JP4202517B2 - 油圧シリンダのストローク動作切換制御装置 - Google Patents

油圧シリンダのストローク動作切換制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は油圧シリンダの作動油(圧油)中でのピストンのストローク動作の切り換えを制御するストローク動作切換制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
たとえば、コンクリートポンプの如き高粘性流体ポンプにおいては、通常2本の主油圧シリンダのピストンを交互に前進、後退させることにより、該ピストンにロッドを介して連結された2本の流体圧送用ピストンを交互に前進、後退させるようにし、前進して粘性流体を圧送し終ると、ホッパ内の吸入吐出弁を切り換えると共に2本の主油圧シリンダへの圧油給排ラインを切り換えるようにするが、上記吸入吐出弁及び主油圧シリンダの切り換えを、主油圧シリンダのピストンが前進側ストロークエンドに達したことを検知してから行うようにしてある。
【0003】
上記高粘性流体ポンプで用いられている主油圧シリンダの如き油圧シリンダのピストン位置の検出方式として、油圧シリンダ自体に一体に組み付けた検出装置によって行うようにしたものがある。
【0004】
検出装置一体組み付け型としては、油圧シリンダの軸心部に、シリンダ全長に達する長さとして基端をヘッドカバーに固定した非磁性材料製のセンターパイプを、ピストンを貫通してロッド内に挿入させるように配置し、且つ該センターパイプのロッド側ストロークエンドと対応する位置にリードスイッチを置き、ピストンに装着した永久磁石の接近をリードスイッチで感知するようにしたものが従来より採用されている。
【0005】
しかし、上記リードスイッチ方式の場合には、油圧シリンダの構造が複雑になるばかりでなく、リードスイッチの位置設定が難しく、又、磁石が衝撃で破損するおそれがある。
【0006】
一方、上記リードスイッチ方式に代わるものとして、感知体としての鉄の接近を感知できるホール素子方式も従来より採用されている。高粘性流体ポンプにおける油圧シリンダのストローク動作切換制御装置にホール素子を採用したものとしては、従来、図4(イ)(ロ)にその一例の概略を示す如く、2本の高粘性流体圧送用シリンダ3,4と2本の油圧シリンダ1,2とを洗浄室5を介して一体的に配置し、上記圧送用シリンダ3,4内の圧送用ピストン6,7と、上記油圧シリンダ1,2内のピストン8,9とを各々ロッド10,11を介して一体に連結し、油圧シリンダ1,2のピストン8,9の前進、後退で圧送用シリンダ3,4により高粘性流体が吸入、吐出されるようにしてある高粘性流体ポンプにおいて、2本の油圧シリンダ1,2のヘッド側圧力室へ圧油を給排するライン12の途中に電磁式切換弁13を設け、油圧シリンダ1,2のロッド側圧力室同士を密封回路14で連結し、且つ上記油圧シリンダ1,2のロッド側となる前進側ストロークエンドに、ホール素子を用いた近接センサLS1,LS2を設け、油圧シリンダ1又は2のピストン8又は9の感知体がストロークエンドに達して近接センサLS1又はLS2にて検知されるときに、或る決まった一定の電圧(基準電圧)を近接センサLS1又はLS2の出力電圧が超えたときに制御器15が近接センサONと判断して電磁式切換弁13に切換信号を出力してソレノイドSOL.1又はSOL.2を励磁し、該電磁式切換弁13を切り換えて油圧シリンダ1,2の前進後退作動を交互に切り換えるようにしてある。
【0007】
油圧シリンダ1,2と近接センサLS1,LS2との関係は、図4(ロ)に油圧シリンダ1と近接センサLS1との取合構造について示す如く、ロッド側エンドブロック16のロッド貫通部でシリンダ本体胴17側の端部位置に、ピストン8にて仕切られるロッド側圧力室を延長する如く、シリンダ本体胴17の内径と同径でシリンダ本体胴17内と連通するようにした環状の凹部18を形成すると共に上記ロッド側エンドブロック16に、凹部18と連通する孔19を穿設して、該孔19に、ホール素子を用いた近接センサLS1を設置し、更に、上記ピストン8のロッド側受圧面に感知体20を取り付け、ピストン8が前進側のストロークエンドに達したときに、感知体20が凹部18に入り込んで近接センサLS1で感知されることによりピストン8の前進側ストロークエンド位置が検出されるようにしてある。21は近接センサLS1のリード線を示す。
【0008】
しかし、近接センサLS1,LS2が、ピストン8,9の感知体20を感知したときと感知しないときの電圧差が温度(油温)に関係なくほぼ一定であるにも拘ず、油温が上昇すると出力電圧が小さくなり、油温が下降すると出力電圧が大きくなるという特性があるため、次の如き問題が惹起される。
【0009】
▲1▼油温が上昇すると、図5に示すように近接センサLS1,LS2の出力電圧が小さくなるため、油圧シリンダ1,2の感知体20が近接センサLS1,LS2の位置に到達しても、出力電圧が基準電圧VR を超えずに常時OFFとなってしまうことがあり、したがって、制御器15が切換指令を出力せず、油圧シリンダ1,2の切り換え不能を起すことがある。
【0010】
▲2▼一方、油温が下降すると、図6に示すように近接センサLS1,LS2の出力電圧が大きくなるため、油圧シリンダ1,2の感知体20が近接センサLS1,LS2の位置に到達しなくても、出力電圧が基準電圧VR を超えて常時ON状態となってしまうことがあり、制御器15からの切換指令が2本の油圧シリンダ1,2に同時に出力されることにより、油圧シリンダ1,2の切り換え不能を起すことがある。
【0011】
▲3▼更に、油圧シリンダ1,2が切り換え不能になった場合には、高粘性流体ポンプの操作部にて制御器15のリセット操作が必要となるが、無線操作が主流となっている今日では、オペレータがブーム先端の作業場から操作部まで戻ってリセットするという操作は、時間の無駄となる。
【0012】
そのため、油温が変化して近接センサの出力電圧が変化しても、近接センサのON、OFF作動を制御器が正確に判断できるようにして、油圧シリンダが切り換え不能となる事態を未然に防ぐことができるように、上記制御器15に、近接センサのON時電圧とOFF時電圧との中間レベルに基準電圧を保持させる基準電圧設定部を組み込んだ構成としたものが、最近提案されている。
【0013】
かかる最近提案されたものは、図7に示す如く、図4に示したものと同様な構成において、近接センサLS1(又はLS2)の基準電圧VR に対する作動電圧Vを比較してONからOFFになったときにタイマTを介して書き換え指令を出力するON−OFF判定部22と、予めピストン8(又は9)の感知体20が近接センサLS1(又はLS2)の位置に来たときのON電圧VONとピストン8(又は9)の感知体20が近接センサLS1(又はLS2)から離れてロッド10(又は11)のみとなったときのOFF電圧VOFF を計測しその電圧の差の1/2を設定するON−OFF中間電圧設定部25と、上記書き換え指令が出されたときに、近接センサLS1(又はLS2)で測定されたそのときの電圧Vに中間電圧設定部25で設定されている値(VON−VOFF )/2を付加した値を次回の基準電圧VR として設定するようにした基準電圧設定部23と、上記ON−OFF判定部22からの指令で電磁式切換弁13へ切り換え指令を送る切換指令部24とからなる制御器15を備えた構成としたものである。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
上記最近提案されているものでは、油温が変化しても、基準電圧設定部の機能により、常にON時電圧とOFF時電圧の中間に基準電圧が保たれるので、近接センサのON、OFF作動を正確に判断することができ、油圧シリンダが切り換え不能となることがなくなるものであるが、近接センサの基準電圧の書き換えのタイミングがその近接センサがOFFとなってから一定時間後にその時の出力電圧を基にして補正するものであるため、たとえば、ピストン速度が遅い場合とか、あるいは、負荷等の影響により、移動方向が切り換えられた直後に近接センサ付近でピストンがハンチングを起してしまったような場合が万一発生すると、次の如き不具合が発生する可能性がある。すなわち、ピストンがハンチングを起したような場合において、図8(イ)(ロ)に示すように、タイマTにて設定された一定時間tが経過する前にそのハンチングが消失すれば正常に書き換えを行うことができるが、一定時間tが経過してもハンチングが消失しないときには、図8(ハ)(ニ)に示すように、近接センサの出力電圧が正常なOFF電圧まで下がらず、場合によってはそれまでの基準電圧より高くなることがある。この場合、図8(ニ)に示すように、新しい基準電圧が相当高い値に書き換えられてしまうと、次回の切り換えが不可能となってしまうことがある。
【0015】
そこで、本発明は、上記最近提案されている方式を更に発展させ、ピストンがストロークエンド付近で不安定に動くような事態が万一発生したとしても、誤った基準電圧値が設定されることがないようにしようとするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために、ピストン8,9を交互に前、後退移動させるようにした2本1組からなる複列油圧シリンダ1,2のそれぞれ同じ側のストロークエンド位置に、ホール素子を用いた近接センサLS1,LS2を設置し、該各近接センサLS1,LS2の作動電圧V,Vと基準電圧VR1,VR2との比較によるON、OFF信号に基づく制御器15からの切換指令により上記2本の油圧シリンダ1,2のストローク動作を互いに反対方向へ切り換えるようにしてある油圧シリンダのストローク動作切換制御装置、あるいは、1本の油圧シリンダ26のロッド側とヘッド側の両ストロークエンド位置に、ホール素子を用いた近接センサLS1,LS2をそれぞれ設置し、該各近接センサLS1,LS2の作動電圧V,Vと基準電圧VR1,VR2との比較によるON、OFF信号に基づく制御器15からの切換指令により上記油圧シリンダ26のストローク動作を切り換えるようにしてある油圧シリンダのストローク動作切換制御装置において、上記各近接センサLS1,LS2における一方の近接センサLS1又はLS2の基準電圧V R1 又はV R2 に対する作動電圧V 又はV を比較してONからOFFになったときに、他方の近接センサLS2又はLS1側へ基準電圧書き換え指令a2又はa1を出力するON−OFF判定部22 又は22 と、該ON−OFF判定部22 又は22 から他方の近接センサLS2又はLS1側への基準電圧書き換え指令a2又はa1を受けて、該他方の近接センサLS2又はLS1にて予め設定されているON時とOFF時の電圧差の1/2の値をそのときの他方の近接センサLS2又はLS1の作動電圧V 又はV に加えて他方の近接センサLS2又はLS1の次回の新しい基準電圧V R2 又はV R1 とするようにした各基準電圧設定部23 又は23 とを、それぞれ各近接センサLS1,LS2に対応させて備えて、上記制御器15に組み込んだ構成とする。
【0017】
ピストン8の感知体20が近接センサLS1が設置されている一方のストロークエンドに達して油圧シリンダのストローク動作が反対方向へ切換えられ近接センサLS1がONからOFFになった時、他方の近接センサLS2においてあらかじめ測定されたON時とOFF時の電圧差の1/2の値が他方の近接センサLS2のその出力時の電圧に加えられることにより新基準電圧が設定され、この値が近接センサLS2の次回の基準電圧VR2とされる。この時ピストン9は反対側のストロークエンドに位置しているため、近接センサLS2は必ずOFFとなっている。したがって、ピストン8が近接センサLS1付近で不安定な動きをしても、誤った基準電圧値に書き換えられるようなことがなくなる。一方、ピストン9が近接センサLS2に達する時も同様である。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0019】
図1は本発明の実施の一形態を示すもので、図4(イ)(ロ)に示したと同様に、複列油圧シリンダとしての2本の油圧シリンダ1,2に交互に圧油を供給して前進後退作動させることにより2本の圧送用シリンダ3,4で交互に高粘性流体を吸入吐出させるようにすると共に、上記2本の油圧シリンダ1,2のストロークエンドに設けた近接センサLS1,LS2の基準電圧との比較によるON、OFF信号に基づく制御器15からの切換指令により電磁式切換弁13を切り換えて上記2本の油圧シリンダ1,2の前進後退作動を切り換えるようにしてある高粘性流体ポンプにおける油圧シリンダのストローク動作切換制御装置において、上記制御器15に、一方の近接センサLS1(又はLS2)がONからOFFになった時に、他方の近接センサLS2(又はLS1)の基準電圧値を書き換えさせるようにする機能を具備させる。
【0020】
詳述すると、近接センサLS1の基準電圧VR1に対する作動電圧V1 を比較してONからOFFになったときに近接センサLS2側へ基準電圧書き換え指令a2を出力するON−OFF判定部221 と、同様に近接センサLS2の基準電圧VR2に対する作動電圧V2 を比較してONからOFFになったときに近接センサLS1側へ基準電圧書き換え指令a1を出力するON−OFF判定部222 と、予めピストン8の感知体20が近接センサLS1の位置に来たときのON電圧VON1 とピストン8の感知体20が近接センサLS1から離れてロッド10のみとなったときのOFF電圧VOFF1を計測しその電圧の差の1/2を設定するON−OFF中間電圧設定部251 と、同様に予めピストン9の感知体20が近接センサLS2の位置に来たときのON電圧VON2 とピストン9の感知体20が近接センサLS2から離れてロッド11のみとなったときのOFF電圧VOFF2を計測しその電圧の差の1/2を設定するON−OFF中間電圧設定部252 と、上記書き換え指令a1が出力されたときにON−OFF中間電圧設定部251 からの設定値(VON1 −VOFF1)/2にそのときの近接センサLS1の作動電圧V1 を加えて次回の基準電圧を新しい基準電圧VR1に書き換えるように設定するようにした基準電圧設定部231 と、同様に上記書き換え指令a2が出力されたときにON−OFF中間電圧設定部252 からの設定値(VON2 −VOFF2)/2にそのときの近接センサLS2の作動電圧V2 を加えて次回の基準電圧を新しい基準電圧VR2に書き換えるように設定するようにした基準電圧設定部232 と、上記ON−OFF判定部221 ,222 からのON信号を基に電磁式切換弁13のソレノイドSOL.2,SOL.1へ切換指令を出力するようにした切換指令部241 ,242 とを、上記制御器15に組み込んだ構成とする。
【0021】
今、たとえば、図4の(イ)に示すように油圧シリンダ1のピストン8が前進側ストロークエンドに達すると、近接センサLS1の作動電圧がON−OFF判定部221 で基準電圧VR1と比較され、基準電圧VR1を超えた時に、ON信号が切換指令部241 に送られるため、切換指令部241 からソレノイドSOL.2に切換指令が与えられることで、電磁式切換弁13が切り換えられる結果、上記ピストン8は後退側ストロークエンドへ向けて移動を開始する。次に、ピストン8は、この逆向きの移動により、近接センサLS1から離れるため、ON−OFF判定部221 にて、基準電圧VR1に対し作動電圧V1 が低くなったときにOFFと認識され、近接センサLS2側の基準電圧設定部232 に基準電圧書き換え指令a2が出される。このとき、近接センサLS2側の対応するピストン9は後退側ストロークエンド付近に位置し、近接センサLS2の近くにはロッド11のみが位置していることになる。上記基準電圧設定部232 では、近接センサLS2の出力電圧V2 (=VOFF2)にON−OFF中間電圧設定部252 から送られた設定値(V0N2 −VOFF2)/2を加算することにより新しい基準電圧VR2を設定し、この基準電圧VR2を、近接センサLS2用のON−OFF判定部222 に、次回の基準電圧として送るようにする。
【0022】
したがって、同様に、ピストン9が前進側ストロークエンドに達すると、ON−OFF判定部222 にて、上記基準電圧VR2を基にON、OFFの検出が行われ、電磁式切換弁13が切り換えられ、これを基に基準電圧設定部231 で新しい基準電圧VR1が設定され、この基準電圧が近接センサLS1用のON−OFF判定部221 に次回の基準電圧として送られる。
【0023】
本発明では、ON−OFF判定部221 ,222 でのOFF信号により反対側の近接センサLS2,LS1の基準電圧設定部232 ,231 に図2に一例を示す如きタイミングで書き換え指令を出すようにしているので、ピストン8,9がストロークエンド付近で不安定な動作を示したとしても、書き換えを行う近接センサの対応するピストンは後退側のストロークエンド近くにあるため、この不安定動作を無視することができる。したがって、基準電圧VR1,VR2の値を誤って書き換えてしまうような事態を未然に防止することができ、又、急激な温度変化にも素早く対応することができる。
【0024】
次に、図3は本発明の実施の他の形態として、復動油圧シリンダとしての1本の油圧シリンダ26のストローク動作切換制御装置への採用例について示す。すなわち、1本の油圧シリンダ26の前進側(ロッド側)と後退側(ヘッド側)の両ストロークエンド位置に、近接センサLS1とLS2を設置し、該各近接センサLS1,LS2の基準電圧VR1,VR2との比較によるON、OFF信号に基づく制御器15からの切換指令により上記油圧シリンダ26のストローク動作を切り換えるようにしてある油圧シリンダのストローク動作切換制御装置において、図1に示したと同様な制御機能を制御器15にもたせたものである。なお、図4(イ)と同一部分には同一符号が付してある。
【0025】
図3の実施の形態では、基準電圧の値を一方の近接センサLS1(又はLS2)がONからOFFになった時に他方の近接センサLS2(又はLS1)のON電圧とOFF電圧の電圧差の1/2の値をOFF時の電圧に加えて、他方の近接センサLS2(又はLS1)の基準電圧値とすることができるので、上記実施の形態の場合と同様に、誤った基準電圧値を設定してしまうおそれがない。
【0026】
なお、上記実施の形態では、油圧シリンダ1,2や26のストローク動作を切り換えるために制御器15からの切換指令を電磁式切換弁13に与えるようにした場合を示したが、たとえば、作動油を供給する油ポンプとして両傾転油ポンプを使用する場合には、該両傾転油ポンプに指令を与えるようにすればよいこと、その他本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0027】
【発明の効果】
以上述べた如く、本発明の油圧シリンダのストローク動作切換制御装置によれば、ピストンを交互に前、後退移動させるようにした2本1組からなる複列油圧シリンダのそれぞれ同じ側のストロークエンド位置に、ホール素子を用いた近接センサを設置し、該各近接センサの作動電圧と基準電圧との比較によるON、OFF信号に基づく制御器からの切換指令により上記2本の油圧シリンダのストローク動作を互いに反対方向へ切り換えるようにしてある油圧シリンダのストローク動作切換制御装置、又は、1本の油圧シリンダのロッド側とヘッド側の両ストロークエンド位置に、ホール素子を用いた近接センサをそれぞれ設置し、該各近接センサの基準電圧との比較によるON、OFF信号に基づく制御器からの切換指令により上記油圧シリンダのストローク動作を切り換えるようにしてある油圧シリンダのストローク動作切換制御装置において、上記各近接センサにおける一方の近接センサの基準電圧に対する作動電圧を比較してONからOFFになったときに、他方の近接センサ側へ基準電圧書き換え指令を出力するON−OFF判定部と、該ON−OFF判定部から他方の近接センサ側への基準電圧書き換え指令を受けて、該他方の近接センサにて予め設定されているON時とOFF時の電圧差の1/2の値をそのときの他方の近接センサの作動電圧に加えて他方の近接センサの次回の新しい基準電圧とするようにした各基準電圧設定部とを、それぞれ各近接センサに対応させて備えて、上記制御器に組み込んだ構成としてあるので、ピストンがストロークエンド付近でハンチング等の不安定な動きをしても、誤った基準電圧値に書き換えられてしまうおそれがなく、又、急激な温度変化等にも素早く対応でき、応答性の高い電気式の近接センサの温度特性が更に改良されることにより、広い条件下にて信頼性を高めて使用することができる、等の優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の油圧シリンダのストローク動作切換制御装置の実施の一形態を示すブロック図である。
【図2】本発明の装置による場合の基準電圧の書き換えタイミングを示す概念図である。
【図3】本発明の実施の他の形態を示す概略図である。
【図4】従来の高粘性流体ポンプにおける油圧シリンダのストローク動作切換制御装置の一例を示すもので、(イ)は全体の概略図、(ロ)は油圧シリンダと近接センサとの取合構造を示す概要図である。
【図5】従来における油温上昇時の様子を示す近接センサの出力図である。
【図6】従来における油温下降時の様子を示す近接センサの出力図である。
【図7】最近提案されている油圧シリンダのストローク動作切換制御装置の一例を示すブロック図である。
【図8】図7の装置による場合の基準電圧と作動電圧との関係を示すもので、(イ)(ロ)は基準電圧が正常に書き換えられる場合の例図、(ハ)は基準電圧は少し高目になっているが切り換えには支障が生じない場合の例図、(ニ)は次の切り換えが不能になってしまう場合の例図である。
【符号の説明】
1,2 油圧シリンダ
8,9 ピストン
15 制御器
221 ,222 ON−OFF判定部
231 ,232 基準電圧設定部
241 ,242 切換指令部
251 ,252 ON−OFF中間電圧設定部
26 油圧シリンダ
LS1,LS2 近接センサ

Claims (2)

  1. ピストンを交互に前、後退移動させるようにした2本1組からなる複列油圧シリンダのそれぞれ同じ側のストロークエンド位置に、ホール素子を用いた近接センサを設置し、該各近接センサの作動電圧と基準電圧との比較によるON、OFF信号に基づく制御器からの切換指令により上記2本の油圧シリンダのストローク動作を互いに反対方向へ切り換えるようにしてある油圧シリンダのストローク動作切換制御装置において、上記各近接センサにおける一方の近接センサの基準電圧に対する作動電圧を比較してONからOFFになったときに、他方の近接センサ側へ基準電圧書き換え指令を出力するON−OFF判定部と、該ON−OFF判定部から他方の近接センサ側への基準電圧書き換え指令を受けて、該他方の近接センサにて予め設定されているON時とOFF時の電圧差の1/2の値をそのときの他方の近接センサの作動電圧に加えて他方の近接センサの次回の新しい基準電圧とするようにした各基準電圧設定部とを、それぞれ各近接センサに対応させて備えて、上記制御器に組み込んだ構成を有することを特徴とする油圧シリンダのストローク動作切換制御装置。
  2. 1本の油圧シリンダのロッド側とヘッド側の両ストロークエンド位置に、ホール素子を用いた近接センサをそれぞれ設置し、該各近接センサの作動電圧と基準電圧との比較によるON、OFF信号に基づく制御器からの切換指令により上記油圧シリンダのストローク動作を切り換えるようにしてある油圧シリンダのストローク動作切換制御装置において、上記各近接センサにおける一方の近接センサの基準電圧に対する作動電圧を比較してONからOFFになったときに、他方の近接センサ側へ基準電圧書き換え指令を出力するON−OFF判定部と、該ON−OFF判定部から他方の近接センサ側への基準電圧書き換え指令を受けて、該他方の近接センサにて予め設定されているON時とOFF時の電圧差の1/2の値をそのときの他方の近接センサの作動電圧に加えて他方の近接センサの次回の新しい基準電圧とするようにした各基準電圧設定部とを、それぞれ各近接センサに対応させて備えて、上記制御器に組み込んだ構成を有することを特徴とする油圧シリンダのストローク動作切換制御装置。
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