JP4202279B2 - 注入試験装置 - Google Patents
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Description
このような空洞に充填材を注入する場合、筒状構造物を構成するセグメントには裏込め用の注入孔が形成されているので、この注入孔から充填材を注入する場合がある(特許文献1参照)。
ところで、トンネル背面側にある空洞に、セグメントの注入孔から充填材を注入する場合、グラウトポンプ等の注入用ポンプによって充填材を比較的高い圧力で注入しているので、空洞に注入された充填材によって、トンネルを構成する筒状構造物に外側から圧力が作用し、筒状構造物の変形や破損を招く可能性がある。
また、充填材を比較的高い圧力で注入しているので、充填材が空洞を超えて地山側に浸透していき易いので、充填材を空洞に注入して満遍なく充填し難くなるとともに、必要以上の充填材を要する場合がある。
そこで、前記空洞を負圧に保持したうえで、セグメントの注入孔から充填材を該空洞に注入することが考えられる。
この容器1を水平面に対して傾斜するようにして支持する支持台2と、
前記容器1にその軸方向に所定間隔で取り付けられ、容器1内の圧力を計測する複数の圧力計3と、
前記容器1の一端部に接続され、この容器1内に充填された地盤材料によって作製された模型地盤と前記容器1の内面との間に形成された空洞に充填材を前記容器1の一端部から注入する注入装置4と、
この注入装置4による充填材の注入圧力を計測する圧力計24と、
前記容器1の他端部に接続され、容器1内を吸引する吸引装置5とを備えたことを特徴とする。
そして、前記空洞の体積に対する実際に充填できた充填材の体積を求めることによって、充填材を空洞に低い圧力で注入して満遍なく充填できたか否かを知ることができ、よって、地山に施工したトンネルの背面側に生じた空洞に、裏込め注入材等の充填材を注入する注入方法について検討することができる。
前記容器1は複数の筒部材6を軸方向に接合することによって構成されており、前記筒部材6は半円筒状の半円筒部材6b,6bを径方向に接合することによって構成されていることを特徴とする。
前記容器1の一端部および他端部にはそれぞれ開閉栓23,32が設けられ、一端部側の開閉栓23に前記注入装置4が接続されており、他端部側の開閉栓32に前記吸引装置5が接続されていることを特徴とする。
そして、前記空洞の体積に対する実際に充填できた充填材の体積を求めることによって、充填材を空洞に低い圧力で注入して満遍なく充填できたか否かを知ることができるので、トンネルの背面側に生じた空洞に、裏込め注入材等の充填材を注入する注入方法について検討することができる。
また、開閉栓を開閉することによって、容器内の空洞に充填材を注入するか否かや、容器内を吸引するか否かを選択できる。
図1は本発明に係る注入試験装置の一例を示す側面図である。この図に示す注入試験装置は、容器1と、支持台2と、複数の圧力計3と、注入装置4と、吸引装置5とを備えている。
また、容器1は、複数(例えば3つ)の筒部材6…を軸方向に接合することによって構成されている。筒部材6はその両端部にフランジ部6a,6aを有しており、筒部材6,6どうしは、対向するフランジ部6a,6aを当接して接合することによって接合されている。
なお、容器1の両端部に位置する筒部材6,6の一方のフランジ部6a,6aに前記蓋1a,1bが接合されることで、容器1は蓋1a,1bによって閉塞されている。
前記筒部材6は半円筒状の半円筒部材6b,6bを径方向に接合することによって構成されている。すなわち、半円筒部材6b,6bの長手方向に沿う縁部には、接合板6c,6cが形成されており、半円筒部材6b,6bどうしは、対向する接合板6c,6cを当接して接合することによって接合されて筒部材6を構成している。
一方、容器1の端部(図1において右端部)は、基台10の端部に設けられた連結部10aに回動自在に連結されており、これによって容器1は連結部10aを支点として上下に回動可能となっている。また、容器1の外周部には、係止部1cが軸方向に所定間隔で複数設けられており、所望の係止部1cに前記チェーンブロック12のフック12aを引掛けることによって、容器1を水平面に対して所定の角度で傾斜させて支持するようになっている。
なお、前記支持柱11は、基台10への取付位置(左右方向の位置)を変更できるようになっており、例えば、図1に二点鎖線で示すように、支持柱11の位置を若干左側に変更した場合は、チェーンブロック12のフック12aを他の係止部1cに引っ掛けることによって容器1を水平面に対して所定の角度で傾斜させて支持するようになっている。
タンク15,15には2液混合型の充填材の一方と他方とがそれぞれ貯留されている。タンク15,15の上端部には、配管16,16の一端部が接続されており、この配管16,16の他端部は配管17に接続され、この配管17がコンプレッサー18に接続されている。また、配管16には、レギュレーター19を介して圧力計20が取り付けられている。
そして、このような構成の注入装置4では、コンプレッサー18を作動させて、圧縮空気をタンク15,15内に配管17,16,16を介して導入することによって、タンク15,15内の2液混合型の充填材が所定の圧力で配管21,21,22を介して、容器1内に注入されるようになっている。なお、充填材を注入する場合は、前記開閉栓23,25,25は開状態としておく。
そして、このような構成の吸引装置5では、開閉栓32を開状態として、真空ポンプ30を作動させることによって配管31を介して、容器1内の空気を吸引するようになっている。
すると、真空ポンプ30によって容器1内の空気が配管31を介して吸引され、地盤材料で満たされている容器1内に右端部から負圧が生じていき、前記境界Kの近傍、さらには空洞まで負圧が生じていく。
一方、コンプレッサー18を作動させると、圧縮空気がタンク15,15内に配管17,16,16を介して導入され、これによって、タンク15,15内の2液混合型の充填材が所定の圧力で配管21,21,22を介して、容器1内の前記空洞に注入される。
また、吸引装置5による吸引と、注入装置4による充填材の注入の際に、前記圧力計31…によって容器1内の所定の位置の圧力をそれぞれ計測する。また、圧力計24によって充填材を注入するときの圧力も計測する。
さらに、筒部材6は半円筒状の半円筒部材6b,6bを径方向に接合することによって構成されているので、半円筒部材6bを取り外すことによって、容器1内の空洞に充填された充填材を容易に取り出すことができる。
試験は図2に示すように、直径20cm、長さ2mの円筒形の容器1を用いて、水平面から40度の傾斜を設けて行った。
模型地盤は水中落下法により砂を投入し、突き固めて所定の密度の地盤を作製した。
試験は表1に示す3ケースについて実施した。試験では試験開始と同時に、注入孔と排水孔のコック(開閉栓23,32)を開き、注入を開始し、注入中の圧力に変動が生じなくなるまで注入を行った。
注入槽(タンク15)の加圧は、所定の注入圧力に到達するまで段階的に圧力を増加させ、各ケースでの加圧時の圧力と時間の勾配が同じとなるようにした。
各ケースの注入圧力の時系列データを図3、4に示す。従来の注入方法であるCASE1では土槽内の圧力は注入槽の加圧圧力と時間差なく連動している傾向が見受けられる。一方、注入排水併用方法では負圧による影響のためか、注入槽の加圧圧力が一定になった後、しばらく一定状態を保ち、その後、注入孔に近いNo4では上昇し、No1〜3では減少し、最終的に-1kgf/cm2の完全負圧の状態になる傾向を示す結果となった。
表2によると、注入槽からの算定した注入量や、固結体の重量などから推定すると、CASE3が最も多く充填材が充填された結果となっているのが分る。
2 支持台
3 圧力計
4 注入装置
5 吸引装置
6 筒部材
6b 半円筒部材
23,32 開閉栓
Claims (3)
- 両端開口を閉塞可能でかつ内部に砂等の地盤材料が充填される筒状の容器と、
この容器を水平面に対して傾斜するようにして支持する支持台と、
前記容器にその軸方向に所定間隔で取り付けられ、容器内の圧力を計測する複数の圧力計と、
前記容器の一端部に接続され、この容器内に充填された地盤材料によって作製された模型地盤と前記容器の内面との間に形成された空洞に充填材を前記容器の一端部から注入する注入装置と、
この注入装置による充填材の注入圧力を計測する圧力計と、
前記容器の他端部に接続され、容器内を吸引する吸引装置とを備えたことを特徴とする注入試験装置。 - 請求項1に記載の注入試験装置において、
前記容器は複数の筒部材を軸方向に接合することによって構成されており、前記筒部材は半円筒状の半円筒部材を径方向に接合することによって構成されていることを特徴とする注入試験装置。 - 請求項1または2に記載の注入試験装置において、
前記容器の一端部および他端部にはそれぞれ開閉栓が設けられ、一端部側の開閉栓に前記注入装置が接続されており、他端部側の開閉栓に前記吸引装置が接続されていることを特徴とする注入試験装置。
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