JP4201572B2 - 触媒式酸化処理装置及びこれを使用するガス精製システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
高純度の酸素,窒素等が使用される半導体デバイスの製造工場等にあっては、酸素,窒素等の使用ガスをこれに含まれる不純物を除去して精製するガス精製システムが設置されるが、本発明は、かかるガス精製システム等において装備される触媒式酸化処理装置であって、より具体的には、酸素,窒素等の被処理ガスに含まれる一酸化炭素,水素,ハイドロカーボン等の不純物を触媒により水及び/又は二酸化炭素に酸化処理するための触媒式酸化処理装置、及びこれを使用するガス精製システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、半導体デバイスの製造工場にあっては、酸素及び窒素,アルゴン,ヘリウム等の不活性ガス又はこれらの混合ガスが使用されるが、これらのガスには、不純物として、水素,二酸化炭素,一酸化炭素,水,ハイドロカーボン(メタン等)が含まれていることから、使用ガスを、予め、不純物を除去した高純度ガスに精製しておく必要がある。
【0003】
而して、かかるガスの精製に使用されるガス精製システムとしては、一般に、図12に示す如く、酸素等の被処理ガスGに含まれる不純物のうち、吸着処理し難い水素,一酸化炭素,ハイドロカーボン(メタン等)を、水及び/又は二酸化炭素に酸化処理する触媒式酸化処理装置1と、その酸化処理ガスG3を吸着処理して、これに含まれる水及び/又は二酸化炭素を除去する吸着処理装置2と、触媒式酸化処理1から吸着処理装置2に供給される酸化処理ガスG3を所定温度に冷却する冷却装置3とを具備するもの(以下「従来システムS」という)が周知である。
【0004】
すなわち、従来システムSにあって、触媒式酸化処理装置1は、酸化触媒を充填した触媒充填部4a及びこの触媒充填部4aを酸化処理に最適する温度に維持するガス加熱部4bからなる触媒塔4と、被処理ガスGと酸化処理ガスG3とを熱交換させるための熱交換器5とからなる。この触媒式酸化処理装置1にあっては、被処理ガスGを被処理ガス供給路6から熱交換器5に供給し、熱交換器5において高温ガスである酸化処理ガスG3との熱交換により予熱させた上で、予熱ガス導入路7から加熱部4bに導入する。加熱部4bに導入された予熱ガスG1は、加熱部4bに設けた電気ヒータ等の加熱器4cにより所定温度に加熱された上で、触媒充填部4aに供給される。触媒充填部4aに供給された加熱ガスG2に含まれる水素,一酸化炭素,ハイドロカーボンは、酸化触媒との接触により、水及び/又は二酸化炭素に酸化処理される。そして、その酸化処理ガスG3は、触媒塔4から酸化処理ガス導入路8から熱交換器5に導入され、熱交換器5において、これを通過する被処理ガスGと熱交換されて、冷却される。熱交換器5を通過した酸化処理ガスG3は、酸化処理ガス供給路9から吸着処理装置2に供給される。吸着処理装置2は、モレキュラーシーブス等の吸着剤を充填した一対の吸着塔2a,2aを具備してなり、触媒式酸化処理装置1から流出する酸化処理ガスG3を、冷却装置3により所定温度(吸着塔における吸着処理を良好に行ないうる温度領域のもの)に冷却した上で、選択された一方の吸着塔2aに導くことにより、当該ガスG3に含まれる水及び/又は二酸化炭素を吸着除去するように構成されている。このような触媒式酸化処理装置1による酸化処理及び吸着処理装置2による吸着処理により、被処理ガスGに含まれる不純物が除去され、高純度ガス(精製ガス)G0が得られる。なお、吸着処理装置2においては、両吸着塔2a,2aが吸着工程と再生工程とを交互に行ない、一方の吸着塔2aが吸着工程を行う間においては他方の吸着塔2aが再生工程を行うようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記した触媒式酸化処理装置( 以下「従来装置」という)1及びこれを使用する従来システムSには次のような問題があった。
【0006】
すなわち、従来装置1はそれぞれ独立に配置されている触媒塔4と熱交換器5とを併設しているため、どうしても設置スペースが大きくなる。その結果、従来装置1ないし従来システムSにおけるイニシャルコストが高くなる。また、独立配置の触媒塔4と熱交換器5とを連結する予熱ガス導入路7及び酸化処理ガス導入路8を構成する配管における熱ロスが大きく、所定温度の加熱ガスG2を得るに要する加熱器4cのランニングコストが高くなり、有効な省エネルギ化を実現し難い。
【0007】
また、熱交換器5における熱交換効率を高めるためには、伝熱管を小径のものとして多数配置したり伝熱管にフィンを形成する等により伝熱面積を大きくすることが必要であるが、このようにすることにより、熱交換器5が大型化,複雑化して、装置1ないしシステムSが更に大型化し、イニシャルコストも更に高騰することになる。
【0008】
また、加熱器4cの取付構造は、ヒータ断線時の交換等のメンテナンス上、加熱部4bのケーシングに耐熱シール手段を設け着脱可能なものとしておく必要があるが、着脱が簡便な耐熱シール手段がないこと、及び着脱が簡便でないシール手段はメンテナンス性が悪く、長期使用のうちにシール材の劣化によりシール性が低下するため採用できないことから、加熱器4cの取付部において加熱部4bの密閉性が不十分となり、ガス漏れを生じる等により安全性が保てず、かつ処理効率が低下する。
【0009】
本発明は、かかる問題を生じることなく、触媒による被処理ガスの酸化処理を良好に行ないうる触媒式酸化処理装置を提供すると共に、これを使用することにより良好なガス精製を行いうるガス精製システムを提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の触媒式酸化処理装置は、上記の目的を達成すべく、特に、外部に開口するガス流入出口を有する本体ケース内に、触媒充填部とその上下両側に位置する加熱部及び熱交換部とを設けてあり、熱交換部は、その内部を伝熱壁によりガス流入口及び加熱部に連通する一次側熱交換室とガス流出口及び触媒充填部に連通する二次側熱交換室とに区画して、ガス流入口から一次側熱交換室に導入された被処理ガスを、二次側熱交換室を通過する加熱ガスとの熱交換により、予熱させるように構成されており、加熱部は、一次側熱交換室及び触媒充填部に連通されており、当該加熱部に配設した加熱器により、一次側熱交換室から導入された被処理ガスを所定温度に加熱した上で触媒充填部に導入させるように構成されており、触媒充填部は、加熱部で加熱された被処理ガスとの接触により当該ガスに含まれる不純物を水及び/ 又は二酸化炭素に酸化処理する触媒が充填されており、当該触媒充填部を通過した酸化処理ガスが二次側熱交換室を経てガス流出口へと流出されるように構成されており、前記加熱器は、一端部を本体ケース外に開口させた状態で当該本体ケース部分に固着された有底筒状の保護管と、保護管内にその開口部から挿脱される発熱体とで構成されると共に、前記加熱部内に、多数の小片状熱伝導体が充填されている。
前記加熱部内には、好ましくは、上下方向に所定間隔を隔てて複数の板状バッフルが配置されることにより、一次側熱交換室に連通する予熱ガス流入口から触媒充填部への連通部に至る蛇行状のガス流路が形成されている。
【0011】
かかる触媒式酸化処理装置にあっては、一次側熱交換室及び二次側熱交換室に、多数の小片状熱伝導体を充填しておくこと、或いは一次側熱交換室に、上下方向に所定間隔を隔てて複数の板状バッフルを配置することにより、ガス流入口から加熱部に連通する予熱ガス流出口に至る蛇行状のガス流路を形成しておくことが好ましい。後者の場合には、二次側熱交換室のみに、小片状熱伝導体を充填させる。また、加熱器は、触媒充填部内を100〜 4 0 0 ℃ に保持すべく、一次側熱交換室から加熱部に導入された被処理ガスを加熱するように制御されるものである。各熱交換室及び加熱部に充填される熱伝導体としては、小径金属管を半割してなるものを使用しておくことが好ましい。また、好ましい実施の形態にあって、ガス流入口から一次側熱交換室に導入される被処理ガスは、酸素、窒素、アルゴン及びヘリウムから選択される一種以上の単一ガス又は混合ガスであって、一酸化炭素、水素及びハイドロカーボンから選択される一種以上の不純物を含有するものであり、触媒としては、貴金属を無機多孔性物質に担持させてなる酸化触媒が使用される。
【0012】
また、本発明は、上記した触媒式酸化処理装置を使用したガス精製システムであって、当該触媒酸化処理装置と、触媒式酸化処理装置のガス流出口から流出する酸化処理ガスに含まれる水及び/又は二酸化炭素を吸着除去する吸着処理装置とを具備して、被処理ガスを、これに含まれる不純物を両処理装置により除去することにより、高純度ガスに精製するように構成されていることを特徴とするガス精製システムを提案する。
【0013】
かかるガス精製システムにあって、被処理ガスが窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスであり触媒式酸化処理装置のガス流出口から流出する酸化処理ガスに不純物としての余剰酸素が含まれている場合には、当該酸化処理ガスをこれに含まれる余剰酸素を除去した上で吸着処理装置に供給させる余剰酸素除去装置を、更に具備しておくことが好ましい。さらに、触媒式酸化処理装置のガス流入口から流入される被処理ガスが不活性ガスであり、当該装置の触媒充填部における不純物の酸化処理に必要且つ十分な量の酸素を含有しないものである場合においては、上記余剰酸素除去装置に加えて、被処理ガスに、これを上記酸化処理に必要な理論酸素量の1.1〜1.5倍に相当する量の酸素を含有するものとすべく、所定量の酸素を添加させた上で、当該被処理ガスを前記ガス流入口に流入させる酸素添加装置を、更に具備しておくことが好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図1〜図8に基づいて説明する。
【0015】
図1〜図6は本発明の第1の実施の形態を示すものである。この実施の形態における本発明のガス精製システム(以下「第1システム」という)S1は、酸素又はこれと窒素等の不活性ガスとの混合ガス(後述する触媒21による酸化反応を適正に行うに必要な酸素量を超える量の酸素を非不純物(必須成分)として含有する混合ガス)を被処理ガスGとしてガス精製を行うものであり、図1に示す如く、被処理ガスGをこれに含まれる不純物(水素,二酸化炭素,一酸化炭素,水,メタン等のハイドロカーボン)を酸化処理する触媒式酸化処理装置11と、酸化処理されたガス(酸化処理ガス)G3を所定温度に冷却する冷却装置3と、冷却されたガスG3を吸着塔2aにより吸着処理する吸着処理装置2とを具備するものであり、触媒式酸化処理装置11が、本発明に従って、次のように構成されている点を除いて、従来システムSと同様構造をなすものである。
【0016】
すなわち、触媒式酸化処理装置11は、図1及び図2に示す如く、本体ケース12内に触媒充填部13とその上下両側に位置する加熱部14及び熱交換部15とを設けてなる一体構造物に構成されている。なお、この例では、触媒充填部13の上位に加熱部14を配置すると共に、下位に熱交換部15を配置してある。
【0017】
本体ケース12は、図2に示す如く、上下壁12a,12bを有する金属製の円筒体であり、上下方向に所定間隔を隔てて水平に配設した第1〜第5仕切壁12c,12d,12e,12f,12gにより、内部を上下方向に縦列する加熱部14、第1連通部16、触媒充填部13、第2連通部17、熱交換部15及び酸化処理ガス排出部18に区画してある。
【0018】
加熱部14とその下位の第1連通部16とを区画する第1仕切壁12c並びに触媒充填部13とその上下に隣接する第1及び第2連通部16,17とを区画する第2及び第3仕切壁12d,12eは、図2に示す如く、後述する触媒21及び熱伝導体24を通過させない程度の多孔質構造(ガス透過構造)をなすガス透過性壁に構成されている。この例では、第1仕切壁12cを、図6に示す如く、金属製多孔板19とその上面に張設した金網20とで構成してあり、第2及び第3仕切壁12d,12eについても、第1仕切壁12cと同様に、金属製多孔板とその上面又は下面に張設した金網とで構成してある(第2仕切壁12dについては金網を多孔板の下面に張設し、第2仕切壁12eについては金網を多孔板の上面に張設してある)。一方、第2連通部17及び最下位の酸化処理ガス排出部18とその間に位置する熱交換部15とを区画する第4及び第5仕切壁12f,12gは、金属板からなるガス不透過性壁に構成されている。
【0019】
触媒充填部13は第1及び第2連通部16,17に連通されており、その内部には、図2に示す如く、白金,パラジウム等の貴金属をアルミナ等の無機多孔性物質(2〜5mm程度の球体又は円柱体)に担持させた酸化触媒21が充填されている。
【0020】
加熱部14は第1連通部16を介して触媒充填部13に連通されたものであり、その内部には、図2、図5及び図6に示す如く、複数本の保護管23aと各保護管23aに挿入された発熱体(電気ヒータ)23bとからなる加熱器23が配設されている。各保護管23aは、図6に示す如く、下端部を閉塞した金属管で構成されており、上端部を本体ケース12の上壁12aに固着することにより、加熱部14内に垂下状に配置されている。各発熱体23bは、本体ケース12の上壁12aに開口する保護管23aの上端開口部から当該保護管23aに挿脱できるようになっている。また、加熱部14内には、図2に示す如く、多数の小片状熱伝導体24が充填されている。熱伝導体24としては、小径金属球,小径金属管やこれらを半割したもの等を使用することができるが、一般には、図4に示す如く、加熱部14内に、小径鋼管(例えば、径:6.35mm,長さ:15〜20mm)を半割してなる熱伝導体24をランダムに充填させておくことが好ましい。さらに、加熱器23(発熱体23b)は、温度コントローラ23cにより、触媒充填部13に設けた温度センサ23dによる検出温度に基づいて制御されるようになっており、その制御は、触媒充填部13を触媒21による酸化処理に最適する温度(一般に、100〜400℃であり、メタン等の酸化困難な不純物を含む場合においては200℃〜400℃としておくことが好ましい)に保持するように行われる。なお、温度センサ23dは触媒充填部13に配置する他、図2に鎖線図示する如く、触媒充填部13の入口部である第1連通部16に配置するようにしてもよい。
【0021】
触媒充填部13の下部に配置された熱交換部15の内部は、図2に示す如く、伝熱壁25により一次側熱交換室15aと二次側熱交換室15bとに区画されている。すなわち、図2及び図3に示す如く、伝熱壁を複数の伝熱管25で構成し、各伝熱管25の上下端部を第4及び第5仕切壁12f,12gに貫通状に固着することにより、本体ケース12の周壁と第4及び第5仕切壁12f,12gとで囲繞形成された熱交換部15内を、伝熱管25の外部領域である一次側熱交換室15aと各伝熱管25の内部領域であって第2連通部17及び酸化処理ガス排出部18に連通された二次側熱交換室15bとに区画してある。なお、伝熱管25は大径鋼管等で構成されており、一般的な熱交換器において使用される伝熱管に比して、はるかに大径のものである。また、一次側熱交換室15a及び二次側熱交換室15bには、夫々、加熱部14におけると同様に、前記した熱伝導体24がランダムに充填されている。なお、各伝熱管25の下端部には、これに充填された熱伝導体24を保持するために、金網等の多孔質材からなる熱伝導体落下防止板25aが取付けられている。
【0022】
また、本体ケース12の周壁には、図2に示す如く、一次側熱交換室24の下部に開口するガス流入口28及び酸化処理ガス排出部18に開口するガス流出口29が設けられている。ガス流入口28には被処理ガス供給源から導かれた被処理ガス供給路6が接続されており、ガス流出口29には吸着処理装置2に導かれた酸化処理ガス供給路9が接続されている。さらに、一次側熱交換室15aの上部に設けた予熱ガス流出口32aと加熱部14の上部に設けた予熱ガス流入口32bとが、図2に示す如く、連通管32により接続されていて、この連通管32により一次側熱交換室15aと加熱部14とが連通されている。
【0023】
吸着処理装置2は、図1に示す如く、触媒式酸化処理装置11のガス流出口29に酸化処理ガス供給路9を介して接続された一対の吸着塔2a,2aを具備してなり、従来システムSにおけると同様に、ガス流出口29から流出された酸化処理ガスG3を、酸化処理ガス供給路9の適所に介設した冷却装置3により所定温度(吸着塔2aに充填したモレキュラーシーブス等の吸着剤により当該ガスG3に含まれる水及び/又は二酸化炭素を吸着除去するに最適な温度)に冷却した上で、選択された一方の吸着塔2aに導入させて、当該吸着塔2aにおいて当該ガスG3に含まれる不純物(水及び/又は二酸化炭素)を吸着剤により吸着除去して、高純度ガス(精製ガス)G0を得るように構成されている。両吸着塔2a,2aが交互に吸着工程と再生工程とに一定サイクルで切り替えられる点は、従来システムSにおける吸着処理装置2と同一である。
【0024】
以上のように構成された第1システムS1にあっては、特に、触媒式酸化処理装置11が上記した如く構成されていることから、冒頭に述べた如き問題を生じることなく、酸素又はこれと窒素等との混合ガスである被処理ガスGを、不純物を含まない高純度ガスG0に効率良く精製することができる。
【0025】
すなわち、ガス流入口28から一次側熱交換室15aに導入された被処理ガス(常温ガス)Gは、熱交換部15において、二次側熱交換室15bを通過する加熱ガス(後述する酸化処理ガス)G3との熱交換により予熱される。その予熱ガスG1は、一次側熱交換室15aから連通管32を経て加熱部14に供給され、加熱部14を通過する間に、加熱器23により加熱される。その加熱ガスG2は、加熱部14から第1連通部16を経て触媒充填部13に供給されて、触媒充填部13において酸化触媒21との接触により酸化処理され、当該ガスG2に含まれる前記不純物が水及び/又は二酸化炭素に酸化される。不純物を触媒21により酸化処理された酸化処理ガスG3は、触媒充填部13から第2連通部17を経て二次側熱交換室15bに供給され、二次側熱交換室15bを通過する間に、一次側熱交換室15a内の被処理ガスGと熱交換して冷却される。そして、二次側熱交換室15bを通過した酸化処理ガスG3は、酸化処理ガス排出部18からガス流出口29及び酸化処理ガス供給路9を吸着処理装置2に導入される。爾後は、冒頭で述べたガス精製システムと同様に、当該ガスG3に含有される不純物(水,二酸化炭素)が吸着処理装置2により吸着除去されて、精製ガス(高純度ガス)G0が得られる。
【0026】
而して、触媒式酸化処理装置11は、その全ての機能部(触媒充填部13、加熱部14及び熱交換部15)を本体ケース12に内蔵したものであるから、熱交換部15における被処理ガスGと酸化処理ガスG3との熱交換作用及び加熱部14における予熱ガスG1の加熱作用を、従来装置1に比して、熱ロスを大幅に低減させつつ、効率良く行うことができる。その結果、加熱部14における加熱器23のランニングコスト低減,省エネルギ化を図りつつ、触媒充填部13における酸化処理を良好に行うことができる。しかも、触媒式酸化処理装置11を触媒充填部13、加熱部14及び熱交換部15が上下方向に縦列する一体構造物に構成しているから、独立した熱交換器5を触媒塔4と併設するようにした従来装置1に比して、装置11全体を大幅に小型化し得て、装置設置スペースの大幅な低減を図ることができる。
【0027】
また、熱交換部15にあっては、一次側熱交換室15a内の被処理ガスGと二次側熱交換室15b内の酸化処理ガスG3との熱交換が行われるが、両熱交換室15a,15bには熱伝導体24が充填されているため、伝熱面積が極めて大きくなり、上記熱交換が効率良く行われる。ところで、冒頭で述べた如く、一般的な熱交換器にあっては、伝熱面積を大きくするために、熱交換媒体が通過する伝熱管を可及的に小径のものとすると共に伝熱管数を多く配設しておく等の工夫が必要となり、熱交換器構造が徒に複雑化,大型化する。しかし、上記した熱交換部15においては、伝熱面積を熱伝導体24の充填により増大させていることから、伝熱管(ないし伝熱壁)25の構造は伝熱面積の増減に殆ど影響しない。したがって、例えば、上記した如く伝熱管25を一般的な伝熱管に比して極めて大径のものとし且つ設置本数を少なくしても、熱交換効率を低下させることがなく、熱交換部15の構造を可及的に小型化,簡略化することができる。その結果、触媒式酸化処理装置11が熱交換部15を含めた一体構造物に構成されているにも拘らず、装置11全体の小型化,簡略化を図ることができる。さらに、熱伝導体24を、図4に示す如き半割管状のものとしてランダムに充填させるようにすると、熱伝導体24の充填層にはランダムで微細なガス通路が形成されることになる。したがって、伝熱管にフィンを固着する等によりガス通路を複雑なものとせずとも、当該充填層におけるガス滞留時間が長くなって熱交換率が向上することになり、熱交換部15の更なる小型化,簡略化を図ることができる。
【0028】
また、加熱器23を、本体ケース部分(上壁)12aに固着した有底筒状の保護管23aに発熱体23bを挿脱可能に装填した構成となしたことによって、冒頭で述べた如きシール手段を必要とすることなく、加熱部14の密閉性を確保することができ、発熱体23bの取外等を必要とするメンテナンス作業も極めて容易に行うことができる。ところで、発熱体23bを保護管23aで囲繞した場合、加熱部14に導入された予熱ガスG1の加熱効率が低下する虞れがある。しかし、加熱部14には熱伝導体24がランダムに充填されていて、熱交換部15におけると同様に、ガスG1との伝熱面積が大きくなっていると共に熱伝導体24の充填層にランダムで微細なガス通路が形成されることになる。したがって、予熱ガスG1の加熱が効率良く行われ、上記した虞れはなく、加熱器23のランニングコストも低減できる。しかも、触媒塔4と熱交換器5とを外部導入路7,8で接続した従来装置1に比して、熱ロスが少ない等により、運転開始から触媒温度が適正温度に上昇するまでに要する時間が短くなり、つまり運転開始から不純物濃度(一酸化濃度,水素濃度,メタン等のハイドロカーボン濃度)が所定値以下(例えば、1ppb以下)に達するまでに要する時間が短くなり、酸化処理効率が大幅に向上する。
【0029】
ところで、触媒21による酸化反応により被処理ガスGに含有される酸素が消費されることから、適正な酸化反応が行われるためには、つまり不純物の水及び/又は二酸化炭素への変換が十分に行われるためには、被処理ガスGに当該消費酸素量に相当する量以上の酸素が含まれていることが必要である。しかし、不活性ガスの精製において酸素を含まないか所定量(所定濃度)以上の酸素を含まない精製ガスG0を得る必要がある場合であって、被処理ガスGに触媒21による酸化反応により消費される量(以下「消費酸素量」という)を超える量の酸素が含まれている場合(つまり被処理ガスGが酸素過剰ガスである場合)には、触媒充填部13を経過した酸化処理ガスG3に余剰酸素(酸素を含有しない精製ガスG0を得る必要がある場合にあっては、被処理ガスGに含まれる酸素量から消費酸素量を差し引いた量の酸素が余剰酸素となり、所定量以上の酸素を含まない精製ガスG0を得る必要がある場合にあっては、被処理ガスGに含まれる酸素量から消費酸素量及精製ガスG0に必要な酸素量を差し引いた量の酸素が余剰酸素となる)が含まれることになり、この余剰酸素が吸着処理装置2から流出する精製ガスG0に不純物として含まれることになるため、目的とする高純度ガスG0を得ることができず、適正なガス精製を実現することができない。また、逆に、不活性ガスの精製において被処理ガスGが酸素を含まないか消費酸素量以上の酸素を含まない場合(つまり被処理ガスGが酸素過少ガスである場合)には、触媒21による酸化反応が適正に行われず、被処理ガスGが酸素過剰ガスである場合と同様に、目的とする高純度ガスG0を得ることができず、適正なガス精製を実現することができない。
【0030】
而して、図7は第2の実施の形態を示すものであり、この実施の形態におけるガス精製システム(以下「第2システム」という)S2は、上記した被処理ガスGが不活性ガスであって共存する酸素が過剰である場合において、目的とする高純度ガスG0を得ることができるように工夫されたものである。
【0031】
すなわち、第2システムS2では、図7に示す如く、酸化処理ガス供給路9における冷却装置3の下流側であって吸着処理装置2の上流側に余剰酸素除去装置33を介設して、触媒式酸化処理装置11のガス流出口29から冷却装置3を経た酸化処理ガスG3を、これに含まれる余剰酸素を除去した上で吸着処理装置2に供給させるように構成されている。余剰酸素除去装置33としては、例えば、図7に示す如く、ニッケル触媒を充填した一対のニッケル触媒塔33a,33aを具備して、酸化処理ガスG3を選択された一方のニッケル触媒塔33aにおいて当該ガスG3に含まれる余剰酸素をニッケル触媒との接触により除去するように構成されたものが使用される。なお、各ニッケル触媒塔33aは、吸着処理装置2の各吸着塔2aに直結されており、一方の吸着塔2a及びこれに直結されたニッケル触媒塔33aが処理工程(当該吸着塔2aによる吸着処理工程及び当該ニッケル触媒塔33aによる酸素除去処理工程)を行う間において、他方の吸着塔2a及びこれに直結されたニッケル触媒塔33aが再生工程を行い、これらが一定サイクルで交互に切り替えられるようになっている。
【0032】
したがって、第2システムS2によれば、酸化処理ガスG3に含まれる余剰酸素を余剰酸素除去装置33により除去して、余剰酸素を含まない酸化処理ガスG4を吸着処理装置2に導入させることにより、目的とする高純度ガスG0を得ることができる。なお、第2システムS2の構成,機能,作用効果は、余剰酸素除去装置33を設けた点を除いて、第1システムS1と同一である。
【0033】
また、図8は第3の実施の形態を示すものであり、この実施の形態におけるガス精製システム(以下「第3システム」という)S3は、上記した被処理ガスGが不活性ガスであって共存する酸素が過少である場合において、目的とする高純度ガスG0を得ることができるように工夫されたものである。
【0034】
すなわち、第3システムS3では、図8に示す如く、酸化処理ガス供給路9における冷却器3の下流側に余剰酸素除去装置33を介設すると共に、被処理ガス供給路6に酸素添加装置34を介設してある。酸素添加装置34は、触媒式酸化処理装置11のガス流入口28から流入される被処理ガスGが触媒21による酸化処理に必要な理論酸素量の1.1〜1.5倍に相当する量の酸素を含有するものとすべく、所定量の酸素G5を添加させた上で、当該被処理ガスGを前記ガス流入口28から触媒式酸化処理装置11に供給させる。したがって、触媒21による酸化反応が適正に行われて、一酸化炭素等の不純物が水及び/又は二酸化炭素に酸化されて、爾後の吸着処理が良好に行われる。このように、被処理ガスGに酸素G5を添加することにより触媒充填部13における酸化処理が良好に行われる反面、酸化処理ガスG3には添加酸素G5による余剰酸素が含まれることになる。しかし、第3システムでは、酸素添加装置34に設けることに加えて、第2システムと同様に、酸化処理ガスG3に含まれる余剰酸素を除去して、余剰酸素を含まない酸化処理ガスG4を吸着処理装置2に導入させる余剰酸素除去装置33を設けているから、酸素G5の添加による触媒21による酸化処理が適正に行われることとも相俟って、目的とする高純度ガスG0を確実に得ることができる。ところで、酸素添加による被処理ガスGの酸素量が理論酸素量の1.1倍未満である場合には、触媒21による酸化反応が十分に行われず、逆に理論酸素量の1.5倍を超える場合には、触媒21による酸化反応は十分に行われるが酸化反応に寄与しない余剰酸素が増大するためニッケル触媒塔等の余剰酸素除去装置33の酸素除去ライフが著しく少なくなる。なお、第3システムS3にあっては、吸着処理装置2と余剰酸素除去装置33とを一体構成してある。すなわち、図8に示す如く、酸化処理ガス供給路9に分岐接続された一対の処理塔100,100を設け、各処理塔100に吸着剤を充填した吸着部2b(吸着塔2aに相当する)とニッケル触媒を充填した触媒部33b(ニッケル触媒塔33aに相当する)とを上下2段に設けてあり、選択された一方の処理塔100において、酸化処理ガス供給路9から酸化ガスG3が触媒部33bにおいて酸素除去され、触媒部33bを通過した酸化処理ガスG4が引き続き吸着部2bにおいて吸着処理されるように構成されている。このとき、他方の処理塔100においては吸着部2b及び触媒部33bの再生が行われ、両処理塔100,100が交互に処理と再生とを一定サイクルで繰り返すようになっている。第3システムにおける構成,機能,作用効果は、酸素添加装置34を設けた点及び吸着処理装置2と余剰酸素除去装置33とを一体構成とした点を除いて、第2システムS2と同一である。
【0035】
なお、本発明は上記した実施の形態に限定されるものでなく、本発明の基本原理を逸脱しない範囲において適宜に改良,変更することができる。
【0036】
例えば、触媒式酸化処理装置11において、図9〜図11に示す如く、加熱部14内に、上下方向に所定間隔を隔てて複数の板状バッフル35a,35bを配置することにより、一次側熱交換室15aに連通する予熱ガス流入口32bから触媒充填部13への連通部(加熱部14の下端部空間)14aに至る蛇行状のガス流路35c,35dを形成すると共に、一次側熱交換室15aに、上下方向に所定間隔を隔てて複数の板状バッフル36a,36bを配置することにより、ガス流入口28から予熱ガス流出口32aに至る蛇行状のガス流路36c,36dを形成して、加熱部14及び一次側熱交換室15aに熱伝導体24を充填させた場合と同様の伝熱効率を確保することができる。すなわち、加熱部14には、図9及び図10に示す如く、加熱部14の周壁(本体ケース12の周壁部分)に水平に内嵌しうる形状の金属円板を一部切除したものであって、予熱ガス流入口32bからの予熱ガスG1の流入方向における一端部側を切除した形状の第1バッフル35aと当該流入方向における他端部側を切除した形状の第2バッフル35bとを上下方向に交互に所定間隔を隔てて配設することにより、本体ケース12の上壁12a及び仕切壁12dとの間においてバッフル35a,35bで区画された複数の水平通路35cと、上下に隣接する水平通路35c,35cの端部間を連結する連通路(当該両水平通路35c,35cを仕切る第1又は第2バッフル35a,35bの切除端と本体ケース12の内周面との間に形成される空間部)35dとからなる蛇行状のガス流路が形成されていて、予熱ガス流入口32bから流入した予熱ガスG1が、触媒充填部13へショートパスすることなく、各保護管23aと十分に接触しつつ触媒充填部13へと流動せしめられるように工夫されている。同様に、一次側熱交換室15aにおいても、図9及び図11に示す如く、一次側熱交換室15aの周壁(本体ケース12の周壁部分)に水平に内嵌しうる形状の金属円板を一部切除したものであって、ガス流入口28からの被処理ガスGの流入方向における一端部側を切除した形状の第1バッフル36aと当該流入方向における他端部側を切除した形状の第2バッフル36bとを上下方向に交互に所定間隔を隔てて配設することにより、仕切壁12f,12g間においてバッフル36a,36bで区画された複数の水平通路36cと、上下に隣接する水平通路36c,36cの端部間を連結する連通路(当該両水平通路36c,36cを仕切る第1又は第2バッフル36a,36bの切除端と本体ケース12の内周面との間に形成される空間部)36dとからなる蛇行状のガス流路が形成されていて、ガス流入口28から流入した被処理ガスGが、予熱ガス流出口32aへショートパスすることなく、各伝熱管(二次側熱交換室15bを囲繞する伝熱壁)25と十分に接触しつつ予熱ガス流出口32aへと流動せしめられるように工夫されている。なお、図9に示す触媒式酸化処理装置11の構成,機能,作用効果は、上記した点(加熱部14及び一次側熱交換室15aに、熱伝導体24を充填させることなく、バッフル35a,35b,36a,36bを配設した点)を除いて、二次側熱交換室15bに前記した熱伝導体24を充填した点を含めて図2に示すものと同一である。
【0037】
【発明の効果】
以上の説明から容易に理解されるように、本発明の触媒式酸化処理装置は、触媒充填部、加熱部及び熱交換部を上下方向に縦列させた一体構造物に構成されたものであるから、設置スペースを大幅に低減することができると共に、熱ロスを可及的に防止して、熱効率の向上及び省エネルギ化を図ることができ、イニシャルコスト及びランニングコストを大幅な低減することができる。
【0038】
また、本発明のガス精製システムによれば、上記触媒式酸化処理装置を使用することによりイニシャルコスト,ランニングコストの大幅な低減を図ることができると共に、被処理ガスの性状(特に、酸素濃度の過不足)に拘らず、触媒式酸化処理装置による酸化処理を良好に行ない得て、目的とする高純度の精製ガスを確実に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1システムを示す系統図である。
【図2】第1システムにおける触媒式酸化処理装置を示す縦断正面図である。
【図3】図2のIII - III線に沿う横断平面図である。
【図4】図2の要部(熱伝導体)を取り出して示す斜視図である。
【図5】図2のV−V線に沿う横断平面図である。
【図6】図2の要部(加熱部)を拡大して示す詳細図である。
【図7】第2システムを示す系統図である。
【図8】第3システムを示す系統図である。
【図9】触媒式酸化処理装置の変形例を示す縦断正面図である。
【図10】図9のX−X線に沿う横断平面図である。
【図11】図9のXI−XI線に沿う横断平面図である。
【図12】従来システムを示す系統図である。
【符号の説明】
2…吸着処理装置、2a…吸着塔、2b…吸着部、3…冷却装置、11…触媒式酸化処理装置、12…本体ケース、12a…本体ケースの上壁(本体ケース部分)、12b…本体ケースの下壁、12b,12c,12d…ガス透過性壁、12e,12f…ガス不透過性壁、13…触媒充填部、14…加熱部、14a…加熱部における触媒充填部13への連通部、15…熱交換部、15a…一次側熱交換室、15b…二次側熱交換室、16,17…連通部、18…酸化処理ガス排出部、21…酸化触媒(触媒)、23…加熱器、23a…保護管、23b…発熱体、23c…温度コントローラ、23d…温度センサ、24…熱伝導体、25…大径鋼管(伝熱壁)、28…ガス流入口、29…ガス流出口、32…連通管、32a…予熱ガス流出口、32b…予熱ガス流入口、33…余剰酸素除去装置、33a…ニッケル触媒塔、33b…触媒部、34…酸素添加装置、35a,35b,36a,36b…バッフル、35c,35d,36c,36d…ガス通路、100…処理塔、G…被処理ガス、G0…精製ガス(高純度ガス)、G1…予熱ガス、G2…加熱ガス、G3…酸化処理ガス、G4…余剰酸素を除去された酸化処理ガス、G5…添加酸素、S1,S2,S3…ガス精製システム。
Claims (11)
- 外部に開口するガス流入出口を有する本体ケース内に、触媒充填部とその上下両側に位置する加熱部及び熱交換部とを設けてあり、
熱交換部は、その内部を伝熱壁によりガス流入口及び加熱部に連通する一次側熱交換室とガス流出口及び触媒充填部に連通する二次側熱交換室とに区画して、ガス流入口から一次側熱交換室に導入された被処理ガスを、二次側熱交換室を通過する加熱ガスとの熱交換により、予熱させるように構成されており、
加熱部は、一次側熱交換室及び触媒充填部に連通されており、当該加熱部に配設した加熱器により、一次側熱交換室から導入された被処理ガスを所定温度に加熱した上で触媒充填部に導入させるように構成されており、
触媒充填部は、加熱部で加熱された被処理ガスとの接触により当該ガスに含まれる不純物を水及び/ 又は二酸化炭素に酸化処理する触媒が充填されており、当該触媒充填部を通過した酸化処理ガスが二次側熱交換室を経てガス流出口へと流出されるように構成されており、
前記加熱器は、一端部を本体ケース外に開口させた状態で当該本体ケース部分に固着された有底筒状の保護管と、保護管内にその開口部から挿脱される発熱体とで構成される共に、前記加熱部内に、多数の小片状熱伝導体が充填されていることを特徴とする触媒式酸化処理装置。 - 外部に開口するガス流入出口を有する本体ケース内に、触媒充填部とその上下両側に位置する加熱部及び熱交換部とを設けてあり、
熱交換部は、その内部を伝熱壁によりガス流入口及び加熱部に連通する一次側熱交換室とガス流出口及び触媒充填部に連通する二次側熱交換室とに区画して、ガス流入口から一次側熱交換室に導入された被処理ガスを、二次側熱交換室を通過する加熱ガスとの熱交換により、予熱させるように構成されており、
加熱部は、一次側熱交換室及び触媒充填部に連通されており、当該加熱部に配設した加熱器により、一次側熱交換室から導入された被処理ガスを所定温度に加熱した上で触媒充填部に導入させるように構成されており、
触媒充填部は、加熱部で加熱された被処理ガスとの接触により当該ガスに含まれる不純物を水及び/ 又は二酸化炭素に酸化処理する触媒が充填されており、当該触媒充填部を通過した酸化処理ガスが二次側熱交換室を経てガス流出口へと流出されるように構成されており、
前記加熱器は、一端部を本体ケース外に開口させた状態で当該本体ケース部分に固着された有底筒状の保護管と、保護管内にその開口部から挿脱される発熱体とで構成される共に、前記加熱部内には、上下方向に所定間隔を隔てて複数の板状バッフルを配置することにより、一次側熱交換室に連通する予熱ガス流入口から触媒充填部への連通部に至る蛇行状のガス流路が形成されていることを特徴とする触媒式酸化処理装置。 - 一次側熱交換室及び二次側熱交換室には、多数の小片状熱伝導体が充填されていることを特徴とする、請求項1または2に記載する触媒式酸化処理装置。
- 一次側熱交換室には、上下方向に所定間隔を隔てて複数の板状バッフルを配置することにより、ガス流入口から加熱部に連通する予熱ガス流出口に至る蛇行状のガス流路が形成されており、二次側熱交換室には、多数の小片状熱伝導体が充填されていることを特徴とする、請求項1または2に記載する触媒式酸化処理装置。
- 加熱器は、触媒充填部内を100〜400℃に保持すべく、一次側熱交換室から加熱部に導入された被処理ガスを加熱するように制御されるものであることを特徴とする、請求項1〜4の何れかに記載する触媒式酸化処理装置。
- 熱伝導体が、小径金属管を半割してなるものであることを特徴とする、請求項1〜5の何れかに記載する触媒式酸化処理装置。
- ガス流入口から一次側熱交換室に導入される被処理ガスが、酸素、窒素、アルゴン及びヘリウムから選択される一種以上の単一ガス又は混合ガスであって、一酸化炭素、水素及びハイドロカーボンから選択される一種以上の不純物を含有するものであることを特徴とする、請求項1〜6の何れかに記載する触媒式酸化処理装置。
- 触媒が、貴金属を無機多孔性物質に担持させてなる酸化触媒であることを特徴とする、請求項1〜7の何れかに記載する触媒式酸化処理装置。
- 請求項1〜8の何れかに記載する触媒式酸化処理装置と、触媒式酸化処理装置のガス流出口から流出する酸化処理ガスに含まれる水及び/ 又は二酸化炭素を吸着除去する吸着処理装置とを具備して、被処理ガスを、これに含まれる不純物を両処理装置により除去することにより、高純度ガスに精製するように構成されていることを特徴とするガス精製システム。
- 触媒式酸化処理装置のガス流出口から流出する酸化処理ガスに不純物としての余剰酸素が含まれている場合において、当該酸化処理ガスをこれに含まれる余剰酸素を除去した上で吸着処理装置に供給させる余剰酸素除去装置を、更に具備することを特徴とする、請求項9に記載するガス精製システム。
- 触媒式酸化処理装置のガス流入口から流入される被処理ガスが当該装置の触媒充填部における不純物の酸化処理に必要且つ十分な量の酸素を含有しないものである場合において、被処理ガスに、これを上記酸化処理に必要な理論酸素量の1.1〜1.5倍に相当する量の酸素を含有するものとすべく、所定量の酸素を添加させた上で、当該被処理ガスを前記ガス流入口に流入させる酸素添加装置を、更に具備することを特徴とする、請求項10に記載するガス精製システム。
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