JP4200032B2 - Polymerization curable composition - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、優れたフォトクロミック特性と優れた強度特性を兼ね備えた新規なフォトクロミック硬化体を与える重合硬化性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
フォトクロミック眼鏡とは、太陽光のような紫外線を含む光が照射される屋外ではレンズが速やかに着色してサングラスとして機能し、そのような光の照射がない屋内においては退色して透明な通常の眼鏡として機能する眼鏡であり、近年その需要は増大している。
【0003】
フォトクロミック性を有するプラスチックレンズの製造方法の一つとして、モノマーにフォトクロミック化合物を溶解させそれを重合させることにより直接フォトクロミックレンズを得る方法(以下、練り込み法という)が知られている。
【0004】
該方法は、フォトクロミック性の付与をレンズ成形と同時に行なうものであり、一旦レンズを成形してから後でフォトクロミック性を付与するための処理を行なう方法と比べて一段階でフォトクロミック性プラスチックレンズが得られるという利点を有している。
【0005】
フォトクロミック性はフォトクロミック化合物が光エネルギーを吸収して可逆的な構造変化を起すことにより発現するのであるが、練り込み法で得られるフォトクロミック性プラスチックレンズにおいては、フォトクロミック化合物が樹脂マトリックス中に分散しているため、発色濃度や退色速度といったフォトクロミック特性に関してフォトクロミック化合物が本来有する特性を十分に発揮できないことが多い。これは、モノマー溶液中に比べてこのようなマトリックス中では自由空間が圧倒的に小さいためこのような構造変化が制約を受け易いという理由によるもので、特に硬度及び耐熱性の高い樹脂マトリックスに高分子量のフォトクロミック化合物を分散させた場合にその傾向は顕著である。たとえば、プラスチックレンズ基材として汎用されている樹脂組成物に分子量300以上のフォトクロミック化合物を分散させた場合には、フォトクロミック化合物の退色半減期は大幅に長くなり(退色速度が大幅に遅くなり)、樹脂マトリックス中の退色速度はモノマー溶液中の退色速度の50倍以上になってしまう。
【0006】
このような問題のない、即ち優れたフォトクロミック特性を有し硬度及び耐熱性が高いフォトクロミック性硬化体を与える樹脂組成物としては、(A)単独重合したときに得られる重合体のLスケールロックウエル硬度が40以下である重合性モノマー、(B)単独重合したときに得られる重合体のLスケールロックウエル硬度が60以上である3官能以上の重合性モノマー、(C)単独重合したときに得られる重合体のLスケールロックウエル硬度が60以上である2官能の重合性モノマー及び(D)フォトクロミック化合物を含んでなる重合硬化性組成物(以下、従来組成物ともいう)が知られている(特許文献1参照)。
【0007】
【特許文献1】
国際公開第01/05854号パンフレット
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来組成物は練り込み法でフォトクロミック性プラスチックレンズを製造する際の原料組成物として極めて有用なものであるが、該組成物を硬化させて得られた硬化体を最近流行しているリムレス眼鏡(レンズに直接穴をあけてフレームを固定した縁のない眼鏡)用に用いようとする場合には、ドリルを用いて穿孔加工する際に亀裂が入ったり、或いは穿孔加工時に特に問題がない場合でも固定されたフレームに負荷をかけると固定部のレンズが破損したりするという問題が発生することが明らかとなった。
【0009】
そこで、本発明は、発色濃度が高く、退色速度が速いといった優れたフォトクロミック特性を示し、しかも硬度や耐熱性が高いといった優れた基材特性を有すると同時に、リムレス眼鏡に使用できる強度(靭性)をも兼ね備えたフォトクロミック性プラスチックレンズを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意検討した。その結果、上記従来組成物を硬化させて得られる硬化体中には未重合モノマーが3%程度残存していることが判明した。そこで、上記問題の原因が未重合モノマーの存在によるのではないかと考え、架橋点を構成するモノマーとして単独重合したときに得られる重合体のLスケールロックウエル硬度が60以上である3官能以上の重合性モノマー{従来組成物における成分(B)を使用し、且つ架橋点間をつなぐ分子鎖を構成する多官能モノマーとして官能基(重合性基)間の分子鎖が適度に長いものを使用することにより、架橋点近傍が剛性の高い分子鎖で構成され更に架橋点の間隔が適度に長い架橋体とすれば、架橋点間の分子鎖の剛性にさほど左右されず良好なフォトクロミック特性を発現させるための自由空間を確保することができると同時に立体障害により反応できない重合性基(官能基)の数を減らすことができ、結果として残存モノマー量も低減できるのではないかという仮説に基づき種々検討を行なった。その結果、上記成分(B)のうち特定のモノマーと官能基間が適度に長い多官能モノマーとを併用し、光重合により均一に高重合させることによって、所期のフォトクロミック性硬化体を得ることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
即ち、第一の本発明は、
(I) 下記式(1)
【0012】
【化3】
【0013】
{式中、R1は水素原子又はメチル基であり、基−R2−は−CH2CH2O−、−CH2CH(CH3)O−又は−C(=O)CH2CH2CH2CH2CH2O−で表される基であり、R3は3〜6価の有機残基であり、aは0〜3の整数であり、bは3〜6の整数である。}
で表される多官能重合性モノマー、
(II) (i)下記式(2)
【0014】
【化4】
【0015】
{式中、R4及びR5はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基であり、R6及びR7はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜2のアルキル基であり、基−X−は−O−、−S−、−S(=O)2−、−C(=O)−O−、−CH2−、−CH=CH−又は−C(CH3)2−で表される基であり、m及びnはm+nが6〜30となる整数である。}
で表される2官能重合性モノマーと( ii )その分子量(M)を分子中に存在する重合性基の数(v)で除した値(M/v)が300以上である2〜6官能重合性ウレタンオリゴマ ーとを組み合わせたもの、又は
( i )前記式(2)で表される2官能重合性モノマーと( iii )その分子量(M)を分子中に存在する重合性基の数(v)で除した値(M/v)が300以上である2〜6官能重合性ポリエステルオリゴマーとを組み合わせたもの
(III) フォトクロミック化合物及び
(IV) 光重合開始剤
を含有してなる重合硬化性組成物であって、当該重合硬化性組成物中に含まれる全重合性モノマー及び重合性オリゴマーの総重量を基準とする前記成分(I)及び前記成分(II)の含有量がそれぞれ10〜60重量%及び20〜90重量%であることを特徴とする重合硬化性組成物である。
【0016】
上記本発明の重合性組成物を光重合することにより、フォトクロミック特性、硬度および強度(靭性)が高いという、優れた特徴を有する硬化体を得ることができる。このような優れた特徴は、その樹脂マトリックスがフォトクロミック化合物のフォトクロミック特性を低下させない(例えば退色速度に対応する退色半減期を長くしない)ような十分な自由空間を有し、かつ架橋近傍が剛直な分子鎖からなりさらに残存モノマーの含有量が極めて少ないという特異な構造に由来するものであるが、残念ながらこのような構造を現在利用可能な分析手段を用いて直接的に特定することは困難であり、物性を用いて特定せざるを得ない。上記のような特異な構造を有する硬化体はこれまで知られておらず、それ自体が特許性を有すると考えられる。
【0017】
即ち、第二の本発明は、前記重合硬化性組成物を光重合して得られる硬化体あり、第三の発明は、前記硬化体からなる光学物品である。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の重合硬化性組成物で使用する(I)下記式(1)
【0019】
【化5】
【0020】
{式中、R1は水素原子又はメチル基であり、基−R2−は−CH2CH2O−、−CH2CH(CH3)O−又は−C(=O)CH2CH2CH2CH2CH2O−で表される基であり、R3は3〜6価の有機残基であり、aは0〜3の整数であり、bは3〜6の整数である。}
で表される多官能重合性モノマーは、前記特許文献1に開示されている従来組成物における(B)成分、すなわち、単独重合したときに得られる重合体のLスケールロックウエル硬度が60以上である3官能以上の重合性モノマーに該当する。前記(1)で示される多官能重合性モノマーのうち、好適に使用できるものを具体的に例示すれば、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタントリメタクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、トリメチロールプロパントリエチレングリコールトリメタクリレート、トリメチロールプロパントリエチレングリコールトリアクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、カプロラクタン変性ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、カプロラクタン変性ジトリメチロールプロパンテトラメタクリレート、カプロラクタン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等を挙げることができる。
【0021】
なお、ここでいうLスケールロックウェル硬度とは、JIS K7202に基づき決定される値であって、具体的には、硬化体試験片の表面に径6.350mmの剛球からなる圧子を用いて、基準荷重である10Kgfを加え、次に試験荷重である60Kgfを加え、再び基準荷重に戻したとき、前後2回の基準荷重における圧子の浸入深さの差h(単位mm)から、130−500hという計算式により求めた値である。
【0022】
本発明の組成物における成分(I)の含有量は、該組成物中に含まれる全重合性モノマー及び重合性オリゴマーの総重量を基準として10〜60重量%の範囲である必要がある。成分(I)の含有量が10重量%未満の場合には、十分なフォトクロミック特性が得られず、その含有量が60重量%を超える場合には、リムレス眼鏡に必要とされる強度(靭性)が得られない。両者のバランスを考慮すると、成分(I)の含有量は、前記式(1)にけるR1がメチル基で、かつaが0のものでは、10〜30重量%、特に15〜25重量%であり、それ以外のものでは、30〜60重量%、特に40〜60重量%であるのが好適である。
【0023】
本発明の組成物は、成分(II)として、その分子量(M)を分子中に存在する重合性基の数(v)で除した値(M/v)が300以上である多官能重合性モノマー若しくは多官能重合性オリゴマーを含有する。成分(I)と成分(II)を併用することにより、強度を高く保ちながら自由空間を広くすることができ、さらに立体障害により重合できない官能基(重合性基)の量を低減して残存モノマー量を少なくすることが可能になる。
【0024】
本発明の組成物中における成分(II)の含有量は、リムレス眼鏡に必要とされる強度(靭性)を確保する観点から、組成物中に含まれる全重合性モノマー及び重合性オリゴマーの総重量を基準として20〜90重量%、特に40〜80重量%の範囲であるのが好適である。
【0025】
成分(II)に含まれる多官能重合性モノマー若しくはオリゴマーは、下記に詳述する式(2)で表される2官能重合性モノマーとその分子量(M)を分子中に存在する重合性基の数(v)で除した値(M/v)が300以上である2〜6官能重合性ウレタンオリゴマーとを組み合わせたもの、又は、式(2)で表される2官能重合性モノマーとその分子量(M)を分子中に存在する重合性基の数(v)で除した値(M/v)が300以上である2〜6官能重合性ポリエステルオリゴマーとを組み合わせたものである。なお、(II)に該当する多官能重合性モノマー、若しくはオリゴマーについてこれを単独重合したときのLスケールロックウェル硬度は特に限定されないが、(II)に該当するものを単独重合したときのLスケールロックウェル硬度は40以下となる{即ち、従来組成物の成分(A)に該当するものとなる}ことが多い。
【0026】
多官能重合性モノマー若しくはオリゴマー(II)としては、入手の容易さ、及び特に強度(靭性)に優れた硬化体が得られるという理由から、下記式(2)
【0027】
【化6】
【0028】
{式中、R4及びR5はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基であり、R6及びR7はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜2のアルキル基であり、基−X−は−O−、−S−、−S(=O)2−、−C(=O)−O−、−CH2−、−CH=CH−又は−C(CH3)2−で表される基であり、m及びnはm+nが6〜30となる整数である。}
で表される2官能重合性モノマーが好適に使用できる。
【0029】
好適に使用できるものを具体的に例示すれば、2,2−ビス[4−(メタクリロイロキシポリエトキシ)フェニル]プロパン(m+nの平均値が10のもの)、同(m+nの平均値が30のもの)、2,2−ビス[4−(アクリロイロキシポリエトキシ)フェニル]プロパン(m+nの平均値が10のもの)、2,2−ビス[4−(メタクリロイロキシポリプロポキシ)フェニル]プロパン(m+nの平均値が10のもの)、ビス[4−(メタクリロイロキシポリエトキシ)フェニル]メタン(m+nの平均値が10のもの)、ビス[4−(メタクリロイロキシポリエトキシ)フェニル]スルホン(m+nの平均値が10のもの)等が挙げられる。
【0030】
これらは、単独のものを使用しても良いし、2種類以上のものを混合して使用しても良い。
【0031】
また、多官能重合性モノマー若しくはオリゴマー(II)としては、同じく入手の容易さ、及び特に強度(靭性)に優れた硬化体が得られるという理由から、2〜6官能重合性ポリウレタンオリゴマー、2〜6官能重合性ポリエステルオリゴマーも好適に使用できる。
【0032】
ここでいう2〜6官能重合性ポリウレタンオリゴマーとは、種々のジイソシアネート、ポリオールより合成されたポリウレタン骨格に残ったイソシアネート基に、ヒドロキシアクリル酸、若しくはヒドロキシメタクリル酸を付加させたものである。なお、ジイソシアネートの具体例としては、トリレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。また、ポリオールの具体例としては、ポリプロピレンオキサイドジオール、コポリエチレンオキサイド−プロピレンオキサイドジオール、ポリテトラメチレンオキサイドジオール、エトキシ化ビスフェノールA、エトキシ化ビスフェノールSスピログリコール、カプロラクトン変性ジオール、カーボネートジオール、ポリエステルジオール等が挙げられる。
【0033】
2〜6官能重合性ポリウレタンオリゴマーは、単独のものを使用しても良いし、2種類以上のものを混合して使用しても良い。
【0034】
次に、ここでいう2〜6官能重合性ポリエステルオリゴマーとは、種々のポリオールと多塩基酸より合成されたポリエステル骨格に残った水酸基に、アクリル酸、若しくはメタクリル酸を縮合させたものである。なお、ポリオールの具体例としては、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等、多塩基酸の具体例としては、無水フタル酸、アジピン酸、トリメリット酸等が挙げられる。
【0035】
2〜6官能重合性ポリエステルオリゴマーは、単独のものを使用しても良いし、2種類以上のものを混合して使用しても良い。
【0036】
本発明において、多官能重合性モノマー若しくはオリゴマー(II)は、上記の通り、上記式(2)で表される2官能重合性モノマーと2〜6官能重合性ポリウレタンオリゴマーの組み合わせたもの、又は、上記式(2)で表される2官能重合性モノマーと2〜6官能重合性ポリエステルオリゴマーの組み合わせたものである。このうち、フォトクロミック特性とリムレス眼鏡に使用し得る強度(靭性)とのバランスの観点から、上記式(2)で表される2官能重合性モノマーと2〜6官能重合性ポリウレタンオリゴマーの組み合わせが最も好ましい。
【0037】
本発明の組成物には重合性モノマーとして、前記成分(I)および(II)以外にも、フォトクロミック化合物の分解防止等の目的でこれらに該当しない重合性モノマー(他のモノマー)を含んでいてもよい。当該他のモノマーの含有量は組成物中に含まれる全重合性モノマー若しくはオリゴマーの総重量を基準として0〜50重量%、特に5〜30重量%であるのが好適である。
【0038】
本発明で好適に使用される他のモノマーを具体的に例示すれば、フォトクロミック化合物の分解防止の目的で使用されるものとして、グリジジルメタクリレート、グリシジルアクリレート等;フォトクロミック特性の向上の目的で使用されるものとして、メトキシノナエチレングリコールメタクリレート、ステアリルメタクリレート、フェノキシヘキサエチレングリコールアクリレート、ラウリルアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ノナエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ノナエチレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート等を挙げることができる。
【0039】
本発明の組成物においては、得られる硬化体の物性バランスの観点から該硬化体に含まれる全重合性モノマー若しくはオリゴマーの組成は、成分(I)10〜40重量%、成分(II)20〜90重量%、他のモノマー0〜50重量%であるのが好適で、特に成分(I)15〜25重量%、成分(II)50〜80重量%、他のモノマー5〜30重量%であるのが好適である。
【0040】
本発明の組成物で成分(III)として使用するフォトクロミック化合物は特に限定されず公知のフォトクロミック化合物が使用できるが、分子量が200以上、特に500以上の高分子量フォトクロミック化合物を用いたときに本発明の効果(特に硬化体としたときに良好なフォトクロミック特性を示すという効果)が顕著であることからこのようなフォトクロミック化合物を使用するのが好適である。
【0041】
例えば、前記従来組成物の(D)成分として好適に使用できるものとしてクロメン化合物、フルギミド化合物、スピロオキサジン化合物等が何ら制限なく使用できる。これらの中でも、クロメン化合物は、フォトクロミック特性が他の系列の化合物よりも高く、又発色濃度、退色速度等も優れているため、特に好適に使用することができる。本発明で好適に使用できるフォトクロミック化合物を具体的に例示すれば、次のようなものを挙げることができる。なお、これら化合物は単独で使用することもできるが、通常は発色時の色調を調整するため複数の化合物を併用することが多い。
【0042】
【化7】
【0043】
分子量376
【0044】
【化8】
【0045】
分子量515
【0046】
【化9】
【0047】
分子量522
【0048】
【化10】
【0049】
分子量547
【0050】
【化11】
【0051】
分子量561
【0052】
【化12】
【0053】
分子量568
【0054】
【化13】
【0055】
分子量673
【0056】
【化14】
【0057】
分子量681
本発明の組成物に含まれる(III)フォトクロミック化合物の量は特に限定されないが、均一分散性の観点から、組成物中の全重合性モノマー若しくはオリゴマー100重量部に対して0.001〜5重量部、特に0.01〜2重量部であるのが好適である。
【0058】
本発明の組成物で成分(IV)として使用する光重合開始剤は特に限定されず公知の光重合開始剤が使用できる。本発明で好適に使用できる光重合開始剤を具体的に例示すればベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、ベンゾフェノール、アセトフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−イソプロピルチオキサントン、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド等を挙げることができる。この中でも、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド等のアシルフォスフィンオキサイド系のものが好ましい。
【0059】
本発明の組成物に含まれる(IV)光重合開始剤の量は特に限定されないが、重合を十分に進行させ、かつ過剰な光重合開始剤を硬化体中に残さないとの観点から、組成物中の全重合性モノマー若しくはオリゴマー100重量部に対して0.001〜5重量部、特に0.005〜1重量部であるのが好適である。
【0060】
本発明の組成物においては、光重合開始剤と熱重合開始剤を併用することもできる。好適に使用できる熱重合開始剤としては、ベンゾイルパーオキサイド、p−クロロベンゾイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド;t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシジカーボネート、クミルパーオキシネオデカネート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート等のパーオキシエステル;ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−sec−ブチルオキシカーボネート等のパーカーボネート類;2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カーボニトリル)等のアゾ化合物等を挙げることができる。熱重合開始剤を併用する場合における当該熱重合開始剤の使用量は特に限定されないが、重合を十分に進行させ、かつ過剰な熱重合開始剤を硬化体中に残さないとの観点から組成物中の全重合性モノマー若しくはオリゴマー100重量部に対して0.01〜10重量部、特に0.05〜3重量部であるのが好適である。
【0061】
本発明の組成物には、本発明の効果を阻害しない範囲内で、フォトクロミック化合物の耐久性の向上、発色速度の向上、退色速度の向上や成形性の向上のために、添加剤を更に添加することもできる。好適に使用できる添加剤としては、界面活性剤、酸化防止剤、ラジカル捕捉剤、紫外線安定剤、紫外線吸収剤、離型剤、着色防止剤、帯電防止剤、蛍光染料、染料、顔料、香料等を挙げることができる。
【0062】
界面活性剤の添加量は、組成物中の全重合性モノマー若しくはオリゴマー100重量部に対して0〜20重量部、酸化防止剤、ラジカル捕捉剤、紫外線安定剤、紫外線吸収剤、離型剤、着色防止剤、帯電防止剤、蛍光染料、染料、顔料、香料等の添加量は、組成物中の全重合性モノマー若しくはオリゴマー100重量部に対して0〜2重量部であるのが好適である。
【0063】
本発明の組成物を製造する方法は特に限定されず、所定量の各成分を秤り取り適宜混合すればよい。混合の順序等も特に限定されない。このようにして調製される本発明の組成物は、光重合させる又は光重合した後加熱して熱重合を行なうことによりフォトクロミック特性、硬度および強度(靭性)が高いと優れた特徴を有する硬化体を与える。
【0064】
本発明の組成物を硬化させる方法は、光重合による方法であれば特に限定されず、従来の光硬化型プラスチックレンズを製造するのと同様の方法により行なうことができる。例えば、以下のような方法により好適に硬化させることができる。
【0065】
即ち、まず本発明の重合硬化性組成物をエラストマーガスケット又はスペーサー等で保持されているモールド間に注入し、メタルハライドランプ、中圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、殺菌ランプ、キセノンランプ、タングステンランプ、蛍光灯等を光源として、活性エネルギー線を照射することにより硬化する。なお、活性エネルギー線の照射に当たっては、フォトクロミック化合物による活性エネルギー線の吸収(一般に、380〜400nm程度の紫外線を吸収することにより発色する)を防止するために、例えば400nm以下の波長をカットするために紫外線カットフィルターを使用するのが好適である。
【0066】
このようにして本発明の組成物を硬化して得られる硬化体は、その特異な構造に由来する下記[1]〜[3]に示すような各種物性等で特徴付けられる新規な本発明の硬化体を含む。
[1] 硬化体中のフォトクロミック化合物の退色半減期が、溶液中の該フォトクロミック化合物の退色半減期の10倍以内、好ましくは7倍以内、特に好ましくは5倍以内である。なお、上記フォトクロミック化合物溶液の溶媒は特に限定されないが、基準となる溶媒としてエチレングリコールジメチルエーテルを挙げることができる。また、硬化体における退色半減期を絶対値で表せば、4分以内、好適には2分以内である。なお、ここで退色半減期とは、後述する実施例で定義されるように、光照射してフォトクロミック化合物を発色状態にした後に光照射を止めたときに、前記最大波長における吸光度が発色時の1/2まで低下するのに要する時間を意味し、退色速度の指標となる値である。
[2] 硬化体のLスケールロックウェル硬度が70以上である。
[3] 硬化体中に含まれる残存重合性モノマー量が2重量%以下、好ましくは1重量%以下である。
【0067】
退色半減期が溶液中におけるフォトクロミック化合物(混合物である場合を含む)における退色半減期の10倍以内であることは、硬化体中の樹脂マトリックスが、フォトクロミック化合物が可逆的な構造変化をするのに十分な広さの自由空間を有することを意味する。また、Lスケールロックウェル硬度は、硬化体の耐熱性と相関しており、本硬度が70以上であることは、後述するハードコート剤の処理等、比較的高温を必要とする加工において、変形等の問題を起こす可能性が少ないことを意味する。また、硬化体の中に含まれる残存重合性モノマーは硬化体の強度(靭性)を低下させる原因となるものであり、残存重合性モノマー量が少ないことは硬化体が本来有する強度(靭性)を示し得ることを意味する。残存重合性モノマー量は、硬化体をボールミル等で粉砕し、塩化メチレン等のハロゲン系溶剤で抽出した後、ガスクロマトグラフ法、高速液体クロマトグラフ法、ゲルパーミエーションクロマトグラフ法等で定量することにより求めることができる。また、強度(靭性)の評価は、以下に定義される引張り強度で行うことができる。
【0068】
引張り強度:硬化体を用いて厚さ2mm、直径5cmφの円板状の試験片を成形した後に該円板状試験片の直径となる線上に周縁からそれぞれ4mmの点を中心とした直径2mmφの2つの穴をドリル加工により穿孔し、得られた2つの穿孔に夫々直径1.6mmφのステンレス製の棒を貫通せしめ、試験片を貫通した状態でこれら2本の棒を夫々引張り試験機の上下のチャックに固定し、5mm/分の速度で引張り試験を行なったときの引張り強度。
【0069】
なお、リムレス眼鏡に使用し得る引張り強度は、20Kgf以上、好ましくは25Kgf以上であり、引張り強度が20Kgf以上であることは、リムレス眼鏡のモニター使用において良好な結果を示すこと及び硬化体の任意の位置にドリル加工により直径2mmφの穴を2100rpmの回転数で激しく(目安として、1穴/1秒以内の速度で)穿孔した時に、大きなクラックが入らない(クラックの長さが0.4mm以内に収まる)ことに対応している。
【0070】
本発明の硬化体は、このような優れた特徴を有するため、光学物品特にリムレス眼鏡用のフォトクロミック性プラスチックレンズとして特に好適に使用できる。本発明の硬化体をこのような用途に使用する場合には、必要に応じて表面加工を施すことができる。即ち、シランカップリング剤やケイ素、ジルコニウム、アンチモン、アルミニウム、スズ、タングステン等のゾル成分を主成分とするハードコート剤の処理、SiO2、TiO2、ZrO2等の金属酸化物の薄膜の蒸着や有機高分子の薄膜の塗布による反射防止処理等である。
【0071】
【実施例】
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0072】
以下に実施例で使用した化合物の略号と化学名を示す。
1)重合性モノマー及びオリゴマー
成分(I)
TMPT:トリメチロールプロパントリメタクリレート
AD−TMP−4CL:カプロラクタン変性ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート。
【0073】
成分(II)
BPE−500:2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシポリエトキシフェニル)プロパン(m+nは10、M/v=402)
U−1084:ポリウレタンオリゴマーテトラアクリレート(M/v=440)
EB−1830:ポリエステルオリゴマーヘキサアクリレート(M/v=300)。
【0074】
その他のモノマー
BPE−100:2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシエトキシフェニル)プロパン(m+nは2.6、M/v=239)
GMA:グリシジルメタクリレート。
【0075】
2)フォトクロミック化合物
クロメン1:下記構造の化合物(該化合物のエチレングリコールジメチルエーテル溶液における退色半減期は0.4分である。)
【0076】
【化15】
【0077】
3)光重合開始剤
イルガキュア819:ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド。
【0078】
4)熱重合開始剤
パーブチルIB:t−ブチルパーオキシイソブチレート。
【0079】
以下に、得られた硬化体のフォトクロミック特性及び強度特性の評価方法を示す。
【0080】
1)フォトクロミック特性
得られた硬化体(厚み2mm)に、浜松ホトニクス製のキセノンランプL−2480(300W)SHL−100をエアロマスフィルター(コーニング社製)を介して20℃±1℃、重合体表面でのビーム強度365nm=2.4mW/cm2,245nm=24μW/cm2で120秒間照射して発色させ、前記試料のフォトクロミック特性を測定した。各フォトクロミック特性は次の方法で評価した。
【0081】
(1)最大吸収波長(λmax): (株)大塚電子工業製の分光光度計(瞬間マルチチャンネルフォトディテクターMCPD1000)により求めた発色後の最大吸収波長である。該最大吸収波長は、発色時の色調に関係する。
【0082】
(2) 発色濃度{ε(120)−ε(0)}: 前記最大吸収波長における、120秒間光照射した後の吸光度{ε(120)}と上記ε(0)との差。この値が高いほどフォトクロミック性が優れているといえる。
【0083】
(3) 退色半減期〔t1/2(min.)〕: 120秒間光照射後、光の照射を止めたときに、試料の前記最大波長における吸光度が{ε(120)−ε(0)}の1/2まで低下するのに要する時間。この時間が短いほど退色速度が速くフォトクロミック性が優れているといえる。
【0084】
2)強度特性
得られた硬化体を用いて厚さ2mm、直径5cmφの円板状の試験片を成形した後に該円板状試験片の直径となる線上に周縁からそれぞれ4mmの点を中心とした直径2mmφの2つの穴をドリル加工により穿孔し、得られた2つの穿孔に夫々直径1.6mmφのステンレス製の棒を貫通せしめ、試験片を貫通した状態でこれら2本の棒を夫々引張り試験機の上下のチャックに固定し、5mm/分の速度で引張り試験を行なったときの引張り強度を測定した。
【0085】
参考例1
TMPT30重量部、BPE−500 60重量部、GMA10重量部を十分混合した。これにクロメン1を0.04重量部、光重合開始剤としてイルガキュア819を0.01重量部添加し遮光下で十分に混合した。この混合液をガラスモールドとエチレン−酢酸ビニル共重合体からなるガスケットで構成された鋳型の中に注入した。これに、メタルハライドランプを2分間照射した。照射終了後、硬化体を鋳型のガラスモールドから取り外した。
【0086】
得られた硬化体のフォトクロミック特性及び強度特性の評価結果を表1に示した。なお、本硬化体の残存重合性モノマー量は0.5%であった。また表1におけるモノマー溶液の退色半減期とは硬化させる前の混合溶液(硬化性組成物)における退色半減期を意味する。
【0087】
【表1】
【0088】
実施例1
TMPT25重量部、BPE−500 45重量部、U−1084 20重量部、GMA10重量部を十分混合した。これにクロメン1を0.04重量部、光重合開始剤としてイルガキュア819を0.01重量部添加し遮光下で十分に混合した。この混合液をガラスモールドとエチレン−酢酸ビニル共重合体からなるガスケットで構成された鋳型の中に注入した。これに、メタルハライドランプを2分間照射した。照射終了後、硬化体を鋳型のガラスモールドから取り外した。
【0089】
得られた硬化体のフォトクロミック特性及び強度特性の評価結果を表1に示した。
【0090】
実施例2
TMPT25重量部、BPE−500 45重量部、EB−1830 20重量部、GMA10重量部を十分混合した。これにクロメン1を0.04重量部、光重合開始剤としてイルガキュア819を0.01重量部添加し遮光下で十分に混合した。この混合液をガラスモールドとエチレン−酢酸ビニル共重合体からなるガスケットで構成された鋳型の中に注入した。これに、メタルハライドランプを2分間照射した。照射終了後、硬化体を鋳型のガラスモールドから取り外した。
【0091】
得られた硬化体のフォトクロミック特性及び強度特性の評価結果を表1に示した。
【0092】
参考例2
TMPT20重量部、BPE−100 30重量部、BPE−500 40重量部(BPE−100のモル数(a1)とBPE−500のモル数(a2)との比(a1/a2)は1.26である)、GMA10重量部を十分混合した。これにクロメン1を0.04重量部、光重合開始剤としてイルガキュア819を0.01重量部、熱重合開始剤としてパーブチルIBを0.5重量部添加し遮光下で十分に混合した。この混合液をガラス板とエチレン−酢酸ビニル共重合体からなるガスケットで構成された鋳型の中に注入した。これに、メタルハライドランプを2分間照射した。照射終了後、90℃で5時間熱重合させた後、硬化体を鋳型のガラス型から取り外した。
【0093】
得られた硬化体のフォトクロミック特性及び強度特性の評価結果を表1に示した。
【0094】
参考例3
AD−TMP−4CL 50重量部、BPE−500 40重量部、GMA10重量部を十分混合した。これにクロメン1を0.04重量部、光重合開始剤としてイルガキュア819を0.01重量部、熱重合開始剤としてパーブチルIBを0.5重量部添加し遮光下で十分に混合した。この混合液をガラス板とエチレン−酢酸ビニル共重合体からなるガスケットで構成された鋳型の中に注入した。これに、メタルハライドランプを2分間照射した。照射終了後、90℃で5時間熱重合させた後、硬化体を鋳型のガラス型から取り外した。
【0095】
得られた硬化体のフォトクロミック特性及び強度特性の評価結果を表1に示した。
【0096】
比較例1(成分(II)を使用しない系)
TMPT10重量部、BPE−100 80重量部、GMA10重量部を十分混合した。これにクロメン1を0.04重量部、光重合開始剤としてイルガキュア819を0.01重量部添加し遮光下で十分に混合した。この混合液をガラスモールドとエチレン−酢酸ビニル共重合体からなるガスケットで構成された鋳型の中に注入した。これに、メタルハライドランプを2分間照射した。照射終了後、硬化体を鋳型のガラスモールドから取り外した。
【0097】
得られた硬化体のフォトクロミック特性及び強度特性の評価結果を表1に示した。
【0098】
比較例2(成分(I)及び成分(II)の配合割合が特定の割合から外れる系)
TMPT70重量部、BPE−500 20重量部、GMA10重量部を十分混合した。これにクロメン1を0.04重量部、光重合開始剤としてイルガキュア819を0.01重量部添加し遮光下で十分に混合した。この混合液をガラスモールドとエチレン−酢酸ビニル共重合体からなるガスケットで構成された鋳型の中に注入した。これに、メタルハライドランプを2分間照射した。照射終了後、硬化体を鋳型のガラスモールドから取り外した。
【0099】
得られた硬化体のフォトクロミック特性及び強度特性の評価結果を表1に示した。
【0100】
比較例3(光重合を使用しない系)
TMPT20重量部、BPE−100 30重量部、BPE−500 40重量部(BPE−100のモル数(a1)とBPE−500のモル数(a2)との比(a1/a2)は1.26である)、GMA10重量部を十分混合した。これにクロメン1を0.04重量部、熱重合開始剤としてパーブチルIBを0.5重量部添加し十分に混合した。この混合液をガラス板とエチレン−酢酸ビニル共重合体からなるガスケットで構成された鋳型の中に注入した。90℃で15時間熱重合させた後、硬化体を鋳型のガラス型から取り外した。
【0101】
得られた硬化体のフォトクロミック特性及び強度特性の評価結果を表1に示した。なお、本硬化体の残存重合性モノマー量は4.5%であった。
【0102】
このように、特定の重合性モノマー若しくはオリゴマーを特定の割合で含む重合硬化性組成物を光によって硬化することにより、フォトクロミック特性および強度(靭性)の両物性を満足する硬化体が得られることが分かる。一方、特定の重合性モノマー若しくはオリゴマーを用いない重合硬化性組成物、あるいは、特定の重合性モノマー若しくはオリゴマーを用いても、特定の配合割合から外れた重合硬化性組成物においては、フォトクロミック特性に劣る、あるいは強度(靭性)が不足するなどの問題を生じる。また、特定の重合性モノマー若しくはオリゴマーを特定の割合で含む重合硬化性組成物であっても、光ではなく、熱で硬化すると、やはり強度(靭性)が不足するなどの問題を生じる。
【0103】
【発明の効果】
本発明の重合硬化性組成物は、発色濃度が高く、退色速度が速いといったフォトクロミック特性に優れ、しかも硬度、耐熱性、耐衝撃性といった基材特性も優れると同時に、リムレス眼鏡に使用し得る強度(靭性)をも併せ持つフォトクロミック硬化体を得ることができる。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a polymerization curable composition that provides a novel photochromic cured product having both excellent photochromic properties and excellent strength properties.
[0002]
[Prior art]
Photochromic glasses are lenses that quickly color and function as sunglasses when exposed to light containing ultraviolet rays such as sunlight. These glasses function as glasses, and their demand is increasing in recent years.
[0003]
As one method for producing a plastic lens having photochromic properties, a method of directly obtaining a photochromic lens by dissolving a photochromic compound in a monomer and polymerizing it (hereinafter referred to as a kneading method) is known.
[0004]
In this method, the photochromic property is imparted at the same time as the molding of the lens, and a photochromic plastic lens is obtained in one step as compared with a method in which the lens is once molded and then processed to impart the photochromic property. Has the advantage of being
[0005]
Photochromic properties are expressed when a photochromic compound absorbs light energy and causes a reversible structural change. However, in a photochromic plastic lens obtained by a kneading method, the photochromic compound is dispersed in a resin matrix. Therefore, in many cases, the characteristics inherent to the photochromic compound cannot be exhibited sufficiently with respect to the photochromic characteristics such as the color density and the fading speed. This is because the free space is overwhelmingly smaller in such a matrix than in the monomer solution, and the structural change is likely to be constrained. This is especially true for resin matrices with high hardness and heat resistance. This tendency is remarkable when a photochromic compound having a molecular weight is dispersed. For example, when a photochromic compound having a molecular weight of 300 or more is dispersed in a resin composition that is widely used as a plastic lens base material, the photochromic compound has a significantly longer fading half-life (a fading speed is greatly reduced) The fading speed in the resin matrix is 50 times or more than the fading speed in the monomer solution.
[0006]
As a resin composition that gives a photochromic cured product having no such problem, that is, excellent photochromic properties and high hardness and heat resistance, (A) L scale Rockwell hardness of the polymer obtained when homopolymerized Is a polymerizable monomer having an L scale Rockwell hardness of 60 or more, and (C) a polymer obtained by homopolymerization. A polymerization curable composition (hereinafter also referred to as conventional composition) comprising a bifunctional polymerizable monomer having a combined L-scale Rockwell hardness of 60 or more and (D) a photochromic compound is known (Patent Document 1). reference).
[0007]
[Patent Document 1]
International Publication No. 01/05854 Pamphlet
[0008]
[Problems to be solved by the invention]
The above-mentioned conventional composition is extremely useful as a raw material composition for producing a photochromic plastic lens by a kneading method, but a rimless eyeglass that has recently been popularized as a cured product obtained by curing the composition. When it is intended to be used for (glasses without edges with a hole in the lens and a frame fixed), when drilling with a drill, or when there is no particular problem during drilling However, it has become clear that when a load is applied to the fixed frame, the lens of the fixed part is damaged.
[0009]
Therefore, the present invention exhibits excellent photochromic properties such as high color density and high fading speed, and has excellent substrate properties such as high hardness and heat resistance, and at the same time, strength (toughness) that can be used for rimless glasses. An object is to provide a photochromic plastic lens having both of the above.
[0010]
[Means for Solving the Problems]
The present inventors diligently studied to achieve the above object. As a result, it was found that about 3% of unpolymerized monomer remained in the cured product obtained by curing the conventional composition. Therefore, it is thought that the cause of the above problem is due to the presence of unpolymerized monomers, and the polymer obtained when homopolymerized as a monomer constituting a crosslinking point has a L-scale Rockwell hardness of 60 or more and a trifunctional or more functional polymerization. Monomer (using the component (B) in the conventional composition and having a reasonably long molecular chain between the functional groups (polymerizable groups) as the polyfunctional monomer constituting the molecular chain connecting the crosslinking points) Therefore, if the cross-linking points are composed of highly rigid molecular chains and the distance between the cross-linking points is a moderately long cross-linked body, the photochromic properties are not affected by the rigidity of the molecular chains between the cross-linking points. Free space can be secured, and at the same time the number of polymerizable groups (functional groups) that cannot react due to steric hindrance can be reduced, resulting in a reduction in the amount of residual monomers It was carried out various studies on the basis of the hypothesis that either does not kill for. As a result, a desired photochromic cured product can be obtained by using a specific monomer and a polyfunctional monomer having a reasonably long functional group in the component (B) in combination, and uniformly polymerizing by photopolymerization. As a result, the present invention has been completed.
[0011]
That is, the first invention is
(I) The following formula (1)
[0012]
[Chemical 3]
[0013]
{Where R is1Is a hydrogen atom or a methyl group, and the group -R2-Is -CH2CH2O-, -CH2CH (CH3) O- or -C (= O) CH2CH2CH2CH2CH2A group represented by O-, R3Is a 3-6 valent organic residue, a is an integer of 0-3, b is an integer of 3-6. }
A polyfunctional polymerizable monomer represented by
(II) (i) The following formula (2)
[0014]
[Formula 4]
[0015]
{Where R is4And R5Each independently represents a hydrogen atom or a methyl group, and R6And R7Are each independently a hydrogen atom or an alkyl group having 1 to 2 carbon atoms, and the group -X- is -O-, -S-, -S (= O).2-, -C (= O) -O-, -CH2-, -CH = CH- or -C (CH3)2-And m and n are integers in which m + n is 6 to 30. }
Bifunctional polymerizable monomer represented byWhen( ii 2) 6-functional polymerizable urethane oligomer having a molecular weight (M) divided by the number of polymerizable groups present in the molecule (v) (M / v) is 300 or more Or a combination of
( i ) A bifunctional polymerizable monomer represented by the formula (2); iii ) Combined with a 2-6 functional polymerizable polyester oligomer having a molecular weight (M) divided by the number (v) of polymerizable groups present in the molecule (M / v) of 300 or more
(III) photochromic compounds and
(IV) Photopolymerization initiator
The component (I) and the component (II) based on the total weight of all polymerizable monomers and polymerizable oligomers contained in the polymerized curable composition Is a polymerization curable composition characterized by having a content of 10 to 60% by weight and 20 to 90% by weight, respectively.
[0016]
By photopolymerizing the polymerizable composition of the present invention, a cured product having excellent characteristics such as high photochromic properties, hardness and strength (toughness) can be obtained. Such an excellent feature is that the resin matrix has a sufficient free space that does not deteriorate the photochromic properties of the photochromic compound (for example, does not increase the half-life of the color fading corresponding to the color fading speed), and the vicinity of the bridge is rigid. It is derived from a unique structure consisting of molecular chains and very low residual monomer content, but unfortunately it is difficult to identify such structures directly using currently available analytical tools. Yes, it must be specified using physical properties. A cured product having such a unique structure has not been known so far, and it is considered that the cured product itself has patentability.
[0017]
That is, the second invention is a cured product obtained by photopolymerizing the polymerization curable composition, and the third invention is an optical article comprising the cured product.
[0018]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
(I) used in the polymerization curable composition of the present invention (1)
[0019]
[Chemical formula 5]
[0020]
{Where R is1Is a hydrogen atom or a methyl group, and the group -R2-Is -CH2CH2O-, -CH2CH (CH3) O- or -C (= O) CH2CH2CH2CH2CH2A group represented by O-, R3Is a 3-6 valent organic residue, a is an integer of 0-3, b is an integer of 3-6. }
The polyfunctional polymerizable monomer represented by the formula (B) in the conventional composition disclosed in Patent Document 1, that is, the L-scale Rockwell hardness of the polymer obtained by homopolymerization is 60 or more. This corresponds to a tri- or higher functional polymerizable monomer. Specific examples of the polyfunctional polymerizable monomer represented by the above (1) that can be suitably used include trimethylolpropane trimethacrylate, trimethylolpropane triacrylate, tetramethylolmethanetrimethacrylate, tetramethylolmethanetritrile. Acrylate, trimethylolpropane trimethacrylate, tetramethylolmethane tetramethacrylate, tetramethylolmethane tetraacrylate, trimethylolpropane triethylene glycol trimethacrylate, trimethylolpropane triethylene glycol triacrylate, ethoxylated pentaerythritol tetraacrylate, ethoxylated pentaerythritol tetra Methacrylate, pentaerythritol trimethacrylate, pentaerythritol Le tetramethacrylate, caprolactam modified ditrimethylolpropane tetraacrylate, caprolactam modified ditrimethylolpropane tetramethacrylate, mention may be made of caprolactam modified dipentaerythritol hexaacrylate.
[0021]
In addition, L scale Rockwell hardness here is a value determined based on JIS K7202, and specifically, using an indenter made of a hard sphere having a diameter of 6.350 mm on the surface of the cured body test piece, When 10 kggf which is a reference load is added, and then 60 kgff which is a test load is added and returned to the reference load again, from the difference h (in mm) of the indenter penetration depth between the two reference loads before and after, 130-500 h It is the value calculated | required by the calculation formula.
[0022]
The content of component (I) in the composition of the present invention needs to be in the range of 10 to 60% by weight based on the total weight of all polymerizable monomers and polymerizable oligomers contained in the composition. When the content of component (I) is less than 10% by weight, sufficient photochromic properties cannot be obtained, and when the content exceeds 60% by weight, the strength (toughness) required for rimless glasses. Cannot be obtained. Considering the balance between the two, the content of component (I) is 10 to 30% by weight, particularly 15 to 25% by weight when R1 in the formula (1) is a methyl group and a is 0. Otherwise, it is preferably 30 to 60% by weight, particularly 40 to 60% by weight.
[0023]
The composition of the present invention is a polyfunctional polymerizable compound having a value (M / v) of 300 or more obtained by dividing the molecular weight (M) by the number of polymerizable groups (v) present in the molecule as component (II). Contains monomers or polyfunctional polymerizable oligomers. By using component (I) and component (II) in combination, the free space can be widened while maintaining high strength, and the amount of functional groups (polymerizable groups) that cannot be polymerized due to steric hindrance is reduced, and the residual monomer The amount can be reduced.
[0024]
The content of component (II) in the composition of the present invention is the total weight of all polymerizable monomers and polymerizable oligomers contained in the composition from the viewpoint of ensuring the strength (toughness) required for rimless glasses. It is preferable that the content is in the range of 20 to 90% by weight, particularly 40 to 80% by weight based on the above.
[0025]
The polyfunctional polymerizable monomer or oligomer contained in component (II) is:The value (M / v) obtained by dividing the bifunctional polymerizable monomer represented by the formula (2) described below in detail and the molecular weight (M) by the number (v) of polymerizable groups present in the molecule is 300 or more. Or a bifunctional polymerizable monomer represented by the formula (2) and the molecular weight (M) of the polymerizable group present in the molecule (v ) In combination with a bi- to hexa-functional polymerizable polyester oligomer having a value (M / v) of 300 or more.In addition, L scale Rockwell hardness when homopolymerizing a polyfunctional polymerizable monomer or oligomer corresponding to (II) is not particularly limited, but L scale when homopolymerizing one corresponding to (II) The Rockwell hardness is often 40 or less (that is, it corresponds to the component (A) of the conventional composition) in many cases.
[0026]
As the polyfunctional polymerizable monomer or oligomer (II), the following formula (2) is obtained because it is easy to obtain and a cured product having excellent strength (toughness) can be obtained.
[0027]
[Chemical 6]
[0028]
{Where R is4And R5Each independently represents a hydrogen atom or a methyl group, and R6And R7Are each independently a hydrogen atom or an alkyl group having 1 to 2 carbon atoms, and the group -X- is -O-, -S-, -S (= O).2-, -C (= O) -O-, -CH2-, -CH = CH- or -C (CH3)2-And m and n are integers in which m + n is 6 to 30. }
The bifunctional polymerizable monomer represented by these can be used conveniently.
[0029]
Specific examples of those that can be suitably used include 2,2-bis [4- (methacryloyloxypolyethoxy) phenyl] propane (m + n having an average value of 10), and the same (m + n having an average value of 30). ), 2,2-bis [4- (acryloyloxypolyethoxy) phenyl] propane (m + n having an average value of 10), 2,2-bis [4- (methacryloyloxypolypropoxy) phenyl] Propane (m + n having an average value of 10), bis [4- (methacryloyloxypolyethoxy) phenyl] methane (m + n having an average value of 10), bis [4- (methacryloyloxypolyethoxy) phenyl] And sulfone (m + n having an average value of 10).
[0030]
These may be used alone or in combination of two or more.
[0031]
In addition, as the polyfunctional polymerizable monomer or oligomer (II), a 2-6 functional polymerizable polyurethane oligomer, 2-2 is also obtained because it is easily available and a cured product particularly excellent in strength (toughness) can be obtained. A hexafunctional polymerizable polyester oligomer can also be preferably used.
[0032]
The 2-6 functional polymerizable polyurethane oligomer here is a product obtained by adding hydroxyacrylic acid or hydroxymethacrylic acid to an isocyanate group remaining in a polyurethane skeleton synthesized from various diisocyanates and polyols. Specific examples of the diisocyanate include tolylene diisocyanate, 4,4-diphenylmethane diisocyanate, xylylene diisocyanate, hexamethylene diisocyanate, isophorone diisocyanate, methylene bis (4-cyclohexyl isocyanate), trimethylhexamethylene diisocyanate, and the like. Specific examples of polyols include polypropylene oxide diol, copolyethylene oxide-propylene oxide diol, polytetramethylene oxide diol, ethoxylated bisphenol A, ethoxylated bisphenol S spiro glycol, caprolactone-modified diol, carbonate diol, polyester diol, and the like. Can be mentioned.
[0033]
The 2-6 functional polymerizable polyurethane oligomer may be used alone or in combination of two or more.
[0034]
Next, the 2-6 functional polymerizable polyester oligomer referred to here is a product obtained by condensing acrylic acid or methacrylic acid to a hydroxyl group remaining in a polyester skeleton synthesized from various polyols and polybasic acids. Specific examples of polyols include diethylene glycol, triethylene glycol, 1,6-hexanediol, trimethylolpropane, pentaerythritol, and the like. Specific examples of polybasic acids include phthalic anhydride, adipic acid, trimellitic acid, and the like. Is mentioned.
[0035]
A 2-6 functional polymerizable polyester oligomer may be used individually, and may mix and use two or more types.
[0036]
In the present invention, the polyfunctional polymerizable monomer or oligomer (II) is as described above.A combination of a bifunctional polymerizable monomer represented by the above formula (2) and a 2-6 functional polymerizable polyurethane oligomerOrA combination of a bifunctional polymerizable monomer represented by the above formula (2) and a 2-6 functional polymerizable polyester oligomerIs.Among these, from the viewpoint of the balance between photochromic properties and strength (toughness) that can be used for rimless glasses, the combination of the bifunctional polymerizable monomer represented by the above formula (2) and the 2-6 functional polymerizable polyurethane oligomer is the most. preferable.
[0037]
In addition to the components (I) and (II), the composition of the present invention contains a polymerizable monomer (other monomer) not corresponding to these for the purpose of preventing decomposition of the photochromic compound. Also good. The content of the other monomer is preferably 0 to 50% by weight, particularly 5 to 30% by weight, based on the total weight of all polymerizable monomers or oligomers contained in the composition.
[0038]
Specific examples of other monomers suitably used in the present invention include glycidyl methacrylate, glycidyl acrylate, etc. used for the purpose of preventing the decomposition of photochromic compounds; used for the purpose of improving photochromic properties. Methoxynonaethylene glycol methacrylate, stearyl methacrylate, phenoxyhexaethylene glycol acrylate, lauryl acrylate, triethylene glycol dimethacrylate, tetraethylene glycol dimethacrylate, nonaethylene glycol dimethacrylate, triethylene glycol diacrylate, tetraethylene glycol diacrylate Acrylate, nonaethylene glycol diacrylate, tripropylene glycol diacrylate, etc. .
[0039]
In the composition of the present invention, from the viewpoint of the balance of physical properties of the resulting cured product, the composition of all polymerizable monomers or oligomers contained in the cured product is 10 to 40% by weight of component (I), 20 to 20% of component (II). 90% by weight, preferably 0 to 50% by weight of other monomers, especially 15 to 25% by weight of component (I), 50 to 80% by weight of component (II), 5 to 30% by weight of other monomers Is preferred.
[0040]
The photochromic compound used as component (III) in the composition of the present invention is not particularly limited, and a known photochromic compound can be used. However, when a high molecular weight photochromic compound having a molecular weight of 200 or more, particularly 500 or more is used, It is preferable to use such a photochromic compound since the effect (particularly, the effect of exhibiting good photochromic characteristics when used as a cured product) is remarkable.
[0041]
For example, a chromene compound, a fulgimide compound, a spirooxazine compound and the like can be used without any limitation as those that can be suitably used as the component (D) of the conventional composition. Among these, chromene compounds are particularly suitable because they have higher photochromic properties than other series of compounds and are excellent in color density, fading speed and the like. Specific examples of photochromic compounds that can be suitably used in the present invention include the following. These compounds can be used alone, but usually a plurality of compounds are often used in combination in order to adjust the color tone at the time of color development.
[0042]
[Chemical 7]
[0043]
Molecular weight 376
[0044]
[Chemical 8]
[0045]
Molecular weight 515
[0046]
[Chemical 9]
[0047]
Molecular weight 522
[0048]
[Chemical Formula 10]
[0049]
Molecular weight 547
[0050]
Embedded image
[0051]
Molecular weight 561
[0052]
Embedded image
[0053]
Molecular weight 568
[0054]
Embedded image
[0055]
Molecular weight 673
[0056]
Embedded image
[0057]
Molecular weight 681
The amount of the (III) photochromic compound contained in the composition of the present invention is not particularly limited, but from the viewpoint of uniform dispersibility, 0.001 to 5 weights with respect to 100 parts by weight of the total polymerizable monomer or oligomer in the composition. Parts, especially 0.01 to 2 parts by weight.
[0058]
The photopolymerization initiator used as component (IV) in the composition of the present invention is not particularly limited, and a known photopolymerization initiator can be used. Specific examples of photopolymerization initiators that can be suitably used in the present invention include benzoin, benzoin methyl ether, benzoin butyl ether, benzophenol, acetophenone, 4,4'-dichlorobenzophenone, diethoxyacetophenone, 2-hydroxy-2- Methyl-1-phenylpropan-1-one, benzylmethyl ketal, 1- (4-isopropylphenyl) -2-hydroxy-2-methylpropan-1-one, 1-hydroxycyclohexyl phenyl ketone, 2-isopropylthioxanthone, bis (2,4,6-trimethylbenzoyl) phenylphosphine oxide, bis (2,6-dimethoxybenzoyl) -2,4,4-trimethylpentylphosphine oxide, and the like. Among them, acylphosphine oxides such as bis (2,4,6-trimethylbenzoyl) phenylphosphine oxide and bis (2,6-dimethoxybenzoyl) -2,4,4-trimethylpentylphosphine oxide are available. preferable.
[0059]
The amount of the (IV) photopolymerization initiator contained in the composition of the present invention is not particularly limited, but from the viewpoint of allowing the polymerization to proceed sufficiently and leaving no excess photopolymerization initiator in the cured product. The amount is preferably 0.001 to 5 parts by weight, particularly 0.005 to 1 part by weight based on 100 parts by weight of the total polymerizable monomer or oligomer in the product.
[0060]
In the composition of the present invention, a photopolymerization initiator and a thermal polymerization initiator can be used in combination. Preferred thermal polymerization initiators include diacyl peroxides such as benzoyl peroxide, p-chlorobenzoyl peroxide, decanoyl peroxide, lauroyl peroxide, and acetyl peroxide; t-butylperoxy-2-ethylhexa Peroxyesters such as noate, t-butylperoxydicarbonate, cumylperoxyneodecanate, t-butylperoxybenzoate, t-butylperoxyisobutyrate; diisopropylperoxydicarbonate, di-2-ethylhexyl Percarbonates such as peroxydicarbonate and di-sec-butyloxycarbonate; 2,2′-azobisisobutyronitrile, 2,2′-azobis (4-dimethylvaleronitrile), 2,2′-azobis ( - methylbutyronitrile), mention may be made of 1,1'-azobis (cyclohexane-1-carbonitrile) azo compounds such like. The amount of the thermal polymerization initiator used when the thermal polymerization initiator is used in combination is not particularly limited, but it is a composition from the viewpoint that the polymerization proceeds sufficiently and no excessive thermal polymerization initiator is left in the cured product. The amount is preferably 0.01 to 10 parts by weight, particularly 0.05 to 3 parts by weight based on 100 parts by weight of the total polymerizable monomer or oligomer.
[0061]
In the composition of the present invention, an additive is further added in order to improve the durability of the photochromic compound, the color development speed, the fading speed and the moldability within the range not inhibiting the effects of the present invention. You can also Additives that can be suitably used include surfactants, antioxidants, radical scavengers, UV stabilizers, UV absorbers, mold release agents, anti-coloring agents, antistatic agents, fluorescent dyes, dyes, pigments, fragrances, etc. Can be mentioned.
[0062]
The addition amount of the surfactant is 0 to 20 parts by weight with respect to 100 parts by weight of the total polymerizable monomer or oligomer in the composition, antioxidant, radical scavenger, ultraviolet stabilizer, ultraviolet absorber, release agent, The addition amount of the coloring inhibitor, antistatic agent, fluorescent dye, dye, pigment, fragrance and the like is preferably 0 to 2 parts by weight with respect to 100 parts by weight of the total polymerizable monomer or oligomer in the composition. .
[0063]
The method for producing the composition of the present invention is not particularly limited, and a predetermined amount of each component may be weighed and mixed as appropriate. The order of mixing is not particularly limited. The composition of the present invention thus prepared is a cured product having excellent characteristics when photochromic properties, hardness and strength (toughness) are high by photopolymerization or photopolymerization followed by heat polymerization. give.
[0064]
The method for curing the composition of the present invention is not particularly limited as long as it is a photopolymerization method, and can be carried out by the same method as that for producing a conventional photocurable plastic lens. For example, it can be suitably cured by the following method.
[0065]
That is, first, the polymerization curable composition of the present invention is injected between molds held by an elastomer gasket or a spacer, and then a metal halide lamp, medium pressure mercury lamp, high pressure mercury lamp, ultrahigh pressure mercury lamp, sterilization lamp, xenon lamp. It hardens | cures by irradiating an active energy ray using a tungsten lamp, a fluorescent lamp, etc. as a light source. In the irradiation of active energy rays, in order to prevent the absorption of active energy rays by the photochromic compound (generally, coloring occurs by absorbing ultraviolet rays of about 380 to 400 nm), for example, to cut wavelengths of 400 nm or less. It is preferable to use an ultraviolet cut filter.
[0066]
The cured product obtained by curing the composition of the present invention in this way is a novel product of the present invention characterized by various physical properties as shown in the following [1] to [3] derived from its unique structure. Includes hardened bodies.
[1] The fading half-life of the photochromic compound in the cured product is within 10 times, preferably within 7 times, particularly preferably within 5 times the fading half-life of the photochromic compound in the solution. In addition, although the solvent of the said photochromic compound solution is not specifically limited, As a standard solvent, ethylene glycol dimethyl ether can be mentioned. Further, the absolute value of the fading half-life of the cured product is within 4 minutes, preferably within 2 minutes. Here, the fading half-life is defined as in the examples described later. When the light irradiation is stopped after light irradiation to bring the photochromic compound into a colored state, the absorbance at the maximum wavelength is the value at the time of coloring. This means the time required to decrease to ½, and is a value that serves as an index for fading speed.
[2] The L scale Rockwell hardness of the cured body is 70 or more.
[3] The amount of the remaining polymerizable monomer contained in the cured product is 2% by weight or less, preferably 1% by weight or less.
[0067]
The fading half-life is within 10 times the fading half-life of a photochromic compound (including a mixture) in a solution. This means that the resin matrix in the cured product undergoes a reversible structural change of the photochromic compound. It means having a sufficient free space. The L scale Rockwell hardness correlates with the heat resistance of the cured body, and the hardness of 70 or more means that deformation in processing that requires a relatively high temperature, such as treatment of a hard coat agent described later, is caused. It means that there is little possibility of causing such problems. Moreover, the residual polymerizable monomer contained in the cured product is a cause of lowering the strength (toughness) of the cured product, and the small amount of residual polymerizable monomer means that the strength (toughness) of the cured product is inherent. It means that it can be shown. The amount of the remaining polymerizable monomer is determined by pulverizing the cured product with a ball mill or the like, extracting it with a halogen-based solvent such as methylene chloride, and then quantifying it by gas chromatography, high performance liquid chromatography, gel permeation chromatography, or the like. Can be sought. Moreover, evaluation of strength (toughness) can be performed with the tensile strength defined below.
[0068]
Tensile strength: After forming a disk-shaped test piece having a thickness of 2 mm and a diameter of 5 cmφ using a cured body, a diameter of 2 mmφ centered on a point of 4 mm from the periphery on a line that becomes the diameter of the disk-shaped test piece. Two holes are drilled by drilling, and a stainless steel rod with a diameter of 1.6 mmφ is passed through each of the two drilled holes. Tensile strength when a tensile test is performed at a speed of 5 mm / min.
[0069]
The tensile strength that can be used for the rimless glasses is 20 kgf or more, preferably 25 kgf or more, and the tensile strength is 20 kgf or less.Is onIt shows good results when using rimless eyeglass monitors, and drills a hole with a diameter of 2 mmφ at an arbitrary position of the cured body at a rotation speed of 2100 rpm (as a guide, at a speed of 1 hole / second or less) ) This corresponds to the fact that no large cracks are generated when the holes are drilled (the length of the cracks is within 0.4 mm).
[0070]
Since the cured product of the present invention has such excellent characteristics, it can be particularly suitably used as a photochromic plastic lens for optical articles, particularly rimless spectacles. When the cured product of the present invention is used for such applications, surface processing can be performed as necessary. That is, treatment of silane coupling agents and hard coating agents mainly composed of sol components such as silicon, zirconium, antimony, aluminum, tin and tungsten, vapor deposition of thin films of metal oxides such as SiO2, TiO2, and ZrO2 For example, antireflection treatment by applying a thin film of molecules.
[0071]
【Example】
EXAMPLES Hereinafter, although an Example demonstrates this invention further in detail, this invention is not limited to these Examples.
[0072]
The abbreviations and chemical names of the compounds used in the examples are shown below.
1) Polymerizable monomer and oligomer
Ingredient (I)
TMPT: Trimethylolpropane trimethacrylate
AD-TMP-4CL: caprolactan-modified ditrimethylolpropane tetraacrylate.
[0073]
Ingredient (II)
BPE-500: 2,2-bis (4-methacryloyloxypolyethoxyphenyl) propane (m + n is 10, M / v = 402)
U-1084: Polyurethane oligomer tetraacrylate (M / v = 440)
EB-1830: Polyester oligomer hexaacrylate (M / v = 300).
[0074]
Other monomers
BPE-100: 2,2-bis (4-methacryloyloxyethoxyphenyl) propane (m + n is 2.6, M / v = 239)
GMA: glycidyl methacrylate.
[0075]
2) Photochromic compound
Chromene 1: Compound having the following structure (the fading half-life of the compound in an ethylene glycol dimethyl ether solution is 0.4 minutes)
[0076]
Embedded image
[0077]
3) Photopolymerization initiator
Irgacure 819: bis (2,4,6-trimethylbenzoyl) phenylphosphine oxide.
[0078]
4) Thermal polymerization initiator
Perbutyl IB: t-butyl peroxyisobutyrate.
[0079]
Below, the evaluation method of the photochromic characteristic and intensity | strength characteristic of the obtained hardening body is shown.
[0080]
1) Photochromic characteristics
A xenon lamp L-2480 (300W) SHL-100 made by Hamamatsu Photonics was passed through an aeromass filter (made by Corning) at a temperature of 20 ° C. ± 1 ° C. on the surface of the polymer. The sample was irradiated for 120 seconds with an intensity of 365 nm = 2.4 mW / cm 2 and 245 nm = 24 μW / cm 2, and the photochromic characteristics of the sample were measured. Each photochromic characteristic was evaluated by the following method.
[0081]
(1) Maximum absorption wavelength (λmax): This is the maximum absorption wavelength after color development determined by a spectrophotometer (instant multichannel photodetector MCPD1000) manufactured by Otsuka Electronics Co., Ltd. The maximum absorption wavelength is related to the color tone at the time of color development.
[0082]
(2) Color density {ε (120) −ε (0)}: difference between the absorbance {ε (120)} after light irradiation for 120 seconds and the above ε (0) at the maximum absorption wavelength. It can be said that the higher this value, the better the photochromic properties.
[0083]
(3) Fading half-life [t1 / 2 (min.)]: When light irradiation is stopped after 120 seconds of light irradiation, the absorbance of the sample at the maximum wavelength is {ε (120) −ε (0)}. Time required to drop to 1/2 of It can be said that the shorter the time, the faster the fading speed and the better the photochromic property.
[0084]
2) Strength characteristics
A disk-shaped test piece having a thickness of 2 mm and a diameter of 5 cmφ was formed using the obtained cured body, and then a diameter of 2 mmφ centered around a point of 4 mm from the periphery on a line that becomes the diameter of the disk-shaped test piece. Two holes are drilled by drilling, and a stainless steel rod with a diameter of 1.6 mmφ is passed through each of the two drilled holes. The tensile strength was measured when a tensile test was performed at a speed of 5 mm / min.
[0085]
Reference example 1
30 parts by weight of TMPT, 60 parts by weight of BPE-500, and 10 parts by weight of GMA were sufficiently mixed. To this, 0.04 part by weight of chromene 1 and 0.01 part by weight of Irgacure 819 as a photopolymerization initiator were added and mixed well under light shielding. This mixed solution was poured into a mold composed of a glass mold and a gasket made of an ethylene-vinyl acetate copolymer. This was irradiated with a metal halide lamp for 2 minutes. After the irradiation, the cured body was removed from the glass mold.
[0086]
Table 1 shows the evaluation results of the photochromic properties and strength properties of the obtained cured product. The residual polymerizable monomer amount of the cured product was 0.5%. Further, the fading half-life of the monomer solution in Table 1 means the fading half-life of the mixed solution (curable composition) before curing.
[0087]
[Table 1]
[0088]
Example 1
25 parts by weight of TMPT, 45 parts by weight of BPE-500, 20 parts by weight of U-1084, and 10 parts by weight of GMA were sufficiently mixed. To this, 0.04 part by weight of chromene 1 and 0.01 part by weight of Irgacure 819 as a photopolymerization initiator were added and mixed well under light shielding. This mixed solution was poured into a mold composed of a glass mold and a gasket made of an ethylene-vinyl acetate copolymer. This was irradiated with a metal halide lamp for 2 minutes. After the irradiation, the cured body was removed from the glass mold.
[0089]
Table 1 shows the evaluation results of the photochromic properties and strength properties of the obtained cured product.
[0090]
Example 2
25 parts by weight of TMPT, 45 parts by weight of BPE-500, 20 parts by weight of EB-1830, and 10 parts by weight of GMA were sufficiently mixed. To this, 0.04 part by weight of chromene 1 and 0.01 part by weight of Irgacure 819 as a photopolymerization initiator were added and mixed well under light shielding. This mixed solution was poured into a mold composed of a glass mold and a gasket made of an ethylene-vinyl acetate copolymer. This was irradiated with a metal halide lamp for 2 minutes. After the irradiation, the cured body was removed from the glass mold.
[0091]
Table 1 shows the evaluation results of the photochromic properties and strength properties of the obtained cured product.
[0092]
Reference example 2
TMPT 20 parts by weight, BPE-100 30 parts by weight, BPE-500 40 parts by weight (the ratio (a1 / a2) between the number of moles of BPE-100 (a1) and the number of moles of BPE-500 (a2) is 1.26) And 10 parts by weight of GMA were mixed well. To this, 0.04 part by weight of chromene 1, 0.01 part by weight of Irgacure 819 as a photopolymerization initiator, and 0.5 part by weight of perbutyl IB as a thermal polymerization initiator were added and mixed well under light shielding. This mixed solution was poured into a mold composed of a glass plate and a gasket made of an ethylene-vinyl acetate copolymer. This was irradiated with a metal halide lamp for 2 minutes. After the irradiation, the polymer was thermally polymerized at 90 ° C. for 5 hours, and then the cured product was removed from the mold glass mold.
[0093]
Table 1 shows the evaluation results of the photochromic properties and strength properties of the obtained cured product.
[0094]
Reference example 3
AD-TMP-4CL 50 weight part, BPE-500 40 weight part, GMA 10 weight part was fully mixed. To this, 0.04 part by weight of chromene 1, 0.01 part by weight of Irgacure 819 as a photopolymerization initiator, and 0.5 part by weight of perbutyl IB as a thermal polymerization initiator were added and mixed well under light shielding. This mixed solution was poured into a mold composed of a glass plate and a gasket made of an ethylene-vinyl acetate copolymer. This was irradiated with a metal halide lamp for 2 minutes. After the irradiation, the polymer was thermally polymerized at 90 ° C. for 5 hours, and then the cured product was removed from the mold glass mold.
[0095]
Table 1 shows the evaluation results of the photochromic properties and strength properties of the obtained cured product.
[0096]
Comparative Example 1 (system not using component (II))
10 parts by weight of TMPT, 80 parts by weight of BPE-100 and 10 parts by weight of GMA were sufficiently mixed. To this, 0.04 part by weight of chromene 1 and 0.01 part by weight of Irgacure 819 as a photopolymerization initiator were added and mixed well under light shielding. This mixed solution was poured into a mold composed of a glass mold and a gasket made of an ethylene-vinyl acetate copolymer. This was irradiated with a metal halide lamp for 2 minutes. After the irradiation, the cured body was removed from the glass mold.
[0097]
Table 1 shows the evaluation results of the photochromic properties and strength properties of the obtained cured product.
[0098]
Comparative Example 2 (system in which the blending ratio of component (I) and component (II) deviates from a specific ratio)
70 parts by weight of TMPT, 20 parts by weight of BPE-500, and 10 parts by weight of GMA were sufficiently mixed. To this, 0.04 part by weight of chromene 1 and 0.01 part by weight of Irgacure 819 as a photopolymerization initiator were added and mixed well under light shielding. This mixed solution was poured into a mold composed of a glass mold and a gasket made of an ethylene-vinyl acetate copolymer. This was irradiated with a metal halide lamp for 2 minutes. After the irradiation, the cured body was removed from the glass mold.
[0099]
Table 1 shows the evaluation results of the photochromic properties and strength properties of the obtained cured product.
[0100]
Comparative Example 3 (system not using photopolymerization)
TMPT 20 parts by weight, BPE-100 30 parts by weight, BPE-500 40 parts by weight (the ratio (a1 / a2) between the number of moles of BPE-100 (a1) and the number of moles of BPE-500 (a2) is 1.26) And 10 parts by weight of GMA were mixed well. To this, 0.04 part by weight of chromene 1 and 0.5 part by weight of perbutyl IB as a thermal polymerization initiator were added and mixed well. This mixed solution was poured into a mold composed of a glass plate and a gasket made of an ethylene-vinyl acetate copolymer. After thermal polymerization at 90 ° C. for 15 hours, the cured product was removed from the mold glass mold.
[0101]
Table 1 shows the evaluation results of the photochromic properties and strength properties of the obtained cured product. The residual polymerizable monomer content of the cured product was 4.5%.
[0102]
Thus, a cured product satisfying both physical properties of photochromic properties and strength (toughness) can be obtained by curing a polymerization curable composition containing a specific polymerizable monomer or oligomer in a specific ratio with light. I understand. On the other hand, in a polymerization curable composition that does not use a specific polymerizable monomer or oligomer, or in a polymerization curable composition that is out of a specific blending ratio even if a specific polymerizable monomer or oligomer is used, the photochromic properties are improved. Problems such as inferiority or insufficient strength (toughness) occur. In addition, even a polymerization curable composition containing a specific polymerizable monomer or oligomer in a specific ratio causes problems such as insufficient strength (toughness) when cured with heat instead of light.
[0103]
【The invention's effect】
The polymerization curable composition of the present invention has excellent photochromic properties such as a high color density and a fast fading rate, and also has excellent substrate properties such as hardness, heat resistance, and impact resistance, and at the same time strength that can be used for rimless glasses. A photochromic cured body having both (toughness) can be obtained.
Claims (3)
で表される多官能重合性モノマー、
(II) (i)下記式(2)
で表される2官能重合性モノマーと( ii )その分子量(M)を分子中に存在する重合性基の数(v)で除した値(M/v)が300以上である2〜6官能重合性ウレタンオリゴマーとを組み合わせたもの、又は
( i )前記式(2)で表される2官能重合性モノマーと( iii )その分子量(M)を分子中に存在する重合性基の数(v)で除した値(M/v)が300以上である2〜6官能重合性ポリエステルオリゴマーとを組み合わせたもの
(III) フォトクロミック化合物及び
(IV) 光重合開始剤
を含有してなる重合硬化性組成物であって、当該重合硬化性組成物中に含まれる全重合性モノマー及び重合性オリゴマーの総重量を基準とする前記成分(I)及び前記成分(II)の含有量がそれぞれ10〜60重量%及び20〜90重量%であることを特徴とする重合硬化性組成物。(I) The following formula (1)
A polyfunctional polymerizable monomer represented by
(II) (i) The following formula (2)
( Ii ) 2-6 functional groups having a value (M / v) obtained by dividing the molecular weight (M) by the number of polymerizable groups (v) present in the molecule (M / v) is 300 or more. A combination with a polymerizable urethane oligomer, or
( I ) A value (M / v) obtained by dividing the bifunctional polymerizable monomer represented by the formula (2) and ( iii ) the molecular weight (M) by the number (v) of polymerizable groups present in the molecule. A combination of 300 or more and 2 to 6 functional polymerizable polyester oligomer (III) A photocurable composition comprising (III) a photochromic compound and (IV) a photopolymerization initiator, the polymerization curable composition The content of the component (I) and the component (II) based on the total weight of all polymerizable monomers and polymerizable oligomers contained therein is 10 to 60% by weight and 20 to 90% by weight, respectively. A polymerization curable composition characterized.
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