JP4199776B2 - ジョイスティック信号処理方法および装置 - Google Patents

ジョイスティック信号処理方法および装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4199776B2
JP4199776B2 JP2006057112A JP2006057112A JP4199776B2 JP 4199776 B2 JP4199776 B2 JP 4199776B2 JP 2006057112 A JP2006057112 A JP 2006057112A JP 2006057112 A JP2006057112 A JP 2006057112A JP 4199776 B2 JP4199776 B2 JP 4199776B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
joystick
stick
signal processing
dead zone
value
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2006057112A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006155664A (ja
Inventor
敏男 乙幡
美智太郎 堀内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Access Co Ltd
Original Assignee
Access Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Access Co Ltd filed Critical Access Co Ltd
Priority to JP2006057112A priority Critical patent/JP4199776B2/ja
Publication of JP2006155664A publication Critical patent/JP2006155664A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4199776B2 publication Critical patent/JP4199776B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Mechanical Control Devices (AREA)
  • Position Input By Displaying (AREA)

Description

本発明は、ジョイスティックから得られる信号を処理する装置に関する。
通常、ジョイスティックユニットは、中立位置にバネ力で直立しているスティックを有し、このスティックがユーザによりバネ力に抗して任意方向へ傾倒操作される。このときのスティックの傾倒方向(および傾倒角)が各種装置の入力情報として利用される。
いわゆるアナログ型のジョイスティックユニットは、直交する2軸(XおよびY)方向のスティックの傾倒角度に応じた大きさのアナログ信号を出力する2個のポテンショメータを有する。この両軸の出力値に基づいてスティックの傾倒方向および傾倒角を求めることができる。
このようなジョイスティックユニットでは、スティックを中立点に復帰させるバネ力の不均衡、ポテンショメータの抵抗値のばらつき等によって、スティックの機械的な中立点でジョイスティックユニットの両軸の出力がそれぞれ0になるとは限らない。特開平9−130918号公報には、スティックの中立点付近の所定範囲内、並びに、X軸およびY軸の各軸近傍の帯状範囲で、当該軸の出力を0とする、いわゆる不感帯を設ける技術が開示されている。この公報は電動車椅子に関するものであり、スティックの傾倒角で走行速度を制御する構成を有する。さらに具体的には、高速走行時の不感帯による操作遅延を防止するために、一方の軸の出力値(絶対値)が大きいほど他方の軸の帯状の不感帯幅を狭くしている。
特開平8−281584号公報は、三次元測定器の操作に使用するためのジョイスティックユニットを開示している。この装置では、ジョイスティックのアナログ出力をサンプリングしてデジタル化した信号の絶対値が所定値以下の場合に外部への出力値を0とする不感帯を設けるとともに、デジタル信号の1サンプリング周期当たりの変化量が閾値を越えたときには前記不感帯を無視してデジタル信号をそのまま外部へ出力する。
ところで、ジョイスティックの用途として、前後左右の4方位の指示にとどまらず、さらに多くの方位(例えば8方位または16方位)の指示に利用することができる。しかし、その方位の数が多ければ多いほど、1方位当たりの方位角範囲が狭くなるため、ユーザによる正確な方位の指示(スティックの位置決め)が困難になる。
また、スティックの位置によっては、ユーザによる指示方位が不安定に変化したり、ふらついたりする現象も見られた。
本発明は、このような背景に鑑みてなされたものであり、多方位の指示を正確に行うことができるジョイスティック信号処理装置を提供することを目的とする。
本発明の他の目的は、多方位の指示を行うジョイスティックの操作性を向上させることができるジョイスティック信号処理方法および装置を提供することにある。
本発明によるジョイスティック信号処理装置は、ジョイスティックの傾倒方向に基づいて少なくとも8方位の指示を行うジョイスティック信号処理装置であって、360度の全方向に傾倒可能なスティックを有し、ジョイスティックの傾倒方向信号および傾倒角信号を出力する手段と、前記傾倒方向が予め定められた各方位角範囲のいずれに入るかを調べ、当該方位を、ユーザにより指示された方位と判定する判定手段とを備え、前記判定手段は、ジョイスティックの傾倒角度が予め定めた大きさ以下の傾倒角範囲内を不感帯とするとともに、隣接する方位角範囲の境界に位置する予め定めた方位角範囲内を不感帯とし、不感帯内では不感帯内に入る直前の指示された方位を維持することを特徴とする。これにより、指示方位が不安定となったり、ふらついたりする現象の発生を防止できる。不感帯を設ける特徴は、上記の方位角範囲の大きさが均一である場合にも適用可能である。
なお、本明細書では、ユーザの指示対象となる有限個の方向を「方位」と呼び、ユーザが任意にスティックを倒す実際の方向とは区別する。ユーザにより指示された方位は、ユーザが操作したスティックの傾倒方向に基づいて決定される。
方位の数は、本実施の形態では16である。すなわち、360度の全方向を16分割し、正確な指示のしにくい方位として、例えば、{(1/8)+(N/4))}πラジアン(N=0,1,2,...,7)の方位の方位角範囲を他の方位の方位角範囲より大きくするようにしてもよい。
傾倒方向信号を所定周期でサンプリングした際の、最新のサンプル値と、少なくとも1または2個の過去のサンプル値とを重み付け加算して、現在の傾倒方向を算出するローパスフィルタ手段を設けてもよい。これによって、指示方位の不確かな変動要因を排除し、指示方位の安定化を図ることができる。
但し、この場合、ユーザがスティックを保持する力を緩めたときにスティックが自動的に中立位置に復帰する第1の場合と、ユーザが意図的にスティックを移動させる第2の場合とを識別する識別手段を備え、この識別結果に応じて前記ローパスフィルタ手段は前記重み付け加算の重み付け係数を変更することが好ましい。そのために、例えば、スティックの傾倒角信号を得る手段を備え、前記識別手段は、傾倒角信号の負方向への変化の絶対値が所定値より大きいときには原則的に前記第1の場合と判定するとともに、それ以外の場合を前記第2の場合と判定し、但し、傾倒角信号の負方向への変化の絶対値が所定値より大きいときであっても傾倒方向信号の変化の絶対値が所定値より大きいときには前記第2の場合と判定する。
本発明は、また、360度の全方向に傾倒可能なスティックの傾倒方向に基づいて少なくとも8方位の指示を行うジョイスティック信号処理方法であって、ジョイスティックの傾倒方向信号に基づいて、ユーザにより指示された方位を決定するステップと、スティックの傾倒角度が予め定めた大きさ以下の傾倒角範囲内を不感帯とするとともに、隣接する方位角範囲の境界に位置する予め定めた方位角範囲内を不感帯とし、これらの不感帯内では不感帯内に入る直前の指示された方位を維持するステップと備えたことを特徴とするジョイスティック信号処理方法を提供する。
さらに、本発明は、このような方法を実施するコンピュータプログラムを読み取り可能に記録した記録媒体(CD−ROM、FD、半導体ROM、ハードディスク等)として把握することも可能である。
本発明のジョイスティック信号処理装置によれば、多方位の指示を正確に行うことができる。また、多方位の指示を行うジョイスティックの操作性の向上を図ることが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1に、本実施の形態におけるジョイスティックユニット10の要部外観を示す。ジョイスティックユニット10は、操作盤13の表面に設けられた凹部12の中心から直立したスティック11を有する。スティック11は、この例では、360度全方向へ傾倒可能に、その下部を支持されるとともに、外部から力が働かない限りバネ手段によりその中立位置に保持されている。ユーザが指でスティック11を操作する(例えば親指の腹でスティック頭部に力を加える)と、スティック11が操作された方向に、加えられた力に応じた傾倒角度だけ傾倒する。ユーザが指の力を緩めると(または離すと)、スティック11はバネ力で元の中立位置へ復帰する。
図2に、図1に示したようなジョイスティックユニット10を利用した装置のハードウェア構成例を示す。この装置はゲーム装置を例として説明するが、本発明はゲーム装置に限るものではなく、多方位の指示を行うジョイスティックを用いる任意の装置に採用することが可能である。
図2において、ジョイスティックユニット10は、スティック11が任意の方向に傾倒したときのその傾倒量のX軸とY軸成分に応じたアナログ電圧を出力するポテンショメータ21,22を有する。両ポテンショメータ21,22の出力はそれぞれアナログデジタル(A/D)変換器23,24で対応するデジタル値に変換される。両A/D変換器23,24のデジタル出力はインタフェース部25を介してCPU20により周期的(例えば66ms毎)に読み取られる。CPU20は、ROM27に格納された制御プログラム、およびCD−ROMやROMカセット(図示せず)に格納されたアプリケーションプログラムに応じて所期の動作を行う。RAM28は一時的なデータの保存、作業領域としてCPU20に利用される。各種キー(KEY)26は、ユーザが装置に対してデータを入力したり、意思表示を行ったりするための操作部である。ディスプレイ29は、ゲームの内容を表示したり、ユーザへ報知すべき各種の情報を表示したりするための表示部を構成する。CD−ROMドライブ30は、装置のアプリケーションプログラム等が格納されたCD−ROMを読み取るための装置である。その他、図示しないが、フラッシュメモリやハードディスク等の、データやプログラムを書き込み不揮発的に保存することができる不揮発性の記憶装置を備えてもよい。
なお、図2ではA/D変換器23,24(およびインタフェース部25)をジョイスティックユニット10の外部の要素として示したが、これらの要素はジョイスティックユニット10に属するものであってもよい。
図3は、本実施の形態におけるジョイスティックの16方位の指示方位を示している。この16個の指示方位は360度を16分割したものである。便宜上、「東」「西」「南」「北」等を用いて各方位を表している。図から分かるように、16分割を均等に行った場合には各方位の角度範囲は22.5度(すなわちπ/8ラジアン)となる。この22.5度という角度範囲はスティック11を指で操作することにより、迅速かつ正確に方位を指示するには十分な角度範囲とはいえない。実際、本発明者らは試作機において、東西南北の4方位およびそれらの中間方位である東北、北西、南西、南東の4方位の指示は比較的容易であるが、残りの8方位の指示は必ずしも正確な指示が容易でないということを確認した。そこで、図4に示すように、これら以外の8方位すなわち、{(1/8)+(N/4))}πラジアン(N=0,1,2,...,7)の方位の方位角範囲αを他の方位角範囲βに比べて若干大きく設定した。図4は、X−Y座標系の第1象限を拡大して示している。図中、実線は方位を示し、破線は方位間の境界を示す。第1象限で方位角範囲を拡大する方位は北北東と東北東である。このような措置によって、16個の各方位の指示がより正確に行えるようになる。
なお、方位角範囲αおよびβをそれぞれさらにきめ細かに調整してもよい。発明者らの検討では、スティックを指(例えば親指)1本で操作する場合、指を押し出す方向の操作と指を引く方向の操作では、ユーザの要因により操作性に差が生じることがあった。例えば、指を引く方向(左手用では西および南方向)の操作では位置決めがより困難となる。したがって、指を引く方向ではβを増加させ、その分α(または後述する不感帯幅)を現象させる。すなわち、等分割に近づける。一方、指を押し出す方向(左手用では東および北方向)の操作では位置決めは比較的容易であるが、ブレが大きくなり、指示方位がふらつく傾向が見られた。したがって、後述する不感帯幅を大きくし、その分、αおよび/またはβを小さくする。
ところで、隣接する方位角範囲の境界の方向ではスティックの微妙な動きでスティックの属する方位角範囲が変わってしまうことがあった。このような場合にスティックの属する方位角範囲をそのまま指示方位として認識すると、指示方位が不安定に変化したり、短時間に2つの方位間の移動を繰り返す原因となる。このような現象の発生を防止するために、図5に示すように、隣接する方位角範囲の間の微小な方位角範囲δを不感帯とし、不感帯内では不感帯内に入る直前の指示方位を維持する。例えば、スティックの傾倒の方向(θ)および大きさ(r)が図5のサンプル点61〜64のように変化したとする。この場合、不感帯がなければ指示された方位は「北東」と「東北東」の間を揺れ動くことになる。これに対し、不感帯を設け、サンプル点が不感帯内に入ったときには指示方位として直前の指示方位が維持されるようにすると、認識される指示方位は「北東」のまま変化しない。
なお、スティックの傾倒角度に対応する変数rの値が予め定めた値r0以下となるスティックの中立位置近傍の範囲も不感帯とし、この不感帯内においても不感帯内に入る直前の傾倒方向を「指示された方位」として維持する。これは、従来技術において説明した不感帯と類似するが、従来技術の不感帯がジョイスティックユニットから外部への出力値を0としたのと対照的である。また、特開平9−130918号公報におけるX軸およびY軸の各軸近傍の帯状範囲の不感帯も当該軸の出力を0とするものであり、これは本実施の形態における隣接方位角範囲の境界での不感帯の作用と異なる。
図5のような不感帯を設けることは、図4に示した方位角範囲を不均衡とすることとは独立に採用することができるが、併用することも可能である。
図6に、不感帯を設ける場合のジョイスティック信号処理例のフローチャートを示す。この処理は周期的(例えば66ms毎)にCPUにより実行される処理である。
CPUはまず、現時点のX値とY値を読み取る(S1)。両値に基づいて、r値およびθ値を次式により算出する(S2)。
r=√(X*X+Y*Y) (1)
θ=arctan(Y/X) (2)
次に、r値が不感帯内に属するか(予め定めた値r0以下か)、または、θ値が不感帯内に属するか(予め定めた方位角範囲内か)を調べる(S3)。いずれかが成立すれば、以下の処理ステップの実行を省略して今回の処理は終了する。r値およびθ値のいずれもが不感帯に属さないならば、θ値を現在方向θcとする(S4)。この現在方向θcの属する方位角範囲を求める(S5)。例えば、現在方向θcが22.3度であれば、この属する方位角範囲は「東北東」となる。この方位がユーザの指示方位と認識される。この指示方位は、ユーザが認識出来るように、例えばディスプレイ上でリアルタイムに表示される。
指示方位の判定は、例えば図7に示すような各方位と方位角範囲を予め定めたテーブルを利用することにより行える。図では各方位角範囲の開始角度と終了角度を変数で示しているが、実際には具体的な数値が設定されている。各方位の方位角範囲は、図5に示したように不感帯の方位角範囲δを除外した範囲である。すなわち、ある方位角範囲の終了角度と次の方位角範囲の開始角度との間にδの間隔がある。図4に示したように各方位角範囲の大きさは不均一である。すなわち、少なくともαとβの2種類がある。また、α、β、δの各々も必ずしも均一である必要はない。テーブルデータの形式は任意である。このようなデータはテーブルとして保持する以外に、プログラムの条件判定のパラメータとして保持することも可能である。
このようにして得られた指示方位をどのように利用するかは、アプリケーション次第である。例えば、各指示方位にそれぞれ複数の選択肢を割り当てておき、特定の指示方位で複数の選択肢を選んだ後、さらに、キー(ボタン)操作で1つの選択肢を選ぶ、というような用途に利用できる。
ところで、前述したように、試作機では、ユーザがスティックを操作して特定の方位を指示しディスプレイ上でその指示を確認するとき、指示方位が不安定となる現象が見られることがあった。この現象は、上記不感帯を設けることにより軽減されるが、以下に、この現象を防止する別の手法を説明する。当該現象の原因は、スティックに作用しているバネ力がX軸方向とY軸方向とで不均一なこと等の機械的要因、および、ユーザの指の力を緩めたときの余力の掛かり方向が両軸方向で不均一なこと等の人的要因が考えられる。
この問題を解消するために、現在方向θcの決定に次式のようなフィルタ作用を施すものである。
θc=a・θn + b・θn-1 + c・θn-2 (3)
ここに、θnは最新のθのサンプル値、θn-1は1つ前のθのサンプル値、θn-2は2つ前のθのサンプル値である。また、a,b,cは予め定めた重み付けの係数値であり、a>b>cかつa+b+c=1である。例えば、a=5/9、b=3/9、c=1/9である。式(3)の右辺の項数は3項に限るものではなく、また、係数の具体的な値は例示のものに限るものではない。
式(3)の作用は、現在方向θcを最新の方位θnのみで決定するのではなく、過去の方位をも加味して現在方向θcを決定しようとするものである。このフィルタの作用はθcの変化を抑制する方向に働くので、ローパスフィルタといえる。
このローパスフィルタによって、図8に示すように、サンプル点が隣接方位角範囲に一時的に入った場合でも、指示方位にその影響が現れないようにすることができる。
但し、ローパスフィルタの採用によってθcの急峻な変化が緩和されることから、ユーザの意図的な急峻な操作の目的を阻害するおそれがある。そこで、次に、ユーザの意図的な操作によるスティック動作と、そうでないスティック動作とを自動的に判別し、フィルタの重み付け係数を変える実施の形態を説明する。フィルタの重み付け係数の変更は、図9に示すように、θ出力のゲインの周波数特性を変えることに他ならない。そのために、θ出力の高周波成分の除去の度合いを変えた第1の係数の組と第2の係数の組を採用する。本実施の形態では、第1の係数の組は、前述したa,b,cの具体値(図9の波形A)を用い、第2の係数の組はa=1,b=c=0(図9の波形C)とする。すなわち、第2の係数の係数の組の場合にはフィルタ無し(高周波成分を除去しない)と等価となる。勿論、波形Cの代わりに、波形CとAの中間の波形Bを採用してもよい。
図10に、このローパスフィルタを用いるとともに、場合によってフィルタ特性を切り替えるジョイスティック信号処理例のフローチャートを示す。この処理例では、実際的な例として前述した不感帯の判定も併用している。但し、このフィルタ特性の切り替えは、不感帯を設けることとは独立に採用可能である。この処理は、図6の処理と同様、周期的にCPUにより実行される処理である。
図10において、CPUはまず、現時点のX値とY値を読み取り(S11)、両値に基づいて、r値およびθ値を前述した式(1)(2)により算出する(S12)。
次に、θn,θn-1,θn-2、およびrn,rn-1,rn-2を更新する(S13)。ここにrnは最新のrのサンプル値、rn-1は1つ前のrのサンプル値、rn-2は2つ前のrのサンプル値である。
そこで、r値が不感帯内に属するか(予め定めた値r0以下か)、または、θ値が不感帯内に属するか(予め定めた方位角範囲内か)を調べる(S14)。いずれかが不感帯内であるならば、以下の処理ステップの実行を省略して今回の処理は終了する。r値およびθ値のいずれもが不感帯に属さないならば、θの変化量であるΔθ=θn−θn-1、およびrの変化量であるΔr=rn−rn-1を算出する(S15)。ついでこれらのΔθおよびΔrに基づいてフィルタ特性の選択を行う(S16)。この詳細ステップについては後述する。この選択されたフィルタ特性に基づいて、現在のθcが算出される(S17)。さらにこのθcに基づいて、その属する方位角範囲、すなわちユーザの指示方位、が決定される(S18)。
以下、ステップS16においてユーザの意図的な操作によるスティック動作と、そうでないスティック動作とを自動的に判別する具体的な手法について説明する。
図11(a)はユーザが所望の方位を選択した後、スティックへの力を緩めた場合のジョイスティックの両軸出力値を例を示す。図中の白丸71〜75はサンプル点を示す。実際にはさらに多くのサンプル点が取られるが、説明の都合上、実際より低密度でサンプル点を示してある。図11(b)(c)は、この場合のr値とθ値の変化を示すグラフである。
図11(a)において、ユーザはサンプル点71,72を経由し、サンプル点73において自分の所望の方位が選ばれたことをディスプレイ上で確認して指先の力を緩める。その後、サンプル点74,75が採取されながら、スティックは中立点に戻る。このようなスティックの動きに対応するr値の変化を図11(b)で確認すると、隣接サンプルのr値の変化量Δr1〜Δr4のうちΔr3,Δr4の絶対値がしきい値Δrthを超えており、かつその符号は負である。しきい値Δrthは、バネ力がスティックを中立位置へ復帰させる場合に超えると想定される予め定めた値である。但し、r値の変化がそのようなスティック復帰時の条件に合致する場合でも、ユーザの意図的な操作による場合もありうる。この場合にはθ値の変化量が所定値θth(例えば、π/4からπ/2程度)以上に大きくなると考えられる。ここで、図10のステップS15で求めたθの変化量Δθが180度を超える場合には360度からその値を減算した値をΔθとする。図11(c)のθ値の変化量Δθ1〜Δθ4の絶対値はいずれも予め定めたしきい値θthより小さいので、図11(a)のジョイスティック出力変化はスティックのバネ力による中立位置への復帰動作と判断できる。遅くともサンプル点74の段階ではローパスフィルタ(図9の波形A)が働くことにより、サンプル点74が一時的に「北東」の方位角範囲に属したとしても、サンプル点73に基づく指示方位である「北北東」が維持される。サンプル点74が不感帯内に属するとしても結果は同じとなる。サンプル点75は、r値による不感帯または方位角範囲の境界での不感帯に入り、やはり「北北東」の指示方位が維持される。
図12(a)はユーザがスティックを意図的に操作して北東の点81から北の点82を経由して北北西の点83へ指示を変更した場合のジョイスティック出力を示している。この場合、図12(c)から分かるようにΔθ値の絶対値はしきい値θthを超えていないが、図12(b)のようにΔr値の絶対値もしきい値rthを超えていない。したがって、スティックを中立位置に復帰させようとするバネ力に抗してユーザの力が作用していると考えられる。
図13(a)はユーザがスティックを、北北東外周点91から東北東内周辺りの点92を経由して南西外周点93へと、意図的に操作した場合のジョイスティックの両軸出力値を例を示す。この場合は、Δr1< −rthとなっても、Δθ2の絶対値がしきい値θthを超えるので、ユーザによる意図的な操作と判断される。このように、r値の変化がスティックのバネ力による復帰を示唆している場合でもユーザが意図的な操作による場合もありうる。この場合には、図13(c)に示すようにθ値の変化量が所定値以上に大きくなると考えられる。
図14に、図10のステップS16におけるフィルタ特性選択処理として、このような考え方に基づく具体的な処理ステップを示す。まず、Δr1< −rth(すなわち、Δrが負で、かつ、その絶対値がrth以上)かを調べる(S21)。Δrが負で、かつ、その絶対値がrth以上の場合には、当該スティック動作は、ユーザが力を緩めたときのスティックの復帰動作であると想定される。ステップS21の結果がYesであれば、次に、Δθの絶対値が予め定めたしきい値θth以上かを調べる(S22)。その結果がNoであれば、当該スティックの動作はユーザが力を緩めた結果であると判断し、高周波成分をより多くカットするフィルタ特性(図8の波形A)を選択する(S23)。
ステップS21の結果がNoまたはステップS22の結果がYesの場合、当該スティックの動作はユーザの意図的な動作の結果であると判断し、高周波成分を少なくカットする(またはカットしない)フィルタ特性(図8の波形BまたはC)を選択する(S23)。
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、種々の変形、変更が可能である。例えば、ジョイスティックはポテンショメータを利用するものを挙げたが、光学式等、他の任意の原理、構造のものを利用できる。また、ジョイスティックのアナログ出力をデジタル信号に変換してデジタル処理する例を説明したが、アナログ信号処理回路を用いてアナログ信号のまま処理を行うことも可能である。360度の全方向の分割数は16としたが、これに限るものではなく、本発明は少なくとも8以上の場合に適用して好適である。
本発明の実施の形態におけるジョイスティックユニットの要部外観を示す斜視図である。 図1に示したようなジョイスティックユニットを利用した装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。 本発明の実施の形態におけるジョイスティックの16方位の指示方位を示す図である。 本発明の実施の形態における不均一な方位角範囲を説明するための図である。 本発明の実施の形態における2種類の不感帯を説明するための図である。 図5に示した不感帯を設ける場合のジョイスティック信号処理例のフローチャートである。 本発明の実施の形態における方位と方位角範囲の対応関係を示すテーブルの図である。 サンプル点が隣接方位角範囲に一時的に入った場合のX−Y両軸出力を示す図である。 ジョイスティックのθ出力のゲインの周波数特性を示すグラフである。 本発明の実施の形態において、場合によってフィルタ特性を切り替えるジョイスティック信号処理例のフローチャートである。 ユーザが所望の方位角を選択した後、スティックへの力を緩めた場合のジョイスティックの両軸出力値(a)、r値(b)およびθ値(c)を示す図である。 ユーザがスティックを意図的に操作した場合のジョイスティックの両軸出力値(a)、r値(b)、およびθ値(c)を示す図である。 ユーザがスティックを意図的に操作した他の場合のジョイスティックの両軸出力値(a)、r値(b)、およびθ値(c)を示す図である。 図10のステップS16におけるフィルタ特性選択処理の具体的な処理ステップを示すフローチャートである。
符号の説明
10 ジョイスティックユニット
11 スティック
12 凹部
13 操作盤
20 CPU
21,22 ポテンショメータ
23,24 アナログデジタル変換器
25 インタフェース部
26 各種キー
27 ROM
28 RAM
29 ディスプレイ
30 CD−ROMドライブ

Claims (8)

  1. ジョイスティックの傾倒方向に基づいて少なくとも8方位の指示を行うジョイスティック信号処理装置であって、
    360度の全方向に傾倒可能なスティックを有し、ジョイスティックの傾倒方向信号および傾倒角信号を出力する手段と、
    前記傾倒方向が予め定められた各方位角範囲のいずれに入るかを調べ、当該方位を、ユーザにより指示された方位と判定する判定手段とを備え、
    前記判定手段は、ジョイスティックの傾倒角度が予め定めた大きさ以下の傾倒角範囲内を不感帯とするとともに、隣接する方位角範囲の境界に位置する予め定めた方位角範囲内を不感帯とし、不感帯内では不感帯内に入る直前の指示された方位を維持することを特徴とするジョイスティック信号処理装置。
  2. 前記傾倒方向信号を所定周期でサンプリングした際の最新のサンプル値と、少なくとも1または2個の過去のサンプル値とを重み付け加算して、現在の傾倒方向を算出するローパスフィルタ手段を有する請求項1記載のジョイスティック信号処理装置。
  3. ユーザがスティックを保持する力を緩めたときにスティックが自動的に中立位置に復帰する第1の場合と、ユーザが意図的にスティックを移動させる第2の場合とを識別する識別手段を備え、この識別結果に応じて前記ローパスフィルタ手段は前記重み付け加算の重み付け係数を変更することを特徴とする請求項2記載のジョイスティック信号処理装置。
  4. スティックの傾倒角信号を得る手段を備え、前記識別手段は、傾倒角信号の負方向への変化の絶対値が所定値より大きいときには原則的に前記第1の場合と判定するとともに、それ以外の場合を前記第2の場合と判定し、但し、傾倒角信号の負方向への変化の絶対値が所定値より大きいときであっても傾倒方向信号の変化の絶対値が所定値より大きいときには前記第2の場合と判定することを特徴とする請求項5記載のジョイスティック信号処理装置。
  5. 360度の全方向に傾倒可能なスティックの傾倒方向に基づいて少なくとも8方位の指示を行うジョイスティック信号処理方法であって、
    ジョイスティックの傾倒方向信号に基づいて、ユーザにより指示された方位を決定するステップと、
    スティックの傾倒角度が予め定めた大きさ以下の傾倒角範囲内を不感帯とするとともに、隣接する方位角範囲の境界に位置する予め定めた方位角範囲内を不感帯とし、これらの不感帯内では不感帯内に入る直前の指示された方位を維持するステップと、
    を備えたことを特徴とするジョイスティック信号処理方法。
  6. 前記傾倒方向信号を所定周期でサンプリングした際の最新のサンプル値と、少なくとも1または2個の過去のサンプル値とを重み付け加算して、現在の傾倒方向を算出するステップを有することを特徴とする請求項4または5記載のジョイスティック信号処理方法。
  7. ユーザがスティックを保持する力を緩めたときにスティックが自動的に中立位置に復帰する第1の場合と、ユーザが意図的にスティックを移動させる第2の場合とを識別するステップと、この識別結果に応じて前記重み付け加算の重み付け係数を変更するステップとを有することを特徴とする請求項6記載のジョイスティック信号処理方法。
  8. 360度の全方向に傾倒可能なスティックの傾倒方向に基づいて少なくとも8方位の指示を行うジョイスティック信号処理方法であって、
    ジョイスティックの傾倒方向信号に基づいて、ユーザに指示された方位を決定するステップと、
    スティックの傾倒角度が予め定めた大きさ以下の傾倒角範囲内を不感帯とするとともに、隣接する方位角範囲の境界に位置する予め定めた方位角範囲内を不感帯とし、これらの不感帯内では不感帯内に入る直前の指示された方位を維持するステップと、
    を有することを特徴とするジョイスティック信号処理方法を実施するコンピュータプログラムを読み取り可能に記録した記録媒体。
JP2006057112A 2006-03-03 2006-03-03 ジョイスティック信号処理方法および装置 Expired - Fee Related JP4199776B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006057112A JP4199776B2 (ja) 2006-03-03 2006-03-03 ジョイスティック信号処理方法および装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006057112A JP4199776B2 (ja) 2006-03-03 2006-03-03 ジョイスティック信号処理方法および装置

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000000478A Division JP2001188626A (ja) 2000-01-05 2000-01-05 ジョイスティック信号処理方法および装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006155664A JP2006155664A (ja) 2006-06-15
JP4199776B2 true JP4199776B2 (ja) 2008-12-17

Family

ID=36633797

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006057112A Expired - Fee Related JP4199776B2 (ja) 2006-03-03 2006-03-03 ジョイスティック信号処理方法および装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4199776B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111001155A (zh) * 2019-11-22 2020-04-14 深圳市七熊科技有限公司 确定摇杆操作方向的方法及摇杆装置

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6552996B2 (ja) * 2016-06-07 2019-07-31 日立建機株式会社 作業機械
CN113031657B (zh) * 2021-03-12 2022-11-25 北京北特圣迪科技发展有限公司 一种手柄直接位置控制的信号处理方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111001155A (zh) * 2019-11-22 2020-04-14 深圳市七熊科技有限公司 确定摇杆操作方向的方法及摇杆装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006155664A (ja) 2006-06-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9250300B2 (en) Dynamic magnetometer calibration
KR101073062B1 (ko) 움직임 감지를 통한 힘 강도 및 회전 강도를 입력하는 방법 및 디바이스
JP4269155B2 (ja) ポインティングデバイス制御システムおよび電子機器
US7552541B2 (en) Pointing device
US7549131B2 (en) Method of controlling movement of a cursor on a screen and a computer readable medium containing such a method as a program code
JP2014189183A (ja) 入力装置、入力方法及び入力プログラム
JP4199776B2 (ja) ジョイスティック信号処理方法および装置
JP2008158842A (ja) 地図表示装置
US20140051517A1 (en) Dynamic magnetometer calibration
WO2017155727A2 (en) Movement space mapping for control sticks in user input devices
EP2401578A1 (en) System and methods for calibratable translation of position
CN100403216C (zh) 用以在手持式计算装置中产生模拟信号的系统
WO2013031134A1 (en) Information processing apparatus, information processing method, and program
JP4799261B2 (ja) 画像表示装置、その制御方法及びプログラム
EP3426364B1 (en) Mechanical center calibration of control sticks in user input devices
JP2001188626A (ja) ジョイスティック信号処理方法および装置
JP3745182B2 (ja) 指示方向信号処理方法および装置
JP7164011B2 (ja) 把持位置姿勢登録装置、把持位置姿勢登録方法及びプログラム
JP7123750B2 (ja) 解析装置、および解析システム
JP4450569B2 (ja) ポインタカーソル制御装置及びその装置を備えた電子機器
JPH10160506A (ja) 角度計測装置
AU2017314145B2 (en) Method for controlling a display element by a games console
JPS60168479A (ja) コンピユ−タ
WO2019089349A1 (en) Magnetic robot calibration
JP7193207B2 (ja) 教示装置及び教示方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080826

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080910

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20081003

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111010

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111010

Year of fee payment: 3

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111010

Year of fee payment: 3

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111010

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111010

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121010

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121010

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131010

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees