示する表示制御コマンドを受信していれば、成立回数記憶領域に格納されている成立回数を示すデータに基づく表示を設定し(ステップS848)、表示制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に設定する(ステップS849)。
【0172】
次に、飾り図柄用可変表示装置8でのアイテム表示における具体的な表示画像の一例について説明する。なお、以下の説明では、アイテムとしてのキャラクタ43が閾値となる4つ貯まり、然も始動記憶内に大当り図柄の情報が含まれた遊技状態として説明を行う。先ず、図41(A)に示すように、アイテム表示エリア42に4つのキャラクタ43が表示された状態(アイテムが4つ貯まった状態)で、全図柄(可変表示部8a〜8c)の変動を開始し、その後、左側の可変表示部8a、右側の可変表示部8c、中央の可変表示部8bの順で図柄変動を停止することで、図41(B)に示すように、可変表示部8a〜8cに表示結果(同図中では、「3,5,7」のハズレ図柄を例示)を導出表示する。
【0173】
次に、大当り図柄の情報を含んだ始動記憶による可変表示の開始条件が成立すると、図41(C)に示すように、可変表示が開始される以前に(前回の表示結果が停止表示された状態で)、アイテム表示エリア42に所定数となる5つ目のキャラクタ43を追加表示する。その後、図41(D)に示すように、全図柄(可変表示部8a〜8c)の変動開始と同時に、5つのアイテム43全てを通常時とは異なる態様(同図中では、キャラクタ43となる野球のボールが光輝く態様を例示)で表示する。次いで、図41(E)に示すように、左右の可変表示部8a,8cに同一の図柄が停止表示されてリーチ表示態様になると(同図中では、「3,・,3」のリーチ表示態様を例示)、中央の可変表示部8bをスーパーリーチの変動パターンで変動制御する。なお、同図中には、スーパーリーチの変動パターンで変動制御する旨を示す「スーパーリーチ」の文字44を便宜的に記載しているが、実際にはスーパーリーチの変動パターンによる変動制御が行われる。
【0174】
次に、図41(F)に示すように、中央の可変表示部8bの変動が停止されて大当り図柄(同図中では、「3,3,3」の大当り図柄を例示)が導出表示されると「大当り」の文字45を表示して大当りとなった旨を遊技者に報知する。そして、大当り図柄の導出表示に伴って発生する大当り遊技状態では、図41(G)に示すように、飾り図柄用可変表示装置8の表示画面全体に大当り演出画像46を表示する。その後、大当り遊技状態が終了すると、図41(H)に示すように、再度、図柄表示エリア(可変表示部8a〜8c)とアイテム表示エリア42の表示態様に切り換える。なお、このとき、取得アイテムはリセットされてアイテム表示エリア42には、キャラクタ43が1つも表示されていない状態となる。
【0175】
なお、実施形態中では、アイテム表示エリア42にキャラクタ43を追加表示するタイミング(キャラクタの取得タイミング)として、全図柄(可変表示部8a〜8c)の変動停止中としているが、これに限定するものではなく、図柄の変動中にキャラクタ43を追加表示するような構成であってもよい。このような構成を図42を参照して具体的に説明すると、先ず、図42(A)に示すように、全図柄(可変表示部8a〜8c)の変動停止時点(同図中では、「3,5,7」のハズレ図柄の停止表示時点を例示)で、アイテム表示エリア42には4つのキャラクタ43が表示されている(アイテムが4つ貯まっている)。そして、大当り図柄の情報を含んだ始動記憶による可変表示の開始条件が成立すると、図42(B)に示すように、全図柄(可変表示部8a〜8c)の変動開始と同時に、アイテム表示エリア42に所定数となる5つ目のキャラクタ43を追加表示し、次いで、図42(C)に示すように、5つのアイテム43全てを通常時とは異なる態様(同図中では、キャラクタ43となる野球のボールが光輝く態様を例示)で表示する。その後は、図42(D)に示すように、左右の可変表示部8a,8cに同一の図柄が停止表示されてリーチ表示態様になると(同図中では、「3,・,3」のリーチ表示態様を例示)、中央の可変表示部8bをスーパーリーチの変動パターンで変動制御する。なお、同図中には、スーパーリーチの変動パターンで変動制御する旨を示す「スーパーリーチ」の文字44を便宜的に記載しているが、実際にはスーパーリーチの変動パターンによる変動制御が行われる。
【0176】
次に、図42(E)に示すように、中央の可変表示部8bの変動が停止されて大当り図柄(同図中では、「3,3,3」の大当り図柄を例示)が導出表示されると「大当り」の文字45を表示して大当りとなった旨を遊技者に報知する。そして、大当り図柄の導出表示に伴って発生する大当り遊技状態では、図42(F)に示すように、飾り図柄用可変表示装置8の表示画面全体に大当り演出画像46を表示する。その後、大当り遊技状態が終了すると、図42(G)に示すように、再度、図柄表示エリア(可変表示部8a〜8c)とアイテム表示エリア42の表示態様に切り換える。なお、このとき、取得アイテムはリセットされてアイテム表示エリア42には、キャラクタ43が1つも表示されていない状態となる。
【0177】
以上のように、本実施形態の構成によれば、所定の始動条件の成立(始動口スイッチ14aでの遊技球の検出)に基づいて各々が識別可能な複数種類の識別情報画像(飾り図柄)の可変表示を行い表示結果を導出表示する可変表示装置(飾り図柄用可変表示装置8)と、該可変表示装置において、前記始動条件が成立した後、可変表示の開始条件の成立に基づいて前記表示結果をその導出以前に決定する表示結果事前決定手段(主基板31のCPU56により特別図柄および飾り図柄の表示結果をその導出表示以前に決定する機能(ステップS123))と、を備え、該表示結果事前決定手段が表示結果を特定表示結果(大当り図柄)とすることを決定したときに前記可変表示装置に前記特定表示結果を表示した後に遊技者に有利な特定遊技状態を発生させる遊技機(パチンコ遊技機1)であって、前記識別情報画像を含む画像データを記憶する画像データ記憶手段(図柄制御基板80のキャラクタROM86)と、前記識別情報画像の可変表示を含む演出表示を実行する表示制御手段(図柄制御基板80の表示制御用CPU101)と、前記始動条件が成立したが未だ前記可変表示の開始条件が成立していない可変表示について前記表示結果事前決定手段により決定された表示結果の情報を予め定められた上限数まで記憶可能な始動記憶手段(主基板31のRAM55により始動入賞記憶数を記憶する機能(ステップS113))と、所定条件(特別演出用乱数(ランダム9)の抽出値がアイテム判定値と一致すること(ステップS224:YES))の成立数を記憶する成立回数記憶手段(主基板31のRAM55によりアイテム取得数を記憶する機能(ステップS227))と、該成立回数記憶手段に記憶された成立数を前記識別情報画像とは異なる特別演出画像(アイテムとしてのキャラクタ43)を用いて識別可能に表示する特別演出画像表示手段(ステップS848の処理に基づいてアイテム表示エリア42にキャラクタ43を表示する)と、を備え、前記画像データ記憶手段には、第1のリーチ演出画像(ノーマルリーチの表示画像)と、該第1のリーチ演出画像より前記特定表示結果となる信頼度(大当り信頼度)の高い第2のリーチ演出画像(スーパーリーチの表示画像)を含む複数種類のリーチ演出画像を記憶するリーチ演出画像記憶手段(図柄制御基板80のキャラクタROM86)を含み、前記表示結果事前決定手段は、前記可変表示において実行するリーチ演出画像を選択するリーチ演出画像選択手段(ステップS203,S206,S210,S212,S213)と、前記成立回数記憶手段に記憶された前記所定条件の成立数が所定数(5つ)に達したときに、前記リーチ演出画像選択手段によって前記第2のリーチ演出画像を選択する第2のリーチ演出選択手段(S206,S212)と、を含み、前記成立回数記憶手段に記憶された前記所定条件の成立数が前記所定数よりも少ない値で設定された閾値(4つ)以上で且つ前記所定数未満であり、さらに前記始動記憶内に前記特定表示結果の情報が含まれているときに、前記特別演出画像表示手段は、前記特定表示結果の可変表示を実行する以前に前記特別演出画像を前記所定条件の成立数が前記所定数に達したときに表示される態様で表示させる特別演出画像変更制御を実行する(ステップS226:YES→ステップS227のフロー処理)と共に、前記第2のリーチ選択手段は、前記特定表示結果の可変表示を実行するときに前記リーチ演出画像選択手段により前記第2のリーチ演出画像を選択し、表示制御することを特徴とする。このように構成することにより、所定条件の成立数が所定数に近く、始動記憶に特定表示結果があるときは、所定条件の成立数が所定数に達したときに表示される態様で特別演出画像を表示した後、第2のリーチ演出画像を出現させ、特定表示結果の可変表示を行うため、所定条件の成立数が所定数に達したときに表示される態様で特別演出画像が表示されたことにより、第2のリーチ演出画像の出現及び特定表示結果の可変表示が発生した印象を遊技者に与えることができる。また、所定条件の成立数が所定数に達したときに表示される態様で特別演出画像が表示されることによる第2のリーチ演出画像の出現後直ぐに始動記憶に基づく識別情報の可変表示で特定表示結果が表示されたり、あるいは第2のリーチ演出画像が出現するようなことを回避することができるので、遊技者の第2のリーチ演出画像に対する信頼度を低下させることなく、特別演出画像の取得に対して遊技者の興趣を高めることができる。
【0178】
また、前記第2のリーチ演出画像選択手段は、前記成立回数記憶手段に記憶された前記所定条件の成立数が前記所定数に達し且つ前記始動記憶内に前記特定表示結果の情報とリーチ演出を実行する情報が含まれるとき、前記特定表示結果の可変表示を実行する以前に前記第2のリーチ演出画像の表示制御を行わず(ステップS209:YES→ステップS211:YES→ステップS213のフロー処理)、前記特定表示結果の可変表示を実行するときに前記第2のリーチ演出画像を表示制御する(ステップS202:YES→ステップS206のフロー処理)ことを特徴とする。このように構成することにより、始動記憶に基づく識別情報画像の可変表示で特定表示結果が表示される場合に第2のリーチ演出画像を出現させ易くできるので、より一層、遊技者の第2のリーチ演出画像に対する信頼度を保つことができる。
【0179】
また、前記表示結果事前決定手段は、乱数カウンタ(ランダム1〜5,7)を用いて表示結果を決定し、前記所定条件の成立は、前記成立回数記憶手段に記憶された前記所定条件の成立数が前記閾値に達するまで前記乱数カウンタとは異なる別の乱数カウンタ(ランダム9)を用いて決定することを特徴とする。このように構成することにより、識別情報画像の可変表示に関わらずに特別演出画像の取得の有無を決定することができるので、識別情報画像を可変表示する演出とは異なった演出で特別演出画像の取得に対する遊技者の興趣を高めることができる。
【0180】
また、前記特別演出画像表示手段は、前記成立回数記憶手段に記憶された前記所定条件の成立数分の数の前記特別演出画像(キャラクタ43)を表示することを特徴とする。このように構成することにより、所定条件の成立数増加に伴い特別演出画像の表示数を増加させるため、特別演出画像の取得数をより把握し易くなるので、遊技者の遊技に対する興味を高められる。
【0181】
なお、実施形態中では、所定条件の成立数を識別可能な特別演出画像の態様として、所定条件の成立数分の数の特別演出画像を表示する構成としているが、これに限定しない。例えば、所定条件の成立数に応じて特別演出画像の表示態様を変化させるようなものであってもよい。具体的には、レベルメーターのようなもので特別演出画像を構成して所定条件の成立数に応じてそのレベルを変化させたり、あるいは強弱や大小の差がある複数種類の動物キャラクタ(例えば、「メダカ」→「鯉」→「まぐろ」→「サメ」→「クジラ」)で特別演出画像を構成して所定条件の成立数に応じて動物キャラクタを変化させる等の構成であってもよい。
【0182】
また、上記した実施形態では、可変表示装置9を液晶タイプの表示器で構成しているが、特にこれに限定するものではなく、CRT、LED、FED、EL、あるいはプラズマによる表示器で構成することも可能である。また、実施形態中では、特別演出画像(アイテム)を取得するための所定条件として、識別情報画像の可変表示(図柄変動)に関わる乱数(ランダム1〜5,7)とは異なる特別演出画像取得用の乱数(ランダム9)を設けると共に、その乱数抽出に基づいて特別演出画像の取得の有無を決定する構成としているが、これに限定するものではない。例えば、図柄変動時に予告があった場合、その1回の予告を所定条件の成立として特別演出画像を1個付与したり、予め定めた所定の表示結果(例えば、「3,9,4」のハズレ図柄等)が導出表示された場合、その所定の表示結果の1回の導出表示を所定条件の成立として特別演出画像を1個付与したり、通常の図柄変動とは異なる演出画像を表示し(例えば、ハズレリーチ後にその演出画像を表示する等)、その演出画像で遊技者が選択した結果(例えば、光センサの検出によって画面上の選択肢を選択可能な構成とした上で遊技者が選択した結果等)が当りの選択結果となった場合、その1回の当りの選択結果を所定条件の成立として特別演出画像を1個付与する等してもよい。なお、このように遊技者の選択によって特別演出画像の取得の有無を決定する構成では、遊技者参加型の遊技内容となるため、特定遊技状態の発生に関わる遊技内容以外で遊技者を楽しませることができる。
【0183】
また、弾球遊技機の構成として、始動球検出器の入賞球の検出に伴って可変表示装置での識別情報画像の変動を開始し、該識別情報画像が所定の表示結果となると特定遊技状態が発生して可変入賞球装置を開放する弾球遊技機(これを俗に第1種という)を例示しているが、特にこれに限定するものではなく、始動球検出器の入賞球の検出に伴って可変表示装置での識別情報画像の変動を開始し、該識別情報画像が所定の表示結果となると権利発生状態となり、この状態で特定領域に打球が入賞すると特定遊技状態が発生する弾球遊技機(これを俗に第3種という)であってもよく、さらにはスロットマシンやコインゲーム等の遊技機であってもよい。
【0184】
また、本発明に係るリーチとは、停止した図柄(リーチ態様という)が大当り図柄の一部を構成しているときに未だ停止していない図柄(リーチ変動中の図柄という)については可変表示が行われていること、全て又は一部の図柄が大当り図柄の全て又は一部を構成しながら同期して可変表示している状態である。具体的には、予め定められた複数の可変表示部に、予め定められた図柄が停止することで大当りとなる有効ラインが定められ、その有効ライン上の一部の可変表示部に予め定められた図柄が停止しているときに未だ停止していない有効ライン上の可変表示部において可変表示が行われている状態(例えば、左・中・右の可変表示部のうち左右の可変表示部には大当り図柄の一部となる図柄(例えば、「7」)が停止表示されている状態で中央の可変表示部は未だ可変表示が行われている状態)、有効ライン上の可変表示部の全て又は一部の図柄が大当り図柄の全て又は一部を構成しながら同期して可変表示している状態(例えば、左・中・右の可変表示部の全てに可変表示が行われてどの状態が表示されても同一の図柄が揃っている状態で可変表示が行われている状態)である。また、リーチの際に、通常とは異なる演出がランプや音で行われることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄とは異なるもの)を表示させたり、背景の表示態様を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出という。
【0185】
【発明の効果】
以上、説明したところから明らかなように、請求項1の発明においては、所定の始動条件の成立に基づいて各々が識別可能な複数種類の識別情報画像の可変表示を行い表示結果を導出表示する可変表示装置と、該可変表示装置において、前記始動条件が成立した後、可変表示の開始条件の成立に基づいて前記表示結果をその導出以前に決定する表示結果事前決定手段と、を備え、該表示結果事前決定手段が表示結果を特定表示結果とすることを決定したときに前記可変表示装置に前記特定表示結果を表示した後に遊技者に有利な特定遊技状態を発生させる遊技機であって、前記識別情報画像を含む画像データを記憶する画像データ記憶手段と、前記識別情報画像の可変表示を含む演出表示を実行する表示制御手段と、前記始動条件が成立したが未だ前記可変表示の開始条件が成立していない可変表示について前記表示結果事前決定手段により決定された表示結果の情報を予め定められた上限数まで記憶可能な始動記憶手段と、所定条件の成立数を記憶する成立回数記憶手段と、該成立回数記憶手段に記憶された成立数を前記識別情報画像とは異なる特別演出画像を用いて識別可能に表示する特別演出画像表示手段と、を備え、前記画像データ記憶手段には、第1のリーチ演出画像と、該第1のリーチ演出画像より前記特定表示結果となる信頼度の高い第2のリーチ演出画像を含む複数種類のリーチ演出画像を記憶するリーチ演出画像記憶手段を含み、前記表示結果事前決定手段は、前記可変表示において実行するリーチ演出画像を選択するリーチ演出画像選択手段と、前記成立回数記憶手段に記憶された前記所定条件の成立数が所定数に達したときに、前記リーチ演出画像選択手段によって前記第2のリーチ演出画像を選択する第2のリーチ演出選択手段と、を含み、前記成立回数記憶手段に記憶された前記所定条件の成立数が前記所定数よりも少ない値で設定された閾値以上で且つ前記所定数未満であり、さらに前記始動記憶内に前記特定表示結果の情報が含まれているときに、前記特別演出画像表示手段は、前記特定表示結果の可変表示を実行する以前に前記特別演出画像を前記所定条件の成立数が前記所定数に達したときに表示される態様で表示させる特別演出画像変更制御を実行すると共に、前記第2のリーチ選択手段は、前記特定表示結果の可変表示を実行するときに前記リーチ演出画像選択手段により前記第2のリーチ演出画像を選択し、表示制御することを特徴とする。このように構成することにより、所定条件の成立数が所定数に近く、始動記憶に特定表示結果があるときは、所定条件の成立数が所定数に達したときに表示される態様で特別演出画像を表示した後、第2のリーチ演出画像を出現させ、特定表示結果の可変表示を行うため、所定条件の成立数が所定数に達したときに表示される態様で特別演出画像が表示されたことにより、第2のリーチ演出画像の出現及び特定表示結果の可変表示が発生した印象を遊技者に与えることができる。また、所定条件の成立数が所定数に達したときに表示される態様で特別演出画像が表示されることによる第2のリーチ演出画像の出現後直ぐに始動記憶に基づく識別情報の可変表示で特定表示結果が表示されたり、あるいは第2のリーチ演出画像が出現するようなことを回避することができるので、遊技者の第2のリーチ演出画像に対する信頼度を低下させることなく、特別演出画像の取得に対して遊技者の興趣を高めることができる。
【0186】
また、請求項2の発明においては、前記第2のリーチ演出画像選択手段は、前記成立回数記憶手段に記憶された前記所定条件の成立数が前記所定数に達し且つ前記始動記憶内に前記特定表示結果の情報とリーチ演出を実行する情報が含まれるとき、前記特定表示結果の可変表示を実行する以前に前記第2のリーチ演出画像の表示制御を行わず、前記特定表示結果の可変表示を実行するときに前記第2のリーチ演出画像を表示制御することを特徴とする。このように構成することにより、始動記憶に基づく識別情報画像の可変表示で特定表示結果が表示される場合に第2のリーチ演出画像を出現させ易くできるので、より一層、遊技者の第2のリーチ演出画像に対する信頼度を保つことができる。
【0187】
また、請求項3の発明においては、前記表示結果事前決定手段は、乱数カウンタを用いて表示結果を決定し、前記所定条件の成立は、前記成立回数記憶手段に記憶された前記所定条件の成立数が前記閾値に達するまで前記乱数カウンタとは異なる別の乱数カウンタを用いて決定することを特徴とする。このように構成することにより、識別情報画像の可変表示に関わらずに特別演出画像の取得の有無を決定することができるので、識別情報画像を可変表示する演出とは異なった演出で特別演出画像の取得に対する遊技者の興趣を高めることができる。
【0188】
また、請求項4の発明においては、前記特別演出画像表示手段は、前記成立回数記憶手段に記憶された前記所定条件の成立数分の数の前記特別演出画像を表示することを特徴とする。このように構成することにより、所定条件の成立数増加に伴い特別演出画像の表示数を増加させるため、特別演出画像の取得数をより把握し易くなるので、遊技者の遊技に対する興味を高められる。
【図面の簡単な説明】
【図1】パチンコ遊技機を正面からみた正面図である。
【図2】ガラス扉枠を取り外した状態での遊技盤の前面を示す正面図である。
【図3】遊技制御基板(主基板)の回路構成例を示すブロック図である。
【図4】図柄制御基板の回路構成例を示すブロック図である。
【図5】主基板におけるCPUが実行するメイン処理を示すフローチャートである。
【図6】2mSタイマ割込処理を示すフローチャートである。
【図7】各乱数を示す説明図である。
【図8】特別図柄プロセス処理を示すフローチャートである
【図9】各変動パターンにおける設定確率を示す一覧表図である。
【図10】リーチA〜Cにおける大当り信頼度を示す一覧表図である。
【図11】変動パターン設定処理を示すフローチャートである。
【図12】同図(A)は大当り用リーチ選択テーブルを示す一覧表図であり、同図(B)は大当りスーパーリーチ限定選択テーブルを示す一覧表図である。
【図13】同図(A)はリーチハズレスーパーリーチ限定選択テーブルを示す一覧表図であり、同図(B)はリーチハズレスーパーリーチ以外限定選択テーブルを示す一覧表図である。
【図14】同図(A)はリーチハズレ選択テーブルを示す一覧表図であり、同図(B)はハズレ用選択テーブルを示す一覧表図である。
【図15】特別演出画像設定処理を示すフローチャートである。
【図16】始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。
【図17】入賞時演出設定処理を示すフローチャートである。
【図18】大当り判定テーブル、リーチ判定テーブル、およびアイテム判定テーブルの一例を示す説明図である。
【図19】大当り判定モジュールを示すフローチャートである。
【図20】リーチ判定モジュールを示すフローチャートである。
【図21】特別図柄通常処理を示すフローチャートである。
【図22】特別図柄停止図柄設定処理を示すフローチャートである。
【図23】記憶処理を示すフローチャートである。
【図24】制御コマンドのコマンド形態の一例を示す説明図である。
【図25】制御コマンドを構成する8ビットの制御信号とINT信号との関係を示すタイミング図である。
【図26】表示制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。
【図27】表示制御用CPUが実行するメイン処理を示すフローチャートである。
【図28】タイマ割込処理を示すフローチャートである。
【図29】コマンド受信バッファの構成を示す説明図である。
【図30】コマンド解析処理を示すフローチャートである。
【図31】コマンド解析処理を示すフローチャートである。
【図32】飾り図柄用可変表示装置8において各入賞指定に応じた飾り図柄変動パターンテーブルの一例を示す説明図である。
【図33】飾り図柄変動パターンテーブル設定処理の一例を示すフローチャートである。
【図34】表示制御プロセス処理を示すフローチャートである。
【図35】プロセスデータの一構成例を示す説明図である。
【図36】変動パターンコマンドコマンド受信待ち処理を示すフローチャートである。
【図37】飾り図柄演出設定処理を示すフローチャートである。
【図38】図柄変動開始処理を示すフローチャートである。
【図39】図柄変動中処理を示すフローチャートである。
【図40】全図柄停止待ち処理を示すフローチャートである。
【図41】アイテム表示の表示画像を示す説明図である。
【図42】変形例におけるアイテム表示の表示画像を示す説明図である。
【符号の説明】
1 パチンコ遊技機(遊技機)
8 飾り図柄用可変表示装置(可変表示装置)
8a〜8c 可変表示部
9 可変表示装置
24 特別図柄用可変表示装置
31 主基板
35 ランプ制御基板
42 アイテム表示エリア(特別演出画像表示手段)
43 キャラクタ(特別演出画像)
55 RAM(始動記憶手段、成立回数記憶手段)
56 CPU(表示結果事前決定手段)
80 図柄制御基板
86 キャラクタROM(画像データ記憶手段、リーチ演出画像記憶手段)
101 表示制御用CPU(表示制御手段)
Claims (4)
- 所定の始動条件の成立に基づいて各々が識別可能な複数種類の識別情報画像の可変表示を行い表示結果を導出表示する可変表示装置と、該可変表示装置において、前記始動条件が成立した後、可変表示の開始条件の成立に基づいて前記表示結果をその導出以前に決定する表示結果事前決定手段と、を備え、該表示結果事前決定手段が表示結果を特定表示結果とすることを決定したときに前記可変表示装置に前記特定表示結果を表示した後に遊技者に有利な特定遊技状態を発生させる遊技機であって、
前記識別情報画像を含む画像データを記憶する画像データ記憶手段と、
前記識別情報画像の可変表示を含む演出表示を実行する表示制御手段と、
前記始動条件が成立したが未だ前記可変表示の開始条件が成立していない可変表示について前記表示結果事前決定手段により決定された表示結果の情報を予め定められた上限数まで記憶可能な始動記憶手段と、
所定条件の成立数を記憶する成立回数記憶手段と、
該成立回数記憶手段に記憶された成立数を前記識別情報画像とは異なる特別演出画像を用いて識別可能に表示する特別演出画像表示手段と、
を備え、
前記画像データ記憶手段には、第1のリーチ演出画像と、該第1のリーチ演出画像より前記特定表示結果となる信頼度の高い第2のリーチ演出画像を含む複数種類のリーチ演出画像を記憶するリーチ演出画像記憶手段を含み、
前記表示結果事前決定手段は、前記可変表示において実行するリーチ演出画像を選択するリーチ演出画像選択手段と、
前記成立回数記憶手段に記憶された前記所定条件の成立数が所定数に達したときに、前記リーチ演出画像選択手段によって前記第2のリーチ演出画像を選択する第2のリーチ演出選択手段と、を含み、
前記成立回数記憶手段に記憶された前記所定条件の成立数が前記所定数よりも少ない値で設定された閾値以上で且つ前記所定数未満であり、さらに前記始動記憶内に前記特定表示結果の情報が含まれているときに、前記特別演出画像表示手段は、前記特定表示結果の可変表示を実行する以前に前記特別演出画像を前記所定条件の成立数が前記所定数に達したときに表示される態様で表示させる特別演出画像変更制御を実行すると共に、前記第2のリーチ選択手段は、前記特定表示結果の可変表示を実行するときに前記リーチ演出画像選択手段により前記第2のリーチ演出画像を選択し、表示制御することを特徴とする遊技機。 - 前記第2のリーチ演出画像選択手段は、前記成立回数記憶手段に記憶された前記所定条件の成立数が前記所定数に達し且つ前記始動記憶内に前記特定表示結果の情報とリーチ演出を実行する情報が含まれるとき、前記特定表示結果の可変表示を実行する以前に前記第2のリーチ演出画像の表示制御を行わず、前記特定表示結果の可変表示を実行するときに前記第2のリーチ演出画像を表示制御することを特徴とする請求項1記載の遊技機。
- 前記表示結果事前決定手段は、乱数カウンタを用いて表示結果を決定し、前記所定条件の成立は、前記成立回数記憶手段に記憶された前記所定条件の成立数が前記閾値に達するまで前記乱数カウンタとは異なる別の乱数カウンタを用いて決定することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の遊技機。
- 前記特別演出画像表示手段は、前記成立回数記憶手段に記憶された前記所定条件の成立数分の数の前記特別演出画像を表示することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の遊技機。
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