JP4199441B2 - 内視鏡 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内視鏡の照明用光源の配置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、発光ダイオード(LED)等の発光素子の発光性能の向上及び小型化にともない、内視鏡の照明用光源としてLED等の発光素子を用いたものが提案されている。LED等の発光素子は小型であるとともに発熱量が小さいことから、このような内視鏡では、内視鏡の挿入部先端に光源であるLEDを設けることが可能となる。これにより、ライトガイドを介することなく照明光を観察部位に供給することができるため、内視鏡挿入部の細径化が容易になるとともに、別途光源部を設ける必要がなくなるため、その構成も簡略・小型とすることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、単体としてのLEDの照明強度は、必ずしも照明光としてまだ十分とは言えず、複数のLEDを内視鏡の先端部に設ける必要が生じ得る。しかし、内視鏡の先端部は極めて小型であるとともに、観察部位の位置に応じて様々な方向に撓曲されて用いられるため、その先端部に複数のLEDが配置されると、配線が絡みやすいという問題がある。
【0004】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、挿入部の先端に極性を有する複数の発光素子が設けられるとともに発光素子の配線が絡みにくい内視鏡を得ることを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の内視鏡は、それぞれアノード及びカソードの2つの極性端子を有する複数の照明用の発光素子を内視鏡挿入部の先端に備え、複数の発光素子が直列に接続され、この直列接続の+側及び−側の末端となるアノード端子及びカソード端子を除いて、複数の発光素子の各々のアノード端子が、次に接続される発光素子のカソード端子よりに配置され、かつ複数の発光素子の各々のカソード端子が、次に接続される発光素子のアノード端子よりに配置されていることを特徴としている。
【0006】
良好な配光特性を得るには、複数の発光素子は、対物レンズを取り囲んで円環状に配置されることが好ましい。また、発光素子は例えばLEDからなる。
【0007】
また、本発明の内視鏡は、それぞれアノード及びカソードの2つの極性端子を有する照明用の第1及び第2の発光素子を内視鏡挿入部の先端に備え、第1の発光素子のアノード端子が第2の発光素子のカソード端子に接続され、第1の発光素子のアノード端子の方が第1の発光素子のカソード端子よりも第2の発光素子のカソード端子よりに配置され、第2の発光素子のカソード端子の方が第2の発光素子のアノード端子よりも第1の発光素子のアノード端子よりに配置されることを特徴としている。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
図1は、本発明を適用した第1の実施形態である携帯内視鏡の構成の概略を示す図である。
【0009】
内視鏡本体10は、細長で可撓性を有する挿入部11、各種操作を行うための操作部12、及び内視鏡観察を行うための接眼部13から概ねなる。観察部位の映像は、挿入部11の先端部11Aに設けられた対物レンズ(図2参照)、超極細の光ファイバーの束からなる管状のイメージガイド14を介して光学的に伝送され、接眼部13の光学系を通して観察される。内視鏡本体10内には、イメージガイド14の他に例えば、鉗子チャンネル15、送気・送水チャンネル16、吸引チャンネル17等が設けられており、それぞれのチューブの一方の端部は挿入部11の先端部11Aに達している。鉗子チャンネル15のもう一方の端部は鉗子口15Bに接続され、鉗子口15Bには鉗子栓15Cが設けられる。送気・送水チャンネル16のもう一方の端部は送気・送水ボタン16Cを介して送気・送水ソケット(図示せず)に導かれる。また、吸引チャンネル17のもう一方の端部は吸引ボタン17Cを介して吸引ニップル(図示せず)に導かれる。挿入部11の先端部11Aには、発光素子として複数(例えば3つ)のLED18が設けられている。LED18の発光はLEDドライブ回路19により制御され、LEDドライブ回路19は電源ユニット20に設けられた回転式のスイッチ20AのON操作に基づいて回路駆動される。なお、図1には便宜上、1つのLEDしか図示されていない。
【0010】
図2は挿入部11の先端部11Aを正面(外部)から見たときの模式図であり、それぞれの部品の配置を示している。
【0011】
先端部11Aは略円形をしており、その略中央には対物レンズ21が設けられている。鉗子チャンネルの開口15A、送気ノズル16A、送水ノズル16B、及び照明用光源の3つのLED18A、18B、18Cは、例えば対物レンズ21を取り囲んで円環状に配置される。このときLED18A、18B、18Cは、その配置に偏りが生じないように、それぞれ鉗子チャンネルの開口15A、送気ノズル16A、送水ノズル16Bを間に挟んで配置される。
【0012】
図3は、先端部11Aを背面からみたときの模式図であり、それぞれの部品の配置とLED18A、18B、18Cの配線が示されている。LED18A、18B、18Cは、図4に示すように直列にLEDドライブ回路19に接続されている。すなわち、LED18Aのカソード端子KはLEDドライブ回路19の−極側端子に接続され、LED18Aのアノード端子Aは、LED18Bのカソード端子Kに接続され、LED18Bのアノード端子AはLED18Cのカソード端子Kに接続され、LED18Cのアノード端子AはLEDドライブ19の+極側端子に接続されている。
【0013】
このとき、LED18A、18B、18Cは、LED18Aのアノード端子Aがカソード端子Kに比べLED18Bのカソード端子K側に位置し、LED18Bのアノード端子Aがカソード端子Kに比べLED18Cのカソード端子K側に位置するように配置される。図3に示される先端部11Aの背面図では、LED18A、18B、18Cの各端子が、先端部11Aの周に沿って、時計回りにアノード端子A、カソード端子Kの順となるように各々配置されている。すなわち、複数のLEDの直列接続において、接続の+側の末端となるアノード端子、及び−側の末端となるカソード端子を除いて、各LEDのアノード端子Aは次に接続されるLEDのカソード端子Kよりに配置され、各LEDのカソード端子Kは次に接続されるLEDのアノード端子よりに配置される。
【0014】
以上のように、本発明の第1の実施形態によれば、直列に接続されるLED等の極性をもつ複数の発光素子を配線が絡みにくい構成で内視鏡の先端部に配置することができる。
【0015】
次に図5及び図2〜図4を参照して本発明の第2の実施形態について説明する。図5は本発明が適用される第2の実施形態の電子内視鏡システムの構成を概略的に示すブロック図である。なお、第1の実施形態の同様の機能を果たす構成部には同一の参照番号を使用した。
【0016】
第2の実施形態の電子内視鏡システムは、例えば、電子内視鏡10’、映像信号処理装置30、TVモニタ40、キーボード50等からなる。電子内視鏡10’は映像信号処理装置30に着脱自在に接続され、映像信号処理装置30にはビデオケーブルを介して画像表示用のTVモニタ40が接続される。電子内視鏡10’の先端で撮影された映像は、映像信号処理装置30で画像信号処理された後、TVモニタ40の画面に表示される。
【0017】
電子内視鏡10’は、細長で可撓性を有する挿入部11、操作部12、映像信号処理装置30との接続されるコネクタ部22、電子内視鏡10’の本体とコネクタ部22とを連結し、可撓性を有する連結部23とから概ねなる。挿入部11の先端部11Aには撮像素子であるCCD20と照明用光源としての複数のLED(発光素子)が設けられている。なお、電子内視鏡10’には、この他にも図1を参照して説明した内視鏡10と同様に、鉗子チャンネル、送気・送水チャンネル、吸引チャンネルや、各種操作ボタン等が通常設けられているが、それらの説明を省略する。
【0018】
電子内視鏡10’の先端部11Aにおける各部品の配置は、第1の実施形態における内視鏡10の先端部と同様であり図2、図3で示される。すなわち、電子内視鏡10’の先端部11Aには3つのLED18A、18B、18Cが図2、図3に示される配置で取り付けられている。なお、第2の実施形態では、第1の実施形態のイメージガイド14に替えてCCD20が対物レンズ21に取り付けられている。
【0019】
LED18A、18B、18Cは図4に示されるように直列に接続され、映像信号処理装置30内に設けられたLEDドライブ回路19に接続されている。また、CCD20は、映像信号処理装置30に設けられた制御回路32に接続されており、制御回路32からの駆動パルス信号に基づいて駆動制御される。CCD20で撮影された映像はアナログの画像信号として映像信号処理回路30内の画像信号処理回路31に送られ、従来公知の各種信号処理が施された後、ビデオケーブルを介してTVモニタ40に出力される。
【0020】
映像信号処理装置30には、フロントパネルスイッチ33が設けられており、LEDの光源のON/OFF及び光量調整や、画像信号処理の各種パラメータの設定等を行うことができる。LEDドライブ回路19の駆動は、LEDの光源のON/OFFに対応したフロントパネルスイッチ33からの操作信号に基づいて制御回路32によって制御される。画像信号処理回路31等の駆動は、制御回路32によって制御される。また、制御回路32には入力装置であるキーボード50が接続され、制御回路32はキーボード50からの入力にしたがって画像処理や各種制御を行うことができる。
【0021】
以上のように、第2の実施形態においても、LEDが第1の実施形態と同様に配置されているので、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0022】
なお、本実施形態では、発光素子としてLEDが用いられたが、端子が極性をもつ発光素子であるならばLEDに限定されない。また本実施形態において、LEDの数は3つであったが、LEDの数はこれに限定されるものではなく、これよりも多くても少なくてもよい。
【0023】
本実施形態においてLEDは挿入部先端面の周に沿って略等間隔に配置されたが、複数のLEDの直列接続において、接続の+側の末端となるアノード端子、及び−側の末端となるカソード端子を除いて、各LEDのアノード端子Aが次に接続されるLEDのカソード端子Kよりに配置され、各LEDのカソード端子Kが次に接続されるLEDのアノード端子よりに配置されていればよく、本実施形態の配置に限定されるものではない。
【0024】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、挿入部の先端に極性を有する複数の発光素子が設けられるとともに発光素子の配線が絡みにくい内視鏡を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用される第1の実施形態の内視鏡の概略図である。
【図2】内視鏡の挿入部先端におけるLEDの配置を示す模式的な正面図である。
【図3】図2に示された挿入部先端を背面から見たときの図である。
【図4】LEDの電気的な配線を示す図である。
【図5】本発明の第2の実施形態である電子内視鏡システムの回路構成を概略示すブロック図である。
【符号の説明】
10 内視鏡
10’ 電子内視鏡
11 挿入部
11A 先端部
18A、18B、18C LED
A アノード端子
K カソード端子

Claims (3)

  1. それぞれアノード及びカソードの2つの極性端子を有する複数の照明用の発光素子を内視鏡挿入部の先端に備え、
    前記複数の発光素子が直列に接続され、この直列接続の+側及び−側の末端となるアノード端子及びカソード端子を除いて、前記複数の発光素子の各々のアノード端子が、次に接続される発光素子のカソード端子よりに配置され、かつ前記複数の発光素子の各々のカソード端子が、次に接続される発光素子のアノード端子よりに配置され
    更に鉗子チャンネル、送気ノズル、送水ノズル、前記複数の発光素子が対物レンズを取り囲んで円環状に配置されるとともに、前記複数の発光素子の配置に偏りが生じないように、前記複数の発光素子が前記鉗子チャネル、前記送気ノズル、前記送水ノズルを間に挟んで配置される
    ことを特徴とする内視鏡。
  2. 前記発光素子がLEDであることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡。
  3. それぞれアノード及びカソードの2つの極性端子を有する照明用の第1及び第2の発光素子を内視鏡挿入部の先端に備え、
    前記第1の発光素子のアノード端子が前記第2の発光素子のカソード端子に接続され、前記第1の発光素子のアノード端子の方が前記第1の発光素子のカソード端子よりも前記第2の発光素子のカソード端子よりに配置され、前記第2の発光素子のカソード端子の方が前記第2の発光素子のアノード端子よりも前記第1の発光素子のアノード端子よりに配置され
    更に鉗子チャンネル、送気ノズル、送水ノズル、前記複数の発光素子が対物レンズを取り囲んで円環状に配置されるとともに、前記複数の発光素子の配置に偏りが生じないように、前記複数の発光素子が前記鉗子チャネル、前記送気ノズル、前記送水ノズルを間に挟んで配置される
    ことを特徴とする内視鏡。
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