JP4203976B2 - 落下傘 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、落下傘に関し、とくに、開傘時の発生荷重を制限するために初期の開度を小さくするリーフィングを行う落下傘に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
リーフィングを行う落下傘は、例えば、比較的重量の大きい降下体や衝撃に弱い精密機器類を搭載した降下体を減速降下させる際に用いるものであって、傘体の開口縁を絞った状態に維持するリーフィングラインおよび同ラインを切断するカッターを設けた構成になっている。この落下傘の動作を図3に基づいて説明すると、落下傘Pは、図3(a)に示すように、動圧が高い状態において傘体の開口縁をリーフィングラインで絞って開傘させることで、開傘時の発生荷重を制限しつつ降下体の初期減速を行い、その後、リーフィングラインをカッターで切断して、図3(b)〜(e)に示すように傘体を次第に開き、最終的に図3(f)に示すように傘体を全開傘して、降下体を所定の降下速度まで減速させるようになっている。
【0003】
このような落下傘は、例えば、『NWC−TP−6575 Parachute Recovery Systems Design Manual(Para Publishing,Santa Barbara,California)』の5.6.2項や、昭和58年4月25日に丸善が発行した『増補版・航空宇宙工学便覧』のA233頁に記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記したような従来の落下傘にあっては、単に傘体の開口縁をリーフィングラインで絞った構成であったため、傘体の全開傘時の直径に対するリーフィング時の開口縁の直径の比であるリーフィング率を小さくすると、傘体を放出した際に、開口部の面積が小さいために傘体の内部に空気が入り込めない状態(のろし状態)になって、所定の減速が行えなくなることがあり、この状態でリーフィングラインを切断すると、空気の入りが悪いことから全開傘までに時間がかかり、ときには開傘動作の信頼性が損なわれることがあるといった問題点があり、このような問題点を解決することが課題になっていた。
【0005】
【発明の目的】
本発明は、上記従来の課題に着目して成されたもので、リーフィング時において傘体に空気を良好に入り込ませることができ、開傘動作の信頼性を向上させることができる落下傘を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係わる落下傘は、請求項1として、略半球状を成す傘体の開口部側の部分を全周にわたって上下に折り返して重合部を形成すると共に、重合部を折り返し状態に維持する解除可能な拘束手段を備え、拘束手段が、重合部の上端部および下端部の全周にわたって設けたリーフィングラインと、リーフィングラインを切断するリーフィングカッターを備えている構成としており、上記構成をもって従来の課題を解決するための手段としている。
【0007】
【発明の作用】
本発明の請求項1に係わる落下傘では、略半球状を成す傘体の開口部側の部分を全周にわたって折り返して重合部を形成することで、開口部の直径を全開傘時よりも小さくすると共に、傘体の高さ寸法を全開傘時よりも小さくし、この重合部の折り返し状態を拘束手段を構成するリーフィングラインで維持することにより、傘体を放出した際には、全開傘時よりも小さい直径の開口部および小さい高さ寸法が維持されて傘体の内部に空気が入り込みやすくなり、リーフィングによる所定の減速が行われる。その後、落下傘は、拘束手段を構成するリーフィングカッターでリーフィングラインを切断することにより、重合部を引き伸ばすように展開して速やかに全開傘する。
この際、当該落下傘では、傘体の開口部側の部分を全周にわたって上下に折り返すことで、3重となる重合部を形成し、この重合部の上端部および下端部の全周にわたってリーフィングラインを設けているので、重合部の折り返し状態がより確実に維持されると共に、リーフィング時における重合部の暴れが防止され、後の展開も速やかに行われる。
【0010】
【発明の効果】
本発明の請求項1に係わる落下傘によれば、簡単な構造でリーフィング時の開口部の直径を自在に設定することが可能になり、リーフィング時においては、全開傘時よりも小さい直径の開口部および小さい高さ寸法を維持して、傘体の内部への空気の入り込みを良好なものにすることができ、所定の減速を確実に行うことができると共に、リーフィング後の全開傘を速やかに且つ確実に行うことができ、開傘動作の信頼性を著しく高めることができる。また、当該落下傘によれば、3重の重合部を形成してその上下の端部をリーフィングラインで拘束するようにしたことから、リーフィング時において、重合部の折り返し状態をより確実に維持して、重合部の暴れを防止することができ、また、拘束を解除したのちには、重合部を速やかに展開させてきわめて円滑に全開傘させることができる。
【0013】
【実施例】
以下、図面に基づいて、本発明に係わる落下傘の一実施例を説明する。
【0014】
図1(a)に示す落下傘Pは、略半球状の傘体1を備えると共に、図示しない吊索や降下体の装着手段を備えている。この落下傘Pは、開口部側の部分を全周にわたって外側で上下に折り返して3重の重合部2を形成し、これにより、開口部の直径Dを全開傘時よりも小さくすると共に、傘体1の高さ寸法Hを全開傘時よりも小さくしている。また、この実施例では、図示の如く全体が気球のような形態となるように、重合部2を周方向にひだ状に折って開口部をさらに絞った状態にしていると共に、重合部2が全体の高さHの半分よりもやや大きくなるように同重合部2の折り返し量が設定してある。
【0015】
さらに、落下傘Pは、重合部2を折り返し状態に維持する解除可能な拘束手段として、図1(b)に示すように、重合部2の上端部の全周にわたって設けたリーフィングライン3と、このリーフィングライン3を切断するリーフィングカッター4を備えると共に、図1(c)に示すように、重合部2の下端部の全周にわたって設けたリーフィングライン5と、このリーフィングライン5を切断するリーフィングカッター6を備えている。
【0016】
重合部2の上端部においては、傘体1の本体部分2aと重合部2の下方への折り返し部分2bとに、複数のリング7が設けてある。これらのリング7は、本体部分2aの側と折り返し部分2bの側とで、円周方向に等間隔で交互に配置してあると共に、紐8により取り付けてある。そして、これらのリング7にリーフィングライン3が通してあり、このリーフィングライン3によって重合部2の上端部を一定の直径に維持している。
【0017】
また、重合部2の下端部においても、重合部2の上方への折り返し部分2cと吊索が取り付けられる傘体1の開口縁2dとに、上端部と同様に複数のリング7が設けてあり、これらのリング7に通したリーフィングライン5によって重合部2の下端部を一定の直径に維持している。
【0018】
リーフィングカッター4,6は、各リーフィングライン3,5を貫通状態にして傘体1に取り付けてあって、リーフィングライン4,6を切断するカッターや例えば気圧を感知して作動するカッター駆動部等を内蔵している。
【0019】
上記の構成を備えた落下傘Pは、図示しない降下体に搭載され、所定の高度で傘体1を放出する。このとき、落下傘Pは、傘体1の開口部側の部分を折り返して重合部2を形成し、この重合部2を上下のリーフィングライン3、5で拘束しているので、図2(a)に示すように、開口部の直径Dが全開傘時よりも小さく維持されていると共に、傘体1の高さ寸法Hが全開傘時よりも小さく維持されていて、傘体1の内部に空気が速やかに入り込み、これによりリーフィングすなわち所定の減速を行って開傘時の発生荷重を制限する。また、落下傘Pは、重合部2の上端部および下端部をそれぞれのリーフィングライン3,5で拘束しているので、重合部2が大きくばたつくような暴れが生じることもない。
【0020】
その後、落下傘Pは、所定の高度あるいは速度に達したところでリーフィングカッター4,6を作動させて各リーフィングライン3,5を切断する。これにより、落下傘Pは、図2(b)および(c)に順に示すように重合部2を引き伸ばすように展開して、図2(d)に示すように傘体1が速やかに全開傘し、所定の降下速度に減速させて降下し続ける。
【0021】
このように、上記実施例で説明した落下傘Pは、略半球状を成す傘体1の開口部側の部分を折り返して重合部2を形成し、拘束手段であるリーフィングライン3,5で重合部2の折り返し状態を維持することにより、構造が簡単であると共に、リーフィング率すなわちリーフィング時の開口部の直径Dを自在に設定することが可能である。そして、リーフィング時においては、全開傘時よりも小さい直径Dの開口部および高さ寸法Hを維持して、傘体1の内部への空気の入り込みを良好なものにしており、これによりリーフィング後の全開傘も速やかに行うので、開傘動作の信頼性がきわめて高いものとなっている。
【0022】
なお、本発明に係わる落下傘は、その詳細な構成が上記実施例のみに限定されることはなく、例えば、傘体の開口部側を内側に折り返して重合部を形成したりすることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる落下傘の一実施例において、リーフィング時の落下傘の傘体を片側のみ断面にして示す側部断面図(a)、重合部の上端部を部分的に示す斜視図(b)、および重合部の下端部を部分的に示す斜視図(c)である。
【図2】落下傘の傘体がリーフィング状態から全開傘状態に至るまでの様子を順に示す各々説明図(a)〜(d)である。
【図3】従来における落下傘の傘体がリーフィング状態から全開傘状態に至るまでの様子を順に示す各々説明図(a)〜(f)である。
【符号の説明】
P 落下傘
1 傘体
2 重合部
3 5 リーフィングライン(拘束手段)
4 6 リーフィングカッター(拘束手段)
Claims (1)
- 略半球状を成す傘体の開口部側の部分を全周にわたって上下に折り返して重合部を形成すると共に、重合部を折り返し状態に維持する解除可能な拘束手段を備え、拘束手段が、重合部の上端部および下端部の全周にわたって設けたリーフィングラインと、リーフィングラインを切断するリーフィングカッターを備えていることを特徴とする落下傘。
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