JP4203312B2 - 側柵用カバー装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明はベッドの側部に複数の側柵を設けた場合に、隣り合う側柵間の隙間を覆うための側柵用カバー装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
たとえば、介護用などのベッドにおいては、利用者や利用者に掛けられた寝具などが落下するのを防止するため、ベッドの側部に側柵を設けることができるようにしている。通常、上記側柵は、上記ベッドの側部のサイドフレームに形成された取り付け孔に着脱可能に取り付け、不要な場合には取り外すことができるようにしている。
【0003】
上記側柵の幅寸法は、ベッドの長さ寸法よりも短く形成され、必要に応じて複数の側柵をベッドのサイドフレームに取り付けるということが行なわれている。複数の側柵をサイドフレームに取り付けると、隣り合う側柵の端部間に隙間が生じることがあり、その場合、その隙間に物や利用者の身体の一部が挟まることがある。そのため、上記隙間を隣り合う側柵の端部を連結する連結柵でカバーするということが行なわれている。
【0004】
従来、上記連結柵としてはたとえば特許文献1に記載される構成が知られている。
【0005】
【特許文献1】
特許第2832699号公報
この特許文献1に示された連結柵は、隣り合う一対の側柵の上部横枠部材と下部横枠部材とを外側から挟み込み架け渡すようにした、第1の連結横杆と第2の連結横杆とを有する。これら横杆の中途部にはそれぞれ支柱部材を連結し、これら支柱部材を伸縮自在に連結して固定手段で固定することで、一対の側柵間に保持固定するようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような構成の連結柵によると、第1の連結横杆と第2の連結横杆とが隣り合う一対の側柵の上部横枠部材と下部横枠部材を挟み込んでいるだけなので、これら連結横杆が側柵の幅方向に沿ってずれ動き易いということがあった。連結横杆の一端部が側柵の幅方向に沿ってずれ動くと、側柵の上部横枠部材と下部横枠部材から外れてしまうということがあるので、安定した状態で使用することができないということがあった。
【0007】
この発明は、側柵の幅方向にずれ動いて側柵から外れないようにすることで、一対の側柵間の隙間を確実に閉塞できるようにした側柵用カバー装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明は、ベッドの側部に所定の間隔で設けられる複数の側柵間の隙間をカバーする側柵用カバー装置において、
柔軟な材料によって形成されたシート本体と、
このシート本体を複数の側柵間の隙間を覆う状態でこれら側柵に巻装したときに上記シート本体の一端部と他端部とを連結する連結手段と、
上記シート本体の内面に設けられこのシート本体が複数の側柵に巻装されたときにこれら側柵間の隙間の上端開口を閉塞する上部杆部材及び下端開口を閉塞する下部杆部材と、
上記シート本体の内面に設けられこのシート本体が複数の側柵に巻装されたときに複数の側柵間の間隙に入り込んで上記シート本体が上記側柵の幅方向にずれ動くのを阻止する移動規制部材と
を具備したことを特徴とする側柵用カバー装置にある。
【0009】
上記シート本体の外面には袋状の収容部が形成されていることが好ましい。
【0010】
この発明によれば、複数の側柵にシート本体を巻装すると、このシート本体の内面に設けられた移動規制部材が複数の側柵間の隙間に入り込むため、側柵に巻装されたシート本体がずれ動くのが防止され、しかも上部杆部材と下部杆部材とによってシート本体が上記隙間内へ変形するのが防止される。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながらこの発明の一実施の形態を説明する。
【0012】
図1と図2はベッドのサイドフレーム1の部分を示す斜視図であって、このサイドフレーム1には複数の取付け孔1aが上面に開口して形成されている。取付け孔1aには、一対の側柵3が脚部2を着脱可能に装着して所定間隔で設けられている。各側柵3は枠部4を有し、この枠部4の下端から上記脚部2が延出されている。
【0013】
一対の側柵3の隣り合う側部間には図2に示すように隙間5が形成されており、この隙間5は側柵用カバー装置7によって閉塞される。この側柵用カバー装置7は図3(a),(b)に示すように矩形状のシート本体8を有する。このシート本体8は合成樹脂、布地或いは合成皮革などの柔軟性を有する材料によって形成されている。このシート本体8の長手方向一端部の内面には帯状の第1の面ファスナ9が幅方向に沿って設けられ、他端部の外面には上記第1の面ファスナ9とで第1の連結手段を構成する帯状の第2の面ファスナ10が同じく幅方向に沿って設けられている。
【0014】
上記シート本体8を、上記隙間5を覆うよう、一対の側柵3に跨ってこれら側柵3の端部間に巻装すると、図4に示すように上記第1の面ファスナ9を第2の面ファスナ10に係着することができる。それによって、シート本体8は上記隙間5を覆った状態で一対の側柵3に装着される。
【0015】
上記シート本体8の内面の長手方向中途部には、発泡ポリエチレンなどの比較的硬質な材料によって形成された移動規制部材11が設けられている。この移動規制部材11は、一対の側柵3間の隙間5よりもわずかに小さな幅寸法に形成されていて、周辺部を上記シート本体8の内面に固着した保持カバー12によって上記シート本体8の内面に保持されている。
【0016】
上記シート本体8を一対の側柵3に巻装すると、上記移動規制部材11はこれら側柵3の端部間の隙間5入り込む。それによって、シート本体8が側柵3の幅方向に沿ってずれ動くのが阻止される。
【0017】
上記保持カバー12の外面には第3の面ファスナ13が設けられ、上記シート本体8の内面には上記第3の面ファスナ13に係着する第4の面ファスナ14が設けられている。これら第3、第4の面ファスナ13,14は、シート本体8を側柵3に装着したときに係着し、その係着によってシート本体8が側柵3の側面から浮き上るのを防止する。それによって、一対の側柵3の隙間5に係合した上記移動規制部材11がその隙間5から外れるのを阻止する。なお、上記第3の面ファスナ13と第4の面ファスナ14は第2の連結手段を構成している。
【0018】
図3(a)に示すように、上記シート本体8の内面の、上記移動規制部材11の一端側と他端側には、それぞれ上部杆部材16と下部杆部材17とが幅方向のほぼ全長にわたって設けられている。各杆部材16,17は硬質或いは半硬質の合成樹脂などによって断面形状が上記側柵3を形成するパイプの直径と対応するほぼU字状に形成されている。
【0019】
上記各杆部材16,17は、上記シート本体8の一端部と他端部とを、このシート本体8の内面に折り返して接着する際に、各折り返し部8a,8bによって上記シート本体8の内面に保持固定される。
【0020】
上記シート本体8を一対の側柵3の端部に巻装する際、上記上部杆部材16は一対の側柵3の枠部4を形成する上部パイプ4aに上端側から係合し、上記下部杆部材17は下部パイプ4bに下端側から係合する。
【0021】
それによって、一対の側柵3間の隙間5の上端と下端の開口部分は、シート本体8によって覆われるだけでなく、一対の杆部材16,17によっても閉塞されるから、これら杆部材16,17の硬さによってシート本体8が隙間5内に変形するのが防止される。
【0022】
上記シート本体8の外面の長手方向中途部には、矩形状のシートが三辺を固着することで、上端が開口した袋状の収容部18が設けられている。シート本体8の外面の上記収容部18の上端開口に対応する部分にはカバーシート19が設けられ、このカバーシート19によって収容部18の上端開口が開閉されるようになっている。
【0023】
このような構成の側柵用カバー装置7は、隣り合う一対の側柵3の両端部にシート本体8を巻装し、このシート本体8の一端部内面に設けられた第1の面ファスナ9と、他端部外面に設けられた第2の面ファスナ10とを係着することによって装着保持される。
【0024】
シート本体8を一対の側柵3に装着する際、移動規制部材11は一対の側柵3間の隙間5に挿入される。また、上部杆部材16は一対の側柵3の枠部4を形成する上部パイプ4aに係合し、下部杆部材17は一対の側柵3の下部パイプ4bに係合する。
【0025】
それによって、シート本体8は上記移動規制部材11により、側柵3の幅方向に沿ってずれ動くのが防止されるから、使用中にシート本体8が側柵3から外れ、隙間5が露出するようなことがない。
【0026】
シート本体8に設けられた上部杆部材16と下部杆部材17とによって柔軟なシート本体8が上記隙間5の上端と下端とからその隙間5内へ変形するのが防止される。つまり、シート本体8を側柵3に巻装可能とするため、柔軟な材料で形成しても、一対の側柵3間の隙間5の上端開口と下端開口とが確実に閉塞される。そのため、利用者が上記隙間5の上端や下端からシート本体8を変形させて手足などを挟み込むのを防止できる。
【0027】
側柵3に装着されたシート本体8の外面には収容部18が設けられている。そのため、この収容部18に小物類を収容しておくことができるから便利である。たとえば、ベッドが背上げベッドの場合、上記収容部18に背上げベッドを遠隔操作するためのコントローラを収容しておけば、コントローラの所在が明確となるため、利用者はコントローラの操作を迅速に行なうことができる。
【0028】
上記移動規制部材11を保持した保持カバー12には第3の面ファスナ13を設け、シート本体8の内面にはこの第3の面ファスナ13に係着する第4の面ファスナ14を設けた。
【0029】
そのため、シート本体8を側柵3に装着すると、上記第3、第4の面ファスナ13,14の係着によって、シート本体8が側柵3の側面から浮き上るのを防止する。それによって、シート本体8の内面に設けられた上記移動規制部材11が一対の側柵3間の隙間5から外れるのを防止するから、そのことによっても、シート本体8が側柵3の幅方向にずれ動くのが防止される。
【0030】
この発明は上記一実施の形態に限定されるものでなく、上部杆部材と下部杆部材との断面形状はU字状に限られず、コ字状や帯板状などであってもよく、要はシート本体が一対の側柵の隙間の上端側と下端側とから内方へ変形するのを防止する硬さを備えた部材であればよい。
【0031】
また、シート本体を側柵に巻装したときに、このシート本体の一端部と他端部とを連結する連結手段として面ファスナを用いたが、面ファスナに代わりフォックであってもよく、又はシート本体の一端部にボタンを設け、他端部にボタン孔を設けるなどしてもよく、要はシート本体の一端部と他端部とを連結できるものであればよい。
【0032】
【発明の効果】
以上のようにこの発明によれば、複数の側柵にシート本体を巻装すると、このシート本体の内面に設けられた移動規制部材が複数の側柵間の隙間に入り込む。そのため、側柵に巻装されたシート本体が側柵の幅方向に沿ってずれ動くのが防止されるから、一対の側柵間の隙間を確実に閉塞できる。
【0033】
しかも、上記隙間の上端側と下端側とは上部杆部材と下部杆部材とによって閉塞されるから、利用者がシート本体を変形させて手足などを隙間に挟み込むのを防止することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施の形態を示す側柵にカバー装置を装着した斜視図。
【図2】側柵にカバー装置を装着する途中の斜視図。
【図3】(a)はカバー本体の内面を示す平面図、(b)はカバー本体の側断面図。
【図4】カバー装置を側柵に装着した状態の断面図。
【符号の説明】
1…サイドフレーム
3…側柵
8…シート本体
9…第1の面ファスナ(連結手段)
10…第2の面ファスナ(連結手段)
11…移動規制部材
16…上記杆部材
17…下部杆部材
18…収容部
Claims (2)
- ベッドの側部に所定の間隔で設けられる複数の側柵間の隙間をカバーする側柵用カバー装置において、
柔軟な材料によって形成されたシート本体と、
このシート本体を複数の側柵間の隙間を覆う状態でこれら側柵に巻装したときに上記シート本体の一端部と他端部とを連結する連結手段と、
上記シート本体の内面に設けられこのシート本体が複数の側柵に巻装されたときにこれら側柵間の隙間の上端開口を閉塞する上部杆部材及び下端開口を閉塞する下部杆部材と、
上記シート本体の内面に設けられこのシート本体が複数の側柵に巻装されたときに複数の側柵間の間隙に入り込んで上記シート本体が上記側柵の幅方向にずれ動くのを阻止する移動規制部材と
を具備したことを特徴とする側柵用カバー装置。 - 上記シート本体の外面には袋状の収容部が形成されていることを特徴とする請求項1記載の側柵用カバー装置。
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