JP4203165B2 - Icカード - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はICカードに関し、特に、CPUとメモリとを有し、メモリ内に格納されたアプリケーションプログラムをCPUによって実行させることにより、種々の処理を行うICカードに関する。
【0002】
【従来の技術】
キャッシュカードやクレジットカードとして利用されてきた磁気カードに代わって、光カードやICカードが普及し始めている。特に、CPUを内蔵したICカードは、高度なセキュリティを確保することができるため、高額な商取引にも利用することができる利点を有する。
【0003】
現在、一般に利用されているCPUを有するICカードには、メモリとして、ROM,EEPROM,RAMが内蔵されている。通常、ROMには、CPUに実行させるべき基本的なプログラムが格納され、EEPROMには、ユーザデータや種々のアプリケーションプログラムが格納され、RAMはCPUの作業領域として利用される。EEPROMは書換可能なメモリであるため、ここにユーザごとに必要なデータやアプリケーションプログラムを格納することができる。ICカードに内蔵されたCPUは、当該CPU用に記述されたマシン語のプログラムであれば、直接実行することができる。したがって、アプリケーションプログラムをマシン語で記述する場合には、各ICカードに内蔵されているCPUに適したマシン語コードで記述する必要がある。
【0004】
ICカードにデータやプログラムを書き込んだり、これらを読み出したりする際には、いわゆるリーダライタ装置と呼ばれる外部装置が用いられる。この外部装置とICカードとの間では、物理的な伝送線を介してまたは非接触な伝送路を介して、相互にデータやプログラムの伝送が行われる。通常、外部装置からICカードへの情報伝送は、コマンドという形式で与えられ、種々の指示やデータは、このコマンドの中の一情報としてICカード側へと伝えられる。これに対して、ICカードから外部装置への情報伝送は、レスポンスという形式で与えられ、処理結果やデータは、このレスポンスの中の一情報として外部装置側へと伝えられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前述したように、一般的なICカードに、マシン語で記述されたアプリケーションプログラムを実行させる場合、内蔵CPUに適したマシン語コードで記述しておく必要がある。ところが、通常、供給元が異なると、内蔵CPUに適したマシン語コードも異なることが多く、たとえば、A社製のCPU用に記述されたマシン語コードは、B社製のCPUではそのままでは実行することができない。また、同一のCPUを内蔵したICカードであっても、ROM内の基本プログラムが異なれば、マシン語プログラムの互換性が失われる場合もある。ICカードには高度なセキュリティが要求されるため、ROM内の基本プログラムによって、メモリ上の特定のアドレス空間に対するアクセスが制限される場合が多いが、この制限対象となるアドレス空間が共通していないと、同一のCPUを内蔵したICカードであっても、同一のマシン語プログラムを実行することができないためである。
【0006】
このような事情から、従来は、個々のICカードごとにそれぞれ専用のマシン語アプリケーションプログラムが開発されており、これらのプログラムは、当該ICカードについてのみ利用可能であった。しかしながら、ICカードの普及とともに、多数の供給元から多種類のICカードが供給されるようになってきており、ソフトウエア資源を有効に活用する上では、種々のICカード用に開発されたアプリケーションプログラムを、同一のICカ−ド上で利用できる環境が望まれている。
【0007】
そこで本発明は、異なる複数種類のICカード用に記述されたマシン語アプリケーションプログラムを実行することが可能な汎用性をもったICカードを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
(1) 本発明の第1の態様は、CPUとメモリとを内蔵し、メモリ内に格納されたアプリケーションプログラムをCPUによって実行させることにより、種々の処理を行うICカードにおいて、
内蔵CPUとは異なる別なCPU用のマシン語で記述され、当該別なCPUを示すCPUコードが付加されたアプリケーションプログラムを外部から取り込み、このアプリケーションプログラムをCPUコードとともに書換可能なメモリへ格納する機能を有し、
別なCPU用のマシン語で記述されたアプリケーションプログラムを、内蔵CPUによって実行させるためのエミュレーションプログラムを内蔵するか、またはこのエミュレーションプログラムを外部から取り込み書換可能なメモリへ格納する機能を有し、
メモリ内の特定のアプリケーションプログラムを選択する指示を外部から取り込み、選択されたアプリケーションプログラムについて格納されているCPUコードに基づいて、当該選択されたアプリケーションプログラムの実行に必要なエミュレーションプログラムを選択し、選択されたアプリケーションプログラムを、選択されたエミュレーションプログラムを利用して、内蔵CPUに実行させる機能を有するようにしたものである。
【0010】
(2) 本発明の第2の態様は、上述の第1の態様に係るICカードにおいて、
外部から取り込んだアプリケーションプログラムに、当該プログラムが占有すべき第1のアドレス空間を示すアドレス値が付加されており、かつ、この第1のアドレス空間が利用可能ではない場合に、アプリケーションプログラムを、利用可能な第2のアドレス空間内に格納するようにし、アプリケーションプログラムの実行時には、第1のアドレス空間から第2のアドレス空間へのアドレス変換を行うようにしたものである。
【0011】
(3) 本発明の第3の態様は、上述の第1の態様に係るICカードにおいて、
外部から取り込んだアプリケーションプログラムに、当該プログラムが使用すべき第1のアドレス空間を示すアドレス値が付加されており、かつ、この第1のアドレス空間が利用可能ではない場合に、アプリケーションプログラムの実行時には、利用可能な第2のアドレス空間を確保し、第1のアドレス空間から第2のアドレス空間へのアドレス変換を行い、第2のアドレス空間を使用してプログラムを実行するようにしたものである。
【0012】
(4) 本発明の第4の態様は、上述の第2または第3の態様に係るICカードにおいて、
アプリケーションプログラムの実行時に利用されるエミュレーションプログラムによってアドレス変換が行われるようにしたものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図示する実施形態に基づいて説明する。図1は、一般的なICカード10と、外部装置(リーダライタ装置)20との間で、情報の伝送を行っている状態を示すブロック図である。この例では、ICカード10は、種々の演算処理機能をもったCPU11と、外部装置20に対する情報の送受を行うI/Oインターフェイス12と、ROM13,EEPROM14,RAM15なるメモリとを備えている。ROM13は書換不能な不揮発性メモリであり、CPU11は、このROM13内に格納されている基本プログラムに基づいて所定の処理を実行する。EEPROM14は、書換可能な不揮発性メモリであり、ユーザデータや種々のアプリケーションプログラムが格納される。EEPROM14内に格納されたアプリケーションプログラムが、マシン語のコードで記述されたプログラムであった場合には、このプログラムはCPU11によって直接実行されることになる。また、CPUに依存しない高級言語で記述されたプログラムであった場合には、CPU11は、このプログラムを、ROM13などに用意された解釈実行用プログラム(インタープリタプログラム)を介して実行することになる。RAM15は、CPU11が種々の処理を実行する際の作業領域として利用される書換可能な揮発性メモリである。
【0014】
ICカード10と外部装置20とは、物理的な信号線による接続、赤外線による接続、電磁気を利用した非接触型接続、などの方法によって互いに接続され、情報の送受が行われる。外部装置20からICカード10へは、コマンドという形式で情報が送信される。送信されたこのコマンドは、I/Oインターフェイス12を介してCPU11に与えられる。逆に、ICカード10から外部装置20へは、与えられたコマンドに対するレスポンスという形式で情報が送信される。このレスポンスは、CPU11からI/Oインターフェイス12を介して、外部装置20へと送信される。
【0015】
本発明に係るICカードの特徴は、異なる複数種類のICカード用に記述されたマシン語アプリケーションプログラムを実行できる点にある。図2は、本発明に係るICカードのメモリ内の状態を示すブロック図である。図示の例では、EEPROM14内に、複数の異なるアプリケーションプログラムa,b,cが格納されている。このように、EEPROM14内にアプリケーションプログラムを格納するには、外部装置20からICカード10へプログラムロードコマンドを与えればよい。図示の例の場合、外部装置20からICカード10に対して、プログラムロードコマンドを3回繰り返して与えることにより、3種類のアプリケーションプログラムa,b,cがEEPROM14内に取り込まれたことになる。
【0016】
このように、外部装置20側からプログラムロードコマンドを与えることにより、EEPROM14内に、任意のアプリケーションプログラムを取り込むことが可能である。ICカード10に内蔵されたCPU11は、こうしてEEPROM14内に取り込まれたアプリケーションプログラムを実行する機能を有するが、どのようなアプリケーションプログラムでも実行可能というわけではない。すなわち、マシン語で記述されているアプリケーションプログラムの場合は、このCPU11用のマシン語コードで記述されていなければ実行することができず、高級言語で記述されているアプリケーションプログラムの場合は、この高級言語を「CPU11が解釈実行できるマシン語コード」に変換するインタープリタプログラムがICカード内に用意されていなければ実行することができない。
【0017】
ここでは、説明の便宜上、CPU11がA社製のCPUであり、EEPROM14内に取り込まれた3種類のアプリケーションプログラムa,b,cが、それぞれA社製のCPU,B社製のCPU,C社製のCPUに適したマシン語コードで記述されていたものとしよう。この場合、A社製のCPU11は、アプリケーションプログラムaを直接実行することは可能であるが、アプリケーションプログラムb,cを直接実行することはできない。そこで、本発明に係るICカードでは、ROM13内に、各アプリケーションプログラムを統括制御するためのOS(Operation System)プログラムとともに、エミュレーションプログラムB,Cを用意している。ここで、エミュレーションプログラムBは、A社製のCPU11に、疑似的にB社製のCPUとしての動作を行わせるためのプログラムであり、エミュレーションプログラムCは、A社製のCPU11に、疑似的にC社製のCPUとしての動作を行わせるためのプログラムである。A社製のCPU11は、これらエミュレーションプログラムB,Cを介して、アプリケーションプログラムb,cを実行することが可能になる。
【0018】
たとえば、アプリケーションプログラムbを実行する際には、このアプリケーションプログラムbに含まれるB社製のCPU用のマシン語コードが、エミュレーションプログラムBによってA社製のCPU用のマシン語コードに変換され、CPU11によって実行されることになる。
【0019】
結局、本発明に係るICカードによれば、内蔵CPUとは異なる別なCPU用のマシン語で記述されたアプリケーションプログラムを外部から取り込み、EEPROM14内に格納し、このアプリケーションプログラムを、ROM13内に用意されたエミュレーションプログラムを利用して、内蔵CPU11によって実行することが可能になる。なお、図2に示す例では、エミュレーションプログラムB,Cを書換不能な不揮発性メモリであるROM13内に用意しているが、これらを書換可能な不揮発性メモリであるEEPROM14内に取り込んで利用するようにしてもかまわない。このように、エミュレーションプログラムを外部から取り込むようにすれば、必要に応じて所望のエミュレーションプログラムをICカード内に用意することができるようになる。
【0020】
なお、本実施形態では、外部から取り込むアプリケーションプログラムに、当該プログラムに対応するCPUを示すCPUコードを付加するようにし、アプリケーションプログラムとともにこのCPUコードをEEPROM14内に格納するようにしている。たとえば、図2に示す例の場合、アプリケーションプログラムa,b,cには、それぞれA社製,B社製,C社製のCPUに対応したプログラムであることを示すCPUコードが付加されていることになる。このようなCPUコードを付加しておけば、これらのコードに基づいて、必要なエミュレーションプログラムを選択することが可能になる。
【0021】
図3は、この実施形態に係るICカードにおけるアプリケーションプログラムの実行処理手順を示す流れ図である。図2に示すように、EEPROM14内に3種類のアプリケーションプログラムa,b,cが格納されていた場合、いずれかのプログラムが選択的に実行されることになる。このようなアプリケーションプログラムの選択指示は、外部装置20側からアプリケーション選択コマンドとして与えられる。特定のアプリケーションプログラムを選択する指示が外部から与えられた場合、まず、ステップS1において、アプリケーション選択処理が行われる。続いて、EEPROM14内に格納されている当該選択アプリケーションプログラムについてのCPUコードが参照される。参照されたCPUコードが「A」(A社製CPUを示すコード)であった場合には、ステップS2からステップS3へと進み、CPU11によって直ちに当該プログラムが実行される。すなわち、選択されたアプリケーションがアプリケーションプログラムaであった場合、このプログラムaはA社製のCPU用のマシン語コードで記述されているため、CPU11によって直接実行されることになる。
【0022】
一方、参照されたCPUコードが「B」(B社製CPUを示すコード)であった場合には、ステップS4からステップS5へと進み、エミュレーションプログラムBが選択され、ステップS3では、エミュレーションプログラムBを介して、当該プログラムの実行が行われることになる。すなわち、選択されたアプリケーションがアプリケーションプログラムbであった場合、このプログラムbはB社製のCPU用のマシン語コードで記述されているため、CPU11をB社製のCPUとして疑似的に動作させるためのエミュレーションプログラムBを介して、プログラムが間接的に実行されることになる。
【0023】
同様に、参照されたCPUコードが「C」(C社製CPUを示すコード)であった場合には、ステップS6からステップS7へと進み、エミュレーションプログラムCが選択され、ステップS3では、エミュレーションプログラムCを介して、当該プログラムの実行が行われることになる。すなわち、選択されたアプリケーションがアプリケーションプログラムcであった場合、このプログラムcはC社製のCPU用のマシン語コードで記述されているため、CPU11をC社製のCPUとして疑似的に動作させるためのエミュレーションプログラムCを介して、プログラムが間接的に実行されることになる。
【0024】
なお、参照されたCPUコードが、「A」,「B」,「C」のいずれでもない場合には、ステップS8において、実行不可のエラー処理がなされる。この場合、外部装置20側から選択指示が与えられたアプリケーションプログラムは、CPU11によって実行することができないので、その旨を示すエラーレスポンスが外部装置20側へと返されることになる。
【0025】
本実施形態では、外部から取り込むアプリケーションプログラムに、当該プログラムが占有すべきアドレス空間および当該プログラムが使用すべきアドレス空間を示すアドレス値を付加するようにし、これらのアドレス空間が利用できない場合には、アドレス変換を行うことができるようにしている。
【0026】
図4は、外部から取り込むアプリケーションプログラムおよびこれに付加される付加情報(第1段目〜第4段目に記載された情報)のフォーマット例を示すブロック図である。図示の例では、第1段目に記載されたCPUコードは、前述したように、当該アプリケーションプログラムに対応するCPUを示すコードであり、アプリケーションプログラムa,b,cの場合、それぞれ「A」,「B」,「C」なるCPUコードが入ることになる。第2段目に記載されたプログラム開始アドレスおよびプログラム終了アドレスは、当該プログラムおよびその付加情報が占有すべきアドレス空間の開始アドレス値および終了アドレス値を示すものである。また、第3段目に記載されたEEPROM使用開始アドレスおよびEEPROM使用終了アドレスは、当該プログラムが使用するEEPROMのアドレス空間(不揮発性メモリのアドレス空間)の開始アドレス値および終了アドレス値を示すものであり、第4段目に記載されたRAM使用開始アドレスおよびRAM使用終了アドレスは、当該プログラムが使用するRAMのアドレス空間(揮発性メモリのアドレス空間)の開始アドレス値および終了アドレス値を示すものである。最後の第5段目に記載されたアプリケーションプログラムは、当該アプリケーションプログラム自身(マシン語コードおよびデータ)を示すものである。
【0027】
図5は、アプリケーションプログラムbの構成を、図4のフォーマットで記述した具体例を示すブロック図である。第1段目のCPUコードは、「B」となっており、当該アプリケーションプログラムbが、B社製のCPU用のプログラムであることが示されている。前述したように、アプリケーションプログラムbの実行時には、このCPUコードに基づいて、エミュレーションプログラムBが選択され、このエミュレーションプログラムBを介してマシン語コードが実行されることになる。第2段目の「1000〜23FF(16進表示、以下同様)」は、このアプリケーションプログラムbおよびその付加情報が占有すべきアドレス空間、すなわちメモリ上のプログラム領域を示している。また、第3段目の「6000〜67FF」は、このアプリケーションプログラムbが実行時に使用するEEPROMのアドレス空間(EEPROM使用領域)を示しており、第4段目の「D000〜D7FF」は、このアプリケーションプログラムbが実行時に使用するRAMのアドレス空間(RAM使用領域)を示している。第5段目は、このアプリケーションプログラムbの本体部分、すなわち、マシン語コードおよびデータを示している。
【0028】
外部装置20から、プログラムロードコマンドによって、各アプリケーションプログラムをICカード10側へ与える際に、付加情報として、このような各アドレス値を付加しておけば、EEPROM14内の所定のアドレス空間に当該アプリケーションプログラムを格納することができ、また、EEPROM14やRAM15内の所定のアドレス空間に使用領域を確保することができる。たとえば、図5に示す例の場合、このアプリケーションプログラムbおよびその付加情報は、EEPROM14内のプログラム領域「1000〜23FF」に格納されることになり、実行時には、EEPROM14内に使用領域「6000〜67FF」およびRAM15内に使用領域「D000〜D7FF」が確保されることになる。
【0029】
しかしながら、ICカードによっては、必ずしもこのような付加情報の要求どおりのアドレス空間を確保することができない場合がある。ICカードには、特に高度のセキュリティが要求される場合が多く、このような高度のセキュリティを要するデータ(たとえば、PIN照合のための暗証コードなど)については、OSプログラムによってのみアクセスが許可されるような対策を施すことが多い。このような場合、メモリの全アドレス空間のうちの一部については、アクセスが制限され、一般のアプリケーションプログラムには開放されないことになる。したがって、個々のアプリケーションプログラムが要求するアドレス空間が、一般のアプリケーションプログラムに開放されていないアドレス空間であった場合、当該アドレス空間を利用することはできなくなる。このような場合、別な代替アドレス空間を利用せざるを得ないが、単に、別なアドレス空間を代替利用するだけでは、プログラムの実行に支障が生じる可能性がある。特に、マシン語で記述されたプログラムには、特定のアドレス場所を絶対アドレス値で指定したコードが含まれていることがあり、単に代替アドレス空間を割り当てただけでは、プログラムを正しく実行することができない可能性がある。
【0030】
そこで、本実施形態では、エミュレーションプログラムに、必要なアドレス変換を行う機能をもたせるようにしている。すなわち、外部から取り込んだアプリケーションプログラムに、当該プログラムが占有すべき第1のアドレス空間を示すアドレス値が付加されており、かつ、この第1のアドレス空間が利用可能ではない場合に、このアプリケーションプログラムを、利用可能な第2のアドレス空間内に格納するようにし、このアプリケーションプログラムの実行時には、第1のアドレス空間から第2のアドレス空間へのアドレス変換を行う機能をエミュレーションプログラムにもたせるようにしている。
【0031】
たとえば、図5に示すような付加情報をもったアプリケーションプログラムbは、図6(a) に示すような論理的なアドレス空間を要求していることになる。ところが、このICカードにおいて、一般のアプリケーションプログラムに開放された物理的なアドレス空間が、図6(b) に示すようなものであったとしよう。すなわち、この例の場合、一般のアプリケーションプログラムには、EEPROM空間として「4000〜6FFF」、RAM空間として「D000〜DFFF」なる物理的なアドレス空間しか開放されていない。この場合、論理的アドレスにおけるEEPROM使用領域およびRAM使用領域については、そのまま支障なく、物理的アドレス空間内に確保することができるが、プログラム領域については、物理的アドレス空間内に確保することができない。
【0032】
このような場合は、プログラム領域については、論理的アドレス空間「1000〜23FF」を物理的アドレス空間「4000〜53FF」へとアドレス変換する処理を、エミュレーションプログラムに実行させるようにすればよい。すなわち、この場合、アプリケーションプログラムは、実際には、EEPROM14内のアドレス空間「4000〜53FF」へ格納されることになる。そして、このプログラムの実行時において、アドレス空間「1000〜23FF」内をアクセスするマシン語コードが与えられた場合には、アドレス値を「4000〜53FF」内の値に変換して(3000を加算して)、CPU11へ与える処理が行われるようにすればよい。たとえば、2005番地のデ−タを読み出すマシン語コ−ドが与えられた場合には、エミュレ−ションプログラムによって、これを5005番地のデ−タを読み出すマシン語コ−ドに変換すればよい。
【0033】
EEPROM使用領域やRAM使用領域が確保できない場合も同様である。すなわち、外部から取り込んだアプリケーションプログラムに、当該プログラムが使用すべき第1のアドレス空間を示すアドレス値が付加されており、かつ、この第1のアドレス空間が利用可能ではない場合に、このアプリケーションプログラムの実行時には、利用可能な第2のアドレス空間を確保し、エミュレーションプログラムによって、第1のアドレス空間から第2のアドレス空間へのアドレス変換を行い、第2のアドレス空間を使用してプログラムを実行するようにすればよい。
【0034】
以上、本発明を図示する実施形態に基づいて説明したが、本発明はこの実施形態に限定されるものではなく、この他にも種々の態様で実施可能である。
【0035】
【発明の効果】
以上のとおり本発明に係るICカードによれば、異なる複数種類のICカード用に記述されたマシン語アプリケーションプログラムを実行することが可能な汎用性をもったICカードを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一般的なICカード10と、外部装置(リーダライタ装置)20との間で、情報の伝送を行っている状態を示すブロック図である。
【図2】本発明に係るICカードのメモリ内の状態の一例を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るICカードにおけるアプリケーションプログラムの実行処理手順を示す流れ図である。
【図4】外部から与えるアプリケーションプログラムおよびこれに付加される情報のフォーマット例を示すブロック図である。
【図5】アプリケーションプログラムbの構成を、図4のフォーマットで記述した具体例を示すブロック図である。
【図6】本発明に係るICカードにおいて、エミュレーションプログラムによって実行されるアドレス変換の一例を示すメモリマップである。
【符号の説明】
10:ICカード
11:CPU11
12:I/Oインターフェイス
13:ROM
14:EEPROM
15:RAM
20:外部装置
Claims (4)
- CPUとメモリとを内蔵し、メモリ内に格納されたアプリケーションプログラムをCPUによって実行させることにより、種々の処理を行うICカードにおいて、
内蔵CPUとは異なる別なCPU用のマシン語で記述され、当該別なCPUを示すCPUコードが付加されたアプリケーションプログラムを外部から取り込み、このアプリケーションプログラムを前記CPUコードとともに書換可能なメモリへ格納する機能を有し、
前記別なCPU用のマシン語で記述されたアプリケーションプログラムを、前記内蔵CPUによって実行させるためのエミュレーションプログラムを内蔵するか、またはこのエミュレーションプログラムを外部から取り込み書換可能なメモリへ格納する機能を有し、
メモリ内の特定のアプリケーションプログラムを選択する指示を外部から取り込み、選択されたアプリケーションプログラムについて格納されているCPUコードに基づいて、当該選択されたアプリケーションプログラムの実行に必要なエミュレーションプログラムを選択し、選択されたアプリケーションプログラムを、選択されたエミュレーションプログラムを利用して、前記内蔵CPUに実行させる機能を有することを特徴とするICカード。 - 請求項1に記載のICカードにおいて、
外部から取り込んだアプリケーションプログラムに、当該プログラムが占有すべき第1のアドレス空間を示すアドレス値が付加されており、かつ、前記第1のアドレス空間が利用可能ではない場合に、前記アプリケーションプログラムを、利用可能な第2のアドレス空間内に格納するようにし、前記アプリケーションプログラムの実行時には、前記第1のアドレス空間から前記第2のアドレス空間へのアドレス変換を行う機能を有することを特徴とするICカード。 - 請求項1に記載のICカードにおいて、
外部から取り込んだアプリケーションプログラムに、当該プログラムが使用すべき第1のアドレス空間を示すアドレス値が付加されており、かつ、前記第1のアドレス空間が利用可能ではない場合に、前記アプリケーションプログラムの実行時には、利用可能な第2のアドレス空間を確保し、前記第1のアドレス空間から前記第2のアドレス空間へのアドレス変換を行い、前記第2のアドレス空間を使用してプログラムを実行する機能を有することを特徴とするICカード。 - 請求項2または3に記載のICカードにおいて、
アプリケーションプログラムの実行時に利用されるエミュレーションプログラムによってアドレス変換が行われるようにしたことを特徴とするICカード。
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