JP4199450B2 - 表面性状測定装置、表面性状測定方法及び表面性状測定プログラム - Google Patents

表面性状測定装置、表面性状測定方法及び表面性状測定プログラム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被測定物の輪郭、二次元形状、三次元形状、表面粗さ等の表面性状を測定する表面性状測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
被測定物の粗さ、うねり、輪郭、真円度、三次元形状などの表面性状の測定にあたっては、被測定物上の測定箇所の選択と測定条件の設定が必要となる。ところが、測定箇所が微細であったり、高精度な加工が行われている場合には、測定機の性能限界に近い精密測定が必要とされ、測定条件や測定結果の解析条件の設定が容易ではなく、試行錯誤的に各種条件を微調整しながら測定、解析を繰り返す必要があった。このような場合、何度も測定を行うことから、多くの時間を必要とすると共に、触針式の測定機の場合には、同一箇所を何度もトレースすることによる微細な傷の発生原因にもなっており、極めて能率の悪い測定作業となっていた。
【0003】
このような問題に対して、特許第2688030号公報では、低い測定倍率で測定範囲を広めに設定して被測定物の予備測定を行った後、この測定結果を画面表示させ、この結果を参照して本測定での測定開始点を指定し、所定の測定倍率で測定を行うことによって、測定能率を向上させた表面性状測定機が提案されている。また、特許第2902163号公報では、被測定物の予備測定を行った結果を画面表示し、その結果から測定範囲を指定する表面性状測定機、あるいは、この指定された測定範囲から最適レンジを算出する表面性状測定機が提案されている。
【0004】
一方、このようにして本測定を行って、データ(測定データ点列)が得られると、そのデータの各部分に対して、粗さ解析や形状解析などの表面性状解析を行う場合がある。すなわち、測定データ点列の各部形状が、直線、円、楕円、放物線、双曲線などのいずれの形状になっているか、あるいは各部の粗さやうねりを解析する必要が生じる場合がある。この表面性状解析に際しては、オペレータは測定データ点列を画面表示した後、解析箇所と解析条件等を指定して個別に解析を行う必要があるために、多くの時間を必要とし、効率の悪い作業となっていた。
【0005】
この問題に対して、特許第3020081号公報では、測定データの種類を自動的に判別する輪郭形状測定方法が提案されている。この輪郭形状測定方法は、(イ)幾何形状判別条件を入力し、(ロ)ワークを測定して形状データを得て、(ハ)前記形状データを2回微分して前記形状データの幾何形状境界を仮設定し、(ニ)前記仮設定された幾何形状境界の近傍と測定開始点の近傍及び測定終了点の近傍を除いて前記形状データの幾何形状演算領域を設定し、(ホ)前記設定された幾何形状演算領域ごとに、前記幾何形状判別条件に基づいて前記形状データの幾何形状を判別しながら、幾何形状値を演算し、(ヘ)前記演算された幾何形状値から幾何形状境界値を演算し、(ト)前記演算された幾何形状値と幾何形状境界値を出力するものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
特許第3020081号公報に開示された表面性状測定機においても、少なくとも1回の予備測定を行う必要があり、さらに測定箇所が微細な場合は、測定箇所の特定のために、複数回の予備測定が必要となる場合もあった。
しかし、こうした予備測定の場合であっても何度も繰り返すことは、多くの時間を必要とすると共に、触針式の測定機の場合には、上記同様に微細な傷の発生原因にもなり、測定能率改善の余地があった。
【0007】
また、従来の改良された輪郭形状測定方法であっても、自動判別するための判別条件はオペレータが予め設定して入力しておく必要があり、この判別条件が適切でない場合には形状解析を誤る可能性があった。更に、形状境界が2回微分により自動的に仮設定されるので、例えば加工工程のつなぎ目などで生じる微小不連続部を形状境界と誤ることもあり、設計時の想定とは異なる形状解析結果となる場合があった。
【0008】
本発明は、かかる問題点に鑑みなされたもので、予備測定を行う必要がなく、また、測定条件や解析条件の設定が容易に行える表面性状測定装置を提供することを目的とする。
【0015】
本発明に係る表面性状測定方法は、被測定物の表面性状を測定するステップと、被測定物の設計値データを取得するステップと、該設計値データを表示するステップと、表示された前記設計値データに基づき、前記測定結果を解析する解析範囲を指定するステップと、指定された前記解析範囲内に含まれる前記設計値データの情報を抽出するステップと、抽出された前記設計値データの情報に基づき前記測定結果を解析する際の解析条件を決定するステップと、決定された前記解析条件を表示するステップとを備え、前記解析条件を決定するステップは、前記設計値データを構成する基本図形の種類に関する情報に基づき前記解析条件を決定すると共に、前記解析範囲内に前記基本図形が複数含まれる場合に、該基本図形間の関係に基づき前記解析条件を決定することを特徴とする。この発明によれば、取得された設計値データが表示される。オペレータは、この表示された設計値データを見て解析範囲を指定する。指定された解析範囲に含まれる前記設計値データの情報が抽出され、この情報に基づき解析条件が生成される。こうして決定された解析条件が表示される。解析条件が設計値データにより自動的に決定されるため、オペレータが測定結果を見て解析条件を入力する等の手間が軽減される。
【0016】
記発明において、前記解析条件を決定するステップにおいて、前記解析範囲内に前記基本図形として複数の直線が含まれる場合に、該複数の直線がなす角度を計算する前記解析条件を決定するようにすることができる。又は、前記解析条件を決定するステップは、前記解析範囲内に前記基本図形として互いに平行な直線が含まれる場合に、該平行直線間の距離を計算する前記解析条件を決定するようにすることができる。又は、前記解析条件を決定するステップは、同一種類の前記基本図形が複数個連続している場合に、前記基本図形間のピッチを計算する前記解析条件を決定するようにすることができる。
【0017】
また、前記発明における前記解析条件を決定するステップは、前記基本図形の境界付近を前記解析するステップにおける解析の対象から除外するようにすることができる。また、前記発明における前記解析条件を決定するステップは、前記基本図形の形状及び大きさに関する情報を基準データとして前記解析条件を決定するようにすることができる。
【0018】
また、前記発明において、表示された前記解析条件を編集するステップを更に備えるようにすることができる。
【0019】
また、前記発明における前記被測定物の設計値データを取得するステップにおいて、該被測定物を加工する際の加工条件データを更に取得して設計値データに統合するようにすることもできる。
【0020】
また、上記発明に係る表面形状測定方法をコンピュータプログラムにより実行させてもよい。
【0023】
本発明に係る表面性状測定装置は、被測定物の表面性状を測定する表面性状測定手段と、被測定物の設計値データを取得する設計値データ取得手段と、該設計値データを表示する表示手段と、該表示手段に表示された前記設計値データに基づき、前記表面性状測定手段により得られた測定結果を解析する解析範囲を指定する測定範囲指定手段と、指定された前記測定範囲内に含まれる前記設計値データの情報を抽出する情報抽出手段と、前記表面性状測定手段による測定結果を解析する解析手段と、前記情報抽出手段からの前記情報に基づき前記解析手段による解析条件を決定する解析条件決定手段と、前記解析条件決定手段により決定された解析条件を表示する解析条件表示手段とを備え、前記解析条件決定手段は、前記設計値データを構成する基本図形の種類に関する情報に基づき前記解析条件を決定すると共に、前記解析範囲内に前記基本図形が複数含まれる場合に、該基本図形間の関係に基づき前記解析条件を決定することを特徴とする。
【0024】
の発明によれば、取得された設計値データが表示手段により表示される。オペレータは、この表示手段に表示された設計値データを見て解析範囲を指定する。指定された解析範囲に含まれる前記設計値データの情報が情報抽出手段により抽出され、この情報に基づき解析条件が解析条件生成手段により生成される。こうして決定された解析条件が表示手段に表示される。解析条件が設計値データにより自動的に決定されるため、オペレータが測定結果を見て解析条件を入力する等の手間が軽減される。
【0025】
【発明の実施の形態】
[第1の実施の形態]
次に、本発明の実施の形態を、本発明を輪郭形状測定装置に適用した場合を例にとって詳細に説明する。
図1に示すように、輪郭形状測定装置1は、プローブ11を備えている。プローブ11はプローブ保持部12により保持されており、プローブ保持部12に対し支点を中心に円弧を描くように回動可能に支持されている。このプローブ11の回動量は図示しない回動センサによって検出可能となっており、検出信号としてコンピュータ2に出力される。
プローブ保持部12は、水平送り装置13により、図1に示すX軸方向に摺動自在に保持されている。また、水平送り装置13は、垂直送り装置17により、コラム15に対し図1に示すZ軸方向に移動自在に構成されている。
【0026】
ベース16上には、被測定物6を載置するための載置台14が配置されており、この載置台14は、ベース16上を、図1に示すY軸方向に移動自在に構成されている。また、プローブ保持部12、水平送り装置13、載置台14の位置は、それぞれ位置センサ12S,13S,14Sにより検知され、プローブ11が被測定物に接触した時のこれら位置センサ12S,13S,14Sの出力を位置データとしてコンピュータ2に出力するものである。コンピュータ2は、キーボード3、マウス4からの入力に基づき情報処理を実行するとともに、その結果をディスプレイ5に出力する。
【0027】
図2は、コンピュータ2とその周辺の構成を示すブロック図である。図2に示すように、プローブ11の検出信号は、プリアンプ21で増幅された後、A/D変換器21aでデジタル値に変換されてCPU22に入力される。なお、このプリアンプ21での増幅率は、測定倍率出力回路21bからの信号に基づいて決定される。測定倍率は、後述する測定条件生成プログラムにおいて決定される。
【0028】
プローブ11は水平送り装置13により所定の速度でX方向に移動される。この移動速度は、後述する測定条件生成プログラムにおいて生成され、その生成された測定速度値に対応した値が測定速度出力回路13aから出力される。
そして、この値がDA変換器13bによりアナログ値に変換されるとともに、パルス幅変調器13cにおいてPWM変調され、水平送り装置13に送られる。これにより、水平送り装置13が生成された速度でX方向に駆動される。
【0029】
こうして、位置センサ12Sの検出信号、及びプローブ11からの検出信号がCPU22に入力され、これにより被測定物6の測定データを得ることができる。すなわち、CPU22に取り込まれた各検出信号はインターフェース23を介してハードディスク24に一旦格納され、ハードディスク24に格納された測定データは、必要に応じて、RAM27に転送、記憶されるとともに、表示制御部25に出力され、これにより測定データがディスプレイ5に表示される。
【0030】
また、垂直送り装置17は、上下移動出力回路17a、パルス発生器17b、パルス計数器17cを介してCPU22と接続されている。上下移動出力回路17aは、後述する測定条件生成プログラムにおいてプローブ11のZ方向の基準位置が決定されると、これに対応する上下移動信号を生成し、これをパルス発生器17bに向けて出力する機能を有する。パルス発生器17bは、この上下移動信号に対応するパルス信号を発生させる。そして、このパルス信号は、パルス計数器17cでカウントされる。これにより、垂直送り装置17が所定距離だけZ方向に駆動され、プローブ11のZ方向に関する基準位置が決定される。
【0031】
ROM28には、後述する測定条件生成プログラム及び計算内容・計算手順作成プログラムが記憶されている。また、キーボード3、マウス4は、インターフェース26を介してCPU22と接続されている。
【0032】
CADシステム29は、インターフェース29aを介してCPU22と接続されている。CADシステム29からのCADデータはCPU22に取り込まれた後、表示制御部25で所定の情報処理を受けた後、CRT5の画面上に図形として表示される。
輪郭形状測定装置1は以上のように構成されている。
この輪郭形状測定装置1による被測定物6の通常の測定は次のように行う。
まず、被測定物6を載置台14に載置した後、垂直送り装置17を駆動してプローブ11が被測定物6と干渉しない位置まで上方に引き上げる。
次に、水平送り装置13を駆動してプローブ11を前進させ、被測定物の上方へプローブ11を位置決めする。
【0033】
その後、載置台14の位置を微調整してY方向の測定位置を決定し、さらに垂直送り装置17を駆動してプローブ11を下降させて、プローブ11先端の触針を被測定物6に接触させると共に、コンピュータ2に測定距離、測定ピッチ、測定速度、測定倍率などを設定して、測定準備が完了する。
この後、コンピュータ2に測定開始を指令すると、水平送り装置13がプローブ11をX方向(図1の右方向)へ設定された測定速度で駆動を開始する。触針が被測定物6の表面の凹凸に応じて上下に回動すると、検出結果が出力され、コンピュータ2は、検出結果を測定倍率に応じて増幅した上で、測定ピッチ毎にその増幅結果を取り込んでデジタルデータに変換して結果をRAM27などに記憶・格納する。その後、プローブ11が、あらかじめ設定された測定距離の駆動を完了すると停止する。
【0034】
測定を完了すると、記憶・格納されている測定データが取り出され、別途設定した解析条件で測定データが解析されて結果がディスプレイ5に表示されたり、あるいは図示しない印刷装置などの周辺機器に出力される。
この通常の測定操作においては、最適な測定条件や解析条件が不明なため、被測定物6の測定を何度か行いながら、最適条件に追い込んでいく。
【0035】
例えば、垂直送り装置17によってプローブ11を下降させて被測定物6に触針を接触させた時のプローブ11の位置が被測定物6に対して高すぎる位置にある場合は、プローブ11が下方に回動した状態で被測定物6に接触しているので、測定中において被測定物6の谷底部分まで触針が届かないおそれがある。これに対して基準位置が被測定物6に対して低すぎる位置にある場合は、プローブ11が上方に回動した状態で被測定物6に接触しているので、測定中において被測定物6の山頂部分ではプローブ11が過度に上方へ回動させられ、プローブ11破損の原因と成りうる。従って、被測定物6の測定範囲における谷底と山頂の両者がプローブ11の回動範囲内に収まるような基準位置にプローブ11を位置決めしておく必要がある。すなわち、測定開始位置におけるプローブ11の最適な回動角度が存在する。基準位置とは、この最適回動角度時におけるプローブ11の検出出力の値を示す。
【0036】
尚、ここで示した測定開始位置におけるプローブ11の姿勢は必ずしも、回動中心(X方向と平行)に一致するとは限らない。
また更に、被測定物6の測定開始位置に対して、測定終了位置における被測定物6が過度に高すぎる、あるいは低すぎる場合は、被測定物6の測定面が測定方向(X方向)に対して傾斜している可能性があるので、この傾きを載置台14によって調整しておく必要がある。
【0037】
測定データの解析にあたっても、測定データのディスプレイ5への表示結果から、ある箇所が曲率半径の大きな円弧として解析すべきか、直線として解析すべきか判断に迷うことなどがあって、解析条件の設定にも試行錯誤が必要となる。これに対して本実施の形態においては、測定条件あるいは解析条件の設定は設計値データ(通常はCADデータが用いられるが、必要に応じて被測定物6を加工した時のCAMデータなどの加工条件データも合せて用いられる。)を基にして、オペレータに対してガイダンスを与えることができ、被加工物6の加工形状などによっては自動的、あるいは半自動的に各種条件設定を行うことが出来る。
【0038】
次に、測定条件生成プログラム、及び解析条件生成プログラムを実行した場合の具体的な処理を、図3に示すフローチャートにより説明する。
まず、オペレータは、キーボード3又はマウス4を用いて、被測定物6のCADデータの読み込みを指令する(S1)。すると、CADデータがCADシステム29又はハードディス24より読み込まれ、図1に示すように,ディスプレイ5にCADデータ図形30として表示される。
【0039】
次に、このCADデータ図形30上において、測定の対象とする範囲を選択する(S2)。この測定対象範囲の選択は、図4(a)に示すように、線31、32の表示位置をマウス4等を使用して変更、確定させることにより行う。
マウス4のポインタPを線31又32の近傍に合せた後、マウス4の左ボタンを押しながらマウス4を左右に移動させることにより、線31又は32の位置を移動させることができる。キーボード3のカーソルキー等により位置の調整を行わせてもよい。
【0040】
この線31,32の指定が終わると、この線31,32内に含まれるCADデータの基本図形要素に関するデータが、読み込まれたCADデータより抽出される。
例えば、この線31、32内に含まれるCADデータの最高高さ点の座標、最低高さ点の座標が抽出される。
次に、測定を開始する位置のX座標Xo及び測定ピッチΔmを決定する(S3)。Xoの決定は、図4(b)に示すように、CADデータ図形30上に表示される線33の位置をマウス4等により調整することにより行うことができる。また、測定ピッチΔmは、キーボード3のカーソルキーにより入力させるようにすることができる。
【0041】
線31の位置を測定開始位置とすることにより、この線33の位置の指定のステップを省略するようにしてもよい。
【0042】
次に、各種の測定条件の自動生成を行う(S4)。本実施の形態では、Z方向に関するプローブ11の基準位置Zo、測定倍率M、測定速度S、被測定物6の傾きT等の測定条件を自動生成する。
基準位置Zoは、前述の通りS2で抽出したCADデータの最高高さ点の座標、最低高さ点の座標及び測定を開始する位置から求められる。
基準位置Zoが生成されると、プローブ11の検出出力がこの基準位置Zoに一致するように、垂直送り装置17によってプローブ11の位置決めがなされる。
また、測定倍率Mは、S2で決定した測定対象範囲におけるZ軸の最大値及び最小値(高低差)に基づいて決定される。測定倍率Mが決定されると、測定倍率出力回路21bにより、プリアンプ21の増幅率が制御され、プローブ11からの検出信号に反映される。また、測定速度Sは、測定ピッチΔmに基づき決定される。
【0043】
さらに、被測定物6の傾きTは、S2で決定した測定対象範囲における高低差が最小となるような被測定物6の傾きが決定される。例えば、後述する図6における直線要素L2位置および双曲線要素H1の最低部が、それぞれ測定対象範囲における最大値(山頂)と最小値(谷底)を示す。これに対して、この設計値データ(CADデータ)が示すプロフィール(輪郭)全体について図6で示す右側を若干持ち上げる(プロフィール全体を反時計方向へ回転させる。)方が高低差が減少する。この高低差が最小となる角度が被測定物6の傾きTとなる。
被測定物6の傾きTが決定されると、自動または手動によって載置台14の被測定物載置面の傾きが調整される。また、プロフィール回転に伴って、設計値データの座標値が変化することになるので、この傾き修正が行われて、新しい座標値が算出される。
このようにして測定対象範囲の高低差が小さくなれば、さらに高い測定倍率を選択することが可能になるので、必要に応じて測定倍率Mが再決定される。
【0044】
次に、上記のような測定条件の下で得られた測定結果としての測定データ点列を解析する場合の解析条件が決定される。ここでは、S2において決定された測定対象範囲の内、測定開始位置(線33)から測定終了位置(線32)が解析対象範囲とされる。但し、測定対象範囲とは独立に解析対象範囲を決定することも出来る。
【0045】
まず、解析対象範囲においてその解析の対象から除外する範囲を選択する(S5)。
本実施の形態のような輪郭形状測定装置の場合、得られた測定データ点列をCADデータと比較し、その誤差を求める解析を実行するのであるが、その比較の際、例えば、図5(a)に示すように、2つの直線図形要素LqとLq+1とが隣接している場合に、LqとLq+1が接続される点Pqの前後に対応するデータをこの比較の対象から除外しようとするものである。
隣接する図形が形状誤差を生じることなく加工可能な場合には、この除外範囲を、図5(b)に示すようにゼロに設定することもできる。
【0046】
これに対して、隣接する図形要素の種類及び条件によっては、その隅部分の加工がうまく行えない場合があり、この場合には図形要素が隣接する所定部位を解析対象から除外することができる。例えば旋削工具(バイト)の先端は通常は曲線形状であるため、図形要素隣接部によってはR形状(いわゆる隅R)が形成されてしまい、形状誤差が生じる。また、加工機械によっては、例えば円弧形状の頂点などにおける切削方向の切り替わり点において、バックラッシュの影響によって、微小突起が生じることがある。従って、解析にあたっては、これらの部分を除外して解析することにより、解析の精度を向上させることができる。
【0047】
次に、上記のような測定条件の下で得られた測定結果としての測定データ点列を解析するための解析条件を自動生成する(S6)。すなわち、どのような内容の解析を、どのような手順で行うのかを決定する。
周知のように、CADデータは円弧、直線、双曲線などの基本図形の集合からなる。図6は、CADデータの一例を、そのデータ構造と共に示すものである。図6(a)は、CADデータをCRT5の画面上に展開させた場合の表示例であり、直線要素L1―L9、円弧要素C1−C2、双曲線要素H1−H3を含む複数の基本図形要素が表示されている。
【0048】
これらの各基本図形要素(L1−L9、C1−C2、H1−H3)に関するデータは、形状の種類(円弧、直線、双曲線)に関するデータと、その位置及び大きさに関するデータとから構成されている。
これら1つの基本図形要素の形状の種類に関するデータと、その位置及び大きさに関するデータとは、図6(b)に示すように、1つの基本図形要素データセットf1,f2・・・・・・に対応付けて記憶される。
【0049】
1つの基本図形データセットfiは、ヘッダ部41とデータ部42とからなり、ヘッダ部41に形状の種類に関するデータが記憶され、データ部42に位置及び大きさに関するデータが記憶される。例えば、図6(a)に示す直線要素L1に関するデータは、図6(b)に示すように、その形状の種類を示す記号L1がヘッダ部41に記憶され、その始点座標のデータ(x0,y0,z0)と終点座標のデータ(x1、y1、z1)のデータがデータ部42に記憶される。他の直線要素L2−L9も同様である。
【0050】
また、図6(a)に示す円弧要素C1に関するデータは、その形状の種類を示す記号C1がヘッダ部41に記憶され、円中心座標データ(cx1、cz1)、半径データr1、角度データθ(θ1〜θ2)等がデータ部42に記憶される。円弧要素C2も同様である。
【0051】
また、双曲線要素H1に関するデータは、その形状の種類を示す記号H1がヘッダ部41に記憶され、焦点座標データ(Fx1、Fz1)と傾きデータg1とがデータ部42に記憶される。双曲線要素H2、H3も同様である。
【0052】
本実施の形態では、CPU22が、このCADシステム29より、指定された測定範囲に含まれる基本図形要素(L1−L9、C1、C2、H1、H3)の形状の種類に関するデータと位置及び大きさに関するデータとを抽出する。そして、この抽出したデータを測定結果を解析するための基準データとしてハードディスク24に記憶させる。
【0053】
また、このS6では、測定結果に対してどのような種類の計算を行うのかを、これらハードディスク24に記憶された基本図形要素(L1−L9、C1、C2、H1−H3)の種類情報に基づいて決定する。
計算内容の種類の決定方法の一例について、図7を用いて説明する。例えば、図7(a)に示すように、直線要素LnとLn+1がある角度で交差している場合には、その隣り合う図形要素L1、L2がなす角度αを計算する。
また、図7(b)に示すように、近接する直線要素LmとLm+1が互いに平行である場合には、この2つの要素LmとLm+1間の直交距離(段差Δh)を演算するようにする。
【0054】
また、同一の大きさを備えた同一種類の基本図形要素が連続して現われる場合、例えば図7(c)に示すように、同一の大きさの双曲線要素Hm−1、Hm、Hm+1が連続して現われる場合、その要素Hが現われる間隔P1−P2(ピッチ)を演算するようにする。
【0055】
こうして入力、生成された測定条件及び解析条件は、図8に示すようにモニタ5に表示される(S7)。測定倍率M、測定ピッチΔm、測定速度S等はCRT5の画面右上に数値として表示され、また、測定開始位置のX座標Xoや解析対象から除外する範囲35は、CADデータ図形30上に重畳的に表示される。また解析の手順は、各基本図形要素の上部に数字1−7で表示され、CADデータ図形30の下部には、この数字1−7に対応させて、どのような図形が解析時の基準とされるかが文字L1−L5、及びC1−C2で表示される。
【0056】
また、角度計算が行われる旨は角度計算表示36で、段差計算が行われる旨は段差計算表示37により表示される。
オペレータはこれらの表示を見て、編集が必要と判断する場合には(S8)、この画面上で編集作業を行う(S9)。例えば、角度計算が不要と考える場合には、角度計算表示36をマウス4でダブルクリックして、その表示を消去するなどすることができる。編集が不要と判断した場合、編集が完了した場合には、「OK」アイコン34をクリックする。これにより、測定条件と解析条件の生成が終了する(S10)。生成された測定条件、解析条件はハードディスク24に保存されるので、その後、随時これらの条件を用いて、測定あるいは解析を行うことが出来る。
【0057】
尚、この測定条件によって被加工物6の測定を行うためには、CADデータの座標系と被測定物の座標系を一致させておく必要があるが、これは、CADデータと被測定物の双方に一箇所あるいは二箇所以上の標準点を設けておき、この標準点へプローブを位置決めしたときのCADデータの標準点座標値と被測定物座標値を一致させる座標合せを行えば良い。
さらに、この解析条件によって被加工物6の測定データを解析する場合には、同様に標準点を設けておき、この標準点におけるCADデータの標準点座標値と被測定物座標値を一致させてから、測定データを得る方法の他、測定データを得た後で、この標準点におけるCADデータの標準点座標値と被測定物座標値が一致するように、CADデータあるいは測定データを座標変換する方法としても良い。さらに、CADデータと測定データを最小自乗法によって誤差が最小となるようにCADデータあるいは測定データを位置決めして座標変換を行う、いわゆるベストフィット方法を用いても良い。
【0058】
以上によって生成された測定条件を用いて表面性状測定装置1によって被測定物6の測定を行う。
また、被測定物6を表面性状測定装置1によって測定して得られた測定データは、以上によって生成された解析条件を用いて解析し、結果をディスプレイ5に表示したり、プリンタやプロッタに印刷したり、内部または外部の記憶装置へ格納したり、あるいは必要に応じて外部機器へ出力する。
【0059】
この第1実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)CADデータを読込み、その内容を画面表示して測定範囲を指定すると共に、測定開始点などの必要最低限のデータをオペレータが対話的に入力するだけで、自動的に測定条件が生成される。従って予備測定を行う必要のない、本測定用の最適な測定条件が簡単に生成できるので、予備測定による被測定物の傷の発生もなく、測定の段取り能率と測定そのものの能率が向上する。
(2)測定条件が自動的に生成されるので、オペレータの勘違いなどによる人為的なミスが混入する機会を減少させることができ、測定の信頼性が向上する。
(3)測定範囲のCADデータから最高高さ点と最低高さ点の座標を抽出して高低差を算出し、この情報を基にして測定開始点におけるプローブ位置決めのための基準位置を決定するので、測定範囲において検出出力が測定可能範囲を逸脱する、いわゆるオーバーレンジを防止できる。このためプローブの破損を防止することができて、測定の信頼性が向上する。
【0060】
(4)さらに、この基準位置決定によって、プローブの測定範囲中の最も精度の高い範囲(通常は、全測定範囲の中央部分)を用いて測定を行うことができるので、常に測定装置の最高性能を引き出すことができて、測定精度が向上する。
(5)高低差に関する情報を基にして測定倍率が決定されるため、測定において倍率過大あるいは倍率過小となることがなく、測定が一回ですむので、測定能率が向上する。
(6)高低差に関する情報を基にして測定倍率が決定されるため、測定データを最大限に大きく増幅できて、信号のS/N比が改善され、精度の高い測定データを得ることができる。
【0061】
(7)測定速度が測定ピッチに基づいて決定されるため、プローブの構造的あるいは電気的応答周波数を逸脱しない範囲で最大の測定速度を決定することができ、測定時間の短縮化を図ることができるので、測定能率が向上する他、検出出力が応答周波数以下であることが保証されるので、測定精度が向上する。
(8)高低差に関する情報を基にして、この高低差が最小となる被測定物の傾きが求められるので、被測定物の測定段取りにおける傾き調整が容易になって段取り能率が向上する。
(9)高低差に関する情報を基にして、この高低差が最小となる被測定物の傾きが求められ、この傾きによって被測定物の傾きが調整されるので、測定倍率を最大にすることができ、測定データを最大限に大きく増幅できて、信号のS/N比が改善され、精度の高い測定データを得ることができる。
【0062】
(10)高低差に関する情報を基にして、この高低差が最小となる被測定物の傾きが求められ、この傾きによって被測定物の傾きが調整されるので、傾きが調整される前には、高低差がプローブの測定範囲を超えるような被測定物であっても、傾き調整によって高低差が最小となり、プローブの測定範囲内に収まって測定可能となる可能性がある。
(11)CADデータを読込み、その内容を画面表示してオペレータが対話的に解析範囲を指定するだけで、自動的に解析条件が生成される。従って測定データの最適な解析条件が簡単に生成できるので、測定データの解析能率が向上する。(12)解析条件が自動的に生成されるので、オペレータの勘違いなどによる人為的なミスが混入する機会を減少させることができ、測定データ解析の信頼性が向上する。
【0063】
(13)解析範囲のCADデータから基本図形の種類に関する情報に基づき解析条件が生成されるので、表示された測定データから基本図形を推定する場合に比べて、解析の信頼性が格段に向上する。
(14)解析範囲のCADデータのうち、所定部位を解析対象から除外することができるので、加工時に生じる形状(基本図形)端部における削り残し部分などを解析対象外とすることができ、解析の信頼性が向上する。
(15)解析範囲のCADデータに複数の基本図形を含む場合には、これらの基本図形間の相対関係に基づいて解析条件を生成できるので、基本図形間の位置関係(段差、間隔、ピッチなど)、傾き(角度など)関係など、複雑な解析であっても容易に解析条件が生成され、解析能率が向上する。
【0064】
(16)解析範囲のCADデータに含まれる基本図形の形状及び大きさに関する情報を基準データとして、測定データを比較して誤差(形状誤差、段差誤差、間隔誤差、ピッチ誤差、角度誤差など)を求めるための解析条件が容易に生成できるので、この解析条件を用いて測定データの解析を行えば、被測定物の精度の推定および合否の判定が容易かつ確実に行える。
(17)測定条件と解析条件は自動的に生成された結果を画面表示するので、確認が容易になると共に、対話的に編集することができ、条件の細部の微調整が極めて容易に行えるため、測定装置やコンピュータの性能を限界まで引き出すことができる。そのため、測定効率や解析効率が向上し、測定・解析作業全体の精度と信頼性が向上する。
【0065】
[第2の実施の形態]
以上、本発明を輪郭形状測定装置に使用した場合について説明したが、本発明は被測定物の表面粗さを測定する表面粗さ測定装置にも適用可能である。
この第2の実施形態においても、基本的な処理の流れは第1実施形態における図3と同一であるので、以下に相違点のみを説明する。
S1におけるCADデータの取り込みにおいて、CADデータ中に基本図形の種類毎に各部の設計上の仕上げ粗さ指定(粗さのパラメータの種類と粗さの限界値)が指定されている場合(例:Ra<0.5μm以下)は、その指定に従って後述するように粗さ測定条件を生成することができる。
【0066】
これに対して、CADデータ中に仕上げ粗さ指定がない場合には、粗さ測定条件を生成することが出来ない。この場合には、CAMデータ(Computer aided Machining Data)や、実際の加工において用いられた加工条件データ(刃具の種類、主軸回転速度、切削送り速度、被測定物6の材質等)など、粗さを推定できるデータを入力してCADデータに統合しておく。
【0067】
次に、測定範囲の決定(S2)において、粗さ測定の場合は輪郭測定の場合と異なり、複数の基本図形の種類を連続して測定するのではなく、複数の基本図形の種類を不連続に測定するように決定する。例えば図6のプロフィールにおいては、直線要素L2の全域、円弧要素C2の中央部(底部)などの複数の測定箇所を画面上で選択して決定する。あるいは、CADデータ中に基本図形の種類毎に各部の設計上の仕上げ粗さ指定がある場合は、それらの指定のある形状(基本図形の種類)箇所が自動的に選択されて決定される。但し、この場合、測定終了箇所(線32)は後述するS4において自動的に決定されるので、必ずしもここで決定する必要はない。
【0068】
複数の測定範囲が決定されると、それらの測定範囲に該当するCADデータ(必要に応じてCAMデータ等が統合済)から、各々の基本図形要素や粗さに関する情報が抽出される。
その後、測定開始位置のX座標Xoの指定(S3)においては、各測定範囲毎に決定される。測定ピッチΔmについては、後述する測定条件の生成(S4)において自動的に決定される。
粗さ測定条件の生成に必要な条件の入力が完了すると、測定条件が自動的に生成される(S4)。
粗さ測定条件の生成は、基本的には日本工業規格(例:JIS B 0601-1994)などの各種の規格に従って行われる。例えばJIS B 0601-1994に従えば、粗さRaを求める場合は、「基準となる粗さRa」の大きさの範囲によって、カットオフ値と評価長さが決定される。具体的な一例としては、粗さRaの大きさが、0.1μmを超え、2.0μm以下の場合には、カットオフ値を0.8mm、評価長さを4mmとする。つまり、測定開始位置のX座標Xoから4mmの長さが測定範囲となる。カットオフ値とは、粗さ解析を行う場合に測定データに対してフィルタ処理を行うが、そのフィルタの遮断長さを示している。このフィルタは粗さやうねりの測定種類によって、ハイパスフィルタ、ローパスフィルタなどが用いられるが、粗さRaの場合にはハイパスフィルタが用いられる。これらの粗さ測定条件生成の「基準となる粗さ」は、S2で抽出された粗さに関する情報が用いられる。
【0069】
CADデータ中に評価長さや基準長さなどの測定条件の指定がある場合には、その値を用いることが出来る。
測定ピッチΔmは、前記の評価長さと、その粗さ測定装置において可能なサンプリングピッチの上限値(最小サンプリングピッチ)および測定データの格納に用いられる記憶装置(RAM27)の大きさから決定される。この際、測定ピッチΔmが小さくなれば、大きな記憶装置容量が必要となる。これに加えて、これらの条件を満たしつつ、測定データ数が1024、4096などの2のべき乗となる測定ピッチΔmが決定される。この2のべき乗とするのは、主にフィルタ計算処理の精度と演算速度の最適化を目的とするためである。
【0070】
このようにして、測定ピッチΔmが決定されると、その粗さ測定装置において、その測定ピッチΔmが可能な測定速度が決定される。これらの関係は、一般に測定ピッチΔmが大きければ、高速の測定速度が可能であるが、測定ピッチΔmが小さい場合には、低速の測定速度として、測定時間間隔が過度に狭くならないようにする必要があることに起因する。ここで、測定ピッチはX方向の長さである。
この実施形態においては、測定ピッチΔmを決定した後に測定速度Sを決定しているが、このような制約関係を満たす限りにおいては、測定速度Sを決定した後に測定ピッチΔmを決定するようにしても良い。
【0071】
その他の基準位置Zo、測定倍率M、被測定物6の傾きTの測定条件の自動生成は、第1実施形態と同一であるが、複数の測定箇所の各々について決定される点が相違する。
解析対象範囲の決定は、S2において決定された測定開始位置XoとS4において自動生成された評価長さから決定されるが、必要に応じて測定データが存在する領域を解析対象範囲として決定することも出来る。
粗さ測定においては、一般的に測定箇所が限定されることから、通常は解析の除外範囲はゼロとする(S5)。
【0072】
解析条件生成は、前記のCADデータから抽出された「基準となる粗さ」に基づくカットオフ値が決定され、このカットオフ値によるフィルタ処理の後、所定の粗さ計算条件が決定される(S6)。粗さのパラメータの種類によっては、補助的な条件値を与える必要が生じるが、ここでは代表的な値が割り当てられるが、これらは、S9において修正可能である。
測定条件と解析条件の表示は、第1実施形態のヘッダ部41とデータ部42に加えて粗さ情報(粗さのパラメータなど)がデータ部43として追加して表示される。
【0073】
この第2実施形態によれば、第1実施形態における(1)〜(12)、(17)に加えて、次の効果を奏する。
(18)粗さ情報などがCADデータに含まれていない場合であっても、CAMデータや被測定物の加工条件データをCADデータに統合することができるので、CADデータのみでは生成できない測定条件や解析条件を生成することが出来る。これにより、より広範な被測定物に対して測定や解析の能率を向上させることができる。
(19)粗さやうねり測定のように、本来、被測定物の予備測定を行って「基準となる粗さやうねり」を求めなければ測定条件が決定できない測定であっても、予備測定を行うことなく、CADデータから測定条件を生成できるので、測定の能率が向上する。
(20)各種の規格に従って測定条件や解析条件が生成されるので、オペレータの勘違いや誤認による測定ミス、解析ミスを防止できて、測定の能率が向上する。
(21)被測定物の複数の範囲に渡って、それぞれ異なる測定条件、解析条件を生成できるので、測定の自動化を行うことも出来、測定能率が格段に向上する。
【0074】
以上の実施の形態においては、測定条件と解析条件の両方を自動生成するようにしているが、いずれか一方のみを自動生成するように構成し、他方はすべてマニュアル的に入力させるようにしても差し支えない。
あるいは、測定条件と解析条件の一方のみを自動生成し、他方を生成する機能を備えないものであっても良い。
また、これらの実施形態においては触針を備えた接触式の測定装置に限って説明したが、CCDカメラやイメージセンサあるいは超音波センサなどから構成される非接触式のプローブを備えた表面性状測定装置であっても良く、特定のプローブの形式に限定されない。
【0075】
また、第2実施形態においては粗さ測定条件と粗さ解析条件に限って説明したが、粗さの他にうねりを測定するものであっても良く、さらに粗さやうねりを測定する表面性状測定装置において、微小輪郭形状を測定するものであっても良い。
さらに、これらの表面性状測定方法は、輪郭形状測定装置と粗さ測定装置に限って説明したが、真円度測定装置、画像測定装置、三次元測定装置の他、ねじ形状測定装置などの専用測定装置あるいは複合測定機能を備えた表面性状測定装置において実施しても良い。
【0076】
また、CADデータや測定データについては、二次元データに限らず、三次元データでもよく、座標形式についても直交座標系に限らず、極座標系でも良く、特定の座標形式に限定されない。
さらに、CADデータの形式、フォーマットについても、任意のもので良く、特定のCADデータ形式やフォーマットに限定されない。
また、CADデータの画面表示形式についても、第1実施形態によって示したプロフィールや輪郭形状あるいは断面曲線によるものに限らず、三次元的な形状を、ワイヤーフレーム表示、各種メッシュ表示、ソリッドモデル表示などで表示しても良い。
【0077】
さらに、測定条件や解析条件の範囲指定などの上述の各種指定方法および生成された各種条件の編集方法は、画面表示とキーボードとマウスによる方法の他、回転ダイヤルなどの特殊な入力機器を用いても良く、さらに、音声などの可聴周波数帯域における音波入力機器あるいは音波出力機器を用いて、対話性能を向上させたものであっても良い。
【0078】
さらに、本発明による表面性状測定方法は、表面性状測定装置に必ずしも直結されない独立のコンピュータ上でCADデータを基にして測定条件あるいは解析条件を生成するものであっても良く、さらに、コンピュータとしては1つに限らず、例えば複数のコンピュータをネットワーク状に組み合せた構成であってもよい。さらにコンピュータで生成された測定条件や解析条件は、ネットワークやフロッピーディスクなどを経由して表面性状測定装置に入力可能としてそれらの条件によって測定と解析を行っても良く、さらに、表面性状測定装置における測定データを同様にしてコンピュータに入力可能とし、コンピュータ上で測定データの解析を行っても良い。
【0079】
また、上述した表面性状測定方法をコンピュータに実行可能なプログラムの形態とすることにより、可搬性があり、複数の異なる機種のコンピュータにおける実行可能性が向上させて、本発明の利用促進を大幅に図ったものであっても良い。ここで、コンピュータとしては1つに限らず、例えば複数のコンピュータをネットワーク状に組み合せた構成なども含む。
さらに、このプログラムの形態は、データ処理部とユーザインターフェイス部を分離したサーバークライアント形態であっても良い。
また、このプログラムの形式はコンパイラ形式、インタプリタ形式などの言語形式に限定されない。
さらに、このプログラムは固定型の記憶手段の他、フロッピーディスクや光ディスクなどの各種可搬型のメディア(記憶手段)へ格納しても良い。
さらに、本発明によって生成された各種被測定物の測定条件や解析条件を集積してデータベースを構築しても良い。
【0080】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、設計値データに基づき測定条件や解析条件が自動的に決定されるので、予備測定を行う必要がなく、また、解析条件の決定に際し図形要素の種類を判定等する必要がなく、オペレータの負担が著しく軽減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係る輪郭形状測定装置の全体像を示す図である。
【図2】 図1に示す輪郭形状測定装置のコンピュータ2を中心としたブロック図である。
【図3】 測定条件生成プログラム及び解析条件生成プログラムのフローチャートである。
【図4】 CRT5の画面におけるCADデータ30の表示例、及び輪郭形状測定装置1による測定範囲を決定するための手法を示す図である。
【図5】 解析対象から除外するデータ部分を決定するための手法を示す図である。
【図6】 CADデータの表示例及びデータ構造を示す図である。
【図7】 解析条件の決定の仕方を説明するための概念図である。
【図8】 測定条件及び解析条件のCRT5上における表示例である。
【符号の説明】
1・・・・・・輪郭形状測定装置、2・・・・・・コンピュータ、3・・・・・・キーボード、4・・・・・・マウス、5・・・・・・CRT、6・・・・・・被測定物、11・・・・・・プローブ、12・・・・・・プローブ保持部、13・・・・・・水平送り装置、13a・・・・・・測定速度出力回路、13b・・・・・・DA変換器、13c・・・・・・パルス幅変調器、14・・・・・・載置台、15・・・・・・コラム、12S,13S,14S・・・・・・位置センサ、16・・・・・・ベース、17・・・・・・垂直送り装置、17a・・・・・・上下移動出力回路、17b・・・・・・パルス発生器、17c・・・・・・パルス計数器、21・・・・・・プリアンプ、21a・・・・・・AD変換器、21b・・・・・・測定倍率出力回路、22・・・・・・CPU、23・・・・・・インターフェース、24・・・・・・ハードディスク、25・・・・・・表示制御部、26・・・・・・インターフェース、27・・・・・・ROM、28・・・・・・RAM、29・・・・・・CADシステム、29a・・・・・・インターフェース、IF・・・・・・インターフェース

Claims (10)

  1. 被測定物の設計値データを取得するステップと、
    該設計値データを表示するステップと、
    表示された前記設計値データに基づき、前記被測定物を測定して得られた測定結果を解析する解析範囲を指定するステップと、
    指定された前記解析範囲内に含まれる前記設計値データの情報を抽出するステップと、
    抽出された前記設計値データの情報に基づき前記測定結果を解析する際の解析条件を決定するステップと、
    決定された前記解析条件を表示するステップと
    を備え
    前記解析条件を決定するステップは、前記設計値データを構成する基本図形の種類に関する情報に基づき前記解析条件を決定すると共に、前記解析範囲内に前記基本図形が複数含まれる場合に、該基本図形間の関係に基づき前記解析条件を決定する
    ことを特徴とする表面性状測定方法。
  2. 前記解析条件を決定するステップは、前記解析範囲内に前記基本図形として複数の直線が含まれる場合に、該複数の直線がなす角度を計算する前記解析条件を決定することを特徴とする請求項に記載の表面性状測定方法。
  3. 前記解析条件を決定するステップは、前記解析範囲内に前記基本図形として互いに平行な直線が含まれる場合に、該平行直線間の距離を計算する前記解析条件を決定することを特徴とする請求項に記載の表面性状測定方法。
  4. 前記解析条件を決定するステップは、同一種類の前記基本図形が複数個連続している場合に、前記基本図形間のピッチを計算する前記解析条件を決定することを特徴とする請求項に記載の表面性状測定方法。
  5. 前記解析条件を決定するステップは、前記基本図形の所定部位を前記解析するステップにおける解析の対象から除外することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の表面性状測定方法。
  6. 前記解析条件を決定するステップは、前記基本図形の形状及び大きさに関する情報を基準データとして前記解析条件を決定することを特徴とする請求項に記載の表面性状測定方法。
  7. 表示された前記解析条件を編集するステップを更に備えたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の表面性状測定方法。
  8. 前記被測定物の設計値データを取得するステップは、該被測定物を加工する際の加工条件データを更に取得して設計値データに統合することを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の表面性状測定方法。
  9. 請求項1乃至のいずれかに記載の表面性状測定方法をコンピュータに実行させることを特徴とした表面性状測定プログラム。
  10. 被測定物の表面性状を測定する表面性状測定手段と、
    被測定物の設計値データを取得する設計値データ取得手段と、
    該設計値データを表示する表示手段と、
    該表示手段に表示された前記設計値データに基づき前記表面性状測定手段により得られた測定結果を解析する解析範囲を指定する解析範囲指定手段と、
    指定された前記解析範囲内に含まれる前記設計値データの情報を抽出する情報抽出手段と、
    前記表面性状測定手段による測定結果を解析する解析手段と、
    前記情報抽出手段からの前記情報に基づき前記解析手段による解析条件を決定する解析条件決定手段と、
    前記解析条件決定手段により決定された解析条件を表示する解析条件表示手段とを備え
    前記解析条件決定手段は、
    前記設計値データを構成する基本図形の種類に関する情報に基づき前記解析条件を決定 すると共に、前記解析範囲内に前記基本図形が複数含まれる場合に、該基本図形間の関係に基づき前記解析条件を決定する
    ことを特徴とする表面性状測定装置。
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