JP4200114B2 - 保冷状態監視装置 - Google Patents

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Description

本発明は、顧客の家の玄関先などに置かれた保冷箱にて保冷される商品の状態を監視するための保冷状態監視装置に、関する。
周知のように、顧客から注文を受けて配達した生鮮食品などの商品を発泡スチロール等の断熱材からなる保冷箱に保冷剤とともに収めて顧客の家の玄関先などに置いておくという販売形態がある。この販売形態においては、正常な保冷剤と間違えて保冷能力の低い保冷剤が保冷箱に入れられていたり、保冷箱の蓋がきちんと閉じられていないことによって内部温度が外部温度に近くなっていたりすると、保冷箱内の商品の鮮度が徐々に低下して傷んでくる。そのため、配達後の保冷箱内の温度管理をする必要がある。
その一方で、特許文献1には、輸送中の低温庫内の温度履歴を温度測定時の位置情報と対応付けて確認することができる運行温度管理システムが、説明されている。この運行温度管理システムでは、輸送車両に搭載された車載端末装置は、GPS[Global Positioning System]を通じて取得した位置情報を、時刻情報とともに、定期的に、公衆無線通信にて管理サーバ装置へ送信する。その一方、低温庫内の食品の近くに設置された温度記録装置は、その低温庫内の温度を定期的に測定してその温度情報及び時間情報を蓄積する。そして、その食品が目的地に輸送された後に、温度記録装置が車載端末装置に取り付けられると、車載端末装置が、温度記録装置内の温度情報及び時刻情報を、公衆無線通信にて管理サーバ装置へ送信する。その管理サーバ装置は、受信した位置情報,時刻情報,及び温度情報に基づいて温度履歴と温度測定時の位置情報とを対応付けたグラフを、ディスプレイに表示する。そのグラフ内には、食品が達してはならない上限温度を示す線が引かれており、管理者は、低温庫内の温度が異常となった輸送経路中の位置及び時間を、そのグラフから判別できる。
特開2002−046815号公報(図17)
上記販売形態に利用される保冷箱に対して前述の特許文献1記載の技術を応用すれば、商品が配達されてから顧客がその商品を受け取るまでの温度履歴に基づくグラフが、管理サーバ装置のディスプレイに示されることとなるので、上記販売形態を採る宅配業者は、配達後の保冷箱内の温度管理をすることができるものと考えられ得る。
ところで、商品の痛み具合は、事前に設定された上限温度をその保冷温度が短期間だけ超えたときよりも、保冷温度がその上限温度を若干下回っている状態を長期間維持したときのほうが、より早く進行することが多い。
にも拘わらず、特許文献1記載の管理サーバ装置がディスプレイに示すグラフには、保冷箱内の温度が上限値を上回ったことしか、示されないため、特許文献1記載の技術を保冷箱に応用したとしても、商品の傷み具合がどの程度進行しているかを正確に判断することができないという問題がある。
また、特許文献1記載の技術によると、保冷箱内の温度を、宅配業者が知ることはできても、その商品を受け取った顧客が、そのような温度情報を直接知ることができない。また、顧客がたとえ温度履歴を見ることができたとしても、保冷箱内の温度履歴から商品の傷み具合を判断することはできない。その結果、顧客は、商品を受け取って直ぐに、その商品の傷みがどの程度であるかを判断することができないという問題がある。
本発明は、前述したような従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その課題は、玄関先などにおいて保冷箱を通じて商品を受け取った顧客に対して商品の傷みの程度を提示することができる保冷状態監視装置を、提供することにある。
上記の課題を解決するために案出された保冷状態監視装置は、保冷箱内に収められた1個以上の商品の保冷状態をそれぞれ監視するためにその保冷箱に設置される保冷状態監視装置であって、商品にそれぞれ直接装着されるとともにその装着されている商品の温度を測定することによって温度情報を生成する温度センサと数値を記憶する記憶部とを有する電子タグとの間で情報通信を行う電子タグ通信部、商品が保冷箱内で保冷されている間に、電子タグ通信部を介して電子タグから温度情報を定期的に取得する温度情報取得部、その温度情報取得部が定期的に取得した各温度情報の示す温度が1つ以上の条件のうちの何れかを満たす毎に、その温度情報に対応する商品の記憶部内の数値を増加させる判定部、及び、商品の保冷が終了した際に、各商品の電子タグから、その記憶部内の数値の増加に比例して変化する数値情報を取得し、取得した各商品の数値情報を、その商品の傷みの程度を示す情報として提示する出力部を備えることを、特徴としている。
このように構成されると、商品が保冷されている期間内においては、その商品の温度が一つ以上の条件の何れかを満たす毎に、記憶部内の数値が、増加される。そして、顧客が商品を受け取ることにより、又は、保冷すべき期間が経過することにより、その商品の保冷が終了したときには、記憶部内の数値に比例する数値情報が、その商品の傷みの程度を示す情報として、提示される。従って、顧客は、商品を受け取った時には、直ぐに、その商品の傷みがどの程度であるかを判断することができる。
なお、本発明による保冷状態監視装置においては、記憶部内の数値を増加させる条件には、商品の温度が所定の上限温度を超過している連続期間が存在している場合においてその連続期間が所定の上限時間を超過しているときが、含まれていても良いし、商品の温度が所定の上限温度を超過している連続期間が存在している場合においてその連続期間中の累積温度が所定の上限累積温度を超過しているときが、含まれていても良い。さらに、記憶部内の数値を増加させる条件には、上限温度及び上限時間の組み合わせが互いに異なる複数の条件が、含まれていても良いし、上限温度及び上限累積温度の組み合わせが互いに異なる複数の条件が、含まれていても良い。
また、本発明による保冷状態監視装置においては、出力部によって提示される数値情報は、記憶部が記憶する数値の増加に比例して増加する値引き額をその商品の正規価格から差し引くことによって得られる額であっても良いし、その値引き額を正規価格から算出するための値引率であっても良いし、その他の数値あっても良い。
以上に説明したように、本発明によれば、玄関先などにおいて保冷箱を通じて商品を受け取った顧客に対して商品の傷みの程度を提示することができる
以下、添付図面に基づいて、本発明を実施するための形態を説明する。
図1は、本発明の実施形態である配達商品管理システムの概略図である。本実施形態の配達商品管理システムは、配達情報管理装置10,一個以上の電子タグ20,及び、一個以上の保冷状態監視装置30を、備えており、配達情報管理装置10及び各保冷状態監視装置30は、ネットワークNを介して互いに接続されている。
配達情報管理装置10は、カタログ等を通じて生鮮食料品などの商品の販売及び配達を請け負う宅配業者が、各顧客からの購入の依頼を受けて配達した商品に関する情報を蓄積しておくための汎用コンピュータである。
図2は、配達情報管理装置10の内部構成図である。配達情報管理装置10は、CPU[Central Processing Unit]10a,RAM[Random Access Memory]10b,通信アダプタ10c,及び、HDD[Hard Disk Drive]10dを、備えており、これらハードウエア10a〜10dは、バスBを介して互いに接続されている。
CPU10aは、配達情報管理装置10全体を制御するための中央処理装置である。RAM10bは、CPU10aが各種プログラムを実行するに際しての作業領域が展開される主記憶装置である。通信アダプタ10cは、ネットワーク上のルータとの間でデータの送受信を行うための装置であり、具体的には、LAN[Local Area Network]接続ボード,ターミナルアダプタ,モデムなどである。
HDD10dは、配達情報管理装置10に内蔵され或いは外付けされる補助記憶装置であり、CPU10aによってRAM10b上に読み出されて実行される各種プログラムや、何れかのプログラムに利用されるデータベースを、記憶している。具体的には、このHDD10dは、OS[Operation System]プログラム11,記録プログラム12,及び、販売情報管理データベース13を、記憶している。
OSプログラム11は、ハードウエアとソフトウエアとを統合的に管理するためのプログラムである。記録プログラム12は、保冷状態監視装置30から受信した情報を受信して販売情報管理データベース13に記録するためのプログラムである。
販売情報管理データベース13は、過去に顧客に販売した商品に関する情報を蓄積しておくためのデータベースであり、上記宅配業者によって事前にHDD10d内に記録されたものである。なお、本実施形態では、宅配業者の顧客一人につき一つの販売情報管理データベース13が、作成される。従って、HDD10d内には、宅配業者の顧客数と同じ数の販売情報管理データベース13が、記録されている。
図3は、顧客一人分の販売情報管理データベース13のデータ構造の一例を示す図である。図3の販売情報管理データベース13中のレコードは、「顧客ID」,「顧客氏名」,「配達年月日」,「配達時刻」,「受取時刻」,「商品ID」,「配達商品名」,「数量」,「販売価格」,及び、「小計」のフィールドを、有している。
ここで、「顧客ID」は、顧客を識別するために各顧客に一意に割り当てられた識別情報である顧客IDが記録されるフィールドである。また、「顧客氏名」は、顧客の氏名が記録されるフィールドである。また、「配達年月日」及び「配達時刻」は、顧客の販売の依頼に基づいて商品が顧客の家の玄関先などに配達された時の年月日及び時刻がそれぞれ記録されるフィールドである。また、「受取時刻」は、顧客が商品を受け取った時刻が記録されるフィールドである。
また、「商品ID」は、商品を識別するために各商品に一意に割り当てられた商品識別情報である商品IDが記録されるフィールドである。また、「配達商品名」及び「数量」は、顧客の販売の依頼に基づいて配達された商品の名称及びその数量がそれぞれ記録されるフィールドである。また、「販売価格」は、顧客の家に配達された商品の販売価格が記録されるフィールドである。また、「小計」は、配達年月日及び配達時刻が同じであるレコードのうち、そのレコード中の販売価格とそのレコードよりも前の全てのレコード中の販売価格とを足し合わせた累積販売価格が、記録されるフィールドである。
なお、図3の販売情報管理データベース13中のレコードは、前述した各フィールドの他に、例えば、顧客の住所,顧客の電話番号,顧客の電子メールアドレスを記録するためのフィールドを有していても良い。この販売情報管理データベース13に記録される情報は、上記宅配業者によってその業務に利用される。
電子タグ20は、顧客の家に配達される商品を管理するために商品に貼り付けられる装置である。図4は、電子タグ20の内部構成図である。電子タグ20は、温度センサ20a,コイルアンテナ20b,制御回路20c,及び、不揮発性メモリ20dを、備えている。
温度センサ20aは、電子タグ20が貼り付けられた商品の温度を測定することによって、その温度を示す電子データを温度情報として生成する機器である。なお、この温度センサ20aの測定点は、電子タグ20の筐体のうち、商品に対して当て付けられる当接部材に対し、接している。その当接部材は、銅や銀やアルミニウムのような熱伝導率の高い材料からなる。
コイルアンテナ20bは、保冷状態監視装置30との間で電波の遣り取りを行うための回路である。また、このコイルアンテナ20bは、保冷状態監視装置30から発信される電波によって誘導起電力を生じ、制御回路20cへ電力を供給する。
制御回路20cは、コイルアンテナ20bを介して保冷状態監視装置30から受信した情報に基づいて、温度センサ20aが生成する温度情報を保冷状態監視装置30へ送信し、或いは、不揮発性メモリ20dに対する情報の書き込み及び読み出しを行う回路である。
不揮発性メモリ20dは、EEPROM[Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory]やFeRAM[Ferroelectric Random Access Memory]である。本実施形態では、この不揮発性メモリ20dは、商品情報管理テーブル21及び温度履歴管理テーブル22を、記憶している。
商品情報管理テーブル21は、電子タグ20が貼り付けられた商品に関する情報を記録しておくためのテーブルである。図5は、この商品情報管理テーブル21のデータ構造の一例を示す図である。図5の商品情報管理テーブル21は、一つのレコードを有している。そのレコードは、「商品ID」,「商品名」,「測定間隔」,「保証時間」,「第1上限温度」,「第1上限時間」,「第2上限温度」,「第2上限時間」,「第3上限温度」,「上限累積温度」,「第1条件適用回数」,「第2条件適用回数」,「第3条件適用回数」,「合計値」,「正規価格」,「1」,「2」,…,「9」,「10以上」,及び、「販売価格」のフィールドを、有している。
ここで、「商品ID」は、電子タグ20が貼り付けられた商品の商品IDが記録されるフィールドである。また、「商品名」は、電子タグ20が貼り付けられた商品の名称が記録されるフィールドである。また、「測定間隔」は、電子タグ20が貼り付けられた商品の温度を測定するタイミングの時間間隔が測定間隔として記録されるフィールドである。また、「保証時間」は、電子タグ20が貼り付けられた商品が適正な温度で保存されることを上記宅配業者が保証する時間が記録されるフィールドである。
また、「第1上限温度」及び「第1上限時間」は、電子タグ20が貼り付けられた商品の傷みが進行したことを判断するための第1条件として上記宅配業者が設定した第1上限温度及び第1上限時間がそれぞれ記録されるフィールドである。なお、後述するように、保冷状態監視装置30内のプログラムは、その商品の温度が第1上限温度を超過している時間が第1上限時間以上である場合に、第1条件を満足したと判断する。
また、「第2上限温度」及び「第2上限時間」は、電子タグ20が貼り付けられた商品の傷みが進行したことを判断するための第2条件として上記宅配業者が設定した第2上限温度及び第2上限時間がそれぞれ記録されるフィールドである。なお、第1条件の場合と同様に、保冷状態監視装置30内のプログラムは、その商品の温度が第2上限温度を超過している時間が第2上限時間以上である場合に、第2条件を満足したと判断する。
また、「第3上限温度」及び「上限蓄積温度」は、電子タグ20が貼り付けられた商品の傷みが進行したことを判断するための第3条件として上記宅配業者が設定した第3上限温度及び上限蓄積温度がそれぞれ記録されるフィールドである。なお、後述するように、保冷状態監視装置30内のプログラムは、この第3条件は、その商品の温度が第3上限温度を超過している期間内における温度の累積が上限蓄積温度以上である場合に、第3条件を満足したと判断する。
また、「第1条件適用回数」は、第1条件を満たした回数を示す整数値が記録されるフィールドであり、「第2条件適用回数」は、第2条件を満たした回数を示す整数値が記録されるフィールドであり、「第3条件適用回数」は、第3条件を満たした回数を示す整数値が記録されるフィールドである。また、「合計値」は、第1条件適用回数,第2条件適用回数,及び、第3条件適用回数を合計して得られる整数値が合計値として記録されるフィールドである。なお、「合計値」フィールドは、前述した記憶部に相当する。また、電子タグ20の利用が開始された初期状態では、「第1条件適用回数」,「第2条件適用回数」,「第3条件適用回数」,及び、「合計値」のフィールドの値は、何れも、ゼロに設定される。
また、「正規価格」は、電子タグ20が貼り付けられた商品の正規の価格が記録されるフィールドである。「1」,「2」,…,「9」,「10以上」は、電子タグ20が貼り付けられた商品の傷みの段階を示す上記合計値に応じた値引き額を決定するための値引率がそれぞれ記録されるフィールドである。なお、「1」,「2」,…,「9」,「10以上」のフィールド名は、それぞれ、上記合計値である。本実施形態では、合計値が1,2,3,…と増加する毎に、値引率が1割,2割,3割,…と増加するように設定されている。また、合計値が10以上である場合には、値引率は10割に固定されている。
また、「販売価格」は、電子タグ20が貼り付けられた商品の正規の価格から値引き額を差し引いて得られる価格が記録されるフィールドである。その値引き額は、「合計値」フィールド中の値に対応する割引率をその正規価格に乗じて得られる額である。なお、電子タグ20の利用が開始された初期状態では、この「販売価格」フィールドの値は、正規価格と同じ価格に設定される。
一方、温度履歴管理テーブル22は、温度センサ20aによって定期的に生成される温度情報を蓄積しておくためのテーブルである。図6は、温度履歴管理テーブル22のデータ構造の一例を示す図である。図6の温度履歴管理テーブル22は、商品の温度の測定回数と同じ数のレコードを、有している。各レコードは、「測定時間」,「測定温度」,「第1検出済フラグ」,「第2検出済フラグ」,及び、「第3検出済フラグ」のフィールドを、有している。
ここで、「測定時間」は、商品の温度の測定を開始した時刻からそのレコード中の温度を取得した時刻までの経過時間が分単位で記録されるフィールドである。また、「測定温度」は、その回の測定にて得られた温度が記録されるフィールドである。
また、「第1検出済フラグ」は、そのレコードが上記第1条件を満足したと判断するための情報として利用されたか否かを示す情報である第1検出済フラグが記録されるフィールドである。なお、「0」の第1検出済フラグは、そのレコードが上記第1条件を満足したと判断するための情報として未だ利用されていないこと示し、「1」の第1検出済フラグは、そのような情報として既に利用されたことを示す。
また、「第2検出済フラグ」は、そのレコードが上記第2条件を満足したと判断するための情報として利用されたか否かを示す情報である第2検出済フラグが記録されるフィールドであり、「第3検出済フラグ」は、そのレコードが上記第3条件を満足したと判断するための情報として利用されたか否かを示す情報である第3検出済フラグが記録されるフィールドである。第2検出済フラグ及び第3検出済フラグは、何れも、第1検出済フラグと同様に、「0」である場合には、そのレコードが上記第2条件及び第3条件を満足したと判断するための情報として未だ利用されていないこと示し、「1」である場合には、そのような情報として既に利用されたことを示す。
保冷状態監視装置30は、図1に示されるように、上面が開放された有底な直方体状の保冷箱Cに取り付けられることによって、この保冷箱Cと一体になっている。保冷箱Cの内面及びその蓋の内面には、発泡スチロール等の断熱材が貼り付けられており、保冷箱Cに蓋がされると、保冷箱C内が密閉され、内部温度が外部温度の影響を受けなくなる。保冷状態監視装置30は、この保冷箱C内に収められた商品の保冷状態を監視するための装置である。図7は、保冷状態監視装置30の内部構成図である。
保冷状態監視装置30は、CPU30a,SRAM[Static Random Access Memory]30b,ボタン入力装置30c,時計装置30d,電子タグ読取装置30e,電子タグ書込装置30f,無線通信装置30g,出力装置30h,及び、フラッシュメモリ30iを、備えている。
CPU10aは、保冷状態監視装置30全体を制御するための中央処理装置である。SRAM30bは、CPU30aが各種プログラムを実行するに際しての作業領域が展開される主記憶装置である。
ボタン入力装置30cは、操作者からの入力を受け付けるための装置である。本実施形態では、ボタン入力装置30cは、電子タグ20を通じた商品の温度測定の開始を指示するための開始ボタン,及び、温度測定の終了を指示するための終了ボタンを、備えている。
時計装置30dは、時刻を計時することにより、時刻に同調したタイミングにてパルス信号をCPU30aへ出力する装置である。
電子タグ読取装置30eは、電子タグ20が記憶する情報を読み取るための装置であり、一般にリーダーと称されている。具体的には、この電子タグ読取装置30eは、電子タグ20に対して不揮発性メモリ20d内の情報を出力させるための電波を発信し、その応答信号として電子タグ20から電波を受信できた場合に、その応答信号の示すデータを情報として取得する。
電子タグ書込装置30fは、電子タグ20の不揮発性メモリ20dに情報を書き込むための装置であり、一般にライターと称されている。具体的には、この電子タグ書込装置30fは、電子タグ20に対して情報の記録を指示する信号を電波の形態で発信し、その応答信号として電子タグ20から電波を受信できた場合に、記録すべき情報をその電子タグ20へ送信する。
なお、電子タグ読取装置30e及び電子タグ書込装置30fは、前述した電子タグ通信部に相当する。
無線通信装置30gは、ネットワークN上のルータとの間でデータの送受信を無線にて行うための装置である。その無線通信は、無線電話回線を利用するものあっても良いし、無線LAN[Local Area Network]を利用するものであっても良い。
出力装置30hは、CPU30aによって生成された画像データに基づく画像を出力するための装置であり、具体的には、感熱紙プリンタ等の印字装置,又は、液晶ディスプレイ等の表示装置である。
フラッシュメモリ30iは、データやプログラムを記録するための記憶装置である。このフラッシュメモリ30iには、OSプログラム31及び制御プログラム32が、記録されている。OSプログラム31は、ハードウエアとソフトウエアとを統合的に管理するためのプログラムである。
制御プログラム32は、保冷箱C内に収められた商品の保冷状態を監視するための装置としてコンピュータを機能させるプログラムである。この制御プログラム32を読み込んだCPU30aによって実行される処理の内容については、後述する。
なお、本実施形態においては、保冷状態監視装置30は、上記宅配業者の顧客に対し、一つずつ用意されている。そして、各保冷状態監視装置30のフラッシュメモリ30iには、その保冷状態監視装置30を利用する顧客の顧客IDが、事前に記録される。
以下、以上のように構成される配達商品管理システムにおける保冷状態監視装置30が実行する処理の内容について、説明する。
保冷状態監視装置30のCPU30aは、主電源が投入されると、図示せぬブートプログラムやOSプログラム31をフラッシュメモリ30iから読み込んで初期化処理を行い、その後、フラッシュメモリ30i内の制御プログラム32を読み込んで、制御処理を実行する。図8は、制御処理の内容を示すフローチャートである。
制御処理の開始後、最初のステップS101では、CPU30aは、ボタン入力装置30cの有する開始ボタンが押下されるまで、待機する(S101;NO)。そして、開始ボタンが押下されたと判断すると(S101;YES)、CPU30aは、ステップS102へ処理を進める。
ステップS102では、CPU30aは、時計装置30dから出力されるパルスに基づいて、開始ボタンが押下された時の時刻を配達時刻として取得し、SRAM30bに記録する。記録後、CPU30aは、ステップS103へ処理を進める。
ステップS103では、CPU30aは、電子タグ読取装置30eを通じて保冷箱C内の全ての電子タグ20に指示を出力することにより、各電子タグ20の不揮発性メモリ20d内の商品情報管理テーブル21の「保証時間」及び「測定間隔」フィールドに記録される保証時間及び測定間隔を、SRAM30bに読み込む。読み込んだ後、CPU30aは、ステップS104へ処理を進める。
ステップS104では、CPU30aは、ステップS103において各電子タグ20から読み込んだ保証時間のうち最大の保証時間を選択し、続いて、ステップS102において取得した配達時間に対して選択後の保証時間を加算することによって得られる時刻を、保冷箱C内の各商品を適正に保冷し続けなければならい期限を示す保証時刻として、決定する。決定後、CPU30aは、ステップS105へ処理を進める。
ステップS105では、CPU30aは、時計装置30dから出力されるパルスに基づいて取得される現在時刻が上記保証時刻に到達しているか否かを、判別する。そして、現在時刻が上記保証時刻に到達していないと判断した場合(S105;NO)、CPU30aは、ステップS106へ処理を進める。
ステップS106では、CPU30aは、ボタン入力装置30cの有する終了ボタンが押下されたか否かを、判別する。そして、終了ボタンが押下されていないと判断した場合(S106;NO)、CPU30aは、ステップS107へ処理を進める。
ステップS107では、CPU30aは、この時点が処理タイミングであるか否かを、判別する。すなわち、CPU30aは、配達時刻から現在時刻までの時間が、ステップS103において全ての電子タグ20から読み出した測定間隔のうちの最も小さい測定間隔の倍数であるか否かを、判別する。そして、CPU30aは、この時点が処理タイミングでないと判断した場合(S107;NO)、ステップS105へ処理を戻し、この時点が処理タイミングであると判断した場合(S107;YES)、ステップS108へ処理を進める。
ステップS108では、CPU30aは、電子タグ読取装置30eを通じて各電子タグ20に指示を出力することにより、各電子タグ20の不揮発性メモリ20d内の商品情報管理テーブル21及び温度履歴管理テーブル22のコピーを、SRAM30bに読み込む。
このステップS108の実行後、CPU30aは、保冷箱C内の全ての電子タグ20を一つずつ順に処理対象として特定することにより、各電子タグ20に対し、第1処理ループL1中のステップS151〜S154を実行する。
ステップS151では、CPU30aは、処理対象の電子タグ20にとってこの時点が処理タイミングであるか否かを、判別する。すなわち、CPU30aは、配達時刻から現在時刻までの時間が、ステップS103において全ての電子タグ20から読み出した測定間隔のうちの処理対象電子タグ20の測定間隔の倍数であるか否かを、判別する。そして、CPU30aは、処理対象の電子タグ20にとってこの時点が処理タイミングでないと判断した場合(S151;NO)、この処理対象電子タグ20に対する第1処理ループL1の実行を終了し、処理対象の電子タグ20にとってこの時点が処理タイミングであると判断した場合(S151;YES)、ステップS152へ処理を進める。
ステップS152では、CPU30aは、電子タグ読取装置30eを通じて処理対象の電子タグ20に指示を出力することにより、処理対象の電子タグ20の温度センサ20aから温度情報を取得する。取得後、CPU30aは、ステップS153へ処理を進める。
ステップS153では、CPU30aは、電子タグ読取装置30eを通じて処理対象の電子タグ20に指示を出力することにより、電子タグ20の不揮発性メモリ20d内の温度履歴管理テーブル22に、新たなレコードを追加記録する。この新たなレコードは、配達時刻から現在時刻までの時間を「測定時間」フィールドに有し、ステップS152において取得した温度情報を「測定温度」フィールドに有し、「第1検出済フラグ」,「第2検出済フラグ」,及び、「第3検出済フラグ」フィールドに何れも「0」を有するレコードである。また、CPU30aは、ステップS108において処理対象電子タグ20からSRAM30b内に読み込んでおいた温度履歴管理テーブル22にも、このようなレコードを追加する。追加後、CPU30aは、ステップS154へ処理を進める。
ステップS154では、CPU30aは、保冷状態記録処理を実行する。図9及び図10は、保冷状態記録処理の内容を示すフローチャートである。
保冷状態記録処理の開始後、最初のステップS201では、CPU30aは、SRAM30b内の処理対象電子タグ20の温度履歴管理テーブル22に基づいて、処理対象電子タグ20が貼り付けられた商品が第1上限温度以上である状態を第1上限時間以上継続しているか否かを、判別する。具体例を挙げて説明するならば、本実施形態では、図5に示されるように、測定間隔が15分であり、第1上限温度が摂氏20度であり、第1上限時間が30分であることから、CPU30aは、SRAM30b内の処理対象電子タグ20の温度履歴管理テーブル22における最新の二個のレコードに含まれる温度情報の示す温度が何れも摂氏20度を超えているか否かを、判別する。但し、これら二個のレコードの「第1検出済フラグ」フィールドの値は、何れも「0」でなければならない。
そして、処理対象電子タグ20が貼り付けられた商品が第1上限温度以上である状態を第1上限時間以上継続していると判断した場合(S201;YES)、CPU30aは、ステップS202へ処理を進める。
ステップS202では、CPU30aは、電子タグ読取装置30eを通じて処理対象電子タグ20に指示を出力することにより、その電子タグ20内の温度履歴管理テーブル22における該当レコードに含まれる第1検出済フラグを、「0」から「1」へ切り替える。上記具体例で言えば、CPU30aは、処理対象電子タグ20の温度履歴管理テーブル22内の最新の二個のレコードの「第1検出済フラグ」フィールドの値を何れも「1」へ切り替える。第1検出済フラグを切り替えた後、CPU30aは、ステップS203へ処理を進める。
ステップS203では、CPU30aは、電子タグ読取装置30eを通じて処理対象電子タグ20に指示を出力することにより、処理対象電子タグ20内の商品情報管理テーブル21のレコードの「第1条件適用回数」及び「合計値」フィールドの値を、それぞれ「1」だけインクリメントする。インクリメントした後、CPU30aは、ステップS204へ処理を進める。
一方、ステップS201において、処理対象電子タグ20が貼り付けられた商品が第1上限温度以上である状態を第1上限時間以上継続していないと判断した場合(S201;NO)、CPU30aは、ステップS204へ処理を進める。
ステップS204では、CPU30aは、SRAM30b内の処理対象電子タグ20の温度履歴管理テーブル22に基づいて、処理対象電子タグ20が貼り付けられた商品が第2上限温度以上である状態を第2上限時間以上継続しているか否かを、判別する。具体例を挙げて説明するならば、本実施形態では、図5に示されるように、測定間隔が15分であり、第2上限温度が摂氏15度であり、第2上限時間が60分であることから、CPU30aは、SRAM30b内の温度履歴管理テーブル22における最新の四個のレコードに含まれる温度情報の示す温度が何れも摂氏15度を超えているか否かを、判別する。但し、これら四個のレコードの「第2検出済フラグ」フィールドの値は、何れも「0」でなければならない。
そして、処理対象電子タグ20が貼り付けられた商品が第2上限温度以上である状態を第2上限時間以上継続していると判断した場合(S204;YES)、CPU30aは、ステップS205へ処理を進める。
ステップS205では、CPU30aは、電子タグ読取装置30eを通じて処理対象電子タグ20に指示を出力することにより、その電子タグ20内の温度履歴管理テーブル22における該当レコードに含まれる第2検出済フラグを、「0」から「1」へ切り替える。上記具体例で言えば、CPU30aは、処理対象電子タグ20の温度履歴管理テーブル22内の最新の四個のレコードの「第2検出済フラグ」フィールドの値を何れも「1」へ切り替える。第2検出済フラグを切り替えた後、CPU30aは、ステップS206へ処理を進める。
ステップS206では、CPU30aは、電子タグ読取装置30eを通じて処理対象電子タグ20に指示を出力することにより、処理対象電子タグ20内の商品情報管理テーブル21のレコードの「第2条件適用回数」及び「合計値」フィールドの値を、それぞれ「1」だけインクリメントする。インクリメントした後、CPU30aは、ステップS207へ処理を進める。
一方、ステップS204において、処理対象電子タグ20が貼り付けられた商品が第2上限温度以上である状態を第2上限時間以上継続していないと判断した場合(S204;NO)、CPU30aは、ステップS207へ処理を進める。
ステップS207では、CPU30aは、SRAM30b内の処理対象電子タグ20の温度履歴管理テーブル22に基づいて、処理対象電子タグ20が貼り付けられた商品が第3上限温度以上である状態を継続していて、且つ、その継続中の累積温度が上限累積時間以上であるか否かを、判別する。具体例を挙げて説明するならば、本実施形態では、図5に示されるように、第3上限温度が摂氏10度であることから、CPU30aは、まず、SRAM30b内の処理対象電子タグ20の温度履歴管理テーブル22における新しいレコードから古いレコードへと順に、そのレコードに含まれる温度情報の示す温度が摂氏10度を超えているかを確認する。続いて、CPU30aは、摂氏10度を下回ったレコードが現れたところで、そのレコードの直前のレコードから新しいレコードまでの温度情報の示す温度を全て加算することによって、累積温度を算出する。その後、CPU30aは、上限累積時間が図5に示されるように摂氏150度であることから、その累積温度が150度以上であるか否かを、判別する。
そして、処理対象電子タグ20が貼り付けられた商品が第3上限温度以上である状態を継続していて、且つ、その継続中の累積温度が上限累積温度以上であると判断した場合(S207;YES)、CPU30aは、ステップS208へ処理を進める。
ステップS208では、CPU30aは、電子タグ読取装置30eを通じて処理対象電子タグ20に指示を出力することにより、処理対象電子タグ20内の温度履歴管理テーブル22における該当レコードに含まれる第3検出済フラグを、「0」から「1」へ切り替える。上記具体例で言えば、CPU30aは、処理対象電子タグ20内の温度履歴管理テーブル22における累積温度を算出する元となった全てのレコードの「第3検出済フラグ」フィールドの値を「1」へ切り替える。第3検出済フラグを切り替えた後、CPU30aは、ステップS209へ処理を進める。
ステップS209では、CPU30aは、電子タグ読取装置30eを通じて処理対象電子タグ20に指示を出力することにより、処理対象電子タグ20内の商品情報管理テーブル21のレコードの「第3条件適用回数」及び「合計値」フィールドの値を、それぞれ「1」だけインクリメントする。インクリメントした後、CPU30aは、ステップS210へ処理を進める。
なお、ステップS201〜S209を実行するCPU30aは、前述した判定部に相当する。
ステップS210では、CPU30aは、電子タグ読取装置30eを通じて処理対象電子タグ20に指示を出力することにより、処理対象電子タグ20内の商品情報管理テーブル21のレコードの「合計値」フィールドに記録される合計値を読み出し、この合計値がSRAM30b内の処理対象電子タグ20の商品情報管理テーブル21のそれと一致しているか否かを、判別する。すなわち、CPU30aは、合計値が一度でもインクリメントされたか否かを、判別する。そして、CPU30aは、状況値合計がこのステップS210に至るまでに一度もインクリメントされていないと判断した場合(S210;NO)、この図10の保冷状態検出処理を終了して、この処理対象の電子タグ20に対する第1処理ループL1を終了し、合計値がこのステップS210に至るまでに一度でもインクリメントされていると判断した場合(S210;YES)、ステップS211へ処理を進める。
ステップS211では、CPU30aは、SRAM30b内の処理対象電子タグ20の商品情報管理テーブル21を参照することによって、この合計値に対応する割引率と正規価格とを特定し、続いて、これらを乗じることによって値引き額を算出し、その後、正規価格から値引き額を差し引くことによって、販売価格を算出する。算出後、CPU30aは、ステップS212へ処理を進める。
ステップS212では、CPU30aは、電子タグ読取装置30eを通じて処理対象電子タグ20に指示を出力することにより、処理対象電子タグ20内の商品情報管理テーブル21のレコードの「販売価格」フィールドの値に、ステップS211において算出した販売価格を上書きする。記録後、CPU30aは、ステップS213へ処理を進める。
ステップS213では、CPU30aは、SRAM30b内における処理対象電子タグ20についての商品情報管理テーブル21及び温度履歴管理テーブル22を削除する。削除後、CPU30aは、図10の保冷状態記録処理を終了して、この処理対象の電子タグ20に対する第1処理ループL1を終了する。
そして、CPU30aは、保冷箱C内の全ての電子タグ20のそれぞれについて、前述した第1処理ループL1を実行した後、ステップS105へ処理を戻す。
なお、ステップS105〜S108及び第1処理ループL1からなる処理ループを実行するCPU30aは、前述した温度情報取得部に相当する。
そして、ステップS105〜S108及び第1処理ループL1からなる処理ループの実行中、現在時刻が上記保証時刻に到達していると判断した場合(S105;YES)、CPU30aは、ステップS105からS109へ処理を分岐させる。
また、ステップS105〜S108及び第1処理ループL1からなる処理ループの実行中、ボタン入力装置30cの有する終了ボタンが押下されたと判断した場合(S106;YES)、CPU30aは、ステップS106からS109へ処理を分岐させる。
ステップS109では、CPU30aは、電子タグ読取装置30eを通じて保冷箱C内の全ての電子タグ20に指示を出力することにより、電子タグ20の不揮発性メモリ20d内の商品情報管理テーブル21及び温度履歴管理テーブル22のコピーを、SRAM30bに読み込む。読み込んだ後、CPU30aは、ステップS110へ処理を進める。
ステップS110では、CPU30aは、情報出力処理を実行する。図11は、情報出力処理の内容を示すフローチャートである。
情報出力処理の開始後、最初のステップS301では、CPU30aは、ステップS105〜S108及び第1処理ループL1からなる処理ループからの処理の分岐が終了ボタンの押下によるものであるか否かを、判別する。つまり、CPU30aは、保冷箱C内に収められている商品を顧客が受け取るために終了ボタンを押下したか否かを、判別する。そして、処理ループからの処理の分岐が終了ボタンの押下によるものであると判断した場合(S301;YES)、CPU30aは、ステップS302へ処理を進める。
ステップS302では、CPU30aは、時計装置30dから出力されるパルスに基づいて、終了ボタンが押下された時点の時刻を受取時刻として取得し、SRAM30bに記録する。
このステップS302の実行後、CPU30aは、保冷箱C内の全ての電子タグ20を一つずつ順に処理対象として特定することにより、各電子タグ20に対し、第2処理ループL2中のステップS351〜S354を実行する。
ステップS351では、CPU30aは、処理対象電子タグ20からSRAM30bに読み込まれている商品情報管理テーブル21の「販売価格」フィールド内の販売価格が、「正規価格」フィールド内の正規価格と一致するか否かを、判別する。そして、販売価格が正規価格と一致していると判断した場合(S351;YES)、CPU30aは、ステップS352へ処理を進める。
ステップS352では、CPU30aは、SRAM30b内の処理対象電子タグ20の商品情報管理テーブル21に含まれる商品ID,商品名,及び、販売価格と、SRAM30b内に記録されている配達時刻及び受取時刻と、HDD30i内の顧客IDとを、ネットワークNを介して配達情報管理装置10へ送信するように、無線通信装置30gに指示する。なお、配達情報管理装置10のCPU10aは、これら情報を受信すると、記録プログラム12に従って、その情報中の顧客IDに対応する販売情報管理データベース13に、残りの情報を記録する。このステップS352の実行後、CPU30aは、この処理対象電子タグ20に対する第2処理ループL2の実行を終了する。
一方、ステップS351において、販売価格が正規価格と一致していないと判断した場合(S351;NO)、CPU30aは、ステップS353へ処理を進める。
ステップS353では、CPU20aは、SRAM30b内の処理対象電子タグ20の商品情報管理テーブル21に含まれる商品ID,商品名,及び、販売価格と、SRAM30b内に記録されている配達時刻及び受取時刻と、HDD30i内の顧客IDとを、ネットワークNを介して配達情報管理装置10へ送信するように、無線通信装置30gに指示する。指示後、CPU30aは、ステップS354へ処理を進める。
ステップS354では、CPU30aは、保管状況通知画像を出力する。具体的には、CPU30aは、SRAM30b内の処理対象電子タグ20の温度履歴管理テーブル22に基づいて、画像データを生成し、その画像データに基づいて、保管状況通知画像を、出力装置30hを通じて出力する。図12は、この保管状況通知画像の一例を示す図である。図12に示されるように、保管状況通知画像には、第1条件,第2条件,第3条件を満たす現象がそれぞれ何回発生したかを示す情報、及び、販売価格が正規価格から値引きされている旨が、記述されている。このような保管状況通知画像を出力した後、CPU30aは、この処理対象電子タグ20に対する第2処理ループL2の実行を終了する。なお、ステップS354を実行するCPU30aと出力装置30hとは、前述した出力部に相当する。
そして、CPU30aは、保冷箱C内の全ての電子タグ20のそれぞれについて、前述した第2処理ループL2を実行した後、図11の情報出力処理を終了するとともに、図8の制御処理を終了する。
一方、ステップS301において、ステップS105〜S108及び第1処理ループL1からなる処理ループからの処理の分岐が終了ボタンの押下によるものでないと判断した場合、すなわち、保冷箱C内の商品を顧客が受け取る前に適正な保冷状態を保証する保証期間が経過してしまった場合(S301;NO)、CPU30aは、ステップS303へ処理を進める。
ステップS303では、CPU30aは、時計装置30dから出力されるパルスに基づいて、保証期間が経過した時の時刻を保証期間経過時刻として取得し、SRAM30bに記録する。記録後、CPU30aは、ステップS304へ処理を進める。
ステップS304では、CPU30aは、SRAM30b内の全ての商品情報管理テーブル21に含まれる商品ID及び商品名と、SRAM30b内に記録されている配達時刻及び保証期間経過時刻と、HDD30i内の顧客IDとを、ネットワークNを介して配達情報管理装置10へ送信するように、無線通信装置30gに指示する。指示後、CPU30aは、ステップS305へ処理を進める。なお、ステップS304を実行するCPU30aは、保証終了通知部に相当する。
ステップS305では、CPU30aは、保証期間経過通知画像を出力する。具体的には、CPU30aは、SRAM30b内の保証期間経過時刻に基づいて、画像データを生成し、その画像データに基づいて、保証期間経過通知画像を、出力装置30hを通じて出力する。その保証期間経過通知画像には、保証期間経過時刻までに顧客が商品を受け取らなかったために商品の適正な保冷状態を保証できなくなる旨が、記述されている。このような保証期間経過通知画像を出力した後、CPU30aは、図11の情報出力処理を終了するとともに、図8の制御処理を終了する。
なお、ステップS305を実行するCPU30aと出力装置30hとは、保証期間経過通知部に相当する。また、ステップS352,S353,及び、S304を実行するCPU30aと、無線通信装置30gとは、情報送信部に相当する。
以上に示されるような処理が保冷状態監視装置30において実行されるため、本実施形態の配達商品管理システムは、以下に記述するように、作用する。
顧客から商品の販売を依頼された宅配業者は、まず、その顧客に販売する商品にそれぞれ電子タグ20を貼り付けた後、各商品と、その顧客用の保冷状態監視装置30及び保冷箱Cと、よく冷やした保冷剤とを、その顧客の家へ配達する。そして、その顧客が外出していて家を留守にしていた場合には、宅配業者は、保冷箱C内に各商品と保冷剤とを収めて蓋をし、保冷状態監視装置30の開始ボタンを押下して、その顧客の家の玄関先などに置く。
すると、保冷状態監視装置30は、開始ボタンが押下されたときの時刻を配達時刻として記録するとともに(S101,S102)、商品の適正な保冷状態を保証する期間の終了時刻を保証時刻としてを決定する(S103,S104)。その後、保冷状態監視装置30は、保証時刻が経過するか、終了ボタンが押下されるまで、保冷箱C内の全ての商品のそれぞれについて、定期的に温度を測定する(S105〜S108,L1,S151〜S154)。
また、保冷状態監視装置30は、各商品の温度を定期的に測定する際には、前述した第1条件,第2条件,及び、第3条件を満たしているかを確認し(S154,S201〜S209)、これら三つの条件のうちの一つを満足する毎に、その商品の販売価格を徐々に値下げする(S210〜S212)。
そして、外出先から家に戻ってきた顧客が保冷箱C内の商品を受け取るために終了ボタンを押下すると(S106;YES)、保冷状態監視装置30は、保冷箱C内の全ての商品のそれぞれについての温度測定を終了し、各電子タグ20に記録しておいた各種情報を配達情報管理装置10へ送信する(S109,S110,S301,S302,L2,S351〜S353)。
このとき、販売価格が正規価格から値下げされている商品がある場合には、顧客は、出力装置30hにて出力される画像(紙面に印字された画像、又は、表示画面に表示された画像)を通じて、傷んだ商品があることを知ることができる(S354)。
また、顧客が帰宅せずに保証時刻までに商品を受け取らなかった場合には、保冷状態監視装置30は、その保証時刻の経過後に、保冷箱C内の商品の温度測定を終了し(S105;YES)、保証期間が経過した時刻を配達情報管理装置10へ通知する(S109,S110,S301;NO,S303〜S305)。この後、帰宅してきた顧客は、保冷箱Cから取り出そうとする商品の鮮度が保証されていないことを、出力装置30hにて出力される画像を通じて、知ることとなる(S305)。
以上に示されるように作用するために、本実施形態の配達商品管理システムによれば、顧客は、商品を受け取った時には、その商品の傷みの程度を示す情報が提示されるので、その商品の傷みがどの程度であるかを、直ぐに判断することができる。
(付記1)
数値を記憶する記憶部,
商品に直接装着されるとともに、その商品の温度を測定することによって温度情報を生成する温度センサを有する電子タグ,
前記電子タグとの間で情報通信を行う電子タグ通信部,
前記商品が保冷されている間に、前記電子タグ通信部を介して前記電子タグから温度情報を定期的に取得する温度情報取得部,
前記温度情報取得部が定期的に取得した各温度情報の示す温度が1つ以上の条件のうちの何れかを満たす毎に、前記記憶部内の数値を増加させる判定部,及び、
前記商品の保冷が終了した際に、前記記憶部内の数値の増加に比例して変化する数値情報を、その商品の傷みの程度を示す情報として提示する出力部
を備えることを特徴とする保冷状態監視装置。
(付記2)
前記判定部は、前記各温度情報の示す温度が所定の上限温度を超過している連続期間が存在している場合においてその連続期間が所定の上限時間を超過しているときを、前記記憶部内の数値を増加させる条件に、含んでいる
ことを特徴とする付記1記載の保冷状態監視装置。
(付記3)
前記判定部は、前記記憶部内の数値を増加させる条件に、前記上限温度及び前記上限時間が互いに異なる複数の条件を、含んでいる
ことを特徴とする付記2記載の保冷状態監視装置。
(付記4)
前記判定部は、前記各温度情報の示す温度が所定の上限温度を超過している連続期間が存在している場合においてその連続期間中の累積温度が所定の上限累積温度を超過しているときを、前記記憶部内の数値を増加させる条件に、含んでいる
ことを特徴とする付記1,2又は3記載の保冷状態監視装置。
(付記5)
前記出力部によって提示される数値情報は、前記記憶部が記憶する数値の増加に比例して増加する値引き額をその商品の正規価格から差し引くことによって得られる額である
ことを特徴とする付記1乃至4の何れかに記載の保冷状態監視装置。
(付記6)
内部温度が外部温度の影響を受けないようにするための断熱材と内部を密閉するための蓋とを有する保冷箱に対して取り付けられることによって、この保冷箱と一体となっている
ことを特徴とする付記1乃至5の何れかに記載の保冷状態監視装置。
(付記7)
前記記憶部は、前記商品を識別するための商品識別情報を更に記憶し、
前記商品の保冷が終了した際に、前記記憶部が記憶する商品識別情報を、前記記憶部内の数値の増加に比例して変化する数値情報とともに、ネットワークを介して、販売した商品に関する情報を管理するためのコンピュータへ送信する情報送信部
を更に備えることを特徴とする付記1乃至6の何れかに記載の保冷状態監視装置。
(付記8)
前記商品を適正な温度にて保冷すべき期間が経過することによって、その商品の保冷が終了した際に、前記商品が適正に保冷されることを保証する期間を経過した旨を提示する保証期間経過通知部
を更に備えることを特徴とする付記1乃至7の何れかに記載の保冷状態監視装置。
(付記9)
前記記憶部は、その商品を識別するための商品識別情報を更に記憶し、
前記商品の保冷が終了した際に、前記記憶部が記憶する商品識別情報を、その商品が適正な温度にて保冷されることを保証する保証期間が経過した時刻を示す時刻情報とともに、ネットワークを介して、販売した商品に関する情報を管理するためのコンピュータへ送信する保証終了通知部
を更に備えることを特徴とする付記1乃至8の何れかに記載の保冷状態監視装置。
本発明の実施形態である配達商品管理システムの概略図 配達情報管理装置の内部構成図 販売情報管理データベースのデータ構造の一例を示す図 電子タグの内部構成図 商品情報管理テーブルのデータ構造の一例を示す図 温度履歴管理テーブルのデータ構造の一例を示す図 保冷状態監視装置の内部構成図 制御処理の内容を示すフローチャート 保冷状態記録処理の内容を示すフローチャート 保冷状態記録処理の内容を示すフローチャート 情報出力処理の内容を示すフローチャート 保管状況通知画像の一例を示す図
符号の説明
10 配達情報管理装置
10a CPU
10b RAM
10c 通信アダプタ
10d HDD
12 記録プログラム
13 販売情報管理データベース
20 電子タグ
20a 温度センサ
20b コイルアンテナ
20c 制御回路
20d 不揮発性メモリ
21 商品情報管理テーブル
22 温度履歴管理テーブル
30 保冷状態監視装置
30a CPU
30b SRAM
30c ボタン入力装置
30d 時計装置
30e 電子タグ読取装置
30f 電子タグ書込装置
30g 無線通信装置
30h 出力装置
30i フラッシュメモリ
32 制御プログラム

Claims (5)

  1. 保冷箱内に収められた1個以上の商品の保冷状態をそれぞれ監視するためにその保冷箱に設置される保冷状態監視装置であって、
    前記商品にそれぞれ直接装着されるとともにその装着されている商品の温度を測定することによって温度情報を生成する温度センサと数値を記憶する記憶部とを有する電子タグとの間で情報通信を行う電子タグ通信部、
    前記商品が前記保冷箱内で保冷されている間に、前記電子タグ通信部を介して前記電子タグから温度情報を定期的に取得する温度情報取得部、
    前記温度情報取得部が定期的に取得した各温度情報の示す温度が1つ以上の条件のうちの何れかを満たす毎に、その温度情報に対応する電子タグの記憶部内の数値を増加させる判定部、及び、
    前記商品の保冷が終了した際に、各前記商品の電子タグから、その記憶部内の数値の増加に比例して変化する数値情報を取得し取得した各前記商品の数値情報を、その商品の傷みの程度を示す情報として提示する提示部
    を備えることを特徴とする保冷状態監視装置。
  2. 前記判定部は、前記各温度情報の示す温度が所定の上限温度を超過している連続期間が存在している場合においてその連続期間が所定の上限時間を超過しているときを、前記記憶部内の数値を増加させる条件に、含んでいる
    ことを特徴とする請求項1記載の保冷状態監視装置。
  3. 前記判定部は、前記記憶部内の数値を増加させる条件に、前記上限温度及び前記上限時間が互いに異なる複数の条件を、含んでいる
    ことを特徴とする請求項2記載の保冷状態監視装置。
  4. 前記判定部は、前記各温度情報の示す温度が所定の上限温度を超過している連続期間が存在している場合においてその連続期間中の累積温度が所定の上限累積温度を超過しているときを、前記記憶部内の数値を増加させる条件に、含んでいる
    ことを特徴とする請求項1、2又は3記載の保冷状態監視装置。
  5. 各前記電子タグは、前記記憶部内に記憶する数値が採り得る幾つかの値のそれぞれについて、その値に対応する割引率を、テーブルに記憶するとともに、
    前記判定部は、前記電子タグの記憶部内の数値を増加させるごとに、その電子タグのテーブルから、記憶部内の数値に対応する割引率を読み出して、読み出した割引率に基づいて販売価格を算出して、その電子タグに記録し、
    前記出力部は、各前記商品の電子タグからその商品の販売価格を取得して、各前記商品の販売価格を提示する
    ことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の保冷状態監視装置。
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